闇に潜む、紅き月。
禍々しいオーラを含んだその月には、狂気を含む。
決して人は見る事無かれ。
その夜出かける事無かれ。
見れば狂い、出かければ食されるだろう。
そうなりなたく無いのなら、命を軽んじる事無きよう。
命を軽んじ、亡くなりたいのなら怪のお茶会にでも行きなされ。
私は止める事はしない。助ける事もしない。
「けど、貴方を食べる事はするわ。」
夜に映える、紅き衣。
血に染まった紅き衣着て。
夜の主は愚かな人をせせら笑う。
禍々しき紅き月の夜。
悲鳴がまた一つ上がった。
*
「パチェ、いるかしら?」
広い広い図書館に、史書の使い魔と共にいる魔女。
パチュリー・ノーレッジの元へと、声が届いた。
「えぇ、いるわよ。どうしたのかしら?レミィ」
パチュリーはそう返し、レミィと呼ぶ。
呼ばれた、最初の声の主は空からやって来た。
「ちょっと聞きたい事があってね」
無数の羽ばたく音。
黒い蝙蝠の群れが、一つの声を。
最初の声で、そう言った。
「えぇ。分かってるわ。だから、どうしたのかしら?」
蝙蝠の群れが、一つの塊になるのを見ながら、
パチュリーは真剣な表情で答えた。
「どうやったら、あの子を悲しませないでおけるかしら?」
一つの塊から、紅い霧が流れなだし、姿を変えてゆく。
パチュリーは、その光景に慣れているのか、表情を変えずに
「それは無理な話よ、レミィ。貴女でも無理なのだから、妹様には到底無理な話だわ」
そう答えた。
最初の声は、少し唸るような声を上げながら、
紅い霧の中から、最初の声の主。
西洋の妖怪、吸血鬼である、
レミリア・スカーレットは現れた。
「そう・・・。咲夜!」
「お呼びで御座いますか、お嬢様」
レミリアがそう叫んだ次の瞬間には、彼女の従者である、時を止める事が出来る人間、十六夜 咲夜がいた。
同時に、図書館にあるテーブルには、二つの紅茶が置かれていた。
一つは、澄み切った橙色の紅茶。
もう一つは、名前通りの、どす黒い紅色の紅茶。
「咲夜、貴女もあの子に出来る、悲しませない方法を探しなさい」
「悲しませない、方法ですか」
いったい何を申されるのだろう、と心構えていた咲夜には、少々驚く事だったのだろう。
呆けた表情で、用件を申し付けた主を見た。
「そう、悲しませない方法」
指先から、紅い霧を微かに出しながら、主は従者にそう言う。
従者は少し悩んだ後、
「いったい、何で悲しむのでしょうか?」
と、従者は言った。
「貴女が死んだ時よ」
主は、そう答えた。
「私が、死んだ時ですか?」
自分に指を刺しながら、従者が返す。
「そう、咲夜が死んじゃった時」
主は、真剣な目で答える。
「私が、死んだ時ですか・・・」
目を伏せて、銀髪の髪を垂らして。
咲夜は目の前の、動けなくしたレミリアを見ながら、暫く悩んだ。
人の身である限り、彼女は何時か死んでしまう。
彼女にとっては”長い”年月で。
目の前にいる、小さな主には、”短い”年月で。
儚い時代を生きる人間と、永い時代を生きる妖怪が、共に暮らす上で最大の難問。
紛い物の月を創った薬師が付き従う、月の姫が繰り出した難題よりも、遥かに難しい難問。
「私が死んだ時・・・」
今もこうして、確かに過ぎてゆく儚い時間。
先立つ者も、残された者も、悲しみを深めるこの時間。
「なら、お嬢様。今ここで、私を殺してください」
自分以外を止めた時間を、再び進める。
秒刻みの針が、柱時計の中で必死にチクタクと鳴っていた。
「貴女の知能は、氷精よりも下なのかしら?」
少し、怒りを含めた目で、レミリアは咲夜に言った。
しかし、咲夜は至って冷静な目で、主を見た。
「お嬢様。私は一生死ぬ人間です。お嬢様のように、ほとんど不老不死のような状態になる事も、蓬莱人のように、不老不死になる事も。氷精の様に死んでも転生する事も出来ない。ただの人間です」
肝試しの時に出会った、死なない人間を見たときに、言った言葉。
洒落でもあり、本音でもあるあの言葉が、今では苛立ちを覚えさせる言葉になる。
「私は貴女に不老不死になれ、とは言ってないわ。ただ、貴女が死んだ時。あの子が悲しまないような方法を、私は探しているの」
手を置いていた机が、力を入れられ、悲鳴を上げる。
「確かに、貴女が寿命で死ぬときは今より悲しくなるわ。だけど、だからといって深く悲しまないように、今貴女を殺すのは愚問って事よ」
力に耐え切れなくなった机が、断末魔を上げて砕けた。
だが、破片は飛び散る事も無く、地面に置かれていた。
従者が、飛び散った破片で主が傷つかないように、と配慮したのだろう。
「・・・咲夜」
何故、こんな配慮は出来るのに、私の心に傷をつけるのか。
「なんでしょうか、お嬢様」
咲夜の凛、とした態度。何時もは誇り高い吸血鬼に、綺麗に当てはまる従者の態度だと思った。
けど、今では何故傷つけておいて、そんな態度を出せるのか、と申し立てたい態度だ。
「貴女は、私の事を何だと思っているの?」
力強い吸血鬼だと思っているのかしら?
