幻想郷に海が現われたという噂が流れ始めたのは至極最近の話。
どこを探したって湖の他に水溜りなんてないのに、見たと言い張る人間や妖怪は日に日に増えていく。
でも、「海を見た」と真顔で語るアリスを鼻で笑い飛ばしていた魔理沙が次の日、蒼白い顔で「海を見た」と相談を持ちかけてきたときはさすがにどうかと思った。
まさかアリスや魔理沙や、その他諸々の連中が嘘をついてるとは思えないけれど、海が幻想郷に侵食してくるだなんて突拍子のない話だ。
紫にそのことを相談してみても「何を言ってるの?」と不思議な顔をされ、事情を話すまで、ついに霊夢もおかしくなったのかと心配された。
そもそも海がどんなものかも、私はよく知らないんだけどね。
そんなある日の昼下がりのことだった。
雪がちらほらと舞っている中、ぼんやりと縁側でお茶を飲んでいると、マフラーを巻いた上白沢慧音が階段を登ってきた。
珍しいこともあるもんだとお茶を出そうかと思ったら、どうやら一刻を争うとのことだった。
「ほうっておけばマズいことになる」
要領を得ない言い方からはじまった慧音の話はにわかには信じがたいものだった。
寺子屋に通う子供たちが神妙に話している噂話。
初めは気にも留めていなかった話の内容が、日を追うごとに具体的なものに変わっていくんだそうな。
『もうすぐ海を見ちゃいけない日がやってくるよ』
そう話していた男の子が、昨晩どこかへ消えた。
その子の親御さんの知る限りは、家から出た気配はなかったとのこと。
神隠しに逢ったかのように、痕跡もなく消えうせていたそうな。
どうにか手がかりを掴もうと、慧音は部屋の歴史を覗いた。
すると恐ろしいことに、その子供は寄せられた水に喰われていたのだ。
初めは緩やかに打ち寄せているだけの波。
その子はぼんやりと立ちつくすばかりで、だんだんと激しく打ち寄せる波に吸い込まれるかのように消えた。
なぜこのような光景が映るのかは理解できなかった、そう慧音は話していた。
ただ一つ解ることは、それは何かの間違いではなく、確かに刻まれた歴史であるということ。
「妖怪の仕業なのかすら私には判断できなかった。どうにかこの異変を解決できないか?」
「無理でしょ。現時点じゃ何がなんだかわからないもの」
私はそもそも、その海をいまだお目にかかったことがない。
対峙していない相手をどうこうできるほど私も万能ではないのだ。
「気味が悪いと里の人間も怖がってな、博麗に来て欲しいと言っているんだ。
今日からしばらく、夜は一箇所に集まって寝泊りをすることにしている。
悪いが、お前もその場に来てくれないか? そのほうがきっと安心するはずだ」
「まぁ、いいけど」
「ああ、アリスや魔理沙も今夜からは里に来るそうだ」
「へぇ?」
「あの二人は、海を見ているからな」
神妙そうな顔をする慧音を見ていると、なんだか吹き出しそうになった。
アリスも魔理沙も、真面目くさった慧音も海を怖がっているんだもの。
実際見たことがないものに恐怖心なんて覚えない。
だって、ここは幻想郷。妖怪だって幽霊だって普通に歩いているじゃないの。
変に怖がっちゃって、ばっかみたい。
「ま、行くならさっさと行きましょ。なんなら結界の準備もいる?」
「一応、念には念を押してほしいんだが……」
「何ぶるってるのよ。らしくないんじゃないの?」
「いやしかしだな、私には里の人間の安全を預かるという義務が」
「はいはい、わかったわかった」
何事かを続けようとする慧音を振り切って、私は中へと戻った。
念のため、符や針を多く持っていったほうがいいと思って。
だってそのほうが、安心するでしょ?
