Coolier - 新生・東方創想話

【ターンテーブル・コタツムリ】

2009/12/20 02:12:22
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※アリスメインの話に読めるかもしれませんが、それは錯覚というものです。




――――――――こんなふうにするのも、あと何回くらいかしら

――――――――なにが?

――――――――だから、こんなふうにぐだっとして、呑んだり、騒いだりとか、とにかくそういうのよ

――――――――別に、やりたきゃいくらでもやればいいじゃない

――――――――だれが?あんたが?霊夢は、死ぬじゃない

――――――――そんならアリス、あんたがやればいいわ

――――――――冗談言わないで。私は呼ばれる方がいいわ。開くのはまっぴら

――――――――そう?でもまぁ、楽しけりゃ文句なんて出ないわよ。酒と食べ物と場所。これさえあればいいんだから











【コタツムリの一日目】

[覚えのない約束]

雨に打たれた衣からは、いつもの毅然とした様子を感じなかった。絶え間なく髪から落ちる雫を鬱陶しそうに払いながら、紅く白いその人間は、「お届けにあがりました」と静かにアリスを見つめた。妙齢の女の背筋はしゃんとしているのに、どうしてこうも陰鬱に見えるかしらと疑問に思いながら、アリスは長い黒髪にそっとタオルを当てながら訊いた。

「届けにって、何を?」
「炬燵です」

決まっているじゃないですかと巫女は言って、アリスがつま先立ちをしていることに気づくと、「自分で拭けますよ」とアリスの手からタオルを奪う。その横顔は少し不服そうだった。そんなつもりはなかったのだが、子ども扱いされたと感じたのだろう。

「炬燵?」

予想していなかったというよりはあまりに場違いな単語に首を傾げる。

「炬燵って言うと、日本机に布団の付いた、あの?」
「そう。それです」

彼女は玄関扉の横に立てかけていたらしいそれを、大儀そうに持ち上げる。ごとん、と鈍い音をたてて、彼女が炬燵と呼ぶそれは床に置かれた。炬燵は板と足とに分解されて、古そうな布紐で縛られている。巫女はこれを担いで来たのだろう。しとどに濡れて、アリスの生み出した灯りを受けて淡く光っていた。

「“布団”部分もあったのですが、この雨では次回に回す他ありませんでした」
「次回?」
「また来るという意味です。ご不満ですか」
「別に、そういうわけじゃないけど」
「そうですか。迷惑そうに見えたのですけど。先程から質問ばかりしていますが、もしやお忘れですか」

彼女はそこで一呼吸おいた。

「先々代の遺言でしてね。今朝から方々を回っているところなんですよ。貴女には炬燵をやってくれとありましたので、こうして雨の中持ってきたわけなのですが」

手紙には、貴女の方から所望したと書いてあるんですがね-不満そうに彼女は言う。

そう言えば、昨日が霊夢の四十九日だった。


翌日の晴れ間、当代の巫女は布団部分を持ってきた。先々代―霊夢―との約束というものにアリスはまるで覚えなんて無かったが、そんなことを言っても悪いだけだ。昨日の分まで厚く礼を言って引き取った。さてどうしたものかと少し悩む。アリスの家のリビングは洋風だ。置き場所に困って、結局は最近増築した地下室に入れておくことにした。色んな物が置いてあるその部屋は、整理されてはいるが普段使いはしていない。家具の配置の調和どころか、機能性や利便性という観点すら放棄している。和も洋もないのだ。人形に運ばせた炬燵を見つめ、アリスは少し思案した後、今はもう梅雨だから必要ないが、折角なので組み立ててみることにした。

組み立てて見ると、記憶していたより大きな物が出来上がって、部屋は随分と狭くなった。ついでだからと畳を三枚購入し、炬燵の下に敷いてみた。これで完璧だろう。満足したアリスはいそいそと入ってみた。熱は入れていない。時期的にもそうだが、魔法使いであるアリスには多少の寒さなどどうにも出来る。魔理沙がよくやっていたように寝っ転がって胸の上からだけ出してみた。何だか変な気分だった。天井が高い。

「なんで、炬燵なんて……」

自分は欲しがったのだろうか。思い出せない。いつ頃の約束なのだろう。死ぬ直前?それともずっと前?どれだけ記憶を探っても、その時の会話が出てこない。今年は「六十年目」だったから、あんまり昔なら二度と思い出せないかもしれない。もう二度と。ぐっと手を握った。仰向けだった体を横にして、アリスは肩まで炬燵に入り込む。幼い子どものように背中を丸めた。


雨が降る。
あめがふる。
雨が降っている。
あめがふっている。


かすかな雨音を聴きながら、アリスは一人目を閉じた。



夢はきっと見なかった。





【コタツムリの二日目】

[茸と蝸牛]

目覚めは最悪だった。いつの間にか炬燵の中で眠っていたらしく、無理な体勢の所為で節々が痛かった。魔理沙は平気そうだったのになぁと不思議に思う。なにかコツでもあるのかしら、今度あったら尋ねてみようと考えながら歩いた所為だろうか、森の中で魔理沙とばったり会った。ここ最近はずっと雨だから、お互い傘を差していた。魔理沙の手にはバスケットが握られていて、予想するまでもなく当然のようにキノコがこんまり入っていた。

