東方の金曜日
第7話「⑨のパーフェクトソード伝説・侵入編(前編)」
チルノは怒っていた。理由は一つ。
リグルがT‐Jに殺されたからだ。
いつもルーミアやミスティアと一緒にいた蛍。男の子みたいな容姿で、いつもチルノに振り回されていた彼女。
そんなリグルが死んだ・・・。
チルノはショックだった。リグルもルーミア同様に死んだことを。
そして許せなかった。ルーミアやリグルを殺したT‐Jを。
そりゃ、正体は不明だが、絶対に奴を許せなかった。2人の仇だから。
だからチルノは進んでいく。奴に勝てる方法を思いついたから。これなら仇がとれると確信したから。
「チ、チルノちゃん?どこへ行くの?」
「あの方角だと、ホテルに戻るわよ?」
自分に同行した大妖精とレティが尋ねる。勿論、チルノも単独行動するほど馬鹿ではない。
自分の姉的存在である大妖精と、冬にはいつも一緒のレティがいれば心強い。
だから、チルノはこう言う。
「ええそう。ホテルに戻るよ。」
「「え?」」
チルノの言葉に2人は驚く。ホテルに戻る?
「じゃ、じゃあ、もう諦めたの?」
「違うわ・・・まぁ、後で話すから待ちなさい。」
レティの質問に答えながら、チルノはバッグから望遠鏡を取り出し、覗き込む。
ホテルはまだ向こうだった。チルノの計算では、あと2キロメートルか。
「チルノちゃん、逆だよ。」
あり?いけない。望遠鏡を逆に見てしまった。やはり、大妖精を連れてきて正解だ。性格を除けば。
再度覗き込むと、ホテルはもう少しだ。
すると、チルノの腹の虫がなった。もうご飯の時間だ。
とりあえず、休憩にしよう。2人に告げて、チルノはどこかの木の下で休んだ。
「・・・チルノ。貴方何か企んでいない?」
ふと、ご飯を食べながら、レティが不審そうに尋ねる。
最初から、レティはチルノの行動を怪しんでいた。
いつものチルノなら、ルーミア、リグルの仇であるT‐Jを探し回る筈だ。これはこれで危険すぎる。
だが、そんな彼女がそんなことをせずにホテルに戻る等、いつものチルノのやることではない。
いたずら好きで、蛙を凍らせては大蛙に喰われる。そう、何も考えずに行動するのがチルノの特徴だ。
それを聞いたチルノは、ふっふっふ・・・と不敵な笑いをあげつつ言う。
「流石はレティね・・・。実は、あたいは今、とっておきの作戦を考えたの。」
「「作戦??」」
作戦、と聞いて2人はだんだんヤバいと思った。チルノが考えた作戦はいつも危なっかしい。
そんな2人を無視して、チルノは続ける。
「あたいは思った。このままでは、あいつに勝てない。理由は簡単、弾幕じゃ効きそうにないからよ。いくらあたいが最強でも、あいつの耐久力は人間離れしているの・・・。」
そこで、とチルノはとんでもない事を言う。
「Zの所へ行って、リーチが長くて強力な武器を手に入れようと思う!!」
「「えええぇっ!?」」
2人はビックリする。つまり、Zのホテルへ侵入して、なにかを奪うつもりらしい。
なんて危なっかしい子だ・・・。いくらZが謎の男でも、彼の物を盗むのはあまりに失礼だ。
「チ、チルノちゃん!やめなよ!」
「なーにっ大丈夫よ!」
「大丈夫じゃないって!・・・あのね、私達じゃ、あのT‐Jには勝てないの・・・。諦めたほうが・・・。」
「じゃ、何なの?あたい達はどっかに隠れてろってわけ?」
大妖精の言葉にチルノはムカッとした。
「あのね・・・ルーミアも死んだんだよ・・・リグルも死んだんだよ・・・それで諦めろって?ふざけないでよ!友達が死んで黙ってろっていうの!?大ちゃんにはそれができるの!?あたいはあいつを絶対に許せないのよ!!」
チルノの突然の剣幕に大妖精は言葉を失う。レティも驚く。
「(この子、本当にチルノなの?)」
チルノの突然の変貌は普通ではない。かつての⑨の面影は少し消えている。
今の彼女は馬鹿な氷の妖精じゃない。
友の仇打ちに燃える小さな復讐鬼だ。
すると突然、3人の左腕の腕時計から電子音が鳴った。3人は絶句する。
まただ・・・また誰かが死んだんだ・・・。
大妖精は震えて見てない。レティも同様に見る気にならない。
1人、チルノは腕時計のボタンを押し、確認する。
「・・・・・っ!」
それを見るや否や、チルノは表情を変える。怒りの形相に見えた。
「あいつ・・・!すぐに出発!Zのホテルはもうすぐよ!」
今の彼女を止める術は2人にはなかった・・・。