大きめの袋に荷物を詰めて、さあいよいよ出発。
慧音は境内に待たせたままだけど、そう時間は経っていないはず。
別に待たせてることに罪悪感なんてないけどね。
そのとき不意に、小さな水音が聞こえてきた。
初めは聞き間違いかと思ったけれど、音はだんだんハッキリと聞こえてきた。
その音は、お風呂で桶をひっくり返したときのような音に似ていた。
水が、何かとぶつかって流れていく。
意識をそちらに向けると、鼻の奥を刺激するような生臭い匂いが漂ってきた。
吹き込んできた風が、やけに目に沁みた。
ああ、ついに私のところにもやってきたか。
音の鳴っているほう、つまりは慧音を待たせている境内のほうへと振り向くと、そこはすっかり水の打ち寄せる見知らぬ場所へと変わっていた。
『海ってしょっぱいんだってさ』
そんなことを魔理沙が言ってたっけか。
慧音の姿は見えなかったけれど、よっぽどのことがない限りは自衛できると思って気には留めなかった。
それよりも今は、目の前に現われた海のほうがよっぽど興味がある。
「ほんとにしょっぱいのかなー」
縁側から手を伸ばして水を舐めてみたら確かに塩の味がする。
二度舐めたいとは思わない味だったけど、貴重な体験ができたってちょっと嬉しかった。
それからふっと顔をあげると、遠くで人影が手を振ってきた。
ためしに手を振りかえしてみると、人影は私に向かって手を振りかえしてきた。
なんでだろうね。そこまで歩いていける気がしたんだ。
濡れるのも構わず、一歩また一歩と人影のほうへと歩を進めてく。
踝までだった水がふくらはぎまで来て、ついには膝の高さまで水がきたのに一向にそこへ着く気配がない。
「変なの」
思ったことを口に出しちゃうときって、強がりだったりするんだと思う。
ようやく、私は自分の蛮勇に気が付いてすかさず人影に針を投げつけた。
途端、海は地面の中に染み込んだのか消えていき、いつもの神社の境内に戻った。
「は、博麗……大丈夫だったか?」
「ちょ、ちょっとダメかも」
ぜーはーぜーはー荒い呼吸音がする。
それが自分の呼吸だって気づくまでには数瞬の間が必要だった。
なるほど、こりゃ恐い。
「わかったわかった。今夜は結界を張って寝るわ。
っていうか、そうじゃなきゃ私が寝らんない」
「わ、わかった、それじゃあ行こうか」
いつもの余裕はどこへ行ったのやら。
自分のことが自分でも滑稽だった。
◆
いつもは活気に溢れている里が、海が出る噂のせいか、人っ子一人歩いて歩いてやしなかった。
それにしてもさっきは危なかった。好奇心ばかりが先行して、人が一人消えているのに緊張感をまったく持っていなかった。
気をしっかりと引き締めなおしていかないと危ないかもしれない。なんせ、弾幕ゴッコが通じる相手ではなさそうだから。
久しぶりに妖怪じみた妖怪と対峙しなければいけないと思うと、武者震いが起きてきた。
慧音に連れられて講堂に入ると、集まっていた人たちの目線がすべて私に向く。
その全員が恐怖の色に彩られている。
「よう霊夢」
「きたのね」
仲がいいのか悪いのかよくわからない魔法使いコンビが、立ち上がって寄ってきた。
得体の知れない気持ち悪さからか、二人の顔色は優れなかった。
「来る途中、紅魔館に寄ってきたんだが、あそこも今夜は一部屋に集まるらしい。
いや、どこもそうだろうな。なんたって気色が悪い。気づいたら水の音が聞こえて水の中に立つことになるんだからな」
ぶるるっと魔理沙が体を震わせた。
アリスは魔理沙の肩を抱いて、私のほうへ懇願にも似た目線を向けてきた。
「正体はわかりそうなの?」
「いんや、正直わからない、かな。私もさっき海に連れ込まれたけどどう対策すればいいのか。
これから周りに結界を張ってみるけど、一体どうなるかは……」
「へ、変なこと言って不安がらせないでよ」
「頼むぞ博麗、お前が頼りなんだからな」
慧音が耳元で囁いてきた。
なるほど、大きな声で無策だって言ってしまえば関係のない里の人にも不安が伝播してしまう。
私は胸を張って、どうにかなると言わなければならないのだ。
「大丈夫よ。さっきは針を投げたら海が退いたもの。針が怖いってことは実体があるってことでしょ?」
正直、もう一度対峙したとして同じ方法で切り抜けれるかはわからない。
落ち着いて考えてみれば、気が抜けていたとはいえ軽率な行動を取ったことがどうにも気持ちが悪い。
「とりあえず、今夜は結界を張って交代で番をしましょう。
音が聞こえたらすぐに誰かを起こすこと。これだけは絶対に厳守して。」
私の言葉に、人の集まりの中からすっと手が上がった。
求聞史記の編集者の、稗田阿求だった。
「よろしいでしょうか、霊夢さん」
「何?」
「たぶん、今回は海に纏わる妖怪ですよね。幻想郷には海がありません。当然妖怪退治のノウハウはないわけです」
「ええ、確かに」
「私も資料だけで見たことがあるだけですしね。正直言って、霊夢さんは対処療法しか現状持ち得ないと思われます」
「……」
否定はできない。結界を張って寄せ付けないようにするとはいっても、それが本当に通用する相手かどうかは未知数。
そもそも相手が一体どこの何者かすら、そのヒントすらわかっていない。
「そこでです。私に一つ案がありまして……」
「何?」
「簡単な話です。我々は皆、海を知らない。ならば知っている相手に聞けばいいと思いませんか?
