Coolier - 新生・東方創想話

願い事はなんて書いた?

2009/07/06 15:11:50
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 霊夢と魔理沙からの忠告

「まず見る前に気をつけてほしいんだけど、このSSはSSの体をなしていないわ」

「粗悪品ってことだな」

「まぁ、そういうことになるわね。書くならちゃんとしたSSを書けっつうに」

「待てよ霊夢。ちゃんとしたSSってなんだ?」

「え? ……小説の体をしてて、一人称、三人称がはっきりしてて」

「駄目だぜ」

「えぇ!?」

「SSは面白ければいいんだ。そんな堅苦しいの見せられても、客は満足しないぜ。自己満足なサービス見せられても、ちっとも美味しくない」

「それは……。魔理沙にしては、まともなこというじゃない」

「つまり私がいいたいのはな、SSはパワーだぜ! ってことだ」

「やっぱり魔理沙は魔理沙だった」



 ※青少年や、酷い下ネタや、過度のキャラ崩壊が心底苦手な人は、見ないでください。特に青少年は見ないで。ほんと、駄目だから。いや、まじで。





 霊夢と魔理沙の場合


「霊夢。いよいよ七夕は明日だが、短冊に何書くか決まったか?」
「決まってるわよ」
「どれどれ」

 賽銭箱がたくさんになりますようにと、短冊には書かれている。

「去年も一昨年もこれだったよな」
「放っておいて」

「私のは去年とはひと味違うぜ!」
「去年は何だったっけ?」
「覚えてないのかよ。悲しいぜ」
「で、今年はなんなわけ?」

 魔理沙は自信満々に霊夢に短冊を見せる。
 そこには、パワーだぜ。とだけ書かれていた。

「願い事ぉ?」
「パワーだぜ」
「私がいいたいのは、これ願い事じゃないでしょって意味だ」


 アリスの場合with魔理沙


「アリス~! お前短冊に何書くか決まったか?」
「いきなり何よ。もう明日なんだから、決まってるに決まってるじゃない」
「さすが都会派だな。同じ言葉を二度いうのがブームか?」
「……馬鹿にしてるわけ?」
「おぉっと、そうじゃない。落ち着けアリス。私はお前の願い事を聞きたいだけだ」
「私だけ教えるの? それって不公平じゃない。あんたのも教えなさいよ」
「パワーだぜ」
「は?」
「だから、パワーだぜ」
「あたまいた……」
「さぁ、私のは教えたぜ! アリスのは何だ?」
「そんなの願い事じゃないじゃない!」
「さすが都会派だぜ」
「ああもう! 誰が教えるか!」
「しかし私は手癖が悪かった」
「ああっ!!」

 魔理沙の手には、いつの間にか短冊が握られていた。さすがシーフ。俺たちの出来ないことを平然と(ry

「返しなさいよ!」
「返せといわれて返すやつはいないぜ」
「お前だけだ!」

 魔理沙は押し寄せるアリスの顔を手で押さえながら、短冊を見た。
 短冊には、いつか可愛いお嫁さんになれますように、と書かれていた。

「なぁ、アリス?」
「な、なによ……」
「これは無理だろ。特に可愛い部分」
「うっさいバカ死ね!」



 レミリアと美鈴の場合with咲夜

「くくく、ついに明日は七夕ね」
「はい、お嬢さま」
「他とは一線を画した願い事を書いて、カリスマをアップさせるチャンスよ!」
「はい、お嬢さま」
「それで、考えたのがこれ! どう? ねぇどう咲夜! この溢れるカリスマ!」

 レミリアが咲夜につきつけた短冊には、短冊いっぱい、はみ出るくらいにカリスマと書かれていた。

「大変カリスマでございます」
「よっしゃ!」
「さすがお嬢さまですねぇ」
「そういう美鈴はどうなの? ちゃんとカリスマが滲み出てるのかしら?」
「ああいや……私はお嬢さまにはなれませんから、庶民的ですよ」

