祭り独特の空気はいくつになってもおいしく感じるものだ。当たらないとわかっていてもくじ引きを引いてみたり、三百円もするカキ氷を買ったり、盆踊りに参加してみたり、普段では経験できない事が簡単にできるからなのだろうか。
それはさておき、今日は博麗神社が主催の祭りがある。イベント事と言うのはネタが至る所に転がっているので、私のような烏天狗には非常にありがたい。
早速、会場まで足を運んでみよう。
現場に着くと、そろそろ祭りがピークになろうかと言うところだった。思っていたよりも規模は大きく、年に一回開催される祭りにふさわしい盛況を誇っていた。
濃い目の弾幕のような人ごみがどこまでも続き、普通に歩くのも一苦労だったが、上から飛んでいくのは興が削がれてしまいそうなのでやめておく。この、騒々しいようでその実ゆったりした空気も好きなのだ。
祭りが終わるまでこの空気をじっくり味わっていたいが、そうはいかない。名残惜しいが、ネタを探すことにしよう。
「咲夜、遅いわ! はやく来なさい」
「少々はしゃぎすぎです……」
早々に知ってる顔を発見した。あれは……レミリア・スカーレットと、その従者である十六夜咲夜。今日は二人とも浴衣を着て、すっかりお祭りムードだ。従者の方はお疲れムードも漂っているが。
あまり一般人には良く思われていない二人だが、今はその中に溶け込めているように見える。大衆の意識なんかそんなものか。別にどうでもいいけど。
それにしても今日はお嬢様のほうのテンションが高いような気がする。今宵の月は……なるほど。よくこんな危ない時期に祭りを開いたものだ。
「次はあれをやるわよ!」
うきうきした様子で駆けていった先を見てみると、金魚すくいがあった。私も昨年やってみたが、なかなか上手く掬えずいらいらした覚えがある。あんなぺらぺらでいかにも破れる為に存在しているような網などいらないから、手で掬わせて欲しいものだ。
それにしても、駆けていくお嬢様とそれを落ち着いた様子で追いかける従者か……なかなか良い絵になっているので、こっそり写真を撮っておこう……よし、良い感じだ。
比較的人気であるはずの金魚すくいだが、珍しく屋台の周りには客がいない。つまり好きなだけ遊べるということだ。うらやましい、私も遊びたいのに。
「よーし、この屋台の金魚全部すくってやるわよー!」
私のテンションとは裏腹に、あちらは最高にハイなご様子だ。……まだ時間もあるし、ちょっとだけ見ていこう。
従者がお金を渡し、お嬢様が網をもらう。この場面だけ見た人は、恐らく二人を仲の良い姉妹かなにかだと勘違いするだろう。外見は全く違うが、そう思わせてしまうほどの雰囲気をだしている。
シャッターを切っている間に、金魚すくいがスタートした。テクニックよりスピードだと言わんばかりに網をすばやく水につけるお嬢様。なんとも豪快だ。しかし、あの薄い網には少々荒い動作だったようで、上げた時にはもう網は破れていた。そのあとも何回かチャレンジしていたが、結果は全て惨敗だったようだ。
「ちょっと! ほんとにこの網ですくえるの?」
まったく掬えなかった事に腹をたてたらしく、駄々をこねているのが遠巻きにわかる。
「だいたい、こんなうっすい紙でできた網で金魚なんて取れるわけないわ! 詐欺よ詐欺!」
屋台の真ん前で暴言を吐かれ、店主も苦笑している。可哀想だが、面白いので放置しておこう。私が出ずともなんとかする人がそばにいるし。
「お嬢様、あまり店先で暴れてはいけませんわ」
予想通りだ。まさに従者の鏡、自称完全で瀟洒なだけある。
「変わりに私が仇を討ちましょう」
少なくとも瀟洒というのは嘘ではないだろうか。
「金魚ごとき、秒殺してさしあげます」
殺すのは駄目だろう。私が金魚をすくってあげた方がいいのだろうか……まあ、持って帰っても烏の餌になるだけなので本当の意味で救ってあげることは出来ないが。
それはともかく、あの従者が器用だということは風の噂で聞いているので、きっと金魚すくいくらいお茶の子さいさいにこなすのであろう。
「そ…そんな……馬鹿な……」
「……だれにでも出来ないことぐらいあるわ。だから、そんなに悲観しないで。ね?」
