東方X戦記
第4話「究極一撃必殺!お空の地獄夢想技」
外の世界の北方勇者帝国拠点№3。その頂点にお空は磔にされていた。
体中ボロボロで鎖を引きちぎる力も残っていない。そんな彼女に地獄勇者、ザリクが冷ややかに見る。
「ふん、私などに逆らわなければ、長生きできたものを・・・・・・所詮、鴉の知能などそんなものか。」
「うぅ・・・・・・。」
「さて、お喋りは無用だ。貴様に聞きたい事がある・・・・・・仲間は何処だ?」
「知らないよ・・・・・・勇儀と喧嘩して1人で来たのよ・・・・・・。」
お空の答えにザリクは黙っていたが、やがて理解したのか不敵な笑みを浮かび、口を開く。
「・・・・・・成程な。大方、この世界に復讐する為に1人でやって来たのだろう?」
「!?何でそれを・・・・・・!?」
「言った筈だ。私は貴様等の遺伝子故に貴様の考えている事は一応分かるのだ。さて・・・・・・。」
そう言い、ザリクは歩みつつ、ある装置に手を掛ける。
「?それって・・・・・・?」
「まぁいい、冥土の土産代りにお教えしよう・・・・・・。」
そう言ってスイッチを押すと、突如地響きが起こる。
その時、お空の前方の床が開き、その中から馬鹿でかいキャノン砲が現れた!これには流石のお空もビックリ。
「な、何これ・・・・・・!?」
「見たか?これは究極の武器、『サーガウェポン』だ!ここからどんな場所でも壊滅させる破壊光線を放射する機能を持つ!今は未完成だがこれが完成すれば、どの国でも我々の前には逆らえなという魂胆だ!」
「・・・・・・んじゃ、特殊な石で武器を作っていたというのは?」
「あれはオマケ程度だ。我が部下にも武器が必要でな・・・・・・さて、そう言う訳だから貴様はここで見ているがいい。」
そう言うや否や、ザリクはモニターを見る。モニターには前回で捕まった外の世界の人間が逃げている。
「正直、奴等の逃走には慌てたが・・・・・・これで実験台ができた。未完成とはいえ、テストが必要でな。」
「!」
それを聞いて、お空は絶句した。まさかあの人達が実験台に・・・・・・!
「止めて!あの人達は関係ない!幻想郷の侵略が目的でしょう!外の世界は関係ないよ!」
「それがどうした?我々は貴様の遺伝子が元だが、外の世界の力が我々を生んだのだ。それに貴様も憎んでいたのだろう?」
「っ!そ、それは・・・・・・。」
「ふはははは!そこで死の前に見ているがいい!憎き者共の最期を!」
そう言って、ザリクは最終調整の為に去る。それを見て、お空は項垂れる。
またか?また誰も救えないのか?さとり様やお隣の様に誰も救いだすことができないのか?
「(ミリア・・・・・・ライ・・・・・・御免、私には誰も救いだす力がないみたい・・・・・・。)」
そう思い、閉じた目から涙が溢れた。
「・・・・・・とりあえず・・・・・・その八雲という妖怪の居場所は何処かしら?」
「知らないわよ・・・・・・。」
そんなやり取りしながら依姫とリリーBは会話しつつ、お供の月兎軍団と共に移動していた。
依姫はかつて月の都に侵略しにきたスキマ妖怪、八雲(紫という名前だよね?)の所へ向かおうとしていた。
一旦、外へ出れば、蓬莱山様や殺戮機械人形・T‐Jの事が分かるかもしれない。そうカンが告げていた。
だが、勿論八雲の居場所であるマヨイガが分かるわけでもなくこうして幻想郷中をウロウロしている。
「知らないって、貴方八雲と関係があるでしょう?」
「・・・・・・それはホワイトの方で霊夢と関係がある。よく春を伝えに行っては、博麗神社の所へ引き取りに行った・・・・・・。」
「・・・・・・全く・・・・・・ん?博麗神社って何?それより霊夢って?」
「博麗霊夢。巫女なのに妖怪とかと仲良しで、いつも異変を解決しに行っている貧乏巫女。」
「巫女ね・・・・・・巫女?あのさ、その霊夢って服は脇出しているっけ?」
「脇?あぁそうね・・・・・・何か自慢げに脇出しているわよ。」
それを聞いて、依姫は確信した。間違いない。あの時、住吉三神を呼び出し、吸血鬼と共にやって来たあの巫女だ。
「その博麗神社って何処にあるの!?」
「な、何?分かったわよ・・・・・・ついて来て。」
そう言って、リリーBは飛んで行く。依姫達もついて行く。恐る恐るレイセンが尋ねる。
「あの、依姫様?大丈夫ですか?あの巫女に頼るのは少し・・・・・・。」
「仕方がないわ。この地上(幻想郷)を出るのにはあの巫女に頼まなきゃいけないし。」
「しかし・・・・・・。」
「何?」
「いえ・・・・・・もしかすると、「先輩」もいたりして、と思いまして・・・・・・。」
「っ!?・・・・・・そう・・・・・・。」
レイセンの言葉に依姫は言葉を失う。先輩と言うのはかつて地上に逃げ出した月兎、レイセン(今のうどんげ)らしい。
確かに、ここに降り立った今はそんな彼女と再会できるかもしれない。その時、彼女はどんな反応を示すだろうか?
