「……鈴仙や」
「ん?」
「……あんた最近、ちょいとだらけすぎじゃないかね」
「そーお?」
呆れ顔を浮かべるてゐの前で、鈴仙はだら~と寝そべっていた。
「だって気持ちいいんだもの。畳」
そう言って畳に頬ずりしながら、ふんにゃりした笑みを浮かべる鈴仙。
「だからって……」
いくらなんでも、ブレザー姿の雌ウサギが、畳の上でぐで~っとうつ伏せになってだらけてるのはどうかと思う。
(……まったく、これだから最近の若いウサギは……)
頭に手をやり、はあと嘆くてゐ。
「てゐもやってみたら? 気持ちいいよ」
「やらん」
悪いが、私にはウサギの沽券ってもんがあるんでね。
そう皮肉混じりに言ってやっても、目の前でだらける月のウサギには何の効果も無いようで、
「ヘンな意地張ってないで、素直になればいいのに」
なんて言って、生温かい目でこっちを見てくる始末。
(……なんでこう、自分の方が正しいみたいな前提でモノを言うかなこの子は)
てゐは再び嘆息した。
「大体、最近の鈴仙は、前より一層、だらけぶりに拍車が掛かってるような気がするんだけど」
「おお、流石てゐ。よく分かったわね」
ぐりんと、顔だけてゐの方へ向けて言う鈴仙。
……ほっぺに畳の跡付いてんぞ。
なんていちいちツッコむのも面倒なので、てゐはとりあえずスルーして話を進めることにした。
「と言うからには、何か理由があるの?」
「うん。アリアリ。大アリ。あ、大妖精×アリスって意味じゃないわよ」
「何なの? その理由ってのは」
てゐのスルースキルは高い。
鈴仙の耳が少し萎れた。
「……最近ね」
「うん」
「師匠が頭なでなでしてくれないの」
「ッ!?」
てゐは戦慄した。
「師匠ったら、ここんとこず~っと、新薬の研究にかかりっきりでしょ? お陰で全然なでなでしてもらえなくて……もう鈴仙のライフはゼロです」
そう言って、再びふにゃあと畳に頬を付ける鈴仙。
てゐはゴクリと息を呑む。
「そ、それは確かに……やる気が出ないのも頷ける……!」
「でしょお? つまり私がだらけてしまうのも、やんごとなき事情あってのことなのよ」
「…………」
もはや今のてゐに、鈴仙を責める気はなくなっていた。
(ウサギにとって、頭をなでなでしてもらえないのは死活問題ッ……!)
てゐには分かる。
ウサギにとって、頭をなでなでしてもらうことが、どれ程の至福であるか。
自分がまだ、そこらのシロウサギでしかなかった頃。
道行く人に、毛並みに沿って頭をなでなでしてもらった時の、あの快感と言ったら……!
(……問題は深刻だわね)
てゐは顎に手を当てて思索に耽る。
単に、誰でもいいから頭をなでなでしてほしい、というのであれば、自分が率先してやってやれば済む話。
しかし、鈴仙の欲求はそうではない。
鈴仙が欲しているのは、あくまでも敬愛する師――八意永琳――の御手による、なでなでなのだ。
(確かに同じなでなででも、それをするのが誰であるかによって、満足度は大きく異なる……)
てゐは深く嘆息する。
……そう。
鈴仙は、知ってしまったのだ。
全てを赦し、包み込むような、師の手の温もりを。
それによりもたらされる、至上の悦びを。
そして、一度それを知ってしまったら、もう他の者のなでなででは満足できない……。
もはや鈴仙は、そういうカラダになってしまったのだ。
ウサギとは、得てして本能に忠実な動物である。
それは即ち、常に快楽を求めて生きているということ。
つまり、至上の快楽を知った鈴仙が、再びそれを欲することは、やむをえないことなのだ。
何故なら彼女は……ウサギだから。
(……どうやらここは、私が一肌脱ぐしかなさそうね。……『幸せウサギ』の名において!)
