注意:この作品はフクロウが全てくじ引きで選んだ結果をもとに作っています。
以下のキャラがメインですが、サブとして新たにキャラを追加する場合も御座います。
今回からキャラクター視点で書かせて頂きます。
「それじゃ、次に行くわよ」
私は納得がいかない表情のまま、仕方なく紫について行く。
「この学園はね。外の世界でも有名な女子高を元に造ったの。一年中入れる温水プール、外の世界で体育館と呼ばれる主に運動や行事の時に生徒が集まるのが目的の建物が二つ、広い中庭に、外で何かする時に使う校庭、食堂や、物を売ってる購買ってお店もあるわ」
「外の世界って凄いな」
魔理沙を始め、あまり幻想郷では見かけない様々な建物に、私達はそれぞれ驚きや興味から視線をあっちこっちに向ける。
プールってあの小さいビニールのやつよね。あれの凄く大きいサイズのやつかしら……まぁ、後で早苗にでも聞きましょう。
「あの校舎のすぐ脇にある建物が食堂で、休日は閉まってるわ。一応料理の材料は常に補充されるようにはしてあるけど、結構大食らいが揃ったから気を付ける様に、この世界じゃ私達妖怪もお腹が空くからね。購買は校舎の一階でこっちは休日も開いてるから、休みの日に学園に行く人は、ここでご飯を貰いなさい」
「お金は払わなくていいの?」
「ええ。食堂も購買もタダよ。まぁ、その分混雑するでしょうけどね」
レンガ造りの歩道を歩きながら、紫が通る施設を指差して詳しく説明して行く。
「人間は食べたら駄目なのかー」
「馬鹿ねルーミア、そもそも私たち以外――」
「いるけど食べちゃダメよ。そもそも、今の私達じゃ食べられないわよ」
「ちょっと待て」
私は紫が体育館と呼ばれる建物の入口を開けようとするのを、肩を掴んで静止させる。
「あんた今、重大な事を世間話みたいに言わなかった」
「なにが?」
「私達以外に人がいるって言ったわよね」
流石にそれは巫女として見過ごす訳にはいかないので、真剣な眼差しで紫を見据える。
「ふふ、怖い顔しなくても大丈夫。連れて来たのは元の学園の寮に通う高等部、一般的には高校生って呼ばれる年頃の子達と、先生だけを連れて来たわ。勿論、記憶は操作してあるし、彼女達もこの世界の出来事は一日限りの夢だと思うわよ」
自信満々な表情で偉そうにする紫に、永琳が更に追及する。
「けれど一日とはいえ、それだけの生徒と教師が居なくなれば、本物の学園側が騒ぐのではないかしら」
「ええ。だからその学園には一日だけ『臨時休校』して貰ったわ。外の他の子達も術の効果で起きないだろうしね。あと、私達の事は普通に同級生や先輩だと思う様にしてあるから、声掛けられたらちゃんと答えなさいよ」
相変わらず抜け目ない。その力をもっとましな方に使ってくれれば楽なのに。
「けどさ、なんでそんな面倒な事したんだ?」
私の隣にいた萃香が訊ねると、紫は意味ありげな笑みを浮かべた。
「人の群がらない購買や校庭なんてつまらないじゃない。それにイベントもするって言ったでしょ。人が多いにこした事はないわ。私達だけじゃ体育祭や文化祭が物凄く淋しいもの。いわばギャラリーみたいなものよ」
そう言って紫は空に向かって両手を上げる。意味が分からない。
そもそも私は体育祭や文化祭を知らないのだけど、そんなに楽しいものなのかしら。これも後で早苗に聞いてみよう。
「ほら、入るわよ」
紫が今度こそ体育館の扉を開ける。
体育館の中には既に大勢の教師が壁際に立ち、生徒達が座っていた。
「あそこの空いてる席が、私達三年B組の座る場所よ」
「なんでB組なのよ」
「学園ものって言ったら三年B組でしょ?」
「いや意味分からないし」
私と魔理沙の突っ込みを無視して、紫はさっさと進んでしまう。
溜息を吐いて後に続く。
「向こうから出席番号順に並んで。生徒手帳に書いてあるから」
全員生徒手帳に書かれた番号と同じ番号のシールが貼られた席に座る。
