レミリア・スカーレットは退屈していた。
原因は分かっている。ここの所、周囲が騒がしすぎたのだ。
異変が起きた直後はいつもそうだ。異変を起こした原因の一派と交流が持たれるようになる。今回は、命蓮寺という寺を幻想郷に建立した一派と親交を深めるための宴会が何度も行われた。
レミリアはスペルカードルールが導入されてから最初の異変を起こした張本人であるので、そうした交流の場にはなるべく出るようにしている。また、紅魔館という、幻想郷のパワーバランスの一角を担っている一派の当主でもあるので、それは義務とさえ言えるかもしれない。
レミリアが好む好まざるを別として、ここ最近は常に集団の中にいたような気がする。時に気疲れすることもあったが、おおむね退屈はしなかった。
「静かね……」
レミリアは廊下を目的もなく歩きながら何とはなしに呟く。
今日は来客の予定がなければ、どこかで宴会が行われる予定もない。咲夜はいつものようにメイド長としての仕事が忙しく、パチュリーは魔女会談とやらで魔理沙、アリス、白蓮を招いて何やら忙しそうだ。フランドールはこいしと遊んでいるようだし、美鈴はいつものように門番をしている。
今日は珍しく一人で時間をもてあましているのだ。
レミリアは、自分はこんなに一人の過ごし方がヘタだったのかと自問する。
「はあ……暇……」
こんなときは博麗神社に出かけて霊夢とだべるのが常だが、あまりにワンパターンな自分の行動に少々呆れているのも事実。一応日傘を用意したが、外出するモチベーションがわかない。意外性があり、なおかつ自分の退屈をまぎらわしてくれる何かが目の前に現れたりはしないものか。
そんな都合のよいことを考えているそのときだった。
レミリアの視界の端に、キラキラと輝くものが映った。
「……?」
それはレミリアの知らない昆虫だった。
群青色をベースに、赤色と緑色の模様と、白色の斑点があり、それらが虹色の光沢で美しく輝いている。体長は2cmほどの甲虫で、顔は意外にイカつく鋭い顎が印象的だ。
レミリアは、このような美しい昆虫を見たのは初めてだった。もっと近くで見てみたいと思って近づくと、その昆虫は数m先へと飛んでいった。しかし、そのまま逃げるのかと思ったら、その場でとまってレミリアの方を振り返る。それを見たレミリアが近づくと、またその昆虫は数m先へと飛び、またその場でレミリアを振り返る。
「喧嘩を売っているのかしら……」
とはいえ、昆虫相手に本気になって捕まえようとしてそんな現場を見られたらカリスマ崩壊である。
しかし、レミリアは焦らない。今ターゲットは食堂の扉の前にいる。そして、扉の左右に道は開かれていない。つまり、昆虫は今まさに吸血鬼に追い詰められているのだ。
「もう逃げられないわよ、ふふふふふ……」
レミリアが満面の笑みを浮かべながらゆっくりと近づくと、昆虫は扉をすり抜けて飛んでいった。
「へ?」
何が起こったか分からず、レミリアはその昆虫のように直進する。
ドガ!
「へぶぅっ!?」
食堂の扉は、いざというときには食料を確保しながら籠城できるように頑丈に作られている。無防備に突っ込んだらそれはもうかなり痛い。涙目になりながら扉を開けると、憎き昆虫はやはりレミリアの方を振り返るのであった。
そしてようやく、その昆虫が幽霊であることにレミリアは気づいた。いや、亡霊の方が正しいのか? そこらへんの定義はレミリアは詳しくないので、一瞬わいた疑問をとじこめて幽霊昆虫とターゲットにネーミングする。サイズが小さいために、霊特有の気配に気づかなかったようだ。
そして、俄然興味がわいてくる。昆虫の幽霊など見たことがない。
どうせ暇だったのだから、しばらく幽霊昆虫に付き合ってみようとレミリアは思うのであった。
そんな決心をすると、再び幽霊昆虫は飛んでいき、壁をすり抜け外へと出てしまう。
「ちょっと、待ちなさいってば!」
見失ってはせっかく降って湧いてきた退屈しのぎをふいにするとレミリアは慌てる。幽霊昆虫が抜けた壁には小さな窓があるだけだ。多少遠回りになっても別の大きな窓から外へ出た方がいいはずなのに、レミリアは直進しかできない香車のようにその小さな窓から抜けようとする。
「くぬ! くぬ!」
そして、気づいた。
ジャストフィット。
抜けられません。
窓から外へ出ようとして、おなかで完全につかえた紅魔館当主の姿がそこにはあった。
どこぞの天狗に見つかったら翌日の一面記事を飾ること間違いなしの醜態である。ぴこぴこと翼を動かしてもどうにもならない。心なしか、振り返ってこちらを見る幽霊昆虫の複眼に憐みの色があるようだ。
しゅん……と翼が力なく垂れる。
しくしくしくしく――
さめざめと泣いてみるが、どうにもならない。このままでは、咲夜に見つかって洗剤プレイをされてしまう。
ならば手段は一つ。
ドゴォォォン!
