地底世界は大雪に見舞われていた。手指の爪ほどもある雪の粒が視界を覆っている。あたいは額に冷たい雪風を受けながら、住処への帰り道を急いだ。時刻は日付の境目を超えようとしている。
夕刻までには帰るつもりですと、さとり様には言っておいた。実際にはこんなに遅れてしまった。ペットの心配をするようなお方ではないが、約束の時間を破るのは心が痛む。「帰るつもりです」の「つもり」の部分をしっかり覚えていてくれれば良いのだけれど。
白い景色の向こうに、旧都の和の空気とは対照的な、華奢なシルエットの洋館が姿を現した。虹色のステンドグラスの壁は、今は雪化粧で真っ白だ。玄関口がどこなのか、探すのに少し苦労した。
両開きの大きな扉を開けて、中に入る。正面入口の灯りは全て落とされていた。廊下の照明も一つおきに消されている。奥の小さな応接間が一番の光源だった。さとり様は夜中はあの部屋で本を読んだり、蓄音機を弄ったりしている。
「まだ起きてるんだ」
寝ていればよかったのになぁと、ちょっとだけ思った。さとり様の恐ろしい目に見つめられて、門限破りの理由を知られずに済む。……などとあたいが考えていることも、もうばれているのだろう。雪まみれの毛皮の長靴をスリッパに履き替え、明るい小部屋に静かに歩いていった。小走りに向かって、いかにも急いで帰ってきましたよと装うような真似はしない。そういう小細工はあたいのご主人様には通じない。
さて、さとり様のご機嫌は良いか悪いか。
「ただいま帰りましたぁ、さとり様」
「どちら様?」
笑顔のあたいに向けられたのは、抑揚のない言葉。さとり様はクリーム色の一人がけのソファに腰掛けて、本を読んでいた。両目は手元の小型本に寄せられていて、あたいを横目で見ようともしない。これならきっと大丈夫。普段通りの淡白なさとり様だ。恩知らずなことを言ったり思ったりしなければ、わかってもらえる。
「ごめんなさい。日が暮れるまでに戻るつもりだったんですけど、思いのほか上が楽しいというか遊んでいたというか」
「巫女に夕飯をご馳走になって、神社の炬燵でぬくぬくしていて、いっそここの子になっちゃいたいなぁと思って、でも帰らないとさとり様が怖いからお暇したのね」
「そ、そんなこと」
「思ってたわ、今。さとり様に悪い、怖いって。断片だけど」
さとり様は本と眼を閉じた。左胸の第三の瞳だけが、目まぐるしく動いてあたいの胸中を覗き見ている。本人が強く意識していないような微かな思念でも、さとり様は捉えてしまう。おっかない。
そう、おっかない、怖いという気持ちは常に持っている。さとり様はペットの自分への恐怖心を知っても、いつもなら何も言わない。手下が主人を恐れるのは当然だからだろう。恐れを指摘されたのは初めてだった。それも、何やら気に食わない様子で。
さとり様はサイドテーブルに本を置いた。テーブルにはほかに、卵色の無地のティーセットが一組。中身を飲み干してから時間が経っているらしく、カップの底に乾いた茶色の円が出来ていた。もしかして、あたいを待っていてくれて、なのに「怖いから帰ってきた」などと思っていたのを知って、気分を悪くしたのではないだろうか。どうなんですかさとり様と、念じてみた。あたいの心の内を読めているはずなのに、さとり様の返事はなかった。
「に、にゃーん」
「今更すみませんとか誤解ですとか思っても無駄よ」
空気を変えたくて一鳴きしたら、やっと小言が返ってきた。次いで、あたいの黒い肩かけ鞄を指さした。遠出用にさとり様が縫ってくれたものだ。半月型で、上部にフェルト製の猫の耳がついている。今は縫い目が千切れそうなほどに膨れていた。あたいは開閉フックを外して、中身をひとつ見せた。丸々太って熟れた林檎だ。甘酸っぱい旬の香りが周囲に漂う。
「黒い方のお姉さんに貰いました、森に生っていたそうです」
一瞥すると、さとり様は
「台所のバスケットに入れておいて。お風呂入ってらっしゃい」
獣を追い払うかのように手を振った。さとり様のよくやる仕草なのだけれど、邪険に扱われたようであたいは少し悲しかった。お風呂にはおくうと入ろう、林檎を分けるついでに誘おう。話を聞いてもらおう。一礼して部屋を出た。
「丸呑みしちゃ駄目っておくうに言うのよ」
さほど重要ではない考えはきちんと読んで、言葉をくれるのに。難しい疑問になると、さとり様は無言を貫く。しがない火焔猫の身には、さとり様の思いはわからない。あたいから見たら、さとり様もこいし様も同じだった。読めないし、話してもくれない。
廊下の分岐まで来て、後ろを振り返った。応接間の灯りを消して、さとり様が出て行くところだった。小さな身体が寝室の方向へ消えていく。だるそうな欠伸が聞こえた気がした。眠いならそう言ってほしかった。
「淋しかったのと違う?」
地霊殿のこぢんまりとした浴場に、おくうの澄んだ声が響く。
