一度読み終えてからもう一度読むのがいいと思う。
時間のある人は是非。
ちゅういがき。
レミリアが何の事を言ってるのか考えながら読んでみよう!
以下本編
「ふふ、咲夜」
「どうなさいましたかお嬢様」
深夜の紅魔館。深夜とて主は吸血鬼。今こそ彼女の時間であれば当然従者の時間もこれからである。
今日は(時間的には昨日)ぐっすり眠っていたから目が覚めたのはたった今0時を回った正にそんな時間である。そのまま顔を上げれば満天の星空。美しく瞬く、紅の月。
「この状況を簡潔に説明しなさい、咲夜」
「はい。夜空の星も月も、お嬢様に畏怖し、敬意を払っているのでしょう」
「駄メイドは帰れ」
「お嬢様!?」
こうして咲夜は蹴っ飛ばされて地面に転がった。
「よし、よく来たな美鈴」
「は、はい」
咲夜よりか幾分緊張が見える。それもその筈、美鈴は普段から主であるレミリアと顔を合わせるような仕事をしている訳ではない。
そして顔を普段会わせない妖怪が吸血鬼のように強大な力を眼前にすればそれは緊張の一つや二つ、してもらわねばレミリアとて困る。
「美鈴。お前に尋ねよう」
「はい」
しかし美鈴もレミリアに認められる妖怪。レミリアの言葉に己から恐怖を一掃して、主に目を向ける。
「私は普段通りに眠って、そして目を覚ましたらこんなに素晴らしい星空が私を包んでいた。この状況を簡潔に説明しなさい」
「おそらく、ですが」
一拍置いて、美鈴は言った。
「お嬢様が偉大であるが故に、夜空もその力にあてられてあのような魔性の輝きを放っているのでしょう」
「アホ門番に用はない」
こうして、美鈴も母なる大地にキスをする。
「パチェ」
「話は聞いたわ」
「そう。流石ね。話が早いわ」
次に声をかけられたたのは主レミリアの友人、パチュリー・ノーレッジ。
魔女である彼女は普段図書館から動く事は滅多にない。そんな彼女が呼ばれただけでレミリアの居る所まで来た、というだけでこの二人の友情が深い事を伺わせる。
「さぁ、どういう事なのか手短に説明して?」
いつも通り、この友人ならば正しい、求める答えを出してくれるだろう。
100年来の付き合いは伊達じゃない。
「私は読みたい本を読んでいた、という事ね」
「帰れ」
筈だったのに友情は脆くて弱かった。レミリアはちょっと涙が出た。
こうしてパチュリーは本のある方へと転がっていった。
「あ……ああああああの!私何か粗相を…?」
ついでに引っ張ってきたパチュリーの使い魔、通称小悪魔にレミリアは尋ねる。
「なぁ小悪魔よ」
「は、はい!」
「紅魔館は実はメイドも門番も魔女もみんな馬鹿だった。お前は違うと期待しても良いか?」
「は、はい!わ、私に出来る事であれば何でも致します!!」
「ふふ、ありがとう」
逆に怖い。あのレミリアが誰かに「ありがとう」って。
小悪魔は必死で震えを隠す。
「これは怖いんじゃない怖くない武者震い武者震い」
「私は昨日、よーく眠ってさっき起きた」
「は、はい」
「そして、目を覚ますと……」
「こんなだった、と」
「分かるか」
「はい!」
レミリアの口元が、険しかった口元がふっと緩む。
「お前の給料を上げてやる。それに休暇もパチェに増やさせよう」
「あ、ありがとうございます!流石はお嬢様!この夜空すら従えるだけの事はありますね!寝て起きるだけで紅の月を呼び起こすなんて!」
