「…んぁ?」
窓から射してくる日の光に起こされるようにして私は目を開く。
天井の形から間違いなく私の部屋の中だということはすぐに理解する。
…けれど、どうも昨日寝たような記憶がない。
そもそも私は部屋の中なのに何故炬燵で寝ているのだろうと言う疑問点が発生してくる。摩訶不思議。
「うわぁ…」
のっそりと起き上がって部屋の惨状を見て一瞬で状況を理解する。
酒瓶、ビール缶、おつまみ、その他諸々。
所狭しと広げられたそれらはゴミ屋敷を彷彿とさせるものだった。
どんちゃん騒ぎで飲むだけ飲んでばたんきゅーっといったところか。
私の格好もひどいものだ。ほとんど下着同然にはだけてしまっている。
彼氏なんかが見たら間違いなく幻滅してしまいそうな光景だなぁ、と何となく思う。
…まぁ、そんなのいやしないんだけど。
時間は…8時19分28秒。うん、これだけ飲んだ次の日にしてはまぁまぁの記録だろう。
とはいっても大学の講義開始まであまり余裕のある時間帯でもない。
「ほら、メリー起きなさい。遅刻するよ」
「…ん」
着替えながら向かい側で惰眠を貪っていたメリーを軽く蹴って起こす。
昨日はメリーと我等が「秘封倶楽部」の結成記念日パーティーと銘打ってどんちゃん騒ぎをしていたのだ。
私それなりにお酒には強い私が記憶がなくなるほどなのだから、かなり飲んだんだろうなぁ。
とりあえず後回しにするけど、掃除のことを考えると気が滅入りそうだった。
「…メリー?」
起きているとは思うけど、どうにも反応がない。
良く見るとその同姓からでも綺麗だと十分思わせる端正な顔立ちが歪んでいる。
「何死にそうな顔してるのよ?殺しても死にそうにないくせに」
「…うぅ」
憎まれ口にも何の反応もしない。
うん、これは重症間違いなし。
「れ゛んごぉ…」
「ゾンビみたいな口調は止めれ。で、どうしたのよ?」
「あだまがいたぐでうごげない…」
メリーさんは二日酔いで完全にノックダウンしていたとさ。
※
「うぅ゛…」
頭がきりきり痛む。
胃もむかむかする。
ついでにおまけで吐き気もプラス。
いやー、こいつはお買い得だね、一晩で三つもセットだよHAHAHAHA。
「うぐぅ…」
…海外通販風にしても辛いものは辛い。
さすがに焼酎ひと瓶丸ごと開けたのは無理を通り越して無謀なレベルだったらしい。
「ほらメリー、きりきり歩く。遅刻するわよ」
ああ、隣を何事もなかったように宇佐見蓮子が歩いてる。
妬ましい、ああ妬ましい。
何が妬ましいって蓮子は私と同じくらい、いや私以上にぐびぐびと飲んでいたはずなのだ。
なのに、何故こんなにもけろっとしているのだこのウサ耳レンコンはっ!!
「…なんか恐ろしく失礼なこと考えられて気がするんだけど」
「気の、せいよ…」
薬は飲んでいるからもうすぐ多少は楽になるはずだけど、今日一杯はこんな感じだろう。
いっそ吐いた方が楽になるのだうか、と甘く厳しい誘惑あり。
でも我慢する。だって乙女だもん。
ああ、妬ましいと言えば蓮子のこのスレンダーなボディーである。
蓮子自身は「メリハリのない身体」と苦笑しながら言っていたが、とんでもない。
あの身体どんなに飲み食いしても何の変化もないのだ。
我々が日々カロリーとの壮絶な戦いをする中、この蓮子はそんなもの関係ないと言わんばかりに好きなものを好きなだけ食べるのだ。
カロリーの楔から解き放たれた人間はささやかな嫉妬心も合わさって最強に見える。
…ぺしん。
「あたっ」
無言で叩いてみる。
ほとんど力を入れてないのは二日酔いというだけではなく、完全に八つ当たりというのが分かっているからである。
あー、もう本当にこんな状態だと普段考えつきもしないような思考に陥ってしまう。
「…なんで私今はたかれたの?」
「…不可抗力よ」
「まぁ、いいけどさ…。でも、その様子だと今日の活動は無理そうね」