その瞬間、てゐの目が赤く輝いた。
まあウサギだから元々赤いんだけど。
……そして。
「……鈴仙」
「んあ?」
すっかりだらけきった親友に、真摯な眼差しを向けるてゐ。
そしてだらけきった返事をする鈴仙。
「今から縁側の雑巾掛けお願い」
「えぇ!? 何その過重労働!? てゐ私を殺す気!?」
「黙れ」
「ヒィ」
てゐが凄みを利かせると、鈴仙は情けない声を出した。
鈴仙は基本ビビリなので、てゐが本気で凄むと大抵の場合大人しくなる。
「……いいから、言われた通りにやりなさい。ね?」
「わ、分かった分かった。分かったから瞳孔閉じて。怖いからマジで」
本気で怯えている鈴仙。
太古の昔から生きる妖怪兎のその眼光は、未だ衰えを知らない。
こうして、鈴仙は渋々ながら、縁側の雑巾掛けを始めることになった。
「何で私が……」
と思わず愚痴をこぼしそうになったが、またてゐの瞳孔が開きかけたので慌てて口をつぐむ。
「いいからしっかりやんなさい」
「はいはい……って、てゐは何もしないわけ?」
「え?」
「……私だけこき使っといて、自分は楽を……」
「わーかったわーかった! 私は風呂掃除でもやるとするよ。それでいいでしょ?」
「は~い」
わざとおちょくったような声で返事をする鈴仙。
まったく、これだから最近の若いウサギは。
苦い顔をするてゐ。
(できれば、ここで鈴仙を監視しておきたかったが……)
こいつ目を離すとすぐサボるからな、とてゐは軽く舌打ちをする。
しかし、
(……まあでも確かに、鈴仙にだけ仕事させて、私は何もしないってわけにはいかないしね)
すぐにこう考えてしまうあたり、なんだかんだ言って真面目なてゐであった。
――それからおよそ一時間後。
「まあ、こんなもんかな」
満足気な笑みを浮かべ、額の汗を拭うてゐ。
彼女が誠心誠意込めて磨いた風呂場は、それはもう眩いばかりに光輝いていた。
「あらまあ。すごいすごい」
ふと背後から聞えた暢気な声に、てゐが振り返ると、目を丸くした輝夜が立っていた。
「あ、姫様」
「すごいじゃないの。こんなにピカピカなお風呂場は初めて見たわ」
「いやいや、そんな」
照れたように頬をかくてゐ。
こうも手放しで褒められると、なんとなく気恥ずかしいものがある。
「……でも」
ふと、輝夜の表情に憂いが差す。
「ど、どうかしましたか」
何か気に障ることをしてしまったのかと、慌てるてゐ。
「……風呂掃除くらい、言ってくれればやったのに」
そう言って、少し寂しそうに微笑む輝夜。
「あ……」
そこでてゐは気が付いた。
輝夜の、憂いの表情の持つ意味に。
……輝夜は、なんだかんだで、今でも『姫』として扱われている。
だから基本的に、輝夜に家事の分担等が回ってくることはない。
しかし、輝夜は段々、そんな自分の在り方、生き方に、疑問を抱き始めていたのだ。
てゐも、薄々それは感じていた。
最近は、盆栽の世話などを意欲的にこなしてはいるが、それでもまだ、輝夜自身が言い出さない限り、輝夜に仕事が与えられるということは無い。
(本当は、姫様も私達と同じように……)
家事をして。
汗を流して。
たまには失敗をして、皆に迷惑を掛けて。
きっと、そういう日常を送りたいのだろう。
……でも、『自分』を急に変えるということは、とても難しい。
だから彼女は、日常の中で小さなきっかけを見つけては――そう、たとえば今のように――、その都度、行動に移すように心がけているのだろう。
(……ならば、私に出来ることは、ただ一つ)
てゐは優しく微笑んで、言った。
「じゃあ」
「ん?」
「今度の風呂掃除、姫様にお願いしてもいいですか?」
「!」
ぱあっと明るくなる、輝夜の表情。
「もっちろん! 任せておきなさい、すっごく綺麗にしてやるから!」
「ええ、楽しみにしてますよ」
――その『きっかけ』を、与えてあげることくらいでしょう――。
てゐは、道は見えているのに、そこを歩む勇気が出ない――そんな人の背中を押す、ということはするが、道そのものを示す、ということはしない。
本当の幸せとは、自分で見つけてこそ意味があると、そう信じているからである。
自分はただ、ほんの少し、それの手助けをするだけ――。
因幡てゐ。
『人間を幸運にする程度の能力』は伊達ではないのだ。
(……それにしても、この姫様の勤労意欲、どこぞの玉兎にも分けてやりたいもんだ)
てゐは、ふとそんなことを考えて。
「あ」
唐突に思い出した。
「? どうしたの?」
いきなり固まったてゐを見て、首を傾げる輝夜。
「……姫様。つかぬことをお伺いしますが」
「何? 急に改まっちゃって」
「……ここに来る前に、縁側通りました?」
「? ええ、通ったけど」
「……そこで、鈴仙のヤツは、ちゃんと雑巾掛けをしてましたでしょうか?」
「雑巾……? ああいや、あの子なら」
――瞬間、てゐに衝撃走る!
