.
日光がほどよく氷精を撃墜する夏の日の昼、
紅魔館の門前では門番こと美鈴が地面に大の字を描いていた。
「くー……すかー……ぴー……」
シェスタである、邪魔してはいけない。
「ふむ、さすがの手応えよの」
であるからして、起こさないようにゆっくりと、
そして確実にその大きな塊を揉むべし、揉むべし。
「ほっほっほ、さて、そろそろ先端を……」
「ホアタッ!!」
「ふぐっ!!」
もし気づかれてしまえば蹴られて気絶です、
皆さんもよくご注意して揉んでみていただきたい。
「というわけで不審者だと思って捕まえたんですけど……」
紅魔館の三階最奥、レミリアお嬢様がふんぞり返る部屋の中央に正座させられたその不審者、
それを取り囲むは紅魔館の顔役全員である、きっと暇なのだろう。
「あなた、妖夢よね? 一体何の用なのかしら?」
白髪のおかっぱ頭、携えた半霊、どこからどう見ても冥界の人斬り魔である、
少なくともこの場に揃った全員はそう思っていた。
「いや、妖夢はわしの孫じゃが?」
それはまさに達人がごとく、見事な切り返しであった。
『……孫?』
「わしは魂魄妖忌、魂魄妖夢の師であり祖父でもある」
よくよく見れば違っていた、下半身は足首まで隠す袴であり、
頭にも髪留めといったものはない。
「えーと、つまり、私の胸を揉んだのは妖夢さんではなく……」
「うむ、わしじゃ!」
ただし、それ以外妖夢と見分けられる点は無いということでもある。
「咲夜さんやめて! それ以上やったら死んでしまいます!」
「どいて美鈴! そいつ殺せない!」
美鈴ならぬ咲夜の怒りによって半半半死半生、女子の怒りは恐ろしき。
「私ならもう気にしてませんから、ねっ」
「ふぅー……ごめんなさいね、何とか落ち着いたわ」
「そうかそうか、じゃがガーターベルトとパンツの色は合わせるべきじゃぞ?」
妖忌はめくっていた、何かと言われれば、咲夜のスカートをである。
「きゃあっ!!」
「おお、いい声じゃの」
「い、いつの間に咲夜さんの後ろに!?」
「瞬歩じゃよ」
「ひゃっ!?」
それは一瞬の出来事だった、目の前で咲夜のスカートをめくりあげていた妖忌が、
いつの間にか美鈴の後方に回り込み、その尻を撫で回していたのだ。
「あっ、ちょっ、駄目ですぅ……!」
「ふぅむ、胸といい、尻といい、腰の締まり具合といい……最高じゃ」
「いい加減にしなさい」
「むっ!?」
妖忌の背後から伝わってくる強大な覇気、
その突然のことに瞬歩で距離をとるが、その元を視界に捉えることができない。
「そっちが瞬歩なら、こっちは響転よ」
「……おぬし、只者ではないな」
飛びのいたはずの妖忌と背中合わせになりながら、レミリアは不敵に微笑む。
「さすがはお嬢様!」
「そこに痺れる憧れるぅ!」
満面の笑みを浮かべながら妖忌をロープでぐるぐる巻きにする従者達、
縛り上げている間に蹴ったり殴ったりとやりたい放題である。
「さて妖忌とやら、この館で狼藉を働いた罪は重いぞ」
「まぁ待て待て、ここは一つ示談といこうではないか」
「ほう? 私に何を捧げるというのだ?