活動というのは私達の所属するサークルである「秘封倶楽部」の活動である。
活動内容は表向きはオカルトサークル、裏向きは私が昔から持ってる「結界」を見る能力に基づいて探索を行うサークルだ。
といっても大学側の公認も何もなく、勝手に私達だけで作り上げた不良サークルなのだった。
「例えて言うなら蓮子に結界の境界が見える感じね」
ついでに言えば、周りも結構境界だらけだ。
「…完全に重症ねそりゃ。ま、今日の活動は停止ということで。ちょうどいいし、買い物に付き合ってよ。新しい店見つけたのさ」
「帰りまでに調子が良くなってたらね…」
そんなことを話しているうちに私達は大学に辿り着いたのだった。
※
「―――であるからして~」
教授の催眠術紛いの講義を右から左に聞き流しながら、私はあくびを何とかかみ殺す。
講義聞けよ、と誰もが思うだろう。私だって第三者なら間違いなく同意する。
が、これが理想と現実の壁なのである。
この講義の教授の話はひたすらに回りくどい。あと、腹が立つくらいにスローペース。
「教科書見た方が理解しやすいよ」ともっぱらの噂なのである。
そして、そういう講義に限って出席をとったり必修だったりするのだから始末に負えない。しかも寝ると講義室から叩きだされる。
教授によってやる気の度合いがかなり違ってくるというのは、やはりどの学校でも共通しているのだろうかとふと思う。
まぁ、そんなわけで眠気覚ましも兼ねて書きたくもない板書をしているわけだ。
当然だけど、やる気はない。だって私も人間だもの。
「蓮子蓮子」
と、ぼんやりしていると隣の友人Aが小声話しかけてくる。
「蓮子蓮子蓮子蓮子蓮子蓮子蓮子蓮子」
「…蓮子を連呼するな」
ええい、文字にしないと分かりにくい真似を。
私語も見つかると五月蠅いから後回しにしたいところだったが、あんまりにしつこかったので構ってあげることとする。
「…何よ?」
「この後時間空いてる?」
考える。メリーとの約束の時間まではまだあるはずだった。
多少くらいならば連絡をちゃんととっておけば問題はないだろう。
「少しくらいなら大丈夫」
「そりゃ良かった。今日この後でちょっとしたテニスの練習試合があるのよー。助っ人に入ってくれない?」
「えぇ、また?」
こいつにテニスの助っ人を頼まれたのは一度や二度ではない。
別にレギュラーがいないとかではなく、私から見ても結構実力ある人もいると思うのだけど。
「…別に私じゃなくてもいいでしょ?」
「いや、蓮子が来てくれると、男連中も女共も勝手にテンション上げてくれるからさぁ」
何だそりゃ。
人一人加わったくらいでそんなに変わるもんかい。
「ね、後でなんか奢るからさ」
ぴくりと反応してしまう。
こちとら万年金欠の身だ。そういう誘惑には弱い。
まぁ、向こうも分かっててやってるんだろうけど。
長時間のバイトでもすればいいんだろうけど、そんな時間があるなら秘封倶楽部の活動をするね私は。
「…イチゴサンデー五杯」
「に、二杯じゃ駄目ですか?」
「三杯。これ以上は譲れないわね」
「ぐ…わ、わかりました」
「よきにはからえ」
「よきにはからえ」、なんとも素敵な言葉じゃないか。
人生で一度は使ってみたい言葉にランクイン間違いなし。
「宇佐見蓮子」
「はいっ」
と、そこに教授直々のご指名。この人はたまーにこうして人を指名してくるから油断ならない。
「先ほど説明した理論についての君の考察を述べてみなさい」
ニヤリ、と教授が笑った気がした。
もしかしてなくも私語をしてそうな学生に目星をつけてあてたのだろう。
これで答えられなければ講義を聞いていないということになり、叱責理由になるという寸法。
こんなことばっかりしてるから嫌われるのよこの教授。
だがこの宇佐見蓮子、隙などない!!
