長月。もう風が涼しくなってくる季節である。
ここ、妖怪の山でも、秋の足音はすぐそこまでやってきていた。
ばたばたばた
「お姉ちゃん、もうすぐ来るよ!」
「そうね、やっと私たちの出番ね!」
ばたばたばた
いや、本当に足音が聞こえるわけではないのだが。
「さて、もうそろそろ紅葉の季節ですね」
「え、あ、そうですね」
椛はピクっと耳を動かしてそう返事をした。
若干緊張している。
何の気まぐれか、射命丸文が哨戒に付き合ってきているのだ。
ここ数年はそんなことが増えていた。
「紅葉といってもあなたのことではないですが」
「あはは、こんな名前ですからもう慣れましたよ」
実際椛は紅葉に引っ掛けて呼ばれることには慣れていた。
秋の代表である風流と同じと思えば誇らしいものである。
「しかし」
ふう、と憂いのある切なげな顔で文が呟く。
「私は、紅葉が大好きなんですよねえ」
ドキ、と椛は心臓が跳ねるのを感じた。
自分のことではない、と断られていても、文のような美人顔が呟くと、深読みをしてしまいそうになる。
「今年は冷夏ですから、色づくのも早いかもしれません」
「ええ、もうこんなに空気が冷たいです」
椛はひらひらと手を振って大気をかき乱す。
若干照れ隠しがあったのは否定できないだろう。
「色づいた紅葉はいいですよ。
何も知らない緑の葉が大人になって赤く染められていく。
ちょっと背徳的な感じがしませんか?」
ね、と潤んだ目で文は椛に同意を求めてくる。
椛は、ええまあ、ともごもご口を動かすのがやっとだ。
「知っていますか?紅葉は食べることも出来るんですよ」
そっと、文に手を握られる。
強大な力をこめているはずの、しかしどこまでも柔らかな手。
椛は先ほど風で冷やした手が芯から熱を持ってくるのを感じていた。
「一年塩漬けにしてゆっくり熟成させた後に揚げるんです。
ふふ、せっかく目覚めた紅葉に一年も手を出せないのは口惜しいですが、
それもやっぱり美味しく頂くためですからね」
もう椛は、頭がまわっていない。
気が付くと、文が方向転換をして目の前に立っていた。
「さて、私が椛と行動するようになってもう二年ですが、
もみじはちゃんと熟成されましたか?」
椛は手を耳の後ろに這わされて、ぞくぞくっと背筋が震えるのを感じた。
「な、んの、おはなしか、わかりません」
「んふ、ひどいですね。私、最初に言ったでしょう?」
もみじ、だいすきですって。
ここ、妖怪の山でも、秋の足音はすぐそこまでやってきていた。
ばたばたばた
「お姉ちゃん、もうすぐ来るよ!」
「そうね、やっと私たちの出番ね!」
ばたばたばた
いや、本当に足音が聞こえるわけではないのだが。
「さて、もうそろそろ紅葉の季節ですね」
「え、あ、そうですね」
椛はピクっと耳を動かしてそう返事をした。
若干緊張している。
何の気まぐれか、射命丸文が哨戒に付き合ってきているのだ。
ここ数年はそんなことが増えていた。
「紅葉といってもあなたのことではないですが」
「あはは、こんな名前ですからもう慣れましたよ」
実際椛は紅葉に引っ掛けて呼ばれることには慣れていた。
秋の代表である風流と同じと思えば誇らしいものである。
「しかし」
ふう、と憂いのある切なげな顔で文が呟く。
「私は、紅葉が大好きなんですよねえ」
ドキ、と椛は心臓が跳ねるのを感じた。
自分のことではない、と断られていても、文のような美人顔が呟くと、深読みをしてしまいそうになる。
「今年は冷夏ですから、色づくのも早いかもしれません」
「ええ、もうこんなに空気が冷たいです」
椛はひらひらと手を振って大気をかき乱す。
若干照れ隠しがあったのは否定できないだろう。
「色づいた紅葉はいいですよ。
何も知らない緑の葉が大人になって赤く染められていく。
ちょっと背徳的な感じがしませんか?」
ね、と潤んだ目で文は椛に同意を求めてくる。
椛は、ええまあ、ともごもご口を動かすのがやっとだ。
「知っていますか?紅葉は食べることも出来るんですよ」
そっと、文に手を握られる。
強大な力をこめているはずの、しかしどこまでも柔らかな手。
椛は先ほど風で冷やした手が芯から熱を持ってくるのを感じていた。
「一年塩漬けにしてゆっくり熟成させた後に揚げるんです。
ふふ、せっかく目覚めた紅葉に一年も手を出せないのは口惜しいですが、
それもやっぱり美味しく頂くためですからね」
もう椛は、頭がまわっていない。
気が付くと、文が方向転換をして目の前に立っていた。
「さて、私が椛と行動するようになってもう二年ですが、
もみじはちゃんと熟成されましたか?」
椛は手を耳の後ろに這わされて、ぞくぞくっと背筋が震えるのを感じた。
「な、んの、おはなしか、わかりません」
「んふ、ひどいですね。私、最初に言ったでしょう?」
もみじ、だいすきですって。
貴殿としては伏線なしのストレートかと思ったらちゃんと仕込んでましたねぇw
ああ、しかしこの文は良い女だ。
●もみじもみもみ
ならばさらに……200万と1円で!
なら200万と50円で。
俺は250万出す。
とても椛が可愛い
なので私はさらに倍だ。500万だそう。
この和み空間、もっと長く読んでもみたかったです。
椛まくら
ころしてでもうばいとる
良く見やがれ! そいつはアイスソードだぜ!
椛まくらは俺がいただいた!
いざ、戦場へ
どうしてくれるニヤニヤしすぎで怪しまれたぞ
ならば555万だ! もみもみ枕
文の妖しさにたぶらかされるもみじ。