「力こそ正義! 私ってば最強ね!」
グングニルで壁を吹き飛ばして自由の身になったレミリアは、咲夜に見つかっておやつ抜きにされる前にその場を立ち去るのであった。
そして、幽霊昆虫を追いかける旅が始まる。
******
「ふっふっふっ……」
大妖精は、自宅の小部屋で怪しげに笑っていた。小さな窓が一つしかない部屋で、誰も中に入れたことはない。
その小部屋には一面にチルノグッズがあった。壁、天井にはチルノポスターが貼られ、チルノを模したアリス印の人形たち、チルノの写真が入っている写真立て、『チルノちゃんシリーズ・裏 その12』『チルノちゃんと私 その32』などというタイトルが書かれたアルバム、その他多数が所狭しと置かれている。
そして今、大妖精がその手に大事そうに抱えているものは、文とにとりに頼んで作成してもらった、チルノ全身写真をプリントした抱き枕だ。河童の特殊技術により、水に強く何度洗ってもいたむことのない優れものだ。
「高かったけど、それだけの価値は十二分すぎるほどありました。さすが文さんににとりさん、いいお仕事です。ここ三カ月、必死でバイトした苦労も報われましたぁ! 大妖精、我が人生に一片の悔いなし!!」
一人で感極まって右手を高らかに天に突き上げる。
その視線の先には、この三カ月苦楽を共にしたヘルメット、つるはし、スコップ、タオル、ダウジンググッズなどがある。日々、たくましく生きているのだ。
感動にひたりきっている大妖精は、小部屋の中にキラキラと輝く昆虫が入ってきたことには気づかなかった。
ジャリ……ジャリ……
大妖精が我に返ったのは、扉の方からそんな妙な音が聞こえてきたからである。
気になって扉の方を見ると、カチリ……という音と共に、鍵をかけていたはずの扉が開かれ、レミリアが現れる。
「ふう……、霊夢に教えてもらった解錠テクニックがこんな所で役立つとはね」
「レ、レミリアさん!?」
驚愕に目を見開く大妖精に対し、レミリアは余裕たっぷりの様子で小部屋をゆっくりと見回し、ビシィッと指を突きつける。
「さすが、『ギリギリガール』ナンバー03は伊達じゃないわね、大妖精! 相変わらず氷精へのギリギリラブは見事なものだわ!」
「こ、光栄です、会長!」
「『ギリギリガール』仲間として語らいあいたいところだけど、あいにく今日は忙しいのよ。また今度ね」
レミリアは幽霊昆虫が外へと飛んで行ったのを確認した。まっすぐ幽霊昆虫を追いかけるには、天井近くにある小さな窓を抜けなければならないが、先ほどの二の舞は何としても避けたい。
とはいえ、この部屋を破壊すると、大妖精の心へ致命的なダメージを与えそうだ。
どうしたものかと考え……、
「あ、私、霧になれるし……」
スペルカードルールではない戦闘時のみぐらいでしか使わない能力だったのですっかり忘れていた己の能力を思いだし、レミリアは渋い表情になる。先ほど壁を破壊したのはまったくもって軽挙妄動だったことに気づいたのだ。南無三。
しかし、レミリアは強い子だった。
過去の過ちに捕らわれることなく、
「うん、私は悪くない!」
そう力強く確信する。
そして、どういう力がはたらいているのか、日傘ごと霧状になり窓から外へと出ていった。
あとには、ぽかーんとした表情の大妖精だけが取り残されるのだった。
******
上白沢慧音は真剣な表情で目の前の袋を見つめていた。
儀式を思わせるようなゆっくりとした手つきで袋を丁寧に割いていく。その袋の中にはオレンジ色の粒が詰まっていた。
その粒をひとつまみすると、期待に満ちた表情で口の中へと入れる。
「……!」
何かに耐えるような、しかし恍惚とした表情になった慧音は粒をまたひとつまみし――
「何かしらそれは?」
「ぬぁっ!?」
唐突にかけられた予想外の声に、慧音は文字通り飛び上がる。
「あら、ご挨拶ね」
「お前はレミリア・スカーレット!? いつの間にうちに入ってきたんだ!?」
「霧になってちょちょいと」
「待て、それは住居侵入だ。まったく、紅魔館の主たる者が節度のない」
レミリアは反論しようとしたが、慧音が食べていた粒が目に入ると気持ちがそちらに逸れた。
「その粒は一体何?」
「ああ、これか。まあいわゆる駄菓子の仲間だな」
「駄菓子?」
「子供が食べるお菓子のようなものだが、恥ずかしながらこれが幻想入りしたときに好奇心から食べて以来すっかりハマってしまって、今では1日3袋は食べないと落ち着かなくなってな。ほとんど私が買い占めているから、お前が知らないのも無理はない」
