「好きなんです!」
美鈴は真剣な表情で、私に胸の内を告白していた。
~一時間ほど前~
「ううん、これはいまいちね」
溜息とともに、十六夜咲夜はチェックリストに×印をつけた。
こんな品質のものを、主に出すわけにはいかない。
多忙で知られる紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は主が飲む新しい紅茶を選定しているところだった。
紅魔館の主、レミリア・スカーレットは自らがこだわりを持つものに妥協しない。例えば紅茶――手を抜けば例え咲夜であっても屋敷を追い出されるに違いないだろう。
そして同時にレミリアは飽きっぽい性格でもあった。昨日まで、ミルクをたっぷりと投入したほとんどミルクティーを飲んだかと思えば、次の日には『ミルクを入れるのはお子様だけよ』などと言い、ストレートのまま飲むときもある。
つまり紅茶の評価はレミリアの機嫌次第なのだが、それでも品質にだけは注意を払っている。
幻想郷は和洋折衷の独自の文化を築いているとはいえ、日本に位置しているため生産できる農作物は必然的に限られる。里で取引される茶葉には、品質がいまひとつのものも少なくない。
そのため、こうして確かめる必要があるのだ。
ちなみに今は、一応休憩時間になっている。
メイド長は主のためなら年中無休、二十四時間勤務という過酷な職業なのだ。
主に出すことはできないが、捨ててしまうのは忍びない。そう思い、カップに残った紅茶を飲み干した。
コンコンコンと、ドアをノックする音が聞こえたのはそのときだった。
(こんな時間に誰かしら)
紅魔館は主に合わせて、基本的に昼夜逆転の生活を送っている。
今の時間、つまり早朝は皆が寝静まる時間なのだ。
もちろん交代で警備にあたっている妖精メイドはいるし、咲夜のように休憩時間にも主のために働く者もいる。
しかし、この時間に誰か訪ねてくるのは稀だった。
疑問に思いつつも、咲夜はゆっくりとドアを開けた。
「おはようございます。咲夜さん」
そこに立っていたのは、紅魔館の門番、紅美鈴だった。
「おはよう美鈴。珍しいじゃない、あなたがここに来るなんて」
などと微笑を浮かべながらパーフェクトに対応しているが、その心中は穏やかではなかった。
(ど、どうして美鈴が私の部屋に!? まさかこれはフラグ!?)
誰にも、そう主にさえも秘密にしていることが十六夜咲夜にはあった。
それは目の前にいる女性、紅美鈴に好意を持っているということ。
表面上は美鈴に厳しい態度を取ることも多いが、それもこの感情を悟られないためだ。
もし美鈴に、この気持ちを知られて、それが受け入れられなかったら、きっと耐えられないだろう。
だから気付かれるわけにはいかない。
そう思っていた。
しかし今、プライベートの時間に訪ねてきてくれたことに、微かな期待を抱いた。
(美鈴も私のことが好きなのかもしれない)
ねーよ。とあらゆるところからツッコミが来そうだか、好きな人を前にして冷静な判断力を持てる人間は、そうはいない。
美鈴はまだ廊下に立っている。咲夜の脳内には三つの選択肢が浮かんでいた。
1. 悪いけど、いま忙しいの
2. 美鈴、あなたの事が好きなの! 結婚して!
3. ちょうどいいところに来たわね
普段の咲夜なら、間違いなく“1”を選択しているだろう。確かに今は、主に出す紅茶の選定をしていた。
しかしこれでは何も進展しない。関係を壊したくはないが、もっと親密になりたいとは思っているのだ。
それなら“2”か?
今の咲夜の気持ちをストレートに表現するならこれだろう。
しかしこれはあまりに直球過ぎる。
咲夜だって結婚までに色々段階を踏むべき、ということくらいわかっている。
ならばここは“3”。
普段と変わらない、落ち着き払った声で。
それでいて、精一杯の勇気を振り絞り、溢れそうな鼻血を気合いと根性で抑えつつ、咲夜は美鈴に告げた。
「ちょうどいいところに来たわね。お嬢様にお出しする紅茶を選んでいたところなの。あなたの意見も聞きたいのだけど、手伝ってくれる?」
「もちろんですよ」
「用意するから、かけていてちょうだい」
そう言って、先程まで私が座っていた椅子を差し示す。
「はーい」
美鈴の紅茶と、自分の椅子を用意してテーブルに戻ると、美鈴が何やらテーブルの上で包みを開いていた。
「えへへ。こちらもちょうどよかったですね」
包みの中からは様々な形のクッキーが現れた。
美鈴はこれでなかなか料理ができる。
時間効率では咲夜に敵うはずはなかったが、それ以外の家事は咲夜と同等にこなせるのだ。
「もう……私は“仕事”でやっているのよ」
ことさらに“仕事”という言葉を強調する。
そうでも思わないと、やっていられなかった。
プライベートの時間に好きな人と二人きり、だなんてチラと考えただけでも、卒倒しそうだ。
「いいじゃないですか。仕事は楽しく、ですよ」
そう言って美鈴は、満面の笑みをこちらに向けてきた。
(ああ、何て素敵なの……)
だが美鈴が何故ここに来たのかわからない。咲夜との一時の逢瀬を楽しむために来たのか、それともそれ以上のことがあるのか。
「それで、今日はどうしたのよ?」
「どど、どうもしませんよ? たまには咲夜さんとお茶したいなぁと……」
(え、なに今の動揺?)