 美鈴は困ったように笑いながら、短冊を見せた。短冊には「休みが貰えますように」と書かれていた。

 咲夜とレミリアは示し合わせるように頷いた。

「却下ね」
「却下ですね」

「夢さえ見せてもらえないんですか、私はっ!?」


 小悪魔の場合withパチュリー

「パチュリー様、明日は七夕ですねぇ!」
「だから?」
「願い事を書く日ですよ! 願い事!」
「厳密には織姫と彦星が会ってアンアンする日よ。めでたくもなんともないわ」
「あ、アンアンって!」
「それも二人にはそれぞれ夫婦がいて、年に一回公認不倫出来る日なの」
「どっひゃー!」
「それを知ってもあなたは七夕に願い事を書きたいと思う!?」
「思いません!」
「そうでしょうそうでしょう」
「じゃあ願いごとは、初詣までお預けですねぇ」
「小悪魔は、願い事何にしようとしてたの?」
「はい! パチュリー様が、いつまでも健やかでいられますようにって!」

 屈託のない笑顔を浮かべる小悪魔。パチュリーはそれを見ると、うっと息が詰まらせた。

「ドッキリの匂いがぷんぷんする! タネあかしはまだ!?」
「照れ隠しもいい加減にしないと泣きますよ」


 咲夜の場合withパチュリー

「あ、パチュリーさま」
「こんなところで会うなんて、奇遇ね」
「そんなこといって。パチュリーさまも笹に短冊をかけに来たんですよね」
「……何もかもお見通しって顔ね」
「メイド長ですから」
「まぁ、いいわ。咲夜は何を書いたの?」
「秘密です」
「ふっ、秘密にするほどのことかしら?」
「どういう意味です?」
「どうせレミィとアンアンしたいとか、そういう内容でしょ」
「まさか」
「違うの!?」

 咲夜は胸をこれでもかというぐらい張って、答えた。

「私が書いたのは、男性になりたい、です」
「さすが瀟洒は格が違った」


 フランドールの場合withレミリア、咲夜、美鈴

「お姉さまたちったら、ずるい! みんなで七夕の準備楽しんで!」
「ああ、ごめんなさいねフラン。あなたを呼ぶのをすっかり忘れてたわ」
「忘れないでよー」
「だって、こんなにも月が紅いから」
「それいえば何でも許されると思うなよ、バカ姉」
「さ、咲夜ー!? フランが反抗期にーっ!」
「はいはい、お嬢さま。それは大変ですね。さぁ、咲夜の胸に飛び込んで来てください!」
「フランをなんとかしてよ!?」
「ああ、なんか地下でじっとしてたほうがよかったかも……」
「まぁまぁ妹さま」
「美鈴。いいご身分ね。モンバンの癖に七夕楽しんで!」
「そ、それは酷いですよ……っ!」

 矛先が自分に向くやいなや、美鈴は慌てて笑顔を作り、取り繕った。

「それはともかくですね、妹さまも短冊書きませんか?」
「たんざく?」
「七夕で、願い事を短冊に書いて笹にかけると、願い事が叶うといわれているんですよ」
「おおーっ!」
「妹さまは願い事が一つだけ叶うとしたら、どんな願い事がいいですか?」
「んっとね、……笑わない?」
「笑いませんよ。私なんて、却下されちゃいましたし……はは」

 フランは言いにくそうに、人差し指をつっつけて遊んでいると、しかし意を決したように顔を上げた。

「私ね、自由に外がでれるようになりたい。そしたら、みんなともっと仲良くなれるから!」
「ふ、フランっ!」レミリアの目から、ぶわっと涙が出る。
「い、妹さまっ!」美鈴の目からも、ぶわっと涙が出る。
「い、妹さま……」咲夜の頬が、赤くなった。どこからか、じゅんって聞こえたような気がした。

