この話は今年の例大祭のすぐ後くらいに考えたモノです。
そのため地霊殿、緋想天のキャラは出てきませんが悪しからず・・・。
――博霊神社
例大祭も無事に終わり
人間も妖怪も妖精も幽霊も宇宙人も神様も皆が神社に集まって祭りの成功を祝う
宴会を行っていた。
普段は互いに牽制しあう様な連中も今だけはそんな事を気に
する事もなく皆思い思いに酒を楽しんでいる。
そんなドンチャン騒ぎの中で橙は思った。
その疑問は誰しもが一度は考えるが、その答えを導きだす事は非常に危険であり、
下手をすれば幻想郷のパワーバランスだけではなく、幻想郷自体がメチャクチャに
なりかねない為に皆が決して口にはしないようにしている。
言わば暗黙の了解と言える疑問であった。
しかし、彼女はまだ子供であり、そんな大人の事情など解らないし何よりも猫である。
故に、芽吹いた好奇心には勝てず、普通なら胸にしまっておくべきその疑問を口にしてしまった。
「あの、藍様?」
「ん?何だい橙?」
「この中で一番強いのって誰なんですか?」
ピタッ、と主にラスボスクラスの者達が動きを止める。
――
私は背中に大量の冷汗を感じつつあえて子供に答えるように答えた。
「ち、橙、それはだな、紫様に決まっているだろ?だからお前も
紫様ようのようになれるように日々精進するんだぞ?」
言ってから悟られない様に周囲を見渡す。
何気にプライドが高い連中だ、一応あまり刺激しない様に答えたつもりだがどうだろう?
霊夢が魔理沙と買物に行っているため、ここに集まった連中を止められそうな者が
いない事が不安だが大丈夫だろうか?
それにしても、橙もそんな事聞かないでくれよ、あぁ、でも可愛いなコンチクショー。
「そうですね」
静まり返る中、一番最初に響いた声は四季映姫の声だった。
「確かに、八雲紫の力は強大ですからね、一番強いと言っても誰も文句は言わないでしょう。
しかし、相性もありますから誰もが等しく強いが正確でしょう」
その声にホッとする。
よかった、常識人がいてくれて
「そうなんですか?」
「ま、そうだろうな」
橙の疑問に割りと上機嫌に答える萃香の声に安堵する。
どうやらこの話題も有耶無耶になって終わりそうだ。
期待と安心感を感じ、乾いた喉を潤すためにお茶を口に含んだ。
「まぁでも、この面子でやりあったら最後までたってるのは私だろうけどね」
勝ち誇る様な萃香の声に口に含んだお茶を盛大に吹き出した。
台無しですよ萃香さん!!
穏やかになりそうだった宴会が再び止まる。
しかも今度は妙な緊張感まで漂っている。
「聞き捨てならないわね、以前私に負けたのを忘れたのかしら?」
「いったい何時の話だよ?今なら勝てるさ」
ハハハハハハ、と紫様と萃香が(表面上)にこやかに会話している。
胃が痛くなってきた。
「もう、なに二人だけで盛り上がってるのよ?私も負けないわよ。
・・・ねぇ、妖夢?」
「幽々子様・・・」
幽々子は笑顔と優しい口調で妖夢に話しかけているが、目はまったく笑っていない、
どちらかと言えば脅しているように見えなくもない感じで、実際妖夢は少し怯えているようにみえる。
ああ、妖夢も気の毒に。
「あら、貴女達吸血鬼の事忘れてない?」
「お姉さまがやるなら私もー!!」
危ないのが動きだした。
ちなみにメイドは主から一歩退いて時計の調子を見ている。
いつでも逃げられる体勢で顔が本気(本気と書いてマジ)だ。
「まったく、不老不死の蓬莱人である私が最強に決まってるじゃない」
永琳が当たり前だと首を縦に振る。
「はっ、不老不死は別にお前の専売特許じゃないだろ?」
妹紅の言葉に横いる慧音が深く頷いている。
永琳と慧音、この二人は止めてくれると期待していたのに・・・。
「ちょっとアンタ達神様の事忘れてな~い?」
「だったら諏訪子よりも私の方が適任だろ?」
軍神と土着神二人のやり取りに早苗がオロオロしている。
なんだか彼女からは同じ匂いがするなぁ
・・・苦労人の
今度食事にでも誘ってみようとか本気で考える。
この時神聖なはずの神社は魔界を想わせるカオス空間となりつつあった。
皆が周りを意識し警戒している。
まさに地雷原と言える中で四季映姫の声が再び響く。
「まぁ皆さん、誰が一番強いかなんていいじゃないですか?
