〈これまでのあらすじ〉
すべては、無邪気でなにげない疑問から始まった……
“で、誰が一番面白いの?”
その問いに答えるべく、辺境の勇者たちは起ち上がり
おのれのプライドをかけ、ボケをツッコミで洗う壮烈な戦いを繰り広げてきた
そして今……ついに、舞台に残った最笑の四人!!
「皆様、大変長らくお待たせいたしました。『M-弾』グランプリ2004、準決勝の開始です。実況は私こと完全で瀟洒なメイド、十六夜咲夜がお送りいたします。解説はそのへんを歩いていたお年寄りです。よろしくお願いします」
「……うむ」
「ではさっそく、この準決勝に勝ち残った四人の選手の入場です……まずはこの方!」
(入場曲・♪U.N.オーエンは彼女なのか?)
「最初に入って参りましたのは誰あろう、スカーレット家にその人ありとうたわれた天下無双の妹様、『フランドール・スカーレット』選手! 群がる観客を魔剣で薙ぎ払いながらの入場です。いかがですか解説のお年寄り」
「フム……まだまだ青いな」
「それはお尻が、ということですか」
「太刀筋がだ」
「なるほど、ごもっともなコメントありがとうございます。では続いて……この人の登場!」
(入場曲・♪竹取飛翔 ~ Lunatic Princess)
「ウサギ軍団に囲まれて入場して参りましたのは、謎の美少女覆面話芸師・『永遠亭てる夜』選手! いったいその正体は誰なのでしょうか。どう思われますか解説のお年寄り?」
「……知らんな」
「そっけないコメントありがとうございます。さて、続いての選手は……!」
(入場曲・♪ラクトガール ~ 少女密室)
「担架に乗って入場して参りましたのは、人呼んで笑いの百科事典、娯楽の大図書館・『パチュリー・ノーレッジ』選手です。相変わらず病弱ですが、大丈夫でしょうか?」
「帰らせろ」
「まったく道理です。さて! では、最後の一人は……この人!!」
(入場曲・♪広有射怪鳥事 ~ Till when?)
「二回戦で敗退しながら、西行寺嬢による起死回生の反魂蝶により奇跡の復活! そんなんありか? で準決勝進出を決めたのがこの選手、『魂魄妖夢』! おっと、うっかり半身を忘れて入場、慌てて取りに戻っています。いかがですか解説のお年寄り?」
「……修練が足りぬのだ。ゆえにそのような醜態を……全く……痴れ者……ブツブツ……」
「……ありがとうございました。それでは、いよいよ準決勝の開始となりますが、いったいどのような形式になるのでしょうか……おっと、大会の黒幕である西行寺幽々子嬢によるルール解説です」
「あーあー。えーまずはみなさん準決勝進出おめでとう。で、試合形式ですが……今回はこれで」
“大喜利”
「なんと! 大喜利、大喜利です。ちなみに大喜利とは、お題に応じて面白い回答をするというもの。たとえば……解説のお年寄り、『よ・う・む』で何か面白い文を作ってください」
「フン、つまらぬことをさせる。……
『よ』よいか妖夢
『う』ウケを狙うな
『む』無我の境地ぞ」
「模範的な例ありがとうございます。ではさっそく、最初のお題は――」
――“ゆ・ゆ・こ”で文を作りなさい
「最初は『ゆ・ゆ・こ』です。これで何か面白い文を作らねばなりません。……おっと、まずはフランドール選手だ! その回答は……」
「『ゆ』ゆかいだな
『ゆ』湯どうふ食べたら
『こ』コインいっこ」
「……なかなかシュールな回答です。西行寺嬢、得点のほうは?」
「んー……1万点」
「えー!? ……失礼しました。では続いては……あっと、パチュリー選手です。どうぞっ」
「『ゆ』ゆっくりと生きる
『ゆ』ゆっくりと生きる
『こ』こんな時代だもの」
「……ええー、またしてもなかなかソリッドな回答ですが、得点はどうでしょう」
「んーっと。じゃあ、『甲』で」
「(点数基準違うし!)……で、では次は……おっと、永遠亭てる夜選手です」
「『ゆ』UFOは
『ゆ』揺れるから
『こ』こんりんざい御免」
「……UFOとは何でしょうか。得点は?」
「ん~~、難しいわね。じゃ『はなまる』」
「(どういう意味だ)……そ、それでは……おっと、ようやく妖夢選手です。どうぞ!」
