Coolier - 新生・東方創想話

弾幕倫理委員会

2009/06/17 00:21:23
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【陰陽玉の主張】



 皆様こんばんわ、始めまして陰陽玉です。このようなかたちで皆様の前でお話するのを御許しください。それと八雲紫さまにはご助力感謝いたします。
 もちろん、すでにご存知かと思いますが、私は皆様がたに比べればただの脆弱なる人間の一員に過ぎないわけです。
 しかし、人間であるよりかはこのような陰陽玉のかたちをしていたほうが正確に意思と意図と思想を伝達しうるでしょう。私が仮託しているのは『人間』全体の意思であり、私はこの場においてその意思を何もゆがめないことを誓います。もちろん私は私の意志や意図や思想があるわけですが、この場においては出来る限り私心を廃して事に望みたいと思います。
 さて、わたくし陰陽玉が所属している弾幕倫理委員会の主張をいまから述べたいと思います。
 わたしたちの主張は単純です。
 弾幕はやめたほうがいいということです。単純でしょう?
 なぜなら弾幕は暴力を仮象しているからです。これは論を待たないところでしょう。弾幕ははっきり言えば弾丸や光弾、あるいは光線等の暴力の塊を飛ばすわけです。これによって相手に痛打を与え、服を切り裂き、肌を焼き、苦しめるわけです。これらのことから考えて、いや考えるまでもなく弾幕は暴力だといえるでしょう。
 くわえて、あるいは性的なセクシャルなふしだらな行為であるともいえます。
 ――暴力はある意味では性的な不満を解消する行為なわけです。べつにサディスティックな趣味を持つ方に限りません。キスをし、相手の肩を抱き寄せ、あるいはセックスをしてしまうというのも、ある意味では暴力であるといえるでしょう。この点については後に詳細に語りたいと思いますので、皆様の反論を聞いたあとで再反論という形で主張したいと思います。
 ともかく、弾幕は暴力であり性的な衝動を解消する手段でありますから、わたくしどもの考えとしましては、人妖ともども自重していただきたいと思う次第であります。



【河城にとりの主張】



 いやー、陰陽玉さんの意見を聞いたんだけど、さすがに人間とは盟友だけど憤りに似た思いを感じたね。もちろん言ってることは理解できるし、ある程度は了解できるんだけども、絶対におかしいという点も多々あるように思います。それはなにかというと、まず弾幕は暴力ではないということですね。
 その前に、そもそも論として暴力とは何かということを語らなければならないと思うんだけど、弾幕は確かに服を切り裂いたり、時には肌を焼いたり、もっと言えばピチューンというように残機を減らすこともあるわけですよね。慙愧に耐えません。へへ……。
 まあ、そういう有形力というか相手への影響力があることは反論しようにも反論できないわけですけどね、だいたいにして弾幕ごっこにおいては両者の意思が合致して始めて行われるわけですよ。意思。つまるところ大事なのは意思なのです。例えば殴られ屋という商売がありますが――ええ、殴られてお金をもらう商売らしいですね――その殴られ屋さんは暴力を受けているのかといわれると私は微妙なところだと思います。暴力とは、相手の意思を省みずに痛撃を加えること、そういったことを指すのではないでしょうか。素朴な素人的な感情論としては、暴力は一方的に人権を踏みにじり、意思を覆滅することです。そういった素人的な感情に依拠しますと、弾幕は意思の合致がありますから、明らかに暴力ではありません。以上のような理由で、陰陽玉さんの弾幕否定の第一の理由については反論ができます。
 次に弾幕がふしだらであるという理由については、あきらかに牽強付会ではないでしょうか。弾幕のどこにエロティックな妄想を抱いている人がいるでしょう。そういった妄想を抱くことこそがふしだらであり、言ってみれば、新体操の服を見てエロティックな妄想を抱く親父の思想と変わりません。
 弾幕否定は理由がなく、妥当ではないと考えます。



