Coolier - 新生・東方創想話

AA「豊満戦隊デカレンジャー」後編

2004/12/09 06:14:23
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「こッ……これはもしや伝説の霊夢使用済みサラシッ!?
ああ何と言う幸福感!もう私神様でも仏様でも何でも信じるわ!!」

「……精が出るわね」


霊夢が博麗神社から勇ましく飛び立った、僅か数分後。
今の内だと神社に忍び込んで勝手にいろいろ物色していたアリスに、
突如現れた何者かが声を掛けた。


「……誰かと思えば宇宙人さん……人の家に入る時は挨拶位するものよ」

「今の貴方にだけは言われたくないわ。
とりあえずそのヨダレを拭きなさい、見苦しい事この上ないから」

「あ、あら失礼」


それは大型でありながらぺタレンジャーに組する「デカドラッグえーりん」こと八意永琳だった。
ハァハァと荒い息を吐きながら霊夢の私物を根こそぎかっぱらおうとしていたアリスがそそくさと佇まいを正す。
慌てながらもしっかり霊夢のサラシを上着の中に突っ込んでいる辺り侮れない。


「ところで……あの手紙、渡してくれたかしら」


永琳がそう言った瞬間、今まで色ボケていたアリスの表情が変わった。
だらしなく緩んでいた口元がきりりと引き締まり目に鋭い眼光が宿り、
どういう訳か口元のヨダレの跡まで奇麗さっぱり消えてなくなった。


「ええ、一応ね……ところで貴方、一体何を企んでるのよ」


表情だけでは無く、言葉や口調まで引き締まっているアリス。
射抜くように永琳の目を見据え、淡々としかし力強く言葉を紡ぐ。


「何って……見ての通りよ?姫とあの子を二人にする為に、邪魔者を排除しただけ」

「ふん、わざわざあんな嘘の手紙まで作って……それだけじゃ無いでしょ」

「……ふふ、貴方には感謝しているわ。
どちらにも属さない貴方のお陰であの八人を戦わせる手筈を整えられたんだから」


アリスの問いをはぐらかし、永琳がくすくすと笑った。
凛とした美貌と相まって、その仕草は非情に妖艶であったが
同時に底知れぬ薄ら寒さを感じさせる何かを秘めていた。


「じゃあね人形師さん。報酬の『霊夢に使用済み聴診器』は
明日にでも貴方の家まで持っていかせるわ」

「ちょ、ちょっと……質問に答え……」

「今夜は丁度、満月……うふふ、騒がしくなるわよ……」


アリスが呼び止めるのを気にも留めず、さっさと帰って行く永琳。
その後姿に只ならぬ恐ろしさを感じ、アリスは永琳を追いかける事も出来ず
しばらくその場に立ち尽くしていた。
ふと外を見ると、晴れていた空が曇ってしまったのに加えて嫌な風まで吹いている。
まるで「今夜は騒がしくなる」という永琳の言葉を裏付ける様に……。



そしてその頃、霊夢はと言うと。


「これとこれと……これも使えそうね……あら、何かしらこの鉄の玉は」

「この際もはや居直り強盗まがいの行いは黙認するとしても待つんだ霊夢!
それは手榴弾と言って爆発を起こして周囲を破壊する危険ぶって言ってる側からピンを抜くなぁぁぁぁぁぁ!!」


……香霖堂にて、着々と戦いの準備を進めていた。



──そして、夜空に燦然と輝く黄金の満月の下。



──永い夜が、始まる。



─貧相戦隊ペタレンジャー最終回─



─月まで届け、ぺたんの叫び─



・ ・ ・



迷い家と書いて、マヨヒガ。
文字通り、一度入ったら二度と出られぬ迷宮の館。
その無限回廊とでも言うべきマヨヒガの中に、
迷う事も戸惑う事も無く一点を目掛けて飛んでいる紅白の蝶の姿があった。
ちなみに香霖堂からかっぱらってきた諸々の武器は結局持ってこなかった様だ。
香霖、荒らされ損。


「あら……いらっしゃい霊夢、遅かったわねぇ」

「ふん……まさかまた紫と闘う事になるなんてね。
相手があんただと手加減できないから、その心算でいなさいよ」

「ふふ……その台詞そっくりそのままお返しするわ」


マヨヒガのもはや何処とも知れぬ場所で対峙する大妖怪、八雲紫と紅白の蝶、博麗霊夢。
僅かでも気を抜けば即・死。
強者同士の戦いはゼロコンマ一秒の奪い合い。
それを良く理解している霊夢と紫は軽く言葉を交わしながらも
その佇まいには髪の毛ほどの隙も生じていない。


「ところで霊夢、前から思ってたんだけど」

「何よ」


ニィィ、と口の端を歪めこれ以上無く妖艶に微笑む紫。
一呼吸置いて、霊夢の身体を嘗め回すように見てから
優しくそして不気味に囁いた。


「霊夢って……とっても 美 味 し そ う よ ね 」

「それは紫……どっちの意味かしら」

「うふ……両 方 よ 」

「あっ……そ」


その刹那。

ぐにゃりと世界が歪んで。

奥義と大結界、絢爛荘厳たる二種の弾幕が世界を覆い尽くし。


「「──喰うわよ」」


天下無双が二人、互いが互いを貪りあう謝肉祭を開いた。



・ ・ ・



いつだったか、輝夜にけしかけられて八人が肝試しに行った竹林。
さわさわと言う葉擦れの音だけが響く、牢獄の様に竹が生え茂るその中を
黒白の弾丸が風を切って駆け抜けていく。
やがて竹林を抜け広場に出ると、軽やかにふわりと地面に降り立ち
そこで待っていた何者かに声を掛けた。


「ふう……いや、しかしまさかお前さんが私の相手をするだなんてなぁ。
てっきり霊夢にリベンジするもんだと思ってたぜ」

「お前があの四人の中で一番危険物だと思っていたから丁度いい。
里の…いや、幻想郷の女性は私が守る。レーザー一本触れさせない」


そこで待ち受けていた上白沢慧音と軽く言葉を交わし、
黒白こと霧雨魔理沙が軽く肩を竦めた。
まるで、自分が危険物なのは否定しないがそれよりむしろ
今のお前さんの姿の方がよっぽど危険だぜとでも言うかの様に。


「満月とは僥倖だった……いや、お前にとっては最悪の状況だがな」

「ああ確かに最悪だぜ、すっげーキモいもの見ちまったしな」

「こらこら、そんなに自分を苛めるな」


頭上の月を見上げながら冷たく言い放つ慧音。
もはや今の慧音には紫の色んな意味で信じがたい嘘に騙されて
ご飯が喉を通らなくなる程心配していた当時の面影は、精神的にも見た目的にも無い。
特に見た目の面影の無さはあまりにも深刻過ぎて涙が出そうな程だ。
魔理沙も負けじとキツい事を言い返すがまた更に言い返された。
コイツは確かに今までの慧音と違う、そう感じた魔理沙が魔力を練り始める。


「さて……お喋りは此処までだ」

「賛成だぜ」


そう言って、スペルカードを取り出す二人。
片や一度放てば絶滅必死の恋の魔砲「ファイナルスパーク」。
片や一度放てば消滅必至の光の洪水「日出づる所の天子」。
作戦も計算も打算も無い、初撃から必殺の意を込めた全力の攻撃。


そして、二人が奏でる閃光の狂想狂騒協奏曲で。


「恋の魔砲で消えて無くなれ、歴史喰い!!」
「歴史の闇に消え去るがいい、魔砲使い!!」


世界に、光が溢れた。



・ ・ ・



不気味なほど静まり返った、真夜中の湖畔。
湖から冷たい風が吹き、もはや他には何も動くものが無いその場所で
完全で瀟洒な銀の狗と、式である事を忘れた狂える妖狐が対峙していた。


