〈これからのあらすじ〉
“誰が辺境で一番面白いのか?”そんな(笑)な命題を解くべく開催された『M-弾』グランプリ2004! 2回戦を勝ち残ったのは5組……しかしそのとき大会の黒幕であり出場者である西行寺嬢が突如宣言した――『人間vs妖怪、5vs5のチーム戦に変更します』。これまでの流れを無視した展開に困惑する参加者たちだったが、博麗の巫女の『人間は妖怪と、妖怪は人間と戦うのが筋ってものよ』というもっともな言葉に納得し、提案を受け容れる。こうして、『M-弾』グランプリ2004は思わぬ展開を迎えるのだった……。
「お待たせいたしましたぁーー! 『M-弾』グランプリ2004もいよいよ佳境でーっす! 果たしてザキングオブオワライの称号を得るのはいったいどのチームなのでありましょ~~かっ!! 実況は私こと、春じゃなくても春満開、春っ気ダダモレ垂れ流し、妖精リリーホワイトがお届けしっまぁ~~すっ。解説はァ、ひとり娯楽の宝物庫、こちとら笑っても笑われても日陰者じゃい! が口癖、パチュリー・ノーレッジさんでーす。よろしくお願いしまァ~~す!」
「あーどーも」
「ではさっそくですが、今後の展望はいかがでしょ~~?」
「あー、そうね。やっぱり『ダブル二重結界』、ここは定番かもね。あとは『アリとマリサリス』……これもあなどれない感じよね。それから『はぐれ人妖コンビ』、連中もまぁ厄介そうではあるわ」
「なるほどぉ~~、では紅魔館メンバー唯一の生き残り、『不夜城レッズ』あたりはいかがでしょうっ?」
「え? ああ……まぁ、案外頑張るんじゃないの」
「なるほどっ。身内にも厳しいパツリーさんでした! ではさっそく、3回戦を……」
――ちょっとお待ちなさい。
「えっ!? あーーっと、突然誰かが舞台に現れました! 幽霊! しいていえば幽霊のようです! そう、幽霊といえばこの人、この『M-弾』の企画者でもある、生きていない歴かなり長め、こちとら辺境一の食いしん亡じゃい! 西行寺幽々子嬢~~~!!」
「……何してるのかしら。負けたくせに」
「そうです、今回は『ゴースト列車』で参戦、優勝候補に挙げられていたものの、2回戦で『摂氏-273.15℃』にまさかの敗戦をきっした彼女が、一体どうしたと言うのでしょうか~~っ!?」
「あーあーあー。皆さんこんばんは。ところで私が思うに、笑いには二つの種類があります。人間の笑いと妖怪の笑いです。私はそのどちらが笑いとしてより優れているのか、それを知りたくなりました。そこで……」
(助手の庭師が綱引き用のロープを持ってくる。全部で5本ある)
「今ここで全コンビを解散!! 改めて、人間vs妖怪による、5vs5マッチを開催します――」
『ゲエーーーーーー!?』
「場内、騒然としています! それも無理はない、西行寺嬢の唐突な提案!! これでは、今までの試合がすべて無意味になってしまうのではないでしょうか?! いかがです、解説のバチュリーさん?」
「いやパチュリーだけど。でもまぁー、こういうのもマリ、むしろアリなんじゃないの」
「なるほど、まさに一寸先はハプニング、迷わず笑えよ、笑えばわかるさ! 人生の年輪を感じさせていただけるコメントでした! しかし、果たして参加者たちはこれを受け容れるのでしょうか!?」
「ふざけるのも大概にせよ――」
「その通り。せっかく用意したネタをどうしてくれる――」
「ばかげた話だ。帰る。もう帰るぞ――」
「それがいい。こんな茶番に、付き合えるものか――」
「そうだそうだ――」
「――――は、は、は」
「!?」
「何が可笑しい、霊夢」
「これが笑わずに居れるかしら」
「と、いうと?」
「およそ最笑を目指す者ならば、いつなんどき、いかなる状況でも、笑いを提供するが当然」
「ム……ウ」
「してみれば、よ。ルールが変わろうが、チームが解散させられようが、知ったことじゃない。ただ、目の前の客を笑わせる。それだけのこと」
「うむ……しかし」
「もともと、無理に人間と妖怪が合わせる義理はない。人間は人間らしく、妖怪は妖怪らしく、対立し合うのもまた道理」
「い、言われてみれば……」
「であるから、貴方たちは知らず、私はいっこう問題ないわ。何なら――」
「!」
「――1vs9でも、ぜんぜん構わないのだけどねぇ……」
「…………!」
「あーーっと、今まさに10名の選手が舞台に上がりました! どうやら、ルール変更を承認したもようです。ここまで来たら笑わさずにおらりょうか、オラリリーか! というところでしょうか!?」
「…………」
「そして10人がロープを手にしました! そして一斉に引く~~っ……組み合わせ決定!」
〈先鋒戦 ~ 恋娘決定戦 ~〉
霧雨 魔理沙 VS チルノ
〈次鋒戦 ~ History or Destiny ~〉
上白沢 慧音 VS レミリア・スカーレット
〈中堅戦 ~ 逆襲の黒幕 ~〉
十六夜 咲夜 VS レティ・ホワイトロック
〈副将戦 ~ 人と妖のはざまに ~〉
藤原 妹紅 VS 八雲 紫
〈大将戦 ~ 遺恨凄餐 ~〉
博麗 霊夢 VS アリス・マーガトロイド
「以上の組み合わせとなりましたァーー! 果たして勝利の栄冠をゲットするのは人間側か! はたまた妖怪側なのか~~~ッ! では、さっそく先鋒戦の開始でーーーす!!」
(つづく)