「やっぱ駄目!」
「やっぱ駄目です!」

「ひどい、お姉さまと美鈴! 二人なんか嫌い! だいっきらいっ!!」

 フランは癇癪を起こして、自分の部屋へ一直線に泣き帰ってしまった。レミリアと美鈴は、突きつけられた言葉のナイフにその場から動けず、お互いを見合わせた。
 私たちは、無垢な天使を悪魔の毒牙から救った。その事実だけで、余りある名誉じゃないか……。
 レミリアと美鈴は、そう目で語り合ったそうな。
 他一名は、知らん。


 パチュリーの場合withアリス

「ごきげんよう」

 いきなりパチュリーがやって来たものだから、アリスは面を食らって鳩が豆鉄砲を食らったような顔になってしまった。

「ご、ごきげんよう。珍しいわね。パチュリーがうちを尋ねて来るなんて」
「ちょっとね、さる事情でうちに短冊をかけられなくなっちゃったの」
「へぇ。やっぱり悪魔の館では、そういうの御法度なわけ?」
「うんにゃ、七夕はダブル不倫の日って、うそ教えただけ」
「それはあんたがいけない」
「やっぱり真実をいっておくべきだった」
「そりゃそうよ」
「彦星と織姫はアンアンばかりで働かないから、引き離されて年に一度しかアンアン出来ないんだって」
「数秒前の私を殴りたくなった」

 パチュリーはアリスの言葉とは無関係というように素知らぬ顔をして、家の前に植えられた笹の一房を、指先で摘んで引っ張った。

「それはそうと、かけさせてくれる?」
「しょうがないわねぇ。短冊ぐらいなら、いいわよ」
「ありがとう」
「どういたしまして」
「今度お礼に口がぱかーんなワイフ持って来てあげるわ」
「激しくいらないわよ……私女だし」
「そう? ずっとゆりしーだと思ってた」
「その前に女が口がぱかーんなワイフを使用する不自然さを考えろ」
「ゆりしーは否定しない。やはり」
「タチの悪い二重構造ね。苛々する」
「まぁまぁ、これから短冊かけてくれる人にそんなこと顔しないで」
「誰のせいでこんな顔になってると思ってるの!?」
「口がぱかーんなワイフのせいでしょ? 一つ訂正させてもらうなら、人じゃないわ」
「はぁ……ボケ倒し出来る人は羨ましいわね……話す度に胃が痛くならなくて」
「そう、短冊には書いたの?」

 アリスは首を振った。

「違う」
「じゃあ、何?」
「魔理沙に酷いこといわれたから、見せたくない」
「そう。じゃあ無理に見ようとしないわ」
「ありがと。私は、聞いちゃ駄目かしら」
「かけさせてくれたよしみで、見てもいいわ」
「どれどれ」

 パチュリーがかけた短冊には、死ぬまでみんな仲良くいられますように、と書かれていた。

「ぷっ」
「笑ったわね」
「だって、引きこもりのあなたがこんなこと書くなんて、似合わない。進んで人と関わろうとなんか、しない癖に」
「そうね。でも、だからこそ見えることもあるわ」
「……ん。そういうものかも、しれないわね」
「あなただって、少しは分かるでしょう」
「分かりたくないけど、分かる気がするわ。あなたが私の家に来た理由も」
「……そう」
「うん」
「そろそろ帰るわ。ぜんそく苦しいし」
「ごほごほしてる気配、微塵もないわよ」
「我慢してるのよ」
「おかしなの」

 パチュリーは何事もなかったのように帰ろうとする。アリスはどこか慈しむような表情で、その後ろ姿を見送る。

「そうそう」
「何? まだ何か用事あった?」
「あなたの願い事も、すごくおかしかった。腹よじれた」
「すべてを台無しにするなバカ」
ここで問題です。

Q.パチュリーが書いた願い事は本心からの願い事?