今日はせっかくの宴会なんですから大人しく楽しもうじゃないですか?」
その声に助かったと思った瞬間
「ねぇねぇ大ちゃん、アタイあの人に勝った事あるからあの人よりもアタイの方が強いんだよ」
「ちょっ、チルノちゃん!?」
「・・・・・・」
場が三度凍りつき(氷精なだけに、あ、今上手い事言ったよ私)。
『⑨に負けたくせに偉そうに・・・』
何処からかそんな声がして
「・・・と思いましたが、ここらで白黒つける必要がありそうですね?」
このバカー!!
タイミング悪すぎなんだよお前ー!!
最後の砦と期待していた四季映姫まで加わってしまった。
しかも・・・
「しかし、私があえて手加減をしていた事に気付かないとは
・・・皆さんの程度が知れますね」
挑発し始めた。
やめて、閻魔様煽らないで
ってか、『お前の上司だろどうにかしろ!!』と、四季映姫の横で天狗と呑んでいる小町に
念を送ると伝わったのかこちらを見て口を動かす。
『ご・め・ん・む・り』
役立たず!!
もはやこの場は誰も止められる者のいない危険地区となっていた。
誰かが行動すればすぐにでも弾幕戦が始まりそうな危険な空気の中
――スパーンッ!!
と、勢いよく後ろの庄子戸が開き、買物に行っていた霊夢と魔理沙が入って来る。
助かったと思ったが何か様子がおかしい、魔理沙が凄く怯えている様に見える。
「おお、霊夢いい所に・・・」
しかし、私はこの状況が打開されるならと特に気にせずに話しかけてしまった。
そう、話しかけてしまったのだ。
「黙れ狐」
「へ?」
それは地の底から響く様な声で
――ゴス
鈍い衝撃とともに私の意識はそこで途切れた。
――
次に目を覚ました時に目に映った光景は
数人が頭から畳に減り込んでいて
数人の高く売れそうな服や装飾がなくなっていて
数人が何故か裸で泣き続けていた。
そして、私の尻尾からは毛が無くなっていた。
――
あの時の事をあの場にいた者達に聞くと皆頭を抱えて虚ろな目でガクガクと震えながら
『お賽銭を入れますから、お賽銭を入れますから』と繰り返すばかりだった(※EXキャラ含む)。
あの時何があったのかをあの天狗ですら語ろうとしない(と言うか語れない)。
ただ、あれ以来霊夢がしばし上機嫌で
『今度もああすればいいのかなぁ』
などと呟きながらすっかり元に戻った私の尻尾をネットリとした目で
見つめる様になっていた。
オマケ
例大祭も無事に終わり
人間も妖怪も妖精も幽霊も宇宙人も神様も皆が神社に集まって祭りの成功を祝う
宴会を行っていた。
その頃の幽香さん
「・・・別に、私だけ宴会に呼ばれてなくても寂しくないもん
・・・グスッ(※涙声)」
・・・・・・
「まぁ、でも、この面子でやりあったら最後までたってるのは私だろうけどね」
その頃の幽香さん
「ふん、私に決まってるじゃない(※独り言)」
・・・・・・
「まぁ皆さん、誰が一番強いかなんていいじゃないですか?
今日はせっかくの宴会なんですから大人しく楽しもうじゃないですか?」
その声に助かったと思った瞬間
「ねぇねぇ大ちゃん、アタイあの人に勝った事あるからあの人
よりもアタイの方が強いんだよ」
「ちょっと、チルノちゃん」
『・・・・・・』
その頃の幽香さん
「⑨に負けたくせに偉そうに・・・(※呪い)」
今回の黒幕
四季のフラワーマスター・風見 幽香(※私怨)
了
だが、危険なネタを扱うには少々ボリュームが足りなかったと言わざるを得ない。
いたずらに触って、そのオチが霊夢最恐では説得力に欠けると思います。
霊夢が何したのか気になるwww
追剥か?w
>そして、私の尻尾からは毛が無くなったいた。
面白かったw
霊夢酷すぎるww
弾幕勝負ではなくなるとこういう事になるということなのかwww
誤字があったー!?、三度程見直したんですが・・・、
ご報告感謝します。
誤字修正します。
ともあれ、アドバイスしてくれる方や応援してくれる方がいると励みになります、
期待に副えるよう頑張ります。
しかし、霊夢はホントに何をしたのでしょうね?当時の自分が何を考えていたのか
知りたいです