「庭の草喰ってた」
「あンの野郎オオォォ!!!」
刹那、てゐは――まさに文字通り、脱兎の如く――駆け出した。
瞬く間に、てゐは縁側に到着した。
が、案の定、そこに目標の姿はない。
てゐはすぐさま、血走る視線を庭へと移す。
……居た。
周囲の景色に溶け込むように、一羽のウサギが庭の隅でしゃがみ込んでいた。
その頭が、一定の間隔で上下に動いているのが分かる。
「れぇいせぇえええん!!」
思わず、咆哮を上げるてゐ。
「!?」
突然背後から名を叫ばれ、ギョッとした顔つきで振り返る鈴仙。
その口からは、もっさもっさと何本もの雑草が生えている。
「何やっとんじゃコラァアアア!!」
てゐは一足飛びで間合いを詰めると、ガシィ! と鈴仙の頭を鷲掴みにした。
耳を掴まないのは、てゐなりの優しさである。
耳掴まれると痛いからね。
皆さんもウサギの耳だけは掴まないであげてください。
しかし耳ほどではないにしろ、頭だって強い力で掴まれたらそれなりに痛い。
鈴仙は早くも涙目になっていた。
「な、何って、その、草を」
「んなもん、見れば、分かる……!」
みしみし。
てゐの手の甲に浮く血管。
鈴仙の顔色がちょっと本気でヤバくなる。
「ちょっ……いたいいたいいたい! いたいって!」
「私が聞いてるのはそういうことじゃないんだよ……なあ、鈴仙ちゃんよう?」
再び、てゐの瞳孔が開いていく。
顔面を蒼白させる鈴仙。
「だ、だって」
「だってもヘチマもない! 縁側の雑巾掛け、まだ半分も終わってないじゃないの!」
そう言って、ビシッ! と縁側を指差すてゐ。
彼女の指摘が事実であることは、縁側の右端から数メートル程の位置で放り出されている雑巾が雄弁に物語っている。
そして、その雑巾の位置から、縁側に対して直角に、庭方向に向けて直線を延ばすと、今二匹が対峙している位置にぶつかる。
要するに、鈴仙が草喰ってた場所である。
雑巾掛けの途中で美味しそうな庭の草に目を奪われた鈴仙が、それにつられてホイホイやってきたのは火を見るよりも明らかであった。
「だって……しょうがないでしょう」
「何が」
「……そこに、草が生えているんですもの」
「微妙に名言っぽく言ってもダメなものはダメ」
「あうっ」
ずびし、と鈴仙の頭にチョップをかますてゐ。
時には鉄拳制裁も辞さないのがてゐの教育方針である。
……え?
体罰は可哀相じゃないかって?
カッ!
そんな甘ッちろい言い草がはびこってるから、最近の若モンは腰が入ってねェんだよ!
