Coolier - 新生・東方創想話

月夜

2004/12/15 21:58:26
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それは 終わることがない



人であって人に非ず


永遠という鎖に繋がれた亡者





輪廻より外れたそれは      

             在ってはならぬもの















月の明るい夜だった                 寒い夜だった                



明々とした月は照らし出す 月の姫君を        吐く息は白く それは 明々とした月を曇らせた


その髪はどこまでも黒く               その髪はどこまでも白く

その瞳はどこまでも紅く               その瞳はどこまでも赤く

その風貌はどこまでも美しかった           その風貌はどこまでも潔かった



禍々しいほどに                   愚かしいほどに




月の姫君は                     銀髪の娘は 


その容姿には釣り合わない              爛々と燃える炎の翼を背に纏い


不気味な笑みを浮かべた               凛とした眼差しで

 
口の端を吊り上げた歪な笑み             月の姫君を見据える

















その様子を見守る 歴史の半獣


永遠に存在するものなど在ってはならない

栄えあるものは滅びるが定め

彼女の記憶している歴史の中に 永遠などというものは存在していなかった





永遠など


人の記憶の中にだけ在れば良いのだ




         
その呟きは 虚しく




          そっと 目を伏せる




















             さぁ
 


     詠いましょう        踊りましょう



      血が飛び          身が裂け



      肉が弾け          心が砕け



     骨の軋む詩を        魂の焼かれる輪舞を















                

           不死という名の

 
      歌詞を           舞踏を







              
某氏につられて 初投稿です。

詠、詩、歌詞=うた
踊り、輪舞、舞踏=おどり の読みでお願いします。

・・・無理矢理なのは気にしない方向で。
ENX-静流
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コメント



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2.無評価PKK削除
シンプルで潔い雰囲気ですね。
文字の間の空白に      貴様の溢れる妄想を叩き込め!と言う事ですか?
確かに受け取りました、その熱い魂を。
・・・で、春度の行方はいかに?
8.30名前が無い程度の能力削除
文字芸術ですね
ちょっとくどいところもありますが美しいです
20.40いち読者削除
 短い中にも、ふたりの狂気や禍々しさが表現されていますね。傍観者としてしか居ることが出来ない慧音の位置付けも、作品の間のとり方として良いと思います。

 ただ、輝夜と妹紅の描写の対比に関して、同じ行に並べられているのに殆ど呼応していない箇所があるのが気になりました(例えば『その容姿には釣り合わない』と『爛々と燃える炎の翼を背に纏い』の周辺)。
 せっかく左右に並べたのであれば、やはりその中身にも対称性を持たせた方がより締まるのでは思いました。詩のように短い作品であるのならばなおさらに。
 試みとしては面白いと思います。