「うん、帰れ。ついでに前言撤回だ。給料は減らす。パチェに地獄労働増やすように頼む」
「何故ですkおぶううううう!」
全てを言わせず、顔面に足をめり込ませる。飛んでいく小悪魔は障害一つない大空に消えた。
「フラン。頼みの綱は貴女だけ」
「お姉様。頼みをしたければ頭を下げて?」
………
空気が凍った。緊迫、威圧。
正に冷戦。最強最悪の姉妹喧嘩一歩手前。
空気を和やかに壊す存在を誰もが渇望する。
「小悪魔、ただ今帰還しました!」
早いな。
そんなみんなからの良い笑顔を浴びながら、小悪魔は地雷に気がついたのだった。
数分後、姉妹喧嘩を姉が力任せの(本人曰く、誇りの)勝利を収め、小悪魔はパチュリーに治療魔法陣に放り込まれている。
「フラン……」
「ちっ……」
「話は……聞いてたわね……?」
「ええ当然」
「なら答えなさい!これはどういう事!?」
「ふん!何さみんなして!この紅い月はお姉様にじゃない!この私に畏怖して敬意を払って現れたに決まってるでしょ!!」
れみりあ☆きっく(通常の10倍
「流石……お姉様……がく」
「倒れる効果音まで口で済ませるとは…我が妹ながら恐ろしい奴よ…」
でも。
でもね。違うのよ。
「どいつもこいつも!もう一度だけ言うわよ!?よく聞きなさい!
『私はいつものように私の部屋で眠りについた!!そして目を覚ましたら眼前に広がっていたのはこの星空!!』
これで十分でしょう!?コラお前ら!!答えろ!」
「お、お嬢様、落ちついて!落ち着かないと見える物も見えませんわ!」
「何も見えてないのはお前らだぁぁぁ!!」
「お嬢様分かりました!」
「おお!何だ美鈴!!」
「今日は満月じゃない筈だった!?」
「もう二度と私の前に顔を出すなああああ!!」
ぜーはー、ぜーはー、と肩で息をするレミリア。こんな吸血鬼はきっともう二度と見られない。
「お嬢様。一体なんだというのですか?夜空がお嬢様を祝福している。それで、そうじゃないとしてもそれで否定される理由はないでしょう?」
咲夜はまっとうに聞こえる事を言う。
「ええ、そうね」
私も答える。
そうね、確かに怒る理由なんてないわ。
「夜空が見えた、その理由が―――――――
『紅魔館が消えたから』でさえなければね」
時間のある人は是非。
ちゅういがき。
レミリアが何の事を言ってるのか考えながら読んでみよう!
以下本編
「ふふ、咲夜」
「どうなさいましたかお嬢様」
深夜の紅魔館。深夜とて主は吸血鬼。今こそ彼女の時間であれば当然従者の時間もこれからである。
今日は(時間的には昨日)ぐっすり眠っていたから目が覚めたのはたった今0時を回った正にそんな時間である。そのまま顔を上げれば満天の星空。美しく瞬く、紅の月。
「この状況を簡潔に説明しなさい、咲夜」
「はい。夜空の星も月も、お嬢様に畏怖し、敬意を払っているのでしょう」
「駄メイドは帰れ」
「お嬢様!?」
こうして咲夜は蹴っ飛ばされて地面に転がった。
「よし、よく来たな美鈴」
「は、はい」
咲夜よりか幾分緊張が見える。それもその筈、美鈴は普段から主であるレミリアと顔を合わせるような仕事をしている訳ではない。
そして顔を普段会わせない妖怪が吸血鬼のように強大な力を眼前にすればそれは緊張の一つや二つ、してもらわねばレミリアとて困る。
「美鈴。お前に尋ねよう」
「はい」
しかし美鈴もレミリアに認められる妖怪。レミリアの言葉に己から恐怖を一掃して、主に目を向ける。
