注意:作品集84の「あなた専用の驚かせ方」の設定を引き継いでいます。
「小傘さん、ちょっと付き合って欲しい所があるんですけど」
「どしたの早苗?」
唐突な風祝の頼みに、神社の水場で涼んでいた小傘は疑問の声を上げた。
屋根つきで、水の音が心地良いここは最近のお気に入りだ。
正しくは手水舎というらしいが、堅苦しいのは苦手だし水があって涼しいから水場でいいと思う。
そう言ったら、身を清める神聖な場所をなんだと思ってるんですかと怒られたので、早苗の前ではちょうずやと呼んでいるが。
このところ、小傘は気が向くと守矢神社に通っていたりする。
神気でも関係しているのか、風祝と話しているといつのまにか空腹が満たされている事が多々あるのだ。
さでずむなエセ巫女がいるのを差し引いても立ち寄る価値はある。
……餌付けされているわけではない、断じて。
「実は霊夢さんにお呼ばれしてるんです、なんでも美味しいお茶が入ったそうなので、お茶菓子でも持っていこうかと」
「へえ、いい羊羹持ってくんだね」
手提げ袋から覗く、和菓子の箱を見て相好を崩す小傘。
確か、里でも有名な老舗のものだ。
自慢ではないが、人間を驚かせるためによく人里に出没しているため、そういった知識はそこらの妖怪よりもある。
こないだ知り合いのおばあちゃんにもらった、このお店のあんみつ美味しかったなあ、と頬が緩んだ。
深く考えると負けな気がするので、すぐに意識を切り替えるが。
「分かります? すっきりした甘さで冷やすと美味しいんですよ……ってなんで妖怪の小傘さんがそんな事知ってるんですか?」
「えと、綺麗な箱使ってるからそうなのかなと。それよりなんで私も博麗の巫女のとこに?」
わざわざ危険人物にネタを渡すつもりはないので話題転換。
強盗に刃物、さでずむに弱み。
幸い、風祝も気にしなかったようだ。
「諏訪子様が仰るには――夕方から雨かもしれないんですよ、だから一緒に来てくれないかと」
思ったより大したことのない理由に脱力した。
それはあれか、傘を持ち運ぶのが面倒だと、そういうことか。
色違いの半眼が早苗を見上げる。
「別に私が行かなくても、傘持ってけばいいじゃん」
「そうなんですけどね、小傘さんはそれでいいんですか?」
どういう意味かと首を捻る。
博麗の巫女に会いに行ったところで小傘にメリットはない。
驚くような人間でないのは初対面で嫌というほど思い知っているし、人里に行ったほうがよほど有意義だ。
戸惑う小傘に、早苗が優しげに問いかける。
「小傘さん、傘は人に使われてこそ傘ではないでしょうか」
「う」
「自分で自分の存在意義を否定する傘ってどうなんでしょうねえ」
「うぅ」
「いつも出してるお茶もただじゃないんですし、なにかの形で返してくれると嬉しいんですけど」
「ひうぅぅぅ……」
だらだらと嫌な汗が出てくる。
だってほら夏だし! 暑いし!
