※オリジナルの過去です。鋭くつっこまないでやってください。
あるひの諏訪大社にて。
これはまだ東風谷早苗たちが幻想入りする前のはなし。
「私の家って、なんで…」
「神様が二人いるの?でしょ!」
「す、すわこさま…なんでお外に…」
「早苗が一人で座ってるんだもの、なんかさみしく見えてねー」
あーだとかうーだとかいいながら諏訪子は早苗の横につく。
一方その頃。
神奈子といえば。
「よしっ、味はこんなもんかね…しっかし二人ともどこへ行っちゃったんだか…今日は参拝客もいないしねぇ…おっと焼けた焼けた」
―1人で夕飯を作っていた。
まだ早苗が制服という存在を知らぬ年頃で、世界にいろんな疑問を持っている年頃で。
両親がおらぬ早苗にとって疑問をぶつける相手というのはいつも神柱の二人だった。
なのに二人ときたらいつも
「それは周りの友達にききなさい」
とばかり。
「―で、ですね!すわこさま!それで今日そのしつもんをしたんです!」
「ふんふん、それでどうしたんだい?」
「なぜかばかにされました…」
早苗の友達(もとい早苗に好意を抱いてる男子)のいたずらで、
『そもそもじんじゃになんか神様いるのかよー!』
『あ、おれみたぜ!こちやが誰もいないじんじゃで遊んでるの!』
『ちょーこええじゃねえかー!』
…とまあこんなものである。
「まあそれは仕方ないことだね。
いいかい早苗、私らの存在は皆には見えないってことは知ってるだろう?」
「で、でも、みえるひとがいたっていいと思うのです…」
小さな早苗はしゅんとうなだれて黙ってしまった。
そろそろ空が藍色になるんじゃないかという諏訪大社で、諏訪子はただ早苗にどう伝えたものかを悩んでいた。
「なぁに寝てるんだい?二人とも体が冷えるだろ、夕飯できたから入りなよ」
いつの間にか寝てしまっていたらしい、そういえばもう秋も終りに近づいていたのを忘れていた、と諏訪子は思って隣を見た。
くしゅん。
その音と同時に体をぶるっと震わせ、早苗は起きた。
諏訪子は起きたのを見届けて先に中に行ってしまったらしい。
あーうーと声が聞こえる。遠くにだが。
「さ、さむいです…夜ってこんなにさむいものでしたか」
「寝てたからだよ、早苗。ほら上着を持ってきたからそれ羽織り?」
その羽織りを見たとたん、早苗は目に涙をためた。
さすがに神奈子も驚いたらしい。
「ど、どうしたんだい?」
「かなこさま…いえなんでもないです…っくしゅ」
「ああ、早く羽織りなよ」
早苗は神奈子から受け取りぱっと羽織った。
ぎゅっと羽織りをだきしめ、立とうとするけれど、
「そうだ、さっき寝る前に二人で話してたろう?何話してたんだい?」
「そ、それは…」
早苗は黙り込んでしまう。神奈子はじっと早苗を見るが早苗は少々おびえるだけだ。
まあ見た目にしたらそんなものだろう。
諏訪子はまだ自分と身丈が近い、けれど神奈子は上から見下ろされてる気がするのだ。
「か、かみさまのはなしです…」
「…」
怒らせてしまったのだろうか、とゆっくり神奈子のほうを見上げる早苗。
「…」
神社の外をただ見つめている神奈子。何を考えているのか早苗にはわからずにじっと見上げていることしかできない。
「昔むかし、ここに神奈子という神様が攻め込んできました」
「ここにはもともと諏訪子という神様が民衆を治めていました」
「諏訪子と神奈子は争い、神奈子は勝ち諏訪子は負けました」
「でも、神奈子にはここにもともといるミジャグジ様を抑えることができませんでした」
「神奈子は考えました。そうだ、私はここの神様だけど、諏訪子もミジャグジ様を抑えるために神様のままでいてもらおう」
「これが、今、諏訪大社に二人の神様がいるお話です」
「―要するに、早苗はこれを知りたかったんだろう?」
