串刺し。
一言で表すならそういう状況である。
細い木の枝を研いだものか――あるいは、悪魔の爪か――
地面に突き刺さった長い木の枝が少女の形をした物体を一直線に貫いている。
物体。
言わず、食べず、冷たく、呼吸していない。
少女。
かわいい。暖かな。表情。着飾った。動くもの。
隔絶した両者を架橋するのは、いったいどんな概念だろう。
水気を多く含んだ少女の肢体は土色に染まり、刺し貫かれた木の枝らしきものは首のあたりから天空へと伸びていた。
ありていに言えば、残酷物語。
ありていに言えば、地獄絵巻。
縄状のもので十字に枝がむすばれている。
両の手はしっかりと固定されており、まるでどこぞの宗教家のようだ。
物体と化した少女はもはやなにもしゃべらない。
愛くるしい所作で動いていた時間は二度と帰ってこない。
虚ろの瞳は、中空へと、無窮の空間へと向けられていて、風が小さく鳴っている。
からからから。
からから。
紅魔の時が始まる。
話は数週間前に遡る。
人形遣いのアリス・マーガトロイドが紅魔館のもとを訪れたのだ。
知己の仲とはいえ、珍しい。
そもそもアリスは人嫌い、人見知り、そんな彼女が外に出るということが、確率的に低いのである。
彼女のことを、レミリア・スカーレットは快く受け入れた。
なにしろ紅魔館は暇で平和で、だからこそなによりも退屈。
退屈は猫をも殺すといわれているが、吸血鬼だって退屈に殺されそうになることはある。
「今日はどんな面白いものを持ってきたの?」
レミリアは自室で紅茶を優雅にすすりながら言った。咲夜は静かに紅茶を継ぎ足す。ちなみにアリスの紅茶も到着とほぼ同時に出すことに成功していた。こういった完璧な時間操作は彼女のお手のものである。
レミリアの隣には珍しい人物。
フランドール・スカーレットが興味深そうに二人のやりとりを見ている。
地下からでてきたばかりの彼女にとっては外の世界の出来事はなにもかもが目新しいのだろう。
レミリアはフランドールの方へと視線をやって、ふふと優しく笑う。
「わたしの上海人形を試用して欲しいのよ」
金髪の魔法使いはけだるそうな表情でつぶやいた。こんな遠くまで来たことが少々面倒くさかったのだろうか。それとも単に疲れただけか。
基本、出不精なのである。
アリスの手の中にはちょうど人間の赤ちゃん程度の大きさの人形があった。
普段は糸で操っている上海人形だ。
アリスと同じく金髪でぱっちりと大きく見開かれた蒼い瞳。そして空中に投射された透明な羽は妖精のようでもある。浮揚が可能な個体のようだ。
ただ、レミリアが疑問に思ったことはそもそも試用という概念があてはまるようなものなのだろうかということであった。
上海人形はアリスが細いピアノ線のようなもので操るものであって、他人が使うといってもせいぜいがかわいがる程度しか思いつかない。
「どうやって使えばいいの?」とレミリア。
「この子はね。自律人形の試作機なのよ」
「自律? 動くの?」
「そうよ。ほら……お返事しなさい」
「しゃんはーい」
にこっと微笑む上海人形。
「いまのが挨拶?」
「自律といっても天文学的な数の『式』を内包して、それを状況に適合した形で走らせているだけだから、これが限界なのよ。あまり複雑な動きはできないし、外見上の知能も妖精以下のレベルね。チルノよりアレよ」
「自分でその式とやらを作り出すことはできないんじゃ、厳密な意味では自律しているとはいえないわね」
「それは改良を重ねていくわ……。自分で自分のコピーを作れるゴーレムをイメージしているの。現状、そこまで精密なものはとても作れないし、エネルギーの確保とか問題は山積み。この一体だけで数ヶ月分の魔力の蓄積があるのよ。ちょっと効率悪すぎ。せめて食事は取れるようにしないとだめね。ああでもそうすると人形としての美意識とか永遠性とか少女幻想が崩れてしまってどうしようもないし、お願いだからトイレだけは勘弁してという感じだし……あああ。あああ」
アリスが勝手にもだえ始めたので、レミリアは話の途中で割って入ることにした。
「要するにあなたの依頼は、この上海人形がちゃんと動くか調べてほしいってことなのね」
「ええ。ここだけじゃなくて幻想郷のみんなに頼んでる。同じタイプの人形を渡してね。もちろん断腸の思いだったわ。でも――どうしても、いろんな環境に対応できるか見るためには、そうせざるをえないの」
「ふうん。みんなに渡してるわけね」
自分だけ特別ではないのはなにかしゃくに障る。
わがままな吸血鬼は少しだけご立腹。
「でも、すごいかわいいっ」フランドールがきらきらと瞳を輝かせている。「お姉様。この子かわいいよ」
「フラン。気に入ったの?」
「うん。だってかわいいもん」
「しゃんはい。うれしい」
上海人形も嬉しそうだ。そういうふうにプログラムされているのだろう。
「妹さんでもいいわ。ただ壊さないでね」