「本当に一人で来るとは……いい度胸だテンコー」

「(何今の語尾ッ!?)貴方こそ」


半ば咲夜を小馬鹿した様に言う藍と、それを気にも留めず返す咲夜。
お互い溢れ出す殺気と妖気を隠そうともしない。
まさに一触即発、最初からピンの抜かれている手榴弾の様に
爆発必至の危険極まりない雰囲気の中、藍が厳しい口調で言葉を紡いだ。


「貴様は巨乳への恨みつらみに縛られ本当に大事な事を見落としている。
今からそれをその局部的にスレンダーな身体に教えてやるから覚悟しろテンコ」

「ッ……あら……それはそれは……お優しい事でッ!」


咲夜がそう言った次の瞬間、「ヂャキッ」と十三本のナイフが虚空から現れた。
素早く右手に六本、左手に六本を掴んで構える。
そして残りの一本が地面に落ちる寸前、目にも留まらぬ速さの下段蹴りで
藍の顔目掛けてナイフを蹴り飛ばした。
闇を切り裂く銀光一閃、直線的な殺意が藍に襲い掛かる。


「遅ィッ」

「刃ァッ」


藍が軽く顔を傾け、一本目のナイフを難なくかわした。
間髪入れず、右手に携えた六本のナイフを四肢それぞれに投擲する。
右腕へ二本、左腕へ一本、右脚へ一本、左脚へ二本。
すぐさま今度は左手のナイフを六本纏めて藍の胸へばら撒く様に投げ付けた。
十二の凶刃が、藍の身体を無残に刺し貫かんとして殺到する。


「フン……温いッ」

「……っ」


銀色の刃雨の僅かな隙間を、まるで舞うようにすり抜けていく藍。
突き刺さるべき対象を見失ったナイフはやがて失速し、地面に落ちた。
本気では無かったにしろ、今の攻撃が掠りもしなかったのは予想外だったのか
僅かに咲夜の表情が強張る。


「……決めたわ、明日の朝ごはんはキツネの煮付けにしようっと」


何も無い空間から溢れ出すナイフが一、二、五、十、三十。
それを右手と左手に五本、口に一本構え、残り十九本は虚空に留まったままに。
まさに文字通り「悪魔」の「狗」と化した咲夜が完全なる戦闘態勢に入る。


「奇遇だな、私も明日の朝食は狗鍋にしようと思っていたテンテンコー」

「(語尾変わったッ!ちょっと変わったッ!)」


練りに練りられた妖気が藍の周りで渦巻く。
弾ッ、と腕を交差させ腰を落として地面を踏み締め、妙テケレンな構えを取る藍。


そして二人の視線が交錯した、正にその瞬間。


「出汁で煮られて飯になれ、九尾の妖狐!!」
「巨乳を夢見て眠りにつけ、銀色の走狗!!」


誰も居ない湖畔に、妖気に彩られた銀色の華が咲いた。



・ ・ ・


夜の白玉楼。
端から端までどれだけあるかも分からないその広大な庭のど真ん中、
いつも一緒に戦い、信じあい、助け合ってきた筈の二人がそこで
まさに今から血の雨を降らさんと向かい合い、睨み合っていた。


「……幽々子様……どうして……どうしてこんなッ……!」

「ふふ……あら、私はとっても嬉しいわよ?」


どうして自分と幽々子様が、とでも言いたげに拳を握り締め振るわせる妖夢と対照的に
心底嬉しそうに、そして心底楽しそうに笑いながら言う幽々子。
それはまるで待ちわびた恋人との逢瀬を楽しみにする恋する乙女のようだ。
そして、妖夢に歩み寄りながら言葉を紡いでいく。


「ねぇ妖夢……今まで私は妖夢をたくさん困らせもしたし迷惑もかけたわ」

「(……分かってやってたんですかこのアホ主人は……)」


と、そこまで言って幽々子が一瞬言葉を切った。


「だけど……いえ……だからこそ、私だけが妖夢を困らせていいの」


にぃぃ、と口元を歪め、妖夢に微笑みかける幽々子。
この時妖夢の半身は「言うかね、こーゆー事をハッキリ……」と思ったがあいにく人魂なので喋れなかった。
そして、今まで幽々子の歪んだ愛の告白を黙って聞いていた妖夢が
ゆっくりと二本の刀に手をかけた。


「……いつも……いつも幽々子様の我侭を聞いてきました……」


すらり、楼観剣を抜く。


「いつも後始末は私でした……」


しゅるり、と白楼剣を抜く。


「私の剣術ごとき……そう言いましたね……ゆゆ様」

この時幽々子は「妖夢の剣術ごときなんて言ってないわよ」と思ったが
何故かそこにツッコんではいけない様な嫌な予感がしてあえて黙っていた

「あら……妖夢、何時からゆゆ様なんて呼び方が出来るようになったのかしら?」


妖夢が楼観剣と白楼剣を顔の前で十字に構え、殺気を放つ。
そしてそんな妖夢の殺気を軽くいなし、少しだけ感心したように言う幽々子。
この時妖夢の半身は「斬るつもりかッ、実の主人をッ」と思ったがあいにく人魂なので喋れなかった。


「訂正しなさい妖夢、幽々子様、と」


幽々子がただでさえ少ないカリスマを無理矢理捻り出して言い放つが、
妖夢はそれに返事すらせず、気を集中させ始める。


「どうしたの、妖夢」


再び幽々子が言うが、妖夢は返事をしないどころか
幽々子に向けて一層強い殺気をぶつけ、一足飛びの構えを取る。
その表情には迷いも戸惑いも畏れも無い、まさにサムライの瞳で幽々子を真っ直ぐに見据えている。
この時妖夢の半身は「こ、こいつァ……もう巨乳と貧乳の喧嘩じゃない」と思ったがあいにく人魂なので喋れなかった。


「妖夢ゥッ」

「うるせぇんだよ……この……天然大食いヤロウ!!」


幽々子が、妖夢が大地を蹴り、飛んだ。

拳と剣が交わり、何やら医者と空手家の様な風貌をした筋肉質な男性二人の幻影が見え。

白玉楼に、血の雨が降る。


・ ・ ・


鬱蒼と茂った深い深い林の中。
其処だけ図ったように周囲の木が倒れ、ぽっかりと開いた空からスポットライトの様に月の光が差し込む叢。
月の光と木々草花が形作る陰影がまさに芸術的なコントラストを醸し出している
神が特別に誂えた舞台の様なその場所で、二人の鬼神が睨み合っていた。


「輝夜ァ」

「妹紅ゥ」

「輝夜ァァ」

「……妹、紅」

「輝夜ァァァァッ」

「妹紅ゥゥッ」


まるで悪鬼羅刹のごとき笑みを浮かべる二人。
もはや二人の間には言葉は要らない。
ただただ殺し合い潰し合い砕き合う、それが至上のコミュニケーションなのだ。


ズ……ズル……と、妹紅がポケットから手を抜き。
ゾ……ゾワ……と、輝夜の周囲の空間が歪み。


「輝夜ァッ!!」

「妹紅ゥッ!!」


奔り出した二人の影が、交錯した。


・ ・ ・


「ほらほら紫ィッ!やっぱりあの変態ギツネが居ないと心細いって訳ッ!?」

「そうねぇ、やっぱり寂しいわねぇ」


息もつかせぬ怒涛の弾幕を展開する霊夢。
それを避け、時には打ち消し、時にはあえて受ける事で被害を最小限に抑えながら
紫はひとつ小さく溜息を付き、素早く思考を巡らせた。