そういえば笑顔って元々は威嚇だったっけなあ、そんな事を考えながらにこにこ顔の早苗からついと目を逸らす唐傘妖怪。
「わ、私でよかったらついていってもいいかなー、なんて」
「ふふ、ありがとうございます。優しいんですね小傘さん」
負けたわけではない、あくまで傘としての本分を果たすだけである、うん。
そう自分に言い聞かせながら。
◆ ◆ ◆
「れーいーむさーん、あーそびーましょー」
博麗神社には初めて訪れたが、守矢のそれとどこか似かよった空気があった。
祭る神は違えど、込める意味が同じであればそうなるのだろうか。
確かに芝生に茶屋な神社があっても反応に困るけどね、と益体もない事を考える小傘。
と、その目になんとも鮮やかな紅白模様が飛び込んできた。
紅白の巫女――博麗霊夢は参道を掃いていたほうきを肩に乗せると、呆れたように小傘たちを見る。
「あんたね、子どもじゃないんだから、それやめなさいよ」
「やですねえ、私と霊夢さんの仲じゃないですか」
「気持ち悪いこと言うな、いいとこ知り合いでしょうが、それで何しにきたの」
「お茶を頂けるそうなので、分社の様子見も兼ねて遊びにきました」
そう言って、水羊羹の入った手提げをちょこんと上げてみせる早苗。
「あらありがと、お茶菓子持って来てくれるのはあんたくらいなもんよ、それにしても……」
そう言って霊夢が小傘に目をやる。
そこには好意も悪意もなく、気だるげな様子しか読み取れない。
さすが全てに公平な博麗の巫女といった様子に、怯んでしまう。
「珍しい顔がいるわね、あんた確か……傘子?」
「傘しかあってないよ!? 唐傘お化けの多々良小傘だよ!」
隣で肩を震わせる青巫女には天罰がくだるように祈っておく。
神に仕えるものに効くだろうかと疑問に思うが、幻想郷には神様がごろごろ転がってるからなんとかなるだろう。
八百万の神様万歳。
「ま、ゆっくりしていきなさい、ちょうど掃除も終わったとこだしお茶の準備でもしてくるわ」
「ではお言葉に甘えて」
箒を片付け土間に向かう霊夢にひらひらと手を振ると、勝手知ったるなんとやらで縁側に上がり、ちゃぶ台に座布団を用意する早苗。
小傘はと言うと、無言で下駄を脱ぎそのあとに続く。
「……どうしたんですか小傘さん、さっきから借りてきた猫みたいに大人しいですね」
図星をつかれて言葉に詰まる。
意外と鋭いなあ、この風祝はと苦笑。
隠しても仕方ないので話してみることにした。
「ほら私妖怪でしょ、いくら早苗と一緒でも迷惑じゃないかなって。博麗が妖怪にも人間にも公平なのは知ってるけど、ああもそっけないと不安になるよ」
「ああ、なんだ、そんなことですか」
くすくす笑う早苗を、不満げに見る。
小傘としては結構気にしていたのだ。
そんな唐傘お化けを安心させるように、早苗は大丈夫ですと続ける。
「霊夢さんは親しい人にもあんな感じですよ、別に小傘さんだからってわけじゃありません」
なんていうのかなあ、とあごに指を添える早苗。
「誰にも左右されず、ふわふわと自由で、でも無関心ってわけじゃなくて。うーん、全てを受け入れるですかねえ、なんだか上手く言えません」
そんな霊夢さんだからこそ、いろんな人や妖怪に慕われるんでしょうけど、と楽しそうに笑う。
それを聞いて肩の力がふっと抜ける。
博麗の巫女のことは知識として知っているが、やはりその人となりを知っている者の言葉は重みが違う。
「霊夢さんのことを知るには直接話してみるのが一番だと思います。そうだ、いい機会ですから霊夢さんを驚かせてみましょうよ」
「でも、前にもやったけど失敗したよ?」
やですねえ、とぱたぱたと手を振る早苗。
「この前一緒に練習したの忘れたんですか」
「待って待って早苗!?」
小傘の脳裏に先日のぎゃおー事件がよみがえる。
あれは悪夢以外の何物でもない。
「霊夢さーん、ちょっといいですかー?」
「私の話を聞いてよ!?」
必死の訴えも虚しく、奥から霊夢が面倒くさげに出てきた。
「なによ、うるさいわね、今お湯沸かしてるんだから静かにしてなさい」
「まあまあすぐ済みますから。霊夢さんは、小傘さんがびっくりする心を食べる妖怪って知ってましたっけ」
「そうだったかしらね、それがどうしたのよ」
「いえ、ここはひとつ霊夢さんを驚かせてみようと思いまして」
某スキマ妖怪を見るかのような霊夢。
「いいじゃないですか、危害は加えないって約束しますし、1回だけですから」
「……ああもう、火かけてるんだからさっさとしなさいよ、あと弾幕はなしだかね」
霊夢は嘆息し腰を下ろす。
なんだかんだで付き合いはいいのだろう。
「ということで小傘さん、早速試してみてください」
「だから、なんでよりにもよってあれ!?」
「いつものじゃ絶対に驚かないからです。ほら今回だけということで」
むしろこのために教えたんですし、とか早苗が言っているが意味が分からない。
うーんと悩む小傘だが、今回だけならいいかと開き直る。
驚いてくれたら万々歳だしと、胡乱気な霊夢に近づいた。
すっと息を吸い込み――。
「ぎゃお~! たーべちゃうぞ~!!」
手は指先までしっかり伸ばし!
