三途の川を一隻の船が渡る。
船頭は赤い髪と大きな鎌が特徴の死神「小野塚小町」
彼女は最近考えることが多くなった。
仕事中も昼寝中もふと気付けばいつも。
理由は分からない。だけど日に日に思いは大きくなる。
彼岸に響くお説教。
声の主は小さな閻魔「四季映姫・ヤマザナドゥ」
彼女も最近悩んでいた。
仕事が手に付かなくなる時もある。
そんな自分にさらに悩みができる。
そんな死神と上司のモノガタリ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「はぁ……。」
面倒な仕事も終わったはずなのにため息が止まらない。
最近おかしいのだ。自分で分かる程に。
「映姫様……どうしちゃったんですか、あたい?」
上司のことが頭から離れない。お説教でさえ愛おしい。
なぜ死神と閻魔なのか。こんなことなら巫女や魔法使いに生まれたかった。
そんな事を考えては首を振る。幻想だと分かっているから。
でも逢いたい。逢って話したい。
上司と部下じゃなく、小町と四季映姫として。
「明日も……サボっちゃおうかねぇ……。」
自嘲気味な笑みを浮かべてあたいは瞳を閉じた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
時を同じく閻魔も悩んでいた。
「私らしくもない……どうすれば……。」
死神の笑顔が見たくなる。怒っていたくなどない。
日に日に思いは広がる。今日は仕事で失敗してしまった。
閻魔などやめてしまおうかと思う時もある。
そうすれば、死神にも気兼ねなく逢える。笑っていられる。
一般的に言う友達でいられる。
そんな無責任なことはできないと知りつつも……。
「ふぅ……何を考えているのだか……。」
自分に呆れた様に言うと私は眠りについた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「小町っ!」
「ほぇっ!?」
「全く貴女と言う人は……良いですか、そもそも……」
また見つかった。。眠りに入ったところで大体、休憩は幕を閉じる。
毎度、毎度お説教をくらうが、辛くはない。
いつも呆れもしないで世話を焼いてくれていると思うと少し嬉しかったり。
などと考えていると、自然と表情がほころぶ。
「―――小町、なぜ笑っているのですか……?」
「え、あ……その……え~と……」
「全く……仕様の無い……」
呆れられてしまっただろうか、映季様と顔を合わせられない。
「小町、三ヶ月ほど私に付き合いなさい」
「は……?」
「巡行です。言っておきますが、拒否権はありませんよ」
いきなりの言葉にあたいは固まってしまった。理解に数秒かかる。
意味が分かると、我も忘れ、あたいは映姫様に抱きついてしまった。
「映姫様ったら~、そんなにあたいと一緒に居たいんですね?分かりました、お供します」
「こ、ここっ、小町っ!離れなさいっ!」
「照れなくてもいいですよ~、映姫様」
嬉しかった。とても嬉しかった。
とにかくこれで、三ヶ月はずっと一緒だ。
だから、あたいは答えを探すことにした。
急がなくても良い、あたいは死神、上司は閻魔。
時間はたっぷりあるのだ。
不器用は不器用なりに進むことを誓う。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
私が出した答えは、案ずるより産むが易し。
一緒にいてみないと分からない、考えるだけでは仕様の無い事もある。
でも、一足先に原因は分かった。
私は惹かれていたのだ。
次に探すは、問題の答え。
私が積める、私のための善行。
不器用な閻魔のための、答えを。
四季映「季」・ヤマザナドゥではなく、四季映「姫」・ヤマザナドゥです。
一箇所ではなく全箇所間違えていましたので、修正された方がよろしいかと、ご報告いたします。
話の内容としましては、少し展開を急ぎすぎているように思います。話を短くまとめるために意図的にそうされたのでしたら申し訳ありませんが。
この話に行き着くまでに、どういう経緯で現状のようになったのか、また、オチに辿り着くに際して、お互いが悩みつつ悶えつつの日々を描くなど
もう少し前後を引っ張ったほうが物語としては面白くなるのではないかな、と思います。いえ、正直に申し上げますと完全に自身の趣向を押し付けています。申し訳ありません。
少し短すぎるかな、というのが正直な感想です。ですので、今回は評価は保留とさせてください。次回の投稿を心待ちにしております。
自分も大体上の方と同じ意見なので控えますが、楽しめました。次回作にも期待です。
ただ、そこから先が先走り過ぎてる印象もありますが、素材というか目の付けどころはいいと思います。
練り込み不足は否めないのですが、決して悪いところばっかりと言うわけでもないので、それが凄くもったいない。
出来るならこの素材で、適度に練ったお話を読んでみたいです。
ともかく次作も期待してますよ^^
まず、良くも悪くも感想を貰えて、読んでくれた人がいたと嬉しく思いました。
また、それぞれにアドバイスをしていただき、書く側としてはとても参考にさせていただきました。
まだまだ未熟ですが、また作品を見かけてくれましたら、胸を貸すくらいの気持ちで読んでいただければ幸いです。