それとも、衣食住を提供してくれる館の主だと思っているのかしら?
もしそうなのだとしたら・・・私は・・・。
私は、あの氷精よりも馬鹿じゃないか。
外れてくれ。そう願うレミリアの耳に、咲夜の美声が届く。
「この館の主で、私に衣食住を提供してくれる、誇り高い吸血鬼です」
何故、この子は何も分かってくれないのだろう。
私が、こんなにも貴女を愛しているという事に。
私にとって、誇り高い従者である以前に、
心休まる相手だというのに。
「咲夜、もう戻って良いわ。お疲れ様」
「・・・はい」
どっと疲れが噴出して、何かを考えるのも面倒臭くなって。
レミリアは、咲夜にそう命じて、咲夜が歩いて去るのを見ていた。
「・・・相談する相手が違うと思うわよ、レミィ」
呆れた様な表情で、パチュリーがレミリアへと言った。
同じ待つことになる身ではなく、先逝く身に言う言葉なのか。
そう言う意味で、パチュリーは言い、
「ところで。私の机、どうしてくれるのかしら?」
と、付け足す。
「え?あ・・・あぁ。そういえば、壊しちゃったわね・・・」
苛立ちを向けられ、破壊されてしまった哀れな机。
主の心を傷つけた癖に、身を傷つけないようにと、置かれている破片。
「どうして」
完璧な従者だと思っていた。
瀟洒な従者だと思っていた。
確かに、従者としては完璧で瀟洒だった。
けれど、私としては不完璧で、瀟洒ではなかった。
「・・・レミィ」
「何?パチェ」
先ほどよりも、呆れたような表情でパチュリーは、レミリアの名前を呼んだ。
「1階の、5番目の部屋から代わりの机を持ってきて」
「・・・へ?」
数百年の付き合いを経た今でも、時々彼女の言う事が分からない時がある。
「たまには、自分の力を使うのもいいんじゃないかしら?私じゃ代わりの机を運ぶだけの力もないし」
確かに、パチュリーと違ってレミリアは怪力だ。
だけど、何故今なの?と、レミリアは一瞬思う。
「ほら、早く持ってきてよ。それとも、机無しで私に本を読ませる気かしら?」
パチュリーは、急かすように、手をパタパタと払いのけるように動かしている。
早く本でも読みたいのだろうか。
「・・・分かったわ」
友人の付き合いだし、今は何かを考えたくも無い。
そう思った所で、レミリアは蝙蝠のような翼を羽ばたかせ、気だるそうに図書館を出て行った。
「・・・パチュリー様」
出て行くのを見送った後、図書館の本棚に隠れていた小悪魔が、こっそりと出てくる。
「何かしら?小悪魔」
魔法を詠唱し、壊れた机を元に戻しながら、パチュリーが返す。
「・・・それも、ですか」
「まぁ、ね」
はぁ、とため息をつきながら小悪魔が言い、パチュリーが素っ気無くそう言う。
「遠まわしに言わなくても、直接言えば良かったんじゃ無いですか?」
「何を?」
「・・・色々と」
「小悪魔」
「はい?」
はぐらかされる様に言われ、少ししょんぼりとしていた小悪魔に、パチュリーが言いかける。
「貴女の事、これから”子”悪魔って呼ぶわよ」
「ほへ?」
「未熟者って事よ。レミィといい、貴方も人間で言う大人の年齢は越してるんだから。少しは精神的にも成長しなさい」
直した机に、分厚い本を置き、ページを開きながらパチュリーが言う。
本当にこの魔女は素直じゃ無いなぁ・・・、と呟きながら
「その台詞を、咲夜さんにも、レミリア様にも言えば良かったじゃないですか」
と、やや不満そうな半目で、パチュリーを見た。
すると、パチュリーは至って真剣な表情で、
「それじゃあ、面白くないわ」
と、答えた。直後、小悪魔が数回目のため息をついたのは、言うまでも無い。
*
「えーっと、5番目・・・5番目、と。あれかしら?」
確かめるように呟きながら、レミリアは目的の部屋を探していた。
紅魔館、と呼ばれるこの館は、咲夜が空間を広げている為に、かなり広い仕様になっている。
その長い廊下を突き進んで、目的の部屋へと差し掛かろうとしたとき、隣の部屋に明かりがついている事に気づいた。
「・・・おかしいな」
今の時間帯では、メイド妖精達は働いている筈だ。
その場でくるりと回って、周りの部屋を確認してみたが、明かりがついている部屋は一つも無く。
それに、意識はしていなかったが、働いているメイド妖精は見ても、明かりがついている部屋は無かった筈。
「よっと・・・あれ?」