今の美鈴の反応は明らかにおかしい。
いたって普通の質問をしただけで、あれほど慌てるのは美鈴が嘘をついている証拠だろう、と咲夜は考えた。
(だ、だからってどうすればいいのよ)
ここで告白して、もし私の勘違いだったらそれこそ紅魔館で生きていけない。それどころか幻想郷で生きていけるかも怪しい。『パワハラ疑惑! 紅魔館メイド長、門番に関係迫る!』などと天狗のゴシップ記事のネタにでもされたら、と考えると気が気でない。
とりあえず、辺り障りのない会話を続け、出方を見るしかない。そう判断した咲夜は、美鈴がまだ紅茶に手をつけていないことに気づいた。
「紅茶、冷めちゃうわよ」
「そ、そうですね。いただきます」
好きな人が目の前にいる。しかもここは自分の部屋だ。そう考えるだけで頭は真っ白だ。
美鈴の気持ちを知ることができればいいのに。
自分も美鈴と同じくカップに口をつけるが、先ほどと違いどんな味か全く感じることができなかった。
「私は好きですよ」
「えええええ!!」
「え、そんなにおかしかったですか?」
「だだだって、あなた、その好きって……」
「うーん。私の舌も鈍りましたかね。これはお嬢様にお出ししても大丈夫だと思ったのですが」
「……え?」
「参考までにどこがダメなのか教えてくれませんか?」
このときばかりは、自分の能力に時間を巻き戻す効果がない事を嘆いた。
(な、なんとか誤魔化さないと……)
「そうね……これは非常に難しいわ」
とにかく時間を稼いで、その間に言い訳を考えるしかない。
ちなみに紅茶の味はまったく覚えていない。
かといって、もう一度口をつけることはできない。 なぜなら私は既に答えを知っているはずだからである。
こんなとき、普段の私なら……いえ相手が美鈴でなかったらどう答えるか。
例えば魔理沙が相手なら……。
「おー。こいつは結構いけるな。何で駄目なんだ?」
魔理沙が他人の家に土足で踏み込み、パチュリー様の紅茶を勝手に飲んだとする。
そんなとき、私は魔理沙に何と言う……。
「自分で考えたら?」
私ならこう冷たく言い放つだろう。
(これでいくしかないわね……!)
「あなたもお嬢様に仕える者なら、それくらい自分で考えなきゃ駄目よ」
表現は随分ソフトになっていた。
「はーい」
改めて、紅茶を飲む。味は合格点だった。
(さすが美鈴ね……)
「それにしても、外はすっかり寒くなりましたね」
「そうね。寝るときはちゃんと温かくしなきゃ駄目よ。あと仕事中に寝たら……わかってるわよね」
「や、やだなぁ咲夜さん。いくら私でも寒空の下では眠れませんよ」
「あなたって、冬でもその格好だけど寒くないの?」
「えへへ。私は丈夫なのが取り柄ですから」
「まったく……。しょうがないわね。私がマフラーでも編んであげるから、今度からそれを使いなさい」
「いいんですか!?」
「仕事に支障が出たら困るでしょ。あなたはそういうところに無頓着だし」
「えへへ。ありがとうございます」
美鈴は天真爛漫、無邪気そのものの笑顔を咲夜に見せている。
咲夜は、能天気な困った部下を見つめる表情だったが、もちろん脳内は大パニック。
(美鈴……私を誘っているの!?)
などと犯罪者まがいの思考をしてしまうのも無理からぬことだった。
それからも取り留めのないことを話していた……と思う。
思う、というのは話の内容をほとんど覚えていないから。
美鈴と二人きりで話している、それだけで頭がいっぱいだった。
何か変なことは言っていないか、唐突に不安になったが美鈴の様子を見る限り大丈夫ようだ。
しかし、楽しい時間は一瞬で過ぎてしまった。
(そろそろ美鈴は、門の警備に戻る時間ね)
「えと、あのですね」
「ん、どうしたの」
ここまで何もなかったのだ、美鈴は本当にお茶を楽しみに来ただけなのだろう。
でも少しは好感度は上がったはずだ。
今日はそれでよしとしよう、と達観していたのがまずかった。
「その……大事なお話があるんです!」
ぶふぉおおお!(鼻血噴出音)
私の油断もあいまって、完璧な不意打ちが決まった。
一瞬で致死量に達する勢いの出血だったが、とっさに時間を止めたので、美鈴にこの醜態は見られていない。(出血は止まらなかったので瀕死ではある)
遠のく意識を気合いでつなぎ止め、状況を整理する。
今、美鈴はなんと言った。
朝早く、美鈴と私の休憩時間が重なる僅かな時間。
このタイミングで大事な話があるですって……!