……まったく、霊夢に目を付けられたとは私も運が悪い。
今の霊夢は明らかに私を殺す気で向かって来ているのに、
こっちは殺してしまわないようにある程度の手加減をしつつ
それでも負ける事は許されないというのは簡単なように見えて実に難しい。
生と死の境界をちょこっと操ってやればそれで事足りる話だが
その様な強引かつ理不尽な手段で霊夢を倒しても意味は無い。死ぬし。
とは言え弾幕ごっこでは以前既に負けている。恐らく今でも敵うまい。
そんな事を考えている間にも、霊夢の針弾が正確に私を射殺さんとして飛来する。
あ、一本刺さった。


「歳の所為かしら?あの時と比べて大分動きが鈍くなったみたいねぇッ!?」

「ッ……っと……ふふ……本当の戦いはこれからよッ!!」


紫の展開する弾幕は悉く捌かれ回避され、逆に霊夢の弾幕はじわじわと紫を追い詰める。
しかしもとよりこの戦い、弾幕でケリを付ける心算など紫には毛頭無かった。
大きい胸への嫉妬と怒りに狂った今の霊夢には、もっと相応しいモノがある。
黒く歪んで凝り固まった霊夢の心を溶かす、大いなる愛に包まれた必殺の一撃が。



「霊夢……今、その怨念の渦から助け出してあげるわ!」



そう叫んで、渾身の力を籠めて結界を展開する紫。




─「博愛弾幕結界~無限豊満~」─




それこそ光すら漏らさぬ程超高密度に張り巡らせた結界が六。
決して脱出する事あたわぬ光線で形作られた格子が二十七。
六つの結界それぞれから溢れ出す数えるのも馬鹿らしい量の弾。
それぞれがそれぞれの軌跡を描き、あらゆる角度から霊夢に襲い掛かる。


「なッ……くっ……この程度の弾幕で──ッ!!」


一瞬にして世界を覆い尽くした紫の結界。
必殺必至の夥しい自機狙い弾と、霊夢の逃げ道を悉く潰しているレーザーに
これは回避不能だと素早く判断した霊夢がスペルカードを取り出し、間髪入れずに放つ。


「神霊「夢想封印」──ッッ!!」


霊夢が全力で開放したスペルカードは既にそれだけで必殺。
それを証明するかのように弾幕は消し飛ばされレーザーは吹き飛ばされ
堅固で緻密な六重の分厚い結界までもあっさりとブチ破られる。


「(……掛かった──!!)」


この弾幕が避けられぬと分かったなら、霊夢は恐らく自分もろとも吹き飛ばさんとして
スペルカードを発動させる筈、と言う紫の読みは見事に当たった。
と言う事はその予想が外れていたら霊夢は恐らくハチの巣になっていただろうが
とりあえず今回は成功したので結果オーライ、終わりよければ全てよしだ。

凄まじい爆風の中を強引に突っ切る紫。霊夢の放った夢想封印の爆発が
四肢を喰い千切らんばかりに襲い掛かったが、それすら気にも留めずに突貫する。


「どう紫……これで貴方の切り札はも……なッ……何ィィィィィィ─ッ!?」

「けほっ……危うく燻製にされるところだったわ……ッ!!」


辺り一面に立ち込める爆風の中、それも霊夢の真正面から紫がいきなり姿を現した。
全く予想外の事態に一瞬霊夢の回避行動が遅れる。
そしてそれが絶好の隙となった。



「貰ったぁぁぁぁぁぁ!必殺ッ!!『豊満博愛固め』──!!」


「なっ……そ、そんな馬鹿なッ……きゃああああああ!!」



霊夢目掛けて渾身の抱擁をぶちかます紫。
……そう、これこそ紫がたった一日と七時間で考え出した
対ぺタレンジャー最終決戦超奥義『博愛弾幕結界~無限豊満~』の根幹であり真髄。
早い話が胸で挟んで窒息させるだけなので弾幕は囮以前のオマケ。

ともかく、紫の必殺の一撃が決まり。

その理解不能な柔らかさと破壊力に霊夢の戦意は、完全に砕け散った。





「……どうしたの……笑いなさいよ、紫?私は負けたのよ?胸の大きさだけじゃなくて
弾幕ごっこ……いえ、私と紫の全てをかけた闘争いに負けたんだから……喰うなり何なり好きにして……」


紫の胸に挟まれたままの微妙な体勢で、うつろに呟く霊夢。
もはやその瞳には生気が宿ってなく、操り人形の様にぽつぽつと言葉を紡ぐだけで
抵抗しようとも逃げ出そうともしなかった。


「ッ!!この……ッ……馬鹿ッッ!!」


そして、「喰うなり何なり好きにしろ」という言葉が紫の逆鱗に触れた様だ。
何を血迷った事をぬかしてやがる、そんな簡単に生を放棄してどうする、と。
こんなつまらない嫉妬で始まった戦いで霊夢が命を失ったらどれだけの者が悲しむと思っているのだ。
ともかく母親が娘にする様に霊夢を怒鳴りつけ、続けて言葉を紡ぐ紫。


「胸が大きいから、小さいから何だって言うのよッ!そんな事よりもっと見るべき、感じるべき事があるでしょうッ!?」

「うっ……五月蝿いッ!紫はいいわよ、こんなおまんじゅうも裸足で逃げ出す様な胸持ってるんだからッ!」

「そもそもおまんじゅうは靴なんか履いてないわよ!どうしてそうやってありのままの自分を愛そうとしないのッ!?」


余談だがこの戦いにおける一連の台詞は紫が考えたモノでは無く、この前たまたまスキマに漂流しているのを拾った
外の世界の書物に何やらカッコイイ事が書いてあったのでそれをそのまま言っているだけだった。
と言うかそもそも紫がこの戦いにノリノリだったのは、実はただ単にこれらを言ってみたかっただけであり
暇潰しも兼ねてるしこれはいいチャンスだ、と思っていたからなのだがこれは紫本人しか知らない事なので全く問題ない。


「そんなの無理よッ!欲しいものは欲しい、羨ましいものは羨ましいッ!だから私は巨乳が憎い!
……そう、そうよ……憎いのに……それなのに、あんたは……あんたの胸は……ッ!」


霊夢の声が途切れた。
そして、ふるふると身体を震わせて目に涙を浮かべながら
紫の胸に、自分から飛び込んだ。


「……どうして……どうしてこんなに……あったかいのよぅ……」


そう小さく呟いて紫の胸に顔を埋め、子供の様に泣きじゃくる霊夢。
紫の大いなるグレートマザーとでも言うべき柔らかな感触と愛情が
霊夢の心を優しく包み、冷たく凍りついたそれを溶かしたのだ。
……ああ、もう大丈夫だ。霊夢は……もう、迷わない。
ふうとひとつ溜息を付いて霊夢を抱きしめ、紫が空を見上げる。

そこには雄大で美しい満月が、巨乳の勝利を祝うように。

その温かい光で、貧乳の悲しみを癒すように。

ただただ、燦然と輝いていた。


・ ・ ・


「はは……やられちまった、畜生め……ちっ……もう……動けないぜ……」


当然の事だが、幾ら大火力と言えども当たらなければゼロにも等しい。
巨乳への怒りに燃え冷静さを失い、慧音を容赦なく消し飛ばさんする魔理沙の
魔砲を放った後のほんの僅かな隙を狙い、慧音の一撃が魔理沙を捉えたのだ。
ぺたんと地面に座り込んでいる魔理沙を慧音が見下ろし、語りかける。


