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どん、どんと、錫杖を地に打ち付ける。
しゃらり、しゃらりと、連なる輪が音を立てる。
空には月が、母親の笑みを浮かべながら、ぷかぷかと浮いている。
私が月の子の役目を果たしているから、月は今日も何事もなく浮き沈みをする。
月が沈むのと時を同じくして、私には眠りが訪れる。月が昇るのと時を同じくして、私には目覚めが訪れる。
ずっとずっと、その繰り返し。どうやっても、この繰り返しから抜け出す事は出来ない。
私は今日も月の為に舞いながら、近頃見る夢を思い出す。
夢の中の私は、日の光の下で、太陽のような子と、星のような子と、三人一緒に遊んでいる。
私は一度も太陽を見た事がないから、そんな事はありえないのだけれど。
私は月の子。だから一人で、永遠に月の為に舞い続ける。
きっと永遠に、この優しい幻想を思い返しながら。
******
「ねー起きなさいよルナ」
そして私は目を覚ます。
「…どうしたの?なんで泣いてるの?」
不思議な夢を見ていた。私が独りで、永遠に月の為に舞い続ける夢を。
その世界にはサニーもスターも、他の誰も居ない。
とても、とても哀しい夢。だから私は、涙を流していたんだろう。
「夢なんてどうでもいいじゃない。さあ、今日も悪戯にいきましょう」
夢の中の私が待ち続けた、太陽のような笑みで、サニーはそう言った。
******
どん、どん。
しゃらり、しゃらり。
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どん、どんと、錫杖を地に打ち付ける。
しゃらり、しゃらりと、連なる輪が音を立てる。
空には月が、母親の笑みを浮かべながら、ぷかぷかと浮いている。
私が月の子の役目を果たしているから、月は今日も何事もなく浮き沈みをする。
月が沈むのと時を同じくして、私には眠りが訪れる。月が昇るのと時を同じくして、私には目覚めが訪れる。
ずっとずっと、その繰り返し。どうやっても、この繰り返しから抜け出す事は出来ない。
私は今日も月の為に舞いながら、近頃見る夢を思い出す。
夢の中の私は、日の光の下で、太陽のような子と、星のような子と、三人一緒に遊んでいる。
私は一度も太陽を見た事がないから、そんな事はありえないのだけれど。
私は月の子。だから一人で、永遠に月の為に舞い続ける。
きっと永遠に、この優しい幻想を思い返しながら。
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「ねー起きなさいよルナ」
そして私は目を覚ます。
「…どうしたの?なんで泣いてるの?」
不思議な夢を見ていた。私が独りで、永遠に月の為に舞い続ける夢を。
その世界にはサニーもスターも、他の誰も居ない。
とても、とても哀しい夢。だから私は、涙を流していたんだろう。
「夢なんてどうでもいいじゃない。さあ、今日も悪戯にいきましょう」
夢の中の私が待ち続けた、太陽のような笑みで、サニーはそう言った。
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どん、どん。
しゃらり、しゃらり。
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