「着いたわ、ここよ・・・・・・って誰もいないわね・・・・・・異変解決しに行ったのかしら?」
リリーBの言葉に依姫はハッと我に返った。よく見ると、神社には誰もいなかった。留守らしい。
「困ったわね・・・・・・とはいえ、仕方がない。休憩にしましょう。」
依姫の言葉に聞いて月兎達は神社でゆったりと家にいるかの様に休憩していた。完全に実戦経験不足である・・・・・・。
「全く・・・・・・あの巫女は何処へ行ったのかしら?」
「ここが修行の間・・・・・・樹木と言うより、洞窟ね・・・・・・。」
洞窟の如く大きな穴がある巨大な木を見て、霊夢は驚く。何せ、こんな巨大な木を見るのは初めてだ。
その傍らで大神・天照が頷いて言う。
『はい・・・・・・ここは清らかな巫女が修行する場・・・・・・ここへ連れて来たのは貴方で2人目・・・・・・。』
「え、2人目?最初は誰なの?」
『はい、彼女は貴方のご先祖です。』
「!?先代様もここで・・・・・・?いつ完了したの?」
『貴方のご先祖は通常なら3年で終わるのを3週間で終わらせました。』
「3・・・・・・さささ3週間もあれば十分ね・・・・・・ここで何をすればいいの?」
動揺しつつもそう尋ねる霊夢に天照は答える。
『霊夢、貴方にはある人物と戦います・・・・・・。』
「ある人物?」
『その方は貴方と関連あるものです・・・・・・その方と戦い、身も心も鍛えるのです・・・・・・。』
「・・・・・・何はともあれ、やるしかないわね・・・・・・。」
そう言って、前へ進む霊夢。そして魔理沙達にこう言った。
「霊夢・・・・・・。」
「魔理沙・・・・・・後は頼んだわよ・・・・・・。」
そう言って、修行の間へ走りだす霊夢。今、彼女の修行が始まった。それを見送る魔理沙達。
「行っちまったな・・・・・・。」
「そうね・・・・・・。」
「さて・・・・・・私達も私達なりに頑張りましょう・・・・・・。」
そう言って、紫は魔理沙達にこう言う。
「さぁ始まるザマスよ!」←紫
「行くゼガンス!」←魔理沙
「「「フンガ―!」」」←上海、蓬莱、台湾
「まともにSS進めなさいよ!」←アリス
「ちなみにアリスは?」←夢美
「邪魔なだけ。というより、苗字がマーガリンみたいだな。」←ナズーリン
「納得いかねぇ!!」「し、神綾様、落ち着いて・・・・・・。」←神綺&夢子
一方の霊夢は真っ直ぐ進んでいた。暗くて見えないが、今の彼女に恐れるものはなかった。
「(それにしても、私と関連ある者って誰かしら・・・・・・?魔理沙?それともレミリア?)」
そう考えながら、進む事約3分。その時、辺りが明るくなった。そしてある気配を発見する。
「っ!誰!?」
「・・・・・・博麗霊夢・・・・・・貴方はこの修行をやり遂げる覚悟はできているかしら?」
霊夢にそう言う声に聞き覚えがあるが、思い出せない。彼女は一体、何者なんだ?
「出てきなさい!私は皆や幻想教、外の世界の為に修行しに来た。だから、覚悟は十分できているわ!」
そう答えると、声の人物が現れた。その姿を見て、霊夢は絶句する。
「・・・・・・う、ウソでしょう・・・・・・?」
「驚いた?」
そう答えて笑う人物は・・・・・・過去の霊夢だった・・・・・・。
魔理沙がうふうふ笑いしている頃に着ていた巫女服で、脇は出していない過去の自分だ。
「何で・・・・・・?」
「これが修行の間の力よ。貴方の頭の中を見て、その中から私を生み出したのよ。」
そう言って、真顔になる過去の霊夢。
「霊夢・・・・・・貴方に足りないもの・・・・・・それは自分の心よ・・・・・・。」
「なっ・・・・・・!」
「まぁ、前置きはともかく、とりあえず弾幕して鍛えましょう。あ、名前はハクレイと言う事で♪」
そう言って、構える過去の自分・・・・・・ハクレイ。霊夢もスペルをセットする。
「(この修行・・・・・・そう簡単には行かないわね・・・・・・。)」
そう思い、霊夢はハクレイに向けて弾幕を放った・・・・・・。
お空は空間に横たわっていた。何でここにいるかは不明だが、もう起き上がれる力もない。
「(うにゅ・・・・・・無理だった・・・・・・もう誰も救い出すことができないなんてやっぱり私は馬鹿だろうな・・・・・・。)」
1年前、機械人形T‐Jの襲撃により、さとり様、お隣、そしてこいし様が殺された。
それからというもの、お空は外の世界に復讐しようと秘かに計画を立て、大特訓をし続けた。そして勇儀にも協力をお願いした。
しかし、勇儀は友である萃香を殺されてもなお、外の世界には自分達と同じ様な善い人間がいると拒否した。
当時の自分は勇儀の言葉に反感を抱いたが、今はそれが痛い程分かる。
外の世界の人間達は被害者なのだ。悪いのは恐るべき能力を持つ自分達だ。
この街が廃墟になったのもきっと自分の核の能力のせいだろう。ミリア達には申し訳ない・・・・・・。
そしてせっかく逃がした人間達を見殺しにしては本当に死んでも死にきれない。だが、今の自分には戦う力はない。
相手は自分だけじゃなく、さとり様達の能力を持っているクローン。自分だけでは勝ち目がない。
もう・・・・・・駄目なのか・・・・・・。そう思いかけた時、頭上から光が差し込んできた。
『諦めないでお空・・・・・・。』
『あんたにはまだ戦える力がある・・・・・・。』
「っ!?」
聞き覚えのある声を聞いて、お空は眼を開けた。見ると・・・・・・。
「・・・・・・さとり様!?お隣!?」
そこには死んだ筈のさとりとお隣がいた。半透明で浮いたけど。
『お空、貴方は幻想郷を救う者の1人なのです』
『あんたは1人じゃない。あたい等がついている。』
「さとり様・・・・・・お隣・・・・・・。」
2人の言葉を聞いてお空は確信した。そうだ、お2人は天の彼方から自分を見守ってくれる。自分は1人じゃないのだ。
例え、ザリクは自分や皆の能力は真似できても心まではまでは真似できてない。要は、心の強さが全てに勝るのだ。
仲間との友情や誰かを守る意思。それが自分に力を持たせてくれる・・・・・・そう思った瞬間、
ピカーッ!