「……最後にひとつだけ教えておく」

「私は今までに沢山の歴史を喰い、創り、そしてそこに居る沢山の人々を見てきた」

「……男性も勿論だが、女性だって胸の大きさ等に負けず、
皆精一杯生き、泣き、笑い、出会い、愛し、怒り、喜び、別れ、そして死んでいった」

「……それなのにお前達と来たら何だ?
胸の大きさなどと言う瑣末事に縛られ、無い物強請りばかりしていて現実を見ていないッ!
確かにお前達が嫉妬する気持ちも、そして胸の大きな奴らは自分達の事をちっとも理解ってくれないと嘆くのもよく分かる。
……だが、しかしな……それはそのままお前達にも言える事だッ!!」

「──ッ!!」

「自分の痛みばかり押し付けて人の痛みを聞く耳を持っているのかッ!?」


びしぃ、と魔理沙の顔に指を突きつけて慧音が叫ぶ。


「……私だって昔は貧乳に憧れた事があったさ。走ると重いし飛んでも重いし、挙句肩も凝る。
更に言えば……特に若い男達だったな、里の人々からも好奇の目で見られて恥ずかしいったら無かった。
こんなモノいっそ切り落としてやろうかと幾度と無く思ったものだ」


少しだけ目を伏せ、ぽつりぽつりと語る慧音。
実は若い男性だけでは無く一部の女性達からもちょっと危ない視線を送られていたのだが
それを言うと折角カッコよく決めたこの雰囲気がぶっ壊れそうなので黙っていた。


「だが……見てみろッ、それでも私は生きているッッ」

「……ッッッッ!」


力強く雄雄しく、世界に自分の存在を刻み付ける様に慧音が吼える。
彼女もまた、胸の事で悩み苦しみながら、それでも精一杯生き抜いた一人だった。
と言うかそんな事で死んだらそれはそれでまた別の問題が発生するのだがそれはこの際関係無い。

そしてその言葉を聞き、まるでロードローラーで頭をぶん殴られたような衝撃を受ける魔理沙。


「……これからの事は自分で考えるんだ。まさかこの程度の事が理解できぬお前ではあるまい」


呆然とする魔理沙に背を向けて言い放ち、慧音が飛び立った。
そしてひとり取り残された魔理沙は、ずっとそのまま俯いて座り込んでいた。
……しかしその瞳は、今だ炎を失ってはいなかった。


「は……はは……道理で……敵わない訳だぜ……」


そう、怒りと羨望で狂いに狂ったドス黒い炎では無く、赤々と輝き燃え盛る希望の炎が……


・ ・ ・


「……チェックメイト、と言う訳かしら」

「……貴様は私の胸に意識を向け過ぎた、それがこの結果を導いたのだ」


恐らく藍がしこたまぶっ放したテンコーの所為であろう、既に湖もろとも焼け野原と化した湖畔。
辺りにはおびただしい数のナイフが散乱し、ふたりの服はズタズタに裂かれている。
藍と咲夜の高度な読み合いと戦略が交錯したハイレベルな戦いは
目前の藍の胸に気を取られて大勢を見誤った咲夜を藍が一歩上回り、追い詰めた。
ちなみにこの時咲夜は、そりゃ戦ってる最中にあんだけフィーバーしてれば
集中力も途切れるわよと思ったがあえて口には出さなかった。
何がどの様にフィーバーしていたのかはその場に居た藍と咲夜だけの秘密である。


その時、ふと何者かの気配を感じた藍が空を見上げ、すっと咲夜から離れた。


「……ほら、貴様の大好きなご主人様のお出ましだぞ」

「ッ……お、お嬢様がッ……!?」

「…………咲夜ぁぁぁぁぁぁ!助けに来たわよぉぉぉぉぉぉ!!」


藍の必殺ハイパーテンコーノヴァストリーム(仮称)で湖が焼け野原と化した為に
流水にやられる心配が無くなったレミリアが猛スピードでかっ飛んできた。
着地するとすぐさま咲夜に駆け寄ってかばう様に前に出、キッと藍を睨み付ける。


「ちょっと貴女ッ……たしかあの年増の式だったわね!?
一体これはどういう心算ッ!?事の次第によっては貴女の主人の年増ごと
八裂きにしたうえでフランドールの遊び相手にしてやるわよ!?」


今にも藍に掴みかからん勢いで激昂するレミリア。
紅い悪魔・スカーレットデビルのそんな姿を目の当たりにしても全く動じず、
その場の雰囲気にそぐわない優しげな笑みを浮かべ、藍が口を開いた。
ちなみにこの時、藍は事あるごとに年増呼ばわりされる自分の主人が不憫になり
何か言い返してやろうかと思ったが、自分に嘘を付くのはあまり宜しくない事だと思ったので
とりあえず後で「ギャルと年増の境界」でもいじくってみたらどうでしょうと紫に勧める事にして、この場は抑えた。


「……いい主人だな、胸の大きさなど気にせず貴様を愛してくれている」

「ッ……」


まるで姉が妹に諭して聞かせる様に優しく言う藍と、その言葉を聞いてはっとする咲夜。
得てして人間は理想ばかり追い求め身近なところにある幸せには案外気が付かない。
今までは何とも思っていなかった筈の幼馴染に彼氏が出来たりすると
何故だか知らないが煩悶とした気分になる等と言うのがいい例だ。
話がそれた。


「当たり前じゃないッ!私は胸とか以前に咲夜そのものが大切なのよッ!!」

「!ッ……お、お嬢様ッ……」


この瞬間、咲夜は気が付いた。
自分は下らなくてつまらない、醜すぎる嫉妬の果てに
本当に大事なものを見失っていたという事に。
夢は、理想は、そして希望は既に自分の隣にあったのだ。


「フッ……お互い、いい主人を持ったなテンコー」

「(今の語尾で台無しじゃないッ!)ふふ……そうね……幸せものだわ、私達は」


もはや咲夜に自分が言えることは無い、そう感じたのか
藍が別れの挨拶もせずに煙の様に掻き消えた。
その際に藍の背中に一本刺さっているナイフが見えたが、
それにツッコむより早く居なくなってしまったのでナイフ一本損した、と咲夜がちょっぴり後悔した。


「こ、こら!待ちなさい変態ギツネ!ちゃんと納得のいく説明を……!!」

「……いえ、いいのです……お嬢様……」


そうだ。
目の前にこんなにも大切な人がいる。人じゃないけど。
この方さえ居れば、もう他には胸も何も要らない、絶望も失望も怖くない。
そして、今だ憤慨しているレミリアに咲夜が抱きついた。


「さ……咲夜……ッ」

「……有難う、御座います……お嬢……様……う……くっ……」

「ありがとう……って……え、え……っ?」


レミリアをぎゅっと抱きしめ、ぽろぽろと涙を流す咲夜。
そこには居るのは、既にあの嫉妬に狂った銀色の狗では無く、
ただ愛するものに縋り付いてすすり泣くひとりの無垢で純粋な少女だった。

そして、そんな咲夜を包むレミリアの細い腕の様に。

空に輝く満月が、柔らく穏やかな光で彼女を包んだ。



・ ・ ・



「ぐ……がッ……!!」


何もかもが一瞬だった。
もはや神速の域に達した妖夢の一閃はあっさりと避けられ、ふたりが交錯したまさにその瞬間
魔拳とでも形容すべき幽々子の突きが妖夢を白玉楼のだだっ広い庭の端まで吹き飛ばした。
ドシャアッと庭木に激突し、そのままズルズルと崩れ落ちる妖夢に幽々子がゆっくりと歩み寄る。