今回の予想は外れてしまった。完璧で瀟洒な従者も金魚すくいには敵わなかったようである。
それにしても非常に珍しい絵だ。いつもよしよしする側の従者が、逆によしよしされるとは。気がついた時にはフィルムが3本逝ってしまっていたぐらいの衝撃である。
「……完全で瀟洒をうたっていても、これでは駄目駄目ですね……」
「それは断じて違うわ」
頭をたれ、四つん這いになって泣き言を言う従者に、お嬢様が胸を張ってそれを否定する。本人達は本気でやっているのだろうが、傍目から見れば非常に芝居臭い。店前でここまで出来るとは、素晴らしいほどの才能を感じる。
しかし、結構意外に感じた。なんでも器用にやりこなすイメージがあったのだが、目の前の光景を見ると少し違ったようだ。
「確かに、仇を討つと宣言しておいて負けてしまったのは不甲斐ないわ。たかが金魚すくいとは言え、主人との約束を果たす事が出来なかったのだから」
「……はい」
「でも、ね」
そこで話しを切り上げ、うずくまる従者を抱きよせる。身長差によるアンバランスさが、逆にこの場面を引き立てているように思えた。
「今、咲夜には咲夜にしか出来ない事があるわ。それは仇撃ちではないし、泣き言を言い、私に諭される事でもない……私を、優しく見守っていてくれる事よ」
「お嬢様……」
「……何か照れ臭いわね。こんな場面、烏天狗に見られたら敵わないわ」
「……そうですね、取り乱してしまいすいませんでした。もう、大丈夫です。」
「まだまだ祭は終わらない。月も満ちている最高の時だもの、楽しまなきゃ損だわ。さあ、今夜中に全ての屋台を攻略するわよ!」
「承りました、お嬢様!」
傍から見ると少し恥ずかしいやりとりだ。あれぐらいのテンションで生きていると毎日が楽しそうでうらやましい。
!……しまった。逃げられたか。折角取材しようと思っていたのに、もしかしたら見つかっていたのだろうか。……まあいいや、写真も撮ったし、追いかけるのは時間がもったいない。次の目標を探しに行こう。
ここの祭りには人妖問わず様々な種族がやってくる。基本的には人間で埋め尽くされているものの、私や先程のレミリア・スカーレットのように人ならざる者もたまにいる。フリーダムだ。
しかし、いくらフリーダムだからといって他の神社の神様が来るのはどうなのであろうか。……あれはどうみても守矢神社の神様である諏訪子様と八坂様だ。
確かに私のように羽などはなく、見た目は人間そっくりであり、神社にいるときのように厳かな雰囲気も出さず身に着けているものも変えてしまうと、神様と言われなければそうだとはわからない。私は神様だと言っても、ちょっと頭の弱い子なんだろうなと思われるぐらい違和感なく溶け込んでいる。
……ほとんど毎日山で宴会しているのに、なぜ自分達をボコボコにした巫女が在中している神社に遊びに来るのだろうか?少し興味深いので、先程のように見失わないうちに突撃しよう。
ちょうどいいことに二人とも休憩中なようで、焼きそばを食べながらベンチで談笑していた。行くなら今だ。
「……あやややや。これはこれは、神奈子様に諏訪子様じゃないですか。」
話しかけた瞬間、ぴたりと会話が止んだ。まあ、楽しく談笑している途中に知らない者が割って入ると、誰でも訝むだろう。しかしこの空気は……非常に気まずい。
「あら、烏天狗の……射命丸だったっけ。どうしたの?」
私の正体がわかると、少なからず警戒を解いてくれたようだ。ええい、ままよ。一気に畳みかけてしまおう。
「どうも、射命丸文です。いきなり割って入ってしまい申し訳ありません。少し気になる事がありまして、失礼だとは思いますが取材をさせていただきたいのです。……よろしいでしょうか?」
「取材、ねえ……」
そう一言つぶやくと、再び黙ってしまった。諏訪子様は静観しているだけのようだ。
「会話している中にいきなり割って入って取材かい。……受けてくれるとでも?」
「う……」
目の前から来る威圧感に、思わず言葉につまる。
楽しそうに話していたのでこりゃ行けると思った私の認識が甘かったのだろうか。