「これじゃ」
いつの間にか拘束を解いていた妖忌は懐から一冊の本を取り出し差し出した。
「えーと、居茶居茶桃魔館?」
「わしが書いた小説の初版、当然サイン入りじゃ、今ではプレミアとやらがついておる」
「わかった……これごと消し炭になりたいようだな!」
「そこまでよ!!」
怒りに震えるレミリアを止めたのは以外にもパチュリーであった、
彼女はレミリアの手から本をとると、わなわなと震え始める。
「あなた……まさか、居茶居茶シリーズの執筆者のよーきん先生!?」
「如何にも!」
「知っているのかパチュリー!」
「その出す小説はことごとくが十万部のベストセラー、
前衛的な文章で繰り出される官能小説はまさに至高、
突如彗星のごとく現れた彼は正体不明のまま神と崇められ……」
「うん、なんとなく分かったわ、つまりすごい人ってことね」
「違うわ! 偉大な方よ!」
パチュリーはその目を見開いてレミリアへと訴える、
多分本が好きすぎる彼女にとってはそれほどにすごい人物なのだろう。
「それでよーきん先生、今日は紅魔館に何の御用でこられたのですか?」
「うむ……実はの、居茶居茶桃魔館その二を書くために取材に来たのじゃよ」
「いやっほぉーーーーうげはっ!!」
「パチュリィー!?」
パチュリーは息絶えた、しかしその顔は安らかであったという。
「というわけでその本をやるから取材させてくれんかのぅ?」
「……ちょっと待て」
「なんじゃ?」
「その二で取材がいるということは、その一……つまりこの本も、紅魔館を基にしたということか?」
「うむ!」
少し背中にひやりとした物を感じたレミリアは、その本を開いてみた。
「どれ……」
そしてレミリアは、本を読むときは必ず声に出して読むという特徴を持っていた。
―――
「白夜さん……あなたの紅砲、もうこんなにも猛虎内剄……」
「やめて美蘭! そんなにミスディレクションされたらザ・ワールドしちゃう……!」
「ふふ、かわいい……見てください、破山砲が今にも彩光風鈴しそうですよ?」
「い、言わないで! あ、ああっ……殺人、ドール……!」
「あはっ、すごい……こんなにも烈虹真拳だなんて……ふふ、もっと大鵬拳しちゃいますね」
「やぁっ、らめぇっ! もうパワーディレクションしないでぇ! 出ちゃう、れちゃうのぉー!!」
「何が出るんです? 華光玉? 星脈弾? ほらほら、我慢しなくていいんですよ?」
「あんっ! も、我慢できなっ……え、エタァナルミークゥー!!」
―――
「ほぁぁぁぁー!! ほっ! ほっ! ほぁーーーー!!」
「どうでしたか白夜さん、ご満ぞ……ほぎゃー!!」
「うわぁぁぁぁん!! お嬢様を殺して私も死ぬー!!」
「落ち着いて! 落ち着きなさい白夜! じゃなくて咲夜! 美鈴も咲夜を止めてー!!」
「私の名前は中国アルよ、美蘭とか知らないアル」
「現実逃避するなぁー!!」
暴れまわる咲夜とどこか遠い世界に行った美鈴、
ひとまず不夜城レッドで吹き飛ばして事なきを得る。
「はぁはぁ……あんたねぇ、何とんでもないもの書いてるのよ!」
「お気に召さなかったかの?」
「もっとやれ!!」
「うむ、理解していただけて何よりじゃ」
レミリアと妖忌は強く握手を交わした、二人はまさしく友だった。
「で、取材だけど……誰を取材するの?」
「うむ、この館に美人の吸血鬼姉妹がおると聞いての、ぜひ会いたいのじゃが……」
「……吸血鬼姉妹?」
「うむ、きっと絶世の美女なのじゃろうな……考えただけで心が躍るわい」
「ねぇ……あなた、私の背中にある物が見えてないの?」
妖忌は言われ、レミリアの背にあるものをじっと見つめる。
「……娘さんかの?」
「その吸血鬼姉妹の姉よ!」
「何じゃと!?」
驚愕の表情を浮かべ、妖忌はレミリアを上から下まで何度も見渡す、
その後、全てを悟ったような表情を浮かべて膝から崩れ落ちた。
「なんと酷き現世よ……!」
「そこまで落ち込まれるとなんか腹が立ってくるわ」
「お主にわしの気持ちが分かるか! 純白の肌! スレンダーな体系!
幼さの残る顔に似合わず女王様な性格と聞いてわくわくしていたわしの気持ちがー!!」
「逆切れするなぁー!!」
妖忌はよほど悔しかったのか、その場で四つんばいになっておいおいと泣いた、
レミリアとしてはあまりにも複雑な胸中である。
「うう……こうなれば、妹の方にかけるのみよ!」
「あー、地下室にいるから適当に遊んであげて」
「取材協力感謝する! ではさらばじゃ!」
そして爺は去った、後に残されたのは吹っ飛んだメイド長と、
興奮して倒れた友と、現実から逃げた門番だけ。
「……まぁ、これが手に入っただけでもよしとしようかしら」
居茶居茶桃魔館、その一冊の本を眺めながら、レミリアは少しだけ嬉しそうに微笑んだ。
「お姉様! 一緒にノーパン健康法しようよー!」
「あの爺フランに一体何を吹き込んだぁぁぁー!!!」
――続く!――
.
