★注意
キャラ崩壊が多々あります。
星蓮船キャラはとても勝手にキャラ付けしています。
いろいろ少年漫画ネタが入っています。
これらの苦手な方はご注意ください。
《プロローグ》
――夏の博麗神社
「たいへんだぜ、霊夢! 宝船だ! 宝船が来たー!」
「た、宝!? どこどこどこどこ!?」
「うわー、酒かえせー!」
「落ち着けよ霊夢、萃香の瓢箪の中にあるわけないだろ。宝船はアレだぜ!」
「あ、あれはーーー!!」
――いずことも知れぬ暗黒の空間。
弾幕を交じわす者たちの間に、外の様子が映る。
「クククク……また煩悩に負けた愚かな輩がやって来たようね」
「れ、霊夢、来ないで、これは罠なのよ!」
「おおっと、余所見していていいのかしら?」
「お嬢様、危ないっ!」
「さ、咲夜ぁーっ!!」
「お、お嬢様……っ」
「失礼。人間相手に少しやりすぎてしまったようね?」
「よ、よくも咲夜を……っ! よくも咲夜をーーーーっ!!」
「来なさい吸血鬼。出家させてあげるわ」
――マヨイガ
「す、スキマにヒビがっ!」
「ゆ、紫様これは一体……っ! こんなことは地底の一件ですら……!」
「かつてない恐怖が迫っているのよ……幻想郷にかつてない恐怖が!!」
「そ、そんな……!」
「霊夢に連絡を取るわ! 藍っ! ついでに山にいた緑っぽいのにも連絡しときなさい!」
「承知ッ!」
《Stage1》
「かなり上空に浮かんでるようね……なかなか近づかないわ」
「それだけお宝を抱え込んでるってことだぜ」
カッ――!
「そうね、しばらくはごはんに――ッ!」
ずずん……
「ほう、今の弾幕を避けるとは。どうやら今度の客は楽しませてくれそうですね」
「だ、誰っ!?」
「ふっ、私は命蓮寺六人衆が一人、ナズーリン。人は私を賢将ナズーリンと呼びます!
言っておきますが私は大学を出ています。あなたたちに勝ち目はありませんよ」
「か、賢い将と書いて、賢将ですってーっ!」
「れ、霊夢、ヤバイぜ。自分で賢いなんて名乗るヤツとはとても戦えねぇ……だってあたしは、小卒なんだぜ……」
「くっ……それでも学歴があるだけ、私よりマシでしょッ!」
「ちょっ、おま、あたしにアイツの相手、押し付ける気かよ!」
「香霖やパチュリーと仲いいんでしょ! インテリの扱いならお手のものじゃない!」
「ば、バカ! あいつらメガネと引き込もりってだけで、最終学歴はあたしといっしょだっつーの!」
「ふっ、恐怖のあまり仲間割れを起こしましたか……愚かな。
その醜い姿から全ての煩悩を断ってあげましょう! 捜符『レアメタルディテクター』!!」
ごばぁぁぁぁぁ!!!!
「な、なんて弾幕……! に、逃げられないぜっ……!!」
「ま、魔理沙、私の盾になりなさいっ!」
「だ、誰がなるかーっ!」
「その醜き煩悩と共に散りなさい!!」
「うわぁーーーーっ!」
「い、いやぁーっ!!」
ばしゅぅぅぅぅん!!!!
「はーっ、はっはっはっ! 白蓮様ごらんになられましたか! このナズーリンがこやつらを討ち取りましたよ!」
「なにがたのしいんだ?」
――二人は閉じていた目を開く。
なつかしい顔が二人の前で弾幕を受け止めていた。
「え……い、生きてるんだぜ?」
「ピチュって……ない?」
「……ふぅ、みちゃいられないね」
「な、なにぃ!! 私の『レアメタルディテクター』を片手で防いだ……っ!?
そ、そんなっ、何かの間違いですっ! 視符『ナズーリンペンデュラム』!!」
ヴォォォォォォン!!
しゅぅぅぅぅぅ……
――さらなる攻撃も、その小さな手でかき消される。
「おまえみたいな ばかのこうげきは ほんとうの てんさいにはきかない」
「ばっ、ばかなぁっ!」
――そう。
――そこにいたのは。
「なっ、お、お前はっ!」
「ち、チルノーっ!!!」
「かえーづかいらいだな、れいむ、まりさ」
「どうしてお前がここにっ!」
「宝だったらあげないわよ!」
「げんそうきょうに ききがせまっている。このざこは あたいにまかせていけ、れいむ、まりさ」
「くっ、私を無視する気ですか! その慢心命取りになりますよっ!」
「おまえごとき かえるにもおとると おしえてやる!」
(…………すぺるかーどでのそうさいは もうできない れいむ、まりさ……あとはまかせた)
《Stage2》
「い、いったい何だってんだぜ……命蓮寺? 幻想郷の危機? なにが……」
ずずーん
「なっ、今の爆発はっ!」
「振り向いちゃダメ! 魔理沙! 私たちは進むのよ!」
「ま、待てよ! あそこでチルノが戦ってたんだぜ! チルノを見に行ってやらないと……!」
「だから振り向いちゃダメ! 私たちは進まなきゃ!」
「なんでだよ! いったい何が起こってるって言うんだよ!」
「わかんないわよ! でも、巫女として感じるのよ……チルノの小宇宙が……今、完全に……消えた」
「ち、チルノぉぉぉぉーーーっ!!」
「ナズーぅぅぅぅぅ!!!」
「って、何よあんた」
「ううっ、ナズーリン……賢くてわたしの憧れだったのに……せめて、この連中を弔いに……」
ちゃきっ
「あの傘……! 危ないっ、魔理沙っ!」
「うわっ……な、なにを……」
どひゅん
「な、何なんだぜ、今のは……!」
「……逃げないでくださいよ」
「なんて威力、今のは……」
「命蓮寺六人衆が一人、多々良小傘……目玉飛び出して脱糞しながら解脱なさ……
しゅぉぉぉぉん!!!
……ひぁっ!」
「うわっ、もっとすげえ威力の弾幕がっ!」
「ま、まさか今のは……」
「久しぶりの獲物だわ……うふふふふふ、かわいい子ねぇ。私に対抗して傘をアピールだなんて……」
「「風見幽香!!」」
「この子は、あたしがかわいがっておいてあげる。アンタたちはさっさと消えなさい」
「チッ、相変わらずおっそろしい女だぜ……」
「ふっ、風見幽香……敵に回せば恐ろしいが、味方にすればこれほど頼もしい妖怪もない……幽香を甘く見ちゃいけないわ……」
「見てないで早く行きなさいっ!!
ちょっとこの子と遊んだら、すぐ私も追いかけるからっ!」
「け、けどよ……」
「幽香、アンタ……」
「いいから行きなさい!!」
「わ、わかったぜっ」
「絶対、後から来るのよっ!!」
「行った……わね。かわいがって、あげるわ……」
「……いいんですかぁ? 三人がかりじゃなくて。さっきのわたしがカウンターで撃った細ーいレーザー……ちゃーんと貫通しましたよね?」
――幽香の唇を血が伝う。
「あは……っ、あーっはっはっ! アンタ如きが私の心配? ちょうどいいハンデよ。
幻想郷最強の力、見せてあげるわっ!」
(霊夢、魔理沙……私のヒマワリ畑の世話、頼んだわよ……)
《Stage3》
「ぐふぉふぉふぉ ここから先は通さん!!」
「なんてぇこった……東方でマッチョジジイが出てくるなんて反則だぜ……ユーザーに何て言って詫びればいいんだ……」
「くっ、ジジイなんて設定だけで十分なのよっ!」
カッ!
「なっ、なんだ今の後ろでの爆発はっ!」
「そ、そんな……まさか……」
「う、嘘だろ……幽香が……幽香がやられたって言うのか……?」
「魔理沙、あんたにもわかるはずよ……あいつとは旧作からの付き合いじゃない……」
「……小傘め、相打ちとは使えぬやつ……御仏も嘆いておるわ! ぐふぉふぉ……まあよい!
ナズーリンや小傘など我ら命蓮寺六人衆でも格下の連中! しょせんは前座の小坊主よ!