「壊すわけないよ。こんなにかわいいんだもん」
しかし、アリスは少々心配そうだ。
「言っとくけど、壊れる可能性もかなり高いわよ」
レミリアは事実だけを淡々と述べる。
「いままでにフランがぶっこわした人形の数は五千体は越えてるんじゃないかしらね」
「絶対に壊さないでね!」
アリスは血走った目をしてフランドールに迫る。
「う。うん。壊さないよ。だって、今までの人形って動かなかったんだもの……」
「動いているから壊さない、か……。まだまだ子どもね」
レミリアはフランドールのことを鼻で笑った。
いままで何人の人間の血をすすってきたと思っているのだ。
生きるためには他者の命を奪うというのが絶対の法則であり、生きているものは原則的に移動しているものだ。
移動こそが生命の軌道。
その軌跡を絶つことこそ、吸血鬼の本分であろうに――。
しかし、フランドールの破壊衝動を知っているレミリアにとっては、壊さないという自制心をフランドールが持つことは喜ばしいことでもあった。
フランには自制心が足りない。
つまり本能的すぎる。幼すぎるのだ。
残酷な衝動を隠すことこそ、少女がちらりと着物の裾から白い脛を見せるときのような媚態なのであり、フランドールが少女として成長するにはそれを学ばなければならない。
壊したいけど壊さないという媚態を――。
まるで性欲のようではないか。
ねえそうでしょう。フラン。
あなたが人形を壊すときの表情はまるで――まるで――幼子を犯しているみたいだったわ。
けれど、レミリアは内心を一言も漏らさず、いつものように穏やかな表情のまま、フランに問いかけた。
「楽しそうね。フラン。あなたが上海人形を使ってみる?」
「え。いいの?」
「もちろんよ。ただし――壊さないように」
レミリアはフランドールの肩に手を置いて、そのあとゆっくりと部屋をあとにした。
続いてアリスはもう一度、絶対に壊さないでと不安そうな声をだして、紅魔館を去った。
誰もいなくなった部屋で、フランはふわりと上海人形を抱きしめる。
「いっぱいかわいがってあげる……」
「しゃんはい?」
と上海人形は状況がわかっていないのか、小首をかしげていた。
フランドールは上海人形を猫のようにかわいがった。
とりあえず上海と名づけているようだ。
もともと上海人形という呼称がついてはいるが、短く縮めて言っているわけではなく、フランドールにとっては完全に固有的な名前として読んでいる。それだけ執着している。
上海人形はよく動いた。自律していることを売りにしているだけあって。ねじ巻き式のできそこないとは違い、どこへ移動するかわからない。
移動こそが生命のともし火を感じさせるのだろうか。
フランドールはもともと自分より幼いものに出会ったことがなかったためか戸惑いを隠せない。しかしフランは決して、上海の世話を咲夜にまかせようとはしなかった。
いつもの狂気をどこかに置き忘れたかのように、上海人形をお姫様みたいに丁重に扱っている。
そして、にこにこと笑いながら
「迷惑かけられるのがこんなに嬉しいなんて思わなかった。わかる? 咲夜」
と言うのだ。
しばらく、フランドールと上海人形のゆったりとした時間が流れた。
例えばこんな他愛のないどこにでもあるようなエピソード。
「上海の靴が片方どこか行っちゃった。探して咲夜」
「上海がなんだかぐったりしてるの。どうしてかな。心配だな」
「上海を抱っこしたらね。小さな力で抱っこしかえしてくれるんだよ」
「だめ。上海はわたしにしかなつかないんだから」
「めーりんもかわいいって言ってくれたよ。うれしかった!」
「上海の写真とりたいな。ねえ。カメラとかいうのがあるんでしょ。咲夜持ってきて」
「上海はお風呂は入れないのかな。アリスが今度来たら聞いとかないと」
「上海の頭を撫でるとね。眠たそうな顔するんだよ」
紅魔館のメイド長はフランの熱心な話に聴きいり、いつも柔らかく微笑んだ。
上海人形はフランドールの部屋だけでなく、紅魔館中をせわしなく歩き回った。
「エネルギーがよく切れないわね」
自室に入ってきた上海人形を横目に、レミリアがうっとうしげな声をあげる。
「妹様にとっては良い成長の機会ですよ。上海のお姉様になられているようです」
「姉、か……」
「お嬢様よりもお姉様になってしまうかもしれません」
咲夜はどことなく嬉しそうだ。
人間は、いつもそう。
単純で生理的な反応にすぐ従う。
よほど人間のほうが本能に従い生きているのではないか。
と、レミリアは思った。
「吸血鬼の本能は単純化すれば、破壊欲求ではない」
レミリアは自分の見解を淡々と述べる。咲夜が驚いているが、瀟洒な彼女はいつだって自分の分をわきまえている。黙って聞いていた。レミリアは多少、気をよくした。
「わたしたち吸血鬼の本能は未成熟な性欲なの。わかる? 血を吸うときに感じるのは所有欲、制圧欲、究極的な支配欲求。そういうものよ。そんな本性をわたしたちはきわめて普通の容姿で隠しているわけ。羽は愛嬌ね」