「その理論からは宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物のさらにその先の世界を説明する理論ではないかと考えられます。しかし現段階ではいくつか不完全な点も考えられ、実証することも困難ではないでしょうか?」
「…よろしい」
若干悔しげな教授を尻目に私はふふん、と鼻を鳴らして座る。
ちなみに、教科書そのままのようなことしか言ってないが、論文発表でもあるまいしたかが講義でそこまで詰問することもできまい。
こんなでも成績上位者、なめちゃいけません。
「まぁ、とりあえずさ」
とりあえず私は隣で惜しみある拍手を送っている友人を見つめて宣誓した。
「巨大イチゴサンデー三杯分の奢りよろしくねー」
「…えぇっ!?」
誰も普通のサイズとは言ってませんから。
※
「んー…」
一人目が唸る。
「うぬー」
二人目も唸る。
「うーん…」
私も唸る。
半分くらいは気分の悪さで。
「駄目だー、さっぱり見つからなーいっ」
「同じく…、ハーンさんはどう?」
「こっちもうまくレポートに利用できそうな記述は今のところ…」
「いくらハーンさんでも厳しいよねぇ…」
どんな評価なんだろう私、と若干思わなくはないけれどスルーしておく。
同じゼミ生同士でカフェテラスの一角を陣取って、借りてきた本と格闘すること数十分。
未だその糸口すら見つからなかった。
何に苦戦しているかと言われれば、本日教授から出された課題のレポートについてである。
レポートのテーマは『相対性精神学についての考察』。というか、それを習いに大学に来てるのだけど…。
まぁ、とりあえず習うにしても事前知識として仕入れておけということなのだろうけれど…。
あの偏屈な教授のことだからそこらの本に書いてあるような内容をまとめただけでは絶対に納得しないだろう。
というわけで三人よらば文殊の知恵ということでこうして協力体制を築いたわけではあるが、現在のところ芳しい結果は出ていなかった。
「駄目だーっ。…ちょっと休憩しようか」
「異議なーし」
「ですね。根をつめても仕方ないですし」
とまぁ、そんなわけで思い思いに持ってきたお菓子やら何やらを広げる。
一瞬カロリーという言葉が脳裏に浮かんできたような気がしなくもなかったが、かなぐり捨てる。悪鬼退散。
「あれ、なんか騒がしいね向こう」
今までこっちの作業に集中してて気づかなかったが、すぐ近くのテニスコートでやたらと人だかりが出来ている。
「ああ、そういえばなんか今日は練習試合があるとかなんとかってテニス部の子が言ってたわ」
「へぇ。うちの大学はそんなに活発にサークル活動やってるイメージはあんまりなかった―――ぶっ!?」
「わっ、ど、どうしたのハーンさん!?」
ふとテニスコートの方に目線を向けると、なんかガッツポーズしてるテニスウェアでガッツホーズを決めてる宇佐見蓮子さんがそこにはいました。
「い、いえ、何でもないです…。急にむせただけなので」
「そ、そう?」
全く誤魔化せていない気もするけれど、何とか誤魔化しておく。
別に蓮子と友人関係であったことを言ったところで何も問題はないのだが、何故かそんな気分だった。
「あー、あれは宇佐見さんかな。相変わらずなんだなぁ」
一人がテニスコートの方を眺めながらそんなことを呟いた。
知り合いなのだろうか、と少し気になった。
よくよく考えてみれば私のこともそうだが、蓮子自身の昔の話なんかはあまり聞いていない気がする。
「知り合いなんですか?」
「んー、多分向こうは私の事知らないと思うけどね。同じ学校だったけど同じクラスになったことはないし。有名なのよ、彼女。色んな運動部の大会に助っ人として参加してトロフィーをかっさらってたらしくてねぇ。それでいてどこの部活にも所属したがらないから一時期は勧誘の人がひっきりなしだったとか。あと、何だったか忘れたけどなんかの活動にリーダーとして参加してたりもしたかな。騒動ある所に宇佐見蓮子の姿あり、ってもっぱら噂の的だったわよ」
…何してるんだ、宇佐見蓮子。
とはいっても不思議とそんなに違和感はなかった。
自分のやりたいようにやって、それを実行することが出来る人間。それが宇佐見蓮子なのだから。
スーパーウーマン、そんな言葉が一番似つかわしかった。
「そういえば、最近は宇佐見さんの話はあんまり聞かないなぁ。何か興味のあることでも出来たのかな」
「理系は忙しいって言うし、暇がないんじゃないの?」
「あはは、それじゃ私達が暇みたいじゃない」
