「霊夢、この池に玄爺が居るの?」
「そうよ。今はこの池で隠居生活」
「へぇー」
今日はアリスを神社の裏手にある池に誘った。デートと呼べるかは疑問だけど。
自力で空を飛べるようになってからは玄爺の事半分忘れてたけど、アリスが興味あるって言うからそれを口実に誘えたわ。ありがとう玄爺。
見るとアリスがブーツを脱ぎスカートの裾をまくっている。どうやら水遊びをするつもりのようだ。
「深くは無いけど滑らないように気をつけてね」
「霊夢は心配性ね」
やっぱりアリスは絵になるわぁ。夏の強い日差しも周り木々のおかげで輝く木漏れ日になっている。キラキラ光る水面でアリス自身がいつもより眩しい。昔読んだ絵本のお姫様ってあんな感じだろうか。
「きゃっ!?」
「アリス!」
突然アリスが水の中に入ってしまった。
この池は浅いはずなのに深い場所があったんだろうか。慌てて助けに向かう。
すると突然水面が円形に光りだした。何事かと思っていると6枚の翼を持つ赤いローブをまとった女性が現れた。
「貴女が落としたのは金の延べ棒ですか?それとも樽一杯の銀貨ですか?」
「…何やってんのよ?神綺」
現れたのはアリスの母親だった。わざわざこんな場所まで来て何の用だろう。
それよりもアリスが心配なので池に私も池に入る。
「貴女が落としたのは金の延べ棒ですか?それとも樽一杯の銀貨ですか?」
神綺は質問に答えない。娘が消えたのにこの余裕。アリスを引きずり込んだのはこの女か?
一応アリスは無事だと考えて良い様だ。もう一度聞いてみる。
「いや、だから何の真似よ?」
神綺がため息をつきながら首を横に振る。何か腹立つ。
「霊夢、どっちか選んでくれないかしら?」
「お金なんて落としてない。アリスが居なくなったんだからそっちを返しなさいよ」
今度は大袈裟に肩をすくめられた。何その仕草。
「鈍い子ねぇ。これは手切れ金よ」
「手切れ金?」
何の事だろうか。
「最近アリスちゃんに悪い虫が現れたからよ。タダとは言わないわ。お金上げるからアリスちゃんと別れなさい」
私とアリスの事だったのか。いや、私たちはまだ手しか繋いだ事ないし…まぁ将来は二人くらい子供欲しいけど。
「お断りよ。博麗の巫女はお金なんかに縛られないわ」
ニヤニヤ嫌な笑みを浮かべている。アリスと結婚したらコイツが姑か…絶対別居して顔合わせ無いようにしよう。
「この神社の経済状況は聞いてるわ」
「うぐ」
痛いところを突いてくる。てか何で知ってるんだろう。
「このお金があれば欲しい物何でも手に入るわよ?お茶も湯飲みも、掃除用具にお布団も最高級の物が揃うわよ?お金に余裕があれば心に余裕も生まれるし」
だからと言ってアリスをお金で諦めるような真似は…
「言い方を変えましょうか。これは手切れ金じゃなく私からのお賽銭」
「お賽銭?」
「そう。お賽銭。貴女は私がアリスちゃんを連れて行くのを見守るだけで良いの。そうすれば金の延べ棒と銀貨両方お賽銭として寄付するわよ?」
うぅ。お賽銭と聞いて心が揺らぐ。
今のままじゃ一番欲しい者が手に入らないのは事実だしここは諦めるしか無いのかしら。
無言を肯定と受け取ったのか神綺がお金を地面に降ろした。
「何も悩む必要は無いわ。私はアリスちゃんが帰ってきてハッピー、貴女もお金が手に入ってハッピー。誰も損しないわ」
ごめんなさいアリス。ここは貴女を諦めるしかないみたい。
うな垂れる私を満足げに見つめた神綺が現れた時と同じように発光しながら消えていく。
私の手元には沢山の金の延べ棒と銀貨が残された。
「よう、霊夢。最近羽振りが良いって聞いたけどっ…!?」
「あら、魔理沙。お金の力って凄いわよね。欲しい物が簡単に手に入るんだもの」