無邪気な笑顔を満面にたたえ!
全力を持って博麗の巫女に挑む!
もう完全にやけくそである。
慣れたとはいえ間違いなく顔は朱に染まっている。
視線も若干さまよっていた。
だが、それでも決まったと思う。
これなら博麗の巫女とて――!
みーんみんみんみーん
巫女、とて――。
しゃわしゃわしゃわしゃわしゃわ
セミの鳴き声が、無言の境内に虚しく響く。
痛すぎる沈黙に、小傘の額につつっと汗が流れた。
巫女の表情はかけらも揺らいでいない。
「……それで?」
実に平坦な声である。
どうみても驚いていません、本当にありがとうございました。
「えっとびっくりしたかなーって」
「どこぞの吸血鬼の真似くらいで驚くわけないでしょうが。もういいでしょ? お湯沸いただろうから取ってくるわ」
呆れたようによっこいせと立ち上がり、再び引っ込む霊夢。
それをぼけーと見送り。
再起動。
「だめじゃん風祝ぃぃぃ!? 恥のかき損だよ!? ていうか紅白呆れてたよ!?」
「大丈夫ですよ、私は楽しかったですから。最高でした」
ぐっと満面の笑顔で親指を立てる青巫女。
ああ、これが殺意というものか。
湧き上がる黒い何かを開放しようとする小傘だが、早苗はしたり顔で続ける。
「それでどうですか、おなかいっぱいになりませんでした?」
「……あれ」
言われて気付く。
間違いなく失敗したはずなのに、なんだかとっても満たされているのだ。
なんでと視線で問いかける小傘に、早苗がふふと笑う。
「なんででしょうかねえ、霊夢さんに聞いたら分かるかもしれませんよ」
驚いてなかったじゃんと思うが、風祝はただ微笑むだけ。
半信半疑であったが、もう1度聞いてみようと霊夢の後を追ってみる。
だが次の瞬間、情けないことに小傘のほうが驚かされた。
そこには荒い息をついてしゃがみこんでいる――博麗の巫女。
「ちょっと紅白!? どうしたの、おなか痛いの!?」
「うるさわいね、耳元で怒鳴らないでよ、平気よ平気」
霊夢は視線を合わせようともせず、忌々しげに吐き捨てる。
心なしか、その細い肩が震えているように見えた。
「だってそんなに赤い顔して! 病気でもしてたの!?」
「ああもう、誰のせいだと思って」
「とにかく横になろうよ、布団用意するから」
「だから大丈夫だって言ってるでしょ、そうあれよ、お酒が切れただけよ!」
いろいろと大丈夫じゃないだろ、をい。
突っ込みどころ満載な霊夢を前に、おろおろする小傘。
その背にのほほんとした早苗の声がかかった。
「小傘さーん、それは持病みたいなものですからほっといていいですよー」
「へんなこと吹き込むんじゃないわよ、このくされ風祝! 誰が病気よ誰が!」
ある意味病気だと思うんですけどねえ、としれっと答える早苗。
「ほんとに大丈夫なの?」
「だからそんな顔すんじゃないわよ、平気だって言ってるでしょ、お湯も沸いたから戻るわよ」
大丈夫大丈夫、私は博麗私は博麗とかなにやら呟いていた霊夢だが、落ち着いたのか深く息をついて立ち上がる。
