立体的な闇が広がる妖怪の山。
午前2時過ぎに、ここをうろつくものは少ないだろう。
にとりはその山の中をひとりうろついていた。
「どこいったんだろー?」
にとりの目元は赤く光っている。それは赤外線のメガネの光。
赤外線メガネをつけて、ある大きな探し物をしていた。
それは、最新作の人型ロボットver3である。
起動テストのスイッチを入れたとたんにロボットが暴走。山の奥深くへと走っていったのだ。
「あれがひとりで暴走してたらみんな迷惑だよね~。」
なんて独り言を言いながら、目の前に続く闇の中を進んでゆく。
突然メガネの端の方に人影らしきものが動いた。
「・・・だれ?」
影の方に目をやるが誰もいない。
草木が揺らいだだけの見間違いだと思い前を向くと、先の方に違う人影を発見した。
にとりは走ってその方向へ近づく。
そこには、大きな人がたたずんでいた。
「あ!ロボ 発見!」
燃料タンクのランプがついていない。燃料切れで停止したらしい。
メガネをはずし電気で照らすと、ロボに赤い液体がかかっていることに気づいた。
そして、ついさっき出来たボディーには錆(さび)が目立つ。
「うわー。なにしたのこのロボ。」
足元を見ると、ロボの足が埋まっている。
そして脛(すね)から太腿(ふともも)にかけては、無数の赤い手跡がビッシリとついている。
「げげっ。もしかしていたずら!?」
ニトリがロボを引っ張り上げようとするが、河童一人の力ではビクともしない。
「明日諏訪子にでも手伝ってもらお・・・。」
そういって溜め息をついた後、後ろを向きロボを後にした。
30分以上歩いたが、山から出ることができない。
それどころか、さっきから後ろで妙な気配を感じる。
赤外線カメラに内蔵されている地図が、この時に限ってぶっ壊れているのも災難だ。
「あれあれ?やっぱり道に迷った・・・?」
気づけば、さっきのロボの場所に戻ってきていた。相変わらず埋まっているロボ。
よくみれば、さっきより掘り起こされているような・・・。
まぁそんなことを考えても仕方ないと、にとりはまた歩き始めた。
ずっと後ろに感じる気配・・・。それがさっきより近くなっているような・・・。
にとりはずっと後ろに注意を払い、ひろがる闇のなかを進んでゆく。
上を向くが、やはり木々に隠れて空が見えない。
だんだんあせり始めてきたにとりは、気づけば小走りになっていた。
「はやく・・・早くお家に帰りたい・・・。」
と、つぶやいてしまうほど必死だった。だが、その思いは届かず。
またも、ロボの目の前に来てしまった。
「え・・・?あれ・・・?」
にとりはあることに気づいた。
それは、赤い手跡が脛から胸辺りまで増えていること。
そして、三本しかない指の内二本がなくなっていること。
最初出会って、指は三本ともあった。
二回目出会ったときには、指が一本なかったのかもしれない。
そして今、二本目のゆびが消えた。
今もいたずらが進行しているのか・・・?
だが今のにとりにとって、ロボなんてどうでもいい。
早く家に帰りたいことしか頭にない。
にとりは、突然その場から全速力で走り出した。
後ろの気配が物凄く接近した気がしたから・・・。
とにかく走るにとり。
涙がボロボロと零れ落ちていて、前がはっきり見えないというのに全速力で走る。
と、突然にとりが足を止めた。同時に後ろの気配も止まった。
にとりはロボの目の前に来てしまったのだ。
思ったとおり、指は全部なくなっている。
しかもさっきより錆がひどくなっている。そして手跡は全身を覆いつくした。
「どーゆー・・・こと?」
パニックで頭が真っ白なにとり。
後ろの気配はゆっくりと近づいてくる。
ここは逃げるべきか。後ろを向くべきか。
走ってしまった・・・。
あそこで後ろを振り向いていたらどうなったか・・・。助かったかもしれない。
だが、もう走ってしまったのだから遅い。
目の前に迫る木々をよけ、必死に走るにとり。
突然後ろの気配がなくなったが、それでも走る。
木をよける。よける。よける・・・。
ある木をよけた瞬間、視界に入った白い女の人。
人間ではない大きさの口をいっぱいに広げ笑っていた・・・。
「えっ?!」
そちらに眼をやったが、誰も居ない。
はっきり見えた人影は・・・見間違い?