「な、何!?」
突如、お空の前方に何かが光る。よく見るとスペルカードが光っていた。
「スペルカード・・・・・・だよね?」
それを取り、じーと見るお空。よくよく見ると自分や皆のとは違う雰囲気を持っている。
「これって・・・・・・?」
『これを幻想郷と外の世界の平和の為に・・・・・・。』
『お空・・・・・・皆の事頼んだよ・・・・・・。』
(さとり様!?お隣!?)
そうお空に告げて空の彼方へ消えていく2人。それを見た瞬間、お空の体に力が湧く。
「うにゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
バキィン!!
ザリクはサーガウェポンの最終段階に入っていた。未完成なので調整が難しいが、完成すれば自動調整できる仕組みだ。
逃げた奴等は動いているので誤差はあるものの、破壊力のあるこの武器にはそんな事は関係ない。
標準をセットし、後はチャージ後に発射ボタンを押せばいい、と思ったその時、大きな音が響いた。
「な、何事だ!?」
ザリクは慌ててその音の方へと向かう。ここの機械人形は全て旧式鴉に破壊されたので、後で補充が必要だ。
そして上へ上ると・・・・・・。
「っ!・・・・・・・・・ば、馬鹿な・・・・・・!?」
お空が立っていた。鎖を引きちぎり、自由の身になったお空が。
何故だ?ザリクは絶句する。あれだけ痛めつけておいたのだ。どこにそんな力が残っている?
見ると、今のお空はよろよろ立っている状態だ。無理もない。真・「地獄の人工太陽」・10連弾をくらったのだから。
「驚いたな・・・・・・まだ生きているとは・・・・・・だが、これで最後にするぞ、ウツホ!」
そう言ってあのスペルを発動するザリク。同じ威力でも今のあいつには避ける気力も残っていない。
「いくぞ必殺!真・「地獄の人工太陽」・10連弾!!!」
そう言って、スペルを発動するザリク。弾幕は一気にお空に向かっているが・・・・・・。
「・・・・・・このぉ!」
バチィ!
なんとお空は自分を吹っ飛ばした最凶のスペルを弾いたのだ!それも片手の制御棒で。
「な・・・・・・何だと・・・・・・!馬鹿な・・・・・・!」
それを見てザリクは驚かずにはいられなかった。最強のスペルを旧式の鴉如きに弾かれたのだ。
「馬鹿な・・・・・・!こんな事は信じられない!旧式如きに・・・・・・旧式如きに私の攻撃が!?」
「貴方は間違っている!!」
「何!?」
パニくるザリクを遮って言うお空の言葉に言葉を失うザリク。
「貴方は自分の力を過信すぎる!確かに、闘う時は自分の力を信じる事も大切・・・・・・けど、一番重要なのはそれを過信すぎない事!貴方は自分が最強の力を持っている事を確信し、他の人を馬鹿にしているでしょう!?それはいけないことなの!人間でも妖怪でも生きているものは・・・・・・仲間と一緒にいる事を確信する事なのよ!」
そう力説するお空の体にとてつもないオーラが漂う。そのオーラに後ずさるザリク。
「貴方だけは・・・・・・絶対に許さないっ!!」
「くっ・・・・・・い、いいだろう!貴様の実力とやらを見せてもらおうではないか!」
その言葉を聞き、特殊なスペルを取り出すお空。やはり、あれは夢ではなかった。
「スペル・・・・・・発動!」
そう言うや否や、お空の制御棒に変化が生じる。
「何!?」
その光景にザリクは驚いた。何とお空の制御棒から死体車っぽい物体・・・・・・お隣が愛用したのとそっくりなのが出て来たのだ。
制御棒を外し、それを片手で持ち上げるお空。その時、周りに何かが現れる。
「何だと・・・・・・この真っ昼間に幽霊だと!!??」
ザリクが驚くのも無理はない。お空の周りには昼間なのに幽霊が現れたのだ!それが死体車に集う。
「・・・・・・夢想・・・・・・地霊突!!!」
お空の頭の中にそういう言葉が自然に出る。幽霊が死体車にぶつかった瞬間、幽霊が弾幕となったのだ!