「はぁ……」
「咲夜は自分の性欲を否定できる?」
「いえ……」
「それをどうやって処理しているか聞いてもいいかしら」
「プライベートですので、ご勘弁を」
「そうね。あまりにも卑猥すぎたわ。ごめんなさい。ただ知っておいて欲しいのはあなたの基準で考えると火傷するかもしれないということ。フランの破壊欲求は子どもが自分の憤懣をわかってもらおうとしてオモチャを投げつけるのと同レベルではない。規模が大きいという意味だけではなく、根源的な意味においても、レベルが違うの。
「多少は理解できます。人間だってそういう側面がありますから。けれど壊したいけれど壊したくないというそういう矛盾した心境こそが成長と呼ばれるものではないでしょうか」
なるほど人間というものは存在自体が撞着でできているようなものだ。
いやそれは、レミリアたち吸血鬼も同じなのだろう。
レミリアは笑った。
「咲夜はわたしの心が読めるみたいね。わたしもあなたと同じことを考えていたわ」
「もったいない言葉です」
時間は淡々と進んでいく。
そして、平穏な日々は突如として終りを告げた。
始まりはフランドールのせつない泣き声からだった。
フランドールが咲夜に泣きついてきたのだ。
咲夜は泣くという行為でここまで一心不乱になれるものなのかと驚愕した。
狂気と破壊の力をもった悪魔の妹だけに、本能的に懐のナイフに手を伸ばしてしまったほどだ。
もちろん時間を停止させて一瞬でしまいなおした。
泣いていた。
本気で泣いていた。
どうしていいかわからず、幼児のように――実際に幼児なのだろう――言葉にできないもどかしさがあるようだ。
五百歳近い年齢とはいえ、吸血鬼の成熟スピードは人間の何百分の一にも満たないのかもしれない。
だから、咲夜は膝をついて視線を合わせて優しく聞いた。
「どうしたのです。妹様」
「上海が……ぐす。いなくなっちゃった……」
「上海がですか」
もう一度聞きなおすと、フランはこくりと力なく頷く。
「紅魔館のなかはお探しになりましたか」
フランは首を横に振る。
「では、わたしが探してきましょう。妹様は自室にお戻りください。もしかするとひょっこり帰ってくるかもしれませんし」
フランドールの紅い瞳は、涙が星のしずくのようにあふれだしていた。
言葉にできず、感情が溢れているのだろう。
主人の涙をぬぐうのもメイドの務めだ。
咲夜はすぐにレミリアの元へ向かった。
一応メイド長たるもの仕事をおろそかにすることはできないし、主人であるレミリアに断りをいれておこうと思ったのだ。
話を聞いたレミリアはあっさり承諾した。
「楽しい夜になりそうね……」
運命の見えるレミリアにとっては、これから何が起こるのか少しだけ知っているのだろう。
抽象的な視座であるから、具体的に何が起こるのかは聞けなかったが。
とりあえず心置きなく咲夜は探し始める。
まずは紅魔館の内部。メイド妖精たちにも話を聞いてみる。
夕方ごろまではぴこぴこと歩き回っていたらしい。それからは見かけていないとのことだった。
一応、地下の図書館にも言ってみた。
ここにはパチュリーと小悪魔がいる。いつものようにパチュリーは椅子にじっと座って本を読み、小悪魔はせわしなく本の整理をしているようだ。
「どうしたの。咲夜」
パチュリーはわずかに視線をあげて聞いた。
「妹様の上海人形がどこかに行ってしまわれたのです。それで、こちらのほうに来ていないかと思いまして」
「上海人形か……」
パタンと本を閉じて、パチュリーが身体を咲夜の方に向ける。
いつもは沈黙を保つパチュリーも今回ばかりは自分の身に危険が迫る可能性があるので、真面目に話をする気になったのだろう。つまり、フランが狂気に駆られるとそれをセーブするのはとりあえずのところはパチュリーの役目だった。
雨を降らして足止めをしたり、空間ごと封じこめたりとなにかと大変なのである。
「あの人形は妹様にとって、弁のような役割だったのね。精神がスムーズに流れるようにするための装置。そうだとするとあの人形がなくなったらどうなるのか、考えるだけでもうんざり。一時期押さえつけていた狂気がまた元通りになりかねないし、感情の垂れ流しになってしまったら、今度は抑えられるかわからないわよ」
言外に咲夜の責任は重大だといわれているようだった。
「善処します」
「そんな無責任な政治家みたいな物言いしないで、なんとかしてみせなさい」
「わかりました」
「あなたには期待しているわ」
そしてそこで初めてパチュリーは思い出した。
「件の人形だけど、ここには一度も来てないわね。もしかすると正の走光性があるのかも。つまり明るい方へとふらふらと誘われるような性質」
「外、ということですか」