「なんだ、アリスじゃないか」
「久しいわね。今日は腰の調子がいいの?」
「あの時はたまたまだ。まだそんな歳じゃない」
「そう?でもあんた、この前四十肩かもって言ってたじゃない」
「あれなら温泉に入ったら治った。私の場合は四十肩じゃなくて七十肩だけどな」
「見た目で言うなら三十肩じゃないの?」

アリスの言葉に、もうちょっと若いつもりなんだがなぁ、残念だ-魔理沙は笑う。その笑いはからりとしている。口ではそう言っても、魔理沙は自身の容姿には引け目を感じていないのだ。延命丹をもっと早くに完成されていればね-アリスは笑い返した。

「とにかく副作用が無いように気をつかったからなぁ」

修行いらずで寿命を延ばせる魔理沙の丹は、人里でも結構人気あるから、その苦労は報われているわけだけど、魔理沙は不満が残るようだ。

「背が伸びるまでいいだろうと、後回しにしてたのが失敗だったんだよなー。今思えば」
「確かに伸びたわね。いらんほど」
「にらむなよ」
「睨んでないわ。ところで首が疲れるから一歩下がってくれない?」
「そっちが下がればいいじゃないか」

それから暫くの間、二人は軽口をたたき合っていたが、そう言えばとアリスはふと疑問に思ったことを訊いてみた。

「ねえ、魔理沙は何を貰ったの?」
「は?何がだ?」
「だから、霊夢からよ。あんたのことだから、貰えるだけ貰ったんじゃないの?」

っていっても、霊夢はあんまり物を持っていなかったけど。アリスの言葉に魔理沙は不思議そうな顔を浮かべた。

「霊夢から?よくわからんが、最後にあいつに貰った物なら、多分あれだな。五平餅」
「なんで五平餅?」
「いや、そんなこと言われても」

ご馳走になった物はなったんだから仕方ないじゃないか。私だってあの後すぐに霊夢が逝っちまうなんて思わなかったわけで-面白味のない物で悪かったなぁという感じに魔理沙は口をとがらせる。だいたい何で急に霊夢の話なんだよ-魔理沙は本当に軽い調子で話していて、それにアリスは軽く混乱した。

「……一昨日、貴女の家に誰か来た?」
「うんにゃ誰も。この雨じゃあ、森には誰も入らんだろうな。そう言えば、そんな雨の日お前は何をしてるんだ」

「蝸牛を探しているの」

結構量がいるのだが、今朝から目を皿にして探しているのに見つからないのだ。そのことに先程までは心を占められていたけれど、魔理沙と離している内にすっかり忘れてしまっていた。

「あー。食べるのか?」
「誰がエスカルゴなんて。じゃなくて、唾液が欲しいの。ちょっとバラしたい草があって――――――――」

何気ない会話を続けながら、アリスは意外に思っていた。では、霊夢は魔理沙に何も残さなかったのだ。それは驚くことでもあったが、同じくらい納得のいくことでもあるように思われた。つまりね、とアリスは自分に言い聞かす。魔理沙は生前中に、ちゃんと霊夢と“遊び尽くした”のだ、きっと。そうして、多分アリスはそれを達成出来なかったのだ。だから、アリスは少し魔理沙が羨ましいのかもしれない。

けれど、それはそれとして、アリスには依然わからないのだ。
いったい、自分はどうして炬燵なんて欲しがったのだろう。






【コタツムリの三日目】

[戸惑う蝸牛]

外は相変わらず雨だった。紅茶を飲みながら、アリスはぼうっとしている。昨日は結局、蝸牛は見つからなかった。魔理沙と話している内に暗くなり、夜目が利くとはいえ、さすがに探せなくなってしまったのだ。

「そう言えば、せっかく会ったのに訊かなかったな」

炬燵で眠るコツ。わかったら助かるのに。そんなことを考えるのは、今日もアリスが地下室にいるからだった。今朝は何をやっても身が入らず、どういうわけか一息吐こうとすると、何となくこの部屋に足が向いてしまう。とうとうお茶菓子まで持ち込んでしまった。これは危険な兆候だと思う。

「へんなの」

だいたい、この家に炬燵は似合わない。今の時期は蜜柑なんて無いし、アリスが飲んでいるのは緑茶じゃなくて紅茶で、食べているのはマフィンなのだ。おまけに炬燵があるこの部屋は、実験道具やら工具やらがぎっしりと仕舞ってあるし、妖しげな調合薬だって所狭しと陳列されている。そこに無理矢理炬燵と畳を入れたものだから、地下室は酷いことになっていた。

「ほんと変」

今はもう梅雨時なのに。
外はずっと雨で、確かに気温は高くないけれど。
炬燵なんて、必要ないのだ

「雪でも降れば、少しは風情がでるかしら」

雨が降る。
あめがふる。
雨が降っている。
あめがふっている。


アリスはやっぱり肩まで炬燵に入り込んで、そのうちに瞼を閉じてしまった。




夢はおそらく見ていない。





【コタツムリの四日目】

[楡憩い]

枝に腰掛けて本を読んでいたら、急に舌に味が広がった。
こんな事が出来るやつは、幻想郷といえどそうそういない。
アリスの目がその姿を探し出すより早く、本に影がかかった。
左を向くと、予想通りに八雲紫がいた。
いつの間にいたのだろう。
頭上には傘が広がっていた。