この儂、命蓮寺六人衆最強の雲山様がこやつらに引導を渡してくれる!!」
「うるせぇぇぇ!!!」
「仲間が死んだのに……何笑ってるのよ!!」
「幽香はなぁ! 幽香はなぁ! とにかくいいやつだったんだよ!!」
「出会うたびにレーザー撃ってきたけど、たまに野菜もくれたのよ!」
「ぐふぁ……な、なにぃ……今までとは動きが……違う!」
「くたばれジジイーー!!!」
「幽香をよくも笑ったな!!」
「ぐぼああああああああああああ!!!!」
「はぁ、はぁ、チルノに加えて幽香まで……命蓮寺……許すわけにはいかないぜ」
「ッ! 待って! そいつまだ……!」
「ふふふ、気づいたかい、さすがだねぇ……霊夢。伝説の『竜の巫女』に覚醒したって噂は本当のようだね」
――雲山の背中が割れ、何者の目が光っている。
ずるずる
「なっ、あのジジイの中から何か出てくるっ!」
――雲山の中から飛び出し、華麗に空に浮かぶ影!
「げえええええー!! 肉じゅばん!!」
「な、中から普通の妖怪が出てきたわ……!」
「へっ、中はただの3ボス妖怪だったんじゃねぇかっ!
あたし一人で十分だぜーっ!!」
「いつから、『だぜ』なんて言うようになったんだい、魔理沙……」
「なっ……霊夢と幽香、アリス以外でそれを知っているヤツはいないはず……! 貴様……何者だぜっ!?」
「あたしの声を聞き忘れたのかい、魔理沙」
「あ、アンタはまさか……魅魔ティーチャー!!」
「ふふふ、その通り……だが、かつてのお前の師、魅魔は死んだよ! 今のあたしは命蓮寺六人衆・雲居一輪!!」
「魅魔ティーチャー、どうして命蓮寺なんかにっ!」
「あ、あんた、まさか……」
「お前たちもここまで来てわかったんじゃないのかい? 命蓮寺の連中のレベルは今までのチンピラ妖怪どもとは桁が違うんだよ。
そんな中で、連中に逆らうほどあたしゃバカじゃないのさぁ!」
「み、魅魔ティーチャー……そんなっ!」
「見損なったわよ! 魅魔!!」
「黙れ! しょせん、この世は勝者が全て! 師の技を受けて大悟しろぉ!!」
忘 却 『 悪 霊 光 線 』
ずぎょおおおおおおおおおおおおおお!!!!
「うぉぉぉぉぉぉ!!! なんだこの見たことのない技はぁぁぁ!!」
「そんな!! 旧作にこんな技なかったわ!!」
ちりちり……
「あ、危なかった……! あと少しでも下だったら、あたしの頭はなくなってた……!」
「…………」
「おおっと、久しぶりに撃ったせいか……外してしまったようだね」
「な、なんだよ魅魔ティーチャー……今のは……」
「ふふふ、お前に教えた技があたしの全てじゃないのさ、魔理沙ぁ」
「なんだとぉぉぉ!!」
「かつてお前に48の攻撃魔法を教えた時……あたしは地味だが、よりハイレベルな52の補助魔法を教えなかった!!」
「な……う、嘘だろ魅魔ティーチャー……あたしは全ての技を受け継いだ完全無欠の魔法使いのはずだぜ……」
「お前は攻撃魔法しか使えない、欠陥魔法使いに過ぎないのさぁ!
そんなお前が完全無欠ぅ? 今の幻想郷の強さもたかが知れるね!」
「ぐ、おおおお……取り消せっ! たとえ魅魔ティーチャーと言えど、あたしの強敵(とも)らを侮辱することは許さねええええ!!!」
(お、おかしいわ……魅魔は確かに憎まれ口を聞くヤツだったけど、こんなことを言う悪霊じゃ……)
「はーっはっはっ! お前の知らない52の補助魔法で地獄道を見せてやるよ!」
「ぐあああああ!!」
(さっきの攻撃もそう……今も。大げさな攻撃ではあるけど、魔理沙にとって致命傷にはどれも至っていない……
それに、確かに魅魔は強力だけど、さっきの二人から感じたような禍々しさがないわ……)
――そのころ、永遠亭では
「し、師匠!! 竹林で人が倒れてましたっ!!」
「み、見たこともない妖怪だわ! 大丈夫!?」
「ぐ、ぐおお……私はやられた……の? あんな年増一人に……っ」
「あ゛……!?」
「し、師匠、落ち着いてーっ!」
「たいした妖怪だわ、あいつ……命蓮寺六人衆の一人、この合体妖怪・雲居一輪&雲山をババア一人で倒したんだから……っ!」
「……天呪『アポロ13』」
どごーーーんっ!!!
「げふぅぅぅぅっ」
「し、知らない妖怪さーんっ!!」
――合体妖怪・雲居一輪&雲山 再起不能
――そして再び、舞台は空に浮かぶ船の目前
「ぐはぁっ!」
「その程度か、魔理沙! まるであたしが教えた魔法をモノにできてないじゃないのさぁ!」
(あれは、むしろ……弟子を導く師の姿勢!! やっぱり……!!)
「おおおお、昔のあたしと思うなよっ! もはや見切ったっ! 底を見せすぎたなっ、魅魔ティーチャー!
52の補助魔法とやら、使わせてもらうんだぜ!!」
「ほぉ……見せてみなよ。できるって言うんならねぇ!」
「右手からファイナルスパーク……左手からファイナルスパーク……!」
「ま、魔理沙無茶よ……! 両手からファイナルスパークだなんて!!」
「補助魔法で魔力強化と反魔法結界を張り巡らせた今ならできる!!
喰らえ! 魅魔ティーチャー!! これがあたしの、最終魔法!! 魔理沙『無限大スパーク』!!!」
ム ゲ ン ダ イ !!!(効果音)
「ぐほっ……お、お……み、見事だ魔理沙……もう、あたしから教えることは何もない……ね」
「な、なんだって!?」
「魅魔は魔理沙に52の補助魔法を教えるために現れたのよ! 命蓮寺に魂を売ったふりをして!」
「な、そんな……魅魔ティーチャー!!」
「ふ、ふふふ……カッコよく間一髪で避けて祝ってやるつもりだったのにね……
トシはとりたくないもんさ。お前の魔法が見事過ぎてやられち……まった」
「魅魔ティーチャーー!!!」
「お、おおおおお……こ、こんなに苦しいのなら、愛などもういらないぜ!!」
「………………」
「待ってろ、命蓮寺の連中め……てめぇらの寺を魔理沙十字陵に変えてやる!!」
「私も手伝うわ……魔理沙。魅魔は私の古馴染みでもあるんだから……っ!」
――愛深きゆえに愛を忘れた魔法使い・魔理沙。
師への愛を怒りで隠し、鬼の哭く寺・命蓮寺へ二人の旅は続く!!
《Stage4》
――ついに空に浮かぶ謎の船にたどりついた二人!
しかしそこにあったのは、無数の屍だった!!
「いったいどういうことだぜ、ザコどもはどうやら誰かにやられちまったらしいが……」
「今回の件は幻想郷全体にとって大きな事件みたい……誰か他にも来てるんじゃ……」
――その時、船室では……
「あなたがこの船の船長ですねっ!」
「いかにも。私は白蓮様より聖輦船を預かる命蓮寺六人衆がひと」
「常識に囚われない攻撃っ!! 奇跡『ミラクルフルーツ』っ!!」
ずず……ん
「おわああああ、ふ、船が崩壊したぜっ!」
「だ、誰よ、いきなりこんなっ!!」
「ああっ、あれは!」
「さ、早苗だわ! 前にいる、あれがここの番人!?」
「やりましたか!?」
――しかしそれはフラグである。
「……命蓮寺六人衆が一人、村紗水蜜。近しい者からはキャプテン・ムラサと呼ばれている」
「なっ……!!」
「貴様が吹き飛ばした聖輦船は、我らが浮遊要塞・命蓮寺の外殻に過ぎぬ。しかし……私の船を吹き飛ばした代償、高くつくと思え」
「っ……船を吹き飛ばすほどの攻撃を受けたんです、ノーダメージなんてありえません!
大奇跡『八坂の神風』!!!!!」
「……くだらん」
――その弾幕の嵐を、キャプテン・ムラサは片手で受け止める。
「バカなっ、船1隻を消滅させた、わたしの奇跡がっ!?」
「愚かな……船を操る船長の実力。船より劣るとでも思ったか?」
――冷笑。
早苗の背筋が凍りついた。
「奇跡か……小娘には過ぎたオモチャだ。返すぞ」
「え?」
――無造作に、キャプテン・ムラサは止めていた弾幕を投げ返した。
どごぉぉぉぉおおおおおおお!!!
「きゃぴいぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「さ、早苗えええええ!!!」
「バ、バケモノだわ……弾幕を素手で投げ返した!」
「……罰当たりが追加か。いいだろう、そのまとめて相手してやる」
「待てーぃ! こいつの相手は、我々だ!」
「早苗をコケにされて黙ってるわけにはいかないよ!」
「お、お前らは!」
「あ、あんたたち!」
「神奈子様! 諏訪子様!」
「す、すまねぇ、恩に着るぜ!」
「あんたたちもたまには役に立つわね!」
「カン違いしないで」
「あたしたちは、早苗のために来たんだからっ」
「か、神奈子様……諏訪子様……っ」
「南無三……友情、か。御仏の道にも通じる美しい姿だ。いいだろう。私が試練を行う意味はない。
命蓮寺に入り、仏門に帰依することの尊さを知るがいい」
「た、戦わない……の?」
「私は戦うために船長になったわけではない。全てはふさわしき者のみをこの門に通すため。
それに、私も賭けたくなった。お前たちなら破れるかもしれん。この鬼の哭く寺・命蓮寺の伝説を……!!」
「キャプテン……!」
「て、敵ながらなんて熱い魂の持ち主なの!」
「じょ、常識に囚われてはいけません。今、彼女はまさしく私たちの友!」
「うおお、早苗しか目に入っていなかった己が恥ずかしい!」
「もし出会う場所が違ったら、あんたとはきっと親友になれたろうね……」
ゴロゴロゴロ……
「う……は、離れろ!!」
「いででっ!」
「な、何するの! ……ええっ!?」
ピシャーーーン!!!
「な……! 早苗! 神奈子! 諏訪子! キャプテンっ!!」
「な、なんて、おそろしい弾幕なの……っ」
『……村紗水蜜、優れた戦士でしたけど……友情だなんて。
くだらないものに迷わされたものね。その程度の輩など、命蓮寺六人衆に必要ないわ』
「きっ、貴様ぁーーーーーーーーーーっ!!!」
「じ、自分の仲間をっ! それでも人間なのっ!? 妖怪なのっ!?」
『仲間ではない。我々は至高の目的に仕える存在……。ゆえに目的の邪魔となる者は必要ないのよ』
「キャプテンはいい奴だった! 早苗も、神奈子も、諏訪子も! てめえのくだらねぇ目的のために殺していいわけないんだぜっっ!!」
「…………いいわ。正々堂々、正面から引導を渡してあげる。4人の命、あんた一人で贖えると思わないことね……」
『くくく、私は命蓮寺六人衆筆頭、聖白蓮。文句があるなら、奥の院までいらっしゃい……ただし来れたら、ね』
「「行ってやるっ!!」」
――怒りも新たに浮遊要塞・命蓮寺へ向かう二人!
真の敵は命蓮寺六人衆筆頭・聖白蓮!!
果たして二人はその元へたどりつけるのか!?
《Stage5》
「「待てーい、ここから先は我ら命蓮寺千人衆が通さん!!」」
「うおおおお、魔理沙『無限大スパーク』!!!」
「ぎゃああああああああ!!!」×1000
「はぁ、はぁ……なんて数の敵だぜ……しかし奥の院とやらに近づいていることは確かだぜ!」
「魔理沙、魔力は節約して……!」
「ククク、果たしてそう上手く行くでしょうか……久しぶりですね。お二人さん」
――ゆらりと柱の影から一匹のネズミが現れる。
「お、お前はぁっ!」
「さ、再生ナズーリンっ!!」
「私は白蓮様の力で、あの屈辱から蘇ったのですよ……私は貴方たち如きに負けたのではない! イレギュラーの氷精に負けたにすぎません!!」
「くっ、もう一度こいつとやりあうのかっ!」
「大丈夫、今の私たちなら、こいつ程度っ!」
「程度? 気安く言わないでもらいましょう。貴方たちのような低学歴に、真のエリートたる私が負けることなどあってはならないのです!!
受けなさい!! 宝塔『グレイテストトレジャー』!!」
「うぉっ!」
「くっ……!」
「氷符『アイシクルフォール』!!」
「花符『幻想郷の開花』!!」
「旧作『イビルフィールド』!!」
「神祭『エクスパンデッド・オンバシラ』!!」
「神具『洩矢の鉄の輪』!!」
「蛇符『神代大蛇』!!」
「なっ、ばかなぁぁぁぁ!! 真のエリートたるこの私があああああああ!!!」
――賢将ナズーリンは塵と化した。
「お、おまえらは……!」
「あ、あんたたち……!」
「「地獄の底から舞い戻って来たぜ!」」
――そこには、死んだはずの早苗たちに加えて、幻想郷のほとんどの妖怪たちが……!
「ふふ、月の賢者たる私が月面四万年の医療技術で治療したんだもの。全員、ばっちり無事よ」
「そう、私たちの手で今までにない妖怪大連合ができたわ。
これは月面戦争どころじゃない、幻想郷最大の危機よ……命蓮寺はあまりにも危険すぎる」
――そのままの勢いで妖怪大連合が奥の院へとなだれ込む!
「よくここまで来ました。私は命蓮寺六人衆が副将・寅丸星……私に勝った者のみ、奥の院に入りなさい!」
――しかし、紫たちの笑みは崩れない。
「あらぁ。一人ずつなんてまどろっこしいでしょう? 全員で相手してあげるわ♪」
「姫様は今の幻想郷がお気に入りなのよ」
「姉様はともかく、咲夜は返してもらうんだから!」
「ふふ、相手かまわず、冥界はいつでも居住者募集中よ~」
「わたしはともかく、ペットたちがまた地上に戻っていいと条件を出されては。同情はしますけど……」
「ふぅ、先日の地震の尻拭いとはいえ……空にこんなものが浮いていては竜神様もお怒りですよ」
「アンタたちだけやたら強いなんて妬ましいわ……!」
「神の力を甘く見るなよ……仏の尖兵が……!」
「にくしみのれんさはたたねばならない しかし おまえたちはやりすぎた」
「幽香さんを傷つけた奴らをボクは許さない!!」
「魔理沙と私の幻想郷は誰にも渡さないわ!」
「取材のためにも、こうした参加は重要なことでして。恨みはありませんが……」
「下で慧音が待ってるんだ。さっさと終わらせてやる」
「ちんちん♪」
「ま、待ちなさいっ、こんな人数差で! あなたたちそれでも聖闘士ですかっ! 御仏はお怒りですよっ!」
「悲しいけど、私たち妖怪なのよね」
「聖闘士ってうまいのかー」
「侵略に来ておいて、今更数の多寡で泣き言なんて聞こえないね。祟り神になったら仲良くしたげるよ」
「究極のエネルギーに仏が耐えられるか見せてみなさい!」
「そういうわけだから。同じ技の通用しない人のためにみんなで一気にキメてあげるわ」
「し、知ってるじゃないですかっ!! まっ、まちなさ……」
日符 禁忌 凍符 闇符 灯符
華霊 式輝 妬符 咒詛 風神
河童 神祭 神具 夜盲 花符
瘴符 魍魎 鬼符 想起 核熱
呪精 凍符 彩符 寒符 薬符
狂視 雷符 天符 鬼符 滅罪
「ぎゃああああああああああああああああ!!!」
――命蓮寺六人衆・寅丸星との戦いは一瞬で終わった!
しかし次に待ち受けるのは真の敵、聖白蓮!
果たして妖怪大連合は白蓮に勝てるのか!?
《Stage6》
「ここから先は私たちに任せなさい、霊夢」
「苦労をかけて申し訳ない。早苗も世話になって……」
「命蓮寺の主はあたしたち妖怪大連合で叩くわ~」
「悟りを開こうと、心の底にある傷は消えないわ」
「わかった。みんな、頼んだぜ!」
「「任せといて!」」
「みんな行っちゃったけど……大丈夫かしら」
「今までにない妖怪大連合だぜ。正直、負ける要素が思いつかねぇ」
「そうね……でもなんだか、悪い予感が……」
――扉の向こうから聞こえるいくつもの爆音。そして一際大きな……
ぴちゅーん
「おっと、さっそく敵がピチュったみたいだな。見に行こうぜ」
「そうね……」
「おーい、やりすぎちゃいないだろなー」
――答えたのは、キャプテン・ムラサを滅ぼした時のあの……声
「大丈夫よ、手加減したから」
「き、気をつけて、魔理沙っ!!」
「そんなに怯えることないじゃない。私は専守防衛、手出ししない子には何もしないわ」
――足元に倒れる数多の強豪妖怪たち!