「くっ!」
慌ててザリクはその弾幕を必死にかわす。しかし、それが思うつぼだったのだ。
お空は死体車を構える。そして・・・・・・。
「う・にゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
全力でお空は、突撃した。弾幕をすり抜けて。
ピチュチュチューン!!その時、聞き覚えのある音が空に響いた。
「ぐはぁっ!!」
そしてザリクに激突!その一撃は計り知れない。
「何故だ・・・・・・何故、奴にそんな力が・・・・・・!」
そう言いながら吹っ飛ぶザリク。その方向には・・・・・・未完成のサーガウェポンが。
「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そういった事を叫び、ザリクはサーガウェポンへと突っ込み・・・・・・大爆発が起きた。
「うにゅ~すごい爆発だったね……。」
謎の必殺スペルを発動してザリクを吹っ飛ばしたお空はあれからどうなったのか確かめに行った。
それにしても今のスペルは何だろうか?頭の中では「夢想地霊突」と響いているが、まるで霊夢のスペルみたい。
おかげでこの支配地に建っているタワーが崩壊寸前状態だ。我ながら恐ろしい技を出したものだ……。
「お~い、ザリク~?どこなの―?」
とりあえずキリュウの居場所を教えようとザリクを探してみたが、返事がない。という事は……。
「返事がない・・・・・・ただの屍になっちゃったのか・・・・・・かなりやり過ぎたかも……。」
そう呟き、シュンと落ち込んだ、その瞬間!
「って勝手に殺すな、この旧式鴉!!」
「うにゅ!?」
後ろを振り向くと、瓦礫の中から黒こげのザリクが現れたのだ。そしてお空を憎々しげに睨む。
「ぐっ・・・・・・流石の私もここまでとなると・・・・・・!ここは少し引くべきか・・・・・・!」
「待ってよ!この弾幕バトル、私の勝ちだからキリュウの場所を教えなさいよ!」
「誰が言うか!私と貴様は敵同士だろ!?」
「勝った者は“歯医者”(?)に命令する権利を得るって。あと頭部を破壊されたら失格だって・・・・・・。」
「“敗者”だ!どこぞのモ○ルファイターみたいな事を言うな!」
いらいらしつつ言うとザリクは浮遊する。
「何処行くの!?またどこかの街を支配するの!?」
「いや、ここは基地へ帰還する。・・・・・・今日は貴様の勝ちにしてやろう・・・・・・だが、次はこうもいかんぞ、ウツホ・・・・・・!」
そう言い捨てると、何処かへと去ろうとするザリク。慌てて追うお空だが・・・・・・。
その時、ザリクがポケットから謎の物体を取り出し、その中のボタンを押すと瞬時に消えてしまった。
お空は分からないが、説明しておくとさっきの物体は瞬間移動装置で、そこから受信機がある基地へと転送するのだ。
「行っちゃった・・・・・・名前、まだカタカナなのに・・・・・・でもいいや。」
逃げられたものの、お空は満足だった。だって、ここの街はザリク達の手から救われたのだ。
「(ザリクの言う事が本当なら、他にもクローンがいるみたい・・・・・・そいつらを使えばキリュウの所へ連れてってくれるかも!)」
そう思うとグズグズしてはいられない。お空は飛び立った。勿論、外の世界は広いという事も知らずに・・・・・・。
「姉ちゃん!見てあれ!」
一方でライが指さした方向見て、ミリアは驚いた。両親を始めとする捕らわれた人々がこっちにやって来たのだ。
よく見ると、タワーが煙をあげて崩れていたのだ。それを見てミリアは確信した。
オクーだ。あの不思議な人が自分達を助けてくれたのだ。
「(オクー・・・・・・ありがとう・・・・・・。)」
そして、ミリアは弟と共に両親の元へと走り出した。
続く
次回:「お空の所からかなり離れている支配地№7に昔の仲間、小町はいた。かつて仲間を裏切った彼女に詰め寄るミスティアとオマケとしてついて来たてゐ。そんな2人を無視して進む小町に悪夢が立ちはだかる!次回、「裏切り者の名を受けて。さすらいの死神」にご期待ください!」
オリキャラ紹介
「地獄勇者:ザリク」
クローン勇者3号。キスメ、ヤマメ、パルスィ、勇儀、さとり、お隣、お空、こいしの能力を持ち、プロポーションの大半はお空。
他人を見下し、幻想郷を旧式扱いしているが自分の穢れし血を呪っている。パルスィの嫉妬の影響か負けず嫌いでもある。
主にパワータイプで動きは遅いが、こいしの無意識の能力を使って、相手の背後から攻撃する事もできるがさとりの能力と拒絶反応を起こし、お互いに半減されているのでさとりの能力で相手の心を読む事は難しい。チルノを仲間に入れる事に反感を抱いている。
第4話「究極一撃必殺!お空の地獄夢想技」
外の世界の北方勇者帝国拠点№3。その頂点にお空は磔にされていた。
