Coolier - 新生・東方創想話

自動車強襲!?(誤字にあらず) たぶん1

2008/11/23 01:51:00
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注意!?  全キャラ出す予定なんで、よろしく!(予定は未定DA!)










1時間目  森近 霖之助の場合



「・・・ふぅむ、成る程・・・これが車か・・・」

銀色に輝くボディを触りながら感慨深げに呟く。
その隣には指導教官である上白沢 慧音が、呆れた表情をしながら立っている。

「・・・手触りは随分すべすべしているね、コレはどういう原理かな?」
「表面を塗料でコーティングしているからだ」
「ほう・・・しかし、この色以外の色で塗られた物も有るのだろう?・・・いや、乗り物に対して娯楽性を求めるとは・・・実に興味深い物だね」
「・・・ああ、そうだな」

恐らく、言いたいことがあるのだろう、だが、慧音は我慢する。
頭ごなしに怒ることは、教員にあるまじき事、と、慧音は自制する。
だが、このやりとりは始まってから既に30分程続いている。
もうそろそろゴールしても良いと思う。
そう思っていると、霖之助が車のドアを開けた。
やれやれ、ようやく始められるか、と、溜息を吐いたところで。

「・・・成る程、扉はこうやって開くのか・・・それにしても、中は結構狭いな・・・ほう、コレが座学で言っていたハンドルか・・・こんな物で本当に動かせるのかい?」

また始まった。
そろそろ中に入るように促そうと、声を掛けようとしたところで、霖之助が。

「ああ、そういえば、一つ疑問に思っていたんだが・・・」
「・・・今度は一体何だ?」
「これは、どうして動かないんだい?」
「良いからさっさと中に入れ」

足で霖之助を運転席に蹴り入れてから、ドアを閉めた。











2時間目  十六夜 咲夜の場合



練習用のコースの前に、指導教官の八雲 藍と、数名の教習生が並んでいる。

「・・・えー、今から実際に車に乗るわけだが・・・何か質問はあるか?」
「はい、教官」

挙手したのは、十六夜 咲夜だった。

「はい、十六夜さん」
「一つ・・・そう、とても大切な話があるのだけれど・・・」

真剣な目で藍を見据え、そう切り出す。

「話し・・・とは?」

その眼差しにたじろぎながら、藍が言葉を返す。
咲夜は重々しく頷きながら続ける。

「ロードローラーは、無いのかしら?」
「有る訳無いだろう」

その後、無事運転免許を習得した咲夜は、大型特殊免許と締固め用機械運転者の資格を取りに行ったそうな。










3時間目  霧雨 魔理沙の場合



「おお!、動いてる、動いてる!」

今日初めて車に乗った霧雨 魔理沙は、興奮しながらも、しっかりした運転で教習コースを回っていた。
指導教官の小悪魔も、初めて乗ったとは思えない程正確な魔理沙の運転に、ホッと胸を撫で下ろしていた。

「(正直、魔理沙さんの事だから、最初から無茶な運転すると思っていましたけど・・・)」

ちら、と、楽しそうに運転する魔理沙の横顔を見て。

「(大丈夫そうですね、良かった・・)」
「うおっ!」
「ひゃっ、ど、どうかしましたか!?」
「あ・・・あいつ・・・」

あいつ、とは、前方を凄い速度で走っている車のことである。
だが、先程までこんな車は前方に存在しなかった筈。

「あ、あれは射命丸さんの運転している車・・・!」

恐らく、幻想郷最速の矜持が、前を走っている車に対して対抗意識を燃やさせたのだろう、次々と他の車を追い抜き、今や周回数(?)トップである。

「あれは減点なんて物じゃ済みませんよ・・・魔理沙さんは、くれぐれもあんな事をしないでください・・・ね?」

だが、当の魔理沙は。

「ふ、ふふふふふふふ・・・そうかそうかソウカ・・・これはアイツからの挑戦なんだな・・・」
「ま・・・魔理沙・・・さん?」

忘れていた。
射命丸 文が出てくるまでは、隣で運転している彼女こそが、幻想郷最速の二つ名を欲しいままにしていたのだ。
そして、今追い抜いて行ったのは、その『幻想郷最速』の二つ名を奪い去った相手。
そして、当の霧雨 魔理沙は。