Zのホテル。豪華な飾りが付いており、看板には、「クリスタルレイクキャンプ」と書かれている。
その門の前には銃を持った者たちが見張りをしている。
「うむむ・・・これじゃあ、簡単には入れないな・・・。」
「チルノちゃんやっぱり・・・難しいよ・・・。」
諦めよう、と言ったら怒鳴られそうなので、大妖精は別の言い方をした。
「まぁ、待ってよ、大ちゃん。あたいは何も、あの白黒みたいに堂々と門から入るとは言ってないわよ。」
「じゃあ、見張りに気づかず入るのね?どこから入る?」
「・・・わかんない。」
「駄目じゃないの・・・。」
「けど、あたいは諦めない・・・。何が何でも入ってやる・・・!」
歯ぎしりしてホテルを凝視するチルノ。そんな彼女を見て、レティは少しだけ彼女に同情したくなった。
レティは目の前のホテルを見てみる。門からはともかく、どこか入れそうな場所がないかと探す。
チルノと大妖精から離れ、見張りに気付かず、ホテルの周りを見てみる。
「(・・・!あれは・・・。)」
すると、ホテルの裏側に小さな穴が開いてある。小さいといっても太めのレティでも入れるサイズだ。
慌てて、チルノ達の所に戻り、小声で話しかける。
「(チルノ。裏側に穴があるわ。多分、内部に通じると思う。)」
「(さすがレティね!んじゃ、そこへいくわよ。)」
そうして3人は裏側へ回り、その穴へ入る。
Zはとある部屋で優雅に椅子に座っていた。
部屋は暗く、至る所にテレビ画面が敷き詰めてある
Zはそのテレビ画面を見ていた。何を見ているかは不明だが。
その時、ポケットの携帯が鳴る。Zはそれを取り出し、話す。
「何か?」
話し相手はZの部下だった。
『ご主人様、侵入者でございます。』
「どうなさいました?彼なら、未だ森の中ですよ。」
『いえ、ご主人様が呼んだ方々がホテルの内部に入ろうとしています。監視カメラの映像を送ります。』
そして、テレビ画面の一部から、映像が送られる。
それは、穴に入ろうとするチルノ、大妖精、レティだった。
Zはニヤリと笑い、この光景を見ている。
「あの穴は・・・。武器貯蔵庫へ通じる穴を見つけたのですね。全く見事です。」
『見つけ次第、捕獲しましょうか?』
「いえ、放っておきなさい。」
それよりも・・・、とZは付け加える。
「彼女達をA実験室へ行かせるように仕向けなさい。」
『ですが・・・あそこはご主人様が長年かけて作り上げた最強の武器が・・・。』
「構いません。チルノ様はルーミア様が亡くなられて以来、ずっと彼を殺してやると言っていました。そんな彼女のことです。大方、支給されたサブウェポンが気に入らなかったのでしょう・・・。あれを見つけたら、きっと満足して彼の退治に向かうでしょう。」
『わかりました・・・。すぐに開始します。』
そうして電話を切り、Zは笑った。
「いいでしょうチルノ様・・・。復讐心に燃える貴方の為に最高の贈り物をお届けします・・・。」
邪魔な金網を蹴破り、チルノ達は何とか内部に入ることに成功した。
「ふえ~。何だか、違う所へ出たみたい・・・。」
チルノは周りを見て驚く。
中には今までのホテルで見た部屋とは違って、殺風景だった。飾りもなく、青色の廊下が長く伸びていた。
これから、どうする?と3人が相談しようとすると・・・。
「(誰かが近付いて来るわ!)」
レティの言う通り、足音が聞こえる。しかも、前も後ろも足音が・・・。
絶体絶命だった。このままでは見つけられるのも時間の問題だろう。
「(あ、あっちのドアが開いているから、あっち行こ!)」
とりあえず3人はチルノが指さした部屋の中に入り、様子を伺う。
「・・・お、こっちはどうだ?」
「異常はないぜ。」
「A実験室は・・・何だ?扉が開いているだけじゃないか。」
見張りと同じ装備をした男がチルノ達がいる部屋のドアに向かう。
見つかったか!?チルノ達がそう思ったその時、
男の一人は中を見ようとせずに扉を閉めただけだった。
「これでよし・・・と。」
「そんなのでいいのか?あそこは凄い武器が入っているんだぜ。」
「ああ。何でも、究極の力を持つ剣とそれを制御するアーマーだろ?大丈夫だろ。俺達が見張っているしさ。」
「(究極の力を持つ剣!?)」
それを聞いて、チルノは興奮していた。
究極の力!あたいが最も欲している最強の証!Zは何でくれないのだろう?