「いや、お前霊夢…だよな?その格好は何だよ?」
「カッコイイでしょ」
霖之助さんもにとりも最初は出し渋っていたけど金の延べ棒見せたらあっさり売ってくれた。あんなに人の態度って変わるものなのね。
「この尖った武器は『あーるぴ-じー』とか言う名前みたいね。魔理沙が好きなピコピコと同じ名前ね。アリスが好きな『ぼーいず…』何とかと同じ名前の武器が無かったのは残念だけど。でね、こっちの武器は」
「いや、武器の説明は良い」
「じゃあこの背中に付けてる『誘爆上等』のノボリね、これはにとりがサービスで付けてくれたの」
「何だそれは!?」
誘爆上等ってのはにとりの座右の銘らしい。意味は分からないけど漢気が感じられる良い言葉だ。
「いや、私が聞きたいのは何で全身をハリネズミみたいに武装しているかなんだが…」
心配しなくて良いわ。私の能力使って重さを無効化してるから。80貫くらい余裕よ。
これだけ装備すれば防備を固めているであろう魔界も攻め落とせるはず。
「だってアリスが攫われたんだもの」
「アリス攫われたの!?そんな事は早く言えよ!すぐに助けに行かなきゃ!」
「私も最初はそう思ったんだけどね。伝統に乗っ取って犬、猿、雉を連れて。でもそうすると取り分が4・1・1・1に減るじゃない」
「誰だよ、犬とか猿とか!?てか何その取り分!?どんな計算だよ?4て霊夢の取り分か!?」
犬は悪魔の狗の咲夜、猿はあんたよ。雉は記事繋がりで文ね。
取り分は一週間の内、何日間アリスを独占できるかの権利に決まってるじゃない。金、土、日、月が私の独占曜日と最初は考えてたけどアリスが誰かのものになるのは嫌だし私一人で行くわ。ワンマンアーミー霊夢よ。
「でも一番欲しい者は手に入ってないのよね…」
「質問に答えろよ霊夢。あとアリスを攫ったの誰だよ」
お金の力って本当に凄いわ。これだけの手段が揃うんだもの。これなら私の一番欲しい者も絶対に手に入るはず。待っててね、アリス。
「じゃあ私、今から出かけるんで後ヨロシクね」
「何するつもりだよ?」
「決まってるじゃない。昔から巫女は悪者に攫われたお姫様を助けるのが仕事なのよ」
という訳でいざ出撃!
「そうよ。今はこの池で隠居生活」
「へぇー」
今日はアリスを神社の裏手にある池に誘った。デートと呼べるかは疑問だけど。
自力で空を飛べるようになってからは玄爺の事半分忘れてたけど、アリスが興味あるって言うからそれを口実に誘えたわ。ありがとう玄爺。
見るとアリスがブーツを脱ぎスカートの裾をまくっている。どうやら水遊びをするつもりのようだ。
「深くは無いけど滑らないように気をつけてね」
「霊夢は心配性ね」
やっぱりアリスは絵になるわぁ。夏の強い日差しも周り木々のおかげで輝く木漏れ日になっている。キラキラ光る水面でアリス自身がいつもより眩しい。昔読んだ絵本のお姫様ってあんな感じだろうか。
「きゃっ!?」
「アリス!」
突然アリスが水の中に入ってしまった。
この池は浅いはずなのに深い場所があったんだろうか。慌てて助けに向かう。
すると突然水面が円形に光りだした。何事かと思っていると6枚の翼を持つ赤いローブをまとった女性が現れた。
「貴女が落としたのは金の延べ棒ですか?それとも樽一杯の銀貨ですか?」
「…何やってんのよ?神綺」
現れたのはアリスの母親だった。わざわざこんな場所まで来て何の用だろう。
それよりもアリスが心配なので池に私も池に入る。
「貴女が落としたのは金の延べ棒ですか?それとも樽一杯の銀貨ですか?」
神綺は質問に答えない。娘が消えたのにこの余裕。アリスを引きずり込んだのはこの女か?