いいか。
一回本気で殴られた経験があるヤツはな、それを一生忘れねぇんだ。
そしていつか同じ過ちを犯しそうになったときに、そのときの痛みを思い出すんだ。
そこで初めて気付くんだ。
自分を殴ってくれた人の……心の痛みに。
それが、教育ってもんだ。
どんなに綺麗な言葉で言いくるめたって、三日で忘れられちゃあ元の木阿弥ってなもんよ。
……なんて、寺子屋のハクタクと教育談義に花を咲かせたのはいつのことだったか。
そんな昔を思い出し、ふとしんみりしてしまうてゐであった。
閑話休題。
兎にも角にも、再び縁側の雑巾掛けに励むことになった鈴仙。
言わずもがな、今度はてゐの監視付きである。
「ほら、しっかり腰を入れて!」
「ううう」
「そこ、汚れが残ってる!」
「ううう」
……そんな具合に、鈴仙が縁側を往復すること十数回。
「……ま、こんなもんでしょ」
ようやく、てゐのオーケーサインが出た。
「ふにゃあ」
その瞬間、一気にへたり込む鈴仙。
そんな鈴仙の様子を見て、呆れ顔を浮かべるてゐ。
「何よ。もうへばったの?」
「だ、だって……こんなに動いたら、そりゃ疲れるわよ」
「まったく。普段からだらだらしてるからでしょうが。若いクセに」
「てゐが元気過ぎんのよ……」
縁側に仰向けに寝っ転がり、はあはあと肩で息をする鈴仙。
「あーあー。こんなとこで寝ちゃあ、せっかく綺麗になったのにまた汗で汚れ……」
そう言いかけて、てゐは口を閉ざした。
「……てゐ?」
不自然なところで言葉を切ったてゐを、不思議そうに見上げる鈴仙。
すると、てゐは無言のまま、すっと縁側の奥の方を指差した。
「?」
寝転んだ姿勢のまま、顔だけをそちらの方に向ける鈴仙。
……すると、そこには。
「…………」
目をパチクリさせながら、縁側に立つ師の姿があった。
「し、師匠っ!?」
思わず、がばっと身を起こす鈴仙。
そう。
この縁側は、永琳の部屋の出入り口と隣接している。
つまり、永琳が部屋から出るときは、必然的に、この縁側を通ることになるのである。
「…………」
永琳は無言で、じっと足下の縁側を見つめたまま、その場に佇んでいる。
「あ、あのあの師匠。これはですね」
てっきり、永琳は、つい今しがたの自分のはしたない姿に絶句しているのだと思い、必死に弁解を試みる鈴仙。
……すると永琳は、視線を縁側から鈴仙に移し、静かに口を開いた。
「……ウドンゲ」
「は、はい!」
ぎゅっと目をつぶる鈴仙。
「……これ、あなたがやってくれたの?」
「……へ?」
鈴仙が恐る恐る目を開けると、永琳は縁側を指差していた。
いまいち事態が飲み込めず、キョトンとする鈴仙。
すると永琳は、諭すような口調で言い直した。
「……あなたが綺麗にしてくれたの? この縁側」
そこでようやく、師の言葉の意味を理解した鈴仙は、
「は、はい」
と、びくびくしながら返事をした。
すると。
「……そう」
永琳は一言だけ呟くと、つかつかと歩を進めた。
そして、未だ不安そうな面持ちを浮かべている鈴仙の前で立ち止まると、
「ありがとう」
と、鈴仙の頭の上に手を置いた。
「し、師匠……?」
まだ自分の身に何が起こっているのか分からず、ただただ呆けるばかりの鈴仙。
「……最近、研究が行き詰っていて、ストレスも溜まりがちだったんだけど……このピカピカの縁側と、あなたの顔を見たら、全部吹き飛んじゃったわ」
永琳はそう言うと、優しい手つきで、鈴仙の頭をなでなでし始めた。
一撫で一撫で、慈しむように。
「ふぁ……あ……あぁ……」
全身をぷるぷる震わせながら、吐息とともに声を漏らす鈴仙。
頬は紅潮し、目は僅かに潤んですらいる。
まさに恍惚とした表情である。
そして永琳は、そんな愛弟子ににっこりと微笑み掛け、