フラグどころの話しではない。これはもうTrueエンド メイドと門番ルートが確定している。
まずはパーフェクトに告白に応えなければいけない。
とりあえず辺りに飛び散った愛の結晶(鼻血)を処理。
鏡の前で身だしなみチェック。
美鈴は体育会系だし、このまま間違いが起きてしまうかもしれない。
念のために下着をチェック、思いのほか地味なことに落胆する。
しかし今の内に気付けてよかった。
こんなこともあろうかと用意した勝負下着を取りだし、硬直している美鈴を尻目に手早く着替えを済ませる。
ついでにリボンをわずかに緩め、ボタンを胸元まで外す。
再び鏡の前に立つ。
(うん、完璧ね☆)
咲夜は自分の椅子に座り、パチンと指を鳴らした。
「大事な話? 何かしら?」
「なんていうか……その」
「どうしたの。言ってみなさいよ」
「笑わないで聞いてください……ね?」
「もちろんよ。何でも話して」
「好きなんです!」
(きたぁああああ!!)
美鈴が、私の愛しい美鈴が、私のことを好きだと言ってくれた。咲夜は心の中でガッツポーズをし、信じてもいない神様に何度も感謝の気持ちを伝えた。
「パチュリー様のことが!」
――時間が止まった。
いや咲夜の場合、時間を止めるのすら忘れていたと言うべきか。
「あの……咲夜さん?」
「……」
「さ、咲夜さーん?」
「あ、あぁ。そうなの。ちょっと驚いちゃって……」
「ごめんなさい。突然こんなこと言われても困りますよね」
「そんなことないわよ」
とたんにいつも通りの咲夜だが、(一時間くらい)時を止めて気持ちと状況の整理をしていた。
咲夜が導きだした結論はこうだ。
美鈴はパチュリー様のことが好きだ。
そして私に相談に来た。つまりまだパチュリー様に告白はしていない。
ということは美鈴の片想いの可能性が高い。
(つまり……! 美鈴に協力する振りをして、美鈴の恋心をこちらに傾ければいい!)
先手必勝だ。まずは美鈴を落ち着かせるために、美鈴とパチュリー様の関係をはっきりさせる。
「そうは言ってもねえ……。パチュリー様はお嬢様のご友人。そして私達はお嬢様の使用人よ」
「そ、それが……」
「身分違いだと思わない? あなたにはもっと身の丈にあった人がいると思うわ。そう……例えば同じ屋敷で働くメイドとか」
完璧だ。まさにパーフェクト完璧メイド。
美鈴に立場を自覚させつつ、さりげなく自分をアピールしている。
「それが……パチュリー様のほうからなんです。私のことが好きだって」
「でしょう。だから考え直し――え?」
「パチュリー様が……私のことを好きだって。私はパチュリー様のことを意識していたわけではないのですけど、その……告白されたら急に気になりだしてしまって……自分でもどうしたらいいかわからないんです!」
今度は時間が止まった。咲夜の体感時間が、だが。
(両想い……ですってぇぇぇえええ!!!)
衝撃の発言を受けて、咲夜はそのまま床に崩れさった。
「ちょっ! 咲夜さん!? しっかりして下さい!」
今日は私、十六夜咲夜と紅美鈴の結婚式だ。
あれから紆余曲折あったが、私達もいよいよゴールイン。
たくさんの知り合いが出席し、私達を祝ってくれている。
「えーと、本日はお日柄もよく……ってなに、これ全部読まなきゃいけないの!?」
「そうよ。私が大切な従者達を祝うために書いたのよ。一字一句間違いないようしっかり読み上げなさい」
「悪魔だ。こいつ……」
「あら、知らなかったの?」
「あー……ご飯食べ放題に釣られた私が馬鹿だったわ」
「頑張ってね。博麗の巫女様?」
「結婚式だからって引き受けたけど、西洋式だったら、私は関係ないじゃない!」
などと文句を言いながらも祝いの言葉を読み上げる。言葉の端々から祝福の気持ちが伝わってきた。
巫女だけではない。
主も、主の友人も、妹様も、よく美鈴と私を困らせる白黒魔法使いも、他にも今まで出会った様々な人が私達を祝福してくれている。
(お嬢様、ありがとうございます。咲夜は今、こんなにも幸せです)
「お二人さん! 早く子供の姿を見せてくれよ!」
白黒魔法使いが、そう茶々を入れると会場は一層盛り上がった。
「照れちゃうわね美鈴」
「咲夜さん。実は……」
そう言って美鈴は自分のお腹をさする。
「美鈴、もしかして……」
おおおー!
