妖夢は、重く閉ざされた白玉楼の門前でぼーぜんと立ち尽くしていた。
いつもの彼女のいでたちを知るものなら、成る程そのせいかと察する事は難くないだろう。
妖夢の大切な仕事道具であり、また魂魄家の伝家の宝刀である楼観剣と白楼剣、彼女の魂とも言えるべき二振りの刀がその背に無い。
もちろん手に持っている訳でもなく、半身たる人魂に持たせている訳でもない。
ちなみにその替わりと言う訳ではないが、今人魂は必死になって背表紙に『本当は無かった事にされた怖い話 -甘口-』と書かれた本を読んでいる。 幽々子曰くもっとも解りやすく、またもっとも奥の深い幽霊入門書だそうだ。
なんだか本の上と下がひっくり返っている様に見えるのだが、人魂の視点からすれば問題無いのかもしれない。 それよりも必死に学んだ知識が、もう半分へ伝わっているかどうかが心配である。
話は三刻程前、幽々子の部屋での一件までさかのぼる。
「それでは幽々子様。 傷つけられし霊界の誇りを取り戻すため、師の理想を再び世に知らしめるため。
不肖魂魄妖夢、下界に赴きます。 しばらくお屋敷を留守にする事をお許し下さい」
すっかり幽々子の術中にはまって・・・、もとい霊界の栄光とやらを取り戻すため、やる気満々で立ち上がる妖夢。 そんなもの丹○さんにでも任せとけばいいのに。
「うむ、苦しゅうない。 妖夢の武運長久と目標必達の事、この幽々子いつも草葉の陰から見守っているぞよ」
「もったいないお言葉、身に余る光栄でありまする」
あいも変わらず芝居臭さ丸出しの幽々子。 あいも変わらずそれに気づかない妖夢。
いやむしろ傍からみると彼女の言動まで芝居臭くなってきているが、しかし彼女は真剣そのものである。
この状態を、人は流れに飲まれていると言う。
楼観剣と白楼剣を背負うと、妖夢は今一度主に向かい、『御免』と礼をして部屋を後にしようとした。
「これこれ、お待ちなさい妖夢」
その背を突然主が呼び止める。
勢い勇んで部屋から飛び出して行こうとしていた妖夢は、その場でつんのめりそうになりながら何事かと振り返る。
いざ出陣と気勢をあげる従者の出鼻を挫くとは何事か?
いやいや、大激戦が予想される今回の勅令。
それなのに無策で突っ込もうとしていた真面目すぎる従者に、策をさずけようとするは主として当然の役目ではなかろうか。
さすがは西行寺が当主、やせても@でも冥界の重鎮である。 ここ一番の心配りにぬかりはない。
幽々子は静かに口を開くと・・・・。
「その背中の物騒な剪定ばさみ。 今回は使用禁止よ、ここに置いていきなさい」
ますます無茶な事を言い出したのであった。
主曰く、人に直接害為す霊剣使用すべからず。
従者、その場で色をなくして激しく問う何でやねんと。
主答えて曰く、此度従者の使命は霊の尊厳を取り戻す霊の戦いなり。
妖魔妖怪の如く力にものを言わせてねじ伏せるは無粋なり。
即ち己の霊格のみをもって敵を圧倒し、伏させる事こそ霊道なり。
「つまり、幽霊は幽霊ってだけで恐ろしい存在でなければならないの。
斬ったはったの大喧嘩がいくら強くても駄目よ。
あなたは剣に頼りすぎる節があるから、それではいつまでたっても私のような立派な幽霊になれないわ。」
そう言って幽々子は、妖夢から二本の刀を取り上げてしまうのであった。