「『ゆ』幽々子様は
『ゆ』幽霊だけに
『こ』コーストパフォーマンスが悪いです」
「(く、苦しい! しかも内輪ネタ! そのうえ語呂も悪い!)……どうでしょうか、得点はっ?」
「あぁ……5点」
「低っ! ではさて、次のお題は……」
――冥界とかけて、何かで解いてください
「なるほど……おっと、さっそく挙手したのは永遠亭てる夜選手」
「冥界とかけて、殺人鬼と解きます」
「……その心は?」
「『めーいーかーい?』『マーダーだよー』」
「…………えっと。では何点でしょう、西行寺嬢?」
「んあ~、60点ってとこね」
「急にまともっぽい点数になってきましたが……おっと、続いてはパチュリー選手!」
「冥界とかけて……、人間と解く」
「……その心は?」
「……墓(バカ)ばっかり」
「おっと、意外と古典的なネタ! さぁ、得点はっ?」
「え? ああ……合格ー」
「何に!? ……あっと、続いてフランドール選手です!」
「冥界とかけてー、うちの地下室と解くわ」
「……その心は?」
「――生きていても死んでいるようなもの
――死んでいても生きているようなもの」
「…………。え~、得点は?」
「ずばり満点ね」
「何点満点なんだろう……おっと、またまた最後に妖夢選手! ここで挽回できるか!?」
「冥界とかけて、幽々子様と解きます」
「……その心は?」
「嫌なところもありますが、私にとってはかけがえのない存在です!」
「おおっと、ちょっとイイ話パターン! 果たして得点はーーっ!?」
「ファ~~ル」
「えーー!?」
〈ここまでの得点経過〉
フランドール……1万点+満点
永遠亭てる夜……はなまる+60点
パチュリー………甲+合格
妖夢………………5点+ファール
「さぁ、いよいよ準決勝も佳境! 続いてのお題は、こちら!」
――最近流行の“スペルカード”に、新たな名称を考えてあげてください
「なるほど。ではまず解説のお年寄りにうかがってみましょう。どんな名称にしましょう?」
「そうさな。……“ 俺の弾幕 ”で良かろう」
「それは、ちょっと……」
「ならば “ 俺弾 ” でも良い」
「いや、そういう問題じゃなくて」
(つづく)
すべては、無邪気でなにげない疑問から始まった……
“で、誰が一番面白いの?”
その問いに答えるべく、辺境の勇者たちは起ち上がり
おのれのプライドをかけ、ボケをツッコミで洗う壮烈な戦いを繰り広げてきた
そして今……ついに、舞台に残った最笑の四人!!
「皆様、大変長らくお待たせいたしました。『M-弾』グランプリ2004、準決勝の開始です。実況は私こと完全で瀟洒なメイド、十六夜咲夜がお送りいたします。解説はそのへんを歩いていたお年寄りです。よろしくお願いします」
「……うむ」
「ではさっそく、この準決勝に勝ち残った四人の選手の入場です……まずはこの方!」
(入場曲・♪U.N.オーエンは彼女なのか?)
「最初に入って参りましたのは誰あろう、スカーレット家にその人ありとうたわれた天下無双の妹様、『フランドール・スカーレット』選手! 群がる観客を魔剣で薙ぎ払いながらの入場です。いかがですか解説のお年寄り」
「フム……まだまだ青いな」
「それはお尻が、ということですか」
「太刀筋がだ」
「なるほど、ごもっともなコメントありがとうございます。では続いて……この人の登場!」
(入場曲・♪竹取飛翔 ~ Lunatic Princess)
「ウサギ軍団に囲まれて入場して参りましたのは、謎の美少女覆面話芸師・『永遠亭てる夜』選手! いったいその正体は誰なのでしょうか。どう思われますか解説のお年寄り?」
「……知らんな」
「そっけないコメントありがとうございます。さて、続いての選手は……!」
(入場曲・♪ラクトガール ~ 少女密室)
「担架に乗って入場して参りましたのは、人呼んで笑いの百科事典、娯楽の大図書館・『パチュリー・ノーレッジ』選手です。相変わらず病弱ですが、大丈夫でしょうか?」
「帰らせろ」
「まったく道理です。さて! では、最後の一人は……この人!!」
(入場曲・♪広有射怪鳥事 ~ Till when?)