「私は普段通りに眠って、そして目を覚ましたらこんなに素晴らしい星空が私を包んでいた。この状況を簡潔に説明しなさい」
「おそらく、ですが」
一拍置いて、美鈴は言った。
「お嬢様が偉大であるが故に、夜空もその力にあてられてあのような魔性の輝きを放っているのでしょう」
「アホ門番に用はない」
こうして、美鈴も母なる大地にキスをする。
「パチェ」
「話は聞いたわ」
「そう。流石ね。話が早いわ」
次に声をかけられたたのは主レミリアの友人、パチュリー・ノーレッジ。
魔女である彼女は普段図書館から動く事は滅多にない。そんな彼女が呼ばれただけでレミリアの居る所まで来た、というだけでこの二人の友情が深い事を伺わせる。
「さぁ、どういう事なのか手短に説明して?」
いつも通り、この友人ならば正しい、求める答えを出してくれるだろう。
100年来の付き合いは伊達じゃない。
「私は読みたい本を読んでいた、という事ね」
「帰れ」
筈だったのに友情は脆くて弱かった。レミリアはちょっと涙が出た。
こうしてパチュリーは本のある方へと転がっていった。
「あ……ああああああの!私何か粗相を…?」
ついでに引っ張ってきたパチュリーの使い魔、通称小悪魔にレミリアは尋ねる。
「なぁ小悪魔よ」
「は、はい!」
「紅魔館は実はメイドも門番も魔女もみんな馬鹿だった。お前は違うと期待しても良いか?」
「は、はい!わ、私に出来る事であれば何でも致します!!」
「ふふ、ありがとう」
逆に怖い。あのレミリアが誰かに「ありがとう」って。
小悪魔は必死で震えを隠す。
「これは怖いんじゃない怖くない武者震い武者震い」
「私は昨日、よーく眠ってさっき起きた」
「は、はい」
「そして、目を覚ますと……」
「こんなだった、と」
「分かるか」
「はい!」
レミリアの口元が、険しかった口元がふっと緩む。
「お前の給料を上げてやる。それに休暇もパチェに増やさせよう」
「あ、ありがとうございます!流石はお嬢様!この夜空すら従えるだけの事はありますね!寝て起きるだけで紅の月を呼び起こすなんて!」
「うん、帰れ。ついでに前言撤回だ。給料は減らす。パチェに地獄労働増やすように頼む」
「何故ですkおぶううううう!」
全てを言わせず、顔面に足をめり込ませる。飛んでいく小悪魔は障害一つない大空に消えた。
「フラン。頼みの綱は貴女だけ」
「お姉様。頼みをしたければ頭を下げて?」
………
空気が凍った。緊迫、威圧。
正に冷戦。最強最悪の姉妹喧嘩一歩手前。
空気を和やかに壊す存在を誰もが渇望する。
「小悪魔、ただ今帰還しました!」
早いな。
そんなみんなからの良い笑顔を浴びながら、小悪魔は地雷に気がついたのだった。
数分後、姉妹喧嘩を姉が力任せの(本人曰く、誇りの)勝利を収め、小悪魔はパチュリーに治療魔法陣に放り込まれている。
「フラン……」
「ちっ……」
「話は……聞いてたわね……?」
「ええ当然」
「なら答えなさい!これはどういう事!?」
「ふん!何さみんなして!この紅い月はお姉様にじゃない!この私に畏怖して敬意を払って現れたに決まってるでしょ!!」
れみりあ☆きっく(通常の10倍
「流石……お姉様……がく」
「倒れる効果音まで口で済ませるとは…我が妹ながら恐ろしい奴よ…」
でも。
でもね。違うのよ。
「どいつもこいつも!もう一度だけ言うわよ!?よく聞きなさい!