「まって、まって、まって下さい!」
「だったら・・・」

大の、の前に、超、が付く程の負けず嫌いだった。

「その挑戦!」

急加速。

「受けてやるぜぇぇぇぇ!」
「いーーーーーーーーーーやーーーーーーーーーー!?」

凄まじい加速で他の車をぐんぐん追い越す、追い越す。
景色が凄い早さで後ろに流れて行く。
更に、その速度の中で他の車を避ける物だから、凄い勢いで左右に揺れる。
薄れ行く意識の中、小悪魔は。

「(この教習が終わったら、パチュリー様に美味しいお茶を淹れてあげるんだぁ・・・あははははははははh)」

立派な死亡フラグを立てていた。










4時間目  射命丸 文の場合



「ふふふ、魔理沙さん、ちゃんと付いてきていますね・・・」

追突するかるしないかのギリギリでわざと追い抜いたのも、彼女を挑発するため。

「さあ、早く、速く、疾く・・・私を愉しませて下さい・・・」

腕が震える。
それは後ろから迫ってくる魔理沙の気迫に当てられたのか。

「・・・追いついて、来ましたか・・・」

隣にやってきた魔理沙の乗っている車に視線をよこす。
向こうの戦意も最高潮のようだ。

「(付いて来れますか?)」
「(ハッ、誰に向かって言ってるんだ?)」

アイコンタクトで言葉を交わす。

「(あの車が曲がったらスタートです)」
「(・・・上等ォ・・・)」

そして。

「行きますっ!!」
「行くぜっ!!」

決戦の火ぶたは切って落とされた。
賭けるのは、互いのプライド。
目指すは『幻想郷最速』の二つ名!!



・・・・・・



ちなみに文の車に乗っていた指導教官、パチュリー・ノーレッジは。

「む、むきゅう・・・」

あまりのGに耐えきれず、隣のシートできっちり気絶していたそうな。










5時間目  蓬莱山 輝夜の場合



車に乗り、シートベルトを締め、ハンドルを握る。

「はいはい、それじゃあ次はどうすれば良いのかしら、も・こ・う・さー・ん?」

にやにやと、隣を見やる。
隣には指導教官の藤原 妹紅。
表情は、戦慄。

「なっ、なんでお前がここに居るんだよ!?」
「永琳がね「車の免許ぐらい、取っておきなさい」って言ったのよ・・・従者想いでしょう?」
「嘘だっ!、お前の事だからどうせ、イニシャル(ピー)とかに影響受けたんだろうがっ!!」
「あら、よく判ったわねぇ」

大・正・解、と小さな拍手。
そんな輝夜を見て。

「いっ、嫌だ!、絶対嫌だ!他の奴、代わって・・・っ!?」

シートベルトを外そうとするが、まるで溶接されたかのように外れない。

「なっ、なんだこれっ、何で外れないんだよ!・・・永琳っ!、永琳っ!」

外を見やると隣のニート姫の従者である八意 永琳の姿。
これ幸いと、助けを求める。

「あら、妹紅教官・・・どうかしたのかしら?」

にこにこと、近づいてきた永琳に。

「し、シートベルトが、外れないんだっ」
「あら、これから姫様の運転を指導するんでしょう?・・・外す必要は無いんじゃない?」
「馬鹿言うな!、お前の主だろっ!、お前が最後まで面倒見ろよ!!」
「なおさら、よ」
「!?」

妹紅に口付け出来るほどの距離まで近づき、小声で話す。

「姫様の運転と来たら、イニシャル(ピー)張りの無茶な運転するのよ?、しかもそれが現実に可能だと思いこんでいるから質が悪いわ」
「だ、だったらなおさら・・・」
「そう・・・なおさら乗るわけには行かない・・・だから・・・」
「だから・・・?」

妹紅がゴクリ、と喉を鳴らす。

「人柱って、必要よね?」
「答えになってるけど、答えになってねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