「二回戦で敗退しながら、西行寺嬢による起死回生の反魂蝶により奇跡の復活! そんなんありか? で準決勝進出を決めたのがこの選手、『魂魄妖夢』! おっと、うっかり半身を忘れて入場、慌てて取りに戻っています。いかがですか解説のお年寄り?」
「……修練が足りぬのだ。ゆえにそのような醜態を……全く……痴れ者……ブツブツ……」
「……ありがとうございました。それでは、いよいよ準決勝の開始となりますが、いったいどのような形式になるのでしょうか……おっと、大会の黒幕である西行寺幽々子嬢によるルール解説です」
「あーあー。えーまずはみなさん準決勝進出おめでとう。で、試合形式ですが……今回はこれで」
“大喜利”
「なんと! 大喜利、大喜利です。ちなみに大喜利とは、お題に応じて面白い回答をするというもの。たとえば……解説のお年寄り、『よ・う・む』で何か面白い文を作ってください」
「フン、つまらぬことをさせる。……
『よ』よいか妖夢
『う』ウケを狙うな
『む』無我の境地ぞ」
「模範的な例ありがとうございます。ではさっそく、最初のお題は――」
――“ゆ・ゆ・こ”で文を作りなさい
「最初は『ゆ・ゆ・こ』です。これで何か面白い文を作らねばなりません。……おっと、まずはフランドール選手だ! その回答は……」
「『ゆ』ゆかいだな
『ゆ』湯どうふ食べたら
『こ』コインいっこ」
「……なかなかシュールな回答です。西行寺嬢、得点のほうは?」
「んー……1万点」
「えー!? ……失礼しました。では続いては……あっと、パチュリー選手です。どうぞっ」
「『ゆ』ゆっくりと生きる
『ゆ』ゆっくりと生きる
『こ』こんな時代だもの」
「……ええー、またしてもなかなかソリッドな回答ですが、得点はどうでしょう」
「んーっと。じゃあ、『甲』で」
「(点数基準違うし!)……で、では次は……おっと、永遠亭てる夜選手です」
「『ゆ』UFOは
『ゆ』揺れるから
『こ』こんりんざい御免」
「……UFOとは何でしょうか。得点は?」
「ん~~、難しいわね。じゃ『はなまる』」
「(どういう意味だ)……そ、それでは……おっと、ようやく妖夢選手です。どうぞ!」
「『ゆ』幽々子様は
『ゆ』幽霊だけに
『こ』コーストパフォーマンスが悪いです」
「(く、苦しい! しかも内輪ネタ! そのうえ語呂も悪い!)……どうでしょうか、得点はっ?」
「あぁ……5点」
「低っ! ではさて、次のお題は……」
――冥界とかけて、何かで解いてください
「なるほど……おっと、さっそく挙手したのは永遠亭てる夜選手」
「冥界とかけて、殺人鬼と解きます」
「……その心は?」
「『めーいーかーい?』『マーダーだよー』」
「…………えっと。では何点でしょう、西行寺嬢?」
「んあ~、60点ってとこね」
「急にまともっぽい点数になってきましたが……おっと、続いてはパチュリー選手!」
「冥界とかけて……、人間と解く」
「……その心は?」
「……墓(バカ)ばっかり」
「おっと、意外と古典的なネタ! さぁ、得点はっ?」
「え? ああ……合格ー」
「何に!? ……あっと、続いてフランドール選手です!」
「冥界とかけてー、うちの地下室と解くわ」
「……その心は?」
「――生きていても死んでいるようなもの
――死んでいても生きているようなもの」
「…………。え~、得点は?」
「ずばり満点ね」
「何点満点なんだろう……おっと、またまた最後に妖夢選手! ここで挽回できるか!?」
「冥界とかけて、幽々子様と解きます」
「……その心は?」
「嫌なところもありますが、私にとってはかけがえのない存在です!」
「おおっと、ちょっとイイ話パターン! 果たして得点はーーっ!?」
「ファ~~ル」
「えーー!?」
〈ここまでの得点経過〉
フランドール……1万点+満点
永遠亭てる夜……はなまる+60点
パチュリー………甲+合格
妖夢………………5点+ファール
「さぁ、いよいよ準決勝も佳境! 続いてのお題は、こちら!」
――最近流行の“スペルカード”に、新たな名称を考えてあげてください
「なるほど。ではまず解説のお年寄りにうかがってみましょう。どんな名称にしましょう?」
「そうさな。……“ 俺の弾幕 ”で良かろう」
「それは、ちょっと……」
「ならば “ 俺弾 ” でも良い」
「いや、そういう問題じゃなくて」
(つづく)
宇宙最大の危機もツッコミでのりきっちゃってるし
ヘラクレス猛襲拳って感じ!
後書きを読んで爆笑しましたw
「……その心は?」
「生ある内には決して手が届かない」
っていう位な衝撃です。
良い意味で読み手を裏切りまくってくれるその心意気に惚れます。
続きではどんな型破りで魅せてくれるのか、それこそ想像が及びません。
あと、妖夢かわいいよ妖夢(ぉ
さて、次回の司会&解説は誰になるんですかね?
ん?今回と同じだ何て、もはや誰も考えてないでしょ?(暴言
職場で見た俺の負けです・・・。_| ̄|○
いや、もう続くことは期待してませんでしたが(ぉ)
てかフラン、群がる観客薙ぎ払っちゃダメでしょーがw
パチュリー嬢…担架で入場って大丈夫ですか貴方…。
そして、フランドール嬢…魔剣で薙ぎ払うのやめ(被弾