この話は個人の主観が入っているため。ミス、間違い、ミスなどが含まれている場合が多々あります。
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「今度はこいつらなのね・・・・・・」
やれやれ、と言葉を漏らしたのは全身ピンク色の服を着、後には吸血鬼を象徴する妖々しい翼。この辺の所では最も恐れられている悪魔で名をレミリア・スカーレットである。
「素直に殺されろ!!」
そう人間達は続ける。
もともと吸血鬼という種族は、人間の血(レミリアの場合はB型)を好み、そのために森の妖怪、時には自分が赴き血を求める。
そして、当然のごとく人民達は反旗を翻し、滅せんとばかりに攻め込んできているわけである。しかし可笑しい。
「へぇ・・・・・・」
レミリアは薄笑いをする。なぜならば
「そんな少女を盾にして言う台詞なのね・・・・・・」
笑っちゃうわ、と、後に続く。
確かに男達のは前面に出ているわけではなく、少女を筆頭とし、丁度ボーリングのピンみたいな陣形を取っている。
そして少女の姿も奇妙なものであった。
遥遠くにあるといわれる中国の服装かと思わせるようなチャイナ服。それは彼女のボディラインにあっていて、それはそれでいいのであるが違和感は拭えない。
しかし、そう考察できているほど甘くはなかった。
「行け!!」
男の号令と共に少女以外の兵士の全員、だいたい十人ぐらいがこちらへと切りかかってきた。
「フン!!」
レミリアは素早く立ち上がると一人目の男の心臓を目指す。大体はそれをねじ切るだけで終わりだ。それを守る装甲も、この館一つ崩すほどの豪腕の前では、紙よりも弱いのだから。
そして一人の男の懐に到着する。
「いい事しない?」
そう宣言すると、心臓にめがけて手をかける・・・・・・、しかし
(この感覚・・・・・・まずい!?)
とっさに手を引っ込め、また玉座へと戻る。そして男の装甲をよく見ると
(逆卍・・・・・・)
逆卍、それは全てを逆の形へと飲み込む異教の産物。
普段は闇を好むレミリアは、その逆の、光の威光によって崩れ落ちる事になる。
「下衆の小賢しい知恵も、ここまで来ると脅威だわね・・・・・・」
レミリアはう~と羽をパタパタさせる。それが何を意味するのかは分からない。
「読まれたか・・・・・・」
一番後ろにいる、恐らく隊長格の男がそう言う。恐らくは戦わず、一人犠牲にするだけで勝ちたいのであろう。
「だがひるむな。攻撃が出来ない吸血鬼は、ただのガキ。やってしまえ!!」
その宣言と共にいっせいに攻め寄ってくる。
しかし、レミリアは動かなかった。このままではやられてしまうのに。
「いま、なんて行った?・・・・・・」
レミリアはそう呟く。兵士達は異変に気がつき立ち止まる。
その顔は、恐怖、後悔、涙。様々なものが混ざったような。
「お前達人間なんてね、本当は皆殺しになんて出来るんだよ!それもわからない下衆の固まり共が!!」
レミリアは体を抱え込むと、幻覚か、はたまたマジックか、と思わせるような煙、それも真っ赤な煙を撒き散らす。
そして、煙が人間に接触すると
「が!!熱い!!痛い!ガぁがががああああがぁが!!!」
ひめいとも聞こえる声がし、鎧も、肉も血も、全てが蒸発し消え去る。
(これで終りね。あっけない)
そういって、レミリアが後を向く。
(全く、掃除をしなきゃいけないじゃない。掃除係がいればいいのにな・・・・・・)
そんなことを思っていた。しかし、背中に一つの衝撃が走る。
「うわっ!!」
先ほどの表情が嘘のような声を出すと、そのまま壁へとぶつかる。いや、めり込む。