「淋しい?」
真ん丸い石鹸でおくうの背中と烏羽を擦りながら、訊き返した。おくうはあたいよりも深く考えない性質で、雑多な事情に惑わされずに勘で話してくれる。割と当たっていることもあるので、あたいはまあまあ信頼していた。
「よくわからないけど、私もお燐も上に行ったらさとり様一人だし」
「他の子がついてるよ」
「私たちの方が偉いもん」
おくうは手にしゃぼん玉を載せて吹き飛ばした。淋しい、というのはあたいには幾らか意外な答えだった。あたいにとってさとり様は特別な存在で、どこか他の妖怪とは違う心を持っていると思っていた。こう、感情を超越した世界に生きている感じだ。怒りや悲しみはもちろん、淋しさなんて感じないのではないかと想像していた。
「そんなこと思うのかな、さとり様も」
「思うよ。石鹸貸して、交替」
手桶でおくうの肌に残った泡を洗い流して、役割交替。おくうは浴槽の縁にかけておいたタオルで石鹸を包み、せっせとあたいの背中を擦り始めた。烏の羽が大きく揺れて、熱の籠もった浴場に涼やかな風を生んでいる。ひんやりとした空気を受けても、悩みは吹き飛ばなかった。折っていた膝を伸ばして、呟いた。
「あたいにも目があればいいのにな」
一度でいいから、無口なご主人様の胸の内を読んでみたい。不愉快になった理由を説明してもらえないまま、放置されるのは辛い。
「だったら私も欲しい」
肩におくうの顎が載った。
「うん、おくうにも必要……強く擦りすぎ、痛いっての」
旧地獄の熱湯は、念入りに擦られた肌に沁みた。
烏の行水なんて誰が言ったのだろう、おくうは長風呂派だ。石の浴槽の端っこに両腕を載せ、そこを支柱に身体を浮かせて楽しんでいる。半乾きの羽が湯煙にはためいていた。
「お燐、あれ取って」
「あいよ」
あたいは浴室の戸を開けると、脱衣所の洗面器を取ってきた。入っているのは雪と、魔法使いのお姉さんのお裾分けの林檎だ。
「やってみたかったんだ、これ」
湯船に林檎の舟が浮く。きつく詰められた雪は、風呂場の熱を受けてもしばらく融けそうになかった。おくうは雪を掻いて丸ごと一個の果実を引っ張り出し、頬ずりした。
「お燐も持ってくれば良かったのに。一口いる?」
神社の宴会でご馳走になったからと断った。それに、今は何も食べたくなかった。あたいの神経は猫の割には繊細なのだ。ご主人様や親友のことを考えすぎて、食事や睡眠に頭の回らないときがある。おくうの鈍感さと忘れっぽさが羨ましい。ああやって、果物の汁がお湯に落ちるとか、芯のかけらが零れるとか気にしないで林檎を齧れたら。
しゃくしゃく、しゃくと小気味いい音が聴こえる。あたいが初めて食べた林檎は、そんなに歯ごたえはなかった。半透明になるまで、甘く煮てあった。
思い出す。
あたいはさとり様の最初のペットだ。今夜のような激しい雪の日に、旧都の外れで餓えて行き倒れかけて。手足が動かないや、最後にあったかい火に当たりたかったなぁと夢想していたら、頭上に傘がかかった。
「うちへ来る? すぐには無理だけれど、暖炉の火を起こせるわ」
当時のあたいはまだ人間の姿になれなかった。だからさとり様はわざわざ屈んで、雪原に焦げ茶色の傘を固定してくれた。優しい人だと思った。ただ、寒気で色をなくした頬は暗く、瞳は主張に乏しくて、この人についていって平気だろうか、貧乏で共倒れにならないかと不安を覚えた。胸元に浮かぶ真紅の眼球も気味が悪かった。
「そう、ならいいの。気まぐれだもの」
何も言っていないし、言うこともできないのに、さとり様は頷いて立ち上がった。傘はその場に残したまま、あたいに背を向けた。明るい紫の髪と赤チェック柄の分厚いコートに雪を積もらせて、大通りの先に消えた。さとり様の傘のおかげで、あたいは凍える雪夜を凌ぐことができた。後に猫の噂で、さとり様が旧都の奥にある屋敷のご主人だと知った。仲間内でのさとり様の評判は芳しくなかった。道端で捕まえた動物を連れ帰ってシチューの具にしているとか、毛皮を剥いで上着に仕立てているとか。不健康そうな外見のせいか、不穏な噂が立っていた。あたいにはわからなかった。さとり様があまり目立たない善人なのか、病的な動物虐待の犯人なのか。
その年の冬は例年よりも遥かに冷えた。倒れかけた晩と同じ、あるいはそれ以上の冷気にしばしば襲われた。肺に冷たい空気が溜まるたびに、さとり様の誘いを思った。もしかしたらあの屋敷は極楽への入口なのかもしれない、ううん、剥製工場に繋がっているのかもしれない。
結局あたいは寒さと体調不良と餓えに負けて、地霊殿の門を叩いていた。もうどうにでもなれ、仮に処刑場だったとしても外にいるよりは永らえられるはずだ。そんな気持ちだった。猫の力では扉は開かない。中の人に気付いてほしい、早く入れてほしい。その一心で子猫のように甘えた声を出して、半ば雪に埋もれた扉を引っかいた。
