「ん、あれ。今日は私大阪で飲んでたんじゃ」
起きてまず思ったことは、とりあえず寒いということだった。どうにかメリーが裸で暖めてくれないものか。
というかここはどこだろう。なぜ、こんなだだっ広い草原の上で私は寝ているのだろう。
よーしよく思い出せ宇佐見蓮子。自分の記憶こそ信用できないとはよく言うけれど、少なくとも私は都会生まれのはず。
サバンナよろしくライオンが走っていそうな場所ではなかったはずだけども。
「なんだ、これ夢か」
きっと私は寝ているのだ。頬をつねったら痛いけれど、寝ながら頬をつねっているに違いない。
「目が覚めましたか」
「ふぇ?」
声のほうへと顔を向けると、ひらひらした服を纏ったお姉さんが、小脇に青い髪の女の子を抱えていた。
「野球をしましょう」
「いいですよ」
爽やかな表情の彼女に、私は二つ返事を返した。こういうのは何よりもノリが大事なのだ。
とりあえずバットはどこだろう、あとボール。
「バットならこれですよ」
私がキョロキョロしているのに気づいたのか、お姉さんは小脇に抱えていた女の子を地面に突き刺した。
なるほど硬い。この子なら十分バットの役目を果たしてくれるはずだ。パンツも見えてるし。
「ボールはこれを使ってください」
ごそごそとお姉さんはポケットから桃を取り出した。甘い香りが漂ってきて美味しそうだ。
そういえばお酒を飲んだせいか酷く喉が渇いている。齧ってもいいものか。
「桃尻のほうを齧ったらどうですか」
さすがはお姉さんわかっていらっしゃる。幼子に語りかけるようにこの世の真理を語る辺り、いつかは酒を酌み交わしたいところだ。
「それじゃあ私が構えるので、そのボールを投げてください」
「ふぁーい」
そう言ってお姉さんは、女の子を引きずりながら歩いていっていった。えらい丈夫な子だなぁ。
「よし、投げてきていいですよー!」
青髪の女の子をブンブン振り回すお姉さん。スカートがまくれ上がって、時折桃柄のパンツが見える。
こいつぁ、私も負けちゃいられない。
「そいやぁっ!」
酔った体が功を奏したのか夢の中だからか、桃は弧を描きつつお姉さんの胸元まできちんと飛んでいった。
それを鋭いスイングで打ち抜くお姉さん。ばぢゅ、っと鈍い音をたてて破裂する桃。
当たり前か、ボールじゃなくて桃だもんね。
「いやぁ、やられましたねぇ。バットの顔がベトベトですよ」
「確かに破裂しちゃしょうがないですねぇ」
「でもまだまだありますから。次はあなたがバットを持ってください」
なんて準備のいい人なんだろうか。お姉さんのポケットからは次々と桃が出てくる。
よし、こうなればその全部を打ち抜いてやろう。
私は女の子の両足を両手で掴んで持ち上げようとしたが、これがまたやたらと重い。
「んーしょっと!」
持ち上げることは叶わなかったので、ジャイアントスイングのように振り回すことにした。
これならばきっと桃を打ち返すこともできるだろう。
「いきますよー、そーれ」
お姉さんの投げた桃は、回転している女の子へと見事に直撃した。
その瞬間、私の手から女の子はすっぽ抜けてどこかへ飛んでいってしまった。
まぁいいか、あはは。
「ちょっと蓮子たんま! そのまま投げたら道頓堀に落ちるって阪神は優勝してないのよ!」
「そーれ!」
お父さん、お母さん。なぜメリーは今川へ向かってダイブしているのでしょうか。
親友が酔っ払ったあげく、境界の向こうへと落ちかけているのを必死で揺さぶっていた結果がダイブだとは。
ああ、人間ってピンチになると時間が遅く感じるって本当ですね。
ドンドン濁った水面が近づいてきました。川の中ではなぜか、髭を生やしたおじいさんが笑っています。
ああどっかで見た顔だと思ったらこのおじいさん、カーネルサンダースじゃん。
起きてまず思ったことは、とりあえず寒いということだった。どうにかメリーが裸で暖めてくれないものか。
というかここはどこだろう。なぜ、こんなだだっ広い草原の上で私は寝ているのだろう。
よーしよく思い出せ宇佐見蓮子。自分の記憶こそ信用できないとはよく言うけれど、少なくとも私は都会生まれのはず。
サバンナよろしくライオンが走っていそうな場所ではなかったはずだけども。