“誰が辺境で一番面白いのか?”そんな(笑)な命題を解くべく開催された『M-弾』グランプリ2004! 2回戦を勝ち残ったのは5組……しかしそのとき大会の黒幕であり出場者である西行寺嬢が突如宣言した――『人間vs妖怪、5vs5のチーム戦に変更します』。これまでの流れを無視した展開に困惑する参加者たちだったが、博麗の巫女の『人間は妖怪と、妖怪は人間と戦うのが筋ってものよ』というもっともな言葉に納得し、提案を受け容れる。こうして、『M-弾』グランプリ2004は思わぬ展開を迎えるのだった……。
「お待たせいたしましたぁーー! 『M-弾』グランプリ2004もいよいよ佳境でーっす! 果たしてザキングオブオワライの称号を得るのはいったいどのチームなのでありましょ~~かっ!! 実況は私こと、春じゃなくても春満開、春っ気ダダモレ垂れ流し、妖精リリーホワイトがお届けしっまぁ~~すっ。解説はァ、ひとり娯楽の宝物庫、こちとら笑っても笑われても日陰者じゃい! が口癖、パチュリー・ノーレッジさんでーす。よろしくお願いしまァ~~す!」
「あーどーも」
「ではさっそくですが、今後の展望はいかがでしょ~~?」
「あー、そうね。やっぱり『ダブル二重結界』、ここは定番かもね。あとは『アリとマリサリス』……これもあなどれない感じよね。それから『はぐれ人妖コンビ』、連中もまぁ厄介そうではあるわ」
「なるほどぉ~~、では紅魔館メンバー唯一の生き残り、『不夜城レッズ』あたりはいかがでしょうっ?」
「え? ああ……まぁ、案外頑張るんじゃないの」
「なるほどっ。身内にも厳しいパツリーさんでした! ではさっそく、3回戦を……」
――ちょっとお待ちなさい。
「えっ!? あーーっと、突然誰かが舞台に現れました! 幽霊! しいていえば幽霊のようです! そう、幽霊といえばこの人、この『M-弾』の企画者でもある、生きていない歴かなり長め、こちとら辺境一の食いしん亡じゃい! 西行寺幽々子嬢~~~!!」
「……何してるのかしら。負けたくせに」
「そうです、今回は『ゴースト列車』で参戦、優勝候補に挙げられていたものの、2回戦で『摂氏-273.15℃』にまさかの敗戦をきっした彼女が、一体どうしたと言うのでしょうか~~っ!?」
「あーあーあー。皆さんこんばんは。ところで私が思うに、笑いには二つの種類があります。人間の笑いと妖怪の笑いです。私はそのどちらが笑いとしてより優れているのか、それを知りたくなりました。そこで……」
(助手の庭師が綱引き用のロープを持ってくる。全部で5本ある)
「今ここで全コンビを解散!! 改めて、人間vs妖怪による、5vs5マッチを開催します――」
『ゲエーーーーーー!?』
「場内、騒然としています! それも無理はない、西行寺嬢の唐突な提案!! これでは、今までの試合がすべて無意味になってしまうのではないでしょうか?! いかがです、解説のバチュリーさん?」
「いやパチュリーだけど。でもまぁー、こういうのもマリ、むしろアリなんじゃないの」
「なるほど、まさに一寸先はハプニング、迷わず笑えよ、笑えばわかるさ! 人生の年輪を感じさせていただけるコメントでした! しかし、果たして参加者たちはこれを受け容れるのでしょうか!?」
「ふざけるのも大概にせよ――」
「その通り。せっかく用意したネタをどうしてくれる――」
「ばかげた話だ。帰る。もう帰るぞ――」
「それがいい。こんな茶番に、付き合えるものか――」
「そうだそうだ――」
「――――は、は、は」
「!?」
「何が可笑しい、霊夢」
「これが笑わずに居れるかしら」
「と、いうと?」
「およそ最笑を目指す者ならば、いつなんどき、いかなる状況でも、笑いを提供するが当然」
「ム……ウ」
「してみれば、よ。ルールが変わろうが、チームが解散させられようが、知ったことじゃない。ただ、目の前の客を笑わせる。それだけのこと」
「うむ……しかし」
「もともと、無理に人間と妖怪が合わせる義理はない。人間は人間らしく、妖怪は妖怪らしく、対立し合うのもまた道理」
「い、言われてみれば……」
「であるから、貴方たちは知らず、私はいっこう問題ないわ。何なら――」
「!」
「――1vs9でも、ぜんぜん構わないのだけどねぇ……」
「…………!」
「あーーっと、今まさに10名の選手が舞台に上がりました! どうやら、ルール変更を承認したもようです。ここまで来たら笑わさずにおらりょうか、オラリリーか! というところでしょうか!?」
「…………」
「そして10人がロープを手にしました! そして一斉に引く~~っ……組み合わせ決定!」
〈先鋒戦 ~ 恋娘決定戦 ~〉
霧雨 魔理沙 VS チルノ
〈次鋒戦 ~ History or Destiny ~〉
上白沢 慧音 VS レミリア・スカーレット
〈中堅戦 ~ 逆襲の黒幕 ~〉
十六夜 咲夜 VS レティ・ホワイトロック
〈副将戦 ~ 人と妖のはざまに ~〉
藤原 妹紅 VS 八雲 紫
〈大将戦 ~ 遺恨凄餐 ~〉
博麗 霊夢 VS アリス・マーガトロイド
「以上の組み合わせとなりましたァーー! 果たして勝利の栄冠をゲットするのは人間側か! はたまた妖怪側なのか~~~ッ! では、さっそく先鋒戦の開始でーーーす!!」
(つづく)
「これからのあらすじ」に爆笑しました orz