【上白沢慧音の主張】



 私は人里の守護を預かっている者だ。だから、最初に言っておくが、人間寄りな主張になることを許して欲しい。
 陰陽玉さんの意見はもっともだと思われるところもある。弾幕は弾幕を行使し得ない者に対しても一定の影響力があるということを見逃してほしくない。例えば、私の教え子は霊夢やその他の妖怪たちが弾幕ごっこに興じている様を見て、僕も私もやってみたいと言ってくることがある。弾幕は明らかに内的な問題ではない。
 その遊惰な遊びは人間を、特に精神的に未発達な子どもを惹きつけてやまない。子ども達が弾幕ごっこと称して、擬似的な遊びに興じていたときにはぞっとした。具体的には石つぶてを投げて遊ぶというものだ。本来的に身体が丈夫な妖怪の皆さんには理解がしにくいかもしれないが、人間の子どもの頭はつきたてのお餅のように柔らかい。直径が10センチ程度の石でも当たりどころが悪ければ死にいたることもありえる。
 そういった外部的な影響力という意味での危険性を加味して考えると、弾幕ごっこをやめたほうがいいという主張には一理があるところだと思う。



【レミリア・スカーレットはかく語りき(本人の強い要望により、特殊な表現になりました)】



 ふざけんな。そもそも弾幕も出せない人間どもの意見をどうして聞かなくてはならない。弾幕に興じることができる。弾幕を遊べる。弾幕を理解できるのは弾幕を楽しめるものだけだ。弾幕を最初から否定して最初から排斥しようとしている者達に何がわかる。慧音は人間にも影響がでるから人間の問題であるかのように語っているが、はっきり言うが、そんなのは詭弁だ。近くにいる人間が悪い。ともかく絶対反対!



【十六夜咲夜の補足意見】



 もちろんお嬢様の意見に同調します。くわえて、私は人間の危険というものはある程度除去することができるという点を上げたいと思います。人間の子どもが弾幕を見て悪影響を受ける。そのこと自体、そもそも疑わしいのですが、仮にそうであるとしても弾幕を見なければ影響を受けることはないわけです。そういった危険は親御さんがしかるべき教育を子どもに施すことによって十分に除去可能なのではないでしょうか。極端な話、弾幕が行われるのは夜が多いので、夜は家の外に出さなければいいわけです。



【霧雨魔理沙の主張】



 ふざけんなと言ってみるテスト。いや笑い話じゃないぜ。私としてはさっきレミリアや咲夜がとりこぼした議論に着目したいと思うぜ。ぜ。ぜ。んー。そうだな、あれだ。人間の子どもとかに悪影響があるってやつな。だいたいどうなんだろうな。仮に弾幕が暴力だとしてだ。わかりやすく考えるために誰もが暴力だと思える、グーで意味もなく承諾もなく殴る行為をあげるぜ――そういった行為をしているやつを見てだ、僕も私もって殴りたくなるものなのか。私はそうは思わない。弾幕が子どもたちを魅了するのは弾幕が綺麗だからだ。暴力的だからじゃない。