「へえ……お菓子……」
レミリアの瞳がきらきらと輝く。
五百年生きているとはいえ、容姿は子供のそれ。慧音はふっと表情を緩めると、その袋をレミリアに差しだす。
「お前も食べるか?」
「いいの!?」
羽が犬の尻尾のようにパタパタと動く。
「ああ」
「話が分かるわね、さすが人里の守護者! 礼を言うわよ!」
そして、レミリアは嬉々とした表情で袋に入った粒をざーっと口に流し込む。
それを見て、慧音は思わず目を見開く。
「ば、馬鹿! ドンパッチをそんなに一気に食べると――」
「#&*@?¥>~%$!!!!!?????」」
口の中で縦横無尽にはじけるドンパッチにレミリアは悶絶した。最初こそはじけ方は小さかったが、唾液と混ざることによって次々とドンパッチたちははじけ、もはや痛みしか感じないほどの刺激となっている。
「初心者に袋食いは難易度が高すぎると言うのに……」
「はひゃきゅひひははいひょ~」
レミリアは涙目で、再び幽霊昆虫を追いかけるのであった。
******
幽霊昆虫を追いかけているうち、レミリアは永遠亭近くまで足をのばしていた。
そして、永遠亭へ通じる門をふさぐように白い小さな山があり、その山の前で仁王立ちしているのは鈴仙・優曇華院・イナバだった。
「ここを通りたければ、私を倒してからにすることね!」
「よく言った」
ぴちゅーん
「く……目からビーム!!」
「それは猫の方でしょ! 紅さなら負けないわよ、全世界ナイトメア!!」
ぴちゅーん
「や、やるわね、さすがは吸血鬼。お前の全世界ナイトメアをくらって倒れなかったのは……私が初めてよ!!」
「てか、よけなさいよ」
「しかし、あなたの束の間の勝利もここまで。これを見るがいいわ!」
鈴仙が指さすのは門をふさいでいる白い山だ。しかし、レミリアは違和感を感じ、よく目をこらして見てみる。
「な――!?」
レミリアは驚愕した。
「こ、これは山ではない! ウ、ウサギ!? ウサギの山! しかもものすごい数!!」
それは山ではなく、ウサギたちが組体操のピラミッドの要領で積みあがっているのだ。その数は優に万を超えるだろう。どこにこれだけのウサギがいたかと考えてはいけない。
「これぞ、裏ウサギ必殺の陣形、雪崩兎萬獄! さあ、この陣から繰り広げられるウサギたちの苛烈な攻撃になすすべもなくやられるのよ! にょほほほほほ!!」
さすがに脅威を感じたレミリアは防御の構えを取るが、一向に攻撃がくる気配はない。
「ちょっと! 攻撃だってばー!」
鈴仙の檄が飛ぶが、当のウサギたちは真っ青な表情でぷるぷる震えている。
「も、もう限界ウサ~」
山を崩さず維持することに精一杯だったウサギたちは、体力の限界を迎えてあっさりと崩れ去る。
ウサギたちの山に埋もれて見えなくなった鈴仙を尻目に、レミリアは再び幽霊昆虫を追いかけるのであった。なお、幽霊昆虫は永遠亭とは関係ない方に飛んで行ったので、鈴仙の犠牲はまったくもって意味がなくなってしまっていた。
******
その後も、レミリアは幽霊昆虫が行く道なき道をひたすら進んでいった。山の哨戒天狗に見つかれば三手詰めを突きつけ、御柱が飛んできたらグングニルを投げつけ、大蝦蟇に呑まれている氷精を発見したら宛先大妖精と書いて全力で投げ飛ばし、珍しく仕事をする気になったのか幽霊昆虫を渡そうとする死神を発見したら問答無用で昏倒させ、そんな迷走を続けた果てに、気づけば昼前だったのがすっかり夜になっていた。
そして、束の間の旅は終わりを告げる。
森のある場所まで来た幽霊昆虫が、その場をうろうろするばかりでもう先へと進もうとしないのだ。
「ひょっとして……ここがあなたの目的地?」
レミリアは記憶をたぐり寄せる。
この場所に訪れた記憶がある。
あれは確か古き満月が天に浮かび――
そこまで思いだして、レミリアは幽霊昆虫の目的に思い至った。
「……リグル。蟲たちのリーダーだったかしら、あの妖怪に会いたいの?」
レミリアの言葉に、幽霊昆虫は大きく飛び上がった。それは肯定の返事のつもりなのだろう。
「なるほどね。でも、今はいないみたいよ。ここらへんに妖怪の気配は感じないわ。ここで待ってたらそのうち来るんじゃないの?」