例えば長命な妖怪ならば、幻想郷に来るまでのことも覚えているはず。
まったくの無策で臨むよりもよっぽど建設的だと私は思いますが」
確かにその通りだと思う。しかし紫に相談したときはまったく思い当たるような素振りを見せなかった。
文や萃香も見聞は広そうだが、二人とも今の状況で捕まえるのは骨だ。
「妹紅……ああそうだ、妹紅なら何か知っているかもしれない」
「藤原さんですか? ああ、あの人に聞くほうが、妖怪に聞くよりもよっぽど可能性はありますね」
阿求が、慧音の言葉に得心したように頷いた。
「わかった、すぐに呼んでこよう。妹紅は……どうせ竹林にいるはずだ。すぐに呼んで戻る。待っていてくれ」
「わかりました。気をつけてください」
「ああ。博麗、この場は任せたぞ」
慧音はそう言って、大急ぎで里の外のほうへと駆けていった。
その後ろ姿を講堂から見送っていると、入れ違いに知った顔が歩いてきた。
蛇と蛙の髪飾り、東風谷早苗と二柱だった。
「こんにちはみなさん。この度はまた気色悪い異変が起きているようで」
早苗は神妙な面持ちで頭を下げ、魔理沙とアリスの会話へと混ざっていった。
神奈子と諏訪子の両名は何事かを呟き合い、時折頷いて見せている。
藤原妹紅に聞くまでもなく、この二柱だって何か知っているかもしれない。
空いた時間があるのだから、悪あがきはすべきだろう。
「神奈子、それとあと諏訪子」
「なんだい? 博麗の」
「んー?」
二柱の態度は、やっぱりどこか取り繕ったような不可思議な態度だった。
「あんたたち、今回の異変について何か知っているのね?」
カマかけでしかないし、他には聞こえないように声のトーンは落とした。
だけど私は、こういったカマかけを外したことがないのだ。不思議だけど。
神奈子と諏訪子はお互いに顔を見合わせ、どこか話しにくそうに私の目を見返してきた。
「少し、外へ出よう博麗の。ここじゃちょっと、話にくい」
「……わかった」
神奈子の提案で、講堂の外で二人と改めて向かい合った。
二人の顔はどこか曇っていて、それが余計に、今回のこととの関係性を予感させた。
「まぁ、今回のことに詳しいのは諏訪子のほうだから、私は黙るけど」
「うん、まぁそうなるだろうね」
二柱は頷きあってから、ぽつぽつと話にくそうに話しはじめた。
「たぶん、今回の犯人は土着神の一種だよ。それも、人を魅入って攫っていく。
私の住んでいた地方とは違うけど、海の近くでは当然、海が畏れの対象になっていたもの。
山を畏れたものたちが存在していたように、海には海の神様……って言えるのかなぁ。むしろ妖怪に近いかもね。
海に誘い込んで人を誘う妖怪はそれこそ掃いて捨てるほどいるけども、こんな乱暴なことをするのは私の知る限りはいないよ。
私の想像に過ぎないけど、引き金がどこかに存在しているはず」
「じゃあ、対策はおいおい考えるとして今は何をすればいいの?」
「そのために私が来たの。巫女は大和の神とは交信できても、土着神であれば私のほうが向く話だし」
神奈子が諏訪子の言葉に頷いた。
「今夜は絶対、どんなことがあっても覗かないこと。それは神奈子もだよ?
私の声で呼ぶことがあっても絶対に出てきちゃだめ。そうだなぁ……太陽が丁度真上に来る時間までは絶対に。
あ、それと外が急に明るくなったりしても出てきちゃだめ。早苗が時計を持ってるから、時間をきちんと見てね」
「う、うん……」
「ったく悪趣味だねぇ……。まったく何の用で幻想郷に入ってきたのやら」
「神は信仰のあるところに居るの。例え海がないここであっても、誰かが存在を望んだら呼ばれて遊びたくなるの。
気持ちはわからないでもないよ。どうせ外の世界で退屈をしてて、軽い気持ちで踏み込んできたんじゃない?
もしかしたら悪意はないのかも。ここの住民って海を見たことがないから、その反応が面白くてとか……。
とにかく、今夜は私が取り仕切るから!」
「餅屋は餅屋にってことでしょ? じゃあ、結界はどうすればいいの?」
「形式だけ張るのがいいかもしれない。拒絶の意思をハッキリ見せたら怒らせるかもしれないから。
遊びに来たのに門前払いをされたら気分悪くなるでしょ? だから、一応は歓迎の意思を見せといたほうが……。
でも作法がわからないなぁ。ま、でもいっか。鰯の頭もなんとやらって言葉もあることだし、実があれば伝わるでしょ」
「まぁ、中にいる人らは全員海が出ることを怖がってるけどね……」
「早苗は大丈夫だろうけどね。あの子は本当の海を見ているし、同い年ぐらいの子が毎年死んでいることも知ってる。
幻想郷の人間は海に対して漠然な思いしか持っていないからねぇ。知識がないのが危ないんだ」
「畏れるべき存在を知らず、土足で踏み込めば痛い目に会うのは道理だから……」
二柱の言葉が耳に痛かった。妖怪退治の専門家、幻想郷の守り手であるべきものとして、私はあまりにも軽率な行動を取ってしまっていたから。
「何か、手伝えることは」
「あるよ」
「何? なんでもするわ」
「あんたは人間たちの心の支え。今夜はきっと、長い夜になる。あんたが平常心を乱してちゃ、どうにもならないでしょ?」
諏訪子はそう言って、ニヤリと笑った。
その表情に心の奥が見透かされたような気がして、顔が熱くなる。