「そんなにしなくても気付いてるわよ。来ることにしたのね」
すぐに扉は開いて、屋敷の中の温風に迎えられた。さとり様はあたいを暖炉の前に座らせて、猫舌用のぬるいミルクを出してくれた。濡れた身体を真新しい、臭いのしない布で包んでくれた。細かい刺繍の施された絨緞が湿っても、気にしていない風だった。そこまでされても、あたいはさとり様を信頼できずにいた。
「ふうん、私は猫社会では大層な悪役なのね。貴方は私を皮剥ぎ職人か料理人だと思っている」
驚いた。あたいの疑念を、まるで台本があるかのようにさとり様は読み上げた。眼を丸くしていたら、そういう妖怪なのだと教えてくれた。
「安心なさい、意味のない殺生は嫌いよ。殺さないから、冬が終わるまでここにいたら」
いつの間にか暖炉の脇に、あたいが入って丸くなるのにぴったりの大きさの紙箱が用意されていた。実は動物好きなのだろうかと考えていたら、「そうでもないわ」と言われた。ならどうして助けてくれたのだろう。温かい食事と寝床を提供してくれるのだろう。答えはなかった。さとり様はあたいの毛先の乱れた尻尾を整え、薪の弾ける音に耳を澄ませていた。
抱き締められたり、首をくすぐられたりした覚えはない。一冬の間、さとり様とあたいは妖怪と猫の距離を保っていた。日に数回、味のない麦粥や野菜屑を与えられて。夜は火を囲んで佇んだ。時折、あたいの思念に答えてくれた。たまにこいし様が帰ってきて、あたいを撫でたり背中の肉を摘んだりした。心の瞳は既に閉ざしていた。あたいは構われるよりも、放っておかれるほうが気楽で良かった。さとり様との距離が心地良くなっていた。過度にくっつかず、離れず、一定の縁を保って。
雪が水に還っても、あたいはさとり様の傍を離れなかった。旧都から地霊殿に通う案もあったが、現在の生活を続けることを選んだ。安穏とした生活と、さとり様を気に入っての選択だった。さとり様は一向に帰る気配のないあたいに、不満を言わなかった。食事も変わらず出してくれた。申し訳ないという、我儘気侭な猫らしからぬ感情が芽生えた。恩を返したかった。
あたいは病に倒れた死体を食らい、生命力のかけらを啜った。はぐれた怨霊を丸呑みにして、三日三晩消化不良で寝込むこともあった。他者の力を食べて盗み、焚火や暖炉の火に舐められて身体を鍛えた。やがて大男でも咥えて運べるようになった。また、二体三体と怨霊を引き寄せて従えられるようになった。あたいの成長とその動機について、さとり様は良いとも悪いとも言わなかった。「貴方はもともとそういう妖怪だったのよ」とは教えてくれたが。そういう妖怪だったから、拾ってくれたのだろうか。問いかけにさとり様は「可愛かったから」と呟いた。嘘か真実かはわからないが、あたいはこの答えを聞いてさらにやる気を出した。
月日は巡り、秋の終わりの頃だったか。あたいは人間の形と、声を手に入れることに成功した。小さな姿見には、黒猫の耳のついた赤毛の女の子が映っていた。肌も髪の毛も、円らなつり目も人と同じ。それ以上に嬉しいのは声で、これでやっとさとり様と話せると喜んだ。早くさとり様に見せたくて、聞かせたくて、一糸纏わぬ姿で長い廊下を走った。他の賢いペットたちが、慌てて道を譲ってくれた。
「さとり様!」
大抵のことには驚かないさとり様も、このときのあたいには衝撃を覚えたらしい。いつも閉じかけている瞳を大きく開いて、言葉を失っていた。沈黙が続いた。あたいは、何かおかしなことをしでかしたか、やっぱり服を用意するべきだったか、でも変身後のサイズがわからなかったんです、すみませんさとり様と念じた。
途端、さとり様が笑った。平らな顔を波打たせて、息切れのような苦しそうな声まで出して。
「貴方、もう喋れるのに念じるのね」
「あ」
さとり様は口元を押さえながら私室のクローゼットを漁り、あたいに七分袖のコットンワンピースを押し付けた。
「とりあえずそれ着てなさい。後で一着用意するわ。尻尾の穴はないけど我慢して」
あたいの身体はさとり様よりは大きかった。膝上丈にせり上がったワンピースを着て、とりあえず庭掃除や怨霊の誘導をしてみた。肉球がないのは不思議な感覚だった。人差し指の先と薬指の先がくっつくのも、視点が高くて足元のごみが見つけにくいのも物珍しかった。そうしているうちに、厨房から甘い匂いが漂ってきた。手を洗うついでにと覗きに行くと、さとり様が地獄直結の高熱オーブンから狐色の円い菓子を引き出していた。お茶も用意されている。
「丁度良かった。呼びに行くところだったの」
さとり様はあたいをダイニングテーブルに招くと、眼の前で焼きたてのお菓子を切り分けた。中央の点から、半分こ。包丁が当たって、ぱりぱりと薄い生地の壊れる音がした。湯気と一緒に熱い果物の匂いが溢れ出す。煮た林檎が何枚もの極薄の生地に包まれていた。