と美鈴の行動に、会場は更に沸くことになった。
「ねぇ、咲夜。名前は私に決めさせて」
「お嬢様に決めていただけるなんて……光栄です」
嫌な予感しかしないが、主の申し出を無下にするわけにもいかない。
「そうね……。二人の名前を合わせて、『美咲・スカーレット・ナイトメア』なんてぴったりだわ!」
「あ、ありがとうございます」
予想通り微妙だった。美鈴も同意見のようで、困ったなぁと、言いたげだ。ほとんどお嬢様の名前で、何がぴったりなのかまったくわからない。
しかし思わぬところから助け船が入った。
「センスないわね、レミィは。親から名前を取るなら『パチュミリン』なんてどうかしら」
紅魔館一の知識人に期待した私が馬鹿だった。そういえばこの人も結構発想がアレな人だった。
「どこの漫才コンビよ!」
「でも、両親の名前が入っていていいじゃないですか」
「え、美鈴どういうことよ?」
「あ……」
「私を騙したの!?」
「違うんです! 咲夜さん!」
「違わないわよ咲夜。美鈴と私はずっと昔から愛しあっていたの。そして人間のあなたと違って、これからも同じ時間を生きていけるわ」
「この紫もやしがあああ!!」
「ちょ!? 咲夜さん! 落ち着いてください咲夜さん!」
「……さん! 咲夜さん!」
「う……ん?」
「よかった。突然倒れちゃうからびっくりしましたよ」
(今のは……夢?)
夢でよかったと安心する。しかし気付いてしまった。今までずっと目を背けていたことに。
(私は美鈴とは生きられない)
どうしようもない現実。時間を操る能力を持ちながらも、愛する人と同じ時間を生きることすらできないなんて……。
「失礼したわ。パチュリー様に告白されて、あなたもパチュリー様を好きになってしまったのね……」
「ええ……今まで仕事一筋で恋なんてしたことないですし……。しかもそれ以降パチュリー様はそっけない態度を取られるので、私どうしたらいいかわからなくて……」
仕事一筋に突っ込みたい衝動を全力で抑えつつ、美鈴に何を言うべきか考える。
答えは決まっている。美鈴が恋をしたのは私ではなく、パチュリー様。その気持ちを尊重するのが、メイド長――いや十六夜咲夜という一人の女としてできることだ。
「迷うことはないわ。自分の素直な気持ちを伝えてきなさい。パチュリー様もきっと返事を待っているはずよ」
「……」
しばしの沈黙。
しかしその後、美鈴の力強い『はい!』という声が聞こえた。その顔にもう迷いはなかった。
「これでいいのよね」
この日、咲夜は初めて声を出して泣いた。
走る。走る。好きな人の元へ。もう迷いはない、この気持ちを一刻も早く伝えたかった。
図書館の扉が見えてくる。一歩近づくごとに心臓が高鳴る。
届けたいんだ、この気持ちを。
勢いよく扉を開け、驚くパチュリー様に自分の気持ちを告白する。
「パチュリー様! 私もパチュリー様の事が大好きです!」
「は?」
空白の後の答えは、肯定でも否定でもなかった。
「えと……私も好きなんです! パチュリー様の事が!」
「話がよく見えないのだけど、私もってどういうこと?」
「またまたぁ。この前、私の事を好きだって言ってくれたじゃないですか」
「いや全然覚えがないんだけど」
「前に私がここに来たときですよ。パチュリー様がしばらく図書館に籠もっていて、心配したお嬢様が私に様子を見に行かせたときです」
「ああ、あのときね」
「私がそんなに無理したら身体を壊しますよって言ったとき、好きだからって……」
「思い出したわ……。まったくひどい冗談ね」
ここでようやくパチュリーは本を置いて、天井を仰いだ。
「もう、私がどれだけ勇気を振り絞ったと思っているんですか。とぼけたふりはやめてくださいよ」
「その返答、正確には『本のことが好きだから頑張れる』だったでしょ」
「ええ、ですから私のことを――って痛! 本で叩かないでくださいよー」
「気づかないの? 私が好きなのはこっち」
そう言ってパチュリー様は本を掲げた。
「へ?」
「私はあなたのことを"紅"なんて呼ばないでしょ」
「あ……。ああああああああ!!!」
「まあ、好かれて悪い気はしないけど……私にそっちの趣味はないわよ?」
「い、いえいえ滅相もございません! 私も至って普通です! それでは失礼しましたああああ!」
美鈴は名前で呼んで欲しい、と思っていることを初めて後悔した。
おしまい
美鈴は真剣な表情で、私に胸の内を告白していた。
~一時間ほど前~
「ううん、これはいまいちね」
溜息とともに、十六夜咲夜はチェックリストに×印をつけた。
こんな品質のものを、主に出すわけにはいかない。
多忙で知られる紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は主が飲む新しい紅茶を選定しているところだった。
