Coolier - 新生・東方創想話

八意医院へようこそ! ~⑥おわり

2004/11/24 11:49:57
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                         お尻がむずむずする。






いまだに眠りの世界にたゆたう僕。
僕はゆめを見ていた。
そのゆめのなかでは、姉さまがなぜか永琳さまで(あったことないので姿は姉さま)
うさ耳の少女たちは僕たちのわきで ぺったん ぺったん とおもちをついていた。
美鈴さんがお酒をのみながら 咲夜さん(外見は知らないので、なぜかトヨ婆さん)の頭をぺしぺしと叩きながら大笑いしていた。
赤いリボンの少女が「わはー」といいながら空をとび、口から垂れるよだれが大雨になり僕たちを濡らす。
ワンピースのうさ耳が「これはいいものだ。適度な酸性は酸っぱくって体にいい」と言いながら降り注ぐ雨をくちを開けてのみ続ける。
ブレザーのうさ耳が「わぁああぁぁん!!洗濯物がー!!」と言いながら何故か着ている制服を脱ぎだす。
美鈴さんがアチョー!と言いながら咲夜さんのあたまを瓦割りする。ぱかんと割れた頭からは小さな緑色の妖精さんがぞろぞろ出てきて
「中国万歳!中国万歳!」と美鈴さんのまわりを踊り狂う。
それをにこやかに眺めていた永琳(姉さま)が「あはははははは!!くぁwせdrftgyふじこ!!??」と叫びながらくちのなかからとりだした玄じいの甲羅で叩きつぶしていく。




狂ってる。
なにもかもがくるっている。
僕の頭はどうにかしてしまったんだろうか?
・・・・・・さっきからおしりがむずむずする。これはお尻からへんな電波がはいってきて、僕のあたまをぐちゃぐちゃにかき回してるんだろうか?ならば、おしりを閉じて、電波をしゃだんしなくては!えい えい えいっつ!!
ちからをいれたひょうしに、ぼくのぜんしんをいなずまがはしる。あふぅーーーーーーーん!!!!














・・・・・・尻に走る激痛で、僕は目が覚めた。
気分は最悪だ。
痛む尻を気にしながら、僕は周囲の状況を確認する。

そして、ちょっと離れた所から、僕のすっぽんぽんの下半身に向けてひとさし指をかざす うさ耳の少女と目が合う。

「・・・・・・あ。」
「・・・・・・え。」

びっくりした様子で固まるうさ耳の少女。
次第にカァーーッと彼女の頬が赤くなる。
「な、な、な・・・・」
「・・・な?」
「な、なんでおきてくんのよーーー!ばかぁぁああぁぁ!!もういやーーー!ししょーーー!?」

混乱した彼女のゆびさきから無数の座薬が僕めがけて乱射される。
「うわぁ!いててててて!!やめてーー!ゆるしてーーー!ねえさまたすけてーーーー!?」

もはや場は半狂乱。収集がつかないほどの大混乱。
このままでは、いてて、僕は、うわぁたぁ!座薬で、死んで、しまうぎゃーー!?









死を覚悟したそのとき、部屋のふすまが開かれ一人の少女が現れた。
「うるさいわよ!うどんげ!落ち着きなさい!」
ピタリと弾幕が止む。
「あ、ああ、し、ししょーーーぅ!!」
うわぁぁああんとばかりに少女の胸元に飛び込むうどんげ(?)
泣き続けるうどんげをよしよし、としながら師匠と呼ばれた少女は僕に語りかける。
「弟子が見苦しい所を見せたわね。私の名前は八意 永琳。この永遠亭で、薬師のようなことをやってるわ。
そして、この子は鈴仙。うどんげでいいわよ。で、貴方は何者かしら?」
「あ、貴方が永琳さまですか!(あれ?なんかすごく若いなぁ・・・まぁ、いいか。)申し遅れました。僕の名はOOです。この先にある集落からきました!いま、僕の集落では大変な病気が流行っていて、とにかく大変なんです!!どうかあらゆる病気を治すことができる先生のおちからで、ぼくの姉さまだけでも救ってください!!おねがいします!!!!」
興奮した僕は、一息に言葉を重ねる。
「ああ、あの人参の村ね。ふふふ、そう・・・それは大変だったわねぇ。・・・・分かったわ。すぐになんとかしましょう。うどんげ!」
「は、はいぃぃっ!!なんでしょうか師匠!?」
「私はこれからちょっと出かけてくるわ。留守をおねがいね?」
「はいっ!おまかせください!みごとこの屋敷を守り抜いてみせますっ!!!」
「たのんだわよ。さて、そのまえに・・・」
そういうと、永琳さんは僕に白い粉末状のクスリを手渡した。
「飲みなさい。これで体の怪我は一瞬で治るわ。」
「ええっ!?師匠!そんな便利なものがあるならなんで私に!?」
「・・・ふふふ、これも修行の一環よ?勉強になったでしょう?」
くすくす笑う永琳さん。なんだか、うどんげさん・・・・・・可哀想だ。
そうおもいつつ、クスリを服用すると・・・からだの痛みが嘘のように無くなった。
すごい。このひとは本物だ。これならば・・・姉さまも・・・。















