夜中12:00。
目が覚めたレミリアは、ひとりトイレに向かって歩いていた。
客人が夜中ひとりで通るには、少し勇気が必要なほど暗い廊下だが、ここに住んでいるレミリアはもう慣れている。
しかし、自分の部屋からトイレまでのこの廊下、長すぎる。
「ふぁ~っ。眠い・・・早くトイレ済ませて寝よ・・・。」
大きな欠伸をしながら静かに歩いていく。廊下とともに続く長い闇には歩く足音だけが響く。
スタっ・・・スタっ・・・
スタっ・・・スタっ・・・
スタっ・・・スタっ・・・(ひたっ・・・
「えっ?」
今、私のものじゃない足音が一つまぎれていた・・・?
この廊下には赤いカーペットが敷かれている為、足を擦る様な音しか響かない。
というか、レミリアしかいないはずだから、足音はレミリアが歩くとき以外ならない。
「・・・誰?・・・咲夜?」
その呼び掛けはウヮンウヮンと廊下に響き渡る。だが、答えてくる気配はない。
空耳か・・・?
そうだ。寝ぼけてるせいの空耳だ・・・きっと。
レミリアが自分にそう言い聞かせ、後ろを向き直した瞬間───
相変わらずの闇が広がっている。
また、ゆっくりと歩いてゆく。
咲夜について来て貰えばよかったかも。などと考えているうちに、トイレの前までついていた。
ここの光はレミリアの心を落ち着かせてくれるほど、明るく白い電気だった。
そこまで眩しくない、目を傷めないやわらかな光。そして、トイレ独特のにおい。
けしてアンモニア臭ではない、なんかよくわからないいい香り。
トイレがここまで大事なものだったと改めて感じながら、便器に腰掛け、溜め息を吐いた。
「あ~。すっきり・・・」
微妙に聞こえる換気扇やらボイラーやらの音がうれしい。
無音より少しでも何か聞こえると安心する。
ありがとう、トイレ。
そんなことを考え、水を流す。
ジャー・・・・ゴポゴ(ひたっ・・・
「っ?!」
さっきよりも近く、ここからそう近くない距離で一つの足跡が響いた。
今の音だけ大きかった。水の音に紛れないほど・・・。
「おちつけ。。。落ち着け私。。。」
ゆっくりとトイレのドアを開ける。
ビクッ!!
目の前にある人影にビックリして、涙目になってしまった。
どうして・・・?どうしてトイレの前に鏡というものをつけるの・・・?
鏡とトイレは向かい合わせに設置したらビックリしちゃうからやめろってあれほどいったのに・・・・。
鏡に映った自分にビックリするほど、恐怖で膝が震えているレミリア。
とにかく、早く洗面所を出て廊下走って咲夜の部屋に行こう。
そう考えて再び闇の中に飛び出す。
走れっ!走れっ!!
ダッダッダッダッダッダッ!
無我夢中で走っていると、目の前が行き止まりになった。
「あれっ?道間違った・・・?」
普段間違えるはずのない廊下を間違えてしまうほど、恐怖でいっぱいなのだろうか、
しかし、ホント久しぶりに紅魔館の道を間違った。
とにかくもどろう。
闇の中を再び走る。もう涙は2、3滴、眼から零れ落ちている。
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ(ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
「ひゃぁ?!」
またも聞こえた足音にビックリして足を止めてしまった。
どうしてそこで止まってしまうの!?動け!動け私の足!
動こうとするが全く動かない。
足どころか、身体全体が金縛りになったかのような苦しみに襲われた。
後ろに気配を感じる・・・。
冷たく、無機質な・・・感じたことのない気配。
その気配はレミリアより小さく、床にすごく近い。
後ろは見ちゃだめだ・・・!絶対見ちゃダ(ビチャンッ!
「ぅぁあ!?」
突然鳴り響いた大きな音に飛び上がり、思いっきり後ろを振り向いてしまった。
そこには、ブリッジ状態の女の子がいた。
しかし、不気味なほど白い肌に薄青いボロボロの洋服。そして、生きていられるはずのないほどグチャグチャな顔。
半分がえぐられていて、もう半分の残った眼は完全に白目を剥いている。
そして口らしき部分が笑っている。
「ぎゃぁあああああああああ!」
その叫び声と恐怖が足を動かした。
これでもついて来れるか!ってくらいに全速力で走る。
こんなに続いているはず無いのに、いくら走っても伸びる闇と廊下。
なんで?!階段はどこ?!
