Coolier - 新生・東方創想話

日曜夜は大喜利の時間です

2009/06/28 19:52:07
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「そうだ……大喜利をしましょう」
「は?」

 いつものレミリアの暇潰し発言。
 フランドールが疑問の声を上げる。

「よし、咲夜。準備を」
「かしこまりました」
「パチェ、手伝って」
「分かったわレミィ」
「美鈴、力を貸してもらえるかしら?」
「当たり前だのクラッカーです!」
「何でみんなノリノリなのさ!?」

 パチュリーは、小悪魔を連れて何かをし始める。咲夜は、消えたり現れたりを繰り返している。美鈴は大木を担ぎ始めた。
 フランドールは、ただそれを見ていた。制止の声は、届かない気がしたから。



 それから2分後。



「出来ました」
「早っ!?」

 咲夜の能力のおかげで、普通なら数時間はかかるであろう舞台が、ちゃんと出来上がっていた。
 畳が敷いてあり、座布団が一枚ずつ間隔を空けて置いてある。
 大木はどこに使ったのか不明だが。

「さぁ、フランやるわよ」
「え!? 私まで!?」
「勿論よ。ほら、着替えて」

 衣装があるらしく、フランドールはレミリアに渡された。
 金色のドロワーズだった。
 殴った。

「何よこれ!」
「仕方無いじゃない。パチェの提案なんだから。みんな色違いのドロワーズを穿いて、大喜利をするのよ」
「何のためにさ!?」
「そんなこと私は知らないわよ! ふざけないで!」
「え、あれ……何で私が怒られてるの?」
「それに、咲夜も美鈴も穿いてるんだから、我慢しなさい」
「え!?」

 フランドールは、まさか咲夜と美鈴まで穿かされているとは、と驚く。
 レミリアが真剣な表情をし、フランドールの肩を掴む。そして、フランドールの目を見て、言う。

「咲夜と美鈴がここまでやってくれているのよ。なら、私たちもやらなきゃ」
「う……分かったよ」
「ありがとうフラン。ちなみにこれ台本ね」
「へ? 何で台本?」
「流れがあるらしいわよ。よく分かんないけど」
「ふーん……」

 薄い冊子を受け取るフランドール。
 ページを捲ると、大喜利手順やルールが書いてあった。



 1.始めに自己紹介。
 2.お題発表。
 3.ボケろ。



「アバウトー!?」



 ルール

 1.座布団が0になったら爆発。
 2.座布団を2枚に増やしたら終了。素敵なプレゼント。(賢者の石詰め合わせお歳暮セットなど)
 3.上手いことや、面白いことを言えば、座布団が増える。逆に下手なこと、つまらないことを言えば、座布団が減る。



「舞台を見た感じ……最初座布団1枚。下手すれば一発で爆発かぁ」

 フランドールは、舞台状況やルールを完璧に把握しておく。
 隣りにいるレミリアも、同じ行動をしていた。
 咲夜と美鈴は、既に座布団の上に座っている。それぞれ咲夜は灰色のドロワーズ、美鈴は、ピンクのドロワーズを服の上から無理矢理穿いていた。
 フランドールが、レミリアをちらりと見ると、レミリアはいつの間にか、銀色に輝くドロワーズを穿いていた。慌ててフランドールも、先程受け取った金色のドロワーズを穿く。
 これで、全てが調った。

「さぁ、始まるわよ」
「うわぁ、パチュリーいつの間に」
「司会進行役はこのパチュリー、座布団運びは小悪魔がやってくれるわ」
「座布団運びなら任せて下さい!」
「何でそんな自信満々なのかが、分からない……」

 パチュリーに急かされて、フランドールが座布団にちょこんと可愛らしく座る。レミリアも、座る。
 パチュリーはそれを見て、司会進行を始める。

「では、自己紹介を。右から」

 右からフランドール、レミリア、咲夜、美鈴の順番に座っているから、最初はフランドールだ。

「フランドール・スカーレットです!」
「……それだけ?」
「え?」
「はぁ……まぁいいわ。次、レミィ」

 自己紹介をしただけで、何でこんな残念がられるんだ、とフランドールは思った。

「どうも、レミ平・スカスカレットゥよ」
「何その名前!?」
「パチェがさっき、大喜利をやる時は名前を変えろって言ったから」
「レミィ、ナイスよ」
「そうでしょ! ナイスネーミングでしょ!」
「いや、ネーミングセンスは最低よ。ノリの良さがナイスなだけ」
「酷っ!」