「だれ!!」
そういって崩れたレンガを掻き分け顔を出す。そこには
「!・・・・・・・・・」
そこには先ほどの少女が片手を突き出した状態で立っていた。
「やるわね。って、それどころじゃない、あなた。人間じゃないわね」
ガラガラ、とレミリアは体を抜け出す。そして少女の顔をじっくりと観察する。
それよりもだ。あの煙を浴びて生きていられる人間など。聖職に生きる人間か、人外の者だけなのだ。すると考えられるのは人外。
「珍しいわね。人型の妖怪なんて。しかも人間側につくとは。」
「・・・・・・」
だんまりか。とレミリアは呟く。このような妖怪は珍しくない。
この世界はただどこかにある島であり、そこでは妖怪と呪術がはびこる所であった。
本来吸血鬼自体は、それを統括するために存在する。レミリアは代々の末裔である。
「まあ、さっきの下衆どもよりかはマシかもね。」
「・・・・・・」
「跪くなら今よ・・・・・・」
「・・・・・・」
当然の事ながら跪かない
「ああ、もう!!」
レミリアは崩れた玉座の辺りまで歩くと振り向き。
「どうしても、ヤルって言うんなら、名前ぐらい教えなさい、名前ぐらい」
「・・・・・・・・・・・・・・・紅 美鈴・・・」
「なんだ、喋れるじゃない」
レミリアは驚いたように手を口にやる。そしてその口が三日月のように曲がる。
「じゃあ、やりましょうか!!紅 美鈴!死の宴を!!!」
そういった刹那。レミリアは美鈴の懐にもぐりこみ、掌底を繰り出す。
それは美鈴の腹にヒットし、そのまま館の外に飛び出す。そして、レミリアも外に出て追撃を繰り出そうとする。
「吸血鬼の一撃を喰らっても生きてるなんて。やるじゃないの」
レミリアはそのまま空中で2発目の掌底を当てる。しかし、ドス、っという鈍い音はせず、パシィン、という音しかしない。受け止められた。
美鈴はそのまま受け止めた手をひねる。これには流石のレミリアも
「ああ!!」
と、痛みを訴える声を吐き出す。
しかしレミリアも、自由になった足を美鈴の足に当て。ぐら付かせたころを自分自身が捻られた方向へと回る事で腕を持っていかれるのを防ぐ。
「吸血鬼に間接をかけたのもはじめてよ」
美鈴は足を地に付け。レミリアは浮いたまま。
現時点で有利なのはレミリアである。美鈴は手と足。しかしレミリアは浮いている分、足も、手のように扱う事が出来るのだ。
今度は美鈴から。
「ハァ!!」
真正面から掌底を繰り出す。しかしそれが通じるのはせいぜい弱い妖怪のみ。レミリアはそのまま受け止めることなく下へと払い落とす。すると顔面ががら空き。
「甘いわ!!」
レミリアは拳を顔面へと繰り出す。しかしそこには顔などなかった。
美鈴は払われた瞬間に、顔ごと下へと繰り出す。すると足が必然的に上がり
「避けられ!?」
当然直線的な拳はスレンダーな足など当りもせず、そのままレミリアに踵落としを喰らわせる。
「ぃい!!」
レミリアは頭を下げる。しかしそこには美鈴の顔があった。
今度は美鈴の方向が変わり、顔を上に上げる。そこにはレミリアの顔があるので
「が!」
そのまま後頭部で頭突きをする体制になり、それは確実にレミリアを捕らえる。
「あなたをあまくみていたわ・・・・・・」
レミリアは頭突きを喰らった顔を抑える。あまりの強さだったのか、顔半分がめくれているほどであった。
美鈴は下を向いたまま何かを呟いていた。しかしレミリアには聞こえない。
そしてレミリアには別の感情が浮かんできた。久しぶりに来る、【対等に戦いたい】ということを