男達が立ち去る音を聞くや否や、チルノは明かりをつけ、探す。見ると、銀色の箱が。
「チ、チルノちゃんこれって・・・。」
「この中に究極の力を持つ剣と・・・鎧?これさえあれば、あいつを倒せるし、あたいは超最強ね!!」
「CAUTION」という箱を開けようとチルノは必死だった。明らかに興奮している。
それをオロオロと心配そうに見ている大妖精と見張りが戻ってこないかとドアの向こうで待機しているレティ。
そんな2人を無視して、チルノは何とかして箱を開けようと頑張っていた。
「(ルーミア、リグル、それに皆、待っててね!あたいは今、超最強の力を手に入れるからね!)」
そんな事が起こっているA実験室より離れた向こうで声がしているなど、誰も気づかなかった。
「こちら、ソルジャー805。3人をA実験室に行かせることに成功しました。我々の話を聞いたら、チルノ氏は例の物を手に入れようと必死です。・・・はっ。箱が開け次第、我々はわざと3人を発見して脱出させる様、待機します・・・。」
第9話の後編へ続く
第7話「⑨のパーフェクトソード伝説・侵入編(前編)」
チルノは怒っていた。理由は一つ。
リグルがT‐Jに殺されたからだ。
いつもルーミアやミスティアと一緒にいた蛍。男の子みたいな容姿で、いつもチルノに振り回されていた彼女。
そんなリグルが死んだ・・・。
チルノはショックだった。リグルもルーミア同様に死んだことを。
そして許せなかった。ルーミアやリグルを殺したT‐Jを。
そりゃ、正体は不明だが、絶対に奴を許せなかった。2人の仇だから。
だからチルノは進んでいく。奴に勝てる方法を思いついたから。これなら仇がとれると確信したから。
「チ、チルノちゃん?どこへ行くの?」
「あの方角だと、ホテルに戻るわよ?」
自分に同行した大妖精とレティが尋ねる。勿論、チルノも単独行動するほど馬鹿ではない。
自分の姉的存在である大妖精と、冬にはいつも一緒のレティがいれば心強い。
だから、チルノはこう言う。
「ええそう。ホテルに戻るよ。」
「「え?」」
チルノの言葉に2人は驚く。ホテルに戻る?