「あ、赤くなった。なんだ、可愛いところもあるんだね。うちの早苗のほうが十倍可愛いけど」
「百倍は可愛いさ、そうだろう諏訪子」
ニ柱はいつもよりも陽気に見えた。
それが無理やり作っているから元気のようにも見えたのは気のせいか。
「神奈子、そろそろ、雨がくるねェ」
「本当だ、風が湿っぽい。ささ、中に入ろう」
「でも、慧音たちが帰って来てないんだけど」
「あぁ……彼女らは、今日中には戻れないかもしれないよ。海がそこまで来てるから」
諏訪子はそう言ってから、舌を出して空気の湿度を確かめていた。
「それでですよ魔理沙さん。水死体というものは水をたっぷり吸ってブヨブヨになってですね……。
生前の面影などまったく残していないわけです。それに溺死というのはもっとも苦しい死に方と言われてまして」
「あわわわわわわ……」
「だ、誰か阿求を止めなさい! 死人が出ても知らないわよ!」
「そうですよ。一度犬が溺死したのを見てしまいましたがあれはもう……」
「うわわわわわわ……」
「それ以上は駄目! 魔理沙だって一応女の子なのよ!?」
すっかり陽も落ちきってしまい、床に入って休む者も現われはじめたころ。
慧音がいつまで経っても帰ってこないことを訝しがる者もいたけれど、結界の管理を任せていると誤魔化した。
下手にパニック状態に陥れば、収拾がどうやってもつけることができない。
幸い、空元気を全力で回している魔理沙が、早苗へと積極的に話を振り、阿求が質問をするという流れができていた。
時間も時間なので、話し声はヒソヒソ話になっていたが、とにかく何か喋ってないと保たないのだ。
「それでですね、夏になるとたくさんの人が砂浜に集まってパラソルの下で休んだり」
「砂浜ってのが、いまいちイメージできないんだよなぁ。砂がものすごいたくさんあるんだろ?」
「まぁ端的に言えばそうですね。私の出身は海がそこまで近い場所じゃないので、知識は少し乏しいんですが」
「私の知る限りではなんでも、世界中の半分以上が海で出来ているとか」
「ええそうですよ。人間が住める場所なんて一握りですから」
「へぇー……。で、砂浜ってのは砂漠とはまた違うんだろ?」
「違いますねぇ」
講堂の窓は全部塞がれている。
外から覗かれれば一大事だからという諏訪子の指導によるものだった。
二柱は戸口のところで何か打ち合わせをしているようだが、ここからでは会話は聞こえない。
「ねえ霊夢」
「ん? どうしたのアリス」
「居なくなった子供さんがいるでしょ、そこの親御さんが霊夢と話したいんだって」
「え、ああわかった。すぐ行くわ」
「ええ、こっちよ」
アリスに連れられて行くと、小柄でひょろひょろの中年男性と、少しだけふくよかな中年女性が落ちつかなそうに座っていた。
この人らが、海に攫われたという子供の両親なのだろうということはすぐにわかった。
「こんばんは、何か御用でしょうか」
そう言うと、両親は地面にひれ伏した。つまりは土下座だ。
「お願いです博麗の巫女さま、どうか息子を助けてください。遅くに授かった大事な子供なんです」
「きっと寂しくて泣いてるに違いねェ……男らしくないっていつも叱ってたが、まさかこんなことになるとは」
どう答えればいいのかわからなくって、私はアリスの顔を見てしまった。
私は海の正体が皆目見当もつかず、諏訪子に丸投げしようとしているのだ。
「大丈夫ですよ。博麗の巫女は異変に関してはものすっごいがんばりますから」
アリスが、母親の背を抱きながらフォローを入れてくれた。
アイコンタクトで「これ、貸しね」と伝えてきたが、それに対してウインクで返す。
「ええ、できる限りのことはしてみます。今日は遅いですし……」
「……何か、聞こえないか?」
魔理沙がポツリと呟き。皆が耳を澄ました。
どこか遠くで薄ぼんやりとしていた音が、だんだんと輪郭を成す。
生臭い潮の香りが漂いはじめると、講堂にいた全員の表情が曇った。
それからの行動も様々で、体育座りになって縮こまる者、思わずアリスのスカートに潜ってひっ叩かれる魔理沙。
布団に入って寝始める阿求と様々だ。
「それじゃあ私は出てくるから、頼むよ」
諏訪子が戸口から出て行って、今平常心を保っているのはたったの四名だけ。
そのうちの一人だった阿求は、寝息を立て始めた。一名脱落だ。
「諏訪子さまがなんとかしてくれますよ、諏訪子さまって意外とすごいんですよ?」
前言撤回。この場で平常心を保っていたのはたったの二名だけだった。
気づけば、私の心臓は早鐘のように鼓動を刻んでいる。
息が苦しい。
神奈子は閉じた戸口をずっと睨みつけていて、何かが入ってこないように監視している。
波の音は、静かに、確かに聞こえてくる。
「私だ。やれやれようやく妹紅が捕まったよ。中へ入れてくれ」
慧音が帰ってきた。
どう聞いてたって間違うわけがない。
ここまでハキハキとした口調で話す人物は、幻想郷全土を探したっていやしないだろう。
「入れるわけにはいかないねェ。どっかで夜を明かしな」
神奈子の言葉に、起きていた人たちはざわついた。
なぜ上白沢先生を中に入れないのだ。
彼女が一番信用できる、と里の人たちは口々に文句を言った。
「上白沢慧音は賢明だ、こんな夜中に帰ってきたりしないさ。大体、本物ならば入る前に諏訪子と会話をするだろう?