扉に窓は付いているが、少し高い位置にあるため、身長が低いレミリアは背伸びをして見る。
一々こんな事をして見なくても良いのだが、した方が良いという運命が視えたからだ。
そして、背伸びをした窓から見えたのは、ベッドの上で背を縮こめて座っている女性。
「咲夜?」
普段の、さっきまで見ていた完全で瀟洒なメイド長の姿からはかけはなれた、不完全で湿った暗い雰囲気を持った女性の姿が見えた。
「・・・えと」
背伸びを止め、少し思案してから扉を3回叩き、返事を待つ。
少し経ってから、どうぞ、と躊躇いがちな返事が聞こえた。
「どうしたのかしら?咲夜」
「お嬢様・・・その、申し訳ありません・・・」
仕事をさぼっている所を見られた、と思っているのか。
咲夜は項垂れて、悲しそうな声で答えた。
「咲夜。話をする時は、目と目を見せて話をしなさい、って言われなかったかしら?」
「・・・」
「咲夜。貴女は、主の言葉に耳も貸さないのかしら?」
「・・・もうしわけ・・・ありません・・・」
やっと顔を上げて、答えた言葉は、今にも消えそうな声だった。
まるで、儚い道を歩む人の如く。
「何がそんなに申し訳ないの」
ふぅ、と息をつき。咲夜の青い目を真直ぐに見ながら、レミリアは言う。
咲夜は、言葉が直ぐに見つからなかったのか、少し視線をさ迷わせてから、
「仕事をしていない事と、主に無礼を働いた事、命令に従わなかった事です」
と、率直にそう答える。レミリアは少し頭を振ると
「咲夜。その程度の事なら、何時も貴女してるじゃない」
少し苦笑しながら答えた。
「・・・」
その言葉に、驚き。そして呆ける咲夜を見ながら、レミリアが続けて、
「それに今の無礼より、さっきの無礼のほうが、傷つくわ」
と、答えた。
何を?というような表情で、咲夜がレミリアを見る。
「殺してくれ、って言った事。私の事を、ただの衣食住を提供してくれる吸血鬼だと認識していた事」
「そ・・・それ、は」
「咲夜」
言い訳をしようとしていたのだろうか。
しどろもどろの言葉を発する咲夜に、レミリアは名前を呼んで、ぴしゃりと打ち止める。
「・・・」
怒られると思っているのか。
怯えた表情をする咲夜を見て、レミリアは一つため息をつき、
「私にとって、貴女は家族の様な存在だと思っていた」
カーテンを開き、窓を開け、新鮮な空気を取り入れ、暗く湿った空気を無くそうとする。
そうでもしないと、雨に打たれたような感覚に陥りそうだったからだ。
「でも、咲夜はそう思っていなかったのね」
本当に、そう思っているとは信じていない。
そう思っているのだったら、従者は今も掃除をしたりして、瀟洒にしているのだろう。
でも。今目の前にいる彼女は、暗い雰囲気を出していた。
自分で言った言葉が、違うと気づき、悔やんでいると思って。
「お嬢様・・・」
違う、と。違うと言って欲しい。そんな事は、思っていないと。
誇り高い吸血鬼が、たった一人の人間の子に、こんなに必死になっているとは。
自虐するように、ふっと笑う。
幻想郷にいる者らしく。私らしくて、いいじゃないかと。
カリスマなんて、あるだけ無駄な様な気もするし。
「何?」
これだけ、誇りを捨てて懇願しているのだから。
たった二文字の言葉なのだから。
お願いだから、言ってよ。
「私の事は、お嬢様にとってはただのメイド長じゃなかったのですか?」
「へっ!?」
予想外の言葉に、レミリアは甲高い声を上げて、思わず咲夜の顔を見てしまった。
戸惑うような、少し切なそうな顔。
「私の死について、私に相談しましたし・・・」
続けて、震えた言葉で言ってゆく咲夜。
今度はレミリアが、なんで?と言うような表情になる。
「だって、私が死んだ後の事を・・・妹様の事を優先的に考えるって事は、私何かどうでもいいものだとばかり・・・」
「違う」
成る程、私達はあの氷精よりも馬鹿だ。
願っていた言葉を、自分から言うことに少し苦笑しつつ、
「少し前にね、人の死について考えていたのよ。咲夜も、霊夢も、魔理沙も。人間ってのは、皆短い間に死んで、此処からいなくなっちゃう存在だから」
レミリアは口から、言葉を出してゆく。
「だから、咲夜もいつかいなくなってしまう。そう思ったらね・・・悲しくて、怖かった。私でもこう想うくらいだから、感情的なあの子はどうなってしまうんだろうと・・・そう想ったら」