「なっ!!」
「み、みんな!!」
「パチュリー! アリス!」
「紫! 萃香!」
「ま、魔理沙……逃げて……」
「う、うう……聖白蓮……命蓮寺六人衆筆頭……っ、あまりにも……強すぎる……」
「おおおおお、先手必勝ッ! 恋符『マスタースパーク』!!」
「っ、霊符『夢想封印』!!」
「…………無駄よ」
――ただ一払い。それだけで、二人のスペルカードが打ち消される。
「な、なんて強力なスペルカードだっ! あたしたち二人のスペカを相殺しやがった!」
――そう、スペルカードの相殺はスペルカードでしかできない。
「今のは私の通常弾よ」
「うっ、嘘だぜっ! スペカもなしにこんな強力な弾幕を出せるはずがねぇっ!」
「……弾幕の基本となる妖力の桁が違えば、ただの通常弾もこれだけのものになるわ。
そしてこれが私の、スペルカードよっ!」
魔 法 『 紫 雲 の オ ー メ ン 』
「あ……うわぁぁぁっ!!」
「な、なんて弾幕……っ!」
――二人のスペルカードを打ち消してから、それを出すまでの間、まるで隙がない……!
「なんてこと……あれがたとえ通常弾幕だとしても……こんな隙もなく反応できるはずが!」
「ククク、菩薩その人に非ずば、この構えは破れないわ!
これぞ、名づけて天地御仏の構え!!」
「専守防衛……って言ってたよな。そうか。つまり、その天地御仏の構えとは究極のカウンター……!
一瞬であたしらの弾幕を弾き防御し、スペルカードを叩き込む……!!」
「そんな! それじゃあ白蓮を倒すことなんて絶対できないじゃない!」
「その通りよ。この構えを取った私は、私自身ですら勝つことはできない!
この構えを破ることのできる存在などこの世に存在しないのよ! さあ、絶望を胸に抱き、観念して命蓮寺に帰依しなさい!」
「ただ一つだけ方法があるぜ……」
「ど、どういうこと!?」
「あいつが弾いても弾けないような攻撃を撃つんだ。
みんなは小粒なスペカを連射して、自滅させられた! あたしたちはもっと強力なのを撃つんだ!」
「紫やフラン、妹紅よりも強力な弾幕を……!?」
「一人じゃ無理だ! けど、あたしたち二人ならできるはずだぜ!」
「………………」
「思い出すんだ! 紅魔郷からずっと戦ってきたあたしたちの呼吸を!」
「私たちの……呼吸……」
「俗世との別れは済んだの?」
「…………いくぜ」
「…………ええ」
――二人が同時にスペルカードを構える!
「おおおおお! 行くぞ霊夢ぅぅぅ!!」
「ええ!! 行くわよ魔理沙ぁぁぁ!!」
「「超・恋霊『無限大夢想スパーク』!!」」
ごおおおおおお
「そ、そんな、信じられない! 超人となったこの聖白蓮が恐怖を感じていると言うの!?
まさかこの天地御仏の構えを破るパワーがこの世に存在するなんて……っ!!
し……しかし、それも当たらなければ……なにぃ!!」
――そこには、白蓮の手足を捕らえる紫、幽香、レミリア、さとりの姿が!
「これでも、境界の妖怪……大妖怪と言われたのよ……足止めくらいはしないと……カッコがつかない……わ」
「ふん、アンタにばかりいいカッコさせるもんですか……最強はあたしに決まってるでしょ」
「紅魔館主として部下たちの手前……このくらいは……しないと、ね」
「勇儀さん……わたしのペットたちのこと……頼みましたよ……」
「く、妖怪四天王っ、すまねぇ……っ!!」
「今よ! もっと弾幕力を注いで……!!」
「うぉぉぉぉ、離せぇぇぇ! 下等妖怪どもぉぉぉぉ!! 離さないと言うなら、貴様らを盾に……っ」
「「ぐふぅっ」」
――凄まじいパワーで四人を前に押し出そうとする白蓮!
しかし……!!
「させません――開海『モーゼの奇跡』」
――早苗が、全ての神力を賭けて白蓮を羽交い絞めにする!
「な、なっ!! 体が勝手に無防備に……っ!」
「私の全ての神力を注いだ奇跡です。たとえ貴方でもたやすくは解けませんよ」
「さ、早苗っ!」
「なんであんたがっ!」
「ふふ、霊夢さん。貴方が竜の巫女として覚醒し、竜闘気を使うようになってから……
私はずっと貴方が妬ましかった! 惨めだった! 神奈子様と諏訪子様に申し訳なかった!
でも、今やっと、私だからできることができたんです! さあ、今こそ!」
「私――あたし――わたし――たちごと、白蓮を撃って!!!」
ごおおおおお
「や、やめろおおおおお、お前たちも死ぬんだぞおおおおお!!!」
「「幻想郷の平和のためなら……この命、惜しくなどない!!」」
カッ――!!
「ギィヤアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「やった……ぜ……白蓮の、最後だ」
「つ、ついに……倒した……」
「「勝った!!」」
《Extra Stage》
「はーっ、はーっ……よ、よくも……」
がらがらがら
「なっ……!!」
「紫、幽香、レミリア、さとり、早苗……みんなを犠牲にした一撃で……倒しきれなかったっていうの!?」
「ごふっ……ぐ……ふ、ふふふ……」
「紫のいない幻想郷なんて……!!」
「やめろ ゆゆこ おまえでは あいつにきずひとつ おわせられない」
「ゆ、幽香さん……あいつを倒したら……告白するつもりだったのに……っ」
「なに、勝手に死んでるのよ……旧作での借りはまだ返してないのよ……」
「レミィ……似合わないことするから……」
「チッ、姉様のうすのろめ どうせ死ぬんなら白蓮を倒してから死ねばよかったのに!」
「い、妹様、なんてことを!」
「さ、さとり様……っ!!」
「おのれぇ! さとり様の仇ぃぃぃ!」
「やめろ、手負いでもお前らの手に負える相手じゃねぇ!!」
「さ、早苗ぇぇ……」
「おのれ……祟神としてたとえ相討ちでも……貴様を……」
「く、クク……ククク……安心、しなさい……もう、私はダメ、よ。スペルカードで超人化している間だけ動けているに過ぎない……」
――白蓮が大量の血を吐き出す。
それは明らかに、生きていることが不可能なダメージ……!
「…………」
「気をつけて。まだ何か恐ろしい力を感じるわ……」
「ぐぼっ……げふっ、く、ククク……わ、私が命蓮寺のトップだとでも思っていたの?」
「「な、なにぃ!?」」
「お前たちは知らない……お前たちはまだようやく登り始めたばかりだからな!
この果てしなく遠い命蓮寺坂をね!!」
「ど、どういうことだぜ!」
「げほっ……私を倒してしまったお前たちには、あのお方が降臨する!!
もはや誰もあのお方を止めることはできないッ! 誰にも! だれに……」
ぴっしゃーーーん!!
「ぎゃあああああああああああ!!」
「ぐぶぶぶぶ……長年貸し与えていた力、返してもらうぞ白蓮よ……」
ごごごごごご……
「だ、誰っ!?」
「我こそ命蓮寺を支配せし存在」
ごごごごごご……
「もはや貴様らには御仏の慈悲もなし!」
ぴっしゃーん!
かっ!!
――そこには唐突に、マントを身につけ、雷光を背負い顔を影にした一人の少女がいた。
「マントを取れっ、顔を見せやがれ……!!」
「油断しないで! 今までの敵とは比べ物にならないパワーよ……!」
「よかろう、冥土の土産に名乗ってやる」
ばさり
――マントの下から現れたそれは、あまりにも異形の影!!
「ふはははは!
知性はナズーリン!
恐怖度は小傘!
スピードは一輪!
パワーは水蜜!
テクニックは星!
カリスマは白蓮!
命蓮寺六人衆全ての要素を併せ持つ最強の存在!
それがこのわたし! 封獣ぬえ様だーーーッ!!!」
「なっ、なんて恐ろしい妖怪だぜ、ぬえ……あの六人の力を全て持つなんて……」
ごくり
「ケッ、上等よ……私も一つ言っておくことがあるわ。
ここにくれば一生遊んで暮らせるだけのお金があると思ったけど、そんなことはなかったわ」
「そうか」
「うぉおおおお! 行くぞォォォォ!」
「さあ来い! 霊夢! 魔理沙!」
ご愛読ありがとうございました!