パタンと本が閉じられる音に、夢と現の呪を全力で彷徨っていた妖夢が現実に引き戻された。
余談だがスペルカードボーナスは逃がしたらしい。
あたりを見回すと、遠く烏の鳴き声が聞こえ、太陽の光は朱の色が強くなってきていた。
どうやら顕界に放り出されてからかなり時間がたってしまったようだ。
「・・・・どう? 何かわかった?」
深く長いため息一つつくと、妖夢はさして期待してない声で隣にいる自分に声をかけた。
問いかけられた人魂は、びしっと親指をたてて何故か元気が無い自分に答える。
「手とか指とかあったんだ・・・」
なかなかやる気の出てこない自分に気合を入れようとしたのか、妖夢は自分の(人魂が人型の)頬を強く叩いた。
しかし、今まででの経験ではまったく考えられない戦いを前に、妖夢は未だに白玉楼の正門を離れる事ができないでいる。
あいつの実力は、身を持って知っている。
先日の一件では、それでも戦っている最中は互角だと思っていた。 いや勝てると思っていなかったと言えば嘘になる。
あいつの不規則で不自然な投刃、しかしこれも全てかわせると踏んでいた。
殺気を読み、敵と己の軌道を読み、それらの軌道を追う事で勝負の軌道を、全て読んでいたつもりだった。
少なくとも、自分の必殺の間合いにあいつを捕らえ、いざ楼観剣でわき腹を凪ごうとしたその時までは。
その瞬間にあいつが煙のように消え、突然背後から現れたあいつの牙が自分の鎖骨に突き立てられるまでは。
絶対に、逃げおおせられる間合いでは無かった。 だが、それがあいつの力なのだ。
その時の痛みを思い出し、妖夢はまだわずかに残る痕を軽くなぞる。
傷口ではなく、心のどこかがシクリと痛んだ・・・・。
まだ、迷っているのか?
突然、頭の中に声がした。
―― 迷っている訳ではない。
怖いのか?
―― 怖い。
ほう?
妖夢は隠す事も出来ずに弱々しい本音を曝け出してしまう。
だが、この問いかけてくる声には隠し事は出来ない。
なぜなら問いかけてくるのは、他でもないもう一人の自分自身なのだから。
たかだか一度負けたくらいで臆病風に吹かれたか? 主のためならば命等惜しくは無いと師に誓ったのは嘘か?
―― 違う! 刃を使う戦いであれば臆する事等あるものか!
霊の戦い方が解らぬか? 己の主が授けてくれた書が信じられぬのか?
―― 違う! 私はその本が怖いだけだ!
・・・・・・ちょっと待て自分。 怖いってひょっとしてアイツの事じゃなくて・・・。
―― 幽霊だって怖いものは怖い! 怪談は嫌いだ! 幽霊とお化けは違う!
この馬鹿たれーーっ!
それでも世界で最も怪奇現象なハーフクリーチャー、魂魄剣士の末裔かーーーっ!
―― 夜中厠に立つ時について来れない癖によく言うよ!
人魂は厠に用がないだけよ! 10歳まで厠に行くのが怖くて粗相をしていた分際で妙な言いがかりつけないで!
―― このっ! 言わせておけばっ!
彼女は今、自分自身の弱さと必死になって戦い、それを退けていた。
逃れえぬ恐怖を、押し留める事の出来ぬ疑念を、良く伸びる球体からのパンチを、黄金の左手から繰り出す渾身の左アッパーを、それをかわしてトリプルクロスに持ち込む!
ラッシュラッシュ! 両者ノーガードでの激しい打撃の押収!! おーっとここで強烈なフックからの連携が決まったダウーン!!