だが、レミリアはそれが無理なことに気づいた。幽霊昆虫の姿が先ほどよりも薄れているのだ。もしかしたら、そんなに時間がないのかもしれない。
「…………」
レミリアはじっと幽霊昆虫を見つめる。そして、ふっと笑みを浮かべると、今日初めて、幽霊昆虫の正面に立つのであった。
「私の名はレミリア・スカーレット。誇り高きスカーレット家の当主にして、最も強き吸血鬼。今日は、お前と付き合うことで退屈が紛れたわ。ならば、何かしらの礼を示さねばスカーレット家の名折れというもの。お前の運命、私に預けてみなさい」
言葉が通じるとは思っていない。
しかし、レミリアは確信していた。
自分の言葉が届くと。
「さあ、行くわよ」
レミリアはスーッと音もなく飛び、ある程度進んだところで後ろ――幽霊昆虫を振り返る。まるで、先ほどまで幽霊昆虫がやっていたように。
しばらくの静寂。
永遠かとも思える一瞬の後、幽霊昆虫はスーッとレミリアの方に飛んできた。
「ふふ、それでいい。お前の運命は、すでに私の手の上だ」
レミリアの瞳が紅く光る。今、レミリアの目にははっきりと進むべき道が見えている。
吸血鬼と幽霊昆虫の最後の旅の果て――
「いらっしゃーい、って、レミリア!?」
人里へ通じる道に赤提灯が明るく光っている。
それは、ミスティア・ローレライが営業するヤツメウナギ屋台だった。夜道を通りかかった人間を能力で鳥目にし、鳥目に効くというヤツメウナギをその人間に勧めるサギまがいの商売なのだが、実際には妖怪がよく客としてやってくる。
しかし、レミリアのような大物妖怪が来ることは珍しい。
「悪いわね、私は客じゃないのよ。用があるのは、貴女よ」
レミリアは、ミスティアの屋台の常連であるリグル・ナイトバグに声をかけた。
「へ? わ、私!?」
リグルは目を見開いて叫ぶ。正直、レミリアのような大妖怪にはあまり近づきたくない。一度ちょっかいをかけてひどい目にあったからなおさらだ。
隙あらば逃げだす体勢になったリグルだが、目の前に一匹の昆虫が現れたことによって姿勢をただす。
「お前は……そうか、あのときの……ああ……なるほど……そうか……」
リグルと話す幽霊昆虫を見て小さな笑みを浮かべると、レミリアはそっとその場を離れようとした。
「ちょ、ちょっと待って!」
リグルがレミリアを止める。そして、リグルはレミリアの背中に向かって話し始める。
「この子は、何日か前にイタチに襲われそうになっていたところを私が助けてね。ちょうど卵を産む時期でさ、無事卵を産んで、そして命を全うした――そう私に報告したかったんだって」
「そう……」
「……ありがとう、レミリア。この子をここまで案内してくれたんだって? この子、とても感謝しているわ」
レミリアは振り返った。
もう、幽霊昆虫の姿は半分消えかかっている。
最後に、幽霊昆虫はレミリアの周囲を何回か回り、そして――
「逝ったわね……」
「……うん」
リグルはぐしぐしと泣いていた。幽霊になってまで最期の挨拶に来たことに感動していたのだ。ミスティアが背中を撫でてあげることでようやく落ち着く。
「じゃあ、私はこれで」
「待った、レミリア。改めてありがとう、あの子をここまで連れてきてくれて」
「礼ならさっき聞いたわよ」
「さっきはあの子の。今は私のよ。……正直、あなたのことを誤解していた。一杯おごるから付き合ってよ」
レミリアは一瞬頬を緩みかけて、すぐに一生懸命難しそうな表情を作る。
「吸血鬼の私がおごられるなんて……」
「私からのお礼なんだから。お礼は黙って受け取るものよ」
「それもそうね。じゃあ、ミスティア、一番いいお酒をちょうだいな」
「毎度ー」
「ちょ! す、少しは加減ってものを……!」
「あら、そんなケチなことを言うと女が下がるわよ?」
「う……わ、分かったわよ。どーんと、いってOK!」
「じゃあ遠慮なく」
「特上のヤツメウナギがありますよー。かなり値は張るけど……」
「じゃ、それ」
「毎度ー」
「みすちーの馬鹿ー!!」
虫たちの美しく鳴き声が響く、そんなある秋の夜の出来事だった。
原因は分かっている。ここの所、周囲が騒がしすぎたのだ。
異変が起きた直後はいつもそうだ。異変を起こした原因の一派と交流が持たれるようになる。今回は、命蓮寺という寺を幻想郷に建立した一派と親交を深めるための宴会が何度も行われた。