「はぁッ……うぐ……さ……流石です……幽々子……さまッ……」

「……妖夢……貴女、手加減したわね」

「ふふ……やはり私は……蕩けそうなほど甘いッ……幽々子様を斬るなど……とてもとても……くッ……」


もしも妖夢が完全に殺す気でかかって来ていれば、
今地面に倒れ伏していたのは自分だったかも知れない。
幽々子がそこまで考えて、ちくりと腕に走った痛みで腕に目を向けると
つう、との袖の下から一筋の血が流れていた。
完全に回避したと思ったが、どうやらすれ違いざまに一撃受けていた様だ。


「妖夢……あの一撃に込めた私の思い、分かってくれた?」

「ッ……ええ、とっても……これで、もう……思い残す、事……は……」

「え……な、何を……そんなッ……」


妖夢の前にしゃがみ込み、優しく語りかける幽々子。
しかし、妖夢が切れ切れに呟いた言葉を聞いて愕然とする。
すぐさま妖夢を抱き起こし、がくがくと身体を揺すり、呼びかける。


「ちょ、ちょっと妖夢ッ……冗談止してよ、こんな程度で……」

「ふふ……幽々子様……もうちょっと加減ってモノを……覚えて……く、だ……」


弱々しく震える手で幽々子の手をそっと握る妖夢。
つう、と妖夢の口の端から一筋の血が流れた。
この状況を客観的に判断すると早い話が幽々子が妖夢を殴り殺したと言う事になるのだが、
そんな衝撃的な事実とは裏腹に妖夢の顔は実にすがすがしかった。
最後の力を触り絞り、にっこりと微笑んでぽつりと呟く。


「私……は、もう……胸などに……囚われ………ま、せ……ん……」


そう、妖夢はようやく悟ったのだ。
胸などはただ単なる肉の塊であり、その存在の本質とは
何の関係もない取るに足らない瑣末事である事に。

しかし、その代償はあまりにも大きすぎた。


「……妖夢?」


何の悔いも残していない様な笑顔のまま、妖夢がぴくりとも動かなくなった。
幽々子が信じられないと言った面持ちで呼びかけるが
幽々子が誰より愛している半人半霊の少女がその声に答えてくれる事はなかった。
妖夢を抱きしめている幽々子の手ががたがたと震え、ばっと空を仰ぎ。


「よ……妖夢──!私を残して、何故死んだぁぁぁぁぁぁ!!」


誰も居ない、白玉楼の広大な庭に。


愛する者をその手で殺めた、悲劇のヒロインの慟哭が響き渡った。


「いや生きてますって」

「知ってたわ」

「この逆カリスマ女」

「もっかいぶん殴ったげよっか」

「御免なさい幽々子様もう逆らいませんからその右手仕舞って下さいって何で返事する前から構えてんですか」



・ ・ ・



「──────え?」



妹紅は自分の脳と目と神経と眼前の現実をまとめて疑った。
お互いが同時に仕掛けた、死合開始の合図となる一撃の交錯。
必殺の心算で放った渾身の貫き手は輝夜にかわされた、それはいい。
そしてその隙に輝夜が自分の胸元まで飛び込んできた、それもいい。



しかし。



しかしだ。



……一体何がどうしてどういう訳で輝夜が私に抱きついているのだろうか。



「ずっと……こうしたかった」

「!?ッッッッッッ!?」

「ずっと……妹紅の事が……好きだったの……」


突然のショッキング極まりない出来事に、妹紅の脳がオーバーヒートしかけた。
いくら憎んでも憎み足りない忌まわしき怨敵、ペタケトリーカグヤこと蓬莱山輝夜と自分は
決して解く事の出来ないしがらみで雁字搦めにされた
ただただ潰し合い弾幕り合い殺し合う関係だと思っていたのにも関わらず、
その相手が何やら自分に対して憎しみとは全く逆方向の只ならぬ感情を持っているらしいとなれば
よっぽど誰でも混乱するに決まっている。


「じ、冗談止しなさいよッ……折角二人きりで誰の邪魔も入らないんだから……存分に殺し合うんじゃなかったのッ!?」

「違うわ……こうでもしなきゃ……妹紅、まともに話もしてくれなかったんだもの……」

「~~~~~~ッ!!」


そっと妹紅に擦り寄る輝夜。
背中に優しく手を回されて抱き付かれ、妹紅の全身を悪寒やら戦慄やらが駆け巡る。
これはつまらない幻だ。ろくでもない悪夢だ。月に届くほど性悪な輝夜めの質の悪いおふざけだ。
妹紅は必死に眼前の現実に納得の行く理由を探そうとするが、
背中に回された輝夜の手から伝わる妙な感触は、妹紅の縋り付こうとする希望を悉く木っ端微塵に打ち砕いた。


「なッ……何を馬鹿なコトを……言ってるのよッ!」


あまりの恐怖に、思わず輝夜の顔面に貫き手を叩き込む妹紅。
べきぃ、と輝夜の首が右回りに二回転し、一瞬遅れて口からごぼりと血が溢れる。
しかし相手は永遠の住人、その程度の傷はすぐに跡形もなく消え去った。


「その直情的な所が……いえ、妹紅の全てが出会った時から好きだったの……」

「なッ……な、なななな……な、何ですって……!?」

「私も……もっと素直になれれば良かったんだけど……。
妹紅の前に出ると恥ずかしくなって……つ、つい殺しちゃったりして……ごめんなさい……」


上目遣いに妹紅の顔を見上げ、ぽっと頬を染めて言う輝夜。
これがあの幾度と無く自分に刺客を差し向け、時には自ら殺しに来たあの鬼女なのか。
これではまるで夢の中でしか会えぬ恋人に想いを馳せる、純情可憐な乙女ではないか。
ここで妹紅はその「想い人」が自分に当たる事に気付いてショックの余りぶっ倒れそうになった。
それ以前に照れ隠しで相手をブチ殺すってこのお姫様どういう思考回路してやがる。

妹紅は僅かに残っている頭の冷静な部分で必死に目の前の現実について考えていた。

確かに自分と輝夜の確執は凄まじいが、考えてみれば輝夜自身は特別こちらの事が「憎い」と言う訳でもなかった。
だからって幾らなんでもこれはあんまりな仕打ちではないか。
そう言えば今まで自分に差し向けられた輝夜の刺客は、皆一様にして同じ様な装丁の手紙を持っていた。
刺客などいつも問答無用でぶっ飛ばしていたのでそんな手紙などちっとも気にも留めていなかったが、
アレはもしかして世間一般で言うところの恋文と言うものなのでは無かろうか?
と言う事は今までの刺客は「刺客」では無く、ただ単に自分に恋文を届けに来ただけなのでは……と、
妹紅の思考がそこまで行き着いた時、輝夜が信じられない行動に出た。


「妹紅……」

「ちょっ……な、何よその思い詰めた様な表情は……って……ま、まさか……ッ!?」


行き成り両手で妹紅の頭を押さえつける輝夜。
そして唇をわずかに突き出し、妹紅の顔に少しずつ自分の顔を近づけて行く。
誰がどう見てもあの求愛行為、唇同士の一時的接触であり愛情の確認及び交換の為の
至上のコミュニケーション手段、早い話が接吻と書いてキッスの体勢に入った。


「やっ……ちょっ……離しなさいって……か、輝夜ッ!」

「……妹紅……嘘でもいいから、受け止めて……ね?」

「(何かすっごい勝手な事言ってるーッ!?)」


これは拙い、否、拙過ぎる。妹紅は本能でそう感じ取った。
今の輝夜は心底本気だが明らかに正気ではない、考えうる限り最悪の状態だ。
もはや輝夜はもう君以外愛せない他にどんな人が現れても的な変な世界に飛んで行ってしまっている。
恐らく耳元でどこぞの騒霊三姉妹が大オーケストラを開催しても微動だにしないだろう。
ともかくそうこうしている内にも、輝夜の唇はじわじわと妹紅に迫っていく。


