※オリジナル解釈が含まれております。
魔界異変から数日が経ったある日のこと。
博麗神社は今日も平和だった。
「霊夢!」
静かだった境内に、名前を叫ぶ声が響き渡った。
その声の主は霧雨魔理沙。自称、魔法使いだ。
「霊夢!邪魔するぜ!」
「魔理沙?また来たの?」
興味無さそうに返事を返したのは博麗神社の主で巫女をやっている博麗霊夢である。現在、霊夢は境内の掃除をしている最中だった。
魔理沙はよく博麗神社に遊びに来ては掃除の邪魔をしたり、弾幕ごっこをしたりと境内を荒らして帰っていく。
仲が良いのか悪いのか分からない関係だ。
「来たぜ!それよりも、ビッグニュースだ!」
はぁ?と言わんばかりに嫌な顔をする霊夢に魔理沙は淡々と続ける。
「取り敢えず聞け!この幻想郷で数百年に一度しか開かれない『シルクロードアリス』って道が有るんだが、なんと!それが今日なんだぜ!」
「根拠は?」
「この間、魅魔様が言っていたんだ!しかも場所が博麗神社なんだよ!」
「そう・・・なら私は押入れの掃除も有るから、あんたは境内の掃除よろしくね」
霊夢は可憐にスルーな発言をするなり、ふと魔理沙自身の違和感に気づいた。
「それよりあんた、箒は?しかもそれは何?」
魔理沙が箒を持っていないのだ。しかも、背中には白くふわふわした物が装備されており、霊夢はこれを疑問に思い魔理沙に聞いてみた。
「スルーかよ・・・ってこれか?羽だぜ!」
「は?」
「魔界で暴れた時に箒に傷が入ったみたいでな。今修理中なんだよ」
「・・・」
「そんで代わりがこの羽って訳だ!」
「はぁ・・・」
返事に困った霊夢はただ聞き流すことにした。先日の魔界異変で霊夢も多少の傷を負ったので何とも言えない心境だった。
「魔法使いに羽!まさしく天使だよな!まぁ今日一日しか使用出来ないけどな」
にっしっしと笑う魔理沙はどう見ても天使にはほど遠く見えた。
その羽は浮遊及び飛行に使用するみたいだが、箒とは違い魔理沙の売りであるスピードを出すことが出来ないと欠点が有った。
「ふ~ん、じゃあ掃除よろしくね」
「人の話ぐらい聞けよ!」
言うなり霊夢は自室の方へと行ってしまった。
魔理沙は境内で一人になるなり、霊夢の断り無く縁側に勝手に座り『シルクロードアリス』に期待感を持ち一人で空を眺めていた。
「シルクロードアリス、楽しみだぜ」
霊夢に言われた掃除や霊夢の手伝いもする気は無く、ただゆっくりと時が来るのを待った。
数分後、西の方角から人影が見えた。
魔理沙はその人物がこちらに向かっていることを確信すると、境内にある大きな木の陰に隠れ相手が神社に来るのを待った。
人物の姿が見える辺りに来ると魔理沙はその人物が少女であることが分かった。それもかなりの特徴的であった。
少女は箒に跨って低空を飛行しており、その行動方法は魔理沙にもよく似ていた。
魔理沙は彼女を見るなり、彼女が人間でも妖怪でも悪魔でも魔法使いでも無いことを確信した。
「とんでもないとこまできてしまったかも・・・今日中に帰れるのかしらん」
少女が独り言を言う。魔理沙はこれに便乗して勢いよく木の陰から少女の前へと飛び出した。
「撃つと動く!!」
「!!?」
「初めまして、空飛ぶ機械ネズミさん。こんな辺鄙な所までなんの用かしら?」
そう、少女は機械なのだ。
魔理沙は「撃つと動く」などと変わった挨拶をし、少女の返事が返って来るのを待った。
直ぐに少女は返事を返した。
「おつかい頼まれて来たです!・・・それにネズミじゃないです!」
「じゃ、ネコだな。なにを取りに来たんだい?機械ネコ。いやネコ型ロボッ・・・」
「私をあんな、力の使い方の分かっていない低脳ロボと一緒にしないで下さい!!」
魔理沙が言い終わる前に少女は否定の言葉で割り込み、魔理沙の台詞を打ち消した。
ドラえ○んか!っとツッコミを入れる入れないよりも、魔理沙がなぜそれを知っているのかが不思議だ。
幻想郷にもドラえ○んが来たことがあったのだろうか?