体中ボロボロで鎖を引きちぎる力も残っていない。そんな彼女に地獄勇者、ザリクが冷ややかに見る。
「ふん、私などに逆らわなければ、長生きできたものを・・・・・・所詮、鴉の知能などそんなものか。」
「うぅ・・・・・・。」
「さて、お喋りは無用だ。貴様に聞きたい事がある・・・・・・仲間は何処だ?」
「知らないよ・・・・・・勇儀と喧嘩して1人で来たのよ・・・・・・。」
お空の答えにザリクは黙っていたが、やがて理解したのか不敵な笑みを浮かび、口を開く。
「・・・・・・成程な。大方、この世界に復讐する為に1人でやって来たのだろう?」
「!?何でそれを・・・・・・!?」
「言った筈だ。私は貴様等の遺伝子故に貴様の考えている事は一応分かるのだ。さて・・・・・・。」
そう言い、ザリクは歩みつつ、ある装置に手を掛ける。
「?それって・・・・・・?」
「まぁいい、冥土の土産代りにお教えしよう・・・・・・。」
そう言ってスイッチを押すと、突如地響きが起こる。
その時、お空の前方の床が開き、その中から馬鹿でかいキャノン砲が現れた!これには流石のお空もビックリ。
「な、何これ・・・・・・!?」
「見たか?これは究極の武器、『サーガウェポン』だ!ここからどんな場所でも壊滅させる破壊光線を放射する機能を持つ!今は未完成だがこれが完成すれば、どの国でも我々の前には逆らえなという魂胆だ!」
「・・・・・・んじゃ、特殊な石で武器を作っていたというのは?」
「あれはオマケ程度だ。我が部下にも武器が必要でな・・・・・・さて、そう言う訳だから貴様はここで見ているがいい。」
そう言うや否や、ザリクはモニターを見る。モニターには前回で捕まった外の世界の人間が逃げている。
「正直、奴等の逃走には慌てたが・・・・・・これで実験台ができた。未完成とはいえ、テストが必要でな。」
「!」
それを聞いて、お空は絶句した。まさかあの人達が実験台に・・・・・・!
「止めて!あの人達は関係ない!幻想郷の侵略が目的でしょう!外の世界は関係ないよ!」
「それがどうした?我々は貴様の遺伝子が元だが、外の世界の力が我々を生んだのだ。それに貴様も憎んでいたのだろう?」
「っ!そ、それは・・・・・・。」
「ふはははは!そこで死の前に見ているがいい!憎き者共の最期を!」
そう言って、ザリクは最終調整の為に去る。それを見て、お空は項垂れる。
またか?また誰も救えないのか?さとり様やお隣の様に誰も救いだすことができないのか?
「(ミリア・・・・・・ライ・・・・・・御免、私には誰も救いだす力がないみたい・・・・・・。)」
そう思い、閉じた目から涙が溢れた。
「・・・・・・とりあえず・・・・・・その八雲という妖怪の居場所は何処かしら?」
「知らないわよ・・・・・・。」
そんなやり取りしながら依姫とリリーBは会話しつつ、お供の月兎軍団と共に移動していた。
依姫はかつて月の都に侵略しにきたスキマ妖怪、八雲(紫という名前だよね?)の所へ向かおうとしていた。
一旦、外へ出れば、蓬莱山様や殺戮機械人形・T‐Jの事が分かるかもしれない。そうカンが告げていた。
だが、勿論八雲の居場所であるマヨイガが分かるわけでもなくこうして幻想郷中をウロウロしている。
「知らないって、貴方八雲と関係があるでしょう?」
「・・・・・・それはホワイトの方で霊夢と関係がある。よく春を伝えに行っては、博麗神社の所へ引き取りに行った・・・・・・。」
「・・・・・・全く・・・・・・ん?博麗神社って何?それより霊夢って?」
「博麗霊夢。巫女なのに妖怪とかと仲良しで、いつも異変を解決しに行っている貧乏巫女。」
「巫女ね・・・・・・巫女?あのさ、その霊夢って服は脇出しているっけ?」
「脇?あぁそうね・・・・・・何か自慢げに脇出しているわよ。」
それを聞いて、依姫は確信した。間違いない。あの時、住吉三神を呼び出し、吸血鬼と共にやって来たあの巫女だ。
「その博麗神社って何処にあるの!?」
「な、何?分かったわよ・・・・・・ついて来て。」
そう言って、リリーBは飛んで行く。依姫達もついて行く。恐る恐るレイセンが尋ねる。
「あの、依姫様?大丈夫ですか?あの巫女に頼るのは少し・・・・・・。」
「仕方がないわ。この地上(幻想郷)を出るのにはあの巫女に頼まなきゃいけないし。」
「しかし・・・・・・。」
「何?」
「いえ・・・・・・もしかすると、「先輩」もいたりして、と思いまして・・・・・・。」
「っ!?・・・・・・そう・・・・・・。」
レイセンの言葉に依姫は言葉を失う。先輩と言うのはかつて地上に逃げ出した月兎、レイセン(今のうどんげ)らしい。
確かに、ここに降り立った今はそんな彼女と再会できるかもしれない。その時、彼女はどんな反応を示すだろうか?