「これは?」
「貴方の人型化記念」
お祝いがあるとは思っていなかった。
皿に盛り付けられた半円形の焼き菓子に、さとり様はフォークの脇をあてがった。端からパイを突き崩している。人間や妖怪がどのようなものを食べているのかは知っていた。自分が人型化したら、同じものを食べることも。それでも大量の、熱い固形物を前にすると、少し怯んだ。お腹を壊したり、舌を火傷したりしないかと。さとり様を見習って、フォークに生地と煮林檎をひとかけら載せて食べてみた。息を何度も吹きかけて、ひとしきり湯気を飛ばしてから。
予想していた、舌の焼ける感覚は訪れなかった。じっくり熱を通した林檎は温かで柔らかくて、前歯で楽に貫けた。鮮烈な甘味と酸味が染み出てきて、びっくりした。猫時代には感じたことのない、強い味だった。林檎を挟むパイ生地の感触も新しい。お世辞でなしに、素直に美味しいと思った。
夢中で食べて、顔を上げると、さとり様がフォークを止めてあたいを見ていた。もうあたいの感想なんて視えているのだろうけれど、声に出して告げた。
「美味しいです、さとり様」
さとり様はあたいの口端を拭って、うっすらと笑った。
「良かった。しばらく焼いてなかったから」
「どうして?」
「だって、こういう――」
「お燐、起きて。お風呂で寝ないで」
木の手桶が耳元で唸っている。水に叩きつけられて、飛沫を上げている。
「なに、うるさい」
目を開けた。開けたということは、今まで閉じていたのだ。髪の毛を高い位置でまとめたおくうが、あたいを睨んでいる。両肩を掴まれて前後に揺らされ、おまけに羽で頬を一発。飛んでいた意識が痛みで戻ってきた。
「あー、ごめんおくう。飛んじゃってたよ」
「飛ぶのは私、あんたは上がって寝る」
二の腕を持ち上げられて立ち上がった。眠気は湯の中に置いてきたらしい、瞳は冴えていた。脱衣所の冷風で頭も覚醒してくる。おくうからタオルを奪って、自分で身体を拭いた。髪を編み直す手にも淀みがない。
あたいはさっきまでの夢の続きを考えていた。アップルパイを焼き上げて、さとり様は珍しく本心を喋ってくれた気がする。あのとき、何と言ったのだったか。
「焼けば思い出せるかな」
「焼くって何を。人?」
「違う、林檎を」
言葉に出してみて、これはいい思いつきかもしれないと感じた。台所には十個以上、完熟の林檎がある。レシピも棚に入っていたはず。さとり様は眠っているから、あたいの行動に気付かない。昔の味を想起して、作ってみよう。さとり様の言葉が思い出せなくてもいい、完成品を朝食に出してみよう。お詫びの気持ちですって言って。心を開いてくれるかもしれない。
「ねえおくう、アップルパイを作らない?」
深夜の厨房で、計画は早くも頓挫しかけていた。さとり様直筆のレシピ帳が見つからない。食器棚の奥に、予備のまな板と隣り合わせにしまっていたはずなのに。今夜はまな板だけが立っていた。
「場所変えちゃったのかな」
弱気なあたいを励ますように、
「レシピなんて要らないよ、林檎を砂糖で煮て、粉の皮に載せて焼く。それだけ」
おくうが大きな音を立てて金属のボウルを八人用のダイニングテーブルに置いた。その中にへらや計量スプーンを投げ込む。おくうも人型化を果たした際、さとり様にアップルパイで祝われている。あたいもご相伴に預かった。二人とも味と形状の記憶はある。たまに夜食を作っているから、調理器具や調味料の位置も覚えている。何とかなるかもしれない。せっかく寒い食料庫からバターを持ってきたのに、何も作らないで戻すのは惜しい。エプロンだって装着済みだ。あたいは覚悟を決めて、曖昧な計量に取り掛かった。
「さとり様、何をどのくらい入れてたっけ」
「食べられるものを食べられるだけ。よっと」
ジョッキのような形の粉ふるい器が、ボウルに落下した。金属同士で擦れ合って、不協和音が響いた。
「あんまり騒がないでよ、さとり様が起きちゃう」
「お燐だってうるさい」
ここで喧嘩をしても時間の無駄、あたいは大まかに計った小麦粉をふるい器に入れ、おくうに差し出した。
「使い方わかるよね」
「かしゃかしゃ握る」
おくうは単純作業には向いている。ふるい器のハンドルを握って、ボウルに細かい小麦粉の雪を降らせ続けた。その間にあたいはバターと砂糖、生地に混ぜる水を計り終えた。自信は全くないけれど。林檎の皮も剥いた。とりあえず三個。六等分してから小指の幅で切ったら、それらしい形になった。量は考えていたよりも多くて、途中で鍋を一回り大きくした。
「大は小を兼ねる?」
皮は別の器に移しておく。アップルティーも一緒に用意するのがさとり様流のおもてなしだ。後で皮を煮出してお茶を淹れる。