ここは丁寧にあやまったほうがよさそうだ。やっぱり土下座が――
「くっ……くく……」
「……?」
「……あははははははっ! 神奈子、ちょっとやりすぎだよー」
「……???」
「ごめんごめん、やりすぎだったかね。ちょっと脅かしてやろうと思っただけなんだが」
「……ちょっと質が悪いですよぉ」
もう少しで泣くところだった。……既に半泣きだが。
「では、最初に話しかけた時の空気は……?」
「あれは結構マジだったよ!」
「また取材とかなんとか言って色々聞かれるんだろうと思ったら面倒でね」
「……やっぱり―――」
「「まあ演技だったんだけどね」」
……つかれた。
「ちょっとトイレ行ってくるねー」
そういって諏訪子様が席を外す。それを見た神奈子様は呆れたような顔でため息をついていた。
「……まあいいか。で、取材するんだっけ?別にいいよ。断る理由も無いし」
「本当ですか!ありがとうございます! ……それでは早速ですが」
「何故敵方である神社の祭りにわざわざ来るのか……ってところかね」
「お見通し、ですか」
「それくらいしか今聞く事がないじゃないか。馬鹿でもわかるよ」
「……それもそうですね」
今日は妙に刺々しい気がする。まあいつも通りといったらいつも通りだが。
「そうだろう?じゃあ、話すわよ。」
待ってました。ペンとメモは……あったあった。
「準備はバッチリです。……では、よろしくお願いします」
「よし。質問に対する答えだが……そもそも、この神社は敵というわけではない。確かに神同士争う事もあるが、こことは別に争う理由がない。分社もおかせてもらってるしね」
「あのこじんまりとした……」
「そうそう、あのこじんまりとしたやつ。小さいって言っても下手に大きいよりはいいし 、あれぐらいでも立派に役目を果たしてくれるからね」
たしかに大きすぎたら分社という感じがしない。このへんは大でも小を兼ねないみたいだ。
「なるほど、別に対抗していたわけではないのですね。では、何故博麗神社に干渉したのですか? 実際に霊夢さんと直接対決もなさったようですが」
「霊夢のやつ、あんまり巫女の仕事をしていないだろう? 」
「……確かに、いつも縁側で寝てるか妖怪をいじめているかしかしていないイメージがあります」
ちょっとしたヤクザみたいなものだ。
「そのせいでここに住んでる神の神力がかなり弱っていてね。これは助けてあげないと、と思ったわけさね。統合すると信仰心が分け合えるから、お互いの力が共有できる」
「なるほど、そう聞いたら合理的な気がしますね」
「まあ……結局統合することは叶わなかったけど、あの弾幕ごっこ以来少しは心を入れ替えてるみたいだし、結果オーライだったかな」
「あの行動にはちゃんとした意味があったのですね」
「そうだよ。こっちだってただ乱暴にくっつけようとしたわけじゃない。そんなことしたって周りの反感を買うだけだろうし。……こんなかんじかね、答えとしては。別にここが嫌いなわけではないし、祭りくらい来ても構わないだろ?」
たしかにそれだけ聞くとなんら問題はない。しかし……。
「……うーん」
「おや、まだ納得できないかい?」
……せっかくだし、聞けるとこまで聞いてみよう。
「すいません、少し引っかかってます。ここの神様とは別にいがみあってるわけでは無いというのはわかりました。でも、たしか祭りというのはそこにおわす神様を祀る、という意味もあったとおもうのですが。神様を祀っている場で、他の神様が来ていてもよいものなのかと」
「へえ、よく知っているじゃないか。まあ他にも意味があるんだけど……確かにそういう意味もあったっていえばあったねえ」
「あった、ということは……」
「もうその習慣は過去のものさ。この祭りに来ている大多数の人間は神を祀ろうという気持ちで来ていないだろう? 純粋に楽しむ為にに来ているはずさ」
「……」
「まあ必要最低限、神職ががんばってくれているだけでもいいし、これはこれで一つの完成した形だとは思うけどね。楽しめたらいいんだよ、きっと」
「……神様も色々と大変なんですね」
「そうでもないさ。毎日宴会開けるしね……おっ、戻ってきた」