興味があることと言えばやはり秘封倶楽部のことになるのだろうか。
毎日というわけでもないが、かなりの頻度で活動自体はしているからそう考えるのが自然だ。
…ふと、考えてしまう。
蓮子にとって秘封倶楽部はどういう位置づけなのだろうか、と。
彼女にとっては今のプレイしているテニスの延長上にあるものでしかないのではないか。
いけないいけない、と頭を振る。
本当に調子が良くない日には思考が良くない方向にしか行かない。
例え延長上だったとしても、たいした問題ではないではないか。
蓮子と一緒にいられることこそが今大切なことなのだから。
「ハーンさんどうかしたの?」
「…いいえ、何でもありません。さ、レポートさっさと終わらせちゃいましょう」
自分の思考を振り切るようにして私はそう答えた。
※
「…で、何で私達は二日連続で酒盛りをしているのかしらね、メリー」
「余分な思考は心の贅肉よ、蓮子。現状に対する論理的思考は無駄な時の方が多いのよ」
「そーなのかー」
いや、別にそんなややこしい何かがあったわけでもなく、
買い物に出かけた。
↓
たまたま良い酒が安い値で見つかった。
↓
今度はメリーの部屋で飲むことになった。
というだけの話なのだけど。
「というかメリー、二日酔いの方は大丈夫なの?」
記憶が正しければ、それこそ朝方は死人みたいな声を上げていたはずだが。
「体調自体はさすがにもう治ったわよ。昨日は焼酎だったのが失敗だったのよ。ワインくらいならなんとかなる」
「…まぁ、本人がそう言うなら別にいいけど」
どうせ潰れてても介抱するのは私だし。
ぐいっとグラスに注いだワインを飲むメリー。
対する私はちびちびと飲む。うん、やっぱり良い酒の味は違うわねー。
「…」
「…」
沈黙が続く。
別に四六時中話をしているわけでもないから、おかしいわけではないのだけれど。
「メリー、何かあったの?」
「…」
ぴたりとメリーの動きが止まる。
うん、大変分かりやすくてよろしい。
「…何でそう思うの?」
「いや、なんとなく」
嘘は何も付いていない。
何の確証もなく本当に何となくそう思っただけなのだ。
メリーは少し言うべきか迷うようなそぶりを見せる。
「…大したことじゃないのよ。言ってしまえば気の迷いみたいなものなんだから」
「ふーん…」
メリーがそう言うからにはきっとそうなんだろう。
けれど、
「ねぇ、メリー。私はこう思うのよ」
「?」
「明日になって忘れたとしても、自分の中に意見を封じ込めると言うことはそれは自分の中でくすぶり続けると言うこと。それをまた思い出すことはあるわけで、それは突然のことかもしれないしそれで取り返しのつかないことになる可能性もはらんでるわけ。そんな事態になる可能性を省けるなら言いたいことはある程度はいうべきと思うのよね。それが本人がくだらないことと思ってるなら猶更、ね」
「……」
何かを考え込むようにメリーは黙り込む。
まったく、メリーは変な所で頭が固いのよね。
親友同士なのだからもっと頼りにしてくれたっていいのだ。
こうでも言わないと本心なんて話してくれないんだから。
「…笑わないで聞いてよ?本当にくだらない話なんだから」
「はいはい、分かってるって」
たっぷりと間を取ってからメリーは話し始める。
「蓮子は何のために秘封倶楽部を作ったの?」
「何のためって…言ってなかったっけ?」
「少なくとも聞いた記憶はないわね」
メリーもメリーで聞かないから、すっかり言った気になってた。
「一言で言ってしまえば『知的探究心』かしらね」
昔から私は物事は自分で確かめてみないと気がすまないクチだった。
だから色々やってきたし、それなりに充実してはいたと思う。
「それで私は気付いたのよ。話をしただけで「科学的ではない」と言われる分野に」
人それをオカルトという。
証明できないと言うだけで否定される分野。
「見えないだけで否定するなんてナンセンスだと思わない?というわけで、それを証明したくて秘封倶楽部を立ち上げたわけよ。まぁ、倶楽部っていっても一人だからほとんどゲリラ的な活動しかできなかったけど」
「そこに私がやってきたわけね」
「そ。初めて会った時びびっときたわね。メリーとなら良いコンビになれるって」
ある意味勘通りとも言うべきか、まさにメリーはオカルトを調べるにうってつけの能力を持っていて今もこうして秘封倶楽部としての行動は続いているというわけだ。
「…もし、もしもよ。私が何の特別な能力もなかったとしたら、それでも蓮子は私と組んでた?」