「い、いい加減にしなさいッ……この……ッ……変態月面宙返り娘ぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」


ああ、まさに恋はあせらず慌てず騒がず。
積もり積もって迸る思いを抑えきれなくなった輝夜の行動が、
結果的に一番大切にしたい人を傷付けてしまうという悲劇的な事態を引き起こしてしまった。
妹紅が両手を「ボッ」とポケットから抜き去り、ザク、ガッ、ガコ、ドカッ、ドシュ、等と言う轟音を響かせながら
腕が十本にも二十本にも見えるほどの超神速・爆裂怒涛の乱打で輝夜をハチの巣にする。
今の輝夜にはこれはこれで強烈な愛情表現だと受け取られてしまう可能性もあったが、
もはや妹紅にはそんな事を考えている余裕は一切無かった。
その証拠に、よく見ると輝夜を滅多打ちにしながらもあまりの恐怖に泣いている。


「はぁッ……ぁ……ッ………あぁぁぁぁぁぁ!!」


獣の様な咆哮と共に、妹紅の連打が激しさを増していき
輝夜の腕が折れ、顔が砕け、脚が削れ、腹が裂け、頭が爆ぜる。
既に人としての原型は留めてなく、単なる肉塊と化していく輝夜の身体。
ようやく妹紅の攻撃が止まった時には、完膚なきまでに潰され捻られ粉々になっていた。


「……      も……    こ…………す      き       よ……」

「~~~~ッ!!」


ああ、何と言う恐怖、何と言う戦慄。
妹紅の怒涛の連打で粉微塵になり辺りに飛び散った輝夜の肉片、
あろう事かその肉片ひとつひとつに目と口が再生し、妹紅に向かってズルズルと這ってくるではないか。
槍どころか地震が降ってきたかのごとき驚天動地の大惨事を目の当たりにし、妹紅がガタガタと震える。


「ッ……け、慧音ッ……たっ……たすけてぇぇぇぇぇぇ!怯いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


あまりの恐怖に耐え切れず、泣き叫びながら音速で逃げ出す妹紅。
飛び立った際に頭を木にぶつけたり足を枝に引っ掛けたり、
挙句の果てにはたまたま上空を通りかかったルーミアを
はね飛ばしたりしたのにも気付かない程自分を見失ってしまっている。
そりゃ三ケタに及ぶ数の肉片が自分を見つめ睦言を囁きながら近付いてくるとなれば
正気を保っていろと言う方が至難の業だ。


そして、ひとり取り残された輝夜が。


「……負けないんだから」


千切られた身体は完全に再生し、目尻に涙を一杯にためながら、小さく呟いた。

そして、そんな主の失恋劇の一部始終を木の影から見ていた二人の従者が何やら話をしている。
言わずと知れたデカドラッグえーりんとその弟子の「モチぺッタンレイセン(永琳命名)」である。


「……師匠……私、明日からどんな顔して姫様に会えば……って……し、師匠ッ……!?」


輝夜の未だ知られざる本性を知ってしまい、凄まじい絶望と焦燥に打ちひしがれた鈴仙が
縋り付くような弱々しい声で永琳に問いかける。
しかし肩越しに振り返り見上げた永琳の顔を見て、鈴仙の心は完全にトドメを刺された。
ちなみに鈴仙は別に興味が無かったのにも関わらず
無理矢理永琳に拉致されて連れてこられたのだがこの際それは関係ない。


「……うう……姫……さぞやお辛いでしょう……苦しいでしょう……!
想い人に自分を受け入れて貰えない、その哀しみは察するに余りありますッ!
しかしッ!恋とは言わば闘争い、闘争いとはすべからく思い通りにならぬ困難なモノ!
そして姫がその艱難辛苦を物ともせずあの子を想い続けると仰るのならば
不肖この八意永琳ッ、涅槃の果ての地獄の底までもお供する所存でありますッ!!
飛び出せ青春バンザァァァァァァ──イッ!姫ェェェェェェ──ッ!!」


拳を血が出るほど固く握り締め身を震わせ、勇ましく叫ぶ永琳。
今の今まで夜だった筈なのに何時の間にか現れていた夕日をバックに、
明らかに人間の身体の容積を越えている量の涙と鼻血を流しながら永琳が輝夜の元に駆けて行く。
そして鈴仙がそんな永琳の姿を見て「うわーん師匠が壊れちゃったよー」と慟哭しながら
感動の涙を垂れ流しぶっ倒れた事は言うまでも無い。


……そして、輝夜が斃れたと書いてフラれたこの瞬間。


……ぺタレンジャーの敗北が、決定した。


・ ・ ・



「やっほー」

「あら」

「む……も、妹紅?おっと……ど、どうした?」

「……はは」

「うわーん慧音ぇぇぇぇ!怖かったよぉぉぉぉ!!」


新生デカレンジャーが誕生し、夕日の中で勝利を固く誓い合ったあの丘。
それぞれの戦いを終えた五人が再びここに集結した。
そして何やら清々しい顔をしている他の四人とは対照的に、
妹紅がまるで地獄の門番にでも追いかけられたかの様な
弱りきった表情で慧音に抱きついたので、戸惑いながらも抱擁で答える慧音。
その光景を見て、藍もこの機会に紫に抱きついて甘えてみようかと思ったが、
それはどう考えても明らかに自分のキャラでは無いので不自然だと判断し踏みとどまった。


「どうだった?」

「ま、何とかかんとか」

「とりあえずは……良しとしよう」

「テンコーでした」

「ガタガタブルブル」


幽々子が誰に問いかけるでも無く言い、四人がどこか気恥ずかしそうにそれに答える。


「でも……ああ、妖夢は何時の間にかあんなに強くなってたのね」

「霊夢もよ……私の方が喰われるかと思っちゃったわ」

「……正直……運が良かった」

「私も……もう一度闘ったならば……恐らく、負ける」

「輝夜こわいよこわいよ輝夜」


そして、四人が天を仰ぐ。
煌々と輝いていた満月もすっかり傾き、もうじき夜が明けようとしていた。
一人は慧音に縋り付いてすごい勢いで震えているがこの際そんな事は気にしない。


そしてひとつ、ふう、と大きく溜息を付いて。


どさぁッ、と。


五人が柔らかな草原に倒れ伏し。


「……あは」

「……ふ……うふふ」

「くくっ……は、はは」

「フハハハハハテンコーバンザーイ」

「うわーんもう一人で外歩けないよー襲われちゃうよーうわーん」


誰からとも無く、笑い出した。

丘の向うから朝日が顔を出し、戦い疲れた少女達の顔を
その全てを包む開闢の光で優しく、そして力強く照らす。

……この瞬間、博麗神社の居間で霊夢たち四人が行動を起こしたあの日から、実に一ヶ月。
永く苦しく果てし無く、そしてあまりにも不毛で何より純粋すぎた戦いが終わった。
「結界のペタピンク」博麗霊夢、「魔砲のぺタブラック」霧雨魔理沙、
「銀刃のぺタシルバー」十六夜咲夜、「双刀のぺタみょん」魂魄妖夢、
そして「月の女帝ペタケトリーカグヤ」蓬莱山輝夜。
嫉妬と羨望と怒り、そして劣情に狂った五人の狂戦士達が倒れ、幻想郷全土の胸の大きな女性達の命が救われたのだ。