これで決まるかカウントスリー!フォー!!ファイーッ・・・って話逸れ過ぎ修正汁。
「おや庭師さんがお屋敷前でくたばっておられる、こいつぁ前代未聞の一大事かい?」
「・・・燃え尽きたよ・・・。 真っ白だ・・・・」
「それはメルランが目の前にいるからじゃないかな・・・」
「どーしたのですか、庭師の方。 何か悩んでるみたいだけど?」
あれこれと苦心していた妖夢の前に、黒白赤の3人集、幽霊楽団の一行が現れた。
幽々子に呼ばれ、白玉楼に一騒ぎ起こしてもらいたいと頼まれたらしい。
庭師としてはそんなもの絶対勘弁してもらいたい所だが、そんな事は大事の前の小事、数少ない相談相手に、これ幸いと妖夢は藁をもすがる思いで事の次第を話した。
ちなみに、従者を地獄の戦場に送り込んでおきながら、自分はお目付け役がいない今が好機とリミッター解除し、宴会三昧の生活を送ろうとしている非道な主の悪巧みは、狭まった彼女の視野には大きすぎて見えてない。
「私のような半人前と違って、ルナサさん達は混ぜ物無しの幽霊だ。
そこを見込んで何か良い知恵をお貸し願えないだろうか?」
「・・・私達は100%普通の幽霊じゃないから、50%は普通の幽霊の妖夢さんの方が格は上だとは思うけどね。
そうだね、やっぱり祟りって言ったら、祟る理由があって初めての物だと思うけど・・・。
標的を祟る理由はあるのかい?」
ルナサは、妖夢から渡された彼女曰く幽霊の奥義書を斜めに読みながら答えた。
経緯を聞いたリリカが後ろで窒息しかけながら笑い転げているのだが、妖夢の目に入っていないのが不幸中の致命傷である。
一見真面目に答えているルナサも、本来はもっと別の事を教えてあげた方がいいような気がしているのだが、妖夢の真剣なまなざしを前にしてついつい真面目に答えてしまうのであった。
「まじめさは 弱いこころと へいこうせん
げに悲しきは その行きつく先なり めるぽ」
ルナサは、雅に皮肉った次女をガッと殴って黙らせた。 どうやら今日の宴会は歌会らしい。
「・・・・祟る理由・・・・」
妖夢は思い出す。 屈辱的敗北を喫したあの日の事を・・・。
―『フッ。 どうやら勝負あった見たいね?』
『ぐッ! ・・・殺すなら、さっさと殺せ!』
『あーら、まだそれだけの元気があるの?
意外としぶといわねー、このチンチクリン!がきんちょ!存在自体が中途半端!
身の程知らずの半人前!おっぺけペーのこんこんちき!』
『な!? なっ!?』
『フフフ、悔しい?
私は悪魔の犬らしいけど、今のあなたは負け犬そのものよね(にやにや』
『おっ、おのれっ! 嬲る気かっ!』
『まあ死にたいってなら止めはしないわ。
そうだ、あなたにぴったりの墓標を用意してあげる。
負け犬のお墓なんてぼうっきれで十分よね?』
『あっ、こらっ! それはこの間添え木をしたばかりの・・・!』
『はい、ポチのはかっと。 じゃあやすらかにお休みなさい、花咲か亡霊のワンコちゃん♪』
回想終了。
「・・・・・・・あるわ」
「そ、そう?
それじゃ、その祟る理由を間接的にアピールしながら相手を怖がらせるの。
標的が恐怖とともに祟りを思い出す位にね。
そうすれば標的は自然と祟りを避けようとして、自分の行動にタブーを作るはずよ」
ルナサは、突然殺る気まんまんになった妖夢にちょっと怯えつつも、最後の極意を妖夢に伝えた。
「・・・有難うルナサさん。 さすが騒霊の名で呼ばれる事だけはありますね」
「その二つ名はあんまり有難くないんだけどね」
ルナサは苦笑しながらそう言うと、それぞれの理由で痙攣している妹二人をかついで立ち上がった。
「それじゃあ妖夢さん。 頑張って」
「ありがとう。 ルナサさん」
二人は軽い挨拶の後、顕界と冥界に向けて、それぞれ逆の方向に飛び立った。
かたや文字通りの極楽へ、かたやまごう事なき、真の地獄へと向かって・・・。