「まあその可能性が高いというだけよ。でも、そこまで遠くまでいけるとも思えないわね。高密度の魔力精製とはいえ、そろそろ枯渇するころでしょうし、そんなに無駄に力を使う設定だと、すぐに破綻してしまう。あの人形遣いがその程度の実力しかなかったのなら、話は別だけど――。あれだけの緻密な人形を創り上げている時点で、編み上げられた『式』にも相当な力量があるのではないかと推測できるわね」
咲夜は黙って聞いていた。
結論から言えば、要するに外にいる可能性もあるが、そこまで離れてはいないだろうし、あるいは帰ってこようとしている可能性もあるようだった。
「くれぐれも――よろしくね」
「時を操ってでも、見つけてきます」
けれど、十六夜咲夜にも不可能なことはある。
決してできないことは存在する。
経過してしまった時を巻き戻すことは決してできない。
上海人形は串刺しにされた状態で、紅魔館の裏手に広がる大きな庭園の中で見つかった。
円形に刈り取られた草と丸くふちどられた小さな泉。そんなお洒落な庭園である。
あまりにも近すぎて、あまりにも簡単で、逆に驚いたほどだ。
これではまるで見せつけるかのようではないか。
咲夜の中に静かな怒りが生じる。冷徹な表情のまま心の中はマグマのように煮えたぎっていた。
犯人を見つけたら必ず殺してやろうと誓った。
それほどにむごたらしい惨状だった。血はもうほとんど乾いていたが、擬似的な血液がいくらか地面に飛び散っているようだ。
紅い血に似たそれは、首筋から、目元から流れ出して上海の身体をまるで別物のように塗り替えている。
連想したのは儀式。
黒魔術。
そんな類のもの。
「どうして、こういうふうにできる……」
呟く。
どれほどの意志がこれほどのことを成しえるのか。
いやそれよりも――
妹様になんと報告すればいいのか。
フランドールの顔を連想したら、言葉がどんどんと虚無の中に溶けていくような感覚が生じた。
狂った時計のように心音は絶え間なくリズムを変えていく。
どく。どく。どく。
狂ったように脈打つ。
どくどくどく。
しかし残った理性が考えた。落ち着こう。いまはするべきことがある。
自分の時計を咲夜は操る。
冷たい氷が心の中に浸透していくような感覚に、頭の中は冷静すぎる計算を繰り返した。
死んだ上海よりも今は生きているフランドールのほうを守るべきだ。
どうすれば、もっともダメージを少なくできるか。
とりあえず、上海の物言わぬ体をずるりと引き抜き、草で覆い隠した。
もしもフランドールに見つかったら、どんな狂態に至るかわからない。
もしかすると――フランドールの心が壊れてしまうのではないか。
想像し、恐れ、咲夜は人形のような無表情で、事を遂行した。
手が少し汚れる。
あとでこれをどこに捨てるか考える。燃やしてしまったほうがよさそうだ。全部燃やして全部なくしてしまって、それからアリスにはどこかに行ってしまったとでも手紙に書こう。
頭がぼんやりとする。
胃の中が裏返ったような、そんな違和感。
そして――フランの嬉しそうな表情。
母のような慈愛の表情。
最後に上海の無邪気な声が脳内に鳴り響き、十六夜咲夜は――完璧で瀟洒なメイド長は、このときばかりは少し吐いた。
事が事だけに咲夜はまずパチュリーの元へと向かった。
紅魔館でもっとも知恵を持つ彼女に、今回の犯人を見つけてもらおうと思ったのだ。それと、フランドールにどう対処するべきかもいっしょに考えてもらいたかった。
咲夜の話を聞くにつれて、パチュリーの顔が歪んだ。
おぞましい話である。
残酷すぎる話。
だから、咲夜は当然だと思った。
「妹様にはどう報告すればよいのでしょう」
「……難しいところだとは思うけれど、そっとしといたほうがいいんじゃないかしら」
「しかし、上海をこのところ妹様は心のよりどころにしていました。わたしの報告がなければきっとおかしいと思いますよ」
「いや――それはないと思う……」
「どうしてです?」
「あの子も少しは成長しているようだからよ」
パチュリーは大きくため息をついた。そんな言葉では納得できない。
いくらフランドールが成長しているとはいっても、今も儚い蝶々のような精神なのだ。守ってやらなければすぐに壊れてしまうようなかよわい心なのだ。
だから、納得できなかった。
本気でパチュリーは心配しているのだろうかと、咲夜は一瞬疑った。
そんな自分を恥もしたが、今はあの上海人形の残酷映像が目の裏にこびりついていて、どこか冷静になりきれない部分があるのだ。
パチュリーはそんないつもとはまったく違う咲夜の様子を冷静に観察する。
本を見るように観察。
「なるほど……了解したわ」
「え? 何がです」
「あなた、その犯人とやらを見つけたとしてどうするつもり」
「殺します」
咲夜は静かに声を出した。静かで重くて、そこには強い意志があった。
「人を殺すというのは強い意志のなせる技ね。咲夜」