「?何言ってるのよ、当り前じゃない」
変なことを聞く娘だ。
別に特殊な力があったからメリーを誘ったのではなくて、誘ったメリーがたまたま特殊な力を持っていたと言うだけのお話なのだからそんなこと考えるまでもないじゃないか。
「―――そう。それならいいのよ」
「へ?もういいの?」
「ええ、気になってたことは分かったからもういいの」
釈然としないものはあったが、メリーの少し嬉しそうな表情からすれば嘘は言ってないのだろう。
「あら、蓮子グラスが空じゃない。ほら、どうぞ」
「あいや、すいませんな」
…まぁ、それならそれでいいか。
そう思ってグラスにワインを捧ぐメリーを見ながら思った私だった。
※
すっかり空になったグラスをぼんやりと見つめる。
昨日ほど飲んでいるわけでもないから意識はわりかしはっきりとしている。
奥歯に挟まっていた小骨が取れてすっきりしたような、そんな心地よい気分だった。
「ねぇ、起きてる?」
「…んぁー?」
炬燵に寝転がっていた蓮子はのっそりと身体を起こす。
あからさまに朦朧とした感じで、私は思わずくすりと微笑んでしまう。
『――秘封倶楽部へようこそ』
蓮子はきっと知らないだろう。
疎ましくさえ思っていたこの能力を初めて認めてくれて、私がどれほど嬉しかったかなんて。
この力の使い道を示してくれたことがどれくらいの喜びだったかなんて。
宇佐見蓮子、いじけていた私の手を無理やり引っ張ってすっかり人生観を変えてしまったスーパーウーマン。
いくら感謝をしてもしきれないのだ。
きっとこんなことを言ったら蓮子は恥ずかしがるだろうから言わないけれど
「…私達、長くコンビを組めたらいいわね」
「私としては卒業したり、結婚したり、子供が出来たりしておばあちゃんになってもメリーとはコンビを続けるつもりなんだけど?もちろんメリーがいいのならだけど」
「ふふ、嫌なわけないじゃない」
年老いてもずっとこんな関係が続けられる、それは本当に幸せなことだろうなと思う。
ああ、本当にそうありたいものだ。
「それでは、秘封倶楽部の今後の発展を願いまして」
蓮子は自分の空になったグラスを掲げる。
私もグラスを掲げる。
「といってもお酒はもうないけどね」
「いいじゃない、なんとなく私達らしい感じがする」
「それもそうね」
「――それでは、改めまして。我ら秘封倶楽部の今後の益々の発展を祈って」
「「乾杯」」
空のグラスと空のグラスが小気味いい音を立てる。
今日はいい夢が見れそうな気がした。
――願わくば、ずっとこの幸せな時間が続きますように。
気が置ける関係 ではなく 気が置けない関係 では?
気が置けるだと確か 気を使って緊張しなければならない という意味になるはずです。
>全力さん
何処かで気が置けないというのがむしろ遠慮してるとか言うのを見て勘違いしていたようです
何だか頭の中でややこしくなってきたので別の表現に変えておきます、ご指摘ありがとうございました
蓮メリごちそうさまです
ごちそうさまでした
みたいな事を『魔女の宅急便』でウルスラさんが言ってた。
東方はこういうのんびりまったりなのがいいんですよね。
とても良い秘封コンビの日常でした。
それなりにお酒には
>今日一杯はんな感じだろう
今日一杯はこんな
>私語も見つかる五月蠅い
私語も見つかると五月蝿い
それと、『惜しみある』という言い方はしない気が。『惜しみない』の対義語として使ったのかどうか文脈からは判断しづらかったもので。
細かいこと言って申し訳ない。
話はとても面白かったです。こういう関係は良いですよねぇ
秘封倶楽部すばらしいです。
惜しみあるというのは対義語の造語のつもりでした。分かり難くて申し訳ないです
ごちそうさまでした。
素晴らしきかな秘封倶楽部
すっきり読めて気持ち良かったです。
ありがとうございました(`・ω・´)
良い話過ぎてどこだったか忘れちまったZE☆
まぁそれほど良い話ってこった。。。
美しい友情だ。
読んで嬉しくなりました。
日常の描写の配分や文章のテンポ良い感じで、心地良く読めました。
秘封倶楽部好きには堪りません。
自分の実力では難癖付けようがなかったです。
後はもう少し深く踏み込んでいってもらえると嬉しいですね
素敵でした。
二日酔いで
ここに秘封倶楽部がいました。
ただ、冒頭あたりに『同姓からでも綺麗だと十分思わせる端正な顔立ち』とありますが
『同性からでも綺麗だと十分思わせる端正な顔立ち』ではないでしょうか?