「私は、ご主人様に頼まれて、あるモノを探しに来ただけです」
「あるモノ?こんな場所に?」
「そうです。・・・聖杯を探しに来ました」
聖杯と聞き、魔理沙は困惑した。
魔理沙には心覚えの無い言葉ではあるが、その名の通り聖なる杯と聞き不思議に思った。
「・・・お前の主人はなにをやらかすつもりなんだ?そもそも、そんなもんこんな東にあるわけないだろ?頭使えよ、頭」
「私の頭脳回路は全身にありますが、主に胸部に集中しております」
魔理沙の話し方は皮肉に近く、喧嘩を吹き掛けている様にも見える。
それに対し、少女は戦闘意欲を露にした返答を返した。
「・・・やる気まんまんのようだな?久しぶりの魔法だ。気ぃ入れて『逝き』な」
「そうですね無いならすぐに他の場所に『行かない』と・・・」
魔理沙も戦闘体勢に切り替え、ミニ八卦炉を構える。
少女は言い終えるなり戦闘体勢になり弾幕勝負が開かれた。
先手に魔理沙が少女に目掛けて散弾を放つが、少女は意図も容易く魔理沙の散弾を避ける。
後手に少女は小さいレーザーを二本放ち、魔理沙はそれを回避し、スペルカード、儀符『オーレリーズサン』を発動。
五つの色とりどりの弾が展開される。
少女はレーザーから散弾に切り替え魔理沙へと攻撃をする。
箒が無い魔理沙では高速な回避が出来ないので、散弾の一部を展開中のオーレリーズサンで何とか防御する。
少女の弾幕が止むと同時に魔理沙はオーレリーズサンを少女に目掛けて放出する。
しかしこれも容易く回避され、少女は散弾を再度全面に撃ち放ち全てのオーレリーズサンを破砕した。
ここで魔理沙は二つの疑問を抱いた。
(奴の弾幕は私の魔力を上回っているのか?)
(なぜスペルカードを使わないんだ?)
少女は幻想郷の人物ではない。もちろんスペルカードルールを知らず、スペルカードを所持していない。
そして少女は核エネルギーよりも上回るエネルギーを自身の動力として所持しているのだ。
このエネルギーは此処ではない遥か遠く、或いは遥か遠い未来で使われているエネルギーだ。
もちろん魔理沙はこのことを知る善しもない。
魔理沙は散弾を回避しつつ、レーザーやマジックミサイルで応戦をするが、少女には掠りもしなかった。
散弾が再度止むと同時に魔理沙はスペルカード、天儀『オーレリーズソーラーシステム』を発動し、六つの色とりどりの弾を展開する。
少女は散弾からホーミング弾に切り替え、数多のホーミング弾を放出。
ホーミング弾は魔理沙へと追尾された。
(ホーミング!?まじかよ!?)
魔理沙はホーミング弾をマジックミサイルでの破壊に試みることにし、ホーミング弾の破壊に専念した。
結果、一部のホーミング弾を破壊出来たが、数多あるホーミング弾全てを破壊することは出来ず、オーレリーズソーラーシステムによる防御を余儀無くされた。
(くそ!箒があれば・・・あっ!)