永琳さんと、永遠亭を後にして
僕たちは村に向かっていた・・・・・・・・・・筈だった。






かれこれ数刻も同じような所をぐるぐると廻っているような気がする。
まさか、永琳さんに限って自分の竹林で・・・迷う筈が・・・無い。たぶん。
不安に思った僕は、思い切って訊ねてみることにした。
「・・・・・・あのぉ・・・永琳さま?もしかして、迷っていますか?ははは、そんなこと・・・無いですよね?」
「あら、なかなか鋭いわね。ふふふ、実は・・・・・・そうかも?」
「・・・・・・え?」
な、なんだってーーーー!!僕は心の中でつっこんだ。
永琳さんはそんな僕の様子を可笑しそうにみて
「あははははは、冗談よ?びっくりした?うふふふ・・・・」
「・・・・・・はぁ~~~~。脅かさないでくださいよ~びっくりしたー。」
「(ふふふ・・・・でも、その方が貴方にとって・・・しあわせだったかも・・・。)」
「 ? なんですか?ニヤニヤして。それはそうと、先を急ぎましょうよ!永琳さま!」
「ええ、そうね。日没ぐらいには着くと思うわ。ふふふふふ・・・・」
「はいっ!がんばりましょう!」










そして、僕たちは歩き続けたが・・・・・・結局、日が沈んでも僕たちは・・・竹林のなかだった。










さすがに不審に思った僕はもう一度訊ねる。

「永琳さま・・・・・・日が暮れました。」
「ええ、そうね。日が暮れたわ。」

「永琳さま・・・・・・まだここは竹林です。」
「ええ、そうね。竹林だわ。」

「永琳さま・・・・・・もしかして、からかってます?」
「ええ、そうね。からかってるわ。」

「!!!!永琳さま!!!!」
「あははははは、ごめんなさいね?ちょっと調子に乗りすぎたみたいね。ふふふ、安心していいわ?そろそろ頃合よ。」
「・・・・・え?」



いわれて周りを見渡すと、いつのまにか竹林の中でもかなり広い開けた場所に着いていた。
広場の真ん中には、ぽっんと敷かれたゴザに 一人の少女がちょこんと座っている。
時刻は既に夜。夜空には白いキレイな満月が出ていて、広場をステージのように照らし出す。






永琳さまと僕は、その少女のもとへと歩みを進める。
近づくにつれ、その少女の外見が露わになってゆく。
長い 長い 綺麗な黒髪
へんな着物のような服
顔立ちは整っているが、すごく性格が悪そうだ・・・・直感だが。
ゴザの上には 変 としか言いようの無い道具が五つほど、無造作に置かれていた。


その少女の前で、永琳さんは恭しく一礼し
「姫。今宵の出し物には少々面白い趣向がございます、この少年・・・あの村から病気の姉を救うため、単身ここまでやってきた勇気ある人物です。いかがですか?この少年にも今宵の宴への同席を許しては?」
「へぇー。それは面白いわね、さすが永琳ね!宴の準備を仕切らせたら右に出る者はいないわ。うん。許す。」
「ありがとうございます。さぁ、少年。こちらへきて姫にご挨拶なさい?」
・・・・・・?宴?姫?何を言ってるんだろう・・・永琳さんは。
けど、ここで永琳さんのご機嫌を損ねたら・・・姉さまは・・・よし。相手はどうやら高貴なひとらしいから、失礼の無いようにやりとげなくては。たしかこういうときには・・・

「はじめまして、お姫様。ごきげんうるわしゅう。ミーはOOともうすものでござりまする。本日もお日柄が良く絶好の洗濯日和でおじゃりまするなぁ。して、今日はこのしがない旅芸人になんの御用向きで?」
「・・・・なにそれ?へんなの。まぁいいわ、今日の私は気分がいいから許す。私の名前は蓬莱山 輝夜。そこにいる永琳の主をやってるわ。今日はたのしい宴の日。貴方もせいぜい楽しんでいってね?」

まただ。いったい宴とはなんのことなのだろう・・・?何かの暗喩?符丁なのか?それとも・・・・

「あ、そろそろ始まるわよ!ほらほら、座って座って!永琳も!」
「はいはい、姫。そんなに慌てなくても宴は逃げませんわ」







釈然としないまま、僕はゴザの上に座る。
しばらくして、あたりに楽しげな音楽が流れ始めてきた。
軽快でどこかユーモラスなテンポの曲。気がつくと僕らは体を揺すってリズムをとっていた。


~~~♪   ~~~~~~♪    ~~~~♪

 ~~~~♪   ~~~~~~♪     ~~~~♪



そして唐突に


ダララララララララララララララララ・・・・・・・・・・


と激しく打ち鳴らされる太鼓のおとが聴こえてきた
もうすぐなにかが始まる予感がひしひしと伝わる。なんだろう?なんだろう?
僕はわくわくする胸をおさえ、期待に胸を高鳴らせる。
太鼓のおとがピタリと止み、わらわらと人影が広場に集う

人影は軽快なステップを踏みながら
広場をぐるぐると駆け回る。
そして、一斉にフォーメーションを形作り











「「「「「「「「テンコーーーーーーーー!!!!」」」」」」」」












            咆哮した。










・・・・・・・・・眩暈がした。


なんだこれは?