ここまでは大きな失敗もなく、手際よくこなせた。問題はこの先、林檎を煮て生地を捏ねて、焼き上げる部分。以前さとり様が、「お菓子作りは計量と手順を守れば容易い、魔術の実験よりも楽」と話していた。それはつまり、計量と手順を守らなければ台無しになるということ。あたいは祈るような気持ちで林檎満載の鍋を厨房の火にかけ、正しいかどうかわからない量の砂糖を投じた。火力のつまみを僅かに回す。灼熱地獄の火が輪状の発火口から弱く生じた。焦げるのが怖くて、木べらで林檎の山をかき回した。
「お砂糖少なかったかな」
「甘いほうがいいよ」
ふるい器の腹を叩いて、おくうが勧めた。一旦このまま蓋をして煮て、味を見て決めることにしよう。室温で放置していたバターをさいころの形に切った。林檎の前に切っておくのだった。段々手順が狂ってきている。尻尾が落ち着きなく揺れた。
「お燐、粉ふるったー。腕痛い」
おくうは空の粉ふるいを床に転がして、手首と両腕を回した。黒い翼が粉をかぶってところどころ灰色になっていた。
「お疲れ様。替わるから鍋見てて」
「やった」
「つまみ食いしないでよ」
「味見だよ」
ダイニングの椅子を火の傍に寄せて、おくうは鍋の蓋を開けたり閉めたりした。小型の二又フォークで林檎を突き刺して一かじり、「これはこれでいい匂い」だの「ムラッ気がある」だの気取って批評している。本当にわかっているのだろうか。烏の嗅覚はあまり当てにならない。
鍋の火加減を気にしつつ、あたいは小麦粉とバターを練り混ぜた。サイコロバターがうまく溶けてくれない。加熱して液体にしてから入れるべきだったか。先の細いへらで切り潰して、小麦粉と同化させていった。そういえば砂糖も少し入っていた。テーブルの中央に置いた砂糖壺を引き寄せる。最後に水だ。少しずつ加えれば液状化は防げる。こういった細かい作業はあたいが担当したほうがいい。
少量の水を糸のように垂らしていると、急にキャラメルのようなにおいが鼻をついた。おくうは鍋の蓋を人差し指一本で支えて、鼻歌を歌っている。彼女が見下ろす鍋こそが、焦げ臭さの発生源だ。
「お、おくう、火、火弱くして」
「え?」
「焦げてる!」
混乱したおくうはつまみを逆方向に勢いよく回してしまったらしい。炎の轟音とともに、人を焼くときのような黒煙が一筋立ち上った。あたいはテーブルを跳び越えて、鍋を発火口から流しへ引き摺り下ろした。胸を撫で下ろしたのも束の間、
「お燐、ボウルやばい」
「にゃっ」
跳躍の際に蹴り飛ばしたのか、水差しが捏ねかけの生地に突っ込んでいた。
多めに林檎を切ってよかった。黒ずんで食べられそうにない部分を取り除いても、アップルパイ一ホール分にはなりそうだ。現在は金属皿に移して、窓辺に置いて冷やしている。
散々なのは生地のほう。まだ半分粉の状態のところに水が入ったせいで、スープのように伸びてしまった。熱して水分を蒸発させたり、粉を足したりして一応塊にしたが、焼いてさくさくしたパイ生地になる可能性は限りなく薄い。おくうのにおい音痴を心配している場合ではなかった、あたいも結構なおっちょこちょいだ。落胆しつつ生地のボウルを布で覆った。少し寝かせてから焼き上げる。
あたいが林檎をテーブルに積み重ねていじけていたら、
「料理は真心、作った人の気持ちが出るのよ」
隣に座ったおくうが伏し目がちに、悟ったような淡々とした口調で囁いた。左胸の前辺りに両手でハートマークをこしらえている。
「何それ、さとり様の真似?」
「似てた? 似てた?」
「ちっとも。そんなこと言わないよさとり様は」
向こう見ずな気合に溢れた普段のおくうとのギャップで、無性に笑えた。本物のさとり様も、真心ひとつで失敗を帳消しにしてくれたらと思う。ううん、その気持ちを用意するのが一番難しいのか。あたいは要らないことまで考えて、本音をわかってもらえない。見せたい感情だけを選りすぐって出したい。
おくうはあたいの頭を撫でて、
「なんとかなるって、全部食べられるもので作ってるし」
あたいの悩みとずれた励ましをくれた。この子の鈍さのせいで、あたいは人より幾らか苦労している。勝手に気苦労を増やしているだけなのかもしれないけれど。先の核融合騒動のときには、さとり様にもっと余裕を持てと諭された。「私は貴方が思うほど薄情ではないわ、誤解しないで」と。短いお説教の後は、いつも通りだった。
「さとり様なら許してくれるよ」
今度の言葉は、胸にすっとはまった。
「そう思う?」
「うん。まだ焼かないの」
この子と友達でよかった。不安でいるのが馬鹿馬鹿しくなってくる。恐れが消えてなくなる。そこまで考えて、なんとなく思い当たった。核融合の異変で問題視されたのは、おくうの間欠泉ではなくあたいの怨霊。怨霊を地上に送ったのは、暴走するおくうをさとり様や鬼が処分するのを恐れたから。あたいはさとり様を怖がって、地上の人間を頼った。それを、さとり様が気に病んでいるとしたら?