しかし彼女達を責めてはいけない。
彼女達もまた、「人によって胸の大きさが違う」という
意地悪で気まぐれな神のちょっとした悪戯心の賜物に振り回され弄ばれていたのだから。
ひとりだけ胸云々とは別の理由で狂っていたがこの際そんな細かい事を気にするのは野暮だ。
そう、この世に胸がある限りまた新たなぺタレンジャーとデカレンジャーが現れる。
そしてまた運命に傷付けられたぺタレンジャーの心を、デカレンジャーがその柔らかな愛で癒すのだろう。
だから次の戦いの時が来るまで、今はただゆっくりと休もう。
人の心に愛がある限り、デカレンジャーに敗北は無いのだから……。


・ ・ ・


「んッ……あ、もう……朝……?」


障子の隙間から差し込む太陽の光と小鳥のさえずりで目が覚めた。
うーんと背伸びをして大きく息を吸い込み、軽く首を回して意識を覚醒させる。

そのまま洗面所へと赴き、顔を洗って髪を整え、へにょりと垂れた耳に気合を入れる。
これでようやくいつもの私、狭いところに入る時いっつも長い耳が邪魔になると
もっぱらの噂の鈴仙・優曇華院・イナバの完成だ。


「……いい天気……まるであの馬鹿騒ぎなんか無かったみたい」


……規模と被害の割に原因は大した事が無かったあの大惨事から三日。
デカレンジャーとぺタレンジャーもすっかり和解して打ち解けたし、
少々錯乱気味だった師匠と姫も今は大分落ち着いてる。
かくいう私もちょっと嫌過ぎるモノを見てしまった所為でここの所調子が悪かったけど、
それも大分快復してきているみたいだ。

結局、貧乳も巨乳もそれぞれ良いところと悪いところがあるんだから
お互いないものねだりはせず、相手の立場に立って物を考えて
双方の長所も短所も認め合い、日々を楽しく生きていこうという事になったらしい。
それだけの結論を出す為には多大すぎるほどの尊い犠牲を払ったような気がするけど
もはや今更どうしようもない。……うん、私はあんな事件を引き起こさない様に気をつけよう。

……とりあえず、全て丸く収まってめでたしめでたし……の、筈なんだけど。
たったひとつだけ、どうしても気になる事があった。


(……どうして師匠は……ぺタレンジャー側に付いたんだろう……?)


そう、師匠はどう見てもデカレンジャー側の筈なのに、何故かぺタレンジャーに組していた。
「姫と同じ陣営に入りたかっただけ」と師匠は言っていたが、どうもそれが真実だとは思えない。
そもそも師匠は姫と闘う気などがないのだからどちらの陣営に付こうと同じ事だし、
妹紅さんと姫を二人っきりにする手助けをするにしたって、あの豊満な胸を生かして
デカレンジャー側に忍び込めばもっと簡単に妹紅さんの行動を操れたはずなのに。


(でも……もう真相は藪の中、か……)


……いや、私がここで幾ら考えても決して真実には至らない。
もう全てはとうの昔に過ぎ去った事だ。
今更師匠に聞いてみたところで多分本当の事を教えてはくれないだろうし、
まず第一に私がそれを知ってどうなるというものでもない。


「……そうだ、今日は師匠に『最も効果的な座薬の形状について』の講義を受ける約束してたっけ」


うん、そうだ。
あんまり思い返したくない出来事ではあるし、もうあの戦いについて考えるのはお終い。
とりあえず今大事なのはたとえ一歩ずつでも未来に向かって進む事だ。
そんな大袈裟な事でも無いけど。

部屋の時計はちょうど約束の時間の十分前を指していた。
とりあえず今から行っても迷惑と言う事は無いだろう。遅れるよりよっぽどマシだ。
筆記用の筆と、記録用に数枚を綴じた紙を机から取り出し、師匠の部屋へと向かう。


「……~♪」


う、これはいけない。
勉強しに行くんだと言うのに、どうしても楽しい気分になってしまう。
まあ、大して広くも無い師匠と二人っきりでこもる事になるのだから
喜ぶなとか期待するなと言うのがどだい無理な話であるからして
別に私は師匠の息遣いハァハァとか思ってる訳じゃありません信じてください本当です、と
想像の中で誰にでも無く言い訳をしている内に、師匠の部屋の前に着いていた。


「師匠……失礼しま……」


その時、部屋の中から『ドサァッ』と言う音が聞こえた。
何か大きなものが倒れた様な鈍い音。


「……ッ!?し、師匠!どうしたんですかッ!?」


その音を認識するや否や、私は師匠の部屋へと飛び込んでいた。
今のはどう考えても箪笥や机の類が倒れた音ではない。
もう少し柔らかい、そう、人間が倒れた時の様な音だ。
師匠の身に何かあったのだろうかと考えるといてもたっても居られなかった。

そして、部屋の中で繰り広げられていた惨劇に。

私の思考が、凍りついた。


「師匠ッ……!?師……しょ…………」


予想に反して、師匠は何事もなく立っていた。
着替えの最中だったのだろう、上着を脱いでサラシを巻いている。



……ああ、これは一体どういう事だ。



……師匠の、豊満な胸が……無い。



「   あ   ら    ウ ド ン ゲ  」


名前を呼ばれた瞬間、凄まじい威圧感で意識が現実に引き戻された。
ふと師匠の足元に目を向けると、何やらスイカの様な饅頭の様なモノがふたつ転がっている。
恐らく先程のはアレが落ちた音なのだろう。


……ああ、そうか、そうだったのか。
ちょっと考えてみれば至極当たり前の事だったのに、
どうして今の今まで気が付かなかったのだろう?
いや、本当はとっくに気が付いていたのにも関わらず
ただ単にそれを認めることが出来なくて、無意識の内に現実逃避をしていたのかも知れない。


……師匠がぺタレンジャーに加担したのは、姫が居たからとか、何か企んでいたから等と言う理由では無い。


……そう。


………………師匠は………………貧乳、だったのだ。


「し……失礼しましきゃあっ!?」

「待ちなさい」


一刻も早くこの場から逃げ出さねば、そう考えて師匠に背を向けた瞬間、むんずと襟を掴まれた。
そのまま左手一本であっさりと持ち上げられ、それこそまるで猟師に捕らえられた子兎の様な状態にされる。
いつもは知的でかっこよくて頼もしく、そしてちょっぴり狂ってるところがとっても魅力的な私の師匠が
今はもう地獄の悪鬼とか冥界の死刑執行人とか、そんな感じの物騒極まりないバケモノみたいに感じられる。


「ウドンゲ……貴方、今何を見たの?」

「ッ……い、いえッ!わ、私……な、何も見てませんからッ!ホントに何も見てませんし聞いてませんし
決して誰にも喋りませんからッ!間違いないッ!残念ッ!!」


あまりの恐怖に耐え切れず、何やら意味不明な事を口走ってしまった。
「誰にも喋らない」って時点で墓穴もいい所なのに、その上さらに訳の分からない言葉まで飛び出してくる始末。
うっかり鏡かなんかで自分で自分の目を見て狂っちゃった、そんな感じ。
これじゃまるでビジョナリチューニングじゃなくて美女鳴宙忍具だ。
ああまずい、言語中枢までやられたみたい。


「……」

「ッ……ひっ!?」


襟を掴まれて持ち上げられたまま、ぐるりと師匠の方に向きなおされた。
……あれ?ここにいるのは師匠の筈なのにどうして私の目には閻魔大王が映っているんだろう?
三途の川を渡った記憶は無い。おそらく紫さんに生と死の境界でもいじられたんだろう。
そうでなければ私の目の前に雄雄しく聳え立つ閻魔大王の存在が説明できない。
と言う事はつまりこれはあくまで閻魔様であって師匠では……ダメだ、この期に及んで現実逃避はみっともない。
ともかく閻魔大王みたいな師匠が何やら凄まじい形相で右手を振り上げた。