パチュリーは咲夜の激烈な感情を受け流すかのように、月のような柔らかい言葉をはなつ。
気を抜かれて、咲夜は反応が遅れた。
「でも、どうして上海が殺された――いや壊されたと思ったのかしら」
咲夜が答えようとするが、パチュリーは押しとどめて続きを話す。
「単純なことよね。上海人形がどれだけ残酷すぎる状態だったかわからないけれど、要するにその残酷な状況こそが殺意を連想させた。そういうわけでしょう」
「そうです」
「けれどそれはあくまでも連想。連想というのは因果関係の強そうな事柄を推測でつないだものだから、あくまで可能性の段階にすぎないの。だとすると客観的な事実やあるいはより強い可能性の前には敗北し、その考えを捨てなければならない。わかるわね」
「え……ええ、そうです」
「結論から先に言うわ。上海を串刺しにしたのは妹様の仕業よ」
「…………え?」
「わからないならもう一度言うわね。この一連の行為をやったのは妹様」
「嘘、でしょう?」
だって、あんなにも優しくしていたではないか。
あんなにもかわいがっていたではないか。
それなのにどうしてこんなに残酷な仕打ちができるのだ。
「混乱しているって表情ね。無理もないわ。でも別に妹様が嘘泣きしてたとかそういうわけでもないの。事はあまりにも単純で、だからこそあなたにはわかりにくかったのかもしれないわね」
「よくわかりません。説明してください」
「まず社会的な情勢から考えて、絶対的とまではいえないけれど、ほとんど妹様しかあんなことはできないのよ。殺意の認定時に重要な要素として挙げられるのは利益と損失。自分が何を得て、何を失うか。その観点から見てみると、あの破壊の悪魔である妹様のお気に入りの人形をわざわざ壊す者がこの紅魔館にいると思えない。上海を壊すあるいは殺すことに利益がある者は誰もいないの。損益については述べるまでもないわね。もしも壊したことがばれれば、そいつもまっさきに破壊されるでしょうよ。かつてないほどむごたらしく……。間接的にも損益は生じるわね。例えばわたしがそういう犯行をおこなうとして、これから先、妹様が狂態に走るとするとそれを何とか抑えなければならないし、それは他のメイドや美鈴、あなたも同じ。つまり、今回上海人形が死んで得した人間は誰もいないし、不利益なことばかりが生じていることになる」
「ですが、妹様にとっても上海を殺す理由がありません」
「理由なんて――動機なんて誰にもわからないものよ。わたしだって単に推理を述べているだけで、あまりにも物的証拠が少なすぎる本件では結局のところ主観的な意見とそれほど変わるものじゃない。パラメータが多すぎるのよ。人の意志をひとつひとつ勘案していくとなるととてもじゃないけど時間が足りないぐらい。だからあえて限定して物事を考えましょう。ほんのわずかな可能性では紅魔館以外の何者かが殺したとかそういう可能性もあるわけだけど、この紅魔館だけで考えるとすると、あなたが言ったとおり妹様には上海人形を殺す理由がない。理由がない動機がない殺人もあるからその可能性も少しは勘案すべきであるが、それもまた捨象する。そうすると一番可能性が高いのは、妹様は上海人形を殺していないってことになるわね」
「殺して、いない?」
「そう仮定して考えてみて。上海は誰にも殺されてなかったのよ」
「……エネルギー切れを起こしたということですか?」
「正解。そう考えるといろいろと附合するのよね」
「ですが、いなくなったと妹様はわたしにおっしゃってました。泣きはらした目で、わなないた唇で、わたしに抱きつかれたのです」
「そう……、いなくなったのね。誰もいなくなった。妹様は地下の暗い部屋の中で孤独だけは嫌になるほど享受してきたわ。そういった経験が他者性に敏感にしたんじゃなくて? だって妹様は動いているから壊さないんでしょう」
「つまり――つまり……それは……」
「動いているから、生きているから、そこに魂があるから、そこに精神があると信じるから―――――動かなくなったソレはもう、上海じゃなかった。上海の形をした物体にすぎなかった。だから、
図書館の中には沈黙が満ちている。時折場違いなことに「はー忙しい忙しい」と小悪魔の暢気すぎる声がどこかから響いてくる。
「でも――そうだとするとなおのことおかしいです。妹様はどうしてあんなことを――」
「幼いからよ。どうしてわたしが一連の行為を妹様がしたのかと思ったかというと、実はその点が関係してくるの。紅魔館の中で精神的に幼児に近しい者はいないのよね。だから――理解しにくい。だから、わかってもらえないことも多いと思うわ」
喘息を気にして、一呼吸。