レミリアはスペルカードルールが導入されてから最初の異変を起こした張本人であるので、そうした交流の場にはなるべく出るようにしている。また、紅魔館という、幻想郷のパワーバランスの一角を担っている一派の当主でもあるので、それは義務とさえ言えるかもしれない。
レミリアが好む好まざるを別として、ここ最近は常に集団の中にいたような気がする。時に気疲れすることもあったが、おおむね退屈はしなかった。
「静かね……」
レミリアは廊下を目的もなく歩きながら何とはなしに呟く。
今日は来客の予定がなければ、どこかで宴会が行われる予定もない。咲夜はいつものようにメイド長としての仕事が忙しく、パチュリーは魔女会談とやらで魔理沙、アリス、白蓮を招いて何やら忙しそうだ。フランドールはこいしと遊んでいるようだし、美鈴はいつものように門番をしている。
今日は珍しく一人で時間をもてあましているのだ。
レミリアは、自分はこんなに一人の過ごし方がヘタだったのかと自問する。
「はあ……暇……」
こんなときは博麗神社に出かけて霊夢とだべるのが常だが、あまりにワンパターンな自分の行動に少々呆れているのも事実。一応日傘を用意したが、外出するモチベーションがわかない。意外性があり、なおかつ自分の退屈をまぎらわしてくれる何かが目の前に現れたりはしないものか。
そんな都合のよいことを考えているそのときだった。
レミリアの視界の端に、キラキラと輝くものが映った。
「……?」
それはレミリアの知らない昆虫だった。
群青色をベースに、赤色と緑色の模様と、白色の斑点があり、それらが虹色の光沢で美しく輝いている。体長は2cmほどの甲虫で、顔は意外にイカつく鋭い顎が印象的だ。
レミリアは、このような美しい昆虫を見たのは初めてだった。もっと近くで見てみたいと思って近づくと、その昆虫は数m先へと飛んでいった。しかし、そのまま逃げるのかと思ったら、その場でとまってレミリアの方を振り返る。それを見たレミリアが近づくと、またその昆虫は数m先へと飛び、またその場でレミリアを振り返る。
「喧嘩を売っているのかしら……」
とはいえ、昆虫相手に本気になって捕まえようとしてそんな現場を見られたらカリスマ崩壊である。
しかし、レミリアは焦らない。今ターゲットは食堂の扉の前にいる。そして、扉の左右に道は開かれていない。つまり、昆虫は今まさに吸血鬼に追い詰められているのだ。
「もう逃げられないわよ、ふふふふふ……」
レミリアが満面の笑みを浮かべながらゆっくりと近づくと、昆虫は扉をすり抜けて飛んでいった。
「へ?」
何が起こったか分からず、レミリアはその昆虫のように直進する。
ドガ!
「へぶぅっ!?」
食堂の扉は、いざというときには食料を確保しながら籠城できるように頑丈に作られている。無防備に突っ込んだらそれはもうかなり痛い。涙目になりながら扉を開けると、憎き昆虫はやはりレミリアの方を振り返るのであった。
そしてようやく、その昆虫が幽霊であることにレミリアは気づいた。いや、亡霊の方が正しいのか? そこらへんの定義はレミリアは詳しくないので、一瞬わいた疑問をとじこめて幽霊昆虫とターゲットにネーミングする。サイズが小さいために、霊特有の気配に気づかなかったようだ。
そして、俄然興味がわいてくる。昆虫の幽霊など見たことがない。
どうせ暇だったのだから、しばらく幽霊昆虫に付き合ってみようとレミリアは思うのであった。
そんな決心をすると、再び幽霊昆虫は飛んでいき、壁をすり抜け外へと出てしまう。
「ちょっと、待ちなさいってば!」
見失ってはせっかく降って湧いてきた退屈しのぎをふいにするとレミリアは慌てる。幽霊昆虫が抜けた壁には小さな窓があるだけだ。多少遠回りになっても別の大きな窓から外へ出た方がいいはずなのに、レミリアは直進しかできない香車のようにその小さな窓から抜けようとする。
「くぬ! くぬ!」
そして、気づいた。
ジャストフィット。
抜けられません。
窓から外へ出ようとして、おなかで完全につかえた紅魔館当主の姿がそこにはあった。
どこぞの天狗に見つかったら翌日の一面記事を飾ること間違いなしの醜態である。ぴこぴこと翼を動かしてもどうにもならない。心なしか、振り返ってこちらを見る幽霊昆虫の複眼に憐みの色があるようだ。
しゅん……と翼が力なく垂れる。
しくしくしくしく――
さめざめと泣いてみるが、どうにもならない。このままでは、咲夜に見つかって洗剤プレイをされてしまう。
ならば手段は一つ。
ドゴォォォン!