そんな声はまったく聞こえてきやしなかった。さ、さっさと帰りな」
扉越しに、人の気配が消えていく。
なるほど、妹紅を連れてきたと言っているのに、離れて行く人の気配は一人分だった。
「いいかいよく聞いてくれ。窓を叩かれても無視するんだ。
一体どういう手を踏んで中に入ろうとしてくるかはわからないからね。
あと、厠に行きたいときは必ず付き人をつけること、いいね?」
「聞いた? 私からもお願い、今夜は神奈子の言うことに従って」
神奈子のことを胡散臭そうに見ている人たちのために、博麗の巫女からお墨付きをつけた。
博麗が言うなら仕方ない……。上白沢先生が連れてきたんだから、と納得する里の人々。
幻想郷では新参者の神奈子たちを、いまいち信用し切れてはいないのだ。
「ちょっと、凹みますね」
早苗が悲壮感の欠片もない表情で笑っている。
二柱のことを心の底から信頼しているから、できる表情だった。
「早苗は、神奈子や諏訪子のこと好き?」
「ええ、大好きです。信仰している神様というよりも、八坂さまも諏訪子さまも、私にとっては両親みたいな存在ですから」
私も早苗のように、あの二柱を心の底から信頼できれば不安でなくなるんだろうなと思う。
神奈子はまた先ほどまでと同じように、戸口を睨みつけながら時折舌打ちをしている。
ふと、布団の敷かれているほうを見ると、なんと魔理沙とアリスが抱き合って震えていた。
「ぷっ!」
「なっ、ちょっと霊夢何がおかしいんだよ!」
「そうよ、ちょっと酷くない?」
抗議の声をあげる二人。けれど、二人はずっと抱き合ったままだった。
確かに得体の知れない気持ち悪さは漂っているけれども。
そこまで考えて、さっきまでの自分も大差がなかったことに気づいた。
まぁでも、関係なくからかうけどさ。
「あんたたちって仲悪いとか言ってなかったっけ? アリスは魔理沙のこと田舎くさいだとか、魔理沙はアリスのことをスカしてるとかいって」
「そ、そうだぜ。今回だってアリスが心細いって言ってるからこうして抱きしめているやってるわけで」
「嘘おっしゃい! 魔理沙のほうから持ちかけてきたんでしょ!」
結局仲良しなんじゃないか。
二人はすっかり拗ねてしまったけど、それでもお互い離れようとしないのが余計に面白い。
夫婦漫才を見ていても仕方ないとは思うけれど、心のほうは大分楽になった。
この掛け合いを見ていた里の人たちの間でも、小さな笑い声があがっている。
からかっているうちに、今度はコンコンと窓を叩く音がした。
「あーうー」
「諏訪子さまの声ですね」
早苗はそう言って、眉一つ動かさずに湯飲みを傾けていた。
まったく気に留めていないところが凄い。
「なぁ早苗、心配じゃないのか? なんだか苦しそうな声だったが」
「そ、そうよ。見てきたほうがいいんじゃないの?」
「大丈夫ですよ。諏訪子さまは決して覗いてはいけないと言っていましたし、何かあれば私よりも真っ先に八坂さまが動きます」
神奈子のほうへと目をやると、腕を組んで退屈そうにしている。
別段、変わったことなどないことを態度で表している。
「魔理沙もアリスも心配しすぎなのよ。神奈子だってあんなに堂々としてるじゃない」
「あいつはアレじゃないのか。耳が遠くなってるとか」
「んー? 今聞き捨てならないことが聞こえたねぇ。どこのどいつだい?」
「アリスが腹話術をしたんだな。そうに違いないぜ」
「そうやってすぐ誤魔化そうとする! そういうところが魔理沙のいけないところだっていつも言ってるじゃないの」
「まぁまぁ落ち着いてください皆さん。諏訪子さまが今がんばっておられるでしょうし」
早苗のフォローが終わると、講堂は急に静かになってしまった。
コンコン、と窓が叩かれる音だけが響いている。
「歌でも歌って気分を紛らわせませんか、私はこっちの歌をよく知らないので教えてください」
「あ、ああじゃあなんか歌おうぜ。黙ってちゃ頭がおかしくなりそうだ」
「何歌う? 私はちょっと、こっちの歌には疎いけど……うーん。適任なのが居ないから」
「慧音が居たら、寺子屋の先生だから色々あるんだろうけど」
「あ、じゃあしりとりしませんか、はい、しりとり」
「りんご、次魔理沙ね」
「ご、ゴースト、次アリスな」
「トースト、じゃあ次は早苗かしら」
「戻ってきましたね。トパーズ、です」
しりとりには魔除けの効果が含まれている。
早苗はそれを知っていたかいなかったか、気分転換にはもってこいの遊びだった。
眠れない子供たちや大人たちも、そこかしこでしりとりなどを始めている。