「要するに、葬式だったんじゃないかしら。かしらと言っておくわね。わたしには他人の気持ちなんてわからない。狂いに狂った妹様の心を理解できるとも思えないから。だからこれは単に推測……、妹様は物体と化したかつての精神を偲んで、せいっぱいに着飾って、せいいっぱい祈りをささげたのだろうと思う。彼女なりのやり方で。彼女なりの作法で。――当然やり方なんて知らなかった。誰かに聞いてもよかったけれど、上海のことは自分で全部やりたかった。だから、必死で考えて実行した。咲夜が見てきた映像が客観的に見てどれほど狂気と狂乱に満ち満ちていても、主観的な意味においては、敬虔で哀しくてせつない行為だった。そう解釈することにするわ」
もちろん違う解釈も成り立つとパチュリーは付言した。
それは、フランドールが気まぐれに人形を破壊して、気まぐれに人形を野ざらしにしたという考えである。
お好みの真実をどうぞと言われ、咲夜は無数の言葉が浮かんできたが、すぐにかき消した。
沈黙するしかなかった。
フランドールに『どんな思いでそうしたのか』などと、とてもじゃないが聞く気にはなれなかった。
上海人形の死体を下ろしたときに、伝達不能な言葉があることをすでに体験している。
気持ち悪いのに食べなければならないような気持ち。
寒いのに水風呂に入らなければならないような気持ち。
あるいはゴルゴダの丘を越えるとある宗教家の気持ちがあんな感じなのだろうか。
かいつまんで言えば、死にたい気分。
あんな気持ちを追体験させるなんて。
とても。とても。
[結局、U.N.オーエンは誰だったのか]
「あー、またパチュリー様がわたし以外の人とイチャイチャしてますねぇ。放置プレイはさすがにSMプレイの中でも高度すぎます。でもわたしの溢れるパチュリー様への愛があれば、放置プレイだって十分にイってみせますよ。あっ。あっ。パチュリーさま。あっ。あっ。はぁぁぁぁんっ」
口に手をあて、小悪魔は恍惚の表情を作ってみせていた。
もちろん演技である。
パチュリーはいつものことなので放置プレイを続行することにした。
きわめて事務的な言葉で淡々と聞く。
「小悪魔。仕事は終わったの? 新しく入荷した本の整理がまだでしょう」
「もう八割がた終わりましたよ。やれやれ小悪魔使いが粗いですね。今回はぜんぜん絡めなかったじゃないですか。わたし、こう見えて寂しがり屋なんですよ。うさぎだったら死んじゃうレベルです」
「じゃあ死ねば?」
「冗談です。今回はなんだか辛らつですねー。お言葉が子宮に突き刺さってくるみたいです。こんな矮小なわたしを言葉で受精させようなんて、とても……魔女らしいです。ふふ。わたし自重。わたし自重。ふふ……」
放置プレイ続行中。
小悪魔は楽しくコンティニューすることにした。
「もしかしないでも、わたしがこれから何を言うのかわかっていらっしゃるとか?」
小悪魔はまさしく悪魔的な笑いを浮かべている。
ああ――いつものこといつものこと。
パチュリーは本から視線をはずさない。
結局、小悪魔は独り言のようにパチュリーに言い聞かせることになる。
以下、省略された言葉はない。冗長な言葉をねちねちとパチュリーに聞かせることが小悪魔の喜びなのである。
前略。
今回の妹様の行為ですが確かに葬式だと解釈するのがもっとも合理的だと思います。
妹様の上海人形に対する溢れる愛があんなにも美しい情景を作り出したのでしょうね。ええそうです。こっそり見てましたよ。他の妖精メイドたちはわからなかったみたいですけど、おもしろいことを探しているわたしにしてみれば、あんな簡単なところで見つからないほうが逆におかしいです。ああ、誤解を招く言い方でしたか。妹様が行為に及んでいる時をじかに見たわけではないですよ。見たのは串刺しオブジェクトだけです。咲夜さんが来る前にちょいとね。
一瞬で目を奪われましたよ。
血まみれで、血塗られていて、小さく白いものが覗いていました。
そして一番強く感じたのは妹様は芸術家なのだなということです。
こんな隠れた大芸術家がここ紅魔館にいるとは思いませんでした。皆様、唯美主義ではなくて唯物主義的なんですからね――。
いやいや例外的なお方がいるとわかっただけでも収穫です。
ねえ、そうでしょうパチュリー様。
例外的なお方が見つかりましたよ……。
さて。本件について移りましょう。
ここで問題となるのは果たして上海人形は本当に自動的に停止してしまったのかという点です。まあいまさら確かめようがないことですし、いまごろすっかり灰になっているであろう人形を調べても無意味なことなのですがね。
この点につきパチュリー様は動機の面から推察なされていました。
ですがここの理由が妙なんですよ。
パチュリー様が珍しくもけっこう一般常識的なことを言っていますよねえ。
それって撞着じゃないですか。
だって、妹様の葬式ごっこについては幼児性を持ち出してきて一般常識からは図りがたいという旨のことをおっしゃっておきながら、人形が殺されていないことの本証は言ってみれば『常識的に考えて』誰も利害関係にないって言ってるだけですよ。この言葉おかしいですよね。常識的に考えて――、この言葉はちっとも客観的ではありません。客観性とは時空間に縛られてはいけないのです。