「声ぐらいかけてほしいものね」
「あんまり熱心に見ているものだから、邪魔しちゃ悪いじゃない。ところで、どう?美味しかった?」
「まぁまぁ。でも、もっと薄味の方が私の好みね」

本の虚構とアリスの現実との境界を弄ったのだろう。器用なことをするものだ。
アリスが料理の本を閉じると、舌の幻影も消え去った。
いや、本物とも言えたかも知れないけど。

「今日は昼間に起きているのね」
「あら?私は必要があっても無くても起きていますわ」
「つまりいい加減ってことでしょう?」
「好い加減なら、良いじゃない」

言葉をくるりと遊び返される。どうにもからかわれていけない。良くない傾向だと思う。いつものことだけれど、なめられているんだろうなぁ、とちょっとがっかりする。けれど、紫の口調には嫌みっぽさはなかったから、アリスはこれが彼女の会話の楽しみ方なのだろうと納得することにしている。

「こんな時期に鍋料理なんて、どういった心境なのかしら」
「別に、特に理由はないわ」
「そう?ところで貴女の家にある炬燵についてだけれど」

知っているんじゃないか。
じろりと見てやった。

「霊夢の遺言を与っていたのは私ですもの」
「納得できるけど納得できない」
「面倒な子ね」
「あんたには言われたくないなぁ」

毒気を抜かれる。いつもそうなのだ。この妖怪は人の話を聞いているにも関わらず、会話が真っ直ぐに進まない。いつも変に遠回りをする、させられる。そのくせ、向こうの話がわからないと、愚かなのはこちらの方とくる。苛立っても良さそうな気もするけれど、最終的にはあちらの言い分を通されたような形で話が進み、いつの間にか終わっている。なのに、それが正しいような気もするのだ。

「思考に耽るのは魔法使いの本分ではあるでしょうが」

紫は扇子をぱちりと言わせ、からかっているのか本気で訓示しているのか、よくわからない調子で告げる。

「炬燵で寝ると風邪を引くわ」

そう言って、信じがたいことにアリスの頭に手を乗せ、彼女はよく博麗神社の野良猫にするように軽く、アリスの髪を3度ほど撫で付けた。紫の手が上がって、反射的に躰を硬くして目を閉じてしまったアリスがその行動をようやく飲み込み、恐る恐る目を開け、しかし何が起きたかわからないというように紫を見上げると、胡散臭い妖怪はいつものように意味ありげな含み笑いを浮かべていた。そんな笑い方をされても、アリスには何を意味しているのかなんてわかった試しはないのだ。

それから、八雲紫はじゃあねと言うが否や、アリスが言葉を返すより先に、ぱっと気まぐれに消えてしまった。どこだか知らない、“次”のところに行ったんだ、とアリスはようやっと理解し、次に少し苛立たしそうに紫の消えた空間を見つめた。

「馬鹿馬鹿しい」

帰らなくちゃと視線を動かし、ふと、先程まで無かったはずの物を見つけた。

「魔法使いが、そんなことぐらいで風邪になるわけないじゃない」

いつの間にか置かれていた雨傘を見つけ、アリスはもう一度独りごちた。

「だから、魔法使いは人間と違うのよ」

ひょっとしてあの妖怪は、霊夢が居なくて暇なのだろうか。それで、遺言の見届け何て趣味の悪いことをして回っているのだろうか。傘を手に取る。前にも見たことがあるタイプだった。外の人間が使う傘だと言ったのは、やはり八雲紫だった。香霖堂で鉢合わせをしたのは、確か十年ほど前だったろうか。とても便利で重宝されていると言うが、透明なそれは頼りなくて、アリスは好きになれなかった。

「魔法で雨を弾くのと、傘を差すのとではどちらが疲れないか。答えは傘よ。差すのは私ではなく人形だもの」

空を見上げる。
なるほど、また雨になりそうだった。




【コタツムリの五日目】

[竹鳴り]

「降りておいでよ。そこじゃあ、煙に燻られるだけだよ」

振り向きもせずにそんなことを言われるといい気がしなくて、すぐには動かないでいた。すると、その人は失礼にもくく、とアリスを笑った。しゃがみ込んでむこうを向く背中は、心なしか愉快そうだった。次にアリスの方へ曲げた顔は、やっぱりにやっと口を笑いに歪めていた。実際は歪んでいる、ってほど酷いものじゃないが、アリスにはそう見えた。

「なにか訊きたいことがあるって顔してるね」
「そうね、最近貴女の周りで起きたこととか、聴きたいかしら」
「差し当たっては、風向きが変わるよ」

ほら、と藤原の妹紅は西を指した。ひっかき棒の先端が、夕陽を捉えて円を描く。それから数秒後、ざぁっ―――と群生する竹が一斉に東を向いてしなり、おびただしいざわめきと葉が舞う中に、新しい人影が立っていた。天狗だった。