【稗田阿求の主張】



 人間だからという理由で人間側に立つというのもどうかと思うので、一人の私人として意見を少々。まず陰陽玉さまの議論の前提として、我々は人間全体の意見を仮託しているといった主張の仕方は少々大仰に過ぎ、嘘になる危険があると思います。あくまで弾幕倫理委員会は人間の多数派にすぎないわけで、その数も流動的です。ですから、あくまで人間の多くはこう考えているといった主張に切り替えたほうが無難なのではないかと思います。
 次に具体論について述べます。
 第一に弾幕は暴力であるかといった点については、確かにそうである面もあるかもしれません。暴力か否かを意思の合致で見分けるというにとりさまの意見も卓越した見識であるとは思いますが、実際のところ、例えば自殺しようとしている者の足を引っ張ったりしたら、やっぱり黒であると四季映姫さまはおっしゃると思います。本人が良いと思っているから良いというわけではないのです。行為の客観的な他害性の程度を考慮しなければなりません。
 本件についてみてみると、弾幕は――どうなんでしょうね。具体的に弾幕にたずさわっていないのでわかりませんが、場合によっては程度の問題として、――例えばルナティックなものは排斥されるべきという結論もありだと思うのですよ。
 もちろんその場合、どこで線引きするかというのが重要な問題になるのですが、こういった会合を開くことで皆様の総意によって決めていくしかないのではないでしょうかね。
 第二の点、弾幕は性的な行為であるから規制されるべきという論理については、まぁ、あるかもしれないなと個人的には思いました。弾幕というのは言わば、自分の切り身を弾丸として撃ち出す行為なわけでして、言ってみれば、巨大な射精をおこなっているようなものなのではないかと思います。いえ、まぁ明らかに下品であり冗談であると思われてしまったかもしれませんが、私が言っているのは心理学的な意味でです。私は弾幕を出している少女達の姿を見て、はからずもエロティシズムを感じてしまったのです。この点については、新体操の服に萌える親父と私は大差ないわけですが、どうなんでしょうね、そう感じる人が多いのか少ないのか。多寡の問題で処理していいのか。いろいろな問題はあるところなのですが、私という個人が少なくとも弾幕を見るとき、その弾幕に少女たちの恍惚とした表情が透けて見えるということを記しておきたいと思います。そしてできることなら私も弾幕を放ちたいと。



【蓬莱山輝夜の主張】



 正直、えーりんが来ると話がややこしくなるから留守を頼んだ。弾幕が性的な意味合いを持つというのは、そうねぇ……確かに弾幕を放つ瞬間にエクスタシーに似た感覚があることを否定できないと思う。だいたいみんなわりと感じているんじゃないかな。でも、それはスポーツ感覚的な意味合いが強いのではないかしら。ここまで誰も言ってこないのが不思議なくらいだけど、弾幕は芸術であり、スポーツのようなすがすがしさがあるのよ。だから弾幕がだせるものは弾幕ごっこをわりと楽しんでいるわけでしょう。
 カラフルで綺麗で、おはじきをはじいて遊ぶ女児とかわらない優雅なお遊戯なのよ。だから、そんなものが暴力とか性と関わりあいがあるというのは明らかに因果をねじまげている表現だといえるわ。



【東風谷早苗の主張】



 信仰と絡む微妙な問題ですから、我が家の二柱は欠席させていただくことになりました。ご容赦ください。
 さて、私は幻想郷に入ってまだ日が浅いですが、それでもいくつか知ったことがあります。弾幕はですね――楽しいんですよ。単純に楽しいのです。それはなぜかというと弾幕はゲームだからなのではないでしょうか。こういう言い方をすると主観的な問題をただまくしたてているだけだと思われるかもしれませんけど、もともと弾幕とはそういう幻想で成り立っているものなのです。皆さんと異なり幻想ではない場所から来た私にはよく理解できます。弾幕とはそれそのものが虚構なのですよ。無いものを在るといって、虚偽を精神の作用でもって真実となす。それが弾幕ごっこの核心なのです。ですから――虚構で傷つくものは誰もいない以上、やはり暴力もなければ、破壊される善良な風俗なるものも無いのではないかと思います。



【稗田阿求の主張 二回目】



 早苗さまの意見は確かにそのとおりで、弾幕が虚構に過ぎないから誰も傷つくものはいないじゃないかという意見は確かにわかるところなのですけれども、暴力も性もそれを見る者にはやはり影響力があるのでは?
 ぶっちゃけた言い方をしますけど、例えばですね――すごろくをやっていて、自分のプレイヤーが破産すると悲しい気分になったりするじゃないですか。それは虚構だけれども傷ついている。真実傷つくということはありえるのではないですか。要は、そういった暴力的な行為を成しとげる意思があるということが明らかになることが問題なのです。弾幕で気持ちよくなってハイになり絶頂に達する人間がいる、そういう思考が存在することが不快だ――と思う人がいるのが現実であり、それが今回の陰陽玉さまの意見という形で結実したのではないかと思われます。