「力こそ正義! 私ってば最強ね!」
グングニルで壁を吹き飛ばして自由の身になったレミリアは、咲夜に見つかっておやつ抜きにされる前にその場を立ち去るのであった。
そして、幽霊昆虫を追いかける旅が始まる。
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「ふっふっふっ……」
大妖精は、自宅の小部屋で怪しげに笑っていた。小さな窓が一つしかない部屋で、誰も中に入れたことはない。
その小部屋には一面にチルノグッズがあった。壁、天井にはチルノポスターが貼られ、チルノを模したアリス印の人形たち、チルノの写真が入っている写真立て、『チルノちゃんシリーズ・裏 その12』『チルノちゃんと私 その32』などというタイトルが書かれたアルバム、その他多数が所狭しと置かれている。
そして今、大妖精がその手に大事そうに抱えているものは、文とにとりに頼んで作成してもらった、チルノ全身写真をプリントした抱き枕だ。河童の特殊技術により、水に強く何度洗ってもいたむことのない優れものだ。
「高かったけど、それだけの価値は十二分すぎるほどありました。さすが文さんににとりさん、いいお仕事です。ここ三カ月、必死でバイトした苦労も報われましたぁ! 大妖精、我が人生に一片の悔いなし!!」
一人で感極まって右手を高らかに天に突き上げる。
その視線の先には、この三カ月苦楽を共にしたヘルメット、つるはし、スコップ、タオル、ダウジンググッズなどがある。日々、たくましく生きているのだ。
感動にひたりきっている大妖精は、小部屋の中にキラキラと輝く昆虫が入ってきたことには気づかなかった。
ジャリ……ジャリ……
大妖精が我に返ったのは、扉の方からそんな妙な音が聞こえてきたからである。
気になって扉の方を見ると、カチリ……という音と共に、鍵をかけていたはずの扉が開かれ、レミリアが現れる。
「ふう……、霊夢に教えてもらった解錠テクニックがこんな所で役立つとはね」
「レ、レミリアさん!?」
驚愕に目を見開く大妖精に対し、レミリアは余裕たっぷりの様子で小部屋をゆっくりと見回し、ビシィッと指を突きつける。
「さすが、『ギリギリガール』ナンバー03は伊達じゃないわね、大妖精! 相変わらず氷精へのギリギリラブは見事なものだわ!」
「こ、光栄です、会長!」
「『ギリギリガール』仲間として語らいあいたいところだけど、あいにく今日は忙しいのよ。また今度ね」
レミリアは幽霊昆虫が外へと飛んで行ったのを確認した。まっすぐ幽霊昆虫を追いかけるには、天井近くにある小さな窓を抜けなければならないが、先ほどの二の舞は何としても避けたい。
とはいえ、この部屋を破壊すると、大妖精の心へ致命的なダメージを与えそうだ。
どうしたものかと考え……、
「あ、私、霧になれるし……」
スペルカードルールではない戦闘時のみぐらいでしか使わない能力だったのですっかり忘れていた己の能力を思いだし、レミリアは渋い表情になる。先ほど壁を破壊したのはまったくもって軽挙妄動だったことに気づいたのだ。南無三。
しかし、レミリアは強い子だった。
過去の過ちに捕らわれることなく、
「うん、私は悪くない!」
そう力強く確信する。
そして、どういう力がはたらいているのか、日傘ごと霧状になり窓から外へと出ていった。
あとには、ぽかーんとした表情の大妖精だけが取り残されるのだった。
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上白沢慧音は真剣な表情で目の前の袋を見つめていた。
儀式を思わせるようなゆっくりとした手つきで袋を丁寧に割いていく。その袋の中にはオレンジ色の粒が詰まっていた。
その粒をひとつまみすると、期待に満ちた表情で口の中へと入れる。
「……!」
何かに耐えるような、しかし恍惚とした表情になった慧音は粒をまたひとつまみし――
「何かしらそれは?」
「ぬぁっ!?」
唐突にかけられた予想外の声に、慧音は文字通り飛び上がる。
「あら、ご挨拶ね」
「お前はレミリア・スカーレット!? いつの間にうちに入ってきたんだ!?」
「霧になってちょちょいと」
「待て、それは住居侵入だ。まったく、紅魔館の主たる者が節度のない」
レミリアは反論しようとしたが、慧音が食べていた粒が目に入ると気持ちがそちらに逸れた。
「その粒は一体何?」
「ああ、これか。まあいわゆる駄菓子の仲間だな」
「駄菓子?」
「子供が食べるお菓子のようなものだが、恥ずかしながらこれが幻想入りしたときに好奇心から食べて以来すっかりハマってしまって、今では1日3袋は食べないと落ち着かなくなってな。ほとんど私が買い占めているから、お前が知らないのも無理はない」
「へえ……お菓子……」
レミリアの瞳がきらきらと輝く。
五百年生きているとはいえ、容姿は子供のそれ。慧音はふっと表情を緩めると、その袋をレミリアに差しだす。
「お前も食べるか?」
「いいの!?」
羽が犬の尻尾のようにパタパタと動く。
「ああ」
「話が分かるわね、さすが人里の守護者! 礼を言うわよ!」
そして、レミリアは嬉々とした表情で袋に入った粒をざーっと口に流し込む。
それを見て、慧音は思わず目を見開く。