「これからは私と下等な妖怪じゃない。レミリア・スカーレットと、紅 美鈴として相手を願おうじゃない!!」
そういった刹那、再びレミリアは美鈴の懐に入り込み、もう一度掌底を繰り出す。しかしそれは同じ事、美鈴はそのまま顔を下にして、足を上にする。このままでは当る。しかし
「かかったわね。」
レミリアはその足を掴むと壁へと分投げる。掌底のときに喰らった衝撃の数十倍である。
流石の美鈴も
「がは!」
喀血し、そのまま崩れ落ちる。そして
「捕ったわ!」
レミリアはマウントポジションをとり、フルパワーで顔面めがけてぶん殴る。
ガァン!!と轟音が鳴り響く。すんでの所で避けれたようだが
「・・・・・・・・・」
美鈴の顔は驚きの顔を出していた。
しかしレミリアは当らなかった事を慌てず、胸倉を掴み、持ち上げる事により避ける事を防いだ。そこで一発、と思いきや、目の前の光景によって手を止めた。
「・・・・・・あなたは」
美鈴は目から一つの雫を流していた。
美鈴はさらに口を開く
「あなたは私達を何とも思っていない!!血の納入も!血の採集も!!責任は全て私達だ!!!あなたは何のためにここを統括した!私利か、私欲か!!あなたは誰にも!、何も必要とされてはいない!!」
ここで美鈴は初めて自分が涙を流していたのに気付いた。
美鈴は涙を拭く、そしてその手をそのままレミリアの顔に。
「はぁ!!」
美鈴は瞬間のレミリアの顔をよく見ていなかった。そしてそのレミリアは空中で受身を取ることなく瓦礫に崩れ落ちた。
「・・・・・・・・・」
今度はレミリアがマウントポジションを取る。レミリアは薄らと笑っていた。自嘲気味にか、蔑むようにかは分からない。
「ふざけるな!ふざけるなぁ!!」
美鈴は顔を殴り続ける。前までの無口は嘘のようであった。
レミリアはただひたすら殴り続けた。しかし、ノーダメージというわけではなかった。喀血し、ぴんと張った羽はよれていた。
美鈴は殴る手を止めた、その隙を見つけたのか、レミリアは口を開く。
「ふふ・・・馬鹿ね、私・・・は」
美鈴の手は依然上がったままである。
「本当の一族なら・・・瞬殺なのに・・・私は・・・・・・あなたを」
しかし、美鈴の手はそのまま下りる。
(私もこれまでか・・・・・・)
油断でここまで負けたのか。いや、どんなに油断していても、これより強い奴と戦った。これより深手を負った事もあった。しかし目を閉じる。安らかな眠りを祈るように。
―――――――――――――
(・・・・・・・・・)
レミリアはゆっくりと目を開ける。そこには手を自分の顔ギリギリまでそらした美鈴であった。
「・・・・・・ふふ」
面白い、面白すぎる。
レミリアは久しぶりに素で笑った。今までの戦闘から解放されたかの用に。
この一瞬で体力は元に戻った。今なら美鈴を殺せる。
しかしレミリアの手は動かずに、口が開いた。
「あなた。私を殺すぐらいなら、家に働きに行かない?」
この発言に美鈴も驚いたようだった。
「!?」
「だぁかぁらぁ!!」
先ほどの様子からは大違いな感じである。
「家で働けってこと!!そしたら、あなたは責任を感じることは無い」
美鈴の手は再び持ち上がる。
(ダメなのかな。ならこのまま・・・・・・)
レミリアは戦闘体制にはいる。いつ殴られても大丈夫なように――――――
「やっぱり」
「?」
「やっぱり・・・私には殺す事は無理ですね」
美鈴は苦笑いをしていた。
「でも!私だけじゃなく、他の妖怪も―――――――」
「その点なら任せなさい」
美鈴はきょとんとする。
「この先、私の館は移転する。それがいつかは分からなくても・・・・・・」