常識的に考えて、『常識的に考えて』という言葉は時間と空間に縛られた言葉なのですよ。
失礼――
少し脱線してしまいました。
つまりこういうことです。
パチュリー様は人形が誰にも破壊されずに自動停止したことの理由としては、紅魔館のメンツが常識的判断をするであろうということを根拠にし、
他方で、妹様が葬式ごっこにご興じなされたことの根拠としては、言ってみれば異常性を理由にしているのです。
もちろん妹様はあのような精神年齢のお方ですから、事実上、紅魔館では浮いた存在であることを否定はしません。
ただし、一方を常識のグループで囲っておいて、妹様だけを仲間はずれにすることはないでしょう。
これは人為的な操作です。
わかっていますよ。咲夜さんを守ったんですね。
まあいいです。
沈黙するのは肯定の一種ですから。
さてさて、わたしのカテゴリーとしては仲間はずれはよろしくないということで、ここはちゃんと皆様も『異常』の枠でくくりなおしてあげましょう。みんな仲良く狂っていれば、それはつまり常識です。みんなが裸で過ごすことを当たり前だと感じれば、裸であることは日常なのですよ。
もしも紅魔館の中に異常性を抱えた人物がいる可能性があったら……。
いくら妹様が破壊の能力を有していても、人形を破壊する人物がいてもおかしくありません。
だって、パチュリー様の考え方は常識的に考えると人形を壊さないだろうという考えに基づくものです。妹様の大事な人形を壊してしまったら、妹様の破壊の制裁を受けざるを得ませんし、仮に私刑を免れたところで慙愧に堪えない結末をむかえそうだ。なるほど合理的です。
しかし、それは合理的すぎる。
個我を持つ存在が、そんなに合理だけで生きていけるものですか?
わかりませんね。
他人の気持ちがわからないとのたまうパチュリー様。
わたしもぜんぜんまったく理解できないことがあるのですよ。
ですが――ね。
人の行為は一応の一貫性を持っているものと見るべきです。完全にぶっこわれている人間はともかくとして、たとえ狂っているにしろ、幼いにしろ、自らに課したルールというものは、なかなか破壊することができないのですよ。
そういった考え方にもとづいて、本件について考えをめぐらすと、妙な点が浮かび上がってきます。
それは妹様の行動です。
いえいえ、もちろん葬式ごっこがおかしいと言ってるわけではないですよ。
あれは敬虔な行為であり純粋な行為です。
そうではなく――、実に細かい点なのですが、どうして妹様はそういう聖なる行為をしたあとにお手を洗われたのでしょうか。
ん。そうです。咲夜さんは何も言っていません。言わないってことはそのとき咲夜さんはなんら異常性を見出せなかったのです。もちろん妹様が泣いていること自体がひとつの異常ではありますが、それ以上の異常が見出せなかった。だからそのことはパチュリー様にも伝えられておりませんし、わたしにも伝わってきていないのです。
なにごともなかったからこそ言われなかった。
だから、妹様は咲夜さんに泣きついたときにぜんぜん血まみれた格好じゃなかったのですよ。
これはまちがいないことです。よければ咲夜さんに確認してみればいいです――嘘ですよ。そんなに睨まないでください。
ともかくそうするとですよ。
これってすごく――いや、ちょっぴり変じゃありませんかね。
おっしゃりたいことはわかります。単に気持ちが悪かっただけだろうとか、咲夜さんにお食事前には手を洗うようにいつも言われているからそれを実行しただけなのだろうとか、いくらでも理由はつきます。
ただ、やっぱりおかしいのは、妹様は人形が停止したことを知って、葬式をおこない、それから咲夜さんのもとに行っているわけです。
咲夜さんに報告すること自体、多少変ですが、これはまあ理解可能です。
悲しみが爆発して、誰かに想いをぶつけたかったのでしょう。
ただ、そういう幼い感情の爆発があったとした場合、どうにも冷静に手を洗うという行為が少々浮いて見えます。
どうして手を洗ったのか。
あるいは血の程度によっては、服も着替えたかもしれません。
どうしてそこまでしたのか。
ねえ……、パチュリー様。よくわかりませんよね。
妹様は悲しみの淵にあられたのですから、妹様が上海人形を壊したことは考えられません。ですから罪はないのです。罪のない行為を隠匿する必要はない。
また葬式ごっこがいくら異常に見えるといっても、妹様自身にとっては誠実な行為なのですから、やはり隠す必要はない。
そうすると、妹様がお手を洗われたのは他者のためであると考えるのが筋です。葬式ごっこは異常ではなくても人形を壊すことは妹様にとっては罪だったわけですよ。
感慨深いですよねー。
妹様が破壊することを悪いことであると知ったのはいつでしたっけね。
つい最近ですか?