ホーミング弾を受け続けたオーレリーズソーラーシステムは遂に破砕した。
魔理沙は更なるホーミング弾が魔理沙へと向かって来た。
回避を続けるが、羽での飛行は慣れておらず掠りながらの回避となった。
(くっ・・・ここまでか・・・)
全ての弾の回避が出来ず、羽にホーミング弾が被弾。
魔理沙自身は軽傷だが羽が破壊されては飛行継続が不可なので、境内へと落ちてしまった。
この瞬間に少女は全ての弾幕を止め、心配そうに魔理沙を見つめた。
魔理沙は地面に着くなり直ぐに起き上がり、少女の方へと向いた。
「なんだよ~、強いじゃないか。今日の所はこれくらいに・・・」
ボガッ
捨て台詞を言う魔理沙の頭を強く叩く鈍い音が聞こえた。
「また、神社散らかして!遊ぶんならよそでやってっていつもいってるでしょ!!」
掃除中だった霊夢がこの騒ぎに駆けつけ、この状況を見るや否や魔理沙に怒りをぶつけた。
「あ、あの?」
「あなたも!!」
少女はおどおどしている様子に霊夢は関係なく少女にも向かって文句を付けた。
「わ、私はこれで・・・」
「ちょい待ち!!なんか用事があるんでしょ?うちの神社で叶わない願いは無いんだから。何でもいってよ」
「え?」
「そんなこと聞いたことないがな・・・」
霊夢は少女に対しては怒ってはいない様子だ。
だが霊夢のこの急な一言により少女は驚きを隠せずにいた。
そして魔理沙も口ずさんだ。
「私、手に入れなければいけないモノがあるんですそれも、今日中に」
「わかったわ。なんとかしましょう」
「ほんとですか~」
話がすんなりと通り少女は驚きと嬉しさを露にした。
「じゃ、かかってらっしゃい」
「へ?」
「そういうもんでしょ?大人の世界って」
大人の世界と狂言したのは霊夢だった。間違っている。
少女は少し困惑するものの、答えは直ぐに見つかった。
「・・・いいですけど負けませんよ、私」
「ふっふっふ~♪今日は、お払い棒2本持ってきたから攻撃力2倍よ~、うふふ~♪」
上機嫌のご様子。
霊夢は押入れ掃除中に前から探していたお払い棒(押入れに仕舞って置いたのを忘れていた)を見付け、それと普段使っているお払い棒とスペルカードを持って騒ぎがする境内へと向かったのであった。
「そういうもんなのか?」
「そんなわけないでしょ!」
悪まで魔理沙には冷たく接する霊夢。
喜怒哀楽が激しいが情緒不安定なのかと疑問に思う魔理沙であった。
「つべこべいわんと、こっちからいきますよ!!」
「なんか、戦闘意欲ありありだけど。魔理沙がなんかやらかしたのかしらん?」
「・・・(私のせいか?)」
魔理沙はまたもや疑問にも思ったが、今の霊夢に返事を返せばとばっちりを受けるだろうと確信し、敢えて言葉を返さず黙ることにした。
そして霊夢は2本のお払い棒を構え少女を睨み付けた。
少女もそれにより戦闘体勢に入った。
「いくよ!!」
霊夢の開始の一言によって第二戦が開始された。
続きで明らかになるのかな
「シルクロードアリス」は曲名。
元ネタは敢えて言わない。
続編では霊夢との戦闘ですねわかります!
霊夢と良いヴィヴィちゃんと良い、ホーミング使いやすいよホーミング。
霊夢編希望。
誤字
聖する杯→聖なる杯 かと。
西はどうなんだろう?って意味でフリーレス。
羽魔理沙は割りと好きだけどね(^^ゞ
もう少しセリフ以外の部分の描写が厚いといいと思います。
>最近こちらのゲームにもハマっていますので
持ってるのか、妬ましい…パルパルパル
独創性に欠ける作品でした。
>最近こちらのゲームにもハマっていますので
ここ最近は再販されてないのにね!!