 なんだかんだで、レミリア改めレミ平の自己紹介が終わった。
 パチュリーは、どこか満足そうな笑みを浮かべている。

「次、咲夜」
「はい、咲夜です」
「はい、次美鈴」
「咲夜だけ自己紹介短くない?」
「妹様、静かに。美鈴の番よ」

 物凄い短さで、咲夜の自己紹介が終わった。
 フランドールは、納得がいかないといった表情だ。

「どうもー! 紅美鈴です」
「普通だけど、良い自己紹介ね」
「私の時はがっかりしてたじゃん」
「それじゃあ始めるわ」
「む~」

 パチュリーが薄い冊子を取り出した。フランドールたちの台本とは色が違っている。おそらくは司会進行用の台本だろう。

「最初で最後のお題はこちら『掛け言葉』」
「掛け言葉?」
「そう、〇〇と掛けまして○○と解く、その心は……というやつよ」
「あーあれね」

 フランドールは、なんとなくやり方を思い出した。
 美鈴と咲夜は既に思考中だ。レミリアは目を瞑っている。

「さぁ、誰かいないかしら?」

 誰も手を挙げない中、

「はい!」

 美鈴が普段見せないような、真剣で格好良い表情で手を挙げた。

「じゃあ、紅美鈴! どうぞ!」
「接客と掛けまして、私と解きます!」
「その心は?」
「どちらも、気を使います!」

 レミリアもフランドールも咲夜も、みんなが驚いた。中々上手い、と。これはもしかしたら、新しい座布団を貰って、すぐ終わってしまうのではないかと誰もが思った。

「小悪魔、一枚持って行きなさい」
「りょ~かいです!」
「ふぇ!? な、何でですかぁ!?」
「美鈴、貴女は優秀だったわ。でもね、すぐに終わったらつまんないじゃない」
「最低な理由!?」

 小悪魔が美鈴の座布団を、テーブルクロス引きのように素早く抜いた。
 すると、かちりという音が鳴って、見事に爆発した。

「爆発発動と同時に、周囲に結界が発動するから安心して。巻き込まれることは無いわ」
「めーりんー!?」

 紅美鈴、脱落。
 残り、三名。

「さぁ、次は……」
「はい」
「咲夜!? 失敗したら爆発しちゃうんだよ!?」
「大丈夫ですよ」

 フランドールが心配するが、咲夜は微笑みを返す。
 レミリアは、咲夜を信じているといった瞳だ。

「では、咲夜。どうぞ」
「お嬢様の胸と掛けて、八雲紫の性格と解きます」
「その心は?」
「掴み所がありません」

 完璧だった。
 ただ一つ、レミリアがプルプルと震えていた。

「咲夜、私的には座布団をあげたいけど……」
「咲夜ぁ!」
「ぐぅっ!?」

 レミリアが咲夜に、ボディーブローをした。
 咲夜は綺麗に吹っ飛ぶ。

「やっぱりレミィが許さなかったわね」
「当たり前よ!」

 咲夜、脱落。
 残り、二名。

「さぁ、次は誰かしら。妹様か、レミィか」
「私よ」
「お姉様!?」
「大丈夫、最高の掛け言葉が出来たわ」

 自信満々の姉を、信じることにするフランドール。

「では、レミ平・スカスカレットゥ。どうぞ」
「霊夢の能力と掛けて、宴会の時のパチェと解く」
「へぇ……その心は?」
「どちらも、浮いてます」
「余計なお世話よ。小悪魔、レミィの心臓持ってってー」
「即死!? 座布団持って行こうよ!?」

 小悪魔がレミリアの座布団を取りに来たが、レミリアが鋭い目付きで睨む。

「こらこら、レミィ。脅さないの」
「素直に爆発しろっていうのか?」
「それがルールでしょう」
「ま、待って!」

 パチュリー自ら、レミリアの座布団を取ろうとした瞬間、フランドールが挙手をした。

「私が次に上手いことを言えたら、お姉様のチャラにしてよ」
「へぇ……良いわよ。むしろ上手く言えたら私が爆発してあげる。その代わり、難易度を高くするわ」
「え?」
「このお話のオチをつけなさい」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
「妹様の一言で、このお話を終わらせて。もちろん、掛け言葉で」