「ほらね」

生鳥が来たよ-妹紅は少し意地悪く笑った。

「なんか嫌なことを言われてた気がします」
「気のせいじゃない?」
「気のせいね」

アリスと妹紅の言葉が被る。

「おや珍しい。貴女が人間以外と気が合うなんて」
「私は人間だって」

そこは譲れないとばかりに、すかさず妹紅は突っ込みを入れてくる。

「天狗が竹林に来るなんて。部下の鴉でも迷子になった?」
「ご心配なく。鳥の帰巣本能は優秀ですよ。生物の中でも指折りに方位磁石いらずな生き物ですから」

その点に関して言えば、貴女の人形より優秀です-天狗の指は器用にペンを回している。

「なるほど。そこに頭のほとんどを使っているから、あんなにも物忘れが激しいのね」
「恨み辛みは忘れませんよ?悪事を働いた人間の顔もね」
「何でも良いけど、そっちの用向きとやらはいいのか?人形遣いも、話があるだろう?」

そうそう忘れるところでした、と文が言って、やっぱり鴉じゃないとアリスが笑った。

「言葉の綾というやつです。ばっちり覚えていますってば」

えー最近貴方が書いたって言う自伝の話ですが。あれか?あれは慧音の勧めなんだ。自分を見つめ直すには、それを文字にするのが有効だと言ってきかないんだ-文と妹紅が話しているのを、アリスはなんともなしに傍で聴いていた。それほど興味があったわけではないが、用事はまだ済んでいなかったし、立ち去れと言われたわけでもない。ただ、あの不死人も随分と変わったなと思っただけだ。不老不死も不変ではなかったというところか。アリスは相変わらず妹紅と文から数メートル離れた場所で浮かんでいた。忠告にあったとおり、煙の来ない風上に位置を定めて、二人を見下ろしていた。そうして、彼女たちの会話が終わったら、なんと話を切り出そうかと考えた。霊夢について妹紅と話したくて此処まで来たが、折角なので文からも話を聴きたいと思っていた。霊夢の四十九日のあの日、あの子は誰と誰の元を訪れていたのだろう。アリスの元を訪れた時、あの子からは竹林の匂いがしていたことを、アリスは昨晩唐突に思い出した。それで、日課を終えたあと、こうして妹紅の元を訪れたのだ。月の姫の所でも良かったが、何となく最初はこちらにした。

色々考えたが、アリスにはやっぱり炬燵に関して記憶が無かった。とすれば、別の誰かとの約束を霊夢が勘違いしているか、何か霊夢に目論見があったかのどちらかだろう。そうでなければ、わざわざあの霊夢がアリスに何かを、それも炬燵を残すとは考えづらかった。正統な譲受人がいるなら、早くその人に渡してしまいたかった。昨晩も気づいたらあそこで寝ていて、起きた時には愕然とした。魔女の呪いより質が悪い何かが、アリスを支配しているのは明白だった。それも日に日に強くなっている。わからないことは大嫌いだ。それも、自分に関わることなら尚更我慢できない。今日こそはベットで寝て、ベットで起きたいものだ。それにしてもとアリスは首を傾げる。

「可笑しいわね。眠ってしまえば、大抵のことは良くなっているか、変わらないはずなのに」

どうして自分は地下室に行ってしまうのか。
どうして霊夢は炬燵を私に残したのか。

わからない。

かぶりを振った。無意識に動いていた手が汗を拭ったことに気づき、少し動揺する。汗?とアリスは呟いた。感情に依らない汗をかくなんて何年ぶりだろう。自分は今、暑いのだろうか。今朝、家を出る前に大気を探った時は、アリスの優れた感覚では、今日の気温は21度の湿度76パーセントと告げていた。激しい運動をしたというならともかく、人間でも汗をかくほどのものではない。まして、魔法使いのアリスだ。何故汗をかいているのだろう。アリスは感度を自分に向けて、体内を計ろうと試みた。しかし、感覚は全く研ぎ澄まされることはなく、満足に集中は出来なかった。そういえば、今日は朝から呼吸が変だったかもしれない。それに、なんだろう。先ほどから人形達との接続が悪い。情報が上手くフィードバックされない。ほんの八体ほどを周りに浮かばせているだけなのに、一体一体が普段の何倍にも重さを増したような感じた。

これはひょっとして、とアリスが思うのと同時に、アリスと人形を繋いでいた糸が弛んだ。焦りの感情に背筋を走られる。再び糸に指令を送ろうと手綱を握り直すが、それより早く躰がぐらりといったかと思うと、アリスの視界が大きく上から下に流れ出していた。そして、八体の人形を追うように、アリス自身が落下した。






【コタツムリの六日目】

[春菊]

がやがやとした音に意識を引っ張られる。

目を開ける。

見慣れた天井があった。

ここ最近、目が覚めると必ず目にしていた地下部屋の天井だ。

その慣れ親しんだ感覚の中に、たくさんの違和感がうごめいている。

と、すぐ近くで声がした。

「あ、起きた起きた」聞き覚えのある声にそちらを見ると、意識を失う前に見た不死人の顔が変わらずにあった。その横では「魔法使いも風邪引くのねぇ」と感慨深げに花の妖怪が頷いている。慌ててて体を起こして見渡す。どういう訳が、そこでは炬燵を囲んでの宴会が繰り広げられていて、アリスはその一席に置かれているようだった。