「分かるでしょ?この事は他の何者にも知られる訳には行かないのよ」

「分かりますからその今にも振り下ろされそうな右手は仕舞ってくださいよー!!」

「安心しなさい骨は拾ってあげるわ」

「せめて情状酌量の余地をぉぉぉぉぉぉぉ!!」


必死の嘆願空しく、魔女裁判にも勝る一方的で残虐非道な判決を下された。
振り上げられた師匠の右手周辺に、何やら禍々しい力の波動が渦巻いている。
わあ師匠ったらかっこいい、そんな凄い技使えたんですねぇ。
それが向けられる対象が私じゃなかったらもっと良かったんですけどアッハッハ。
……あれ……おかしいな、何だか目から汗が凄い勢いで……。



「し、師匠ッ……許し「御休みなさい」



最後の言葉を言い終わらない内に、私の頭目掛けて重爆が振り下ろされた。



コイーン、と妙テケレンな音がして、私の意識は分断され。



意識が闇へと溶けていく、その中で



私が最後に見たものは



師匠が




ご自分の胸元に





床に落ちていた






詰め物を







……





・ 暗転 ・





「……ンゲ……起き……さい……ウドンゲ……」


どこか遠くで師匠の声が聞こえる。
とても優しくて強くて知的で奇麗で、ちょっぴり狂ってる大好きな師匠の声が。
まどろみの中で、眠りの小船に揺られていた私の意識がゆっくりと覚醒していく。
……何か、夢を見ていたような気もするけど……思い出せない。
でも、じっとりと背中に滲んだ嫌な感触の汗が、少なくともそれが「いい夢」では無かった事を教えてくれた。


「んっ……あ……師しょ……っ……ッ……」


起き上がって周囲の状況を確認する。
どうやらここは師匠の部屋の様だ。
……そうだ、確か昨日はあの人形師から受け取った物を渡しに師匠の部屋に行って
えーと……ああ、そうそう、そのまま師匠に「最も効果的な座薬の形状」についての話を聞いて、
そのまま師匠の部屋に泊まらせてもらったんだったっけ。


「お早う、ウドンゲ」

「あ、は、はい……お早うございま……ッ……!」


師匠が私の顔を覗き込み、にっこりと微笑む。
その刹那、私の身体に、言い知れぬ悪寒が走った。
……これは一体どうしたと言うのだろうか。
まさか私が師匠の微笑みを見て寒気がするなどと言う事はあり得ない。


「?凄い汗ね……どうしたの?熱でもあるのかしら……?」

「い、いえ……その、ちょっと嫌な夢を……」

「……そう……怖がらなくてもいいわ、私が側に付いててあげるから」

「あっ……し、師匠……っ」


そう言って、その豊満な胸に私を埋めるように抱きしめてくれる師匠。
その師匠の柔らかな感触と、そこから伝わる優しげな鼓動に
先程までの原因不明の恐怖はさらさらと崩れていき、史上の安心感と心地よさと、
何故か……ほんのちょっぴり、違和感を感じて。



「……師匠……大好きです……」



敬愛と尊敬を込めて囁き、そっと師匠に擦り寄って……














        ドサッ
                     ドサァッ












「──え?」



(終劇)
















お待ちしていただいた方々には申し訳ありません。
もうお前つまらんから帰れと思っていた方々にも申し訳ありません。
ようやく後編が完成いたしました。

あっち直したりこっち直したりオチ考え直したりしている内に
何故だか当初の二倍くらいの長さまで膨らんでしまいまして、
文章を上手く纏めるスキルが不足している事を前にも増して痛感しました。
それでも内容が面白けれまだ少しは救い様があるのですが
いざ出来上がったのがこりゃまたこんな意味不明の電波SSとはもう手の施し様が(以下見苦しいので略)

最後に、こんな無意味にして意味不明の駄長文を
ここまで読んで下さった方々に最大級の感謝を。

お読み頂きまして誠にありがとうございました。
心の中で土下座どころか前転倒立する程恐縮であります(何)

(誤字等を修正しました)
c.n.v-Anthem
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コメント



0.6370簡易評価
14.60名前が無い程度の能力削除
おもしろかったです
それぞれの戦いがシリアスと笑いの境界にうまくのっていると思います
個人的には冥界組と不死身がすきです
16.60おやつ削除
最初に「うるせぇんだよ……この……天然大食いヤロウ!!」にやられました。 各対決でも当人は大真面目、だけど機から見ると超こっけいというタイプの話は大好きです。
それにおちが・・・師匠ぉ(泣)
とにかく笑わせていただきました。      
19.80名も無き名無しさん削除
おなかが痛いです。
31.80名前が無い程度の能力削除
キャラの壊れ具合がツボでしたw
38.90名前を決めかねる程度の能力削除
ジャスミンのパロで崩壊しました。
その後も無理矢理立たされてはサンドバックの日々
もう、元ネタなんなのか探る気力もないです。
ですが、視力を尽くして言いたいことがあります。
胸は小さい方が胸チラの時先端までよく見えm
【彼は愚かにもほんのわずかなアイテムのために残機を失った。
以後、空軍の捜索が続くも墜落機はついに見つかることはなかった。
最後の通信の意味はなんだったのか今もわかっていない。】
44.80SETH削除
最高・・・・
48.80名前が無い程度の能力削除
ハ、ハラ痛い…w
53.80TAK削除
悩みを持つ者を救うは柔らかな愛か…。
本当に楽しませて頂きました。
そして鈴仙…ご愁傷様です(泣)
56.70名も無き堕ち人削除
グッジョブ!!
もう、最高ですよ!!

特に、冥界組のあのやりとりが…(笑
57.90名前が無い程度の能力削除
面白かったです!!

でも・・・輝夜が怖いよ~~~~!!!
69.無評価na削除
永琳師匠は貧ny(蘇生「ライジングゲーム」
70.80na削除
点数入れるの忘れた_| ̄|○スマンコッタイ
71.80紫音削除
そう来たかそう来たかそう来たかぁぁぁぁぁっ!
いやあ、最後はいい感じにシリアスとギャグが混じってましたねえ。いい感じに楽しませていただきました。

・・・香霖と鈴仙、ご愁傷様・・・(合掌)
・・・そしてアリス・・・あんたって妖怪は・・・(汗)
81.70いち読者削除
一行目からしてものすごく馬鹿ですね(褒め言葉)。
進めど進めどとにかく馬鹿で溢れまくった内容。いやもう電波って素晴らしい。
そしてオチも強烈。師匠も大変ですねぇ。いやウドンゲの方が大変か(笑)。
84.90名前が無い程度の能力削除
「その理解不能な柔らかさと破壊力」
そんなゆかりんの胸こそ俺の幻想きょ(殺人ドール)
90.90名前が無い程度の能力削除
お馬鹿万歳。
96.100名前が無い程度の能力削除
コメディとバトルとホラーの3点セットでおなかいっぱい♪でした。
つーか、てるよこわいよこわいよてるよ…
師匠もこわいよこわいよ師匠……
99.80名前が無い程度の能力削除
ま た お ち た
120.80遼魔削除
「フッ……お互い、いい主人を持ったなテンコー」

全てのカッコよさをぶち壊す語尾。
それが最高です!
131.100自転車で流鏑馬削除
殺されるぅぅぅ
笑い殺されるぅぅぅぅぅ
133.90名前が無い程度の能力削除
うわーん、藍と慧音が狂っちゃったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!



スペル名に間違いと思われるものが2つありました。

「日出づる所の天子」→「日出づる国の天子」

神霊「夢想封印」→霊符「夢想封印」又は、神霊「夢想封印 瞬」

かと思います。

仕様でそうならすみません。
141.70名前が無い程度の能力削除
輝夜怖いよ~