□□□
突然振ってきた雨に快適な空の旅を邪魔された咲夜は、紅魔館へ通じる湖畔の道を歩いていた。
「はぁっ、雨なんて運の悪い事。 すっかり遅くなってしまったわ。
お嬢様きっとへそまげってらっしゃるだろうな~。」
やれやれと言った感じでぼやきながら、とっぷりと日の暮れた暗い夜道を急ぐ。
この辺りには、紅魔館の主が放つ瘴気に誘われた強力な妖魔妖怪が数多く潜んでいる。
しかし十六夜咲夜、人間の身でありながら時を操るその実力をして、幻想郷屈指の実力者スカーレットデビルが腹心である。
その完全で瀟洒なメイドに襲い掛かってくる馬鹿はいない。
紅魔館の周りでメイドをおそっちゃいけねえ、曲がり間違えて齧ろうものなら、瞬き一つであの世逝き。
妖魔達が咲夜を畏れて作った鉄の掟である。
だがしかし・・・・。
何か違和感を感じたか、咲夜は急ぐその足を止めた。
紅魔館へ通じる、極限られたものしか通らない細道。
暗闇に閉ざされたその先から、女の泣き声が聞えてくる。
この呪われし黒き森、妖々が跋扈する逢魔刻に尋常な事ではない。
咲夜は慎重にその足を進める。 ・・・すると・・・。
紅魔館への別れ道、その目印となる巨木の下に、一人の女がうずくまるようにして泣いていた。
女は冷たい雨にずぶ濡れになり、白にそめあげられた髪は乱れ、着ている着物は泥水に汚れ、所々に血を思わせるどす黒い染みが付いている。
そのすすり泣く声は思わず耳をおおいたくなるほど悲痛であった。
「で? こんな所で一体あんたは何してるの?」
その泣き声に、鬼の咲夜(命名:紅魔館門番)も耐え難い思いを抱いたか、女を無視する事ができずに声を掛ける。
突如かけられた問いかけに、女はビクリと体を震わせたが、しかし顔を覆うようにしたまま、嗚咽の混じった声で答えた。
「ああ・・・、顔が・・・ああ、私の顔が・・・・・」
「顔? 顔がどうしたって?」
「はい・・・・、実は・・・・・・」
女は、咲夜に促がされるままにポツリポツリと身の上を語り始めた。
この女、とあるお屋敷で女中をしていたと言う。
ある日、屋敷の主人が大切に集めていた桜の花弁の番をおおせつかったが、運悪くその日に賊に襲われ、全て奪われてしまったらしい。
翌日、その桜の花弁を友達に自慢しようとしていた主は顔を潰されたと激怒し、同じ屈辱を味あわせると言って女の顔を・・・・。
なんとも哀れな女の話。
だがしかし、咲夜は女が身の上を語るにつれ、なぜかその表情を険しく歪ませて行く。
まるで、何か心当たりがあるように・・・・。
「そりゃ酷い御主人様もあったものね? で、顔がどうなったって?」
「はい、御主人様は・・・・。 私の顔をこんな風に・・・・・・・」
女は顔を覆っていた手を取り外すと、その場に立ち上がり、そしてゆっくりと咲夜の方を振り向いた。
「あああっ!!」
咲夜は、驚愕の声を上げた。
なんと振り向いた女の顔には、目も、鼻も、口も、なにもついていなかったでのある。
咲夜には、女の話に身に覚えがあったのだ。 それもそのはずである。
その女が言う、桜の花弁を奪ったと言う賊と言うのは・・・。
「う~~~ら~~~~め~~~~し~~~~や~~~~~~。
私をこんな目に合わせた主が~~~。そして花弁を奪った賊が~~。
お~~~ま~~~え~~~が~~~に~~~く~~~い~~~~~~~!」
女が泣き叫びながら一歩、また一歩と咲夜に近づいてくる。
咲夜は、しかし女が目の前までせまってきていると言うのに一歩も動けないでいる。
その体はガクガクと震え、その目線は恐ろしい現実を目の当たりにしながらも、その一点から外せないでいた。
女は、そんな咲夜の目の前までやってくると、まるで全てを呪うかのような恨みがましい声でこう言った。
「・・・・ちょっとあんた。 なんで時計なんて見てるのよ」