「いてもたってもいられなくて、パチュリー様や、私に言ったという事ですか」
先ほどの暗さとは違い、瀟洒に咲夜はレミリアの言葉を繋ぐ。
「うん、そう」
二人して、お互いを唯の主と従者と思っていただけで、二人して物凄く落ち込んで。
だけど、実際はお互いそうは思っていなかった事に、今まで悲しんでいた事が拍子抜けしたのか。
言葉使いは威厳が無い、容姿通りの幼いような口調になっている事に気づき、レミリアは内心また苦笑した。
けれども、今はそのくらいが丁度良くて。苦笑するくらいが、丁度良いんだろうなと思った。
「だからといって、私に言うのは如何かと思いますよ。てっきり、遠まわしに私はいらない者だと言われてるような気もしまして」
「そして戻りなさいと言われたのが引き金となって、こうして部屋に閉じこもってしまった。というわけなのね?」
今度は、レミリアが咲夜の言葉を繋いだ。
「えぇ、そうです」
柔らかい表情で、微笑んで咲夜が答える。
「あー、ところで咲夜」
「なんでしょうか、お嬢様」
もう、願わなくたって。聞かなくったって分かるけれども。
それでも、聞かずにはいられない。
「私の事を、なんだと思ってるのかしら?」
「この館の主で、私に衣食住を提供してくれる、誇り高い吸血鬼です」
「怒るわよ?」
「冗談ですよ、お嬢様」
あはは、と二人で笑う。笑いあうこの時間も素敵だけど、もう一度。
「私の事を、なんだと思っているのかしら?」
「家族だと、手のかかる子どもだと思ってます」
「ちょっと、コラ」
「実際そんな感じですよ」
今度はふふっ、と笑いながら、咲夜がレミリアを見る。
子どもといわれて、少し膨れっ面をしているレミリアがいた。
「お嬢様に、怒り顔は似合いませんわ。もっと威厳高い顔で、凛々しくいてください」
そんなレミリアの頭を撫でながら、小さなその身体を抱きながら咲夜がいった。
抱かれた状態で、威厳高い顔も何もあったものではないと思うが、
「咲夜がそう言うなら、良いわ」
と、レミリアはそう返しながら、自分よりも遥かに年齢が下の咲夜を、抱き返す。
家族のように、優しき温もりを持った咲夜を、離すまいかと。
幼い子どもが、人ごみの中で迷っても。
すぐに見つけて、あやすように抱きしめる近所のお姉さんを。
もう、こんな怖い所に置いて消えないでくれ、と。
不安を消し去ってくれる事を願うかのように。
人間の彼女の身を案じて、強く、だけど優しく抱きしめるのだった。
*
翌日の朝、あまりにも抱き心地が良かったのか、咲夜はレミリアを抱いたままベッドの上で眠ってしまった。
レミリア自身も、甘えるように咲夜の腕の中で、眠りこんでしまったわけであるが、
「パチュリー様・・・もしかして、これを読んでいたのですか?」
扉の窓から、その幸せそうな二人を見ている、二つの影があった。
「えぇ。幸せそうで良かったわ。さて、戻るわよ、小悪魔」
「はい」
弱くても、簡単に壊れる事が無い使い魔を従者にしている自分とは違って。
弱く、脆い人間を従者にして、家族のように愛しているレミリアの事を、パチュリーは少し心配していた。
レミリアが、使えない従者だと切れて、咲夜を殺めてしまうのでは無いか。
咲夜が、もうついていけないと、レミリアの元から離れてしまうのでは無いか。
所々で気持ちに疎い彼女達が、勘違いをして二人して去ってしまうのじゃないか、と思っていたからだ。
でも、今見た限りではその心配も、ただの憂いにすぎなかったらしい。
パチュリーはふっと笑い、満足げな笑顔を浮かべ、小悪魔と共にその場を去った。
禍々しいオーラを含んだその月には、狂気を含む。
決して人は見る事無かれ。
その夜出かける事無かれ。
見れば狂い、出かければ食されるだろう。
そうなりなたく無いのなら、命を軽んじる事無きよう。
命を軽んじ、亡くなりたいのなら怪のお茶会にでも行きなされ。
私は止める事はしない。助ける事もしない。
「けど、貴方を食べる事はするわ。」
夜に映える、紅き衣。
血に染まった紅き衣着て。
夜の主は愚かな人をせせら笑う。
禍々しき紅き月の夜。
悲鳴がまた一つ上がった。
*
「パチェ、いるかしら?」
広い広い図書館に、史書の使い魔と共にいる魔女。
パチュリー・ノーレッジの元へと、声が届いた。