ぱっと神奈子は早苗のほうを見てじっと見る。
早苗は一瞬見られたことにびくっとするがその目が威圧しているわけではなく、慈愛が含まれていることを見て安堵のため息をついた。
「そうです…でも、私にかみさまが見えたり、色々できるのがふしぎなのです」
その言葉を聞いた神奈子は目を丸くさせたかと思うとにっと笑いどかっと早苗の隣に座った。
「そりゃあ…私たち二人の大切な大切な子だもの。早苗、自分の能力に臆さないで自信を持つんだよ?」
子、と言われて二人のどちらからか私は生まれてきたのかな、ときょとんとしてしまう早苗。
そんなきょとんとした早苗を見て神奈子は…
「あっ、チガウ違うそんな生まれてきた、とかじゃなくってあれよ、精神的な意味でね!わかってる、よな…」
「はい、わかっております」
ふふ、とほほ笑む早苗。
その合間に風が一陣通る。
「おっと、ついつい話してしまったね、戻ろう、諏訪子がいじけているに違いない」
「そうですね、夜になっちゃいましたし」
背丈に違いがあるから、まるで親子のように手をひかれて早苗は中に戻る。
「おかあさん、なんてつぶやいたらかなこさまはどういうはんのうをするのかな」
なんてつぶやきながら。
時は現在に戻り。
「とまあ、これが早苗が常識に捕らわれなくなった一因でもあるよな…」
「そうだねー」
幻想郷の山の上の神社で神様たちはお茶を啜る。
「おかあさん、」
「え、なんだい早苗」
「なんて呟いたら八坂さまはどういう反応をするかしら、なんて小さい頃考えたのです。早苗の小さなころの考えです。見逃してください」
お茶を継ぎ足しに来た早苗の一言で、神奈子と諏訪子は笑った。
そしてまた風が一陣山の上で吹いたそうだ。
あるひの諏訪大社にて。
これはまだ東風谷早苗たちが幻想入りする前のはなし。
「私の家って、なんで…」
「神様が二人いるの?でしょ!」
「す、すわこさま…なんでお外に…」
「早苗が一人で座ってるんだもの、なんかさみしく見えてねー」
あーだとかうーだとかいいながら諏訪子は早苗の横につく。
一方その頃。
神奈子といえば。
「よしっ、味はこんなもんかね…しっかし二人ともどこへ行っちゃったんだか…今日は参拝客もいないしねぇ…おっと焼けた焼けた」
―1人で夕飯を作っていた。
まだ早苗が制服という存在を知らぬ年頃で、世界にいろんな疑問を持っている年頃で。
両親がおらぬ早苗にとって疑問をぶつける相手というのはいつも神柱の二人だった。
なのに二人ときたらいつも
「それは周りの友達にききなさい」
とばかり。
「―で、ですね!すわこさま!それで今日そのしつもんをしたんです!」
「ふんふん、それでどうしたんだい?」
「なぜかばかにされました…」
早苗の友達(もとい早苗に好意を抱いてる男子)のいたずらで、
『そもそもじんじゃになんか神様いるのかよー!』
『あ、おれみたぜ!こちやが誰もいないじんじゃで遊んでるの!』
『ちょーこええじゃねえかー!』
…とまあこんなものである。
「まあそれは仕方ないことだね。
いいかい早苗、私らの存在は皆には見えないってことは知ってるだろう?」
「で、でも、みえるひとがいたっていいと思うのです…」
小さな早苗はしゅんとうなだれて黙ってしまった。
そろそろ空が藍色になるんじゃないかという諏訪大社で、諏訪子はただ早苗にどう伝えたものかを悩んでいた。
「なぁに寝てるんだい?二人とも体が冷えるだろ、夕飯できたから入りなよ」
いつの間にか寝てしまっていたらしい、そういえばもう秋も終りに近づいていたのを忘れていた、と諏訪子は思って隣を見た。
くしゅん。
その音と同時に体をぶるっと震わせ、早苗は起きた。
諏訪子は起きたのを見届けて先に中に行ってしまったらしい。
あーうーと声が聞こえる。遠くにだが。