【東風谷早苗の主張 二回目】



 それはどんな物事にもいえることだと思います。弾幕でなくても、例えば、とある少女がドイツ産の大きなウィンナーをくわえているという場面があるとします。その場合、その様子をなんといったらいいか――あ、あのふ、ふしだらな行為に及んでいると考えることもできるわけでして、その……あわわ、何言ってるんだろう私……。えっと、そういうわけで、受け手がどう捉えるかの問題に過ぎないのでしたら、何をやってもそう捉えられる可能性があるのですから、弾幕だけが悪ではありません。すべての行動は平等に悪ですから、すべての行動は平等に罰するべきではありません。だいたい陰陽玉さんの意見にも同じことが言えるじゃないですか。陰陽玉さんの意見は私たちの弾幕ごっこをする権利を奪っているわけです。それはもう一種の暴力だといえるのではないでしょうか。そんな道理の通らないことばかり言っていると、奇跡の力で(不適切な表現がありましたので削除しました)。



【上白沢慧音の主張 二回目】



 しかし――、類型的に見て扇情的であると捉えられる行為、暴力的だと捉えられる行為はやはり存在するように思うが。弾幕は確かに虚構に過ぎないが、暴力的に見える可能性は否めない。であれば、その影響力は他の行為よりはより具体性をもって考量しなければならないのではないか。



【陰陽玉の主張 二回目】



 皆様のご意見ありがたく頂戴いたしました。
 大別すれば、まず弾幕は暴力ではないし性的な意味を持たないという反論、弾幕が暴力であることは仮に認めるとしても他の価値があるから肯定すべきという反論、そもそもどんな行為も暴力である可能性はあるから他者の権利を排斥すべきではないという反論があるように思いました。
 以下分けて論じたいと思います。
 まず前提として、稗田阿求さまがおっしゃられたとおり、我々、弾幕倫理委員会が人間全体の意思を仮託しているという表現は明らかな誤解を招くものでした。謹んで訂正させていただきます。しかしながら、我々の構成員の数はすでに人里の過半数を超えております。ですから、多数派という意味では決して嘘偽りないことはお忘れなきようご容赦賜りたく存じます。
 さて第一の、弾幕は暴力ではなく性的な意味もないという意見に対しては、外形的な判断によるしかないのではないかと考えます。あらゆる行為は主観的な受容としては多種多様な受け取られ方をする恐れがあり可能性があるわけですが、だからといって殺人はやはり殺人としか評価されないわけですし、評価にも一定の枠組はあるわけです。この枠組は例えば人間の社会では人間の総意によって構築されるのは当然の理でありますから、人妖一体のこの議場においては人妖の総意によって構築されるべきなのは明らかです。
 では、そういう人妖の構成比を見てみますと、あきらかに人間のほうが数が多く、その多くが弾幕は暴力であり性的であると論じているわけです。ですから、枠組として捉えるときに弾幕はやはり暴力であり性的な遊戯であると捉えるのが妥当であると考えます。
 そもそも弾幕が虚構であるとしても、伝達を得ることによってその弾幕は視覚的、聴覚的に他人に影響を与えるのですから、それはもう具象化された力として捉えるべきです。
 第二の点につきましては、暴力以外の価値があるというのは確かに首肯しうるところではあります。しかし影響度を考えたときにまず考えるべきは他人への侵害の程度であります。仮にそれが芸術的であろうとも、誰か一人でも傷つけるのならば、衆目に晒すべきではないと考えるのが妥当ではないでしょうか。
 第三の点につきましては否定します。弾幕の他害性はすでに具体性を持っています。それは第一の点で述べましたとおり、すでに大多数の人間が不快に思っていることから当然に導かれます。そして例えば早苗さまがおっしゃられたように我々の主張が弾幕ごっこをおこなう者たちの権利を侵害していることは否めませんが、大多数の人間の権利のほうがより保護の重要性が強く、後者の権利は劣後するべきであるといえるでしょう。



【西行寺幽々子の主張?】



 どうでもいいけど、お茶とか食べ物ないのかしら。紫、なにか無いの?