紅魔館の主、レミリア・スカーレットは自らがこだわりを持つものに妥協しない。例えば紅茶――手を抜けば例え咲夜であっても屋敷を追い出されるに違いないだろう。
そして同時にレミリアは飽きっぽい性格でもあった。昨日まで、ミルクをたっぷりと投入したほとんどミルクティーを飲んだかと思えば、次の日には『ミルクを入れるのはお子様だけよ』などと言い、ストレートのまま飲むときもある。
つまり紅茶の評価はレミリアの機嫌次第なのだが、それでも品質にだけは注意を払っている。
幻想郷は和洋折衷の独自の文化を築いているとはいえ、日本に位置しているため生産できる農作物は必然的に限られる。里で取引される茶葉には、品質がいまひとつのものも少なくない。
そのため、こうして確かめる必要があるのだ。
ちなみに今は、一応休憩時間になっている。
メイド長は主のためなら年中無休、二十四時間勤務という過酷な職業なのだ。
主に出すことはできないが、捨ててしまうのは忍びない。そう思い、カップに残った紅茶を飲み干した。
コンコンコンと、ドアをノックする音が聞こえたのはそのときだった。
(こんな時間に誰かしら)
紅魔館は主に合わせて、基本的に昼夜逆転の生活を送っている。
今の時間、つまり早朝は皆が寝静まる時間なのだ。
もちろん交代で警備にあたっている妖精メイドはいるし、咲夜のように休憩時間にも主のために働く者もいる。
しかし、この時間に誰か訪ねてくるのは稀だった。
疑問に思いつつも、咲夜はゆっくりとドアを開けた。
「おはようございます。咲夜さん」
そこに立っていたのは、紅魔館の門番、紅美鈴だった。
「おはよう美鈴。珍しいじゃない、あなたがここに来るなんて」
などと微笑を浮かべながらパーフェクトに対応しているが、その心中は穏やかではなかった。
(ど、どうして美鈴が私の部屋に!? まさかこれはフラグ!?)
誰にも、そう主にさえも秘密にしていることが十六夜咲夜にはあった。
それは目の前にいる女性、紅美鈴に好意を持っているということ。
表面上は美鈴に厳しい態度を取ることも多いが、それもこの感情を悟られないためだ。
もし美鈴に、この気持ちを知られて、それが受け入れられなかったら、きっと耐えられないだろう。
だから気付かれるわけにはいかない。
そう思っていた。
しかし今、プライベートの時間に訪ねてきてくれたことに、微かな期待を抱いた。
(美鈴も私のことが好きなのかもしれない)
ねーよ。とあらゆるところからツッコミが来そうだか、好きな人を前にして冷静な判断力を持てる人間は、そうはいない。
美鈴はまだ廊下に立っている。咲夜の脳内には三つの選択肢が浮かんでいた。
1. 悪いけど、いま忙しいの
2. 美鈴、あなたの事が好きなの! 結婚して!
3. ちょうどいいところに来たわね
普段の咲夜なら、間違いなく“1”を選択しているだろう。確かに今は、主に出す紅茶の選定をしていた。
しかしこれでは何も進展しない。関係を壊したくはないが、もっと親密になりたいとは思っているのだ。
それなら“2”か?
今の咲夜の気持ちをストレートに表現するならこれだろう。
しかしこれはあまりに直球過ぎる。
咲夜だって結婚までに色々段階を踏むべき、ということくらいわかっている。
ならばここは“3”。
普段と変わらない、落ち着き払った声で。
それでいて、精一杯の勇気を振り絞り、溢れそうな鼻血を気合いと根性で抑えつつ、咲夜は美鈴に告げた。
「ちょうどいいところに来たわね。お嬢様にお出しする紅茶を選んでいたところなの。あなたの意見も聞きたいのだけど、手伝ってくれる?」
「もちろんですよ」
「用意するから、かけていてちょうだい」
そう言って、先程まで私が座っていた椅子を差し示す。
「はーい」
美鈴の紅茶と、自分の椅子を用意してテーブルに戻ると、美鈴が何やらテーブルの上で包みを開いていた。
「えへへ。こちらもちょうどよかったですね」
包みの中からは様々な形のクッキーが現れた。
美鈴はこれでなかなか料理ができる。
時間効率では咲夜に敵うはずはなかったが、それ以外の家事は咲夜と同等にこなせるのだ。
「もう……私は“仕事”でやっているのよ」
ことさらに“仕事”という言葉を強調する。
そうでも思わないと、やっていられなかった。
プライベートの時間に好きな人と二人きり、だなんてチラと考えただけでも、卒倒しそうだ。
「いいじゃないですか。仕事は楽しく、ですよ」
そう言って美鈴は、満面の笑みをこちらに向けてきた。
(ああ、何て素敵なの……)
だが美鈴が何故ここに来たのかわからない。咲夜との一時の逢瀬を楽しむために来たのか、それともそれ以上のことがあるのか。
「それで、今日はどうしたのよ?」
「どど、どうもしませんよ? たまには咲夜さんとお茶したいなぁと……」
(え、なに今の動揺?)