『私はいつものように私の部屋で眠りについた!!そして目を覚ましたら眼前に広がっていたのはこの星空!!』
これで十分でしょう!?コラお前ら!!答えろ!」
「お、お嬢様、落ちついて!落ち着かないと見える物も見えませんわ!」
「何も見えてないのはお前らだぁぁぁ!!」
「お嬢様分かりました!」
「おお!何だ美鈴!!」
「今日は満月じゃない筈だった!?」
「もう二度と私の前に顔を出すなああああ!!」
ぜーはー、ぜーはー、と肩で息をするレミリア。こんな吸血鬼はきっともう二度と見られない。
「お嬢様。一体なんだというのですか?夜空がお嬢様を祝福している。それで、そうじゃないとしてもそれで否定される理由はないでしょう?」
咲夜はまっとうに聞こえる事を言う。
「ええ、そうね」
私も答える。
そうね、確かに怒る理由なんてないわ。
「夜空が見えた、その理由が―――――――
『紅魔館が消えたから』でさえなければね」
もう最後で笑った時点で、読み手の負けなんですよ。
いいぞ、もっとやれw
なんかしてやられたぜw
何故館ごと消えたしwww
話はまあ、それなりに
>こうして、美鈴も母なる大地にキスをする。
>こうしてパチュリーは本のある方へと転がっていった。
成る程、何回か読み返してやっとヒントの存在に気付きました。結構、分かり易いものも混じってたんですね。いや、初見じゃあ全く気付けなかったワケですが。
見事にハマってしまったので、この点数で。面白かったです。
普通にオチが読めなかったぜ…w
レミリア以外、なんで誰も疑問に思ってないんだろうww
なるほど。二回目でようやく分かりました!
でも文章のノリが良くてみんなの現実逃避っぽい奇行が素敵なのでこの点数でw
だいたい予想ついたけど吹いたので満点www
俺ほんと笑いやすいな…
ってことでフリーレスで失礼。
7>
勝ったっ!!
楽しんでいただけて良かったです。
10>
オチを読まれてしまった。
楼閣は 逃げ出した!
13>
そういう事なのです。
現実は非情。
14>
最初は天井だけの予定だったのはここだけの話。
流石お嬢様!やってくれる規模が違うぜ!
16>
天井から館丸ごとに変えて良かった。
そう心から思ったっ!!
20>
教訓「やるなら派手にやれ」
つまりはそういうことか!!
22>
何故か?それは宇宙の神秘!
理由は私も知りたい。詳しく知ってる方がいらっしゃったらご連絡ください。
23>
そりゃあ…分からなかった人が分かってから読んだら発見があるかなと思った故の二回目なので。
クロスケ 様>
「分かりやすいかな?」とも思いましたが強引に。
作者だから分かってしまうのもあると思ったのと何より勢いで誤魔化しちゃえ(クラッシュ!!
ハマって頂けたようで良かったです!!
27>
本当、どいつもこいつも……普段と明らかに景色違うでしょ!?
彼女らにとってはそんな事は取るに足らない事だったのです。
28>
アハ体験は脳に良いそうです。もっとしましょう!
あ 様>
よくご存じでしたね。テントです。そこからだったから屋根が原案だったんですよ。
ワトソンは素敵に鈍い子。頭良いのに。
31>
読まれた…!!
でも楽しんで頂けて良かった。勢い勝ち?
34>
予想通り…!?
何だか釈迦の掌な気分。面白いと感じて頂けたなら幸いです。
39>
じゃあそこだけ省くか…(スト―――ップ!!
そうか!彼女たちはただ現実逃避をしていたのか!…とするとお嬢様かなりKY…
41>
予想ついても吹いた…ですと!
みんな!勢いの勝利だ!万歳三唱をお願いします!ばん(ry
43>
俺の負けだ!!
くっ…!つ、次こそは私が勝つ!!
46>
館なのです。丸ごと。
でも本があるあたりもしかしたらテーブルとかも無事なのかも。
ありがとうございました!
こんどは元ネタなしで挑んでやるぜ!全勝はまだまだ…遠い!
ありがとうございます、ありがとうございます。
50>
上手いなぁ。山田君、座布団一枚持ってきてー!
51>
天井だけで話的には充分ですしねぇ。
幻想郷では常識にとらわれてはいけないんです!
どうもありがとうございましたー!
レミリアの布団が不夜城レッドで紅色幻想郷的な。
『消えたのは紅魔館ではなく、レミリア達だった』のかもしれない…