キャラ崩壊が多々あります。
星蓮船キャラはとても勝手にキャラ付けしています。
いろいろ少年漫画ネタが入っています。
これらの苦手な方はご注意ください。
《プロローグ》
――夏の博麗神社
「たいへんだぜ、霊夢! 宝船だ! 宝船が来たー!」
「た、宝!? どこどこどこどこ!?」
「うわー、酒かえせー!」
「落ち着けよ霊夢、萃香の瓢箪の中にあるわけないだろ。宝船はアレだぜ!」
「あ、あれはーーー!!」
――いずことも知れぬ暗黒の空間。
弾幕を交じわす者たちの間に、外の様子が映る。
「クククク……また煩悩に負けた愚かな輩がやって来たようね」
「れ、霊夢、来ないで、これは罠なのよ!」
「おおっと、余所見していていいのかしら?」
「お嬢様、危ないっ!」
「さ、咲夜ぁーっ!!」
「お、お嬢様……っ」
「失礼。人間相手に少しやりすぎてしまったようね?」
「よ、よくも咲夜を……っ! よくも咲夜をーーーーっ!!」
「来なさい吸血鬼。出家させてあげるわ」
――マヨイガ
「す、スキマにヒビがっ!」
「ゆ、紫様これは一体……っ! こんなことは地底の一件ですら……!」
「かつてない恐怖が迫っているのよ……幻想郷にかつてない恐怖が!!」
「そ、そんな……!」
「霊夢に連絡を取るわ! 藍っ! ついでに山にいた緑っぽいのにも連絡しときなさい!」
「承知ッ!」
《Stage1》
「かなり上空に浮かんでるようね……なかなか近づかないわ」
「それだけお宝を抱え込んでるってことだぜ」
カッ――!
「そうね、しばらくはごはんに――ッ!」
ずずん……
「ほう、今の弾幕を避けるとは。どうやら今度の客は楽しませてくれそうですね」
「だ、誰っ!?」
「ふっ、私は命蓮寺六人衆が一人、ナズーリン。人は私を賢将ナズーリンと呼びます!
言っておきますが私は大学を出ています。あなたたちに勝ち目はありませんよ」
「か、賢い将と書いて、賢将ですってーっ!」
「れ、霊夢、ヤバイぜ。自分で賢いなんて名乗るヤツとはとても戦えねぇ……だってあたしは、小卒なんだぜ……」
「くっ……それでも学歴があるだけ、私よりマシでしょッ!」
「ちょっ、おま、あたしにアイツの相手、押し付ける気かよ!」
「香霖やパチュリーと仲いいんでしょ! インテリの扱いならお手のものじゃない!」
「ば、バカ! あいつらメガネと引き込もりってだけで、最終学歴はあたしといっしょだっつーの!」
「ふっ、恐怖のあまり仲間割れを起こしましたか……愚かな。
その醜い姿から全ての煩悩を断ってあげましょう! 捜符『レアメタルディテクター』!!」
ごばぁぁぁぁぁ!!!!
「な、なんて弾幕……! に、逃げられないぜっ……!!」
「ま、魔理沙、私の盾になりなさいっ!」
「だ、誰がなるかーっ!」
「その醜き煩悩と共に散りなさい!!」
「うわぁーーーーっ!」
「い、いやぁーっ!!」
ばしゅぅぅぅぅん!!!!
「はーっ、はっはっはっ! 白蓮様ごらんになられましたか! このナズーリンがこやつらを討ち取りましたよ!」
「なにがたのしいんだ?」
――二人は閉じていた目を開く。
なつかしい顔が二人の前で弾幕を受け止めていた。
「え……い、生きてるんだぜ?」
「ピチュって……ない?」
「……ふぅ、みちゃいられないね」
「な、なにぃ!! 私の『レアメタルディテクター』を片手で防いだ……っ!?
そ、そんなっ、何かの間違いですっ! 視符『ナズーリンペンデュラム』!!」
ヴォォォォォォン!!
しゅぅぅぅぅぅ……
――さらなる攻撃も、その小さな手でかき消される。
「おまえみたいな ばかのこうげきは ほんとうの てんさいにはきかない」
「ばっ、ばかなぁっ!」
――そう。
――そこにいたのは。
「なっ、お、お前はっ!」
「ち、チルノーっ!!!」
「かえーづかいらいだな、れいむ、まりさ」
「どうしてお前がここにっ!」
「宝だったらあげないわよ!」
「げんそうきょうに ききがせまっている。このざこは あたいにまかせていけ、れいむ、まりさ」
「くっ、私を無視する気ですか! その慢心命取りになりますよっ!」
「おまえごとき かえるにもおとると おしえてやる!」
(…………すぺるかーどでのそうさいは もうできない れいむ、まりさ……あとはまかせた)
《Stage2》
「い、いったい何だってんだぜ……命蓮寺? 幻想郷の危機? なにが……」
ずずーん
「なっ、今の爆発はっ!」
「振り向いちゃダメ! 魔理沙! 私たちは進むのよ!」
「ま、待てよ! あそこでチルノが戦ってたんだぜ! チルノを見に行ってやらないと……!」
「だから振り向いちゃダメ! 私たちは進まなきゃ!」
「なんでだよ! いったい何が起こってるって言うんだよ!」
「わかんないわよ! でも、巫女として感じるのよ……チルノの小宇宙が……今、完全に……消えた」
「ち、チルノぉぉぉぉーーーっ!!」
「ナズーぅぅぅぅぅ!!!」
「って、何よあんた」
「ううっ、ナズーリン……賢くてわたしの憧れだったのに……せめて、この連中を弔いに……」
ちゃきっ
「あの傘……! 危ないっ、魔理沙っ!」
「うわっ……な、なにを……」
どひゅん
「な、何なんだぜ、今のは……!」
「……逃げないでくださいよ」
「なんて威力、今のは……」
「命蓮寺六人衆が一人、多々良小傘……目玉飛び出して脱糞しながら解脱なさ……
しゅぉぉぉぉん!!!
……ひぁっ!」
「うわっ、もっとすげえ威力の弾幕がっ!」
「ま、まさか今のは……」
「久しぶりの獲物だわ……うふふふふふ、かわいい子ねぇ。私に対抗して傘をアピールだなんて……」
「「風見幽香!!」」
「この子は、あたしがかわいがっておいてあげる。アンタたちはさっさと消えなさい」
「チッ、相変わらずおっそろしい女だぜ……」
「ふっ、風見幽香……敵に回せば恐ろしいが、味方にすればこれほど頼もしい妖怪もない……幽香を甘く見ちゃいけないわ……」
「見てないで早く行きなさいっ!!
ちょっとこの子と遊んだら、すぐ私も追いかけるからっ!」
「け、けどよ……」
「幽香、アンタ……」
「いいから行きなさい!!」
「わ、わかったぜっ」
「絶対、後から来るのよっ!!」
「行った……わね。かわいがって、あげるわ……」
「……いいんですかぁ? 三人がかりじゃなくて。さっきのわたしがカウンターで撃った細ーいレーザー……ちゃーんと貫通しましたよね?」
――幽香の唇を血が伝う。
「あは……っ、あーっはっはっ! アンタ如きが私の心配? ちょうどいいハンデよ。
幻想郷最強の力、見せてあげるわっ!」
(霊夢、魔理沙……私のヒマワリ畑の世話、頼んだわよ……)
《Stage3》
「ぐふぉふぉふぉ ここから先は通さん!!」
「なんてぇこった……東方でマッチョジジイが出てくるなんて反則だぜ……ユーザーに何て言って詫びればいいんだ……」
「くっ、ジジイなんて設定だけで十分なのよっ!」
カッ!
「なっ、なんだ今の後ろでの爆発はっ!」
「そ、そんな……まさか……」
「う、嘘だろ……幽香が……幽香がやられたって言うのか……?」
「魔理沙、あんたにもわかるはずよ……あいつとは旧作からの付き合いじゃない……」
「……小傘め、相打ちとは使えぬやつ……御仏も嘆いておるわ! ぐふぉふぉ……まあよい!
ナズーリンや小傘など我ら命蓮寺六人衆でも格下の連中! しょせんは前座の小坊主よ!
この儂、命蓮寺六人衆最強の雲山様がこやつらに引導を渡してくれる!!」
「うるせぇぇぇ!!!」
「仲間が死んだのに……何笑ってるのよ!!」
「幽香はなぁ! 幽香はなぁ! とにかくいいやつだったんだよ!!」
「出会うたびにレーザー撃ってきたけど、たまに野菜もくれたのよ!」
「ぐふぁ……な、なにぃ……今までとは動きが……違う!」
「くたばれジジイーー!!!」
「幽香をよくも笑ったな!!」
「ぐぼああああああああああああ!!!!」
「はぁ、はぁ、チルノに加えて幽香まで……命蓮寺……許すわけにはいかないぜ」
「ッ! 待って! そいつまだ……!」
「ふふふ、気づいたかい、さすがだねぇ……霊夢。伝説の『竜の巫女』に覚醒したって噂は本当のようだね」
――雲山の背中が割れ、何者の目が光っている。
ずるずる
「なっ、あのジジイの中から何か出てくるっ!」
――雲山の中から飛び出し、華麗に空に浮かぶ影!