「えぇ、いるわよ。どうしたのかしら?レミィ」
パチュリーはそう返し、レミィと呼ぶ。
呼ばれた、最初の声の主は空からやって来た。
「ちょっと聞きたい事があってね」
無数の羽ばたく音。
黒い蝙蝠の群れが、一つの声を。
最初の声で、そう言った。
「えぇ。分かってるわ。だから、どうしたのかしら?」
蝙蝠の群れが、一つの塊になるのを見ながら、
パチュリーは真剣な表情で答えた。
「どうやったら、あの子を悲しませないでおけるかしら?」
一つの塊から、紅い霧が流れなだし、姿を変えてゆく。
パチュリーは、その光景に慣れているのか、表情を変えずに
「それは無理な話よ、レミィ。貴女でも無理なのだから、妹様には到底無理な話だわ」
そう答えた。
最初の声は、少し唸るような声を上げながら、
紅い霧の中から、最初の声の主。
西洋の妖怪、吸血鬼である、
レミリア・スカーレットは現れた。
「そう・・・。咲夜!」
「お呼びで御座いますか、お嬢様」
レミリアがそう叫んだ次の瞬間には、彼女の従者である、時を止める事が出来る人間、十六夜 咲夜がいた。
同時に、図書館にあるテーブルには、二つの紅茶が置かれていた。
一つは、澄み切った橙色の紅茶。
もう一つは、名前通りの、どす黒い紅色の紅茶。
「咲夜、貴女もあの子に出来る、悲しませない方法を探しなさい」
「悲しませない、方法ですか」
いったい何を申されるのだろう、と心構えていた咲夜には、少々驚く事だったのだろう。
呆けた表情で、用件を申し付けた主を見た。
「そう、悲しませない方法」
指先から、紅い霧を微かに出しながら、主は従者にそう言う。
従者は少し悩んだ後、
「いったい、何で悲しむのでしょうか?」
と、従者は言った。
「貴女が死んだ時よ」
主は、そう答えた。
「私が、死んだ時ですか?」
自分に指を刺しながら、従者が返す。
「そう、咲夜が死んじゃった時」
主は、真剣な目で答える。
「私が、死んだ時ですか・・・」
目を伏せて、銀髪の髪を垂らして。
咲夜は目の前の、動けなくしたレミリアを見ながら、暫く悩んだ。
人の身である限り、彼女は何時か死んでしまう。
彼女にとっては”長い”年月で。
目の前にいる、小さな主には、”短い”年月で。
儚い時代を生きる人間と、永い時代を生きる妖怪が、共に暮らす上で最大の難問。
紛い物の月を創った薬師が付き従う、月の姫が繰り出した難題よりも、遥かに難しい難問。
「私が死んだ時・・・」
今もこうして、確かに過ぎてゆく儚い時間。
先立つ者も、残された者も、悲しみを深めるこの時間。
「なら、お嬢様。今ここで、私を殺してください」
自分以外を止めた時間を、再び進める。
秒刻みの針が、柱時計の中で必死にチクタクと鳴っていた。
「貴女の知能は、氷精よりも下なのかしら?」
少し、怒りを含めた目で、レミリアは咲夜に言った。
しかし、咲夜は至って冷静な目で、主を見た。
「お嬢様。私は一生死ぬ人間です。お嬢様のように、ほとんど不老不死のような状態になる事も、蓬莱人のように、不老不死になる事も。氷精の様に死んでも転生する事も出来ない。ただの人間です」
肝試しの時に出会った、死なない人間を見たときに、言った言葉。
洒落でもあり、本音でもあるあの言葉が、今では苛立ちを覚えさせる言葉になる。
「私は貴女に不老不死になれ、とは言ってないわ。ただ、貴女が死んだ時。あの子が悲しまないような方法を、私は探しているの」
手を置いていた机が、力を入れられ、悲鳴を上げる。
「確かに、貴女が寿命で死ぬときは今より悲しくなるわ。だけど、だからといって深く悲しまないように、今貴女を殺すのは愚問って事よ」
力に耐え切れなくなった机が、断末魔を上げて砕けた。
だが、破片は飛び散る事も無く、地面に置かれていた。
従者が、飛び散った破片で主が傷つかないように、と配慮したのだろう。
「・・・咲夜」
何故、こんな配慮は出来るのに、私の心に傷をつけるのか。
「なんでしょうか、お嬢様」
咲夜の凛、とした態度。何時もは誇り高い吸血鬼に、綺麗に当てはまる従者の態度だと思った。
けど、今では何故傷つけておいて、そんな態度を出せるのか、と申し立てたい態度だ。
「貴女は、私の事を何だと思っているの?」
力強い吸血鬼だと思っているのかしら?
それとも、衣食住を提供してくれる館の主だと思っているのかしら?