それでもにとりは走り続け、とうとう妖怪の山を抜けた。
いつも見る道・・・。いつもの川・・・。
今にも泣き出しそうな感情を押さえ、川へと走る。
「やった・・・帰れる・・・!」
そしてにとりは背中に5、6個の手跡をつけたまま川へと戻っていった・・・。
午前2時過ぎに、ここをうろつくものは少ないだろう。
にとりはその山の中をひとりうろついていた。
「どこいったんだろー?」
にとりの目元は赤く光っている。それは赤外線のメガネの光。
赤外線メガネをつけて、ある大きな探し物をしていた。
それは、最新作の人型ロボットver3である。
起動テストのスイッチを入れたとたんにロボットが暴走。山の奥深くへと走っていったのだ。
「あれがひとりで暴走してたらみんな迷惑だよね~。」
なんて独り言を言いながら、目の前に続く闇の中を進んでゆく。
突然メガネの端の方に人影らしきものが動いた。
「・・・だれ?」
影の方に目をやるが誰もいない。
草木が揺らいだだけの見間違いだと思い前を向くと、先の方に違う人影を発見した。
にとりは走ってその方向へ近づく。
そこには、大きな人がたたずんでいた。
「あ!ロボ 発見!」
燃料タンクのランプがついていない。燃料切れで停止したらしい。
メガネをはずし電気で照らすと、ロボに赤い液体がかかっていることに気づいた。
そして、ついさっき出来たボディーには錆(さび)が目立つ。
「うわー。なにしたのこのロボ。」
足元を見ると、ロボの足が埋まっている。
そして脛(すね)から太腿(ふともも)にかけては、無数の赤い手跡がビッシリとついている。
「げげっ。もしかしていたずら!?」
ニトリがロボを引っ張り上げようとするが、河童一人の力ではビクともしない。
「明日諏訪子にでも手伝ってもらお・・・。」
そういって溜め息をついた後、後ろを向きロボを後にした。
30分以上歩いたが、山から出ることができない。
それどころか、さっきから後ろで妙な気配を感じる。
赤外線カメラに内蔵されている地図が、この時に限ってぶっ壊れているのも災難だ。
「あれあれ?やっぱり道に迷った・・・?」
気づけば、さっきのロボの場所に戻ってきていた。相変わらず埋まっているロボ。
よくみれば、さっきより掘り起こされているような・・・。
まぁそんなことを考えても仕方ないと、にとりはまた歩き始めた。
ずっと後ろに感じる気配・・・。それがさっきより近くなっているような・・・。
にとりはずっと後ろに注意を払い、ひろがる闇のなかを進んでゆく。
上を向くが、やはり木々に隠れて空が見えない。
だんだんあせり始めてきたにとりは、気づけば小走りになっていた。
「はやく・・・早くお家に帰りたい・・・。」
と、つぶやいてしまうほど必死だった。だが、その思いは届かず。
またも、ロボの目の前に来てしまった。
「え・・・?あれ・・・?」
にとりはあることに気づいた。
それは、赤い手跡が脛から胸辺りまで増えていること。
そして、三本しかない指の内二本がなくなっていること。
最初出会って、指は三本ともあった。
二回目出会ったときには、指が一本なかったのかもしれない。
そして今、二本目のゆびが消えた。
今もいたずらが進行しているのか・・・?
だが今のにとりにとって、ロボなんてどうでもいい。
早く家に帰りたいことしか頭にない。
にとりは、突然その場から全速力で走り出した。
後ろの気配が物凄く接近した気がしたから・・・。
とにかく走るにとり。
涙がボロボロと零れ落ちていて、前がはっきり見えないというのに全速力で走る。
と、突然にとりが足を止めた。同時に後ろの気配も止まった。
にとりはロボの目の前に来てしまったのだ。
思ったとおり、指は全部なくなっている。
しかもさっきより錆がひどくなっている。そして手跡は全身を覆いつくした。
「どーゆー・・・こと?」
パニックで頭が真っ白なにとり。
後ろの気配はゆっくりと近づいてくる。
ここは逃げるべきか。後ろを向くべきか。
走ってしまった・・・。
あそこで後ろを振り向いていたらどうなったか・・・。助かったかもしれない。
だが、もう走ってしまったのだから遅い。
目の前に迫る木々をよけ、必死に走るにとり。
突然後ろの気配がなくなったが、それでも走る。
木をよける。よける。よける・・・。
ある木をよけた瞬間、視界に入った白い女の人。
人間ではない大きさの口をいっぱいに広げ笑っていた・・・。
「えっ?!」
そちらに眼をやったが、誰も居ない。
はっきり見えた人影は・・・見間違い?
それでもにとりは走り続け、とうとう妖怪の山を抜けた。
いつも見る道・・・。いつもの川・・・。
今にも泣き出しそうな感情を押さえ、川へと走る。
「やった・・・帰れる・・・!」
そしてにとりは背中に5、6個の手跡をつけたまま川へと戻っていった・・・。
かさぶた剥いたら大抵は、血は出ますよねw
なにこれこわい
……えっ……?
ところで、これ、シリーズですか?
い、いや、べべべ、別にビビッてなんかいませんよ、ええ、おほほほほ