「げえええええー!! 肉じゅばん!!」
「な、中から普通の妖怪が出てきたわ……!」
「へっ、中はただの3ボス妖怪だったんじゃねぇかっ!
あたし一人で十分だぜーっ!!」
「いつから、『だぜ』なんて言うようになったんだい、魔理沙……」
「なっ……霊夢と幽香、アリス以外でそれを知っているヤツはいないはず……! 貴様……何者だぜっ!?」
「あたしの声を聞き忘れたのかい、魔理沙」
「あ、アンタはまさか……魅魔ティーチャー!!」
「ふふふ、その通り……だが、かつてのお前の師、魅魔は死んだよ! 今のあたしは命蓮寺六人衆・雲居一輪!!」
「魅魔ティーチャー、どうして命蓮寺なんかにっ!」
「あ、あんた、まさか……」
「お前たちもここまで来てわかったんじゃないのかい? 命蓮寺の連中のレベルは今までのチンピラ妖怪どもとは桁が違うんだよ。
そんな中で、連中に逆らうほどあたしゃバカじゃないのさぁ!」
「み、魅魔ティーチャー……そんなっ!」
「見損なったわよ! 魅魔!!」
「黙れ! しょせん、この世は勝者が全て! 師の技を受けて大悟しろぉ!!」
忘 却 『 悪 霊 光 線 』
ずぎょおおおおおおおおおおおおおお!!!!
「うぉぉぉぉぉぉ!!! なんだこの見たことのない技はぁぁぁ!!」
「そんな!! 旧作にこんな技なかったわ!!」
ちりちり……
「あ、危なかった……! あと少しでも下だったら、あたしの頭はなくなってた……!」
「…………」
「おおっと、久しぶりに撃ったせいか……外してしまったようだね」
「な、なんだよ魅魔ティーチャー……今のは……」
「ふふふ、お前に教えた技があたしの全てじゃないのさ、魔理沙ぁ」
「なんだとぉぉぉ!!」
「かつてお前に48の攻撃魔法を教えた時……あたしは地味だが、よりハイレベルな52の補助魔法を教えなかった!!」
「な……う、嘘だろ魅魔ティーチャー……あたしは全ての技を受け継いだ完全無欠の魔法使いのはずだぜ……」
「お前は攻撃魔法しか使えない、欠陥魔法使いに過ぎないのさぁ!
そんなお前が完全無欠ぅ? 今の幻想郷の強さもたかが知れるね!」
「ぐ、おおおお……取り消せっ! たとえ魅魔ティーチャーと言えど、あたしの強敵(とも)らを侮辱することは許さねええええ!!!」
(お、おかしいわ……魅魔は確かに憎まれ口を聞くヤツだったけど、こんなことを言う悪霊じゃ……)
「はーっはっはっ! お前の知らない52の補助魔法で地獄道を見せてやるよ!」
「ぐあああああ!!」
(さっきの攻撃もそう……今も。大げさな攻撃ではあるけど、魔理沙にとって致命傷にはどれも至っていない……
それに、確かに魅魔は強力だけど、さっきの二人から感じたような禍々しさがないわ……)
――そのころ、永遠亭では
「し、師匠!! 竹林で人が倒れてましたっ!!」
「み、見たこともない妖怪だわ! 大丈夫!?」
「ぐ、ぐおお……私はやられた……の? あんな年増一人に……っ」
「あ゛……!?」
「し、師匠、落ち着いてーっ!」
「たいした妖怪だわ、あいつ……命蓮寺六人衆の一人、この合体妖怪・雲居一輪&雲山をババア一人で倒したんだから……っ!」
「……天呪『アポロ13』」
どごーーーんっ!!!
「げふぅぅぅぅっ」
「し、知らない妖怪さーんっ!!」
――合体妖怪・雲居一輪&雲山 再起不能
――そして再び、舞台は空に浮かぶ船の目前
「ぐはぁっ!」
「その程度か、魔理沙! まるであたしが教えた魔法をモノにできてないじゃないのさぁ!」
(あれは、むしろ……弟子を導く師の姿勢!! やっぱり……!!)
「おおおお、昔のあたしと思うなよっ! もはや見切ったっ! 底を見せすぎたなっ、魅魔ティーチャー!
52の補助魔法とやら、使わせてもらうんだぜ!!」
「ほぉ……見せてみなよ。できるって言うんならねぇ!」
「右手からファイナルスパーク……左手からファイナルスパーク……!」
「ま、魔理沙無茶よ……! 両手からファイナルスパークだなんて!!」
「補助魔法で魔力強化と反魔法結界を張り巡らせた今ならできる!!
喰らえ! 魅魔ティーチャー!! これがあたしの、最終魔法!! 魔理沙『無限大スパーク』!!!」
ム ゲ ン ダ イ !!!(効果音)
「ぐほっ……お、お……み、見事だ魔理沙……もう、あたしから教えることは何もない……ね」
「な、なんだって!?」
「魅魔は魔理沙に52の補助魔法を教えるために現れたのよ! 命蓮寺に魂を売ったふりをして!」
「な、そんな……魅魔ティーチャー!!」
「ふ、ふふふ……カッコよく間一髪で避けて祝ってやるつもりだったのにね……
トシはとりたくないもんさ。お前の魔法が見事過ぎてやられち……まった」
「魅魔ティーチャーー!!!」
「お、おおおおお……こ、こんなに苦しいのなら、愛などもういらないぜ!!」
「………………」
「待ってろ、命蓮寺の連中め……てめぇらの寺を魔理沙十字陵に変えてやる!!」
「私も手伝うわ……魔理沙。魅魔は私の古馴染みでもあるんだから……っ!」
――愛深きゆえに愛を忘れた魔法使い・魔理沙。
師への愛を怒りで隠し、鬼の哭く寺・命蓮寺へ二人の旅は続く!!
《Stage4》
――ついに空に浮かぶ謎の船にたどりついた二人!
しかしそこにあったのは、無数の屍だった!!
「いったいどういうことだぜ、ザコどもはどうやら誰かにやられちまったらしいが……」
「今回の件は幻想郷全体にとって大きな事件みたい……誰か他にも来てるんじゃ……」
――その時、船室では……
「あなたがこの船の船長ですねっ!」
「いかにも。私は白蓮様より聖輦船を預かる命蓮寺六人衆がひと」
「常識に囚われない攻撃っ!! 奇跡『ミラクルフルーツ』っ!!」
ずず……ん
「おわああああ、ふ、船が崩壊したぜっ!」
「だ、誰よ、いきなりこんなっ!!」
「ああっ、あれは!」
「さ、早苗だわ! 前にいる、あれがここの番人!?」
「やりましたか!?」
――しかしそれはフラグである。
「……命蓮寺六人衆が一人、村紗水蜜。近しい者からはキャプテン・ムラサと呼ばれている」
「なっ……!!」
「貴様が吹き飛ばした聖輦船は、我らが浮遊要塞・命蓮寺の外殻に過ぎぬ。しかし……私の船を吹き飛ばした代償、高くつくと思え」
「っ……船を吹き飛ばすほどの攻撃を受けたんです、ノーダメージなんてありえません!
大奇跡『八坂の神風』!!!!!」
「……くだらん」
――その弾幕の嵐を、キャプテン・ムラサは片手で受け止める。
「バカなっ、船1隻を消滅させた、わたしの奇跡がっ!?」
「愚かな……船を操る船長の実力。船より劣るとでも思ったか?」
――冷笑。
早苗の背筋が凍りついた。
「奇跡か……小娘には過ぎたオモチャだ。返すぞ」
「え?」
――無造作に、キャプテン・ムラサは止めていた弾幕を投げ返した。
どごぉぉぉぉおおおおおおお!!!
「きゃぴいぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「さ、早苗えええええ!!!」
「バ、バケモノだわ……弾幕を素手で投げ返した!」
「……罰当たりが追加か。いいだろう、そのまとめて相手してやる」
「待てーぃ! こいつの相手は、我々だ!」
「早苗をコケにされて黙ってるわけにはいかないよ!」
「お、お前らは!」
「あ、あんたたち!」
「神奈子様! 諏訪子様!」
「す、すまねぇ、恩に着るぜ!」
「あんたたちもたまには役に立つわね!」
「カン違いしないで」
「あたしたちは、早苗のために来たんだからっ」
「か、神奈子様……諏訪子様……っ」
「南無三……友情、か。御仏の道にも通じる美しい姿だ。いいだろう。私が試練を行う意味はない。
命蓮寺に入り、仏門に帰依することの尊さを知るがいい」
「た、戦わない……の?」
「私は戦うために船長になったわけではない。全てはふさわしき者のみをこの門に通すため。
それに、私も賭けたくなった。お前たちなら破れるかもしれん。この鬼の哭く寺・命蓮寺の伝説を……!!」
「キャプテン……!」
「て、敵ながらなんて熱い魂の持ち主なの!」
「じょ、常識に囚われてはいけません。今、彼女はまさしく私たちの友!」
「うおお、早苗しか目に入っていなかった己が恥ずかしい!」
「もし出会う場所が違ったら、あんたとはきっと親友になれたろうね……」
ゴロゴロゴロ……
「う……は、離れろ!!」
「いででっ!」
「な、何するの! ……ええっ!?」
ピシャーーーン!!!
「な……! 早苗! 神奈子! 諏訪子! キャプテンっ!!」
「な、なんて、おそろしい弾幕なの……っ」
『……村紗水蜜、優れた戦士でしたけど……友情だなんて。
くだらないものに迷わされたものね。その程度の輩など、命蓮寺六人衆に必要ないわ』
「きっ、貴様ぁーーーーーーーーーーっ!!!」
「じ、自分の仲間をっ! それでも人間なのっ!? 妖怪なのっ!?」
『仲間ではない。我々は至高の目的に仕える存在……。ゆえに目的の邪魔となる者は必要ないのよ』
「キャプテンはいい奴だった! 早苗も、神奈子も、諏訪子も! てめえのくだらねぇ目的のために殺していいわけないんだぜっっ!!」
「…………いいわ。正々堂々、正面から引導を渡してあげる。4人の命、あんた一人で贖えると思わないことね……」
『くくく、私は命蓮寺六人衆筆頭、聖白蓮。文句があるなら、奥の院までいらっしゃい……ただし来れたら、ね』
「「行ってやるっ!!」」
――怒りも新たに浮遊要塞・命蓮寺へ向かう二人!
真の敵は命蓮寺六人衆筆頭・聖白蓮!!
果たして二人はその元へたどりつけるのか!?
《Stage5》
「「待てーい、ここから先は我ら命蓮寺千人衆が通さん!!」」
「うおおおお、魔理沙『無限大スパーク』!!!」
「ぎゃああああああああ!!!」×1000
「はぁ、はぁ……なんて数の敵だぜ……しかし奥の院とやらに近づいていることは確かだぜ!」
「魔理沙、魔力は節約して……!」
「ククク、果たしてそう上手く行くでしょうか……久しぶりですね。お二人さん」
――ゆらりと柱の影から一匹のネズミが現れる。
「お、お前はぁっ!」
「さ、再生ナズーリンっ!!」
「私は白蓮様の力で、あの屈辱から蘇ったのですよ……私は貴方たち如きに負けたのではない! イレギュラーの氷精に負けたにすぎません!!」
「くっ、もう一度こいつとやりあうのかっ!」
「大丈夫、今の私たちなら、こいつ程度っ!」
「程度? 気安く言わないでもらいましょう。貴方たちのような低学歴に、真のエリートたる私が負けることなどあってはならないのです!!
受けなさい!! 宝塔『グレイテストトレジャー』!!」
「うぉっ!」
「くっ……!」
「氷符『アイシクルフォール』!!」
「花符『幻想郷の開花』!!」
「旧作『イビルフィールド』!!」
「神祭『エクスパンデッド・オンバシラ』!!」
「神具『洩矢の鉄の輪』!!」
「蛇符『神代大蛇』!!」
「なっ、ばかなぁぁぁぁ!! 真のエリートたるこの私があああああああ!!!」
――賢将ナズーリンは塵と化した。
「お、おまえらは……!」
「あ、あんたたち……!」
「「地獄の底から舞い戻って来たぜ!」」
――そこには、死んだはずの早苗たちに加えて、幻想郷のほとんどの妖怪たちが……!
「ふふ、月の賢者たる私が月面四万年の医療技術で治療したんだもの。全員、ばっちり無事よ」
「そう、私たちの手で今までにない妖怪大連合ができたわ。
これは月面戦争どころじゃない、幻想郷最大の危機よ……命蓮寺はあまりにも危険すぎる」
――そのままの勢いで妖怪大連合が奥の院へとなだれ込む!
「よくここまで来ました。私は命蓮寺六人衆が副将・寅丸星……私に勝った者のみ、奥の院に入りなさい!」
――しかし、紫たちの笑みは崩れない。
「あらぁ。一人ずつなんてまどろっこしいでしょう? 全員で相手してあげるわ♪」
「姫様は今の幻想郷がお気に入りなのよ」
「姉様はともかく、咲夜は返してもらうんだから!」
「ふふ、相手かまわず、冥界はいつでも居住者募集中よ~」
「わたしはともかく、ペットたちがまた地上に戻っていいと条件を出されては。同情はしますけど……」
「ふぅ、先日の地震の尻拭いとはいえ……空にこんなものが浮いていては竜神様もお怒りですよ」
「アンタたちだけやたら強いなんて妬ましいわ……!」
「神の力を甘く見るなよ……仏の尖兵が……!」
「にくしみのれんさはたたねばならない しかし おまえたちはやりすぎた」
「幽香さんを傷つけた奴らをボクは許さない!!」
「魔理沙と私の幻想郷は誰にも渡さないわ!」
「取材のためにも、こうした参加は重要なことでして。恨みはありませんが……」
「下で慧音が待ってるんだ。さっさと終わらせてやる」
「ちんちん♪」
「ま、待ちなさいっ、こんな人数差で! あなたたちそれでも聖闘士ですかっ! 御仏はお怒りですよっ!」
「悲しいけど、私たち妖怪なのよね」
「聖闘士ってうまいのかー」
「侵略に来ておいて、今更数の多寡で泣き言なんて聞こえないね。祟り神になったら仲良くしたげるよ」
「究極のエネルギーに仏が耐えられるか見せてみなさい!」
「そういうわけだから。同じ技の通用しない人のためにみんなで一気にキメてあげるわ」
「し、知ってるじゃないですかっ!! まっ、まちなさ……」
日符 禁忌 凍符 闇符 灯符
華霊 式輝 妬符 咒詛 風神
河童 神祭 神具 夜盲 花符
瘴符 魍魎 鬼符 想起 核熱
呪精 凍符 彩符 寒符 薬符
狂視 雷符 天符 鬼符 滅罪
「ぎゃああああああああああああああああ!!!」
――命蓮寺六人衆・寅丸星との戦いは一瞬で終わった!
しかし次に待ち受けるのは真の敵、聖白蓮!
果たして妖怪大連合は白蓮に勝てるのか!?
《Stage6》
「ここから先は私たちに任せなさい、霊夢」
「苦労をかけて申し訳ない。早苗も世話になって……」
「命蓮寺の主はあたしたち妖怪大連合で叩くわ~」
「悟りを開こうと、心の底にある傷は消えないわ」
「わかった。みんな、頼んだぜ!」
「「任せといて!」」
「みんな行っちゃったけど……大丈夫かしら」
「今までにない妖怪大連合だぜ。正直、負ける要素が思いつかねぇ」
「そうね……でもなんだか、悪い予感が……」
――扉の向こうから聞こえるいくつもの爆音。そして一際大きな……
ぴちゅーん
「おっと、さっそく敵がピチュったみたいだな。見に行こうぜ」
「そうね……」
「おーい、やりすぎちゃいないだろなー」
――答えたのは、キャプテン・ムラサを滅ぼした時のあの……声
「大丈夫よ、手加減したから」
「き、気をつけて、魔理沙っ!!」
「そんなに怯えることないじゃない。私は専守防衛、手出ししない子には何もしないわ」
――足元に倒れる数多の強豪妖怪たち!