レミリアは起き上がり、羽と手でパタパタさせる。
「いつか、たどり着くわ!!!」
そして埃を払うと・・・
「それにはあなたも来て欲しい。あなたの腕前も、あなたの人柄も!」
何故だかレミリアは、懐かしい感覚を覚えた。
いつも外を見回ってもおびえている妖怪と敵視する人間ばかり。そこに初めて対等に。格闘と対話を出来た事に嬉しかったのかもしれない。
美鈴は迷っていた。美鈴自身もレミリア自身に対する敵意など無くなっていった。
しかし、美鈴は立ち上がり、方膝を跪く。その顔は笑顔であった。
(この人は、敵ではなかったのかもしれない)
美鈴には、だんだんこのような思考が巡ってきた。
「私、紅 美鈴は。この館に、目の前にいる末裔に、契約の元に仕えます。」
こうして、小さな島で起こった、小さな出来事は終わりを迎えた。
「あなた。なんでそんなにフレンドリーなのかしら。妖怪なくせに、人間ともつるんでいて」
「それは人型ということで妖怪と思われないから、そのまま染まってしまって」
てへ、っと美鈴は笑う。久しぶりなのだろう。この差し支えない会話というのは
「とりあえず、仕えるのであれば。仕事はしてもらうわ」
仕事。レミリアは掃除をしてもらおうと思っていた、この悲惨な残骸。埃。どうにかしてもらいたくてしょうがなかった。
「あなたには、ここの掃除をしてもらうわ。隅々まで綺麗に」
「わかりました」
美鈴は敬礼をする。戦闘をしていない美鈴はこんなにもか。とレミリアは呆れる。おもしろくない。すべてが上手く行き過ぎているから。
「やっぱやめた。あなたには門番をしてもらうわ」
「え!!?」
美鈴は驚愕した。自分で言ったことを自分で覆すなんて。
「ほら。掃除の人は今度探すから。あなたはさっさと行きなさい」
「はい・・・・・・」
美鈴はとぼとぼとあるき、止まる。
「営業時間は・・・」
「朝から夜まで」
「ご飯は・・・」
「人肉?妖肉?それとも血?」
「人間が食べるようなので・・・・・・」
そしてまたとぼとぼ歩き出す。そしてまた止まる。
「食糧の補給は・・・」
「もちろん自分で」
「はい・・・」
美鈴は出口へと歩き出した。野菜などの食糧をそろえに。
(はあ、厄介な所についたかもな)
そう自嘲気味に思う。しかし時はもう遅い。そこで自分は決意する。
(たとえ私の感情が消え去っても・・・・・・)
ここの館。主だけは守ろうと。そして
(館のイメージアップ!を)
そう思い。まずは食糧の調達と、妖精を見つけるために歩き進んだ。
レミリアは外を歩いている美鈴をみて、そっと呟く。
「ようこそ、【紅館】へ・・・・・・」
この館に名前など無い。今つけたのだった。一匹狼の吸血鬼の初めての従者。紅 美鈴の紅の字をとって。
>吸血鬼に間接をかけたのも
>ぐら付かせたころを
>方膝を跪く
それとpert。ぱっと見ただけで誤字がこれだけ。後は簡単な漢字が開かれているのに、一方では常用外の漢字が使われているのに違和感が。
流石に見直ししないのは色々と読者に失礼では……誤字があるのはやむを得ませんが、減らす努力を放棄ってのは。
あと「喀血」って普通は咳の描写と共に使うのではないかと。「がは!」みたいなうめき声を出せる状況なら「吐血」が普通です。咳をしながらうめき声が出ますか?
美鈴は顔を殴り続ける。前までの無口は嘘のようであった。
レミリアはただひたすら殴り続けた。
美鈴は殴る手を止めた、
いずれか二つがミスでしょうか。
戦闘中心にしても、人物の行動などが少し大味に感じられてしまいました。
続くようなので一旦フリーレスで失礼します。