ミスティアの魅力を一言で語るのなら、誰しもが歌と口にする。
自分だって、それを当たり前のことだと思っていた。歌は自分の魅力であり、武器でもある。これで多くの人々を魅了し、時には惑わすのだ。
華麗な歌は人々の心に染みいり、夜の歌は人々から視力を奪い取る。そんな生活を、毎日のように送っていた。
長き時の流れは、彼女の歌を熟成させたのか。若い頃は賑やかな歌ばかり歌っていたけれど、最近では古参の妖怪も虜にするような静かな歌もマスターしている。老若男女がミスティアの歌声に聞き惚れ、そして更に時は流れた。
人は老いる。妖怪も老いる。
ミスティアの歌声は、ある日、嘘のように枯れ果てた。
鈴の音と表現するか、はたまた波の音と表現するか。千変万化の歌声はしかし、今や枯れ木を摺り合わせたような年寄り独特のしゃがれた声にしか聞こえない。それは決して悪いことではなく、中には味が出たと評する者だっているだろう。
ただ、当人がその声を受け入れる事ができたならの話である。
絶世の美女が老いて、絶世の老婆になったとしたら。その女性は果たして、自らの美しさを受け入れることができるだろうか。かつての美貌を取り戻したいと願い、今の美しさに気付くことはない。
老いた自分の声を、ミスティアは受け入れることが出来なかった。
すっかり引きこもるようになり、今となっては外に出ている方が珍しくなってしまう。おかげで里の人間は鳥目に悩まされることもなくなり、綺麗な歌声のことなどすっかり忘れ去ってしまった。
妖怪達だって、娯楽の一つが減った程度にしか思っていない。新しい娯楽が見つかったのなら、すぐさまそちらへ夢中となる。歌っていた頃は気付かなかったけれど、所詮は自分の歌などその程度のものなのだ。
老いた夜雀は一人、滅多に開かなくなった口から溜息を零した。
大木をくり抜き、妖精の住処を模して作られたのがミスティアの家だ。二階建ての構造が自慢で、昔はよく二階にあがっては月を見ながら歌の稽古をしたものだ。
今となっては使われることもなく、床の上にはホコリが積もっていることだろう。上った記憶も忘れるぐらい昔のことなので、どうなっているのか分からない。見える景色など、木製のベッドから見渡せる範囲の程度である。
後は、窓から見える少しだけの風景。秋も終わりを迎え、いよいよ寂しくなってきた冬の装いがミスティアの心にも木枯らしをもたらした。
美しい紅葉を全盛期の自分。そして、落ち葉を枯らして丸裸になった木々はさながら今の自分。そう思わずにはいられない。
昔は大きかったベッドも今となっては少し窮屈なぐらいだ。すっかり成長してしまった身体には、若い頃のサイズが合わないのだろう。それがまた彼女の老いを実感させる結果となり、自覚しては落ち込むのだ。だからといって、もう新しいのを買いに行くつもりもない。
外へ出る気もなく、誰とも喋りたくはなかった。こんな声、聞かせるぐらいならジェスチャーで伝える。
このまま誰とも口をきかずに、落ち葉のように朽ち果てていきたい。生き甲斐を失ったミスティアが望むことなど、あとはそれぐらいだった。
自ら命を絶つつもりはない。どれだけ絶望しようと、そんな恐ろしいことは出来るはずもなかった。
ただ時間に任せ、死する日を待つばかり。
ひょっとしたら朽ち果てた後に、春が訪れのではないか。そんな妄想を抱きつつ、何をすることでもなく無言で一日を過ごす。
それがミスティアの日常だった。
「やっほー、元気してる?」
陰鬱な日常を打ち壊す脳天気な声に、ミスティアは露骨なまでに顔をしかめる。誰とも喋るつもりがないのだから、来訪者など邪魔者以外の何物でもない。そんな気持ちを分かっているくせに、ルーミアという妖怪は遠慮もなしに上がり込んでくるのだ。
すっかり伸びてしまった身長は、おそらくミスティアよりも高いだろう。腰まで届くかという金色の髪の毛は美しく、かつてあった無邪気な少女というイメージも今はどこかへ飛んでいってしまった。