今の美鈴の反応は明らかにおかしい。
いたって普通の質問をしただけで、あれほど慌てるのは美鈴が嘘をついている証拠だろう、と咲夜は考えた。
(だ、だからってどうすればいいのよ)
ここで告白して、もし私の勘違いだったらそれこそ紅魔館で生きていけない。それどころか幻想郷で生きていけるかも怪しい。『パワハラ疑惑! 紅魔館メイド長、門番に関係迫る!』などと天狗のゴシップ記事のネタにでもされたら、と考えると気が気でない。
とりあえず、辺り障りのない会話を続け、出方を見るしかない。そう判断した咲夜は、美鈴がまだ紅茶に手をつけていないことに気づいた。
「紅茶、冷めちゃうわよ」
「そ、そうですね。いただきます」
好きな人が目の前にいる。しかもここは自分の部屋だ。そう考えるだけで頭は真っ白だ。
美鈴の気持ちを知ることができればいいのに。
自分も美鈴と同じくカップに口をつけるが、先ほどと違いどんな味か全く感じることができなかった。
「私は好きですよ」
「えええええ!!」
「え、そんなにおかしかったですか?」
「だだだって、あなた、その好きって……」
「うーん。私の舌も鈍りましたかね。これはお嬢様にお出ししても大丈夫だと思ったのですが」
「……え?」
「参考までにどこがダメなのか教えてくれませんか?」
このときばかりは、自分の能力に時間を巻き戻す効果がない事を嘆いた。
(な、なんとか誤魔化さないと……)
「そうね……これは非常に難しいわ」
とにかく時間を稼いで、その間に言い訳を考えるしかない。
ちなみに紅茶の味はまったく覚えていない。
かといって、もう一度口をつけることはできない。 なぜなら私は既に答えを知っているはずだからである。
こんなとき、普段の私なら……いえ相手が美鈴でなかったらどう答えるか。
例えば魔理沙が相手なら……。
「おー。こいつは結構いけるな。何で駄目なんだ?」
魔理沙が他人の家に土足で踏み込み、パチュリー様の紅茶を勝手に飲んだとする。
そんなとき、私は魔理沙に何と言う……。
「自分で考えたら?」
私ならこう冷たく言い放つだろう。
(これでいくしかないわね……!)
「あなたもお嬢様に仕える者なら、それくらい自分で考えなきゃ駄目よ」
表現は随分ソフトになっていた。
「はーい」
改めて、紅茶を飲む。味は合格点だった。
(さすが美鈴ね……)
「それにしても、外はすっかり寒くなりましたね」
「そうね。寝るときはちゃんと温かくしなきゃ駄目よ。あと仕事中に寝たら……わかってるわよね」
「や、やだなぁ咲夜さん。いくら私でも寒空の下では眠れませんよ」
「あなたって、冬でもその格好だけど寒くないの?」
「えへへ。私は丈夫なのが取り柄ですから」
「まったく……。しょうがないわね。私がマフラーでも編んであげるから、今度からそれを使いなさい」
「いいんですか!?」
「仕事に支障が出たら困るでしょ。あなたはそういうところに無頓着だし」
「えへへ。ありがとうございます」
美鈴は天真爛漫、無邪気そのものの笑顔を咲夜に見せている。
咲夜は、能天気な困った部下を見つめる表情だったが、もちろん脳内は大パニック。
(美鈴……私を誘っているの!?)
などと犯罪者まがいの思考をしてしまうのも無理からぬことだった。
それからも取り留めのないことを話していた……と思う。
思う、というのは話の内容をほとんど覚えていないから。
美鈴と二人きりで話している、それだけで頭がいっぱいだった。
何か変なことは言っていないか、唐突に不安になったが美鈴の様子を見る限り大丈夫ようだ。
しかし、楽しい時間は一瞬で過ぎてしまった。
(そろそろ美鈴は、門の警備に戻る時間ね)
「えと、あのですね」
「ん、どうしたの」
ここまで何もなかったのだ、美鈴は本当にお茶を楽しみに来ただけなのだろう。
でも少しは好感度は上がったはずだ。
今日はそれでよしとしよう、と達観していたのがまずかった。
「その……大事なお話があるんです!」
ぶふぉおおお!(鼻血噴出音)
私の油断もあいまって、完璧な不意打ちが決まった。
一瞬で致死量に達する勢いの出血だったが、とっさに時間を止めたので、美鈴にこの醜態は見られていない。(出血は止まらなかったので瀕死ではある)
遠のく意識を気合いでつなぎ止め、状況を整理する。
今、美鈴はなんと言った。
朝早く、美鈴と私の休憩時間が重なる僅かな時間。
このタイミングで大事な話があるですって……!