「面白そうなことしてるのね、私も混ぜてもらえるかしら」
背後からさとり様の声がした。
「にゃ!?」
「きゅ」
おくうとほぼ同時に、跳び上がって振り向く。そこにいたのはさとり様の妹、こいし様だった。雪を被った帽子を胸に抱いて、朗らかな笑顔で左手をひらつかせている。扉を開いた音がしなかった。ショックで猫に戻るかと思った。地霊殿の姉妹は似たような霞がかった声をしていて、一度聞いただけではどちらか判断し難い。加えてこいし様はさとり様の口調を真似て悪戯するのが好きと来ている。心臓に悪かった。
あたいとおくうの動揺をこれっぽっちも読めないこいし様は、台所を踊るように一周し、
「アップルパイね」
二つの目を輝かせた。
「皮もちゃんと取ってある、偉いわ」
こいし様なら、あたいよりはお菓子のことに詳しいはず。
「こいし様、実はレシピが見当たらなくて」
あたいは調理の手順とやらかした失敗の内容を説明して、助けを求めた。
「せめて焼き時間と温度だけでもわかりませんか」
こいし様はあたいたちのミスを笑わなかったが、助力にもならなかった。眉間に人差し指を当てて偏屈な仙人のように唸り、材料を早口言葉のように唱えたのち、いかにも頼れそうな顔でわかんないと漏らした。
「さとり様の隣で見てたでしょう」
「私も作ってもらってばっかりだもん」
身体から力が抜けかけた。仕方がない、失敗を前提に焼いてみよう。変なものは入っていない、運が良ければ食べられるものになるかもしれない。あたいは綿棒で生地を広げ始めた。おくうは冷やしていた林檎の砂糖煮を持ってきた。オーブンの予熱は済んでいる。
あたいたちの準備を見ていたこいし様は、
「うーん、ちょっと待っててね」
厨房をすり抜けて出て行った。隠し味でも思い出したのだろうか。あたいとおくうはパイ皿を選んで、油を表面に塗りつけて待っていた。ややあってこいし様はスキップで戻ってきた。あたいの胸に一冊の革張りの手帳を押し付ける。見覚えのあるものだ。広げると予想通り、さとり様の細身の筆跡で料理の作り方が書かれていた。
「これ、どこで」
「お姉ちゃんの枕元。寝る前に読んでたみたい」
「無断で持ってきて平気ですか」
「借りてるだけだぜ」
黒い魔法使いのお姉さんのような口振りだった。後で戻してくるから大丈夫というこいし様の言葉を信じて、アップルパイの作り方に目を通す。あたいたちの間違いが次々と見つかった。
「うわ、バターの量多すぎた」
「塩なんて入ってたっけ?」
「生地も冷やさないとね」
煮りんごに柑橘系の汁を加えたり、予熱の温度を調整したり、可能な範囲での軌道修正に努めた。生地のバターの量は今更どうしようもなく、外の雪で冷やすに留まった。
あたいが薄く生地を伸ばして、パイ皿に貼り付けた。おくうが両手のフォークで底を突き刺し、まんべんなく穴を開ける。その上にこいし様が半透明になった煮林檎を並べた。円の中央から周囲に向けて、こいし様の好きな薔薇の花のように。途中からおくうが参戦して、薔薇とも向日葵ともつかぬ異様な配置になった。最後に余分な生地を切って棒状にし、煮林檎の層の上に縦横に配した。表面に刷毛で卵黄を塗りつけ、焼く前の形は出来上がり。
「すごい、見た目だけならお姉ちゃんのにそっくり」
こいし様が両手を叩いた。おくうも食べ物みたいだと頷いている。
「オーブンから戻ってきても同じならいいんですけど」
他に踏むべき手順はなかったかと、さとり様のレシピ帳を確かめた。すっかり私物扱いで申し訳ない。末尾まで読んだが、後は焼き上がりを待つのみとのことだった。念のため次のページも見てみた。やはり何もない。ただ、
『こいし……林檎煮にシナモンとレモンの皮を追加
お燐……砂糖控えめ。酸味多めが好き。香辛料混ぜない
おくう……生クリームかアイスクリームを添えること。うんと甘く』
さとり様の走り書きが残されていた。あたいやおくう以外のペットの好みも記載されている。どんな味が好きか、さとり様に面と向かって訊かれたことはない。食べられないものを突き返したこともない。食事の最中にさとり様が心を読んでいたのだろう。こいし様の場合はまた違うのだろうが。
訊かなくていいのは便利だけれど、ずるいな、とも思った。訊いてくれれば、言いたいことだけを言えたのに。声にするのは、沢山の気持ちの中で、最も伝えたいことを選び取ることで。さとり様の目では、完璧には果たせない。それに、
「さとり様って、どういう味付けが好きだったかな」
レシピ帳には、さとり様がいない。さとり様は大事なことは話してくれない。どうして怒ったのか、何が嬉しかったのか。誰にも読めない。念じても答えてはくれない。
あたいはさとり様を知りたかった。大嫌いでもあっち行けでもいいから、思うところをぶちまけてほしかった。あたいもなるべく、声に出すようにするから。
「焼こう、食べるときに訊いてみよ」
おくうがオーブンを開いて手招きしている。渋々あたいはパイ皿を持ち上げて、歩いていった。そのとき、
「食器棚に古いアーモンドシロップの瓶があるわ、それを上から数滴落として」
静かにドアが開いて、淡い空色の寝巻き姿のさとり様が姿を見せた。あたいは思わず皿を落としそうになった。
「さとり様、いつからそちらに」
「こいしが部屋に入ってきてすぐ」
こいし様は悪びれる様子もなく、林檎の皮と水を入れた片手鍋を熱している。あーあ、お姉ちゃんにばれちゃったと舌を出すも、少しも残念そうには見えなかった。大掛かりな悪戯を成し遂げた子供のようだった。
「物音で嫌でも気付くわ。こんな夜中に揃いも揃って」