もっとも、内面にはまったく変わりがなかったけれど。特に、無神経な所とか。
「また外ばっかり見てたの? 駄目だよ、たまには自分から外に出ないと。そんなんじゃ、足が木になって根付いちゃうよ」
『放っておいて』
声を出したくないミスティアは、筆談で相手に意志を伝える。最初はジェスチャーで頑張っていたのだが、どうにも効率が悪かった。帰れと言ってるつもりだったのに、泊まっていけと誤解された事だって一度や二度ではない。
拒絶の言葉ばかりで埋め尽くされたスケッチブックが、今のミスティアにとっての言葉だった。
「放っておけるわけないじゃん。そうやって、家の中にいる限りはね。はい、これお土産」
手渡されたのは真っ赤な林檎。どこぞの果樹園から盗んできたのか。
「なんかね、チルノちゃんがくれたの」
ああ、間違いなく盗んできたな。どういうわけだが、チルノだけは外見も内面も全く成長していなかった。多分、妖精だからそのままなのだろう。羨ましい話だと、何度も妬んだのを思い出す。
「多分、お見舞いの品だね。だからさ、早く外に出ようよ」
『嫌』
床に伏せっていても、病弱なわけではない。声が出ないわけでもなかった。
ただ単に、誰とも話したくないだけで。
「私はミスティアの枯れたっていう声を聞いた事がないからさ、よく分からないんだよね。ねえ、試しにちょっと歌ってみてよ」
『嫌』
「じゃあ、何か一言だけ」
『嫌』
スケッチブックは同じページで止まったままだ。そういえば、『良いわよ』という言葉は書き込んだ覚えがなかった。だけど言う予定もないので、書き込む必要はないだろう。
ふくれっ面でもう一つの林檎の頬張り、美味しそうに顔を緩ませる。そういえば今日は朝から何も食べておらず、お腹が減っていたところだ。倣うようにミスティアも林檎に齧り付き、甘い蜜の味に驚いた。
うっかり油断して、美味しいと声を出してしまいそうになるほどの味だ。
「良かったら、また同じものを貰ってきてあげるよ。みすちー、何か気に入ったみたいだし」
心中を言い当てられ、思わずそっぽを向く。外では寒そうな木枯らしが吹き、木々を容赦なく揺らしていた。
「みすちーはさ、自分の声が嫌いになったの?」
嘘をついても仕方がない。ミスティアは素直に頷いた。
「あー、それってやっぱり今の声がって事だよね?」
当たり前だ。今の声が嫌いになったから、こうして筆談で意志を伝え合っているのだ。好きならば、遠慮なく今だって歌っている。
ルーミアは頬を掻き、気まずそうに苦笑しながら言った。
「実はさ、今だから言えることなんだけど。出来れば、怒らないで聞いて欲しいなー」
勿体ぶる言い方に、焦らされているようで腹が立つ。早く言いなさいよという文字を書いていない為に、ミスティアは顎で先を促した。
「私ね、ミスティアの歌ってあんまり好きじゃなかったんだ」
唐突な告白は、ミスティアの時間を止める。今の声なら分かる話だけど、それが昔の声だと言われたならば。怒りだって呆気にとられて、浮かんでくることを忘れてしまった。呆然としたまま、黙ってルーミアの話に耳を傾ける。
「なんていうか、みすちーの歌って凄く不自然なように思えたんだよね。作られたってのは違うけど、楽しいから歌ってるんじゃなくて綺麗な声を聞かせたいから歌ってるっていうか。あんまり心にくるものが無かったんだよね」
そういえば、チルノやリグルは頻繁にミスティアの歌声を聞きにきてくれた。そして決まって喝采し、また聞かせてねと約束を交わすのだ。
ルーミアは一度だけ来て、後はまったく来なくなった。だからきっと、歌自体が嫌いなのだと思っていたのに。
「みすちーの声は好きだったけど、歌はあんまり好きじゃなかったなー」
一番輝いていた頃の、戻りたかった頃の自分を否定されているようで、ようやく怒りが湧き上がってきた。枕を掴む手にも、自然と力が入る。