(私は、十八番ね……あら、隣って美鈴と衣玖なのね)
比較的常識人な二人が隣でホッとする。
『えー大変長らくお待たせしました。入学式を始めます』
暫くすると、壇上の脇に添えられたマイクの前に藍が立ち、手に持った紙を広げて宣言する。
『えー諸々の事情により、校長の話まで飛びます』
『皆様おはようございます』
「あ、映姫様」
壇上のマイクの前で映姫が笑顔で挨拶をする。
「うわ、青筋立ててる」
きっと私達に説明された事がそのまま教師陣にも説明されたのだろう。
納得はいかないがやらない訳にはいかない。といった感じかしら。
私はそう解釈して最初は映姫に同情していたけれど、挨拶から説教に変わった瞬間に考えを改めた。
「ここがこれから一年間お世話になるクラス、教室って言った方が早いか」
入学式が終わり、他の生徒達と一緒に校舎に入った私達は、紫に三階の『三年B組』と書かれた札の掛かった教室へと案内された。
「体操着とか水着とかの専用の服や、授業で必要になりそうな道具は後ろのロッカーに入ってるから、一緒に入っている鞄に詰めて、後で寮に行く時にちゃんと持って帰る事」
「はい質問!」
「はい、魔理沙さん」
何故この二人はこうもノリノリなのかしら。
私はこめかみを押さえて眉を顰める。
「寮って、あの寮の事か?」
「ええ、学園と道を挟んですぐの場所に建っていた大きな建物がそうよ」
「……もしかして、あの高級ホテルみたいな奴ですか」
鬱から立ち直った早苗が、律儀に手を挙げて質問する。
そういえば、やたら大きな屋敷があったわね。
「そうよ。まぁ、ビルとかホテルとか言ったって分らないだろうから、寮で通すわよ。取り敢えず今は教師が来る前に席順を決めましょうか」
「席順?」
「ええ、どうせサボリ癖のある連中は後ろの席になりたがるだろうからね。ちゃんと用意しといたのよ」
そう言って紫は教卓の中から一つの箱を取り出した。
「ほら妹紅、初仕事よ」
「は?」
列の後ろの方で我感ぜずといった感じに立っていた妹紅が急に呼ばれる。
「この箱はクラスで何かを決める時に使うくじ箱よ。リングと同じで音声で動くようになっているの。使えるのは担任教師と委員長と副委員長だけ。だから妹紅、箱に向かって『これよりくじ引きを開始します』って言って」
「ちょっと待て! 福委員長でいいならそっちの、えっと、早苗だっけ? でもいいだろ」
そういえば、この二人あんまり面識無かったわね。
私の記憶が正しいなら、早苗は主に守矢神社から人里まで。妹紅も人里に行く事はあっても大抵慧音のいる寺子屋がある里までしか来ないはず。
もっとも、あくまで私が知っている範囲だけどね。
「なに言ってるの。あくまで副はサブよ。メインは委員長。ほら委員長、早くする! 初日からこんなじゃ先が大変よ」
「……サブ……ふ、どうせ私はサブですよ~だ」
「あーもう! やるよやる! ほら、お前もシャンと立て」
これ以上注目されるのが嫌なのか、妹紅が怒ったような表情で座り込もうとした早苗の腕を掴み、教卓まで連れて行って箱を紫から奪った。
「え~っと、これよりくじ引きを開始します」
妹紅の宣言と共に箱が淡く光る。
その光はすぐに収まり、元のただの箱に戻る。
「さ、今その箱の中には番号が書かれたくじが入っているわ。取り敢えず黒板に席順を書いておいたから、引いたらその席に座るのよ」
黒板には窓側から縦に一から六までの数字が振られ、それが五列分ある
「私は最後でいいから、先ず誰から引く?」
「あたいが引く!」
「あー私も!」
年少組、って言葉が似合いそうな面々が我先にと箱に向かう。
彼女達に続くように、私達もくじを引き……全員の席が決まった。
黒板には、窓側から順に、
一列目、妖夢、燐、幽香、美鈴、諏訪子、メディスン。
二列目、永琳、妹紅、鈴仙、早苗、紫、雛。