と思っていると上りの階段を見つけた。上に用は無い。用があるのは一階だ。
だが、これで逃げきれるのなら・・・と三階にひたすら上がる。
ひたひたひたヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ・・・
あの足音が前から聞こえてきた。階段の上のほうを見ると・・・
降りてきている。
相変わらずのブリッジでテンポを崩すことなく・・・。
走って逃げるほか、出来ることがない。
階段を下りて、また廊下の闇の中を走る。
ダッダッダッダッダ(ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
アレのほうが足が速い。距離が狭まって来るのが音で分かる。
気づけば、すぐ足元で音がなっていた。
レミリアの走る音と、アレの走る音が重なっている。
速度が遅くなってきたレミリア。その速さにあわせているのか、足音を重ねて走っている。
「あっ・・・」
ドアの前に立つ一人の人影。
咲夜だった。
「お嬢様!!こんな夜中に走り回っていちゃだめですよ!
慣れてるとはいえ、遊ぶならお昼じゃないと危ないじゃないですか!」
やっぱり咲夜だ。じゃあここは・・・
ドアを見ると[咲夜]と書かれた札がかかっている。
いつ、一階に下りてきたのか分からないが、確かにそこは咲夜の部屋だ。
恐怖と緊張から開放されたレミリアはその場に泣き崩れた。
「グスッ・・・わぁぁああああああん!」
「えっ?あ、あのお嬢様!?」
レミリアに駆け寄り、背中をさする咲夜は、
少し怒鳴りすぎたのかな。と、戸惑ってしまった。
「エフッ・・・咲夜ッ・・・お化け、が、追いかけ、てきた、の・・・」
しゃっくり交じりにレミリアはそういって咲夜に抱きつく。
「変なの・・・ですか?」
レミリアが来た廊下のほうを見るが、何もいない。
紅魔館に幽霊が出たことなど一度も無い。
幻想郷に幽霊はいるし、誰かの悪戯だろうか?
「えっと、まぁ、今日は私と寝ましょうね。」
レミリアを立ち上がらせて部屋の中へと連れて行く。
廊下を見たとき残っていた、血で出来た二つの手跡。
あれは誰の手跡なのか・・・。
侵入者が来るなんて・・・紅魔館もまだ見直すところがあるなぁ。
と考えながら、咲夜は静かにドアを閉めた。
ぱたn(ひた・・・
目が覚めたレミリアは、ひとりトイレに向かって歩いていた。
客人が夜中ひとりで通るには、少し勇気が必要なほど暗い廊下だが、ここに住んでいるレミリアはもう慣れている。
しかし、自分の部屋からトイレまでのこの廊下、長すぎる。
「ふぁ~っ。眠い・・・早くトイレ済ませて寝よ・・・。」
大きな欠伸をしながら静かに歩いていく。廊下とともに続く長い闇には歩く足音だけが響く。
スタっ・・・スタっ・・・
スタっ・・・スタっ・・・
スタっ・・・スタっ・・・(ひたっ・・・
「えっ?」
今、私のものじゃない足音が一つまぎれていた・・・?
この廊下には赤いカーペットが敷かれている為、足を擦る様な音しか響かない。
というか、レミリアしかいないはずだから、足音はレミリアが歩くとき以外ならない。
「・・・誰?・・・咲夜?」
その呼び掛けはウヮンウヮンと廊下に響き渡る。だが、答えてくる気配はない。
空耳か・・・?
そうだ。寝ぼけてるせいの空耳だ・・・きっと。
レミリアが自分にそう言い聞かせ、後ろを向き直した瞬間───
相変わらずの闇が広がっている。
また、ゆっくりと歩いてゆく。
咲夜について来て貰えばよかったかも。などと考えているうちに、トイレの前までついていた。
ここの光はレミリアの心を落ち着かせてくれるほど、明るく白い電気だった。
そこまで眩しくない、目を傷めないやわらかな光。そして、トイレ独特のにおい。
けしてアンモニア臭ではない、なんかよくわからないいい香り。
トイレがここまで大事なものだったと改めて感じながら、便器に腰掛け、溜め息を吐いた。
「あ~。すっきり・・・」
微妙に聞こえる換気扇やらボイラーやらの音がうれしい。
無音より少しでも何か聞こえると安心する。
ありがとう、トイレ。
そんなことを考え、水を流す。
ジャー・・・・ゴポゴ(ひたっ・・・
「っ?!」
さっきよりも近く、ここからそう近くない距離で一つの足跡が響いた。
今の音だけ大きかった。水の音に紛れないほど・・・。
「おちつけ。。。落ち着け私。。。」
ゆっくりとトイレのドアを開ける。
ビクッ!!
目の前にある人影にビックリして、涙目になってしまった。
どうして・・・?どうしてトイレの前に鏡というものをつけるの・・・?
鏡とトイレは向かい合わせに設置したらビックリしちゃうからやめろってあれほどいったのに・・・・。
鏡に映った自分にビックリするほど、恐怖で膝が震えているレミリア。
とにかく、早く洗面所を出て廊下走って咲夜の部屋に行こう。
そう考えて再び闇の中に飛び出す。
走れっ!走れっ!!