成長してますね。
ほほえましいぐらいに遅々たる歩みですが、確実にご成長なされています。
わたしも紅魔館の一員として本当に嬉しいですよ。
さぁ……もう一息。
妹様は誰かをかばいました。
これは間違いようのない事実です。
そして――
妹様がそうまでしてかばいたい者は一体誰かと考えると……考えるまでもありません、もうほとんど一人しかいませんよね。
そうです。
レミリア様です。
わたくし小悪魔が考えますに、レミリア様が上海人形を破壊したのでしょう。
目の前で壊したのか、あるいはそうでないのかは知りません。どうして破壊したのかもわかりません。
例えばこんなストーリーを思いつきました。
レミリア様にとっての妹様は、お人形だったのです。
お人形を壊したいほどに愛しているけれど壊したらいけないという自制の心も持ってらっしゃるレミリア様は、とりあえず人形の人形で代替しようとした。
そして、レミリア様は内在する未成熟な欲求を存分に満たされた。
まあ、動機なんて正直わかりません。あまり深く追求しても殺されそうですしね。
でも、おもしろいのはですねー。
妹様の行動ですよ。
妹様はレミリア様が大事なお人形を殺したことを、どういう経緯かわからないけれど知ったわけです。
そして、ここで選択した。
人形ではなくて実の姉を守ろうと考えた。
そして、嘘をついた。
上海人形は
妹様は本当に姉思いです。
そしてとても幼い。
この言葉にこめられた意味は、上海人形が永久に失われた事に対する悲しみももちろんありますが、それよりもなにより、上海人形は自らいなくなったのだから、誰も上海を殺していないし、姉様も当然殺していないと主張しているのですよ。
なぜ咲夜さんに泣きついたか。そしてなぜ葬式ごっこをしたのかもあわせて考えるとまるでめちゃくちゃですが、一応筋は通ってる。
引き裂かれていたんですよね。
上海人形に対する想いと、愛する姉に対する想いに。
かわいいですよねー。
抱きしめたいほどにかわいらしい。
おや、どうしたんです。
パチュリー様。気持ち悪いんですか?
「言っておくけど、このことは……」
ええ、わかっていますとも。
もちろん心の中に閉まっておきます。
運命を操る吸血鬼と破壊を司る吸血鬼の両者が共犯であるというのに、バカみたいにつっこんでいくわけないじゃないですか。
U.N.オーエンは
まあそんなだから不注意な読者は作者の言葉に右往左往するのだけれども、
ちなみに自分は右往左往しました。
よいミステリーでした。
『なぜ血まみれでなかったか』……そんなこと思いつきませんでした。
良い意味で虚を突かれて良かったです。
あと、(良い意味で)特徴的な小悪魔が出たとき「これ、あの人じゃないか!」と気がついた。
最後のパチュリーのセリフは無くて良かったかも。
次も期待してます。
まぁレミィが吸血鬼の本能は破壊欲求だと語っていたところがヒントになって「もしかして犯人はレミリアなのかなぁ・・・」とは思っていましたが・・・
妹様が犯人でない根拠などはきずきませんでした。面白かったです。
ホワイニダットのフェア/アンフェアの線引き自体が
私には曖昧に思えるので、あえて推理小説じゃないものとして評価します。
しかし推理小説を推理小説じゃないものとして評価すると、
間違いなく雰囲気小説になっちゃうんですけど、
コレ、雰囲気小説としても十二分にイケてます。
だから高得点。
いくら咲夜さんでもU.N.オーエンが単独犯ならぬ共犯による複数犯なら解ける者も解けませんね。
というより、アリアリです。
言い訳させていただくと。
二次創作でミステリーって前提条件があるがゆえに難しいところがひとつ。
ついでによって、弾幕だしたり空飛んだり、空間歪曲、論理想像、時間操作等、まあぶっちゃけ無理すぎな予感もひしひしと感じております。
いろいろとありそうですが、そこは目をつぶっていただく他ないのかも。
寛容の心に助けられております。
ちなみに、なにが書きたかったかというと、異常とはなにかかなぁ……一応。