「着いたわ、ここよ・・・・・・って誰もいないわね・・・・・・異変解決しに行ったのかしら?」
リリーBの言葉に依姫はハッと我に返った。よく見ると、神社には誰もいなかった。留守らしい。
「困ったわね・・・・・・とはいえ、仕方がない。休憩にしましょう。」
依姫の言葉に聞いて月兎達は神社でゆったりと家にいるかの様に休憩していた。完全に実戦経験不足である・・・・・・。
「全く・・・・・・あの巫女は何処へ行ったのかしら?」
「ここが修行の間・・・・・・樹木と言うより、洞窟ね・・・・・・。」
洞窟の如く大きな穴がある巨大な木を見て、霊夢は驚く。何せ、こんな巨大な木を見るのは初めてだ。
その傍らで大神・天照が頷いて言う。
『はい・・・・・・ここは清らかな巫女が修行する場・・・・・・ここへ連れて来たのは貴方で2人目・・・・・・。』
「え、2人目?最初は誰なの?」
『はい、彼女は貴方のご先祖です。』
「!?先代様もここで・・・・・・?いつ完了したの?」
『貴方のご先祖は通常なら3年で終わるのを3週間で終わらせました。』
「3・・・・・・さささ3週間もあれば十分ね・・・・・・ここで何をすればいいの?」
動揺しつつもそう尋ねる霊夢に天照は答える。
『霊夢、貴方にはある人物と戦います・・・・・・。』
「ある人物?」
『その方は貴方と関連あるものです・・・・・・その方と戦い、身も心も鍛えるのです・・・・・・。』
「・・・・・・何はともあれ、やるしかないわね・・・・・・。」
そう言って、前へ進む霊夢。そして魔理沙達にこう言った。
「霊夢・・・・・・。」
「魔理沙・・・・・・後は頼んだわよ・・・・・・。」
そう言って、修行の間へ走りだす霊夢。今、彼女の修行が始まった。それを見送る魔理沙達。
「行っちまったな・・・・・・。」
「そうね・・・・・・。」
「さて・・・・・・私達も私達なりに頑張りましょう・・・・・・。」
そう言って、紫は魔理沙達にこう言う。
「さぁ始まるザマスよ!」←紫
「行くゼガンス!」←魔理沙
「「「フンガ―!」」」←上海、蓬莱、台湾
「まともにSS進めなさいよ!」←アリス
「ちなみにアリスは?」←夢美
「邪魔なだけ。というより、苗字がマーガリンみたいだな。」←ナズーリン
「納得いかねぇ!!」「し、神綾様、落ち着いて・・・・・・。」←神綺&夢子
一方の霊夢は真っ直ぐ進んでいた。暗くて見えないが、今の彼女に恐れるものはなかった。
「(それにしても、私と関連ある者って誰かしら・・・・・・?魔理沙?それともレミリア?)」
そう考えながら、進む事約3分。その時、辺りが明るくなった。そしてある気配を発見する。
「っ!誰!?」
「・・・・・・博麗霊夢・・・・・・貴方はこの修行をやり遂げる覚悟はできているかしら?」
霊夢にそう言う声に聞き覚えがあるが、思い出せない。彼女は一体、何者なんだ?
「出てきなさい!私は皆や幻想教、外の世界の為に修行しに来た。だから、覚悟は十分できているわ!」
そう答えると、声の人物が現れた。その姿を見て、霊夢は絶句する。
「・・・・・・う、ウソでしょう・・・・・・?」
「驚いた?」
そう答えて笑う人物は・・・・・・過去の霊夢だった・・・・・・。
魔理沙がうふうふ笑いしている頃に着ていた巫女服で、脇は出していない過去の自分だ。
「何で・・・・・・?」
「これが修行の間の力よ。貴方の頭の中を見て、その中から私を生み出したのよ。」
そう言って、真顔になる過去の霊夢。
「霊夢・・・・・・貴方に足りないもの・・・・・・それは自分の心よ・・・・・・。」
「なっ・・・・・・!」
「まぁ、前置きはともかく、とりあえず弾幕して鍛えましょう。あ、名前はハクレイと言う事で♪」
そう言って、構える過去の自分・・・・・・ハクレイ。霊夢もスペルをセットする。
「(この修行・・・・・・そう簡単には行かないわね・・・・・・。)」
そう思い、霊夢はハクレイに向けて弾幕を放った・・・・・・。
お空は空間に横たわっていた。何でここにいるかは不明だが、もう起き上がれる力もない。
「(うにゅ・・・・・・無理だった・・・・・・もう誰も救い出すことができないなんてやっぱり私は馬鹿だろうな・・・・・・。)」
1年前、機械人形T‐Jの襲撃により、さとり様、お隣、そしてこいし様が殺された。
それからというもの、お空は外の世界に復讐しようと秘かに計画を立て、大特訓をし続けた。そして勇儀にも協力をお願いした。
しかし、勇儀は友である萃香を殺されてもなお、外の世界には自分達と同じ様な善い人間がいると拒否した。
当時の自分は勇儀の言葉に反感を抱いたが、今はそれが痛い程分かる。
外の世界の人間達は被害者なのだ。悪いのは恐るべき能力を持つ自分達だ。
この街が廃墟になったのもきっと自分の核の能力のせいだろう。ミリア達には申し訳ない・・・・・・。
そしてせっかく逃がした人間達を見殺しにしては本当に死んでも死にきれない。だが、今の自分には戦う力はない。
相手は自分だけじゃなく、さとり様達の能力を持っているクローン。自分だけでは勝ち目がない。
もう・・・・・・駄目なのか・・・・・・。そう思いかけた時、頭上から光が差し込んできた。
『諦めないでお空・・・・・・。』
『あんたにはまだ戦える力がある・・・・・・。』
「っ!?」
聞き覚えのある声を聞いて、お空は眼を開けた。見ると・・・・・・。
「・・・・・・さとり様!?お隣!?」
そこには死んだ筈のさとりとお隣がいた。半透明で浮いたけど。
『お空、貴方は幻想郷を救う者の1人なのです』
『あんたは1人じゃない。あたい等がついている。』
「さとり様・・・・・・お隣・・・・・・。」
2人の言葉を聞いてお空は確信した。そうだ、お2人は天の彼方から自分を見守ってくれる。自分は1人じゃないのだ。
例え、ザリクは自分や皆の能力は真似できても心まではまでは真似できてない。要は、心の強さが全てに勝るのだ。
仲間との友情や誰かを守る意思。それが自分に力を持たせてくれる・・・・・・そう思った瞬間、
ピカーッ!