もしそうなのだとしたら・・・私は・・・。
私は、あの氷精よりも馬鹿じゃないか。
外れてくれ。そう願うレミリアの耳に、咲夜の美声が届く。
「この館の主で、私に衣食住を提供してくれる、誇り高い吸血鬼です」
何故、この子は何も分かってくれないのだろう。
私が、こんなにも貴女を愛しているという事に。
私にとって、誇り高い従者である以前に、
心休まる相手だというのに。
「咲夜、もう戻って良いわ。お疲れ様」
「・・・はい」
どっと疲れが噴出して、何かを考えるのも面倒臭くなって。
レミリアは、咲夜にそう命じて、咲夜が歩いて去るのを見ていた。
「・・・相談する相手が違うと思うわよ、レミィ」
呆れた様な表情で、パチュリーがレミリアへと言った。
同じ待つことになる身ではなく、先逝く身に言う言葉なのか。
そう言う意味で、パチュリーは言い、
「ところで。私の机、どうしてくれるのかしら?」
と、付け足す。
「え?あ・・・あぁ。そういえば、壊しちゃったわね・・・」
苛立ちを向けられ、破壊されてしまった哀れな机。
主の心を傷つけた癖に、身を傷つけないようにと、置かれている破片。
「どうして」
完璧な従者だと思っていた。
瀟洒な従者だと思っていた。
確かに、従者としては完璧で瀟洒だった。
けれど、私としては不完璧で、瀟洒ではなかった。
「・・・レミィ」
「何?パチェ」
先ほどよりも、呆れたような表情でパチュリーは、レミリアの名前を呼んだ。
「1階の、5番目の部屋から代わりの机を持ってきて」
「・・・へ?」
数百年の付き合いを経た今でも、時々彼女の言う事が分からない時がある。
「たまには、自分の力を使うのもいいんじゃないかしら?私じゃ代わりの机を運ぶだけの力もないし」
確かに、パチュリーと違ってレミリアは怪力だ。
だけど、何故今なの?と、レミリアは一瞬思う。
「ほら、早く持ってきてよ。それとも、机無しで私に本を読ませる気かしら?」
パチュリーは、急かすように、手をパタパタと払いのけるように動かしている。
早く本でも読みたいのだろうか。
「・・・分かったわ」
友人の付き合いだし、今は何かを考えたくも無い。
そう思った所で、レミリアは蝙蝠のような翼を羽ばたかせ、気だるそうに図書館を出て行った。
「・・・パチュリー様」
出て行くのを見送った後、図書館の本棚に隠れていた小悪魔が、こっそりと出てくる。
「何かしら?小悪魔」
魔法を詠唱し、壊れた机を元に戻しながら、パチュリーが返す。
「・・・それも、ですか」
「まぁ、ね」
はぁ、とため息をつきながら小悪魔が言い、パチュリーが素っ気無くそう言う。
「遠まわしに言わなくても、直接言えば良かったんじゃ無いですか?」
「何を?」
「・・・色々と」
「小悪魔」
「はい?」
はぐらかされる様に言われ、少ししょんぼりとしていた小悪魔に、パチュリーが言いかける。
「貴女の事、これから”子”悪魔って呼ぶわよ」
「ほへ?」
「未熟者って事よ。レミィといい、貴方も人間で言う大人の年齢は越してるんだから。少しは精神的にも成長しなさい」
直した机に、分厚い本を置き、ページを開きながらパチュリーが言う。
本当にこの魔女は素直じゃ無いなぁ・・・、と呟きながら
「その台詞を、咲夜さんにも、レミリア様にも言えば良かったじゃないですか」
と、やや不満そうな半目で、パチュリーを見た。
すると、パチュリーは至って真剣な表情で、
「それじゃあ、面白くないわ」
と、答えた。直後、小悪魔が数回目のため息をついたのは、言うまでも無い。
*
「えーっと、5番目・・・5番目、と。あれかしら?」
確かめるように呟きながら、レミリアは目的の部屋を探していた。
紅魔館、と呼ばれるこの館は、咲夜が空間を広げている為に、かなり広い仕様になっている。
その長い廊下を突き進んで、目的の部屋へと差し掛かろうとしたとき、隣の部屋に明かりがついている事に気づいた。
「・・・おかしいな」
今の時間帯では、メイド妖精達は働いている筈だ。
その場でくるりと回って、周りの部屋を確認してみたが、明かりがついている部屋は一つも無く。
それに、意識はしていなかったが、働いているメイド妖精は見ても、明かりがついている部屋は無かった筈。
「よっと・・・あれ?」
扉に窓は付いているが、少し高い位置にあるため、身長が低いレミリアは背伸びをして見る。
一々こんな事をして見なくても良いのだが、した方が良いという運命が視えたからだ。
そして、背伸びをした窓から見えたのは、ベッドの上で背を縮こめて座っている女性。
「咲夜?」