三列目、衣玖、チルノ、霊夢、リグル、にとり、萃香。
四列目、こいし、ルーミア、リリー、大ちゃん、パルスィ、文。
五列目、小町、勇儀、咲夜、椛、魔理沙、アリス。
と書かれた。
「異議あり!」
予想はしてたが、小町がさっそく紫に抗議する。
まぁ、私もあまりいい場所じゃないわよね。もろど真ん中だし。
「却下! 今日はまだ説明する事があるの。明日の昼休みにでもなりたかった席の人とバトルしなさい。相手が応じれば勝負して席を替わって貰えばいい。元々くじ引きバトルはそういう事でも使えるように作ったシステムだからね」
「そんなの無理矢理奪えばいいじゃない」
面倒くさそうに決まった席では無い場所に座ろうとする幽香に、紫は厭らしい目付きで言い放った。
「ペナルティが発動してもいいならそうしなさい」
ビクリと全身を震わせた幽香は、お尻を椅子に着ける寸前で止める。
そりゃそうだ。
まだ生徒手帳、つまりこの学園でどんな事がスッパペナルティになって、どんな事がただのペナルティになるのか分からない現状で、迂闊な事は出来ない。
「……しょうがないわね」
流石の幽香も教師陣がいない状態でスッパになるのは嫌なのか、大人しく自分の席まで向かった。
他の面々も自分の場所に着席し、私も自分の席に座る。
教卓に残った紫は、紙に何かを書き込んでいくと、それを黒板の脇にある掲示板に張り付ける。
「ここに今の席順を書いといたから、もし席が替わったら書き直すように。さて、次に寮の部屋割を決めたいんだけど、出来れば担任になった教師を紹介してからやりたいのよね」
「担任?」
私の他に数名が声に出して言葉の意味を問う。
「えっと、クラスのホームルーム……って、これも分からないですよね。簡単に言うとクラスの話し合いの立ち会いや、学園側で決まった事をクラスの生徒に伝える先生の事です」
私の左斜め後ろの早苗が、簡単に説明してくれる。
「まさか紫、その担任っていうのも」
「勿論くじよ」
私は頭を抱えた。正直、あの連中にこのクラスが纏められるとは思えないが、逆に唯一纏められるであろう映姫に来られても、それはそれで息苦しそうで嫌だった。
「できればヤマメ辺りが来てくれないかしら」
私は机に蹲りながら小さく呟く。耳を澄ませてみると、何人かは来て欲しくない相手の名前を私と同じように呟いき、祈っている者さえいた。
「一般生徒のクラスは一般の教師が担任してるわ。まぁ選ばれた教師役は運が……ふふ、どうやら来たみたいね」
廊下からの足音を聞いて、紫も自分の席に戻る。そして、教室の扉が開かれ入って来たのは、
「では、このクラスの担任になった映姫です」
「ええぇぇ!」
流石にありえないとばかりに全員が声を上げる。
小町にいたっては、既にこの世の終わりといった感じで机に突っ伏していた。
「ちょっと紫、いくらなんでも校長に担任をさせるのはまずいのではないかしら」
永琳が紫に向って講義する。
流石に驚いていたのか、呆けた表情で映姫を見ていた紫は、永琳の言葉に反応して現実に引き戻される。
「……失敗したわね。外の世界の校長と違って、この学園の校長の仕事なんて学園の見回りと教師の管理くらいしか仕事が無い。だからくじに入れていたのだけど」
「安心しなさい。私が担任なったからには、どんな決め事もきっちり白黒つけます!」
さっそくやる気満々の映姫とは対照的に、私達のテンションはどんどん低くなって行く。
「映姫、先に行っとくけど、あくまで主役は生徒側で、バトル有りの生活って事を忘れないでよ」
流石にやばいと思ったのか紫が忠告する。
「勿論です。生徒の自主性を重んじてこその校長です。じゃんじゃんやって頂いて結構。ただし! それ以外でいざこざを起こしたり、不正を働いた場合は容赦なくペナルティを与えます! そもそも私はですね」
映姫がまた説教モードになったので、私は机に突っ伏し、聞き流す事にした。