咲夜は、スカートのポケットから取り出した銀色の懐中時計を見たまま固まっていた。
その目には、必死になって頑張っていたのっぺらぼうなんて見えていない。
ひゅるる~っと、心なしか寒々しい風があたりを吹き抜けていった。
「・・・・遅れたわ」
「は?」
スパーンッ!!っと銀光一閃。
突如振るわれた咲夜の右腕が、のっぺらぼうの顔スレスレを通過した。
ぱっかーんと言う景気の良い音と共に、のっぺらぼうの顔が真二つに割れて地面に落ちる。
その下から、ちょっと涙目になった冥界の庭師が現れた。
「なっ! いきなり何するのよっ!」
「お嬢様の夕食の時間・・・。 過ぎてしまったわ・・・。 あんたが下らない事してるから!」
「そんな事私には関係ないわよ! それよりもなんて罰あたりな事しッ!?」
スターン!!っと再び銀光一閃。
今度は咲夜の左手から飛び出したナイフが、元のっぺらぼうの頬をカスって後ろの木に突き立った。
「抜きな。 お礼参りか意趣返しか知らないけれど、まどろっこしい事は嫌いよ」
はらりと舞い落ちる己の銀髪を目線だけで見送った妖夢は、キッと咲夜をにらみ返すと立会いの間合いを取る。
「そうね、わたしもまどろっこしい事は嫌いよ。
でも冥界も無礼で野蛮でばちあたりな犬を飼う程酔狂じゃないわ。
魂までも細切れにして、西行妖の肥料にしてやる!」
「言ってくれるわね。 今のあなたにそんな事できるのかしら?」
「妖怪が鍛えたこの楼観剣に、斬れぬものなどほとんど無い!」
言うが早いが妖夢は双剣の柄に手を伸ばすと、神速とも言える速さでその鯉口を切った。
凶悪なまでに研ぎ澄まされた2本の刀より飛来する剣気が、咲夜を挟み込む様にに襲い掛かる。
白玉楼階段の幻闘を思わせる打ち合いが、今紅魔館の前で再現され・・・・・・
・・・・・・る訳がなかった。
妖夢の二本の腕は、背中に回されたまま宙を泳いでいた。
白い白い空気が辺りに充満し、痛々しい雰囲気は目どころかいろいろと当てられない程になっていた。
嫌な汗をだらだらと流している妖夢に対して、腕をボキボキと鳴らしながら近寄ってくる咲夜。
「・・・今日の所は、これ位で勘弁してあげるわ・・・」
「あれだけほざいておいて、それで済むと思って?」
満面の笑みと、ひきつりまくった笑みが暗い森の中で対峙した。
瞬き一つする間もあらばこそ、妖夢の周りに突然現れた山のような白刃が、彼女の着物を綺麗に後ろの木に縫い付ける。
十進法を会得したような姿で磔になった妖夢の前に仁王立ちして、咲夜は目隠しをしながら投刃の構えを取った。
「ちょ・・・ちょっと待って落ち着いて! 話せばきっとわかるわ!」
「ええそうね。 話し合いましょう?
うちのお嬢様はね、食事が一分でも遅れると酷く機嫌を損ねられるのよ。
そのご機嫌を取るのがどれ位大変な事か、ゆっくり話してあげるわ。 ・・・このナイフでね」
「ナイフは言葉じゃないーーっ!」
「あら、恐怖を伝えるにはこれ以上の言葉はないわよ?」
ざあざあと降りしきる雨の中、一筋、また一筋と閃光が虚空を走る。
身の毛もよだつような絶叫が、絶えることなく暗闇に響き渡った。
悪魔の館の門番をして、「ああ、それ位で済んだのなら咲夜さんの怒りゲージは中の下ってところですね」と言わしめる程の恐怖が今そこに・・・。
咲夜さんがまだ甘口(Easy)レベルの恐怖なのは不幸中の幸いですな。彼女が本気になったらそれこそExtraレベルの恐怖が・・・(((( ;゚Д゚)))
妖夢の立場だったら、だけど。
ゆゆさまの台詞はなまじ筋が通っているだけになおいっそう当人の無責任さが引き立ちますな。
ぴちぴちと弾けまくっています。
咲夜さんの怒りゲージ、略して咲怒ゲージを完璧に把握している美鈴に涙が止まりません。笑いの。
妖夢よ、強くなれ。