Coolier - 新生・東方創想話

ネタの出所

2004/10/17 23:09:03
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夕暮れ時、買い物カゴを下げて、嬉しそうな鈴仙が帰ってきました。
玄関先にあるポストに手紙が差し込まれているのを発見。
「あ、手紙が沢山来てる・・・全部師匠宛だ」
差し込まれていたのではなく、溢れていたようです。
その大量の手紙の束をポストから取り出し、買い物カゴに入れる。
ガラガラガラッ
「師匠~、只今帰りました!」
ドタドタと台所に向います。
普段なら落ち着いている鈴仙ですが、今日は妙に上機嫌です。
「こら、廊下は走らない!」
割烹着姿の永琳に窘められる。
実は彼女、今日のご飯当番である。
「あ、すみません」
はい、と買い物カゴを渡す。
「キャベツありがとね、あ、手紙もあるわね・・・
で、良い事でもあったのかしら?」
えへへ~と笑いながら
「えぇ、今日は「神主が見てる」の新刊が手に入ったんですよ!」
「え、あぁ、そういえば今日ね。うどんげは読んでるの?」
「はい、とっても面白いんですよ~」
そう言うと、買い物カゴから小説を取り出す。
「ふふ、後1時間位したらご飯よ」
「は~い」
鈴仙は返事をして部屋に戻りました。

この「神主が見てる」という小説、幻想郷の人間達に流行っていて、
その影響で、最近は妖怪にも広まっているという大ベストセラーである。
内容は、古いしきたりのある女学院での話で
登場人物は全て女性。
恋愛あり、活劇あり、策謀ありと濃い内容の作品である。
面白いのがそのしきたり。
生徒は名前で呼び合うのではなく、ロサ・○○と通称で呼び合う事、
生徒会を運営する生徒会役員にはスール(姉妹)制度があり、次期生徒会役員は
ロサ・○○・アン・ブゥトン、さらにその妹はアン・ブゥトン・プティ・スール、と呼ばれる。
ちなみに、生徒会役員は選挙か実力(弾幕)で選び出す。
現在の役員は、
ロサ・エターナル(パーソナルカラー・紅)
ロサ・スキーマ(パーソナルカラー・黄)
ロサ・ファントム(パーソナルカラー・白)
となっている。
現在、1部から3部まで発刊されており、1部3冊で完結している。

「神主が見てる」
1部:ハクレイ・トリプルウィッチ革命・上、中、下
   平和なマヨヒガ女学院に突如、独立宣言!?
   なんと首謀者は学年トップのロサ・ハクレイだった・・・
2部:メイド専門学校・紅魔塾の脅威・上、中、下
   ハクレイ革命は終結した。だが、その協力者だった3人の魔女の1人、ロサ・ムラサキ
   実は彼女は、メイド専門学校・紅魔塾の送り込んだスパイだった!?
3部:ロサ・アンデッドの出馬・上、中
   なんとか紅魔塾と和解したが今度は生徒会選挙!
   毎年、立候補はなかったのだが、今年はロサ・アンデッドと名乗る人物が・・・
著者 夜心・E・燐(よるごころ・エドモンド・りん)
紅月社出版 定価560GIL


ベッドの上で横になりながら、小説を読む。
これが彼女の読書スタイルだ。
「あははははっ、私もこんなドジしたことあるなぁ・・・」
鈴仙がハマっている理由は、流行のモノ、面白いから、以外にもう一つある。
主人公である、ロサ・イナーバ(現、ロサ・エターナル・アン・ブゥトン・プティ・スール)
にとても親近感をもったからだ。
彼女の行動、考え方全てに共感できた。
それに、彼女のグラン・スール(姉)のロサ・クスーリ(現、ロサ・エターナル・アン・ブゥトン)に夢中だった。
小説の登場人物なのに、憧れているのだ。
「あ~面白かった~」
パタン、と本を閉じ、
「今回もお姉さまがかっこよかったなぁ・・・」
ボフ、っと枕に顔を埋める。
読破後の余韻に浸る。
「ふぅ、」
むくりと起き上がると、小説を本棚にしまう。
本棚には、薬草学、弾幕学、その他イロイロな学術書が並べてあるが、
少しずつ、小説のスペースが増えてきていた。
「早く下巻でないかなー・・・
あ、そうだ夜心先生にファンレター書いてみようかな?」
そう口にすると、さっそく机に向う。
そのとき、コンコン、とノックされる
「・・・れいせん、ご飯、」
丁度、1時間経ったようだ。
「はーい」