「医者に連れて行くべきだと思ったんだけどね、八雲のがここでいいんだって勝手に送っちゃってね」はい、あんたの箸と竹箸を渡される。思わず受け取ってしまったが、わけがわからなかった。机上には大きな鍋が置かれていて、もあもあと湯気をまき散らしていた。覗いてみる。豆乳鍋だった。さあ食べろと言わんばかりに小皿を前に置かれる。仕方がないので箸を伸ばして摘んだが、よく見れば具材は不思議な物が多かった。何これとアリスが食べるのを躊躇っていると、それにしても驚きましたよ、と天狗が話しかけてくる。「人形が次々と降ってくるんで上を見たら、アリスさんも落ちてくるじゃないですか、思わずシャッター切りましたよ」天狗は愉快そうに箸と一緒にペンを回して、あの何とも好きになれない慇懃な笑いを浮かべていた。「もちろん、記事にしました。見ますか?」見出しはこれこれです、と心底知りたくなかった内容を話し始めたので、締まりのない口に何だかよくわからない草を詰め込んでやった。

「へえ。意識が切れると動かせないって事は、本当に操ってたんだねぇ」口いっぱいにされた天狗が苦労して咀嚼している横では、なんだか酷く遭いたくない人影がユラユラしていた。全く必要ないはずの霊体に、もきゅもきゅと酒と肉を詰め込んでいる。とっくに成仏したものだと思っていたその悪霊は、珍しく人形遣いを褒めたのだが、やや頭が混乱しているアリス・マーガトロイドがそれに気付くはずもなく、やはり食べ物の必要のない霊体-もくもくと饂飩を吸い込んでいく亡霊-に目を奪われていた。より正しく言えば、その横に転がる空瓶に気をとられていた。年代物のワインが三本。アリスの取って置きであるそれが、何故空になっているのか、それを知りたくて知りたくなくて、正直の所理解していた。だいたい、この顔ぶれは何だ。妹紅と文は成り行きなのだと予想も付くが、他は何でここにいるのだろう。嫌がらせ目的なのか、狙ったようにアリスが絡みづらい連中だった。

「ああもう、なんなの?」アリスが言うと、いつの間に近くに居たのか八雲紫が「何って、鍋でしょう」と清まして答えた。「ほら、新しく具を足しましょう」紫がそう言うと、鍋の上の空間が歪んで、新しく謎の草やら肉やらが投下されていった。本当に見たことのない物ばかりで、最後に入れられた春菊だけが、アリスの知っている鍋の具材という有様だった。その茹で上がった春菊の匂いに、鼻の奥がツンとされる。強い刺激を受けたわけじゃない。ただ、この匂いには思い出がありすぎるのだ。アリスの鼻がすんすんと小さく鳴ったが、紫はそっちを見ずに、「霊夢は」とどうでも良さそうに言った。「霊夢はただ、貴女が言った言葉を自分なりに解釈して、もっとも効果的な手段を取っただけよ。いつものようにね」「わたしの、ことば?」なにそれ?「いつだったかの冬に、こうして鍋を囲んだでしょう。貴女、その時あの子に言ったのよ」


――――――――こんなふうにするのも、あと何回くらいかしら


――――――――そんならアリス、あんたがやればいいわ


酒と食べ物と場所。「私はてっきり、貴女も覚えているんだと思ったわ」部屋の片隅に置かれた本に目をやって、紫は白滝に似た何かを啜った。奇妙なことに、アリスの口からは笑いが出た。なにそれ馬鹿じゃないの、とアリスが言うと、馬鹿かもね、と小さく紫が続けて、近くで酒を飲んでいた萃香も、まぁ霊夢だからなぁとさっぱり理由になっていない言葉で相槌を打った。周りは奇妙に黙っている。黙って手と口を動かしている。

箸で摘む。食べる、咀嚼、嚥下。
盃を重ねる。注ぐ、つぐ、そそぐ。
飲んで、呑んで、のんで、干す。

「ああ」とアリスは言った。なるほど、博麗霊夢は死んだのだ。そうして、その結果としてアリスの家に炬燵がある。その炬燵を囲って、妖怪は酒を飲み、鍋をつついている。ここは神社じゃないのに、なんて話だとアリスは思った。おまけに今は梅雨時で、冬には果てしなく遠いのだ。遠いのに。

なんて、話だ。

アリスは箸を持ち直した。目標はさんざん泣かしてくれた春菊だ。こんなものはさっさと食べてしまうに限る。だいたい紫は時期でもないのに、どっから春菊を持ってきたのだろう。非常識な奴である。早く、冬になればいいのに、と毒づいてやる。すかさず、「寒いのは嫌」「下に同じく」と、幽香と紫が意見の一致を見せた。「大妖怪でしょう。気合いでどうにかしなさいよ」「その気合いを削ぐのが冬なのよ」「花が少ないんだもの。退屈だわ」どっちも冬眠してればいいんだと思いながら、アリスはよくわからない肉やら魚っぽい物も口に入れる。慎重さなんて知ったことではなかった。



「冬もいいねぇ、雪見酒が出来る」紫と幽香に構わず鬼が冬を持ち上げると、「あんたはいつでも呑んでるじゃない」と突っ込まれた。








【ターンテーブル・コタツムリ】

[ターンテーブルターン]

「それで」

と魔理沙は面白く無さそうにアリスを睨め付けた。

「何で私を呼ばなかったんだ」

この前は霊夢の所為で大変だったという話をアリスから聞いた魔理沙は、仲間はずれなんてどういう了見なんだと詰め寄った。アリスが話の中で倒れた隙に勝手に整えられていた事を伏せた為、そう思うのは無理もなかった。文文。新聞は魔理沙に読まれていないらしい。アリスは清まして、