準備していたお茶一式を手に歩き出す霊夢に、慌ててついていく。
と、霊夢がその足をぴたりと止める。
「あといちいち巫女言うな、霊夢でいいわよ」
平坦で感情が篭っていないはずのその声が、小傘にはどこか照れくさげに聞こえた。
~ 少女準備中 ~
慣れた手つきで、こぽこぽと急須からお茶を注ぐ霊夢。
席は時計回りに早苗、小傘、霊夢の順番で落ち着いた。
「さっ、心して味わいなさい」
小傘たちの前には湯気を立てる湯飲み。
自慢げな巫女につられ、いただきますという声と共に口に含むと、へえという感嘆が広がった。
普通のお茶に比べて独特の甘みがある。
それでいてしっかりと自己主張する、ほど良い渋みも心地よい。
「私熱いのダメだけどこれは大丈夫だよ、うん美味しいね、み――霊夢」
「この茶葉は淹れ方にもコツがあるからね、そんなに熱くならないのよ」
「それにいつものより甘みがあります、美味しいですよ霊夢さん」
「ふふん、特別だからね」
好評だったのが嬉しいのか、いつになくご機嫌な紅白。
そんな巫女に、申し訳なさそうに早苗が口を開いた。
「でも、これなら別のお茶請けにすればよかったですかね、渋いお茶に合うと思って水羊羹にしちゃったんです」
「いいじゃない、夏らしくて」
「そう言ってもらえると助かりますけどね、お勧めなんですよ、これ」
箱から竹筒を取り出すと、慣れた手つきとは言えないが、底に空気穴を開けてちょんちょんと羊羹を出し、適当な大きさに切り分ける早苗。
はいどうぞと、とそれぞれに差し出された小皿には数口分が乗っていた。
待ってましたとばかりに、小傘は添えられた楊枝で口に運ぶ。
「わあ、冷えてて美味しい!」
「そうね、竹の香りも良い感じだわ」
「ふふ、でしょう、家で冷やしてきた甲斐がありました」
この前のあんみつにも負けてないなあ、と小傘の頬が緩む。
つるんしてみずみずしい食感に、竹筒のほのかな移り香。
お茶との相性もばっちりだ。
霊夢も気に入ったのか、黙々と楊枝をさしていた。
「でもあんた、よくこんなの知ってたわね」
「結構有名らしいですよ、ここの和菓子。老舗ってのもあるんですが、人間だけじゃなくて妖怪にも好評だって人里の方が言ってました」
「妖怪に?」
霊夢がぴくりと眉を上げる。
「それって白玉楼のはらぺこ亡霊?」
「違うみたいです、別に人里をどうこうする妖怪じゃないみたいですし」
そう言って早苗はちらりと小傘に目をやる。
きょとんとするが、自分以外にも人里で飲み食いする妖怪いたんだなあとのんびり思う。
「巫女としての仕事が増えないといいんだけどね」
「その心配はないと思いますよ」
再び小傘をにこりと見つめる早苗。
……あれ?
嫌な予感がして口が止まる。
「なんでも、そのお店のお菓子を美味しい美味しいってにこにこしながら食べてたそうですから」
「そりゃまたらしくない妖怪ね、無害なルーミアみたいだわ」
「……」
あるぇー?
どこかで聞いたような話ダナー?