【八雲紫の主張?】



 あなた何のために来たのよ。なにか意見をだしてちょうだい。



【西行寺幽々子の主張?】



 こんな茶番に付き合う必要なんてないんじゃないの。ぶっちゃけ人間が何を言おうと、弾幕したいやつはするし、私はおなかがすいたのよ。バキューム。



【ミスティア・ローレライの断末魔】



(本件と関係がないので削除)



【射命丸文の主張】



 山の妖怪たちの主張はだいたい統一化されてますねー。あやー、私は基本的に中立の立場で話します。もともとジャーナリストが何かを主張してはいけないのですよ。それが観察するものの勤めであり責務だと考えます。それで、山の妖怪たちの主張を代行して主張しますけどねぇ。
 端的にいえば、領域を犯さなければある程度の自粛は可能というような感じです。どういうことかと申しますと、山での限定的な弾幕ごっこを許してもらえれば、それ以外の場所での弾幕を自粛することは可能という感じです。咲夜さんがおっしゃったことの裏側みたいな主張ですね。人間は人間側で見ないように努力すればいいし、山側は山でだけやればいいという主張ですか。妥協とか馴れ合いとかはいままでさんざんやりあってきた山の妖怪ならではの見解だと思いますよ。
 まー、人間と妖怪は基本的には相容れませんしね、おたがい内政干渉にならないように気をつけるというのは当然かもしれませんねぇ。
 ついでに言えば、弾幕を完全に禁止するというのは現実的ではないのかもしれません。これは私見ですけどね。もともと弾幕ごっこはガス抜きみたいな役割があったわけで――その意味では性的な意味での性欲解消というような意味合いもあったのかもしれません。そうするとですね、性欲っていうのはもうどうしようもなく湧き出るものなので、これを無理に押さえつけるほうが危険ですよ。だって、ヤりたくてたまらなくなったら、弾幕なんて悠長なことをしないで人里を襲うかもしれませんからねぇ。そのリスクを看過すべきではないと思うのですけど。



【レミリア・スカーレット曰く】



 文がいうとおりよ。人間は妖怪たちを舐めすぎている。温情で弾幕ごっこで許してやってるんだ。それをぬけぬけと対等の立場のように語って我々をどうこうしようというのがおこがましい。



【上白沢慧音の主張 三回目】



 そういうふうに人間を蔑視している考え方はおかしいだろう。弾幕ごっこができる者は単純な意思の頭数としては少ないほうなんだ。マイノリティなんだよ。意見として弱いのはマイノリティ側であって、温情をかけているのはこういう議場を設けた人間の側なのではないか。



【レミリア曰く】



 弾幕は趣味なんだよ。趣味に貴賎はないだろう。それを単に数が多いという理由で規制するな。我々がマイノリティだというのならマイノリティをより強く保護しろ。



【陰陽玉の主張 三回目】



 まあ落ちついてください。確かに我々は妖怪の皆様に比べれば実力的には弱いことを理解しています。ですが、だからといって我々の存在も妖怪の方たちにとっては必要でしょう。そこは互助の精神が求められるのではないですか。レミリア様におかれましては人間の血液が必要なわけですし、それは我々が供給しているわけです。それを恩に着せようというのではありません。ただ我々は搾取されるだけの立場ではないということも知っていただきたいのです。



【レミリア・スカーレット様はかくおっしゃられました】



 うー。



【十六夜咲夜のフォロー】



 あとでブラッドケーキを作りますので、どうかこの場はお収めください。お嬢様の深遠な思想は凡愚な人間どもには理解が及ばないのです。



【八雲紫の振り】



 霊夢。あなたさっきからずっと黙っているけど、何か意見はないの?