日光がほどよく氷精を撃墜する夏の日の昼、
紅魔館の門前では門番こと美鈴が地面に大の字を描いていた。
「くー……すかー……ぴー……」
シェスタである、邪魔してはいけない。
「ふむ、さすがの手応えよの」
であるからして、起こさないようにゆっくりと、
そして確実にその大きな塊を揉むべし、揉むべし。
「ほっほっほ、さて、そろそろ先端を……」
「ホアタッ!!」
「ふぐっ!!」
もし気づかれてしまえば蹴られて気絶です、
皆さんもよくご注意して揉んでみていただきたい。
「というわけで不審者だと思って捕まえたんですけど……」
紅魔館の三階最奥、レミリアお嬢様がふんぞり返る部屋の中央に正座させられたその不審者、
それを取り囲むは紅魔館の顔役全員である、きっと暇なのだろう。
「あなた、妖夢よね? 一体何の用なのかしら?」
白髪のおかっぱ頭、携えた半霊、どこからどう見ても冥界の人斬り魔である、
少なくともこの場に揃った全員はそう思っていた。
「いや、妖夢はわしの孫じゃが?」
それはまさに達人がごとく、見事な切り返しであった。
『……孫?』
「わしは魂魄妖忌、魂魄妖夢の師であり祖父でもある」
よくよく見れば違っていた、下半身は足首まで隠す袴であり、
頭にも髪留めといったものはない。
「えーと、つまり、私の胸を揉んだのは妖夢さんではなく……」
「うむ、わしじゃ!」
ただし、それ以外妖夢と見分けられる点は無いということでもある。
「咲夜さんやめて! それ以上やったら死んでしまいます!」
「どいて美鈴! そいつ殺せない!」
美鈴ならぬ咲夜の怒りによって半半半死半生、女子の怒りは恐ろしき。
「私ならもう気にしてませんから、ねっ」
「ふぅー……ごめんなさいね、何とか落ち着いたわ」
「そうかそうか、じゃがガーターベルトとパンツの色は合わせるべきじゃぞ?」
妖忌はめくっていた、何かと言われれば、咲夜のスカートをである。
「きゃあっ!!」
「おお、いい声じゃの」
「い、いつの間に咲夜さんの後ろに!?」
「瞬歩じゃよ」
「ひゃっ!?」
それは一瞬の出来事だった、目の前で咲夜のスカートをめくりあげていた妖忌が、
いつの間にか美鈴の後方に回り込み、その尻を撫で回していたのだ。
「あっ、ちょっ、駄目ですぅ……!」
「ふぅむ、胸といい、尻といい、腰の締まり具合といい……最高じゃ」
「いい加減にしなさい」
「むっ!?」
妖忌の背後から伝わってくる強大な覇気、
その突然のことに瞬歩で距離をとるが、その元を視界に捉えることができない。
「そっちが瞬歩なら、こっちは響転よ」
「……おぬし、只者ではないな」
飛びのいたはずの妖忌と背中合わせになりながら、レミリアは不敵に微笑む。
「さすがはお嬢様!」
「そこに痺れる憧れるぅ!」
満面の笑みを浮かべながら妖忌をロープでぐるぐる巻きにする従者達、
縛り上げている間に蹴ったり殴ったりとやりたい放題である。
「さて妖忌とやら、この館で狼藉を働いた罪は重いぞ」
「まぁ待て待て、ここは一つ示談といこうではないか」
「ほう? 私に何を捧げるというのだ?