最後に語尾が伸びたのは、輝夜が痺れを切らし、フルスロットルで急発進したからだと追記しておく。










6時間目  レミリア・スカーレットの場合



「・・・しかし、何でまたお嬢様は、運転免許をお取りになろうと思われたんですか?」

そう訪ねたのは、指導教官の紅 美鈴。
それに対し、本来彼女の主である立場であり、現在は美鈴の生徒であるレミリア・スカーレットは。

「永遠亭や、白玉楼、それに地下の連中まで免許取りに来ているのよ?、私だけ免許取らなかったら、紅魔館の沽券に関わるわ」

真剣に、前を向きながら答える。
ちなみに今のレミリアの身長は、咲夜と同じくらいに変化している。
そうでもしないとアクセルとブレーキに足が届かないのである。

「(本来のお嬢様の身長なら、『ああ、仕方ない』、で済むんですけどねぇ・・・)」
「・・・何か、失礼なこと考えてないか?」
「いえいえ・・・やはりお嬢様は私達のことを考えてらっしゃるのだ、と感激していたところです」
「・・・ふん、当然の事よ・・・」
「あ、そこ左ですよ?」
「わ、判ってるっ!」

と言いながら、T字路でまごつくレミリア。
その光景に、美鈴は苦笑しながら助け船を出すことにした。

「そう言えば、お嬢様は、グングニルを投げる時ってどっちの手で投げるんでしたっけ?」
「・・・右、よ・・・」
「ああ・・・そういえば、そうでしたね」

その後、車はスイ、と、左に曲がることが出来た。

「・・・もうちょっと、上手いフォローは出来ないの・・・?」
「あちゃ・・・やっぱりばれてましたか?」
「当然よ・・・・・・でも・・・・・・」
「はい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ありがと・・・」
「え・・・あの」
「ええい!、二度も言わせるな!」
「あの・・・お嬢様?」

美鈴の声音が、先程までと少し違う。
怪訝に思って聞き返す。

「何だ、どうした?」
「ここ、反対車線です」
「え」

お後がよろしいようで。
今回はテスト版なんでこんな感じで・・・まあ、本当はこんな短いの短編行きなんでしょうけど。
次からはもっと長くする予定・・・かも知れませんね・・・だといいなぁ・・・。


ムチャシヤガッテ・・・


あれ?、幻聴が・・・。
以上、ですと言い切れないGUNモドキでした。



ご意見、ご感想など、よろしくお願いします。


あ、あと、永夜抄IFを、総集編みたいにして少し手直ししてから纏めたいと考えてるんですけど、そういうことやっても大丈夫なんですかねえ?
GUNモドキ
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コメント



0.570簡易評価
2.70名前が無い程度の能力削除
某サイヤ人とナメック星人が教習所に通った話思い出しました。
つまり、おまえら(霖之助除く)必要ないだろw
7.無評価名前が無い程度の能力削除
>ここ、反対車線です
リアルでやらかした俺はすごく⑨です
所内でよかった・・・
11.80名前が無い程度の能力削除
こういう小ネタの詰め合わせ大好きです。
ぜひ全キャラ制覇してみてください!
会話のテンポが程良く、面白かったです^^

永夜抄IFの件、自分は構わないと思いますよー。
13.70削除
どう終わらせるのかと思ったらこのオチ、実際にやりそうで怖いw

どれも面白かったんですけどね、個人的には五時間目がお気に入りです。
15.80名前が無い程度の能力削除
あややと魔理沙の勝負に姫様も参戦しそうな勢いですねww
16.90名前が無い程度の能力削除
こぁとパチェは生徒との相性悪すぎだー。
いったい何名免許取れるんだろうか。
18.90名前が無い程度の能力削除
15>>早くも幻想郷最速がきまっちまうのかぁ?!byギャラリー

咲夜さんが完全にDIO様の精神を受け継いでいるところで笑ったっすww
続きが待ち遠しい・・・
21.50思想の狼削除
あかん、魔理沙と射命丸のシーンで“なんびとたりとも俺の前には走らせねぇーーーっ!”マンガの教習所シーンを思い出してしまったw
(続き物ということで、点数は半分で<(-_-)>)
23.50名前が無い程度の能力削除
なるほど、続き物だから半分・・・と
つ~か、こやつら、座学受けられるんでしょか・・・?w
落ち着きの無い連中が・・・w