【博麗霊夢の意見】



 無いわよ。もともと私はどのような結論に至ろうともその結論を甘んじて受け入れるつもり。皆が総意で弾幕ごっこはしないというのなら弾幕ごっこの提案者としては受け入れるしかないじゃない。それに私が意見をいって、無理やり結論を決めてしまうのも何か違うような気がするわ。



【八雲紫の主張】



 どこまでも宙に浮いたような意見ね。霊夢らしいわ。
 さて皆様、意見も出尽くしたところですし、議論はひとまず終了しましょう。幸い我々には時間がたっぷりと残されています。凄惨を極めつくした殺し合いの歴史はすでに過去のものになり、おたがいに歩み寄ろうとする時代です。ですから、私としてはともかく結論を急がず話しつくした上でどのようにするかを決定していただきたいと思いますわ。
 宴席をご用意いたしましたので、今日はごゆるりとお楽しみください。


まるきゅーにはこの系統を緻密に書く能力がない。
ないけど形ぐらいは示せると思ったので書いてみた。厳しいかなぁ……。
次は蓬莱人形がはぁどぼいるどするシリーズ書いてます。その次は橙の話になる予定。前後する可能性も。
超空気作家まるきゅー
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コメント



0.670簡易評価
5.50名前が無い程度の能力削除
なんか前にも氏の作品で似たような話を見たような。
6.無評価名前が無い程度の能力削除
とりあえず、弾幕勝負の強さを盾に押し込み強盗を繰り返している犯罪者がいるんだが。
9.90名前が無い程度の能力削除
みすちぃぃ!
11.70名前が無い程度の能力削除
一見、リアルに考えればありそうな論議ですわな、というか明らかに現代風刺なんでしょうけど。

だが幻想郷という舞台で語るなら場所の成り立ちの意義からしても、実際の比率からしても、そもそも人間こそがマイノリティ
大多数の意見だの何だのと主張する事がズレている訳でして、紅魔勢の意見は間違ってない、妖怪の山の意見なんてとんでもない譲歩
幽々様の『茶番』という台詞を見るに作者も解って書いているのだろうか…うん、これはたしかに面白いというか笑い所が解らない。

あ、もしかして
『幻想郷に来てまでこんな話題か、と切れる早苗さんカワイイよ早苗さん』 
これが書きたかったのk
12.10名前が無い程度の能力削除
あなたは思想に走ると本当につまらない。
14.無評価名前が無い程度の能力削除
そこにシューターがいるからさ
20.100名前が無い程度の能力削除
コメント消されてたんですけど……パスなしがまずったか。工作ならしたやつ××す。

長いですが、理不尽な批判を浴びて埋もれる作品は見たくないので少し表現換えてまた書きます……


上手いと思いました。執筆に時間がかかったのではないでしょうか。

これは各人のやりとりが面白いと思います。

お嬢様のうーとか幽々子様とゆかりんとか『明らかに』笑い所がありました。なぜ早苗さんをイジメただけと(ry

ディベートの楽しみは『異なった立場や解釈の交流』、『話し手』の思想にばかり注目するものじゃないと思います(私のポリシーの話ですよ決して他米で(ry

幽々子様大好きなのに扱い酷くて泣けますが、普通に楽しく読めました。
作者頑張れ。
21.70名前が無い程度の能力削除
「饗宴」みたいで好きでした。
議論なんだから仕方ないんでしょうが、オチは落としきった方がいいかなとだけ思いました。
22.70名前が無い程度の能力削除
結構面白かったです。
各々ちゃんとキャラが立っていて
話が進むテンポも気持ちのいいものでした。
24.無評価まるきゅー@書いた人削除
感想ありがとうございます。
これ、一応、陵辱ゲーの自主規制の話を戯画化してみたんですけど、なんか伝わりにくくなったみたいで自身の力量の無さを痛感しております。もう少し具体的な答えが自分の中にあれば、『オチ』のようなものもつけれるとは思うのですが、どうもそうならないのは、上記の問題に対する自身の答えがまだ無いせいなのかも。
個人的にはレミリア様の意見に同調したいところではあるのですが……。
25.80名前が無い程度の能力削除
各キャラの思考が面白いですね。
1、2ボスの考えも読んでみたかったかもです。
26.100名前が無い程度の能力削除
ポストモダンの文学批評家(笑)たちの議論の風刺のようで楽しく読ませていただきました。
現実に規則を制定してなにかを規制しようとする際の討論は、これより酷い物もあるわけで。
こういうブラックユーモアのある作品はもっと増えて欲しい。
色んな立場に立った思考が出来る、まるきゅー氏はすごいと思いますよ。