神奈子様の目線を追うと、こちらに駆けてくる諏訪子さまの姿があった。少しにやにやしている気がする。
「おや、終わっちゃったの?」
「しらじらしいねえ、逃げたくせに」
わざとらしくおどけたように言う諏訪子様に、神奈子様の少し冷えた突っ込みが入る。……というより、逃げてたんだ。
「しょうがないじゃん、こういうの苦手なんだから」
「まったく……まあいいけどね。そういえば、もうそろそろ早苗がくるころじゃないかい?」
「もうそんな時間?……って言っても、ほとんど終わりかけちゃってるけどねえ。早苗には悪いことしちゃったかな」
そういえばいつも一緒にいる早苗さんがいない。すっかり失念していた。
「早苗さんはどうしたのですか?」
「神社での仕事を終わらせてから来るってさ。あの子、生真面目だからねえ」
まだ若いのに、いい子だ。将来はきっといいお嫁さんになるだろう。多分。
「ま、そういうわけで。私たちはもう行くわ。取材ご苦労さま。色々話せて、悪くはなかったよ」
「そう言っていただけるとありがたいです。またなにかあったらお願いしますね!」
「えー、話したって、なんの話をしたのさー」
「急かさなくてもあとで話すわ。それじゃあ、また」
「ありがとうございました!……っと」
お礼を言い終える前に、目の前から姿を消してしまった。せっかちな人たちだ。
しかし、神様も色々考えているのか。連日連夜宴会を開いていたので、悩みなど無さそうにみえたのだが……
私もぼやぼやしていられない。祭りもそろそろ終わりだ。あの人に会いに行ってみよう。
「居ました居ました。やっぱりここでしたか」
「……なんの用よ」
今日の祭りの主催者であり神職の、博麗霊夢その人である。会場からは少し離れた、小さい丘にたたずんでいた。あまり人通りが無いので、一休みするにはちょうどいい場所だ。
「祭りの主催者である霊夢さんに、色々と聞きたい事がありまして。それd」
「いやよ」
ストレートに突っぱねられた。カーブをつけられながらOKされるより精神衛生上いい。
「まあ、駄目ならそれでいいです」
「……なんか気持ち悪いわね。頭でも打ったの?」
酷い言われようだ。まあ確かに自分でも気持ち悪いと思うが。
「色々ありましてね。取材も一応しましたし、ちょっとゆっくりしようかなと」
「あんたが休憩するなんて珍しいわね。明日でかい隕石が振ってこないか心配だわ」
「隕石は流石に振りませんよ。雹くらいなら降るかもしれないですが」
「この時期に雹が降ってくるほうが怖いと思うけど……」
たしかに。夏に雹が降ってきたらそれだけで記事が書けそうだ。
「そういえば、なんでこの場所がわかったの?やっぱりここだったって言ってたけど」
「私もよくここで一休みするのです。霊夢さんも休むならきっとここだろうと思いまして」
「……確かにここは良い場所だわ。神社に居ると魑魅魍魎どもがよってきて休憩どころじゃないし」
「そりゃまたうっとうしいですね」
「あんたもその中の一人なんだけど」
「惹かれてしまうのはしょうがないと思いますよ」
「やっぱり永遠亭で見てもらったほうがいいんじゃないかしら」
「善処しときます」
「ならいいわ」
……そういえば最初に姿を見かけた時、少し落ち込んでいたような気がした。あんな様子を見せるのは珍しいので聞いてみる事にしよう。
「疲れているようでしたが、何かあったのですか?」
「色々あってね。私だって暢気に生きてるだけじゃないわ」
「山の神社絡みでしょうか?」
「……よくわかるわね。直接聞いたのかしら?」
少し驚いた様子でこちらを見る。先程聞いたばかりだったが、やはりあの話しだったか。
「神社は巫女の物では無い。神様の為にある物だーって、直接神様に説教されたらそりゃへこむわ。……頭ではわかってたつもりだったんだけどね。ちょっと怠け過ぎだったかしら」
やはり反省しているらしい。普段の様子からは全く感じられなかったので、声に出したら怒られそうな感情を抱いてしまった。
「……でも、気にするなんで霊夢さんらしくないですね」
「針か玉か札か、好きなほうを選ばせてあげるわ。どれがいい?」
「すいませんでした」