一応アリスは無事だと考えて良い様だ。もう一度聞いてみる。
「いや、だから何の真似よ?」
神綺がため息をつきながら首を横に振る。何か腹立つ。
「霊夢、どっちか選んでくれないかしら?」
「お金なんて落としてない。アリスが居なくなったんだからそっちを返しなさいよ」
今度は大袈裟に肩をすくめられた。何その仕草。
「鈍い子ねぇ。これは手切れ金よ」
「手切れ金?」
何の事だろうか。
「最近アリスちゃんに悪い虫が現れたからよ。タダとは言わないわ。お金上げるからアリスちゃんと別れなさい」
私とアリスの事だったのか。いや、私たちはまだ手しか繋いだ事ないし…まぁ将来は二人くらい子供欲しいけど。
「お断りよ。博麗の巫女はお金なんかに縛られないわ」
ニヤニヤ嫌な笑みを浮かべている。アリスと結婚したらコイツが姑か…絶対別居して顔合わせ無いようにしよう。
「この神社の経済状況は聞いてるわ」
「うぐ」
痛いところを突いてくる。てか何で知ってるんだろう。
「このお金があれば欲しい物何でも手に入るわよ?お茶も湯飲みも、掃除用具にお布団も最高級の物が揃うわよ?お金に余裕があれば心に余裕も生まれるし」
だからと言ってアリスをお金で諦めるような真似は…
「言い方を変えましょうか。これは手切れ金じゃなく私からのお賽銭」
「お賽銭?」
「そう。お賽銭。貴女は私がアリスちゃんを連れて行くのを見守るだけで良いの。そうすれば金の延べ棒と銀貨両方お賽銭として寄付するわよ?」
うぅ。お賽銭と聞いて心が揺らぐ。
今のままじゃ一番欲しい者が手に入らないのは事実だしここは諦めるしか無いのかしら。
無言を肯定と受け取ったのか神綺がお金を地面に降ろした。
「何も悩む必要は無いわ。私はアリスちゃんが帰ってきてハッピー、貴女もお金が手に入ってハッピー。誰も損しないわ」
ごめんなさいアリス。ここは貴女を諦めるしかないみたい。
うな垂れる私を満足げに見つめた神綺が現れた時と同じように発光しながら消えていく。
私の手元には沢山の金の延べ棒と銀貨が残された。
「よう、霊夢。最近羽振りが良いって聞いたけどっ…!?」
「あら、魔理沙。お金の力って凄いわよね。欲しい物が簡単に手に入るんだもの」
「いや、お前霊夢…だよな?その格好は何だよ?」
「カッコイイでしょ」
霖之助さんもにとりも最初は出し渋っていたけど金の延べ棒見せたらあっさり売ってくれた。あんなに人の態度って変わるものなのね。
「この尖った武器は『あーるぴ-じー』とか言う名前みたいね。魔理沙が好きなピコピコと同じ名前ね。アリスが好きな『ぼーいず…』何とかと同じ名前の武器が無かったのは残念だけど。でね、こっちの武器は」
「いや、武器の説明は良い」
「じゃあこの背中に付けてる『誘爆上等』のノボリね、これはにとりがサービスで付けてくれたの」
「何だそれは!?」
誘爆上等ってのはにとりの座右の銘らしい。意味は分からないけど漢気が感じられる良い言葉だ。
「いや、私が聞きたいのは何で全身をハリネズミみたいに武装しているかなんだが…」
心配しなくて良いわ。私の能力使って重さを無効化してるから。80貫くらい余裕よ。
これだけ装備すれば防備を固めているであろう魔界も攻め落とせるはず。
「だってアリスが攫われたんだもの」
「アリス攫われたの!?そんな事は早く言えよ!すぐに助けに行かなきゃ!」
「私も最初はそう思ったんだけどね。伝統に乗っ取って犬、猿、雉を連れて。でもそうすると取り分が4・1・1・1に減るじゃない」
「誰だよ、犬とか猿とか!?てか何その取り分!?どんな計算だよ?4て霊夢の取り分か!?」
犬は悪魔の狗の咲夜、猿はあんたよ。雉は記事繋がりで文ね。
取り分は一週間の内、何日間アリスを独占できるかの権利に決まってるじゃない。金、土、日、月が私の独占曜日と最初は考えてたけどアリスが誰かのものになるのは嫌だし私一人で行くわ。ワンマンアーミー霊夢よ。
「でも一番欲しい者は手に入ってないのよね…」
「質問に答えろよ霊夢。あとアリスを攫ったの誰だよ」
お金の力って本当に凄いわ。これだけの手段が揃うんだもの。これなら私の一番欲しい者も絶対に手に入るはず。待っててね、アリス。
「じゃあ私、今から出かけるんで後ヨロシクね」
「何するつもりだよ?」
「決まってるじゃない。昔から巫女は悪者に攫われたお姫様を助けるのが仕事なのよ」
という訳でいざ出撃!
是非続きをww
なんという洗脳教育!!
この発想はなかった。てっきりミスティアが来るかとw
と思ったけどなるほど、全ては決戦のために…ですねw
恐るべし、策士霊夢!
“ワンマンアーミー霊夢よ”に痺れました。
つーか80貫てもう……どこから突っ込めばいいのさ!w
普通に考えたら実家に兵器ぶっ放しながら来るんですから最悪ですよね
>>11様
一応「恋かと思ったら発作でした」を続編として書いてみました
>>19様
博麗式洗脳術…
>>20様
ミスティアだと少し弱い気がしましたので
>>22様
手切れ金が軍資金に…
>>25様
霊夢なら普通に一個師団壊滅出来そうな気がします
>>29様
80貫の内訳としてもう少し武器の説明させたかったんですけど興味ある人少ないと思い削りました。