「ふふ、そんな妖怪なら人間を驚かせることなんて出来ないんでしょうねえ」
「別にいいじゃない、私らの手間も減るわよ……ってあんたどうしたの」
「えー…っと」
ギギギと壊れた上海人形のように首を廻す。
いやいやバレてないバレてるはずがない、だってさっきは何も言わなかったじゃん。
必死に自らに言い聞かせる小傘に、とどめの一言が放たれた。
「あんみつ奢ってもらって良かったですね? 小傘さん」
「ふにゃあああああああっ!?」
奇声を上げると顔を瞬間沸騰させる。
次いでちゃぶ台に額をごんごんとぶつけ、しくしくしくと泣き出した。
あああああ、もうほんとこのさでずむは、知ってたんなら最初から言えよもううううう、と声にならない呪詛を上げる。
布教のホームグラウンドで秘密にしようなんて大甘ですよ小傘さん、なんて言葉は聞こえてもいない。
早苗はそんな小傘をうっとりと見つめると。
「ねえ霊夢さん」
「なによ」
「ゾクゾクしちゃいません?」
「……あんた、ほどほどにしときなさいよ」
事情を察したのか霊夢はため息ひとつ。
ちゃぶ台を濡らす唐傘お化けを見ると、めんどくさそうに手を伸ばす。
「あーもう、うっとうしいわね」
「うぅぅぅ、う?」
なでり
突っ伏す小傘の頭を、誰かが撫でるのが分かった。
ころんと小さな頭を転がすと、小傘のさらさらしたショートカットに何故か手をやる博麗の巫女。
なでり
「あの、霊夢?」
「どんな髪質かと思っただけよ」
「……そうなんだ」
なでなでり
なんで博麗の巫女がこんな真似をするのか、さっぱり分からない。
でも、ぶっきらぼうなだけで、どこぞの青巫女に比べたらよっぽといい人間なのかもしれない。
なんか落ち着くなあと、自然に目じりが下がって。
「――霊夢さん」
水羊羹のおかわりが入った小皿を差し出しつつ、にっこり笑う早苗。
小傘が、もはや声だけで条件反射的にびくりと身を震わせる。
霊夢が小皿を受け取るが、何故か早苗は手を離さなかった。
「私のですからね?」
皿に手をやったままの巫女二人。
ややあって紅白の巫女が、なに言ってんだかと深くため息。
「誰もとりゃしないわよ、ほら、よこしなさい」
その答えに満足したのか手を離す風祝。
小傘は離れてしまった手を残念に思いつつ、まだ赤い額を抑えて今のやりとりを考える。
自分の羊羹と言いながら渡す早苗と、とらないと言いながら受け取る霊夢。
人間の考えることはよくわからない。
「だいたい霊夢さんには、レミリアさんがいるじゃないですか」
「その言いかた嫌すぎるからやめてくれる? あいつが勝手に襲撃してくるだけよ、それに最近夕立が多いから来てくれな――来ないわよ」
いつのまにか風祝が追加してくれていた羊羹に手を伸ばしながら考える。
人間を驚かせるには、やっぱりもっと人間のことを知らないといけないのかなあと。
そんなことを――考える。
「じゃあ霊夢さん、お茶ごちそうさまでした」
「どういたしまして、あんたの羊羹も美味しかったわよ」
賑やかな時間ほど、時間が経つのは早いものだ。
日も傾いた博麗神社。
夕飯の準備があるからと帰り支度を始める早苗を、霊夢が見送っていた。
小傘も撫でてくれた手を思い出しながら声をかける。
「じゃあね霊夢」
「はいはい、あんたもまたね」
ひらひらと適当に手を振ると、もう興味はないとばかりにふわぁと欠伸を1つ。
来た時は気にしていたそんな態度も、今はそうでもない。
なんとなく、この巫女のことが少し分かった気がしたから。
鼻歌を歌いだしそうな心地で石段にさしかかる小傘だが、やおら守矢神社での会話を思い出した。
快晴そのものの空を見上げ風祝に尋ねてみる。
「結局、雨降らなかったね」
「そうですねえ」