ご飯の時間になる
今日は、ロールキャベツだ。
菜食主義が2人もいる為、野菜料理が多くなる。
鈴仙以外は席についていた。
「・・・おそい、」
遅れてきた鈴仙にてゐが不満を漏らす。
「ごめん、てゐ」
素直に謝って着席する。
ニコニコと、輝夜がその様子を見届け、
「それじゃあ、いただきましょうか」
「「「いただきまーす」」」
カチャカチャ、もぐもぐ
「あ、おいしい・・・師匠、今度ロールキャベツの作り方おしえてくださいよぅ」
「いいわよ、てゐはどうする?」
「・・・食べるだけで、いい、」
「クスクス、てゐは私と一緒に出来上がるのを待ってるもんね」
「ん、」
そんな会話をしながら食事は進んでいった。
永遠亭では、食べ始めも、食べ終わりもみんなが揃うまで待つ。
てゐを残して皆が食べ終わる。
てゐももうしばらく掛かりそうである。
そこで輝夜がおかしな質問をした。
「赤ちゃんってどうやってできるか知ってる?」
「ぶッ!?」
お茶を飲んでいた鈴仙が噴出す
「ウドンゲ、汚いわよ」
「す、すみません・・・」
輝夜は再度質問した。
「で、知ってる?」
ちらりと永琳を見る。
「(ん?あぁ!)二人は判るかしら?」
鈴仙が赤面しながら
「えっと、男と女が・・・えと、メシベとオシベで・・・ぁぅ・・・」
恥ずかしいのか、段々声が小さくなり、反比例して顔が赤くなる。
残りのご飯を飲み込んだてゐが口を開く。
「ん、・・・コウノトリが、はこぶ、」
「あ、あははは、てゐ、それならどこでコウノトリは赤ちゃんを拾ってくるの?」
鈴仙が笑いながら聞き返す
「・・・・・キャベツ畑、」
「あはははははッ」
爆笑する鈴仙
「あら、じゃあ試してみようかしら?」
そう言って永琳が台所に消える。
戻ってきた永琳の手には、まな板、包丁そして、キャベツが1玉がまな板の上に載っていた。
「あ、今日買ってきたキャベツ・・・」
まな板を机の中央に置いて席に着席する。
「そうよ、じゃあ確認するわね。あ、良く見えるように近づいてね。」
鈴仙、てゐが覗き込む。
「じゃあ、いくわよ」
キャベツに包丁を当てる。
「え、師匠、まさか・・・」
「・・・えい!」
ザクッ
ブシュ!
包丁の刃は、キャベツの中ほどで止まり、赤い液体を噴出す。
ピピッ
周辺に飛び散り、鈴仙やてゐ、永琳の顔や衣服に付着する。
「あら、中にいたのね・・・」
「・・・・」
覗き込んでいた鈴仙がゆっくりと顔を上げる
「・・・れいせん?」
鈴仙の体がそのまま、ゆっくりと後ろに倒れる。
フラ~、パタリ、
どうやら、気絶したようだ。
「・・・、さすが、えいりん、」
くしくしと顔に飛んだ汚れを拭き取るてゐ。
「何がさすがなの?」
「・・・・仕込み、」
クスクスと笑うと
「あら、てゐはウドンゲに頼んだお使いの内容は知ってるわね?」
「・・・ん、キャベツ」
「・・・・じゃあ、包んだお肉って、何の肉かしらね?」
クスクスクスと怪しく笑う。
顔に付着した赤い液体がさらに怪しさを醸し出す。
「・・・・」
ブルッ
てゐが身震いする。
「なんなら、確認する?・・・中身」
「ぅ、・・・」
兎の姿になり、
ピィと鳴きながら文字通り脱兎する。
逃げ出すてゐに、
「お風呂入ってから寝るのよ~」
ニコニコしながら輝夜が言った。
食卓の上の汚れを掃除しながら、
「でも、なんでこんな事を?」
「ネタの提供よ、夜心・E・燐センセイ」
コロコロと笑う。
「・・・知ってらしたんですか?」
「えぇ、イナバに借りて読んでたんだけど、すぐに判ったわ。
ウドンゲは気がついてないみたいだけど」
そう言うと、また、コロコロと笑い出した。

はじめは、お小遣いを稼ぐ程度だった。
その時の製薬に少し貴重なものが必要で、お金が必要だったのだ。
薬を売ればいいと思われるが、
新薬の精製がしたいのであって、売るために薬を作っているわけではない。
もちろん、欲しいと言われれば売りもするが、自分から売りに出す事はしない。
そこで、暇つぶしも兼ねて小説を書いた。
多少売れればいいかと考えていたが、
ここまでヒットするとは思いもしなかった。
今では、二束の草鞋となっている。
余裕で履き慣らしてはいるが。

後日、
「師匠、ちょっと買い物いってきますねー」
「いってらっしゃーい・・・・あ、そうか」
今日は、ロサ・アンデッドの出馬・下の発売日・・・
もちろん、キャベツネタが含まれている。
「・・・ウドンゲに怒られるかしら」
そう呟きながらも、続編を執筆するのであった。
SASUKEの里様の今日の一枚にあったネタを使用しました。
SASUKE様ゴメンナサイゴメンナサイ
EXAM
http://homepage3.nifty.com/exam-library/
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コメント



0.950簡易評価
15.40いち読者削除
 私はモトネタ(マ○みて、ですよね?)読んでないので知らないのですが、何故だか笑えました。ロサ・クスーリってどんな通称だよって思わず脳内ツッコミ。
 はてさて、ウドンゲはこの下巻で自分がネタにされてることに気付けるのか。
>「あははははっ、私もこんなドジしたことあるなぁ・・・」
 なんて笑ってる場合じゃないぞウドンゲよ(笑)。
16.無評価EXAM削除
おぉ、感想ありがとうございます。
勢いで書いたので感想あるとは思いませんでした。
元ネタはマリ○てであってます。
元ネタはまともな内容ですので興味があれば是非(宣伝終わり
うどんげ気が付かなかったらそれはそれで面白そうですね~