やっぱりまずかった。
「まあいつまでも気にしてられないんだけどね。今日はちゃんとした巫女として久々に全力を出した気がするわ」
「常に全力を出さなくては駄目なのでは」
「ていっ」
非常に短い掛け声とともに針が飛んできた。……少し体を反らさなければ直撃していた気がする。
「惜しかったわ」
「本気で危なかったのですが」
少なくとも、色んな所から変な汗が吹き出るくらいには危なかった。
「一本くらい刺さってもどうってことないわ。妖怪じゃなければあまり効かないし」
「そういう問題でも無いような……」
「細かい事は気にしちゃ駄目よ」
あなたが原因なのですが。とは、怖くてとても言う事が出来なかった。
しばらく一緒に会話していると、目の前の方向から黒い物体がこちらに飛行してきているのが見えた。結構な速さで近づいてくる。あれは……
「よう、有象無象ども」
どこまでも黒い魔法使い、霧雨魔理沙である。ブラックな笑顔でのご登場だ。
「来たわね魑魅魍魎」
「魑魅魍魎とは酷いな。有象無象の方が幾分かマシだ」
「意味わかって使ってるの?」
「いや、わからん」
「私もわからないけどね」
場の狂気度が60%は確実に上がった。この二人の会話はそう感じさせるものがある気がする。もう日も沈むし、そろそろ帰った方がよさそうだ。
「……お邪魔みたいなのでそろそろ行きますね」
「あら、別にもう少しゆっくりしていけばいいのに」
「おう、帰れ帰れ」
「あんたは帰れ」
漫才を始めだしてしまった。……本当に、うらやましい程仲がいい。
「……そうだ、最後に一つ良いですか?」
一つだけ、聞いておきたい事があったのを思い出す。危ない危ない、そのまま帰るところだった。……私らしくもない。
「なにかしら?」
「祭りは本来神様を祀るという意味合いがあるみたいですが、現状ではその意味が薄れてしまっている気がします。その事について一つ、よろしくお願いします」
「結局取材されちゃうのね、まあいいけど……そうね、別にいいんじゃないかしら。確かに昔はそういう役割があったみたいだけど、そんな事気にしてる人はもういないわ。そりゃあ巫女としては少しは気にして欲しいけどね」
ふむ。神奈子様ど大体同じ意見かな。あまり新しい意見は聞けないようだ。
黒色魔法使いは何やら向こうで私の連れのカラスと揉めているみたいだ。
「ありがとうございました。また何かあったらよろしくお願いしますね」
「いいわよ。今度は追っ払うかもしれないけど」
「その辺はご勘弁を。それでは失礼しますね!」
魔法使いに追われてるカラスを助け出したあと、おもいっきり飛び立つ。やはり空はいい。地上は狭くてたまらない。振り向くと、二人で何やら話しているようだった。今日の祭りの事だろうか。
私も帰ったら椛あたりに土産話しでもしてやろうかな。今日は見張り番で祭りに行けないって嘆いてたし。……ネタまとめはそのあとでも良いか。
それにしても、最後に聞こえてきた言葉が気になる。《神社が幻想入りしてるってのは、そういう事なのかも知れないわね》……確かにそう聞こえた。
結局幻想郷とはなんなのであろうか。忘れ去られたモノが来る場所と言うが、明らかに幻想入りするにはまだ早い物が多い。
この謎はかなり大きく食べ応えがある気がする。……しかし、今考える事でもないか。不貞腐れているであろう椛のところにさっさと行ってやろう。
>足を走らせてみよう
『走る』とは足を使って進むことですので、この部分はふさわしくない表現だと思われます。
お祭りについてそれぞれの人物を交えながら淡々と描いていたお話でした。読みやすかったです。
「ネタまとめ」ではないかと。
すっきりとしていて読みやすかったです。
次回作も待ってます。
なんか、こう、幻想が入り交じるような異質で素敵な空間です
たとえば、ほら、今すれ違った子。あなたが子供の時にも、出会いませんでした?
なんて、
ところで意外と雹って夏にふりますよ?
たいてい溶けちゃいますが、雲の中で雹が出来やすいのは、むしろ夏だったかと。
なので溶けきらない程度に成長したり、涼しかったりすると、けっこう降るんです