ダッダッダッダッダッダッ!
無我夢中で走っていると、目の前が行き止まりになった。
「あれっ?道間違った・・・?」
普段間違えるはずのない廊下を間違えてしまうほど、恐怖でいっぱいなのだろうか、
しかし、ホント久しぶりに紅魔館の道を間違った。
とにかくもどろう。
闇の中を再び走る。もう涙は2、3滴、眼から零れ落ちている。
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ(ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
「ひゃぁ?!」
またも聞こえた足音にビックリして足を止めてしまった。
どうしてそこで止まってしまうの!?動け!動け私の足!
動こうとするが全く動かない。
足どころか、身体全体が金縛りになったかのような苦しみに襲われた。
後ろに気配を感じる・・・。
冷たく、無機質な・・・感じたことのない気配。
その気配はレミリアより小さく、床にすごく近い。
後ろは見ちゃだめだ・・・!絶対見ちゃダ(ビチャンッ!
「ぅぁあ!?」
突然鳴り響いた大きな音に飛び上がり、思いっきり後ろを振り向いてしまった。
そこには、ブリッジ状態の女の子がいた。
しかし、不気味なほど白い肌に薄青いボロボロの洋服。そして、生きていられるはずのないほどグチャグチャな顔。
半分がえぐられていて、もう半分の残った眼は完全に白目を剥いている。
そして口らしき部分が笑っている。
「ぎゃぁあああああああああ!」
その叫び声と恐怖が足を動かした。
これでもついて来れるか!ってくらいに全速力で走る。
こんなに続いているはず無いのに、いくら走っても伸びる闇と廊下。
なんで?!階段はどこ?!
と思っていると上りの階段を見つけた。上に用は無い。用があるのは一階だ。
だが、これで逃げきれるのなら・・・と三階にひたすら上がる。
ひたひたひたヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ・・・
あの足音が前から聞こえてきた。階段の上のほうを見ると・・・
降りてきている。
相変わらずのブリッジでテンポを崩すことなく・・・。
走って逃げるほか、出来ることがない。
階段を下りて、また廊下の闇の中を走る。
ダッダッダッダッダ(ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
アレのほうが足が速い。距離が狭まって来るのが音で分かる。
気づけば、すぐ足元で音がなっていた。
レミリアの走る音と、アレの走る音が重なっている。
速度が遅くなってきたレミリア。その速さにあわせているのか、足音を重ねて走っている。
「あっ・・・」
ドアの前に立つ一人の人影。
咲夜だった。
「お嬢様!!こんな夜中に走り回っていちゃだめですよ!
慣れてるとはいえ、遊ぶならお昼じゃないと危ないじゃないですか!」
やっぱり咲夜だ。じゃあここは・・・
ドアを見ると[咲夜]と書かれた札がかかっている。
いつ、一階に下りてきたのか分からないが、確かにそこは咲夜の部屋だ。
恐怖と緊張から開放されたレミリアはその場に泣き崩れた。
「グスッ・・・わぁぁああああああん!」
「えっ?あ、あのお嬢様!?」
レミリアに駆け寄り、背中をさする咲夜は、
少し怒鳴りすぎたのかな。と、戸惑ってしまった。
「エフッ・・・咲夜ッ・・・お化け、が、追いかけ、てきた、の・・・」
しゃっくり交じりにレミリアはそういって咲夜に抱きつく。
「変なの・・・ですか?」
レミリアが来た廊下のほうを見るが、何もいない。
紅魔館に幽霊が出たことなど一度も無い。
幻想郷に幽霊はいるし、誰かの悪戯だろうか?
「えっと、まぁ、今日は私と寝ましょうね。」
レミリアを立ち上がらせて部屋の中へと連れて行く。
廊下を見たとき残っていた、血で出来た二つの手跡。
あれは誰の手跡なのか・・・。
侵入者が来るなんて・・・紅魔館もまだ見直すところがあるなぁ。
と考えながら、咲夜は静かにドアを閉めた。
ぱたn(ひた・・・
……え?なにこれ
ホントにこわい (ひた……
怖いよこれ怖いよ
実は妹様とパチュリーが組んだ新手の魔法でお嬢様を怖がらせてそのあまりにも可愛い姿に鼻血出しながら地に手を付いて悶絶してるんですね分かり(ひた……
トイレの臭いは共感できるなw
しいて言えば・・・吸血鬼は鏡にうつらないけど
そんなことはどうでも良かった
もしかして作者はその女の子の顔のかさぶたを剥いたと……
『おしょうさま』はおもろいwww
ブリッジした状態での所でエクソシストっていう単語が思い浮かんだ。
和尚様の後をつけ回したい衝動に駆られますな。