さとり様は粉汚れの少ない椅子を選んで、深く座った。赤い第三の目は服装を変えてもさとり様にくっついていて、室内を三百六十度見回していた。
おくうが棚のシロップを見つけてパイ生地の表面に振り掛けた。灼熱地獄直結のオーブンを開いて、パイ皿を台座に載せる。熱い戸を閉ざしたおくうは、一仕事終えたかのように壁に凭れて欠伸をした。怒られるかもしれないという心配の色はまるで見られない。今にも寝息を立て始めそうな呑気さだった。緊張しているのはあたい一人だけ。
「お燐、お茶」
「は、はい、少々お待ちください」
こいし様が紅茶の準備一式を整えてくれていた。持ち手の細い白色のティーポットに、茶漉しと茶葉が用意されている。あたいとお茶汲み役を変わったこいし様は、ココア色の手帳を両手で恭しく差し出した。
「アップルパイは四十分待ってね、お客様」
「知ってるわ。勝手に部屋に入らないの」
引っ手繰るようにして、さとり様が手帳を回収する。鍋の中身をポットに注ぎながら見たが、瞬きが多く眠たそうだった。出来上がりを待たずに寝に帰っていいのに、明日の朝食に出すのにと考えていたら、
「出来立てじゃないと美味しくないわ」
読み取られて反論された。さっき言葉に出そうと決めたはずだったのに、また読ませてしまった。物を言わずに理解されるのは快適で、甘えそうになる。無心を心がけて、四個のカップに林檎の香りの紅茶を注いだ。ダイニングテーブルの左半分、各々の椅子の前にカップを置いた。さとり様は指先を温もらせてから一口啜った。美味いとも不味いとも言わなかった。
「どうして急にアップルパイなのかしら。店でも出すつもり?」
質問を認めると、答えが四方八方に撒き散らされる。さとり様の昔の言葉を思い出したくて、怒らせてしまったお詫びがしたくて、アップルパイなら喜んでもらえるかと思って。さとり様が思念波を掴む前に、何か言わなくては。焦って口から出たのは、
「すみませんでした、いきなりやって」
理由でも何でもない謝罪の一言だった。こういう瞬間、あたいはさとり様に恐怖を抱く。底の浅さを見透かされて、陰で笑われているようで。実のところどう思っているのかは、訊かないとわからないのだけれど。さとり様、あたいの何に怒っていたんですかと、正直に訊ねる勇気は湧いてこなかった。嫌われてもいいから本音を知りたいと、さっきまでは願っていたのに。
「何て言ったらいいのか」
どうでもいい言葉しか声に変えられない。気持ちの悪い薄ら笑いが張り付いているのがわかった。ヒントを求めて辺りを見回した。こいし様は厨房からいなくなっていた。おくうは床に伸びて、夢の国へ旅立っていた。あたいとさとり様の周りだけ、空気が重々しい。さとり様はティーカップを爪で弾くと、
「口に出して言いなさい。こんがらがってて読めないわ」
いつになく強い調子で指示してきた。
「さとり様なら、読めないなんてことは」
「ゆっくりでいいから」
さとり様はあたいの手を引いて、隣の椅子に座らせた。身体ごとあたいのほうを向いて、あたいを見つめていた。本物の目同士で視線を交えたのは、もしかしたらこれが初めてかもしれない。さとり様は顔を向けなくても心を読めるから。しっかりと見れば、勝気な紅い目をしていた。ためらいがちに揺らぎもした。長い間、あたいはこの人と向き合ってこなかったのだ。一方的に読まれ気遣われるのに慣れて、妖怪と猫の関係に甘んじて。
「あたいは、悪いことしちゃったかなって考えてたら、さ、さとり様と会った頃のこと思い出して、懐かしくなって」
つっかえどもりながら、掠れる声で話した。喉が思うように動いてくれなかった。さとり様はあたいが格好悪く話すのを、頷いて聞いてくれた。
「さとり様に何かしたくて、あれ作ってみたけど。さとり様があたいのことあれこれ考えてくれてたのが嬉しくて、でもあたいちっともさとり様のことわかってなかったなーって、そんな風に考えてたら悲しくなったりもして」
自分で気持ちを筋道立てて説明するのは、難しかった。組み立てた端から流れが崩壊していく。日頃読まれっぱなしだったあたいには、特に厳しい。ただ、これは自分の思っていることだという実感は湧いてきていた。
「だからさとり様にも、もっと色々本当のことを言ってほしくて、喜んでほしくて。そんな感じです」
ごちゃごちゃになってどうしようもなくて、恥ずかしい独白を終わりにした。頬が火照っていた。両拳は堅く握られて、汗をかいていた。支離滅裂な内容だった。あたいには心を読む力はない。だからさとり様の言葉が本当か嘘かなんて、判断できないのに。
さとり様は瞑目して間を取ってから、焦げた鍋とボウルで埋まった流しを指さした。片付けて頂戴と言いたげに。力のない笑みを浮かべて。あたいは黙って立ち上がった。あんまり変なことを言ったから、さとり様が気を悪くしたのではないかと考えた。尻尾が通り過ぎるときに、さとり様は言った。
「ありがと、お燐」
雪兎を作って帰ってきたこいし様と、寝ぼけ眼のおくうと。さとり様とあたいとで、アップルパイになりきれなかったケーキを食べた。生地は黒焦げの惨事を免れたが、パイの食感をオーブンに置いてきてしまった。理想像さえ考えなければ、食べられないことはなかった。
さとり様が、かつてアップルパイを焼いてくれたときのように笑った。
お燐たちの気持ちが篭ってたら、さとり様には嬉しいことでしょう。
なんとも微笑ましくなるお話でした。
面白かったです。
アップルパイのように酸っぱくて甘い、そんなお話ですね。
地霊殿組各キャラクターの気持ちが伝わってくるようです。
季節は寒いですが、このお話のお燐たちには暖かいものを頂きました!