教師サイド
「ズ~、はぁ、いや~ある意味助かったね」
山の神様、確か神奈子って名前ね。彼女は自分に与えられた机の椅子に座ると、一般教師が淹れてくれたお茶を啜り、安堵した表情で溜息を吐いた。
「まったくだね。あの子達の面倒を毎日見てたら大変さね」
神奈子の対面に座っているのは土蜘蛛のヤマメね。
彼女も神奈子と同じ様にお茶を啜ってのんびりと寛いでいる。
「橙、良かったな」
「はい! 流石に私では荷が重過ぎます」
あっちは相変わらず仲が良いわね。
安堵からか、橙の目には涙が溜まっていて、そんな橙の頭を藍が恍惚とした表情で撫で続けている。
「お姉ちゃん芋ようかん食べる?」
「ええ。一緒に食べましょう」
神様姉妹は、同じく一般教師の方が配ってくれたお茶菓子を仲良く食べながら笑い合っていた。
「ぶ~つまんな~い」
「明日映姫、っと、連戦は駄目なのよね。そのペナルティが解けたらバトルしなさいな」
手足をばたつかせる吸血鬼のフランドールを落ち着かせるように、その姉のレミリアが何度も彼女の背中を優しく撫でる。
「やれやれ。まぁ、楽しみは後でってことかね」
「そう? 直接かかわれないなら意味無いと思うわ。あ~あ、こんな事なら生徒役が良かったわ」
背凭れに体重を預けて苦笑する祟り神の魅魔と、愚痴を漏らす天人の天子。
「あらあら、みんな緩みきってるわね」
なんとも面白そうな面子を眺めながら、私はこれから起こる面白そうな生活を想像して口元を綻ばせる。
「おや、何かいい事でもあったのかい? 西行寺のお姫さん」
「ふふ、別に。お煎餅が美味しいだけよ」
私の返答に、神奈子はやれやれと言った感じに苦笑する。
クラスではそろそろ寮の部屋割を決めている頃かしらね。
生徒サイド
「映姫、いい加減寮の部屋割を決めたいんだけど」
「それもそうでしたね。では委員長、福委員長は前に出て来て進行して下さい。私もくじを引かなければいけないので戻ります」
映姫は言いたい事だけ言ってさっさと職員室に戻ってしまう。
それにしても、よくもまぁあれだけ長い時間説教出来るものだと、ある意味感心する。
「って、言われてもさ。どうすればいいんだよ」
「さっきの席と一緒よ。寮の番号を書いて、くじを引く。あ、今回は相部屋だから、一号室に一と二って具合に番号を書いてね」
「個室じゃないの!」
「だってその方が面白いでしょ」
愉快そうな笑みを浮かべる紫に、私は今日何度目かの溜息を吐き、目頭を押さえる。
「もうとっとと始めるぞ。早苗、また黒板に表みたいなのと、決まった名前を書いてくれ」
「はい」
早苗に指示を出した妹紅は、くじ箱を発動させる。
「どうせ誰に当たるか分からないんだ。出席番号順でいいよな」
全員が首を縦に振る。
「えっと、一番誰だ?」
「私ね」
アリスが立ち上がってくじを引く。 それから次々にくじを引いて行き、早苗が表を書き終えたところで全員がそれぞれ発表し、決まった部屋割が黒板に書かれる。
一号室 ルーミア―萃香
二号室 衣玖―アリス
三号室 燐―諏訪子
四号室 チルノ―美鈴
五号室 こいし―リリー
六号室 にとり―魔理沙
七号室 妖夢―雛
八号室 椛―リグル
九号室 勇儀―早苗
十号室 文―永琳
十一号室 メディスン―妹紅
十二号室 幽香―紫
十三号室 咲夜―パルスィ
十四号室 小町―鈴仙
十五号室 霊夢―大ちゃん
「え~嫌な人は明日バトルでもしてくれ。取り敢えず今日はこれで通す……でいいんだよな?」
先程の席順の事を覚えていたのか、妹紅は予め全員に忠告をし、一応紫に問い質す。
「ええ。今日はあくまで説明会の様なものだからね。それじゃ、教師側と合流して寮に移りましょうか、今頃向こうもくじを引いている筈だしね」
教師サイド
「最悪だわ」
「いきなりなんてこと言うんですか」
一号室を引いた天子が、絶望したと言いたげに蹲り、その様子を心外だと言いたげな表情で映姫が傍で仁王立ちしている。