「さ、さむいです…夜ってこんなにさむいものでしたか」
「寝てたからだよ、早苗。ほら上着を持ってきたからそれ羽織り?」
その羽織りを見たとたん、早苗は目に涙をためた。
さすがに神奈子も驚いたらしい。
「ど、どうしたんだい?」
「かなこさま…いえなんでもないです…っくしゅ」
「ああ、早く羽織りなよ」
早苗は神奈子から受け取りぱっと羽織った。
ぎゅっと羽織りをだきしめ、立とうとするけれど、
「そうだ、さっき寝る前に二人で話してたろう?何話してたんだい?」
「そ、それは…」
早苗は黙り込んでしまう。神奈子はじっと早苗を見るが早苗は少々おびえるだけだ。
まあ見た目にしたらそんなものだろう。
諏訪子はまだ自分と身丈が近い、けれど神奈子は上から見下ろされてる気がするのだ。
「か、かみさまのはなしです…」
「…」
怒らせてしまったのだろうか、とゆっくり神奈子のほうを見上げる早苗。
「…」
神社の外をただ見つめている神奈子。何を考えているのか早苗にはわからずにじっと見上げていることしかできない。
「昔むかし、ここに神奈子という神様が攻め込んできました」
「ここにはもともと諏訪子という神様が民衆を治めていました」
「諏訪子と神奈子は争い、神奈子は勝ち諏訪子は負けました」
「でも、神奈子にはここにもともといるミジャグジ様を抑えることができませんでした」
「神奈子は考えました。そうだ、私はここの神様だけど、諏訪子もミジャグジ様を抑えるために神様のままでいてもらおう」
「これが、今、諏訪大社に二人の神様がいるお話です」
「―要するに、早苗はこれを知りたかったんだろう?」
ぱっと神奈子は早苗のほうを見てじっと見る。
早苗は一瞬見られたことにびくっとするがその目が威圧しているわけではなく、慈愛が含まれていることを見て安堵のため息をついた。
「そうです…でも、私にかみさまが見えたり、色々できるのがふしぎなのです」
その言葉を聞いた神奈子は目を丸くさせたかと思うとにっと笑いどかっと早苗の隣に座った。
「そりゃあ…私たち二人の大切な大切な子だもの。早苗、自分の能力に臆さないで自信を持つんだよ?」
子、と言われて二人のどちらからか私は生まれてきたのかな、ときょとんとしてしまう早苗。
そんなきょとんとした早苗を見て神奈子は…
「あっ、チガウ違うそんな生まれてきた、とかじゃなくってあれよ、精神的な意味でね!わかってる、よな…」
「はい、わかっております」
ふふ、とほほ笑む早苗。
その合間に風が一陣通る。
「おっと、ついつい話してしまったね、戻ろう、諏訪子がいじけているに違いない」
「そうですね、夜になっちゃいましたし」
背丈に違いがあるから、まるで親子のように手をひかれて早苗は中に戻る。
「おかあさん、なんてつぶやいたらかなこさまはどういうはんのうをするのかな」
なんてつぶやきながら。
時は現在に戻り。
「とまあ、これが早苗が常識に捕らわれなくなった一因でもあるよな…」
「そうだねー」
幻想郷の山の上の神社で神様たちはお茶を啜る。
「おかあさん、」
「え、なんだい早苗」
「なんて呟いたら八坂さまはどういう反応をするかしら、なんて小さい頃考えたのです。早苗の小さなころの考えです。見逃してください」
お茶を継ぎ足しに来た早苗の一言で、神奈子と諏訪子は笑った。
そしてまた風が一陣山の上で吹いたそうだ。
癒されました。
でも雰囲気がよかったです。
小さい頃の事だから、説明されたの忘れちゃったとか
ならともかく
覚えていて理解もしちゃってるの?
早苗は風神録以前は何故二柱居るのか知らなんだけど・・・(以降は分からんけど
注意書き忘れてた
後、点数入れ忘れ
ただ、唐突に重要な事を話した割には、早苗が力を持っている理由を誤魔化したのは何故?
ほのぼの
神奈子様マジ慈母。