1.照れ屋のパチュリーが紅魔館で晒さない時点で本心に決まってるだろ!
2.周りに気を遣えるパチュリーが素直になれないアリスの気持ちを代弁しに来たんだ。それぐらい分かるだろ!?
3.ネタの仕込みだろJK

そんなわけで初めました、chinoです。初めてがこれで、ごめんなさい。お詫びします。ぷちに投稿しようかと思ったけど、ネタがネタだから年齢比率を考えてこっちにした。ほんとごめん。

 息抜きにばーっと書いた作品で、まったく力いれてないため思ったよりも息抜き出来ました。ここまで見てくれて、どうもありがとう。
chino
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コメント



0.750簡易評価
1.10名前が無い程度の能力削除
作者が自分でSSじゃないと言う作品を投稿してしまうのがわかりません。
たとえそれがギャグで言ってるつもりだとしても。
5.60名前が無い程度の能力削除
アリスの願い事はもう叶ってるぜ!



……敢えて誰の嫁とは言わない
8.90名前が無い程度の能力削除
パチュリーが思ったよりいい人してた。
しかしパチュアリよりはパチュマリのが面白くなってた気もする。
ちなみに、

後書きの答えは1か2か迷うけどやっぱり2よ。

ってパチュリーが言ってた。
10.90名前が無い程度の能力削除
願い事にらしさが出てていいですね。
ただ、前書きで自虐的な事を書くのはやめたほうがいいかと。
14.無評価chino削除
1>不快にさせてしまって、ごめん。ネタのつもりではあったんだけど、もうしないよ。ごめん。それでも10点をつけてくれたキミに乾杯したい。点数なしで、いいのに。

5>幻想郷は即刻一妻多夫制にすべきだと、ボクは思うんだ。いやでも、別にこのままで不満はない。

8>あいつらが絡むとボケとボケで収集がつかなくなりそうだったんだ。

「何事もパワーだぜ」
「つまり何mも飛ばせる力があればオギノに頼らなくても宝にありつけるってことね」
「お前が何をいいたいのか私にはさっぱりだ」

 収集はついたけど酷さがアップした。知識のパチュリー×パワーの魔理沙の相乗効果。

 答えてくれてありがとう。ボクも大抵の人は2を選ぶと思ってる。

10>忠告ありがとう。1さんにも言われてしまったし、もうしないよ。少しでも面白く思ってくれたなら、とても嬉しい。
16.70名前が無い程度の能力削除
そういえば明日は七夕で、満月ですねぇ。
……雨らしいですけど。
17.100名前が無い程度の能力削除
おれは1と信じたい
19.無評価名前が無い程度の能力削除
チラシの裏にでも書いてろ
21.100奇声を発する程度の能力削除
かなり面白かったです!!!

・・・でも、最初の部分は要らないかと思います。
もっと自信を持って!!!!
25.無評価chino削除
16>七夕は楽しめました? ボクは別に、何事もなく終わってしまったです。でもまたイベント物は書いてみたいと思う。次はもうちょっと気合い入れて、クリスマスものを。

17>1のパッチェさんも可愛いとボクも思います。信じる人の数だけキャラはいるはず。

19>もう、ほんとごめん。そこまでいわれるとは、ボクは思わなかったんです。ボク自身は面白いと思ったから、よけいに。

21>ありがとう。意外にコメをつけてくれた人が多くて、しかも高得点を入れてくれた人がたくさんいて、ありがとうしか出てこない。最初の部分はボク自身もすごく反省しているし、同じ間違いはしないつもりです……。というか、絶対にしない。

これでコメ返しは終わり。次作品が出来るのはいつになるやらだけど、また会えたらまた読んでほしいな……と思います。
34.90ミスターX削除
>「パワーだぜ」
文「くそったれ!!パワーがお前ならスピードは私だ!!!一生かかっても追いつけませんよ!!!!」
魔理沙「これはこれは、お久しぶりだぜ……」