相変わらず窓は叩かれていたけれど、それを気にするのはここにはもう居なくなっていた。
海の音は相変わらず聞こえてきた。
近いのか遠いのかはいまいちわからないけれど、ザパーンと壁に当たる音がする。
閉じた場所、さらには神様が見張っている場所には入ってくることができないのだろう。
「そういえば魔理沙、あんたはどこで海に? たわし」
「あぁー私か? キノコを収穫してたときにだぜ。紫蘇」
「私は人里に行こうと思って森を歩いていたときに急に。いつの間にか魅入ってて、水位が上がってるのよね。ソーセージ」
「ジークフリート。あ、知ってます? 神話に出てくる英雄さんなんですけど」
「ドリル。へぇ、やっぱり外じゃないと出てこないのかしらね。というか、ここに来てない連中は大丈夫だったのかしら」
「瑠璃。まぁ、紅魔館の連中だとかには万が一のことはないだろ。美鈴辺りは流されてるかもしれないがな」
「リストバンド。聞く限りだと幻想郷中で人妖問わずに逢っているみたいだけど、どうなのかしら」
「ドクターペッパー。あ、知ってます? 外の世界の飲み物なんですけど面白い味がするんですよ。私は美味しいと思います」
「パルスィ。早苗、あんたもう少しわかりやすい言葉を使いなさいよ」
「生け簀。だぜ、さっきから説明しなくちゃわからない言葉ばっかりじゃないか」
「萃香。まぁでも外の世界って色々な言葉あるのねって感心しちゃったわよ」
「カール。おやつの名前です!」
早苗が嬉しそうに胸を張っているので、何か言おうとしていた気も失せてしまった。
この子はやっぱり、どこかズレている気がしてならない。
「楽しそうだねぇ。まだ日が登りきるまで時間はあるし、寝られそうなら寝たらどうだい?」
「まぁ確かに、そろそろこの状況にも慣れてきたな」
「普段からとっくに寝ている時間だものね」
魔理沙はそういうと、大きなあくびをして見せた。
アリスも眠たそうな目をしている。眠たいことを神奈子の言葉で思い出したのかもしれない。
「んじゃ私は寝させてもらうぜ。相変わらず音は聞こえてくるが、これぐらいバックミュージックって思えば怖くもなんともない。怖くないからな」
「私も休むわ。最近良く眠れてないのよ……。この音が聞こえてくるとびっくりしちゃって跳ね起きるのよ」
「はいお休み。早苗は?」
「私はもう少し起きてますよ。ちょっと八坂さまとお話でもしてきます」
魔理沙とアリスはそのまま布団へ潜りこんだ、ご丁寧に隣同士だ。
心細いのもあるだろうが、やはりご近所さんに魔法使い同士、ある種のシンパシーも持っているんだろう。
なんだかんだで、結構一緒に居るのを見るし。
さてと、結局私は何もできていない。
初めの頃よりもずっと、講堂の空気はよくなった。それは確か。
でも、私は博麗の巫女としての仕事を何一つ成せていない。
そのことが、ちょっとだけ悔しかった。
かといって、変な冒険心を起こすような気にもならない。
話し込んでいる神奈子と早苗の二名はいつになく真剣で、そこに私一人のワガママを持ち込んでもしょうがない。
それに、慧音だって、今はどこで何をしているのか。
その事を口に出すものはいなかったけれど、そのことを不安に思っている人間が大勢居るはず。
「博麗の巫女」がいるからパニックになっていないだけで、まとめ役が居なければ外に飛び出す者もいたかもしれない。
必要なのは秩序を守ることであり、常に妖怪退治の先頭に立つことが必要とされているわけではない。
それぐらいわかっているはずなのに、どうしてこんなに悔しいんだろう。
「かーなーこー。ちょっと博麗の呼んでくれないー?」
「えー、じゃあ合言葉を」
「早苗の学校の近くにあったラーメン屋は、ラーメンよりチャーハンが美味い」
「餃子は?」
「二人前」
「確かに諏訪子だ。開けるよ」
「……なんですかその合言葉」
なんだか悔しさが吹っ飛んだ。
どうも諏訪子に連れられて外へ出ると、あれほど恐怖心を煽っていた海の姿は消えうせていた。
代わりに立っていたのは、まだ寺子屋に通っているぐらいの年齢の男の子と、同じぐらいの背丈の女の子だった。
どちらも質素な格好をしている、寒くはないんだろうか。
「どういうこと? 海がどこにもないけど」
「ようやっと説得できたの。めんどくさかったんだから」
諏訪子の言葉は要領を得ていなかったけれど、うすっぺらい胸を張っているのだからがんばったんだろう。
ポケットに飴玉あったっけな。
「そっちの子が、今回の異変の主犯」
「へ?」
ペコリと頭を下げる女の子。
男の子は、女の子を庇うようにして立ちはだかった
えーと?