普段の、さっきまで見ていた完全で瀟洒なメイド長の姿からはかけはなれた、不完全で湿った暗い雰囲気を持った女性の姿が見えた。
「・・・えと」
背伸びを止め、少し思案してから扉を3回叩き、返事を待つ。
少し経ってから、どうぞ、と躊躇いがちな返事が聞こえた。
「どうしたのかしら?咲夜」
「お嬢様・・・その、申し訳ありません・・・」
仕事をさぼっている所を見られた、と思っているのか。
咲夜は項垂れて、悲しそうな声で答えた。
「咲夜。話をする時は、目と目を見せて話をしなさい、って言われなかったかしら?」
「・・・」
「咲夜。貴女は、主の言葉に耳も貸さないのかしら?」
「・・・もうしわけ・・・ありません・・・」
やっと顔を上げて、答えた言葉は、今にも消えそうな声だった。
まるで、儚い道を歩む人の如く。
「何がそんなに申し訳ないの」
ふぅ、と息をつき。咲夜の青い目を真直ぐに見ながら、レミリアは言う。
咲夜は、言葉が直ぐに見つからなかったのか、少し視線をさ迷わせてから、
「仕事をしていない事と、主に無礼を働いた事、命令に従わなかった事です」
と、率直にそう答える。レミリアは少し頭を振ると
「咲夜。その程度の事なら、何時も貴女してるじゃない」
少し苦笑しながら答えた。
「・・・」
その言葉に、驚き。そして呆ける咲夜を見ながら、レミリアが続けて、
「それに今の無礼より、さっきの無礼のほうが、傷つくわ」
と、答えた。
何を?というような表情で、咲夜がレミリアを見る。
「殺してくれ、って言った事。私の事を、ただの衣食住を提供してくれる吸血鬼だと認識していた事」
「そ・・・それ、は」
「咲夜」
言い訳をしようとしていたのだろうか。
しどろもどろの言葉を発する咲夜に、レミリアは名前を呼んで、ぴしゃりと打ち止める。
「・・・」
怒られると思っているのか。
怯えた表情をする咲夜を見て、レミリアは一つため息をつき、
「私にとって、貴女は家族の様な存在だと思っていた」
カーテンを開き、窓を開け、新鮮な空気を取り入れ、暗く湿った空気を無くそうとする。
そうでもしないと、雨に打たれたような感覚に陥りそうだったからだ。
「でも、咲夜はそう思っていなかったのね」
本当に、そう思っているとは信じていない。
そう思っているのだったら、従者は今も掃除をしたりして、瀟洒にしているのだろう。
でも。今目の前にいる彼女は、暗い雰囲気を出していた。
自分で言った言葉が、違うと気づき、悔やんでいると思って。
「お嬢様・・・」
違う、と。違うと言って欲しい。そんな事は、思っていないと。
誇り高い吸血鬼が、たった一人の人間の子に、こんなに必死になっているとは。
自虐するように、ふっと笑う。
幻想郷にいる者らしく。私らしくて、いいじゃないかと。
カリスマなんて、あるだけ無駄な様な気もするし。
「何?」
これだけ、誇りを捨てて懇願しているのだから。
たった二文字の言葉なのだから。
お願いだから、言ってよ。
「私の事は、お嬢様にとってはただのメイド長じゃなかったのですか?」
「へっ!?」
予想外の言葉に、レミリアは甲高い声を上げて、思わず咲夜の顔を見てしまった。
戸惑うような、少し切なそうな顔。
「私の死について、私に相談しましたし・・・」
続けて、震えた言葉で言ってゆく咲夜。
今度はレミリアが、なんで?と言うような表情になる。
「だって、私が死んだ後の事を・・・妹様の事を優先的に考えるって事は、私何かどうでもいいものだとばかり・・・」
「違う」
成る程、私達はあの氷精よりも馬鹿だ。
願っていた言葉を、自分から言うことに少し苦笑しつつ、
「少し前にね、人の死について考えていたのよ。咲夜も、霊夢も、魔理沙も。人間ってのは、皆短い間に死んで、此処からいなくなっちゃう存在だから」
レミリアは口から、言葉を出してゆく。
「だから、咲夜もいつかいなくなってしまう。そう思ったらね・・・悲しくて、怖かった。私でもこう想うくらいだから、感情的なあの子はどうなってしまうんだろうと・・・そう想ったら」
「いてもたってもいられなくて、パチュリー様や、私に言ったという事ですか」
先ほどの暗さとは違い、瀟洒に咲夜はレミリアの言葉を繋ぐ。
「うん、そう」
二人して、お互いを唯の主と従者と思っていただけで、二人して物凄く落ち込んで。
だけど、実際はお互いそうは思っていなかった事に、今まで悲しんでいた事が拍子抜けしたのか。
言葉使いは威厳が無い、容姿通りの幼いような口調になっている事に気づき、レミリアは内心また苦笑した。