「な、何!?」
突如、お空の前方に何かが光る。よく見るとスペルカードが光っていた。
「スペルカード・・・・・・だよね?」
それを取り、じーと見るお空。よくよく見ると自分や皆のとは違う雰囲気を持っている。
「これって・・・・・・?」
『これを幻想郷と外の世界の平和の為に・・・・・・。』
『お空・・・・・・皆の事頼んだよ・・・・・・。』
(さとり様!?お隣!?)
そうお空に告げて空の彼方へ消えていく2人。それを見た瞬間、お空の体に力が湧く。
「うにゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
バキィン!!
ザリクはサーガウェポンの最終段階に入っていた。未完成なので調整が難しいが、完成すれば自動調整できる仕組みだ。
逃げた奴等は動いているので誤差はあるものの、破壊力のあるこの武器にはそんな事は関係ない。
標準をセットし、後はチャージ後に発射ボタンを押せばいい、と思ったその時、大きな音が響いた。
「な、何事だ!?」
ザリクは慌ててその音の方へと向かう。ここの機械人形は全て旧式鴉に破壊されたので、後で補充が必要だ。
そして上へ上ると・・・・・・。
「っ!・・・・・・・・・ば、馬鹿な・・・・・・!?」
お空が立っていた。鎖を引きちぎり、自由の身になったお空が。
何故だ?ザリクは絶句する。あれだけ痛めつけておいたのだ。どこにそんな力が残っている?
見ると、今のお空はよろよろ立っている状態だ。無理もない。真・「地獄の人工太陽」・10連弾をくらったのだから。
「驚いたな・・・・・・まだ生きているとは・・・・・・だが、これで最後にするぞ、ウツホ!」
そう言ってあのスペルを発動するザリク。同じ威力でも今のあいつには避ける気力も残っていない。
「いくぞ必殺!真・「地獄の人工太陽」・10連弾!!!」
そう言って、スペルを発動するザリク。弾幕は一気にお空に向かっているが・・・・・・。
「・・・・・・このぉ!」
バチィ!
なんとお空は自分を吹っ飛ばした最凶のスペルを弾いたのだ!それも片手の制御棒で。
「な・・・・・・何だと・・・・・・!馬鹿な・・・・・・!」
それを見てザリクは驚かずにはいられなかった。最強のスペルを旧式の鴉如きに弾かれたのだ。
「馬鹿な・・・・・・!こんな事は信じられない!旧式如きに・・・・・・旧式如きに私の攻撃が!?」
「貴方は間違っている!!」
「何!?」
パニくるザリクを遮って言うお空の言葉に言葉を失うザリク。
「貴方は自分の力を過信すぎる!確かに、闘う時は自分の力を信じる事も大切・・・・・・けど、一番重要なのはそれを過信すぎない事!貴方は自分が最強の力を持っている事を確信し、他の人を馬鹿にしているでしょう!?それはいけないことなの!人間でも妖怪でも生きているものは・・・・・・仲間と一緒にいる事を確信する事なのよ!」
そう力説するお空の体にとてつもないオーラが漂う。そのオーラに後ずさるザリク。
「貴方だけは・・・・・・絶対に許さないっ!!」
「くっ・・・・・・い、いいだろう!貴様の実力とやらを見せてもらおうではないか!」
その言葉を聞き、特殊なスペルを取り出すお空。やはり、あれは夢ではなかった。
「スペル・・・・・・発動!」
そう言うや否や、お空の制御棒に変化が生じる。
「何!?」
その光景にザリクは驚いた。何とお空の制御棒から死体車っぽい物体・・・・・・お隣が愛用したのとそっくりなのが出て来たのだ。
制御棒を外し、それを片手で持ち上げるお空。その時、周りに何かが現れる。
「何だと・・・・・・この真っ昼間に幽霊だと!!??」
ザリクが驚くのも無理はない。お空の周りには昼間なのに幽霊が現れたのだ!それが死体車に集う。
「・・・・・・夢想・・・・・・地霊突!!!」
お空の頭の中にそういう言葉が自然に出る。幽霊が死体車にぶつかった瞬間、幽霊が弾幕となったのだ!