「だからさー、何て言うか、どっちにしろ歌ったら嫌いになるんだから声が枯れたって気にしなくても良いよ!」
彼女なりの励まし方だったのだろう。おかげで元気にはなった。
その有り余る元気を枕にこめ、思い切り投げつけるぐらいには。
ホコリを蹴り飛ばす。弱々しくなっていた身体に生気がみなぎっているのは、きっとルーミアのおかげなのだろう。嬉しくはないが。
二階に上ってみれば、案の定そこはホコリだらけだった。まずは片づけるところから始めなくてはならないようだ。
ミスティアは歌うつもりなどなかった。だが、あそこまで言われて引き下がるつもりだってない。
せめて最後に、枯れ果てた声でもいい。あの脳天気な妖怪に感動したと言わせてから、声を封じようではないか。嫌いだと罵られてまで無関心でいられるほど、ミスティアは温厚な妖怪ではないのだから。
一通り片づけをしたあとで、ようやく歌の練習に入る。
試しに声を出してみて、やはり愕然とするのであった。ただでさえ枯れていた声が、使わなくなったせいで益々衰えている。このままでは、歌うことすらままならないだろう。
まずはリハビリ。声を出すところから初めて、慣れてきたら発声練習。そしてようやく、歌の練習を始めることが出来る。
「絶対に……見てなさいよ」
しゃがれた声で、ミスティアはそう言った。
傍らに置かれたスケッチブックが、今度はホコリをかぶる番だった。
程なくして、ミスティアの家の近くで魔女のうめき声が聞こえてくるという噂話が囁かれるようになった。それが何を意味しているのか、察しの悪いルーミアには分からない。
自分なりに励ましたつもりだったのに、何故かミスティアは烈火の如く怒り出した。あの様子だと、当分は家に近づかない方が良いだろう。迂闊に侵入しようものなら、今度は柔らかい枕ではない固い何かが飛んできそうだ。
「はぁ……」
ミスティアの憂鬱が移ったのか、ルーミアの口から暗い溜息が漏れては消える。
「なによ、辛気くさいわね。もうすぐ冬が来るんだから、もっと楽しそうにしなさいよ!」
隣に座っている氷精は、相変わらず元気だった。夏でも変わらずはしゃいでいるのだから、彼女にとって季節など口実でしかないのだろう。
あるいは、チルノがお見舞いに行けばミスティアを上手く励ますことが出来たのだろうか。想像してみたが、要領よく他人を励ますチルノという図が思い浮かばなかった。枕を投げつけられているのが、ルーミアからチルノに変わった絵が思い浮かんだくらいである。
彼女もまた、不器用な妖精だった。
「みすちーのお見舞いに行ったんだけどさぁ、なんか怒らせちゃったみたいで。どうしようかなって思ってるとこ」
「なんだ、そんなの簡単じゃない。もっと沢山林檎を持っていけばいいのよ。何なら、また調達してきてあげるわよ」
何処から調達してきているのか。聞いてもまともな答えは返ってきそうにないので、尋ねるのは止めた。それに、林檎の数が問題なのではない。
多分、きっと。
「思ってることは全部言ったつもりなんだけどなぁ……」
正確には、まだまだ隠している想いならある。軽く触れはしたけれど、その真意はきっと伝わっていないことだろう。
ルーミアが、どれほどミスティアの声に惚れているのか。
人間が鳥を籠で飼いたがる気持ちが、あの声を聞いて初めて理解できた。出来ることなら捕まえて、ずっとあの声を聞いていたい。そんなことをしたら二度と喋ってくれなくなるので実行しないが、出来ることならずっと側で聞いていたかった。
ルーミアは恋していたのだ。ミスティアの声と、ミスティア自身に。
当然、向こうは気付いていないだろう。素直で純情なルーミアが、必死に隠し続けてきた想いなのだから。
「言ったら絶対、声とか聞かせてくれなくなるもん」
「え?」
「ううん、何でもない」
プライドが高く、恥ずかしがり屋で、意地っ張りのミスティア。声が好きだと言えば黙り、ミスティアが好きだと言えば会ってくれなくなる。察しの悪いルーミアにでさえ、そんな未来が容易に想像できた。