けれども、今はそのくらいが丁度良くて。苦笑するくらいが、丁度良いんだろうなと思った。
「だからといって、私に言うのは如何かと思いますよ。てっきり、遠まわしに私はいらない者だと言われてるような気もしまして」
「そして戻りなさいと言われたのが引き金となって、こうして部屋に閉じこもってしまった。というわけなのね?」
今度は、レミリアが咲夜の言葉を繋いだ。
「えぇ、そうです」
柔らかい表情で、微笑んで咲夜が答える。
「あー、ところで咲夜」
「なんでしょうか、お嬢様」
もう、願わなくたって。聞かなくったって分かるけれども。
それでも、聞かずにはいられない。
「私の事を、なんだと思ってるのかしら?」
「この館の主で、私に衣食住を提供してくれる、誇り高い吸血鬼です」
「怒るわよ?」
「冗談ですよ、お嬢様」
あはは、と二人で笑う。笑いあうこの時間も素敵だけど、もう一度。
「私の事を、なんだと思っているのかしら?」
「家族だと、手のかかる子どもだと思ってます」
「ちょっと、コラ」
「実際そんな感じですよ」
今度はふふっ、と笑いながら、咲夜がレミリアを見る。
子どもといわれて、少し膨れっ面をしているレミリアがいた。
「お嬢様に、怒り顔は似合いませんわ。もっと威厳高い顔で、凛々しくいてください」
そんなレミリアの頭を撫でながら、小さなその身体を抱きながら咲夜がいった。
抱かれた状態で、威厳高い顔も何もあったものではないと思うが、
「咲夜がそう言うなら、良いわ」
と、レミリアはそう返しながら、自分よりも遥かに年齢が下の咲夜を、抱き返す。
家族のように、優しき温もりを持った咲夜を、離すまいかと。
幼い子どもが、人ごみの中で迷っても。
すぐに見つけて、あやすように抱きしめる近所のお姉さんを。
もう、こんな怖い所に置いて消えないでくれ、と。
不安を消し去ってくれる事を願うかのように。
人間の彼女の身を案じて、強く、だけど優しく抱きしめるのだった。
*
翌日の朝、あまりにも抱き心地が良かったのか、咲夜はレミリアを抱いたままベッドの上で眠ってしまった。
レミリア自身も、甘えるように咲夜の腕の中で、眠りこんでしまったわけであるが、
「パチュリー様・・・もしかして、これを読んでいたのですか?」
扉の窓から、その幸せそうな二人を見ている、二つの影があった。
「えぇ。幸せそうで良かったわ。さて、戻るわよ、小悪魔」
「はい」
弱くても、簡単に壊れる事が無い使い魔を従者にしている自分とは違って。
弱く、脆い人間を従者にして、家族のように愛しているレミリアの事を、パチュリーは少し心配していた。
レミリアが、使えない従者だと切れて、咲夜を殺めてしまうのでは無いか。
咲夜が、もうついていけないと、レミリアの元から離れてしまうのでは無いか。
所々で気持ちに疎い彼女達が、勘違いをして二人して去ってしまうのじゃないか、と思っていたからだ。
でも、今見た限りではその心配も、ただの憂いにすぎなかったらしい。
パチュリーはふっと笑い、満足げな笑顔を浮かべ、小悪魔と共にその場を去った。
もっと読みたいと思わせられるSSでした!
単なる個人的な趣味ですけども。
吸血鬼の姉妹がいて、魔女がいて、人間のメイドがいて、妖怪の門番がいる。
本来全然違う生まれの彼女らが、『家族』として暮らしているという所に素敵なものを感じるのかもしれません。
ここまで書いてて思った。作品に対する事書けよ俺。
素敵な作品でした。次回作期待して待ってます。
あと序盤の、レミィが咲夜に「貴女が死んだとき…」と問いかけるまでの経緯が少し唐突かなと感じました。
そう言って貰えると、作者側としては非常に嬉しい限りです。ありがとうございます!
>11番様。
タイトルでこれだ!と思いついたのがカリスマブレイク!でした。我ながら安易ですねぇ。気に入ってるのですが。
>なんて素晴らしいカリスマブレイク!
夜空に花火として撃ちあがるお嬢様を妄想してしまいました。
>奇声を発する程度の能力様。
カリスマをブレイクさせた筈なのに、逆にカリスマが溢れかえっているとは・・・お嬢様すごいです。
>39番様。
種族が様々で、役職があるとは言え、『家族』という関係がある紅魔組。
そこに素敵なものを感じるのは、全力で同意します。
それはもう作品がどっかいってしまうくらい。
>あと序盤の、レミィが咲夜に「貴女が死んだとき…」と問いかけるまでの経緯
指摘されて始めて違和感に気づきました。次回作では違和感を感じず、すっきり終わらせれるようにと、精進します!
指摘してくださって、有難う御座いました!