「くっ!」
慌ててザリクはその弾幕を必死にかわす。しかし、それが思うつぼだったのだ。
お空は死体車を構える。そして・・・・・・。
「う・にゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
全力でお空は、突撃した。弾幕をすり抜けて。
ピチュチュチューン!!その時、聞き覚えのある音が空に響いた。
「ぐはぁっ!!」
そしてザリクに激突!その一撃は計り知れない。
「何故だ・・・・・・何故、奴にそんな力が・・・・・・!」
そう言いながら吹っ飛ぶザリク。その方向には・・・・・・未完成のサーガウェポンが。
「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そういった事を叫び、ザリクはサーガウェポンへと突っ込み・・・・・・大爆発が起きた。
「うにゅ~すごい爆発だったね……。」
謎の必殺スペルを発動してザリクを吹っ飛ばしたお空はあれからどうなったのか確かめに行った。
それにしても今のスペルは何だろうか?頭の中では「夢想地霊突」と響いているが、まるで霊夢のスペルみたい。
おかげでこの支配地に建っているタワーが崩壊寸前状態だ。我ながら恐ろしい技を出したものだ……。
「お~い、ザリク~?どこなの―?」
とりあえずキリュウの居場所を教えようとザリクを探してみたが、返事がない。という事は……。
「返事がない・・・・・・ただの屍になっちゃったのか・・・・・・かなりやり過ぎたかも……。」
そう呟き、シュンと落ち込んだ、その瞬間!
「って勝手に殺すな、この旧式鴉!!」
「うにゅ!?」
後ろを振り向くと、瓦礫の中から黒こげのザリクが現れたのだ。そしてお空を憎々しげに睨む。
「ぐっ・・・・・・流石の私もここまでとなると・・・・・・!ここは少し引くべきか・・・・・・!」
「待ってよ!この弾幕バトル、私の勝ちだからキリュウの場所を教えなさいよ!」
「誰が言うか!私と貴様は敵同士だろ!?」
「勝った者は“歯医者”(?)に命令する権利を得るって。あと頭部を破壊されたら失格だって・・・・・・。」
「“敗者”だ!どこぞのモ○ルファイターみたいな事を言うな!」
いらいらしつつ言うとザリクは浮遊する。
「何処行くの!?またどこかの街を支配するの!?」
「いや、ここは基地へ帰還する。・・・・・・今日は貴様の勝ちにしてやろう・・・・・・だが、次はこうもいかんぞ、ウツホ・・・・・・!」
そう言い捨てると、何処かへと去ろうとするザリク。慌てて追うお空だが・・・・・・。
その時、ザリクがポケットから謎の物体を取り出し、その中のボタンを押すと瞬時に消えてしまった。
お空は分からないが、説明しておくとさっきの物体は瞬間移動装置で、そこから受信機がある基地へと転送するのだ。
「行っちゃった・・・・・・名前、まだカタカナなのに・・・・・・でもいいや。」
逃げられたものの、お空は満足だった。だって、ここの街はザリク達の手から救われたのだ。
「(ザリクの言う事が本当なら、他にもクローンがいるみたい・・・・・・そいつらを使えばキリュウの所へ連れてってくれるかも!)」
そう思うとグズグズしてはいられない。お空は飛び立った。勿論、外の世界は広いという事も知らずに・・・・・・。
「姉ちゃん!見てあれ!」
一方でライが指さした方向見て、ミリアは驚いた。両親を始めとする捕らわれた人々がこっちにやって来たのだ。
よく見ると、タワーが煙をあげて崩れていたのだ。それを見てミリアは確信した。
オクーだ。あの不思議な人が自分達を助けてくれたのだ。
「(オクー・・・・・・ありがとう・・・・・・。)」
そして、ミリアは弟と共に両親の元へと走り出した。
続く
次回:「お空の所からかなり離れている支配地№7に昔の仲間、小町はいた。かつて仲間を裏切った彼女に詰め寄るミスティアとオマケとしてついて来たてゐ。そんな2人を無視して進む小町に悪夢が立ちはだかる!次回、「裏切り者の名を受けて。さすらいの死神」にご期待ください!」
オリキャラ紹介
「地獄勇者:ザリク」
クローン勇者3号。キスメ、ヤマメ、パルスィ、勇儀、さとり、お隣、お空、こいしの能力を持ち、プロポーションの大半はお空。
他人を見下し、幻想郷を旧式扱いしているが自分の穢れし血を呪っている。パルスィの嫉妬の影響か負けず嫌いでもある。
主にパワータイプで動きは遅いが、こいしの無意識の能力を使って、相手の背後から攻撃する事もできるがさとりの能力と拒絶反応を起こし、お互いに半減されているのでさとりの能力で相手の心を読む事は難しい。チルノを仲間に入れる事に反感を抱いている。
設定が難解過ぎて話についていけないと言う感じです。
タイトルの印象と機械人形という言葉から、ロックマンX風の東方を作りたかったそんな意識は感じ取れました。
まず、話を行き当たりばったりに作るのではなく。
設定を整理して、主要登場人物の作品内での立ち位置をしっかりとメモなどにまとめ。
舞台背景をイメージしやすくする事で、大分書きやすく読みやすく仕上げられるのではないでしょうか。
また、東方キャラがオリキャラなどに殺されてしまう描写も避けた方がよいですね。
一話内での区切りとしては例として導入、道中、ボス戦毎に分けるとパターンが掴みやすく、読み手も安心して読めるのではないでしょうか。
まず、読み手の立場に立って考えることを念頭に置いて書くことを意識してくださいね。
点数はこれから改善、努力をすることを期待して30入れておきます。
独り善がりにならないように。それが今、あなたにできる善行です。
精進してください。
正直さっさと止めて欲しいです。