ただでさえ、自分の声が嫌いになってしまったのだ。こんな状況で迂闊に告白なんぞしようものなら、きっともう二度と会ってはくれないだろう。
黙っておくのが一番だ。そう思いつつも、またあの声が聞きたいと願っている自分もいる。
ミスティアは声が枯れてしまったというけれど、ルーミアはまだその声を聞いていない。聞けばあるいは、この想いも冷めてしまうのかもしれない。だけど、ルーミアにはそうは思えなかった。
確信がある。枯れた声だとしても、その声を愛せるだろうという自信が。
「まぁ、喋ってくれないなら意味はないんだけどね……」
「林檎食べる?」
「いつのまに調達してきたのよ」
驚きつつも、素直に受け取る。美味しいものには目がないのだ。
甘い蜜に舌鼓を打ちながら、この蜜よりも甘いミスティアの声に思いを馳せた。
願わくば、再びあの声を。
その思いは、三ヶ月の時を経て見事に叶う。
挑戦状を叩きつけられた。差出人はミスティアだった。
あれから三ヶ月も会っておらず、そろそろ顔でも見せようかと思っていた矢先のことだ。こちらの様子でも窺っていたのかと、疑りたくなるようなタイミングに驚きつつも、会える口実ができたと喜ぶ自分もいる。
中身の方に目を通してみれば、あの日の屈辱をはらしてみせるの一文だけが踊っていた。あの日というと、やはりあの日なのだろう。歌が嫌いだと告白して、ミスティアを怒らせた例の日。
何でもかんでも言えば良いわけじゃないと、身をもって教えられた。お悩み相談室を開いていた聖曰く、時には言葉を忍ばせることだって大事だそうだ。言うべきタイミングが来たときに初めて、使える言葉だってある。どうやらルーミアは、そのタイミングを間違えたらしい。
今度は失敗しない。出来るだけ空気を読んで、彼女を怒らせないようにしよう。
そう胸に誓い、ミスティアの家へと訪れた。
入ってすぐ、ルーミアは驚いた。ベッドに寝ているとばかり思った彼女が、二本の足で床に立っている。病気でもないのだから、立っていることは驚くようなものでもない。だが、彼女が立っている姿を見るのは何年も昔の事なのだ。
呆気にとられて言葉を失ったところで、それを責めるのはミスティア当人だ。訝しげな顔で、二階に上がれと指を指す。
そういえば、二階にあがった事など滅多になかった。昔は何があるのだろうと興味をしめし、上ろうとしたものである。その度にミスティアが怒り、何度も蹴飛ばされていた。床に伏せってからもそれは変わらず、上に上がる許可は一度も下りなかったのだ。
何があるのか、期待に胸を膨らませる。
だが、そこにあったのはただの部屋。天井の一部がガラス張りになっているのは、とても面白そうだったけれど、目立つものはそれだけだ。後は何もない空間が広がり、その端っこに見覚えのある物が転がっていた。
スケッチブックだ。ミスティアが手にしていたスケッチブックが、何故かホコリをかぶって転がっていた。
まるで、何ヶ月も使われていないかのように。
「ミスティア?」
顔をあげたルーミアは、更に驚くこととなる。
何年ぶりかに開いたミスティアの口から漏れだしたのが、溜息ではなく歌声だったのだから。
初めて聞いた、ミスティアの枯れた声。確かにそれは、全盛期の声とは比較にならない。美しさでも、張りでも、全ての点において劣っていた。かつての声に惚れ込んだ者なら、変わり果てた声に嘆いていただろう。
ルーミアとて、かつての声に惚れ込んだ者の一人。愛する自信があるとは言っていたが、実際に聞けばどう思うことか。心のどこかに不安が無かったと言えば嘘になる。
その声に、ルーミアは絶望していた。あの綺麗な歌声はどこに行ってしまったのかと。もう二度と、あんな声を聞くことが出来ないのかと。
しかし同時に、ルーミアは歓喜していた。なんという、美しい声なのだ。