「ば、馬鹿! ドンパッチをそんなに一気に食べると――」
「#&*@?¥>~%$!!!!!?????」」
口の中で縦横無尽にはじけるドンパッチにレミリアは悶絶した。最初こそはじけ方は小さかったが、唾液と混ざることによって次々とドンパッチたちははじけ、もはや痛みしか感じないほどの刺激となっている。
「初心者に袋食いは難易度が高すぎると言うのに……」
「はひゃきゅひひははいひょ~」
レミリアは涙目で、再び幽霊昆虫を追いかけるのであった。
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幽霊昆虫を追いかけているうち、レミリアは永遠亭近くまで足をのばしていた。
そして、永遠亭へ通じる門をふさぐように白い小さな山があり、その山の前で仁王立ちしているのは鈴仙・優曇華院・イナバだった。
「ここを通りたければ、私を倒してからにすることね!」
「よく言った」
ぴちゅーん
「く……目からビーム!!」
「それは猫の方でしょ! 紅さなら負けないわよ、全世界ナイトメア!!」
ぴちゅーん
「や、やるわね、さすがは吸血鬼。お前の全世界ナイトメアをくらって倒れなかったのは……私が初めてよ!!」
「てか、よけなさいよ」
「しかし、あなたの束の間の勝利もここまで。これを見るがいいわ!」
鈴仙が指さすのは門をふさいでいる白い山だ。しかし、レミリアは違和感を感じ、よく目をこらして見てみる。
「な――!?」
レミリアは驚愕した。
「こ、これは山ではない! ウ、ウサギ!? ウサギの山! しかもものすごい数!!」
それは山ではなく、ウサギたちが組体操のピラミッドの要領で積みあがっているのだ。その数は優に万を超えるだろう。どこにこれだけのウサギがいたかと考えてはいけない。
「これぞ、裏ウサギ必殺の陣形、雪崩兎萬獄! さあ、この陣から繰り広げられるウサギたちの苛烈な攻撃になすすべもなくやられるのよ! にょほほほほほ!!」
さすがに脅威を感じたレミリアは防御の構えを取るが、一向に攻撃がくる気配はない。
「ちょっと! 攻撃だってばー!」
鈴仙の檄が飛ぶが、当のウサギたちは真っ青な表情でぷるぷる震えている。
「も、もう限界ウサ~」
山を崩さず維持することに精一杯だったウサギたちは、体力の限界を迎えてあっさりと崩れ去る。
ウサギたちの山に埋もれて見えなくなった鈴仙を尻目に、レミリアは再び幽霊昆虫を追いかけるのであった。なお、幽霊昆虫は永遠亭とは関係ない方に飛んで行ったので、鈴仙の犠牲はまったくもって意味がなくなってしまっていた。
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その後も、レミリアは幽霊昆虫が行く道なき道をひたすら進んでいった。山の哨戒天狗に見つかれば三手詰めを突きつけ、御柱が飛んできたらグングニルを投げつけ、大蝦蟇に呑まれている氷精を発見したら宛先大妖精と書いて全力で投げ飛ばし、珍しく仕事をする気になったのか幽霊昆虫を渡そうとする死神を発見したら問答無用で昏倒させ、そんな迷走を続けた果てに、気づけば昼前だったのがすっかり夜になっていた。
そして、束の間の旅は終わりを告げる。
森のある場所まで来た幽霊昆虫が、その場をうろうろするばかりでもう先へと進もうとしないのだ。
「ひょっとして……ここがあなたの目的地?」
レミリアは記憶をたぐり寄せる。
この場所に訪れた記憶がある。
あれは確か古き満月が天に浮かび――
そこまで思いだして、レミリアは幽霊昆虫の目的に思い至った。
「……リグル。蟲たちのリーダーだったかしら、あの妖怪に会いたいの?」
レミリアの言葉に、幽霊昆虫は大きく飛び上がった。それは肯定の返事のつもりなのだろう。
「なるほどね。でも、今はいないみたいよ。ここらへんに妖怪の気配は感じないわ。ここで待ってたらそのうち来るんじゃないの?」
だが、レミリアはそれが無理なことに気づいた。幽霊昆虫の姿が先ほどよりも薄れているのだ。もしかしたら、そんなに時間がないのかもしれない。
「…………」
レミリアはじっと幽霊昆虫を見つめる。そして、ふっと笑みを浮かべると、今日初めて、幽霊昆虫の正面に立つのであった。
「私の名はレミリア・スカーレット。誇り高きスカーレット家の当主にして、最も強き吸血鬼。今日は、お前と付き合うことで退屈が紛れたわ。ならば、何かしらの礼を示さねばスカーレット家の名折れというもの。お前の運命、私に預けてみなさい」
言葉が通じるとは思っていない。
しかし、レミリアは確信していた。
自分の言葉が届くと。
「さあ、行くわよ」
レミリアはスーッと音もなく飛び、ある程度進んだところで後ろ――幽霊昆虫を振り返る。まるで、先ほどまで幽霊昆虫がやっていたように。
しばらくの静寂。
永遠かとも思える一瞬の後、幽霊昆虫はスーッとレミリアの方に飛んできた。
「ふふ、それでいい。お前の運命は、すでに私の手の上だ」
レミリアの瞳が紅く光る。今、レミリアの目にははっきりと進むべき道が見えている。
吸血鬼と幽霊昆虫の最後の旅の果て――
「いらっしゃーい、って、レミリア!?」
人里へ通じる道に赤提灯が明るく光っている。