まぁ、あの子の性格なら、この中じゃ一番の天敵よね。
さて、私も自分の相手に挨拶しないとね。
「ふふ、よろしくね」
「ええ、よろしくしてあげるわ」
私と同じ二号室を引いた相変わらず上から目線のレミリアと、お互いに握手し合う。
「おや、お嬢ちゃんと一緒かい」
「うん! よろしくね」
隣では三号室を引いたフランとヤマメが、微笑み合っていた。
ふふ、なんとも微笑まし光景ね。
「あ~橙と離れてしまった」
「まぁまぁ、明日バトルして替わって貰えばいいじゃないか」
「魅魔の言う通りさ、だからそんなマジ泣きするなって」
三人部屋の五号室を当てた藍は、橙と一緒になれず落ち込み、相方になった魅魔と神奈子が苦笑しながら藍を慰めている。
あらあら、残念ね藍。それにしても、あの二人も意外に面倒見がいいわね。
「これからよろしくね橙ちゃん」
「はい。静葉さん穣子さん、これからよろしくお願いします」
三人部屋の十号室を引いた橙と秋姉妹が、お互いに礼儀正しくお辞儀し合う。
あそこはあそこでやっていけそうね。
必要最低限の事だけ決め終えた紫は、今度は全員を寮へと案内した。
「ホントでかいな」
これから一年間自分達が暮らす寮を前に、魔理沙が改めて感想を述べる。
「外の世界の建物って、みんなこんな感じなの?」
「いや、これは結構特殊なほうですよ」
私が傍に居た早苗に尋ねると、早苗は苦笑しながらそう答えた。
確かにこんな大きいのがそこらにあったら邪魔でしょうがないわよね。維持費も凄そうだし。
「取り敢えず一階にはラウンジと、遊具室、サウナ付きの露天風呂、それと食堂があるわ。
朝食は朝の六時には用意され、夕食は夜の六時に、昼食は土曜日曜だけ出されるわ。基本的にバイキング、自由に取って食べる形式の食事だから早く来た方が沢山食べられるわよ。ただし、その場で食べないでちゃんと席に戻って食べること、いいわね幽々子」
「え~~」
そりゃそうだ。
幽々子以外の全員が、納得と言いたげに頷く。
「二階が使用人用の部屋、三階と四階が生徒用の部屋がある階、五階が教師用で、その上が屋上よ。屋上はいつも解放されているから自由に行っていいわ。それとあそこの妙な扉、外の世界ではエレベーターっていう各階に移動するための乗り物なんだけど、残念な事に使えないから頑張って階段を使ってね」
エレベーターっていうのはよく分らないけど、がっかりしてる早苗達の様子を見る限り、相当便利な乗り物だったようね。
「洗剤等の日常品は寮の脇にある倉庫に沢山有るから後で持って行きなさい。部屋には機械や洗剤等の使い方が書いてあるマニュアルを置いといたから読んで置いて。一応分かり易く藍が編集してくれたから分かる筈よ。最悪、私か、早苗、永琳辺りを頼りなさい。じゃ、もう自由にしていいわよ。学園を見回るもよし、寮を見回るもよし、生徒手帳で色々確認するもよし、私は温泉に浸かって来るわ」
「って、寮と学園しか説明されてないわよ」
色々分からない事も多いが、移動場所が二ヶ所しかないのはつまらない。
「他の場所には明日から行けるわよ。もっとも、流石に町の人間やお店までは用意できなかったから、行ってもハリボテの町があるだけで面白くないけどね。精々見所としては、町の中央にある大きな公園か、海、それとキャンプ場がある山くらいよ」
「海!」
海という単語に、ほぼ全員が興味を引く。
「ああ、そう言えば幻想郷には海が無かったわね。ま、今じゃ寒くて波打ち際で遊ぶのが精一杯でしょうけど、興味があるなら見に行ってみなさい」
それだけ言うと紫は温泉と書かれたプレートの付いた通路へと進んで行ってしまう。
「大ちゃん海見に行こう!」
「チルノちゃん、明日からって言われたばかりだよ。荷物も置きに行きたいし」
興奮するチルノを、大妖精が苦笑しながら止める。