フラグどころの話しではない。これはもうTrueエンド メイドと門番ルートが確定している。
まずはパーフェクトに告白に応えなければいけない。
とりあえず辺りに飛び散った愛の結晶(鼻血)を処理。
鏡の前で身だしなみチェック。
美鈴は体育会系だし、このまま間違いが起きてしまうかもしれない。
念のために下着をチェック、思いのほか地味なことに落胆する。
しかし今の内に気付けてよかった。
こんなこともあろうかと用意した勝負下着を取りだし、硬直している美鈴を尻目に手早く着替えを済ませる。
ついでにリボンをわずかに緩め、ボタンを胸元まで外す。
再び鏡の前に立つ。
(うん、完璧ね☆)
咲夜は自分の椅子に座り、パチンと指を鳴らした。
「大事な話? 何かしら?」
「なんていうか……その」
「どうしたの。言ってみなさいよ」
「笑わないで聞いてください……ね?」
「もちろんよ。何でも話して」
「好きなんです!」
(きたぁああああ!!)
美鈴が、私の愛しい美鈴が、私のことを好きだと言ってくれた。咲夜は心の中でガッツポーズをし、信じてもいない神様に何度も感謝の気持ちを伝えた。
「パチュリー様のことが!」
――時間が止まった。
いや咲夜の場合、時間を止めるのすら忘れていたと言うべきか。
「あの……咲夜さん?」
「……」
「さ、咲夜さーん?」
「あ、あぁ。そうなの。ちょっと驚いちゃって……」
「ごめんなさい。突然こんなこと言われても困りますよね」
「そんなことないわよ」
とたんにいつも通りの咲夜だが、(一時間くらい)時を止めて気持ちと状況の整理をしていた。
咲夜が導きだした結論はこうだ。
美鈴はパチュリー様のことが好きだ。
そして私に相談に来た。つまりまだパチュリー様に告白はしていない。
ということは美鈴の片想いの可能性が高い。
(つまり……! 美鈴に協力する振りをして、美鈴の恋心をこちらに傾ければいい!)
先手必勝だ。まずは美鈴を落ち着かせるために、美鈴とパチュリー様の関係をはっきりさせる。
「そうは言ってもねえ……。パチュリー様はお嬢様のご友人。そして私達はお嬢様の使用人よ」
「そ、それが……」
「身分違いだと思わない? あなたにはもっと身の丈にあった人がいると思うわ。そう……例えば同じ屋敷で働くメイドとか」
完璧だ。まさにパーフェクト完璧メイド。
美鈴に立場を自覚させつつ、さりげなく自分をアピールしている。
「それが……パチュリー様のほうからなんです。私のことが好きだって」
「でしょう。だから考え直し――え?」
「パチュリー様が……私のことを好きだって。私はパチュリー様のことを意識していたわけではないのですけど、その……告白されたら急に気になりだしてしまって……自分でもどうしたらいいかわからないんです!」
今度は時間が止まった。咲夜の体感時間が、だが。
(両想い……ですってぇぇぇえええ!!!)
衝撃の発言を受けて、咲夜はそのまま床に崩れさった。
「ちょっ! 咲夜さん!? しっかりして下さい!」
今日は私、十六夜咲夜と紅美鈴の結婚式だ。
あれから紆余曲折あったが、私達もいよいよゴールイン。
たくさんの知り合いが出席し、私達を祝ってくれている。
「えーと、本日はお日柄もよく……ってなに、これ全部読まなきゃいけないの!?」
「そうよ。私が大切な従者達を祝うために書いたのよ。一字一句間違いないようしっかり読み上げなさい」
「悪魔だ。こいつ……」
「あら、知らなかったの?」
「あー……ご飯食べ放題に釣られた私が馬鹿だったわ」
「頑張ってね。博麗の巫女様?」
「結婚式だからって引き受けたけど、西洋式だったら、私は関係ないじゃない!」
などと文句を言いながらも祝いの言葉を読み上げる。言葉の端々から祝福の気持ちが伝わってきた。
巫女だけではない。
主も、主の友人も、妹様も、よく美鈴と私を困らせる白黒魔法使いも、他にも今まで出会った様々な人が私達を祝福してくれている。
(お嬢様、ありがとうございます。咲夜は今、こんなにも幸せです)
「お二人さん! 早く子供の姿を見せてくれよ!」
白黒魔法使いが、そう茶々を入れると会場は一層盛り上がった。
「照れちゃうわね美鈴」
「咲夜さん。実は……」
そう言って美鈴は自分のお腹をさする。
「美鈴、もしかして……」
おおおー!