ルーミアもミスティアも勘違いしていた。美しさとは、一つではないのだ。
かつての若々しい声も美しかった。だが今の、洗練された声も美しさで溢れていた。
そして何よりもルーミアを驚かせたのは、彼女の歌だった。
音程は微妙にずれ、歌詞だってうまく聞き取れない。だけど、迫力だけは塊になってルーミアの芯を揺さぶっている。耳を塞いだところで、この歌はルーミアの中まで届いてくるだろう。
昔のミスティアの歌は、表面を漂うばかりだった。まるで綺麗な声を自慢するようで、だからこそルーミアはあまりミスティアの歌が好きではなかった。どちらかといえば、人間を惑わせている時の歌の方が好みだ。
だからこそ、妖怪や人々も簡単にミスティアの歌を忘れ去ることができたのだろう。もっと心に響く歌だったならば、無くなることを惜しんだ者だっていてもおかしくはない。人間には到っては惑わす為の歌を恐れる者の方が多いのだから、ルーミアの感想もあまり的外れていないのだろう。
しかるに、この歌はこれまでのどんな歌よりも下手くそではあったのだが、迫力だけは今までの比ではない。
無条件で聞き惚れさせるような、圧倒的な力が籠められていたのだ。
気が付けば歌が終わり、気が付けば拍手をしている。無意識の喝采に、驚いたのはルーミアの方だった。
「……凄かったよ」
告げる言葉など、それぐらいしか思いつかない。ミスティアは照れくさそうにはにかみながら、それでも胸を張るのだった。
「歌も、それに声も」
「……嘘」
「嘘じゃない。昔の声も好きだった。でも今の声も同じぐらい好きになった。だって、どっちも美しいんだから」
お世辞なのか本音なのか、判断しかねるようだ。難しい顔でこちらを見ながら、やがて頬を染めてお礼の言葉を述べた。
「あ、ありがとう」
気を緩めれば、涙が出てしまいそうになる。あの声はもう聞けないけれど、それと同じぐらい素晴らしい声と出会えたのだから。
感極まっていたとしか思えない。
ルーミアは身体の回りに闇を生み出し、そのままミスティアに近づいた。
「え、なに、どうしたの……んんっ!」
暗闇の中でも、彼女の声はよく響く。唇に柔らかい感触が触れてすぐに、ルーミアはミスティアと距離をおいた。
林檎の蜜よりも甘いものだと思っていたけれど、それほど甘い味はしなかった。
心の中は、砂糖よりも甘くなっていたけれど。
「な、な、な、な」
闇を消したその先には、 唇を押さえ、林檎のように真っ赤な顔で震えているミスティアの姿があった。
「何したのよ!」
素晴らしすぎて、素敵すぎて、ついついやってしまった。
自分は思ったよりも、情熱的な妖怪らしい。
素直に言えば、きっとミスティアは怒るだろう。そして下手をすれば、また声を閉ざしてしまうかもしれない。
聖の言葉を思い出す。言葉には、使うべきタイミングがあるのだと。
きっと、今はまだこの言葉を使うべきじゃない。
だからルーミアは咄嗟に、別の言葉を用意したのだ。
「みすちーの歌が凄すぎたから、自分も鳥目にしちゃって何かと見間違えたんじゃない?」
「そんなわけあるかー!」
どうやら、自分はまた選ぶ言葉を間違えたようだ。
一体、いつになったら使えるのだろう。
好き、という二文字の言葉を。
老いた夜雀の怒鳴り声が、静かな森の中に響き渡った。
ミスチーの気持ちはかなりわかる…
素晴らしいルーミアとミスチーでした!
ルーミスもいい!
素晴らしい。
脱字報告
ルーミアはまだその声を聞いていない。聞けばあるいは、この想いも冷めてしま「う」のかもしれない。
とぢらかと言えば→どちらかと言えば
甘くも渋かったです。ごちそうさま。
これからの雀ばばあの生き様を見たくなる、そんなSSだった。
一方ミスティアは種族や能力としてではないガチ歌……なのかな。
ルーミアがみすちーと呼ぶのが自然すぎるw
外見大人になっても可愛かったです。
ルーミスよいですね・・・。
しかしここで終わってしまって悲しい