「なんだ、これ夢か」
きっと私は寝ているのだ。頬をつねったら痛いけれど、寝ながら頬をつねっているに違いない。
「目が覚めましたか」
「ふぇ?」
声のほうへと顔を向けると、ひらひらした服を纏ったお姉さんが、小脇に青い髪の女の子を抱えていた。
「野球をしましょう」
「いいですよ」
爽やかな表情の彼女に、私は二つ返事を返した。こういうのは何よりもノリが大事なのだ。
とりあえずバットはどこだろう、あとボール。
「バットならこれですよ」
私がキョロキョロしているのに気づいたのか、お姉さんは小脇に抱えていた女の子を地面に突き刺した。
なるほど硬い。この子なら十分バットの役目を果たしてくれるはずだ。パンツも見えてるし。
「ボールはこれを使ってください」
ごそごそとお姉さんはポケットから桃を取り出した。甘い香りが漂ってきて美味しそうだ。
そういえばお酒を飲んだせいか酷く喉が渇いている。齧ってもいいものか。
「桃尻のほうを齧ったらどうですか」
さすがはお姉さんわかっていらっしゃる。幼子に語りかけるようにこの世の真理を語る辺り、いつかは酒を酌み交わしたいところだ。
「それじゃあ私が構えるので、そのボールを投げてください」
「ふぁーい」
そう言ってお姉さんは、女の子を引きずりながら歩いていっていった。えらい丈夫な子だなぁ。
「よし、投げてきていいですよー!」
青髪の女の子をブンブン振り回すお姉さん。スカートがまくれ上がって、時折桃柄のパンツが見える。
こいつぁ、私も負けちゃいられない。
「そいやぁっ!」
酔った体が功を奏したのか夢の中だからか、桃は弧を描きつつお姉さんの胸元まできちんと飛んでいった。
それを鋭いスイングで打ち抜くお姉さん。ばぢゅ、っと鈍い音をたてて破裂する桃。
当たり前か、ボールじゃなくて桃だもんね。
「いやぁ、やられましたねぇ。バットの顔がベトベトですよ」
「確かに破裂しちゃしょうがないですねぇ」
「でもまだまだありますから。次はあなたがバットを持ってください」
なんて準備のいい人なんだろうか。お姉さんのポケットからは次々と桃が出てくる。
よし、こうなればその全部を打ち抜いてやろう。
私は女の子の両足を両手で掴んで持ち上げようとしたが、これがまたやたらと重い。
「んーしょっと!」
持ち上げることは叶わなかったので、ジャイアントスイングのように振り回すことにした。
これならばきっと桃を打ち返すこともできるだろう。
「いきますよー、そーれ」
お姉さんの投げた桃は、回転している女の子へと見事に直撃した。
その瞬間、私の手から女の子はすっぽ抜けてどこかへ飛んでいってしまった。
まぁいいか、あはは。
「ちょっと蓮子たんま! そのまま投げたら道頓堀に落ちるって阪神は優勝してないのよ!」
「そーれ!」
お父さん、お母さん。なぜメリーは今川へ向かってダイブしているのでしょうか。
親友が酔っ払ったあげく、境界の向こうへと落ちかけているのを必死で揺さぶっていた結果がダイブだとは。
ああ、人間ってピンチになると時間が遅く感じるって本当ですね。
ドンドン濁った水面が近づいてきました。川の中ではなぜか、髭を生やしたおじいさんが笑っています。
ああどっかで見た顔だと思ったらこのおじいさん、カーネルサンダースじゃん。
あの付近に今はケン○ッ○ーないけど。
しかし大阪生まれの身としては、評価せざる得ない!
24年振りの幻想郷からの帰還を祝って、今夜はパーティーバーレルで夕食です。
たしかに忘れ去られていたんでしょうけど^^;
全く理解が出来ないけど勢いで持ってかれた感が凄い
まてよ、天子のが見えてるってことは現実では……。
カーネルおじさんはきっと幻想郷から舞い戻ったんですね。
これで呪いも解けた事でしょう。
でも、今年の優勝はきっとカープ。私は信じ続ける。
けなげすぎに笑った。
なんというか、酔っぱらっいの思考と
夢に出てくる世界って似てるなと読んでて思いました。
だから幻想郷にはアルコールが馴染むのかと勝手に納得
これはひどい
天子はなるほど桃尻バットかw齧りつきたいね!
氏の作品は毎日楽しみにしております^^
頑張ってください!
後悔なんて無いさ、素晴らしい程全っ然、わかんねぇ!!