「だって、あんた茸持ってくるんだもの」

だから呼びたくなかったのよ、と嘯く。実際は茸どころではない内容だったのだが。

「美味しいじゃないか、茸」
「美味しいだけなら良いんだけどね。あんたの場合はそれじゃ済まないじゃない」
「くそう。こうなったら仕切り直しだ」
「は?」
「よし。今日は無理だとして明日だ。見てろ、炬燵に入りきらないほど呼んでやる」

覚悟しておけ、と魔理沙は不敵に笑う。
アリスはその意気込む肩にぽん、と手を置いて、

「残念だけど、炬燵は今紅魔館にあるし、次に宴会するのもレミリアだから、魔理沙の番はその次ね」

そういうわけだから、確かに伝えたわよ、と魔理沙に宴会の知らせと、炬燵バトンという奇妙な新ルールを告げるのだった。













                                           .
※忙しい方はクリスマス以降にお越しください。
 聖夜までは一日ごとに話が長くなります。

みたいな趣向にしようかと思いましたが、書いている本人しか楽しくないかもしれないので止めました。
(アドベントカレンダーみたいで楽しいかなと思ったんですけどね)

こちら、歪な夜の星空観察倶楽部です

大祓の近づく師走ですが、皆様はいかにお過ごしでしょうか。
短編は拘り過ぎなければそこそこのペースで書けるような気がしてきました。
当初のプロットとは違う出来でも気にしない、とか。
二次創作なのにキャラクターが思ってもみない行動をするっていうのは、考えてみれば不思議なような当然のような感じですね。


誤字脱字その他修正しました。
讃辞には謝意を、コメントには返信を。


>アリスがコタツをうんたらかんたらではなく、コタツがアリスを振り回す話ですかねぇ。そんなメンツじゃ鍋の苦労も全部アリスに降りかかるだろうに。
誤字の指摘有り難うございます。
炬燵というか、間接的に霊夢ですかね。振り回しているのは。

>炬燵話が流行ってるのでアリスがこたつむりに退化していく話かと思って読んでいましたが……いい意味で騙されました。
>私が居なくなってもアリスにはいつも通りでいてほしいという思いで炬燵を送ったのだろうか。
>話と作中の蝸牛との関係がよくわからなかったのが気になる。
アリスと炬燵ってあんまりしっくりこないので、あえて組ませました。
霊夢がどういうつもりなのかはご想像にお任せします。
作中の「蝸牛との関係」というと、アリスが探していた蝸牛の話でしょうか。
ここは本当は後に絡んでくるはずだったのですが、別話として長くなったので回収は諦めました。
誤字の指摘有り難うございます。

>年内にあなたの新作を目にすることになるとは思いませんでした。とても嬉しく思います。
>感想は色々とあるのですが長くなりますので個人的にグッときた点を箇条書きで。
>・つま先立ちで当代の髪を拭くアリス
>・思い出に感極まって泣いちゃったアリス
>・やっぱり優しい紫
>・霊夢とアリスの会話
グッときていただいたようで何よりです。
当代は子どもの頃から見ていたので、つい世話を焼いちゃったというところです。
でも向こうは大人なので背が負けます。絵にすると微笑ましい感じです。
パチュリーや魔理沙相手だとアリスの幼さが出せなかったので、最近はつい紫を出してしまいます。
紫が優しく見えるのは、アリス視点だからかもしれません。
怖いところもあるんですが、アリスは幻想郷が好きみたいなので、危険分子と見なしていないのでしょう。

>貴方のアリスとその周りの関係が実に好きです。
>紫は優しいなぁ。
>霊夢も優しいなぁ。
アリスは人妖に対して不思議な距離感を持ってると思います。親切なんだけど、結局は人形のことばかり気にしているというか。
周りのアリスに対して話題も人形関係が多いので、アリスは魔法使いよりも人形遣いとしての面の方が強いのでしょうか。
個人的には、霊夢と紫は優しいのか残酷なのか謎に思いながら書いています。

>炬燵が届けられてからのアリスの日常や、他の人たちとの会話、
>話の雰囲気など面白かったです。
アリスは一人暮らしをしているので、きっと普段から好きに時間を使っているのでしょうね。
炬燵はそれを乱す異分子でしたが、それもまた日常になっていきます。
異変時の会話と普段の会話とでは違ってくると思うので、会話を書くのは苦手なのですが、気に入っていただけたようで嬉しいです。

>この炬燵凄いよぉ!流石霊夢のターンテーブルぅ!
>アリスじゃなくて炬燵がメインだったんですね。
そうなんです。アリスはメインではなく炬燵です。
霊夢の炬燵というのが重要です。
つまりは霊夢がメインなのかもしれません。

>これは素敵なコタツムリ。つつくと引っ込むのに、放っとくとじわじわ動く。
>それにしても…金髪美少女が畳の上で炬燵にもぐりこんで出られない姿…想像すると微笑ましいw
>妹紅も出てきて、貴方の描かれる世界がどんどん垣間見えて嬉しい限りです。
>興味深い趣向、いずれ試されるのをなんとなく願いw よいお話をありがとうございました。
本当のコタツムリは炬燵から出てこないらしいので、アリスはコタツムリとしては半人前ですね。
冬なので炬燵の話は沢山出るかなと思ったんですが、アリスと炬燵なら大丈夫だろうと投稿しました。
妹紅だけでなくもっと色んなキャラを出したいのですが、キャラの分析解析が終わってない子が多いのです。
特に幽々子は書ける気がしなくて困っているのですが、これだけ紫を出しているので、そろそろ腹を括ろうと思っているところです。
来年はもっとたくさんキャラを出したいなと思っているので、どうぞよしなに。