「じゃ、じゃあ、もう諦めたの?」
「違うわ・・・まぁ、後で話すから待ちなさい。」
レティの質問に答えながら、チルノはバッグから望遠鏡を取り出し、覗き込む。
ホテルはまだ向こうだった。チルノの計算では、あと2キロメートルか。
「チルノちゃん、逆だよ。」
あり?いけない。望遠鏡を逆に見てしまった。やはり、大妖精を連れてきて正解だ。性格を除けば。
再度覗き込むと、ホテルはもう少しだ。
すると、チルノの腹の虫がなった。もうご飯の時間だ。
とりあえず、休憩にしよう。2人に告げて、チルノはどこかの木の下で休んだ。
「・・・チルノ。貴方何か企んでいない?」
ふと、ご飯を食べながら、レティが不審そうに尋ねる。
最初から、レティはチルノの行動を怪しんでいた。
いつものチルノなら、ルーミア、リグルの仇であるT‐Jを探し回る筈だ。これはこれで危険すぎる。
だが、そんな彼女がそんなことをせずにホテルに戻る等、いつものチルノのやることではない。
いたずら好きで、蛙を凍らせては大蛙に喰われる。そう、何も考えずに行動するのがチルノの特徴だ。
それを聞いたチルノは、ふっふっふ・・・と不敵な笑いをあげつつ言う。
「流石はレティね・・・。実は、あたいは今、とっておきの作戦を考えたの。」
「「作戦??」」
作戦、と聞いて2人はだんだんヤバいと思った。チルノが考えた作戦はいつも危なっかしい。
そんな2人を無視して、チルノは続ける。
「あたいは思った。このままでは、あいつに勝てない。理由は簡単、弾幕じゃ効きそうにないからよ。いくらあたいが最強でも、あいつの耐久力は人間離れしているの・・・。」
そこで、とチルノはとんでもない事を言う。
「Zの所へ行って、リーチが長くて強力な武器を手に入れようと思う!!」
「「えええぇっ!?」」
2人はビックリする。つまり、Zのホテルへ侵入して、なにかを奪うつもりらしい。
なんて危なっかしい子だ・・・。いくらZが謎の男でも、彼の物を盗むのはあまりに失礼だ。
「チ、チルノちゃん!やめなよ!」
「なーにっ大丈夫よ!」
「大丈夫じゃないって!・・・あのね、私達じゃ、あのT‐Jには勝てないの・・・。諦めたほうが・・・。」
「じゃ、何なの?あたい達はどっかに隠れてろってわけ?」
大妖精の言葉にチルノはムカッとした。
「あのね・・・ルーミアも死んだんだよ・・・リグルも死んだんだよ・・・それで諦めろって?ふざけないでよ!友達が死んで黙ってろっていうの!?大ちゃんにはそれができるの!?あたいはあいつを絶対に許せないのよ!!」
チルノの突然の剣幕に大妖精は言葉を失う。レティも驚く。
「(この子、本当にチルノなの?)」
チルノの突然の変貌は普通ではない。かつての⑨の面影は少し消えている。
今の彼女は馬鹿な氷の妖精じゃない。
友の仇打ちに燃える小さな復讐鬼だ。
すると突然、3人の左腕の腕時計から電子音が鳴った。3人は絶句する。
まただ・・・また誰かが死んだんだ・・・。
大妖精は震えて見てない。レティも同様に見る気にならない。
1人、チルノは腕時計のボタンを押し、確認する。
「・・・・・っ!」
それを見るや否や、チルノは表情を変える。怒りの形相に見えた。
「あいつ・・・!すぐに出発!Zのホテルはもうすぐよ!」
今の彼女を止める術は2人にはなかった・・・。
Zのホテル。豪華な飾りが付いており、看板には、「クリスタルレイクキャンプ」と書かれている。
その門の前には銃を持った者たちが見張りをしている。
「うむむ・・・これじゃあ、簡単には入れないな・・・。」
「チルノちゃんやっぱり・・・難しいよ・・・。」
諦めよう、と言ったら怒鳴られそうなので、大妖精は別の言い方をした。
「まぁ、待ってよ、大ちゃん。あたいは何も、あの白黒みたいに堂々と門から入るとは言ってないわよ。」
「じゃあ、見張りに気づかず入るのね?どこから入る?」
「・・・わかんない。」
「駄目じゃないの・・・。」
「けど、あたいは諦めない・・・。何が何でも入ってやる・・・!」
歯ぎしりしてホテルを凝視するチルノ。そんな彼女を見て、レティは少しだけ彼女に同情したくなった。
レティは目の前のホテルを見てみる。門からはともかく、どこか入れそうな場所がないかと探す。
チルノと大妖精から離れ、見張りに気付かず、ホテルの周りを見てみる。
「(・・・!あれは・・・。)」
すると、ホテルの裏側に小さな穴が開いてある。小さいといっても太めのレティでも入れるサイズだ。