よくよく見ると・・・・みな、見知った顔だ。
もちろん素っ裸。どこか狐っぽい雰囲気は間違いない。
奇病に罹った村人たちだ・・・。
皆、心の底から愉しそうな表情で
  テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
 テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
 テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
  テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
   テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
  テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
 テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!
テンコー!  テンコー!  テンコー!テンコー!  テンコー!  テンコー!




 愉快に・・・・踊り狂っている。


    もう だめだ 

            意識を たもって いられない・・・・・・


僕はそのまま” 宴 ”が終わるまで目を開けたまま気絶していた。
















すべてが終わり、永琳さんに肩を叩かれ
僕は気がついた。
どういうことなのか、と詰め寄る僕に永琳さんは
「あはははは、ごめんね?姫がこの頃退屈だって、不貞腐れちゃってて・・・たまたま面白い素材からこんな症状をだすクスリが出来ちゃって、姫の退屈を紛らわすために・・・手近な村にバラ撒いちゃったの。うふっ。」
可愛らしく誤魔化す永琳さん。
輝夜さんはこれまた面白そうに、僕らのやり取りを見物している。
・・・・・・なんか、もう、どうでもよくなってきた・・・・・・

ふぅ~~~~~~~~~~~~

長いため息をつく僕。
さすがに少し気の毒だと思ったのか、永琳さんが
「姫。このお遊びはここまでにしませんか?この者のここまで辿り着いた勇気に免じて。」
「うん。そうね。もう充分に楽しんだし・・・いいわ永琳。あの芸人たちに解毒剤を与えて村に帰しなさい。」
「はい、ではそうします。よかったわね?OO君。これで目的達成ね、おめでとう。」
「・・・・・・・・はい。ありがとうございます・・・・・永琳さま・・・・・」













僕の旅はおわった。

本当にどうでもいい話だった。

この先・・・こんな真相を抱えて生きて行けるほど、僕は図太くないので
永琳さんに頼んで、この旅の記憶を消すクスリを貰った。
一刻も早く村にかえって、クスリを飲んで寝よう・・・・



・・・・そういえば、なにか手紙と札が懐に有ったな・・・・
僕はその辺の茂みにそれらをポイ・・・と捨てると
重い足を引きずりながら帰路についた・・・・


BAD END





”輝夜” ”永琳” ”少年” が広場に集ったところから、テンコー等の電波を遮断した”アナザールート”が始まります。
前後の設定がこれまでの話とはかなり矛盾していますが、ご容赦頂けると幸いです。
「自分の好きになれないものを書いても、たのしくない。」ということを肝に銘じるため、ここまでの話はあえてこのままにします。いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ないです。

>今後は御自身で好きになれる物が書けるといいですね。
>いくらなんでも放り投げすぎ
・・・仰る通りです。もともと、書きたかったものが在ったんです。そこへ到るための話として、これを書き始めた筈なのですが、自分の力不足と、雑多な電波妄想のおかげで・・・気づくと、自分で書いたにも関わらず・・・どうにも自分に合わない話になっていました。
自分としても、初めて書いた長編がこんな終わり方では、あまりにも嫌なので・・・まえの話とはまったく異質なのですが、当初予定していた終章を上げたいと思います。
最後に、率直なコメントありがとうございます。最後まで読んで頂けただけで・・・感謝です。どうでもいいなどと投げやりなことを言わず、もっと前向きにいこうと思います。
しん
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コメント



0.470簡易評価
9.無評価名前が無い程度の能力削除
どうでもいい、ですか。それじゃ作品が可哀そう…かな?
今後は御自身で好きになれる物が書けるといいですね。お疲れ様でした。
13.無評価峰下翔吾(仮)削除
いくらなんでも、放り投げすぎですね。
せめてスペルカードと手紙ぐらいはなんとかしたほうがよかったでしょう。
16.無評価不死鳥の姫削除
えーっと、あんまり無理して長いものを書くのではなく。短編でもいいと思います
スペルカードを出すのなら名前を出すのも良いですね
ここの書庫の作品は結構電波に近いものも多いですので釣られちゃうのは分かります
永琳に会うなら竹林で気を失って運ばれるでもいいと思いますし、スペルカードはそーなのかと中国に撃ちこんじゃっても良かった気が・・・・・(爆
私も小説らしきものを書いていますが自分の好きじゃない所(練らないのが悪い)を書いているときは結構辛いです・・・・・
それでは、これからも無理せずに執筆してくださいね