「いつのまにか私が悪役になってるんだけど?」
「まぁ話すと長いっていうか、端的に話すと、この男の子は見初められちゃったわけ」
「……は?」
「つまりは、神様と結婚することになったんだよ、この子は」
「短いじゃん」
「それで私が仲人をすることになってねー、いやいや結構揉めたんだよ? まだ若いけどやっていく自信はあるのか、とか」
「台無しだー!!」
「何がだー!!」
発狂した私の声に驚いて、早苗と神奈子が戸口から飛び出してきた。
しかし時既に遅し。諏訪子は私のスピニングトゥホールドの餌食になり、タップをしていた。
思いっきりタオルを投げる神奈子と、私の右腕を天高く突き上げる早苗。
守矢神社は一体どういう教育をしているのか。
「いやはやでも良かったじゃないですか。結局誰の犠牲も出なかったわけでしょう?」
「ったく……。幻想入りした神様が、お友達欲しさに手招きしてたって、ちゃんとそう言えばよかったじゃないの」
早苗がフォローを入れてくるけど、どうにも気持ちは治まらない。
イライラしているのが伝わったのか、土着神の少女は男の子の影へと隠れてしまった。
どうやら、大分嫌われてしまっているらしい。別にいいもんねーだ。
「霊夢が針を投げたでしょ? あれですっかり怖がっちゃってさ。恥ずかしがり屋で、ああいう風にしか人を誘えない子みたいだし」
「だからって、紛らわしいでしょうのよ……。魔理沙とか歯をガチガチ鳴らしながら布団に潜りこんじゃうし」
「博麗だって随分怖がってたじゃないか。いやはやいいもんが見れたってもんさ」
「八坂さま、あまり言ってあげるとかわいそうですよぅ」
どうやら守矢の連中は、私の手にかかって葬られたいらしかった。
一家揃って、私のことを弄る気満々なのが空気に乗って伝わってくる。
「はぁ……。それでまぁ、今回の異変はもう終わりってことでいいの?」
「まぁ、そういうことになるねぇ。よかったじゃないか、一戦交えるようなことにならなくて」
「そうそう。話し合いで解決できることは話し合いで解決するのが一番だよ」
「諏訪子さまと八坂さまも、いつも話し合いで解決してくれると私も助かるんですがね」
チクりと針を刺していく早苗。二柱が言葉に詰まった瞬間はずっと残しておきたいぐらいに面白かった。
まぁいいや、これでチャラでしといてやろ。
早苗だけは別だけどね。
「あーもう疲れたから寝よ……。おやすみ」
「あれ、もう戻るのかい? この子らに何か聞きたいこととかは」
「そんなのは全部慧音の仕事でしょ。私は興味ないの」
「あーらら、やっぱり博麗の巫女は恋愛ごとには興味のないおこちゃまかぁ」
「もう一回言ってみなさい蛙神、殴り飛ばしてスワコォ! って言わせてあげるから」
「まぁまぁ、二人が怯えてるのでこれぐらいで矛を収めてください、ね? ね?」
私たちが何度も堂々巡りを繰り返している間、会話に参加していなかった二人はずっと手を繋いだままだった。
子供のくせに、すっかり堂に入ってるんだから。ちぇっ。
◆
海が幻想郷に現れる異変が落ち着いてから、もう一週間が経った。
あの日は結局講堂に泊まることにし、落ち着いてからきちんと説明を終え。
その日のウチから皆が、元の生活に戻っていった。
結局のところ、正体がわからなかったから恐怖心が煽られていたのであって、正体が割れてからはあっさりと受け入れられていた。
魔理沙やアリスは少しだけ不満気な顔をしていたが、すぐに馴れ親しんで一緒に遊ぶ約束までしていた。
なんだかんだで、あの二人は順応性が高いと思う。
先日、慧音がわざわざ神社までやってきて、今回のことの顛末について詳しく話してくれた。
あの男の子は昔からホラ吹きで、恥をかくことの多い子だったらしい。
その時も、ついつい海を見たことがあると大見得を切り、ほかの子らに海を見せてやると約束をしてしまった。
しかしもちろん、幻想郷に海など存在するわけがないし、見せられることもない。
しかし何の因果か、海辺で畏れを集めていた土着神が幻想郷へと流れてきた。
慧音が語ったところによると、これは必然なのだろうとのこと。
外の世界で必要とされず、力を喪った神が幻想入りしたのは、自発的ではあるが八坂神奈子がまさにそれだった。
今回は外の世界で必要とされなかった上で、幻想郷の住民が海が欲しいと強く願った。
上手く噛み合った結果、彼らは供に生を歩みことになったのはまた不思議な縁だな、と慧音はしみじみ語っていた。
無事にオチがついたからいいものを、悪意の塊のような妖怪が流れこんでいたならばと、少しだけ薄ら寒い。
「でもまぁそのときこそ、私がどうにかすりゃいい話よねぇ」
ちなみに慧音は、妹紅を捕まえるのに手間取り、日が落ちるまでに戻れなかったらしい。
里まで戻ってくると、講堂のほうからは波の音が聞こえてくる。
これはまずいと二人で相談し、空から様子を眺めると諏訪子と少女がずっと話し込んでいる。
隣をすり抜けて戻るわけにはいかないと、その日は近くの家を借りて休んでいたらしい。
『結局、有用な情報は得られなかったしな』
そういって頬をかく慧音は、大袈裟に騒いでしまったことを後悔しているようだった。
「ま、平和が一番ってことで、ここは一つ、ね」
過程はどうあれ、平穏無事に終わったならばそれはそれで、めでたい話なのだから。
さ、今日も今日とて茶が美味い。
彼らは幻想郷入りは、出来ないんですかね?