>お!テーブルターニングか、と作者を確認せずに読み始めて、へぇ、歪さんっぽい作品もあるもんだね、と思っていたら歪さんでした。
>これが今年最後の作品でしょうか?
>炬燵といえばミカン。来年は未完のシリーズの結末も気になるところです。
前回言った最後の作品は違う予定だったのですが、こっちが先に書き上がったので、こっちを投稿したのです。
自分は五作品くらいを同時に書いたりするので、そういうこともあります。
さて、上手い返しをされたアンテルカレールですが、どうしても書けない場面が3つありまして、まだ完結できそうにないのです。
それらの前後は書かれているので、この3つさえ書ければ仕上がるのですが……

>タイトルwwwwwwと思ったら作者見て驚愕した
>オチが素敵!
タイトルは割と普通のつもりで付けたのですが、変なのでしょうか。ううむ。
紅魔館と炬燵は似合わないですが、バトンだと思えばなんてことはありません。

>同じようになにこの奇妙なタイトルとおもって右欄みたらびっくり
>ターンテーブルもテーブルターニングも自分の語彙にはなかったけど
>相変わらずオシャレで雰囲気のあるタイトル・サブタイトルだ
>それにしても
>状況がわからず強妖怪と一緒に鍋を囲んで居心地わるそうにしてるアリス、かわいすぎる
>一日毎に物語を追加するってアイデア、よかったのにもったいない
>以前歪な人がギャグはムリって言ってた気がするけど
>シュール系というかふしぎ系のギャグ・コメディならいけそうな……
タイトルはそんなにインパクト無いと思っていたのですが、コメント見るとそうでもないみたいですね。
ターンテーブルとコタツムリのどっちが変なのでしょう。それとも、その二つの組み合わせでしょうか。
テーブルターニングの方もタイトル候補だったのですが、そのタイトルだとレティを出さなければいけない気がして止めました。季節変わっちゃいますし。
でも寒そうなイメージだけは影響したので、寒さに強いはずのアリスが炬燵で丸くなってしまいました。
大妖怪が多かったのは決して嫌がるアリスが見たかったからではなく、霊夢の周りにはそういう連中が多いということでしょう。
一日ごとに追加は他にも面白そうという声があったので、いつかやってみたいと思います。来年の今頃とか。
あと、ギャグはやっぱり無理な気がします。

>きっと炬燵布団の中には優しさと思い出が詰まってて、入ったらなかなか抜けられないのですね。
>しかし、炬燵を持っていかれてしまった博麗神社はどうなったのでしょうかw
>聖夜まで1日毎に話が長くなる話というのも読んでみたかったです。
>毎日創想話を見るのが楽しくなる企画だったのにw
アリスは普段炬燵を使わない分、炬燵という物そのものが誰かとの思い出になってしまうのでしょう。
でもアリスはその辺をいまいち自覚できていないので、おかしいなぁと考えているうちに風邪をひいてしまいました。
博麗神社は何年も前から新しい炬燵があるので大丈夫です。
だんだん長くなる話はいつかやってみたいですね。
誤字の指摘感謝します。

>人が死んでも、あんまり湿っぽい話ではなく。
>何かは失われ、何かは残り、何かは新しく生まれる。
>それでいいじゃない、とか読みながら思いました。
>しかし雰囲気いいなあ……。
幻想郷では死なない方法も長生きの方法も沢山あるので、それでも死ぬってことは、悲劇的なものでなく選択なんだと思います。
なので、死んだことそのものは重く扱わなくてもいいのかなとこんな話になりました。
それに、この霊夢はとても居ないとは思えないくらい存在感があるので、暗くならずに済みました。
こういう話はまた書きたいなぁと思っております。

>言葉に出来ない素晴らしさ!!!
>有難う御座いました!!!!
>炬燵、家にも回ってこないかなぁ。
こちらこそ読んでいただきありがとうございました。
霊夢の炬燵をご所望ですか?
貴殿のターンが来た場合は、他の参加者に鍋の具材にされぬよう、くれぐれも飲み過ぎにご注意下さい。

>少し不思議な雰囲気の暖かさだなあ
>全て言わずともそれなりに察していける関係は良いですね
梅雨時に熱の入っていない炬燵で闇鍋のような具をつつく妖怪達というわけのわからない光景です。
紫と幽々子なんて端から聞いていると何を話しているのかさっぱりわからない話をしてそうですよね。

>泣けた
>ごちそうさまでした。
お粗末様でした。

>暖かい話だ
>炬燵による宴会ターン制とは、素晴らしいね
ターンテーブルという言葉で遊んでいたらこんな話になりました。
あの炬燵にはどう考えても全員は入り切りませんが、大した問題ではありません。