「そうですね。取り敢えず荷物を置きに行きましょう。私はこれから学園を見に行きます」
「なら付き合おうかな。私一人だと迷子になりそうだしね」
「ではそうですね。今ニ時ですし、三時までラウンジで待ちますので、一緒に来る人はそれまでに来て下さい」
映姫が壁に掛けられた大きな時計を指差して提案する。
「なら、私は寮の中を見て回るわ。遊具室も露天風呂も気になるしね。もし私と行くなら同じく三時までにラウンジに来なさい」
永琳はそれだけ言うとさっさと荷物を持って階段を上って行ってしまった。
「よ、霊夢。お前はどうする」
「私は取り敢えず部屋を物色したら生徒手帳を読む事にするわ。魔理沙こそ、もうペナルティポイント一つ貰ってるんだから、確認した方がいいんじゃないの?」
「そうだな~でも学園探索も面白そうだしな~」
悩んでいるけど魔理沙の事だ、きっと学園探索に参加するだろう。
二階に上がった私達はそれぞれの部屋へと向かい、私は大妖精と一緒に割り振られた部屋に入る。
「大ちゃん! 早く行こう」
「え、もう? でも」
着いてすぐにチルノが大妖精を向かえに来る。
多分荷物を置いてすぐに来たわねこの子。
「あ~いいわよ行って来なさい。私は私で色々確認するから」
大妖精は申し訳なさそうに何度も頭を下げて部屋を出て行く。
ちゃんと荷物を隅に置いて行くあたり、あの子の性格が出てるわね。
少なくとも同居人が素晴らしい相手である事は確かだと認識し、私は荷物を二個ある机の一つの上に置いて、ベッドで横になる
「ほんと、色々あり過ぎて疲れたわ。知らない言葉を覚えたり、独自のルールを覚えたりで」
夕食までは時間があるし一眠りしようかしらね。
「これからどうなるのかしらね」
取り敢えずこれからの事は明日から考える事にした私は、ゆっくりと瞼を閉じた。
福委員長→副委員長
諏訪湖→諏訪子
メディス→メディスン
がっかりしえる→がっかりしてる
あと誤字以外にも席順と部屋割りで文だけ名字だったり、使用人室が上階にあったりと
なんとなく不自然なところが多いです。
別にここで開示しなくても、物語の流れにあわせて出してくれてもいい情報も多かったんじゃあ、みたいな。
まだあまり出番がないキャラにも期待してます!
何か1つのテーマなりキャラなりに絞ってストーリー作りして欲しかったです。
あと、ストーリー性が薄いような気が。SSというよりも作者の考えた設定紹介としか……
いくらプロローグとはいえもっと書きようがあるはず、というか書いて欲しかったです。
申し訳ないけど、どうしてもRenさんの学園モノと比べてしまうのです。
1行目でキャラをばら撒きすぎと書いたけど、もしそれらをうまく動かすことが出来ればすごく良い物になると思います。
素人意見ですけど個人的に感じたことで。
この点数をば
その場の必要に応じて情報を書き込んでいくほうがいいような気がします。
まぁこれだけ大きな施設・システムのことですから、先に理解しておいてもらったほうが後々書きやすいのはわかりますけどね。
とりあえず今後の展開とさらなる改良を期待してこの点数を。
皆様の意見、参考にさせて頂いております。
>>9さん
仰る通りです。
これから改善していけるよう努力して行きます。
>>11さん
どうも焦ってしまって。
これからはもう少し上手く纏められるようにして行きます。
>>17さん
そう言って頂けるだけで嬉しいです。
ありがとう御座います。
>>18さん
ストーリー自体はあるんですが、
それだけだと面白みがないという理由で今回のようになりました。
多分つまらなく感じた大半以上が私の力不足なので、よりよく出来るよう努力します。
>>19さん
ありがとう御座います。期待に応えられるよう頑張ります。
>>20さん
どこで説明したものか悩んだ結果があれです。
反省し、今後に活かせるよう頑張ります。