※この作品は、上海アリス幻樂団様の音楽CD「夢違科学世紀」
のブックレットを読んでからでないと、楽しみが薄れるかもしれません。
申し訳ありません。
――蓮子がメリーの目を覚まさせると決断した後、
蓮子とメリーは、サークル活動で幻想郷に行った。
メリーの能力が、見る→操る、となったものの、安定していなかったたため、
千数百年前の、まだ幻想郷と、外の世界の境界が無かった頃の幻想郷に着いた。
最初は楽しんでいたのだが、妖怪(藍)に襲われ、蓮子は死を覚悟した。
だが、メリーの咄嗟の判断で、蓮子はスキマを通じて別世界
(メリーがそう考えただけで、実は幻想郷の人里)に移動した。
メリーは、自分がしたことを悔やみ、藍に対する恐れと怨みから、
藍と戦い、勝利する。
藍は恐怖と尊敬により、メリーの式になった。
このとき、メリーは、日本の過去を美化して幻想の日本を描いた、
小泉八雲という人物が居たという事を思い出した。
メリーは蓮子を異世界に飛ばし、殺したかもしれないと思ったため、
マエリベリー・ハーンを捨て、八雲紫と名乗るようになった。
この時、メリーは自己嫌悪という言葉の意味を痛感した。
少し時が流れれば、紫の中の何かが壊れて、"妖怪"となった。
嫌悪をはなおも続き、外の世界から、
この場所を隔離することにした。(博麗大結界による幻想郷の確立)
そして、後に考案したのが、誰も死ぬことの無いスペルカードルールである。
かなりの年数が経過。幻想郷に完全に馴染んでもなお、
紫は、藍に仕事を押し付け、昼間は蓮子を探していた。
長い長い冬の後、紫は、霊夢が幽々子を倒したという噂を聞き、博麗神社に行った。
だが、霊夢は留守で、中に入ると棚の上に、霊夢の家系図があった。
紫は、何故かそれが気になり、見てみた。
そこにあったのは、蓮子の名前。
蓮子は、霊夢の先祖であったことを知る。
紫は安堵して、涙を流す。
そして、毎日昼には過去の幻想郷に行き、蓮子を探す。
だが、見つからない。どうしても。(そのとき、蓮子もメリーを探し回っていた)
夜になり、現在の幻想郷に戻り、藍が霊夢に勝負を挑まれ、負けたことを知る。
後に、勝手に戦ったことを厳しく叱る。それは、蓮子≒霊夢であったから。
蓮子の二の舞にしたくは無かったから。
勿論、スペルカードルールが存在する以上、
死ぬ事はまず無いだろう。だが、万が一があるので、
紫は藍に対し、このような行動をとった。
ちなみに、蓮子と霊夢の関係は藍には教えていない。
夜、霊夢が登場。蓮子と重ねて、昔を思い出す。
気づけば、自己嫌悪もすこしは治まった。
せっかくだから、これからも霊夢を色々な面でサポートすることに決めた。
少し経って、蓮子が"あの"後何も無く、
幸せに生き、幸せに死んでいったことを知ったため、
紫は、"過去に戻り、蓮子と生きる。"という今までの願いを棄て、
死という理を受け入れることにした。
霊夢に(わざと)負けた後、冥界に幽々子に会いに行ったとき、
一匹の、何故か懐かしさを感じさせる幽霊を見つけた。
その幽霊は、"ある"ことを紫に告げた。
もちろん、幽霊は話すことが出来ないため、
紫が妄想しただけかも知れない……。
――紫は、一瞬笑顔を見せ、冥界を去った。
後日、再び冥界を訪れたとき、
白玉楼で、とある紙を見つけた。
それは、転生する幽霊のリストだった。
紫は、一心不乱にそのリストに眼を走らせた。
――時は流れ、およそ20年経った。
妖怪の基準で考えるならば、とても短い。だが、この20年、
紫は毎日昼になると、人里を観察していた。人間にとっての20年は、長く、
大きな変化をもたらす。ということを紫は再認識した。
"メリーとして生きたのも、これ位の長さだったかな。"
と、紫は考える。
幻想郷は、何も変わっていなかった。
ただ人間が生まれたり、成長したり、働いたり、
老後を楽しんだり、死んでいったりしただけ。
紫は、昔誰かに教えてもらったことを思い出す。
"人間は、転生の前と後で、姿形は異なる。記憶も受け継ぐことは出来ない。"
紫は、山からの風に背中を押されて、人里へ降り立った。
阿求の幻想郷縁起に、紫の対応策として、紳士的に接する。
と、あったが、皆、紫を避ける。まぁ、あたりまえのことだけど。
人という人が紫の視界から消えた。
だが、一人の人間が紫を、じっと見つめていた。
お互い、懐かしいものを見る目で、しばらく立ち止まっていた。
紫は、人間の横を素通りしようとした。
こんなにも胸が苦しくなるのは、初めてだった。
紫の感情が爆発しそうになったとき、
人間は紫に話しかけた。
「メリー」
紫は驚いた。自分の耳を疑った。
空耳だろう。そう自分に言い聞かせた。
黙って、振り返らずに、歩き続けようとした。
だけど、足が動かない。どうしても、前に進めない。
「メリー。あなたメリーでしょ?まったく。私を無視するなんて酷いのね。」
メリーは振り返った、今までの記憶が全て思い出され……空高く、消えた。
その眼には、涙があふれていた。
メリーは、震えながら、言葉にならない言葉を蓮子に渡した。
「蓮子……ごめんなさい………もう…あなたとは………」
メリーは蓮子に、感情をぶつける様に抱きついた。
ふと、顔を上げると、蓮子も、泣いていた。
この日、幻想郷から"妖怪"と呼ばれる存在が、一つ、消えた。
それに代わるかの様に"人間"が一人増えた。
全ては、千年以上の時を越え、元に戻った。
――絶対に、もうあなたとは離れない。それが当然でしょう?
私たちは秘封倶楽部。
早速、別の世界に飛び込むわよ!蓮子!
は?訳わかんね
状態です。
アイディア自体は悪くないかと。ただ、小説としての体をなしていません。
長編として書き直したらかなり変わる気もするが後書きでの「無駄なことはしたくない」と言わんばかりの逃げの姿勢も微妙。
今回みたいに発想の良い話だと勿体無いです。
後から長編に書き直しても読む気になりません、少なくとも僕は。
キツイ言い方になりましたが、後書きで自分の作品を貶しているのが読者としては、何より許せません。
読み手の反応を窺う前に、自分の作品への姿勢を考え直しては?
改めて作品として完成されないと、これでは評価以前の話です。
評価が悪いとかでは無くて、しっかり書き上げて再び投稿されることを願います。
点を付けるならその時に。
上下構成か上中下構成までできるはずのネタです
できたら改めてどうぞ