>よかた
お読みいただきありがとうございます。
ご指摘感謝します。

追記 平成22年2月13日

>ターンテーブルのターンと、順番のターンをかけていたとは……お見事。
>炬燵欲しいです……。
“ターンテーブル”には色んな意味を込めてみました。
炬燵はいいですよね。

>こういった終わり方は大好きです
>次のアリスなターンまでどれだけかかるのでしょうかね
気に入っていただき光栄です。
霊夢の死後だけど暗くない話を目指しました。
次のターンは当分先だと思われます。
歪な夜の星空観察倶楽部
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コメント



0.1520簡易評価
5.80名前が無い程度の能力削除
横側→横顔?
組み立て見ると→組み立ててみると

アリスがコタツをうんたらかんたらではなく、コタツがアリスを振り回す話ですかねぇ。そんなメンツじゃ鍋の苦労も全部アリスに降りかかるだろうに。
7.90ぺ・四潤削除
炬燵話が流行ってるのでアリスがこたつむりに退化していく話かと思って読んでいましたが……いい意味で騙されました。
私が居なくなってもアリスにはいつも通りでいてほしいという思いで炬燵を送ったのだろうか。
話と作中の蝸牛との関係がよくわからなかったのが気になる。

5日目の中で四十九日が49日になっています。内容から思うに四十九日のほうかと。
8.100名前が無い程度の能力削除
年内にあなたの新作を目にすることになるとは思いませんでした。とても嬉しく思います。
感想は色々とあるのですが長くなりますので個人的にグッときた点を箇条書きで。

・つま先立ちで当代の髪を拭くアリス
・思い出に感極まって泣いちゃったアリス
・やっぱり優しい紫
・霊夢とアリスの会話
9.90名前が無い程度の能力削除
貴方のアリスとその周りの関係が実に好きです。
紫は優しいなぁ。
霊夢も優しいなぁ。
11.100煉獄削除
炬燵が届けられてからのアリスの日常や、他の人たちとの会話、
話の雰囲気など面白かったです。
13.100ずわいがに削除
この炬燵凄いよぉ!流石霊夢のターンテーブルぅ!

アリスじゃなくて炬燵がメインだったんですね。
17.100名前が無い程度の能力削除
これは素敵なコタツムリ。つつくと引っ込むのに、放っとくとじわじわ動く。
それにしても…金髪美少女が畳の上で炬燵にもぐりこんで出られない姿…想像すると微笑ましいw
妹紅も出てきて、貴方の描かれる世界がどんどん垣間見えて嬉しい限りです。
興味深い趣向、いずれ試されるのをなんとなく願いw よいお話をありがとうございました。
18.100名前が無い程度の能力削除
お!テーブルターニングか、と作者を確認せずに読み始めて、へぇ、歪さんっぽい作品もあるもんだね、と思っていたら歪さんでした。
これが今年最後の作品でしょうか?
炬燵といえばミカン。来年は未完のシリーズの結末も気になるところです。
21.100名前が無い程度の能力削除
タイトルwwwwwwと思ったら作者見て驚愕した
オチが素敵!
22.100名前が無い程度の能力削除
同じようになにこの奇妙なタイトルとおもって右欄みたらびっくり
ターンテーブルもテーブルターニングも自分の語彙にはなかったけど
相変わらずオシャレで雰囲気のあるタイトル・サブタイトルだ
それにしても
状況がわからず強妖怪と一緒に鍋を囲んで居心地わるそうにしてるアリス、かわいすぎる

一日毎に物語を追加するってアイデア、よかったのにもったいない
以前歪な人がギャグはムリって言ってた気がするけど
シュール系というかふしぎ系のギャグ・コメディならいけそうな……
23.100名前が無い程度の能力削除
きっと炬燵布団の中には優しさと思い出が詰まってて、入ったらなかなか抜けられないのですね。
しかし、炬燵を持っていかれてしまった博麗神社はどうなったのでしょうかw

聖夜まで1日毎に話が長くなる話というのも読んでみたかったです。
毎日創想話を見るのが楽しくなる企画だったのにw

[四日目] の 返らなく→帰らなく かな?と思いましたので一応。
25.100名前が無い程度の能力削除
人が死んでも、あんまり湿っぽい話ではなく。
何かは失われ、何かは残り、何かは新しく生まれる。
それでいいじゃない、とか読みながら思いました。

しかし雰囲気いいなあ……。
29.100奇声を発する程度の能力削除
言葉に出来ない素晴らしさ!!!
有難う御座いました!!!!

炬燵、家にも回ってこないかなぁ。
30.100名前が無い程度の能力削除
少し不思議な雰囲気の暖かさだなあ
全て言わずともそれなりに察していける関係は良いですね
34.100名前が無い程度の能力削除
泣けた
ごちそうさまでした。
35.100名前が無い程度の能力削除
暖かい話だ
炬燵による宴会ターン制とは、素晴らしいね
37.100名前が無い程度の能力削除
帰省本能→帰巣本能

よかた
45.100名前が無い程度の能力削除
ターンテーブルのターンと、順番のターンをかけていたとは……お見事。
炬燵欲しいです……。
47.100名前が無い程度の能力削除
こういった終わり方は大好きです
次のアリスなターンまでどれだけかかるのでしょうかね
51.90名前が無い程度の能力削除
いいアリスだなあ。
53.100deso削除
アリス可愛い!
こういうの読むと、うちもコタツが欲しくなります。