と美鈴の行動に、会場は更に沸くことになった。
「ねぇ、咲夜。名前は私に決めさせて」
「お嬢様に決めていただけるなんて……光栄です」
嫌な予感しかしないが、主の申し出を無下にするわけにもいかない。
「そうね……。二人の名前を合わせて、『美咲・スカーレット・ナイトメア』なんてぴったりだわ!」
「あ、ありがとうございます」
予想通り微妙だった。美鈴も同意見のようで、困ったなぁと、言いたげだ。ほとんどお嬢様の名前で、何がぴったりなのかまったくわからない。
しかし思わぬところから助け船が入った。
「センスないわね、レミィは。親から名前を取るなら『パチュミリン』なんてどうかしら」
紅魔館一の知識人に期待した私が馬鹿だった。そういえばこの人も結構発想がアレな人だった。
「どこの漫才コンビよ!」
「でも、両親の名前が入っていていいじゃないですか」
「え、美鈴どういうことよ?」
「あ……」
「私を騙したの!?」
「違うんです! 咲夜さん!」
「違わないわよ咲夜。美鈴と私はずっと昔から愛しあっていたの。そして人間のあなたと違って、これからも同じ時間を生きていけるわ」
「この紫もやしがあああ!!」
「ちょ!? 咲夜さん! 落ち着いてください咲夜さん!」
「……さん! 咲夜さん!」
「う……ん?」
「よかった。突然倒れちゃうからびっくりしましたよ」
(今のは……夢?)
夢でよかったと安心する。しかし気付いてしまった。今までずっと目を背けていたことに。
(私は美鈴とは生きられない)
どうしようもない現実。時間を操る能力を持ちながらも、愛する人と同じ時間を生きることすらできないなんて……。
「失礼したわ。パチュリー様に告白されて、あなたもパチュリー様を好きになってしまったのね……」
「ええ……今まで仕事一筋で恋なんてしたことないですし……。しかもそれ以降パチュリー様はそっけない態度を取られるので、私どうしたらいいかわからなくて……」
仕事一筋に突っ込みたい衝動を全力で抑えつつ、美鈴に何を言うべきか考える。
答えは決まっている。美鈴が恋をしたのは私ではなく、パチュリー様。その気持ちを尊重するのが、メイド長――いや十六夜咲夜という一人の女としてできることだ。
「迷うことはないわ。自分の素直な気持ちを伝えてきなさい。パチュリー様もきっと返事を待っているはずよ」
「……」
しばしの沈黙。
しかしその後、美鈴の力強い『はい!』という声が聞こえた。その顔にもう迷いはなかった。
「これでいいのよね」
この日、咲夜は初めて声を出して泣いた。
走る。走る。好きな人の元へ。もう迷いはない、この気持ちを一刻も早く伝えたかった。
図書館の扉が見えてくる。一歩近づくごとに心臓が高鳴る。
届けたいんだ、この気持ちを。
勢いよく扉を開け、驚くパチュリー様に自分の気持ちを告白する。
「パチュリー様! 私もパチュリー様の事が大好きです!」
「は?」
空白の後の答えは、肯定でも否定でもなかった。
「えと……私も好きなんです! パチュリー様の事が!」
「話がよく見えないのだけど、私もってどういうこと?」
「またまたぁ。この前、私の事を好きだって言ってくれたじゃないですか」
「いや全然覚えがないんだけど」
「前に私がここに来たときですよ。パチュリー様がしばらく図書館に籠もっていて、心配したお嬢様が私に様子を見に行かせたときです」
「ああ、あのときね」
「私がそんなに無理したら身体を壊しますよって言ったとき、好きだからって……」
「思い出したわ……。まったくひどい冗談ね」
ここでようやくパチュリーは本を置いて、天井を仰いだ。
「もう、私がどれだけ勇気を振り絞ったと思っているんですか。とぼけたふりはやめてくださいよ」
「その返答、正確には『本のことが好きだから頑張れる』だったでしょ」
「ええ、ですから私のことを――って痛! 本で叩かないでくださいよー」
「気づかないの? 私が好きなのはこっち」
そう言ってパチュリー様は本を掲げた。
「へ?」
「私はあなたのことを"紅"なんて呼ばないでしょ」
「あ……。ああああああああ!!!」
「まあ、好かれて悪い気はしないけど……私にそっちの趣味はないわよ?」
「い、いえいえ滅相もございません! 私も至って普通です! それでは失礼しましたああああ!」
美鈴は名前で呼んで欲しい、と思っていることを初めて後悔した。
おしまい
世界が愛に包まれてるのが見えます。 が、やっぱもうだめだこの世界。
なんぞこれ
今回のテーマが「すれ違い」でしたので、そう言ってもらえると嬉しいですっ。
>>12
この幻想郷では恋愛のトラブルが多発しそうですね~。
ある意味、平和なのかもしれません。
>>15
ちょっとだけミスリードのつもりでした。紅魔館は愛に溢れています。
お褒め(?)の言葉ありがとうございますっ。
次も「なんぞこれ」という感想が頂ける作品が書けるといいのかな~。
なんと言いましょうか、私と似た匂いを感じました。
このような事を言うと失礼かも知れませんが。
素直に面白かったです。
早苗さん頑張れw