それは、ミスティア・ローレライが営業するヤツメウナギ屋台だった。夜道を通りかかった人間を能力で鳥目にし、鳥目に効くというヤツメウナギをその人間に勧めるサギまがいの商売なのだが、実際には妖怪がよく客としてやってくる。
しかし、レミリアのような大物妖怪が来ることは珍しい。
「悪いわね、私は客じゃないのよ。用があるのは、貴女よ」
レミリアは、ミスティアの屋台の常連であるリグル・ナイトバグに声をかけた。
「へ? わ、私!?」
リグルは目を見開いて叫ぶ。正直、レミリアのような大妖怪にはあまり近づきたくない。一度ちょっかいをかけてひどい目にあったからなおさらだ。
隙あらば逃げだす体勢になったリグルだが、目の前に一匹の昆虫が現れたことによって姿勢をただす。
「お前は……そうか、あのときの……ああ……なるほど……そうか……」
リグルと話す幽霊昆虫を見て小さな笑みを浮かべると、レミリアはそっとその場を離れようとした。
「ちょ、ちょっと待って!」
リグルがレミリアを止める。そして、リグルはレミリアの背中に向かって話し始める。
「この子は、何日か前にイタチに襲われそうになっていたところを私が助けてね。ちょうど卵を産む時期でさ、無事卵を産んで、そして命を全うした――そう私に報告したかったんだって」
「そう……」
「……ありがとう、レミリア。この子をここまで案内してくれたんだって? この子、とても感謝しているわ」
レミリアは振り返った。
もう、幽霊昆虫の姿は半分消えかかっている。
最後に、幽霊昆虫はレミリアの周囲を何回か回り、そして――
「逝ったわね……」
「……うん」
リグルはぐしぐしと泣いていた。幽霊になってまで最期の挨拶に来たことに感動していたのだ。ミスティアが背中を撫でてあげることでようやく落ち着く。
「じゃあ、私はこれで」
「待った、レミリア。改めてありがとう、あの子をここまで連れてきてくれて」
「礼ならさっき聞いたわよ」
「さっきはあの子の。今は私のよ。……正直、あなたのことを誤解していた。一杯おごるから付き合ってよ」
レミリアは一瞬頬を緩みかけて、すぐに一生懸命難しそうな表情を作る。
「吸血鬼の私がおごられるなんて……」
「私からのお礼なんだから。お礼は黙って受け取るものよ」
「それもそうね。じゃあ、ミスティア、一番いいお酒をちょうだいな」
「毎度ー」
「ちょ! す、少しは加減ってものを……!」
「あら、そんなケチなことを言うと女が下がるわよ?」
「う……わ、分かったわよ。どーんと、いってOK!」
「じゃあ遠慮なく」
「特上のヤツメウナギがありますよー。かなり値は張るけど……」
「じゃ、それ」
「毎度ー」
「みすちーの馬鹿ー!!」
虫たちの美しく鳴き声が響く、そんなある秋の夜の出来事だった。
レミリアの華麗なる(?)暇つぶし、面白かったです
これは素晴らしいカリスマ(?)レミリア…
しかしドンパッチとは懐かすぃ……。
これまた失礼w
しかし、れーせん…哀れですな…w
ドンパッチ…未体験ながら不覚にも三袋食べてみたくなりましたw
カッコ良くてプライドが高いけど、可愛らしいお嬢様の魅力にあふれていますね。
特に蟲を導く場面のセリフがものすごく良かった。
しかしあとがきでの説明欄の萌え度が高すぎるw
>>5
ギリギリガールズを読んだことがあるようで。ありがとうございます。基本的に僕が書くレミリアの話は、レミリアの暇つぶしです。
>>8 >>26
ギリギリ大ちゃんがマイジャスティスです。
>>10
カリスマですとも。常にレミリアをカリスマとして描くのが僕のテーマです。
>>15
ドンパッチが懐かしく感じる世代とは、僕と近い世代ですね。自分でも書いていて懐かしかったです。
ビックリマンチョコ、ネクロスの要塞、ラーメンバー、ケンちゃんラーメンなんかが流行ってました。
>>18
はんみょん(`・ω・´) その発想は気づきませんでした。
>>22
あのとき子供だった自分に財力があれば……っ! 小遣いがなかったので3袋同時に買えなかったのが心残りです。
今だったら実験できていたのに、今の類似品は火力が劣るっ……!
>>24
虫と向かい合う場面の台詞は力入れたので、そう言っていただけると嬉しいです。
で、レミィはどこら辺がギリギリなのか・・・
腋?
ただ、虫を追いかけるシーンが少々話の筋から離れすぎなような気もしました。寺子屋のシーン辺りで「虫、関係なくね?」と思ってしまったのは無粋ってもんなんでしょうか。
まぁ、ネタとしては楽しめたのですが、ちょっと散漫な印象が。
最後に。
ねるねるねるねもそろそろ幻想入りしていいころだと思います。
>>31 >>33 >>34
レミリアは書いていて楽しいです。非常に動かしやすいキャラです。
>>32
拙作『ギリギリガール』を参照ということでどうでしょ? わりとレミィ本人は大したことなさそうなのはデフォで。
>>35
やっぱ脇道にそれすぎましたかね。本筋とは関係ないので。でも、どうしても書きたかったのですよ。
実はねるねるねるねも候補でしたが、現在もわりと根強い人気があるようなのでまだ幻想入りは先かなと。
それに対して、ドンパッチは初期の刺激の強いやつは間違いなく幻想入りなので。