「なっ!!」
「み、みんな!!」
「パチュリー! アリス!」
「紫! 萃香!」
「ま、魔理沙……逃げて……」
「う、うう……聖白蓮……命蓮寺六人衆筆頭……っ、あまりにも……強すぎる……」
「おおおおお、先手必勝ッ! 恋符『マスタースパーク』!!」
「っ、霊符『夢想封印』!!」
「…………無駄よ」
――ただ一払い。それだけで、二人のスペルカードが打ち消される。
「な、なんて強力なスペルカードだっ! あたしたち二人のスペカを相殺しやがった!」
――そう、スペルカードの相殺はスペルカードでしかできない。
「今のは私の通常弾よ」
「うっ、嘘だぜっ! スペカもなしにこんな強力な弾幕を出せるはずがねぇっ!」
「……弾幕の基本となる妖力の桁が違えば、ただの通常弾もこれだけのものになるわ。
そしてこれが私の、スペルカードよっ!」
魔 法 『 紫 雲 の オ ー メ ン 』
「あ……うわぁぁぁっ!!」
「な、なんて弾幕……っ!」
――二人のスペルカードを打ち消してから、それを出すまでの間、まるで隙がない……!
「なんてこと……あれがたとえ通常弾幕だとしても……こんな隙もなく反応できるはずが!」
「ククク、菩薩その人に非ずば、この構えは破れないわ!
これぞ、名づけて天地御仏の構え!!」
「専守防衛……って言ってたよな。そうか。つまり、その天地御仏の構えとは究極のカウンター……!
一瞬であたしらの弾幕を弾き防御し、スペルカードを叩き込む……!!」
「そんな! それじゃあ白蓮を倒すことなんて絶対できないじゃない!」
「その通りよ。この構えを取った私は、私自身ですら勝つことはできない!
この構えを破ることのできる存在などこの世に存在しないのよ! さあ、絶望を胸に抱き、観念して命蓮寺に帰依しなさい!」
「ただ一つだけ方法があるぜ……」
「ど、どういうこと!?」
「あいつが弾いても弾けないような攻撃を撃つんだ。
みんなは小粒なスペカを連射して、自滅させられた! あたしたちはもっと強力なのを撃つんだ!」
「紫やフラン、妹紅よりも強力な弾幕を……!?」
「一人じゃ無理だ! けど、あたしたち二人ならできるはずだぜ!」
「………………」
「思い出すんだ! 紅魔郷からずっと戦ってきたあたしたちの呼吸を!」
「私たちの……呼吸……」
「俗世との別れは済んだの?」
「…………いくぜ」
「…………ええ」
――二人が同時にスペルカードを構える!
「おおおおお! 行くぞ霊夢ぅぅぅ!!」
「ええ!! 行くわよ魔理沙ぁぁぁ!!」
「「超・恋霊『無限大夢想スパーク』!!」」
ごおおおおおお
「そ、そんな、信じられない! 超人となったこの聖白蓮が恐怖を感じていると言うの!?
まさかこの天地御仏の構えを破るパワーがこの世に存在するなんて……っ!!
し……しかし、それも当たらなければ……なにぃ!!」
――そこには、白蓮の手足を捕らえる紫、幽香、レミリア、さとりの姿が!
「これでも、境界の妖怪……大妖怪と言われたのよ……足止めくらいはしないと……カッコがつかない……わ」
「ふん、アンタにばかりいいカッコさせるもんですか……最強はあたしに決まってるでしょ」
「紅魔館主として部下たちの手前……このくらいは……しないと、ね」
「勇儀さん……わたしのペットたちのこと……頼みましたよ……」
「く、妖怪四天王っ、すまねぇ……っ!!」
「今よ! もっと弾幕力を注いで……!!」
「うぉぉぉぉ、離せぇぇぇ! 下等妖怪どもぉぉぉぉ!! 離さないと言うなら、貴様らを盾に……っ」
「「ぐふぅっ」」
――凄まじいパワーで四人を前に押し出そうとする白蓮!
しかし……!!
「させません――開海『モーゼの奇跡』」
――早苗が、全ての神力を賭けて白蓮を羽交い絞めにする!
「な、なっ!! 体が勝手に無防備に……っ!」
「私の全ての神力を注いだ奇跡です。たとえ貴方でもたやすくは解けませんよ」
「さ、早苗っ!」
「なんであんたがっ!」
「ふふ、霊夢さん。貴方が竜の巫女として覚醒し、竜闘気を使うようになってから……
私はずっと貴方が妬ましかった! 惨めだった! 神奈子様と諏訪子様に申し訳なかった!
でも、今やっと、私だからできることができたんです! さあ、今こそ!」
「私――あたし――わたし――たちごと、白蓮を撃って!!!」
ごおおおおお
「や、やめろおおおおお、お前たちも死ぬんだぞおおおおお!!!」
「「幻想郷の平和のためなら……この命、惜しくなどない!!」」
カッ――!!
「ギィヤアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「やった……ぜ……白蓮の、最後だ」
「つ、ついに……倒した……」
「「勝った!!」」
《Extra Stage》
「はーっ、はーっ……よ、よくも……」
がらがらがら
「なっ……!!」
「紫、幽香、レミリア、さとり、早苗……みんなを犠牲にした一撃で……倒しきれなかったっていうの!?」
「ごふっ……ぐ……ふ、ふふふ……」
「紫のいない幻想郷なんて……!!」
「やめろ ゆゆこ おまえでは あいつにきずひとつ おわせられない」
「ゆ、幽香さん……あいつを倒したら……告白するつもりだったのに……っ」
「なに、勝手に死んでるのよ……旧作での借りはまだ返してないのよ……」
「レミィ……似合わないことするから……」
「チッ、姉様のうすのろめ どうせ死ぬんなら白蓮を倒してから死ねばよかったのに!」
「い、妹様、なんてことを!」
「さ、さとり様……っ!!」
「おのれぇ! さとり様の仇ぃぃぃ!」
「やめろ、手負いでもお前らの手に負える相手じゃねぇ!!」
「さ、早苗ぇぇ……」
「おのれ……祟神としてたとえ相討ちでも……貴様を……」
「く、クク……ククク……安心、しなさい……もう、私はダメ、よ。スペルカードで超人化している間だけ動けているに過ぎない……」
――白蓮が大量の血を吐き出す。
それは明らかに、生きていることが不可能なダメージ……!
「…………」
「気をつけて。まだ何か恐ろしい力を感じるわ……」
「ぐぼっ……げふっ、く、ククク……わ、私が命蓮寺のトップだとでも思っていたの?」
「「な、なにぃ!?」」
「お前たちは知らない……お前たちはまだようやく登り始めたばかりだからな!
この果てしなく遠い命蓮寺坂をね!!」
「ど、どういうことだぜ!」
「げほっ……私を倒してしまったお前たちには、あのお方が降臨する!!
もはや誰もあのお方を止めることはできないッ! 誰にも! だれに……」
ぴっしゃーーーん!!
「ぎゃあああああああああああ!!」
「ぐぶぶぶぶ……長年貸し与えていた力、返してもらうぞ白蓮よ……」
ごごごごごご……
「だ、誰っ!?」
「我こそ命蓮寺を支配せし存在」
ごごごごごご……
「もはや貴様らには御仏の慈悲もなし!」
ぴっしゃーん!
かっ!!
――そこには唐突に、マントを身につけ、雷光を背負い顔を影にした一人の少女がいた。
「マントを取れっ、顔を見せやがれ……!!」
「油断しないで! 今までの敵とは比べ物にならないパワーよ……!」
「よかろう、冥土の土産に名乗ってやる」
ばさり
――マントの下から現れたそれは、あまりにも異形の影!!
「ふはははは!
知性はナズーリン!
恐怖度は小傘!
スピードは一輪!
パワーは水蜜!
テクニックは星!
カリスマは白蓮!
命蓮寺六人衆全ての要素を併せ持つ最強の存在!
それがこのわたし! 封獣ぬえ様だーーーッ!!!」
「なっ、なんて恐ろしい妖怪だぜ、ぬえ……あの六人の力を全て持つなんて……」
ごくり
「ケッ、上等よ……私も一つ言っておくことがあるわ。
ここにくれば一生遊んで暮らせるだけのお金があると思ったけど、そんなことはなかったわ」
「そうか」
「うぉおおおお! 行くぞォォォォ!」
「さあ来い! 霊夢! 魔理沙!」
ご愛読ありがとうございました!
星ちゃんと一輪が酷いwwww
笑ったから負けだwwww
こういう熱い展開は大大大好物です。
サクサク読めて楽しかったです。
個人的には大ちゃんかこぁか雲山に「やった初セリフ!」と言わせてほしかった
最後に行くにしたがってネタ臭が強くなってしまい。
テンポのよさよりも ネタのしつこさが際立ってしまったきがしました。
1面からじゃなくて途中から、ネタをある程度絞ってやった方がコメディ作品として純粋に楽しめたかもしれません。
予想してたのに、やっぱりわらかしてもらいました。
でも素晴らしい出来だ
これはひどいwwwww
そして打ち切りエンドwwwww
ワロチww