「……本当にありがとう。ウドンゲ」
と、とどめの一撃を放った。
「あぁ……し、ししょう……」
尊敬する師から怒涛の絨毯爆撃を喰らった鈴仙は、もはや完全に陶酔しきった表情で目を細めている。
へにゃっていた耳もピーンと立ち、丸いしっぽもモゾモゾと動いている。
ウサギとは得てして、感情が身体に表れやすい動物である。
……そして、そんな鈴仙の様子を襖の陰から見つめながら、目頭を熱くしているイナバが一羽。
(よかったね……鈴仙)
ほろりと零れる涙を指で拭いつつ、やれやれ、歳を取ると涙脆くなっちまっていけねぇや、と、ひとりごちるてゐであった。
……それからおよそ三十分後。
「さて鈴仙や」
「……ふぁ?」
久しぶりに『師匠の頭なでなで』を堪能しまくった鈴仙は、未だ夢心地。
縁側にだら~と寝そべったまま、てゐの呼びかけにも、へにゃりとした返事しか返せない。
「そろそろ、夕飯の支度をしようと思うんだけど」
「……うん」
「手伝って、くれるよね?」
「…………」
てゐが笑顔で問い掛けると、なぜかすっごく微妙な表情を浮かべる鈴仙。
「……鈴仙?」
てゐの笑顔がぴきっと引きつる。
「……めんどくさい」
鈴仙はぼそりと呟くと、そのままごろんと転がった。
「は……はあ!?」
慌てるてゐ。
するとすかさず、ぶー垂れる鈴仙。
「だって私今日ちょう頑張ったし。もう動けないし」
「い、いやいや! さっきお師匠様にめっちゃ頭なでなでしてもらったじゃん! もう十分エネルギー補給できたっしょ!?」
「それとこれとは話が別。ウサギは本能のままに生きるのです」
「な……」
堂々と開き直る鈴仙を前に、もはや開いた口が塞がらないてゐ。
……ああそうだ、こいつはこういうウサギだった。
というか、ウサギっていう生き物は、基本的にこういうスタンスなんだよね。
なんつうかマイペースっていうか、気分屋っていうか。
ええ、分かってますとも。
長い間生きてるうちに、ウサギらしさを失っちまった私が悪いんでしょうよ。
……なんて具合に、半ば自暴自棄気味に自己完結したてゐは、大きく溜め息を吐いて、とぼとぼと歩き始めた。
すると、そのとき。
「あ、ちょっと待って! てゐ!」
背後から自分を呼び止める、親友の声が!
(……鈴仙!)
信じていたよ、そう思いながら笑顔で振り返るてゐ。
……だが。
「今日は肉じゃがにしてね。頑張った私へのご褒美ってことで」
「……え?」
先ほどまでとは一転、弾けるような笑顔で言う鈴仙。
一方、てゐは半笑いのままで固まっている。
「出来たら呼んでね。それまでここでだらだらしてるから」
鈴仙はそう言うと、再びごろりと寝転がった。
「…………」
そんな親友の背を見ながら、遠い目をするてゐ。
……ああそうだ、こいつはこういうウサギだった。
ほんの数秒前と同じフレーズが、てゐの脳内で再生される。
(……もはや、何も言うことはあるまい)
無言で親友に背を向け、厨房へと向かうてゐ。
その胸中に思うことは、ただ一つ。
(……鈴仙の分は、人参少なめにしてやろう)
ささやかな復讐であった。
了
私はてっきりウサギのマスターb……おや、誰か来たようだ。
飼育小屋にはいるたびに襲われたなー
……虐めたりしてなかったのにー
しかも一緒に入った奴は襲われなかったしー
初めて赤い尿を見た時は病気だと思った記憶
喉元も喜ぶんだぜ
あと茶色い目のもいたり、てゐ様は赤いけど、もちろん
草を食む姿は癒し
つ満点
そうだよね、兎ってこういうやつだよね。
なでなでして差し上げたい
とっても良かったです!!
あと、こういう輝夜を久しぶりに見た気がする。
それと姫様可愛いよ姫様。
ここまで野生なうどんげは初めてだ。
ダメ鈴仙もいとおしくてかわいいww