それとも、どっかに海的なフィールドが隠れてるのか…?
……海難法師怖いよぅ。
最初はガチホラーなのかとビクビクしながら読んでいましたが、中々どうして
最後はやはりいつもの氏の作品の幻想郷らしく纏まっていて、大変ほんわかしました。
幻想入りするのは難しいんじゃないかなぁ
まぁでも現代日本はともかくとして、外国では未だに海の妖怪は恐れられているし
ただ端に幻想入りする必要が無いだけかもしれんね
海の妖怪がもしも幻想入りする時は海も一緒ってことになるんかな
海が幻想入りするってのは宇宙戦艦ヤマトの世界みたいにならんと幻想入りしなさそうだ
幻想郷と同じフィールドで海があるのは月の世界くらいだしなぁ
もしかしたら海の妖怪が幻想入りする時は月へ行くのかもしれないね
それぞれのキャラクター行動や思考も違和感なく書き込まれており、滑らかな文章も相まって安心して楽しめました。
ひとつだけ気になったのは八雲紫の行動です。外の世界を知る紫なら、霊夢に問われた時に、海に関係した土着神について何らかの示唆を与えてもいいと思うのです。
「(成長を促すため)霊夢自身に解決させようとした」とか「(諏訪子に異変を解決させる事によって)里の人間の守矢神社への警戒感を解かせようとした」と考えれば、示唆を与えない事もありえる話ですけど。
実際、物語の中では、霊夢は「異変解決で自分のなすべきは戦うことだけじゃない」と悟ったでしょうし、守矢神社の面々への里の人間の警戒感はかなり緩和されるに違いありませんから、大した問題じゃないといえばそうなのですが。
あと、早苗のしりとりに吹きました。みんなの知らない言葉って‥だめだろ、それ。
キャラがみんな生きてますね。
雑多になり過ぎず程よい感じでまとまっていて読みやすかったです。
次作も期待していますね。
なんか誤解と憶測で膨らんでいくって感じがいいね
そして結婚してしまう少年のなんと幻想郷的なこと
水着が無くたって、
水で肌に張り付いた巫女服さえあれば・・・
水で透けた巫女服さえあれば・・・俺は戦える・・・!
そしてこの真面目で素直な霊夢はなんか新鮮だ。
難しい事はいえませんので、一言。
面白かったです。
綺麗な海はなくなったので、その神様だったりとかと考えればなんとかつじつまがつきますかね。
諏訪子が「絶対にのぞくな」と言ったその理由がなぜだったのかがわからないのがちょっと残念です。
なんとなく、崖の上のポニョを想像してしまいましたが、アレよりは怪談的で…。
…難しいことはやっぱりわからないです。けど、面白かったです。
黒幕は諏訪子か、ルルイエの方々かと思っていたのにあら不思議
なんともほんわかした後味の作品でした。
……ああ、お嬢様のカリスマが下がっていく……
神奈子様と諏訪子様がすごく頼もしかったー…。
にしても、正体不明のものって本当に怖いですよね…。
海って怖いですよねぇ。
それにしても
合言葉ワラタwww
守矢一家の暖かい結束と、微笑ましい魔法使いコンビが愛らしくてしょうがない!!
霊夢の一人称もいい具合に適当で気が抜けていて素晴らしい。
すっかりはまり込んで読んでしまいました。
>思わずアリスのスカートに潜ってひっ叩かれる魔理沙。
うらやましすぎる。
ただけーねはもこたんにもう少し早く相談してそう。
ただちょっと気になる点が。
少年の親御さんは納得してくれたのかな?
そのあたりの描写が欲しかったな、と。
守矢一家がなかなかどうして かなり面白かったです
また愉快な日本の神様が1人、幻想郷に逝ったんですね・・・
あとがきのレミリアでくそ吹いた
ぎゃおーぎゃおー!!ってなんだよ・・・
でも最後のドS咲夜さんに全てを持ってかれたww
恐かったけど、合い言葉でフランドーンっ!!