 フランドールが唸る。
 悩みに悩むが、良いオチが浮かばない。
 このままでは、爆発オチになってしまう。

「フラン、大丈夫?」
「お姉様……」

 レミリアが心配そうに、俯いたままのフランドールを覗き込む。

「お姉様……? そうだ! 出来た! 出来たよパチュリー!」

 レミリアを見て、何かが思い浮かんだらしい。
 パチュリーも、小悪魔も、レミリアも、みんながドキドキする。

「では、妹様。どうぞ!」

 息を吸う。
 目を瞑って、胸の高鳴りを抑える。
 しばらくして、また目を開く。

「このお話と掛けまして、私とお姉様の関係と解く」
「その心は?」
「しまいです」
この後、約束通りパチュリーが爆発しました。

どうも18度目です。喉飴です。
今日笑点見たら、やっぱり楽しかったです。
結構突っ走った内容ですが、楽しんで下さると嬉しいです。
喉飴
http://amedamadaisuki.blog20.fc2.com/
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コメント



0.3430簡易評価
4.100名前が無い程度の能力削除
ぱっちぇさんはいつもいつもフリーダム過ぎるw
6.100名前が無い程度の能力削除
何を食べればこんなキレのいいギャグを思いつくのでしょう?
ぱるぱる
7.80名前が無い程度の能力削除
日曜に読むべくして読んだ
フランつっこみぱねぇww
14.100修行削除
前半が理不尽すぎるwwめーりん・・・

毎回喉飴さんのパチェには笑わせてもらってますw
16.100久我拓人削除
あ、うまい。
喉飴さんに座布団1枚~♪
21.無評価名前が無い程度の能力削除
あやや、最後のネタはどっかで見たことある気がするぜー!
咲夜さんが「しまいですわ」って言ってたきがするよー!


あれ、のどさんだったkk(ry
22.100名前が無い程度の能力削除
お見事っ!
100点一枚!
23.無評価喉飴削除
>>21様
まだ私が『喉飴と嶺上開化』だった時ですね。ちょうど今回、このお話に合っていたので引っ張ってきました。
覚えてて下さってる方が居るなんて、嬉しい+驚きです。
24.100名前が無い程度の能力削除
>>パチュリーが爆発
想像したら笑ってしまった。なんだかんだで優しいフランちゃんがツッコミながら駆け寄る所まで見えました。
29.100名前が無い程度の能力削除
最後まで変な色のドロワが気になってしまった・・・
しかし皆上手い事言ってるのに理不尽なw
31.80名前が無い程度の能力削除
締めは上手いと思った。
とりあえず、美鈴乙w
48.80無在削除
>>賢者の石詰め合わせお歳暮セット
ほんと、この紅魔館の賢者の石は安いなあwww ありがたみもへったくれもないwww

この後、爆発したパチュリーを賢者の石で蘇生させるスタッフの姿を幻視しました。
55.100奇声を発する程度の能力削除
うまいっ!!!
57.90与吉削除
これは凄いっ! 上手い!
大喜利大好きなんですよ。
どこからこんなにテンポの良い話が出てくるのだろう。流石喉飴氏。
スラスラ読めて気持ちが良かったです。
次作も期待しています!
58.無評価喉飴削除
>>4様
常に主導権を握っている気がします。

>>6様
三ツ矢サイダーを飲むとこうなってしまいます。ならない方が良いですがw

>>7様
フランちゃん頑張ってますw

>>修行様
パチュリーさんがいろいろと全開です。

>>久我拓人様
ありがとうございます~。座布団持ってかれたら私爆発してましたよ。

>>22様
わわ、ありがとうございます。没収されないよう、今後も頑張りますw

>>24様
想像したらシュールですよねw
なんだかんだでフランちゃん優しいです。

>>29様
私の書くパチュリー様は、常に理不尽な気がしますw

>>31様
美鈴も理不尽の被害者ですからねw

>>無在様
スタッフさん流石ですw

>>奇声を発する程度の能力様
わふっ! ありがとうございます。

>>与吉様
大喜利楽しいですよね。掛け言葉とかも大好き。
楽しんでもらえて良かったです。
ありがとうございました。
66.90名前が無い程度の能力削除
貴方の咲夜さんは何故にこんなネジが一本外れた様な思考回路なのかねwwwフランが一番の常識人ポジションなのが貴重だと思った
75.90リバースイム削除
フランちゃんお見事!
84.100愚迂多良童子削除
ワレモノさん経由でこっちも来ましたが、俎→掴みどころが無いは鉄板なのかw
パチェさんはどんな謎掛けしたのか気になる。