「私が来た意味なかったんじゃないかな、お茶も羊羹も美味しかったけどさ」
不満げに唐傘をひょいっと廻す。
楽しかったのは楽しかったが、それ以上に風祝にあれこれされた気がするし。
だが、早苗はそんなことありませんよと口にした。
「ねえ小傘さん、なんで霊夢さんはお茶に誘ってくれたと思います?」
「え? 友達だからでしょ?」
小石を蹴りながら返事を返す。
似たような立場というのもあるだろうが、早苗たちが気の置けない仲というのはよく分かった。
ほかの理由なんかあるのだろうか。
それもありますが、そういうことではなくてですね、と風祝は続ける。
「お気に入りの何かを手に入れた時って、やっぱり誰かに見せびらかしたいと思うものなんですよ」
「それが霊夢にとってのお茶だったってこと?」
正解です、とばかりに微笑む早苗。
「だからですね、やっぱり私もお気に入りを手に入れたら、それを誰かに見せびらかしたいんですよね」
「? だからそのために羊羹持っていったんでしょ?」
自分を連れてきた理由にはなんないよね、と首をひねる。
「ふふ、そうですね、そういうことにしておきましょうか」
にこにこ笑う早苗を見ながら思う。
やっぱり人間はよく分からないないやと。
けどまあ、と白い入道雲を見上げながら続けて思った。
最近のお気に入りの水場で一緒に涼まないか、この風祝を誘ってみるのもいいかもしれないなあと。
ツンデ霊夢乙wwww
…え、俺?
こ れ を 止 め る な ん て と ん で も な い
小傘ちゃん可愛い
霊夢ン優しい
はぁ~癒される~
それにしてもS苗さんが可愛いと思った私は異端なのか
霊夢相手にしっかり所有権主張するところがもうねww
>鼻歌を歌いだしそうな心地で石段にさしかかる小傘だが、やおら守屋神社での会話を思い出した。
志村ー!字字!
こがさないいですね。
お姉ちゃんが近所の子供をからかってるみたいだ。
まあお互いが満足ならこういう関係もいいと思うぜw
そして今度神社に来たレミリアに対して「ぎゃおー」をリクエストする霊夢を幻視した
まぁそんな娘が全力でいぢられてるの嫌いじゃないのですけれど。
霊夢さんが良い駄目さ加減ですぜー。
いいぞ、もっとやれ
登場する人物すべてがいい塩梅に描かれていました。
早苗の小悪魔度合いと霊夢のツンデレ具合。
小傘のかわいさが非常によかったです。
早苗さん、初めからはかってたね!?
S苗さん頑張れ。もっとやれ。
作者によるだろうけど、こがさなは百合な空気が少ないしS&Mという相互補完型ww
私はこざかなさんのこがさな好きですよ!
早苗さんもSなんだけどそれだけじゃない感じがしてGOOD!
くそ早苗さんのSっ子め!! いいぞもっとやれ!!
タグを見てそれが不安だったのですが杞憂だったようでw
えらそうな事書いてしまいましたが、よくまとまっていてテンポもよかったと思います。
霊夢の飲んでたお茶って玉露ですかね?
特徴がそれっぽい。
Sっ子早苗さんは堪らない!
ちょっと吊ってくる
正直カプ話だけならいつも80点だけど、文章が安定してたのを評価してこの点数
だ が 断 る。
なぜなら俺もさでずむだから、サディズムでなくさでずむだから。
てか、こがさな話ならさでずむにならざるを得ないwww
大丈夫さ霊夢、感染者はここにいっぱいいるから
興味ないふりして小傘にかまう霊夢にすげえ萌えたw
>とめてください
それは難易度が高すぎるぜ…
ちょっとうちの前にビニル傘置いてくる
最近レミ霊ないんだよなあ・・・
‥‥おいィ? 俺ほのぼのって聞いてきたんだが?
いやいいけどよww
S苗さんの独占欲、霊夢のツンデレぶり、子傘のいぢめてオーラ
こがさな増えないかな
なんてさでずむ!
トモダチボイスで聞こえてきた・・・
もっとやれ