慌てて、チルノ達の所に戻り、小声で話しかける。
「(チルノ。裏側に穴があるわ。多分、内部に通じると思う。)」
「(さすがレティね!んじゃ、そこへいくわよ。)」
そうして3人は裏側へ回り、その穴へ入る。
Zはとある部屋で優雅に椅子に座っていた。
部屋は暗く、至る所にテレビ画面が敷き詰めてある
Zはそのテレビ画面を見ていた。何を見ているかは不明だが。
その時、ポケットの携帯が鳴る。Zはそれを取り出し、話す。
「何か?」
話し相手はZの部下だった。
『ご主人様、侵入者でございます。』
「どうなさいました?彼なら、未だ森の中ですよ。」
『いえ、ご主人様が呼んだ方々がホテルの内部に入ろうとしています。監視カメラの映像を送ります。』
そして、テレビ画面の一部から、映像が送られる。
それは、穴に入ろうとするチルノ、大妖精、レティだった。
Zはニヤリと笑い、この光景を見ている。
「あの穴は・・・。武器貯蔵庫へ通じる穴を見つけたのですね。全く見事です。」
『見つけ次第、捕獲しましょうか?』
「いえ、放っておきなさい。」
それよりも・・・、とZは付け加える。
「彼女達をA実験室へ行かせるように仕向けなさい。」
『ですが・・・あそこはご主人様が長年かけて作り上げた最強の武器が・・・。』
「構いません。チルノ様はルーミア様が亡くなられて以来、ずっと彼を殺してやると言っていました。そんな彼女のことです。大方、支給されたサブウェポンが気に入らなかったのでしょう・・・。あれを見つけたら、きっと満足して彼の退治に向かうでしょう。」
『わかりました・・・。すぐに開始します。』
そうして電話を切り、Zは笑った。
「いいでしょうチルノ様・・・。復讐心に燃える貴方の為に最高の贈り物をお届けします・・・。」
邪魔な金網を蹴破り、チルノ達は何とか内部に入ることに成功した。
「ふえ~。何だか、違う所へ出たみたい・・・。」
チルノは周りを見て驚く。
中には今までのホテルで見た部屋とは違って、殺風景だった。飾りもなく、青色の廊下が長く伸びていた。
これから、どうする?と3人が相談しようとすると・・・。
「(誰かが近付いて来るわ!)」
レティの言う通り、足音が聞こえる。しかも、前も後ろも足音が・・・。
絶体絶命だった。このままでは見つけられるのも時間の問題だろう。
「(あ、あっちのドアが開いているから、あっち行こ!)」
とりあえず3人はチルノが指さした部屋の中に入り、様子を伺う。
「・・・お、こっちはどうだ?」
「異常はないぜ。」
「A実験室は・・・何だ?扉が開いているだけじゃないか。」
見張りと同じ装備をした男がチルノ達がいる部屋のドアに向かう。
見つかったか!?チルノ達がそう思ったその時、
男の一人は中を見ようとせずに扉を閉めただけだった。
「これでよし・・・と。」
「そんなのでいいのか?あそこは凄い武器が入っているんだぜ。」
「ああ。何でも、究極の力を持つ剣とそれを制御するアーマーだろ?大丈夫だろ。俺達が見張っているしさ。」
「(究極の力を持つ剣!?)」
それを聞いて、チルノは興奮していた。
究極の力!あたいが最も欲している最強の証!Zは何でくれないのだろう?
男達が立ち去る音を聞くや否や、チルノは明かりをつけ、探す。見ると、銀色の箱が。
「チ、チルノちゃんこれって・・・。」
「この中に究極の力を持つ剣と・・・鎧?これさえあれば、あいつを倒せるし、あたいは超最強ね!!」
「CAUTION」という箱を開けようとチルノは必死だった。明らかに興奮している。
それをオロオロと心配そうに見ている大妖精と見張りが戻ってこないかとドアの向こうで待機しているレティ。
そんな2人を無視して、チルノは何とかして箱を開けようと頑張っていた。
「(ルーミア、リグル、それに皆、待っててね!あたいは今、超最強の力を手に入れるからね!)」
そんな事が起こっているA実験室より離れた向こうで声がしているなど、誰も気づかなかった。
「こちら、ソルジャー805。3人をA実験室に行かせることに成功しました。我々の話を聞いたら、チルノ氏は例の物を手に入れようと必死です。・・・はっ。箱が開け次第、我々はわざと3人を発見して脱出させる様、待機します・・・。」
第9話の後編へ続く
ただキャラ数を考えるとあまり話が進んでないように感じます。
投稿数が多くなるのであれば一話あたりの量を増やしてはいかがでしょうか。
>脱落者の正体を教えます
はあ……そういう姿勢で作品書いてるんですね。