「これじゃ」
いつの間にか拘束を解いていた妖忌は懐から一冊の本を取り出し差し出した。
「えーと、居茶居茶桃魔館?」
「わしが書いた小説の初版、当然サイン入りじゃ、今ではプレミアとやらがついておる」
「わかった……これごと消し炭になりたいようだな!」
「そこまでよ!!」
怒りに震えるレミリアを止めたのは以外にもパチュリーであった、
彼女はレミリアの手から本をとると、わなわなと震え始める。
「あなた……まさか、居茶居茶シリーズの執筆者のよーきん先生!?」
「如何にも!」
「知っているのかパチュリー!」
「その出す小説はことごとくが十万部のベストセラー、
前衛的な文章で繰り出される官能小説はまさに至高、
突如彗星のごとく現れた彼は正体不明のまま神と崇められ……」
「うん、なんとなく分かったわ、つまりすごい人ってことね」
「違うわ! 偉大な方よ!」
パチュリーはその目を見開いてレミリアへと訴える、
多分本が好きすぎる彼女にとってはそれほどにすごい人物なのだろう。
「それでよーきん先生、今日は紅魔館に何の御用でこられたのですか?」
「うむ……実はの、居茶居茶桃魔館その二を書くために取材に来たのじゃよ」
「いやっほぉーーーーうげはっ!!」
「パチュリィー!?」
パチュリーは息絶えた、しかしその顔は安らかであったという。
「というわけでその本をやるから取材させてくれんかのぅ?」
「……ちょっと待て」
「なんじゃ?」
「その二で取材がいるということは、その一……つまりこの本も、紅魔館を基にしたということか?」
「うむ!」
少し背中にひやりとした物を感じたレミリアは、その本を開いてみた。
「どれ……」
そしてレミリアは、本を読むときは必ず声に出して読むという特徴を持っていた。
―――
「白夜さん……あなたの紅砲、もうこんなにも猛虎内剄……」
「やめて美蘭! そんなにミスディレクションされたらザ・ワールドしちゃう……!」
「ふふ、かわいい……見てください、破山砲が今にも彩光風鈴しそうですよ?」
「い、言わないで! あ、ああっ……殺人、ドール……!」
「あはっ、すごい……こんなにも烈虹真拳だなんて……ふふ、もっと大鵬拳しちゃいますね」
「やぁっ、らめぇっ! もうパワーディレクションしないでぇ! 出ちゃう、れちゃうのぉー!!」
「何が出るんです? 華光玉? 星脈弾? ほらほら、我慢しなくていいんですよ?」
「あんっ! も、我慢できなっ……え、エタァナルミークゥー!!」
―――
「ほぁぁぁぁー!! ほっ! ほっ! ほぁーーーー!!」
「どうでしたか白夜さん、ご満ぞ……ほぎゃー!!」
「うわぁぁぁぁん!! お嬢様を殺して私も死ぬー!!」
「落ち着いて! 落ち着きなさい白夜! じゃなくて咲夜! 美鈴も咲夜を止めてー!!」
「私の名前は中国アルよ、美蘭とか知らないアル」
「現実逃避するなぁー!!」
暴れまわる咲夜とどこか遠い世界に行った美鈴、
ひとまず不夜城レッドで吹き飛ばして事なきを得る。
「はぁはぁ……あんたねぇ、何とんでもないもの書いてるのよ!」
「お気に召さなかったかの?」
「もっとやれ!!」
「うむ、理解していただけて何よりじゃ」
レミリアと妖忌は強く握手を交わした、二人はまさしく友だった。
「で、取材だけど……誰を取材するの?」
「うむ、この館に美人の吸血鬼姉妹がおると聞いての、ぜひ会いたいのじゃが……」
「……吸血鬼姉妹?」
「うむ、きっと絶世の美女なのじゃろうな……考えただけで心が躍るわい」
「ねぇ……あなた、私の背中にある物が見えてないの?」
妖忌は言われ、レミリアの背にあるものをじっと見つめる。
「……娘さんかの?」
「その吸血鬼姉妹の姉よ!」
「何じゃと!?」
驚愕の表情を浮かべ、妖忌はレミリアを上から下まで何度も見渡す、
その後、全てを悟ったような表情を浮かべて膝から崩れ落ちた。
「なんと酷き現世よ……!」
「そこまで落ち込まれるとなんか腹が立ってくるわ」
「お主にわしの気持ちが分かるか! 純白の肌! スレンダーな体系!
幼さの残る顔に似合わず女王様な性格と聞いてわくわくしていたわしの気持ちがー!!」
「逆切れするなぁー!!」
妖忌はよほど悔しかったのか、その場で四つんばいになっておいおいと泣いた、
レミリアとしてはあまりにも複雑な胸中である。
「うう……こうなれば、妹の方にかけるのみよ!」
「あー、地下室にいるから適当に遊んであげて」
「取材協力感謝する! ではさらばじゃ!」
そして爺は去った、後に残されたのは吹っ飛んだメイド長と、
興奮して倒れた友と、現実から逃げた門番だけ。
「……まぁ、これが手に入っただけでもよしとしようかしら」
居茶居茶桃魔館、その一冊の本を眺めながら、レミリアは少しだけ嬉しそうに微笑んだ。
「お姉様! 一緒にノーパン健康法しようよー!」
「あの爺フランに一体何を吹き込んだぁぁぁー!!!」
――続く!――
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それじゃあ、ちょっくら昼時の紅間館に言ってきますか。
妖夢と同じ外見でもおかしくはない。
いやでも男……だよな?
待ってたぜ!続きはまだか!
下ネタじゃねぇですか。
ああでもその前に居茶居茶桃魔館二を執筆してね
咲夜さんの「きゃあっ!!」も不意打ちで可愛かった。
なんか好きだぜこの空気。続け!
なんぞこれww
妖忌は男の娘ってことですね分かります