筆主様、ありがとうございました!
さとり様、これはさりげなくすごい殺し文句ですよ。
さておき、地霊殿一家のねじれの中核はやはりさとり様になりそうなので
いかにしてその心を開くかがどうしても高いハードルとしてそびえるんでしょうなあ。
読み応えのあるお話でした。
心が読めるさとりならではって感じで。
地霊殿ファミリー好きだなあ
文句なしで100点を
登場人物全員が輝いてました。
ヘタにひねらなくてもいいものはいいんだよ。
満点! 満点でございます! おりんりんがかわいいよかわいいよ!!
まともな感想なんて残せないよ!
あ、い、し、て、るぅぅぅぅぅぅっ!!!
このお燐ちゃんには是非さとり様のお嫁さんに成って貰いたい。
お空ちゃんもらしくて大好き。
あったかい気持ちになります
ひとりひとりの個性がよく表されてて良かったです。
でも最後にはアップルパイになりたいと思うようになりました。
なんてほのぼの地霊殿。最高でした。
> 自身は全くないけれど。
面白かったです。
地霊殿ファミリーならではの作品ですね。
アップルパイの調理(と失敗)の描写がリアルでしたが、作者さんはお菓子作りが趣味なので
しょうか?
結局、さとりがお燐に冷たく当たったのは、淋しかったから?
おくうが言うならそうなのでしょうけど、ラストにそれを裏付ける描写がちょっとはっきり目に
欲しかったかな。
ああ。家族っていいな
皆で食べるために作った料理は、美味しくて嬉しい。
ペットは家族ですもんね。不器用というか、自己主張しないさとり様の優しさにしんみりしました。
地霊殿を遊んで、普段の古明地家の様子を書いてみたいと思いました。ひっそりしているのか、意外と賑やかなのか、お茶くらいは淹れてくれる仲なのか、ついでにお菓子までつけてくれるのか。思うままに四人の会話を綴ってみたら、家族の形になりました。これはこれでありかな、と感じていただければ幸いです。
質問他に少し答えます。
>BadApple!!
ご紹介ありがとうございます。おもちゃ箱を引っくり返したようなピコピコ音の広がる、とても楽しい曲でした。
>お菓子作り
レシピを見るのは好きです。
>結局、さとりがお燐に冷たく当たったのは、淋しかったから?
最後にさとりの口から話させようか、何か目に見える形で示そうかとも考えました。ただ、幅を狭めてしまいそうなのと、言葉や行動ではっきりわからせる人物ではないかと考えたのとで、止めにしました。もやもやさせてしまったらごめんなさい。
嫌われ慣れていても、大事な人に悪く思われるのは結構辛い。本音を話しての結果なら特に。そういった気持ちで、さとりを描写しました。
呑気でマイペースなおくうが良い感じですね。
これはいいものだ
地霊殿は幻想郷で一番あったかい家族だと思います。
林檎食べれない自分が嫌になってきた
代わりにホットケーキでも作ってたべようかな
今まで読んでいなかったのが惜しまれます。
お燐をはじめとした地霊殿一家のほのぼのした感じがグッドでした。
キャラクターの行動や台詞がとても らしかったり
アップルパイを買って読みながら改めて点数をつけようかと思ったけれど、
読後の高揚感をそのままに!
地霊殿の、いびつでありながら温かい関係が素敵でした。
とても、とても素敵な話をありがとうございます
アップルパイを食べながら、誰かとこのお話について語り合いたいなあ。
いずれ皆が心から互いを理解し信じることができたらいいなあと思いました
でももし俺がさとりんのペットになったら読心能力に甘えすぎて言葉を話す機能が退化してしまうんだろうなあ
いい話だなぁ。
暖かいお話でした
暖かいお話でした
暖かいお話でした