Coolier - 新生・東方創想話

奇跡を起こした程度

2008/10/30 10:22:22
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奇跡とは、人間の力や自然現象を超えた出来事であるという

だとすればこの幻想郷に、奇跡という言葉は余りにも不釣合いではないだろうか

身近に当たり前のように存在する奇跡は、奇跡などとは呼ばれない




だが彼女には、奇跡を起こす能力があった




この幻想郷において、一体何を奇跡とするかはわからない

だが紛れもなく彼女には、周囲の者達が持つような能力の類として『奇跡を起こす程度の能力』が備わっている

皆が当たり前のように出来ることは、能力などとは呼ばれない




彼女には、奇跡を起こす能力があった
















季節は秋

気温が下がるにつれ、妖怪の山の木々はどんどん紅や黄に染まりつつある

山頂付近の守矢神社は麓よりも気温が低いため紅葉も早く、まるで春の博麗神社の桜に対抗するかのように鮮やかに燃えていた

そんな美しい光景の境内だが、今はまさに酒にまみれた大宴会の最中であった




「一番洩矢諏訪子、歌います!あーあーテステス・・・あーうー♪」
「不意打ち!?」


「ふん、まったく見てられないね、どきな諏訪子。二番八坂神奈子、モノマネをするよ。・・・・・ガンキャ(ry
「開き直り!?お前のが見てられないぜ!」




神様の芸にぎゃははと下品な笑いが飛び交う中、この神々を信仰する風祝、東風谷早苗は宴会の輪から外れていた





この宴会は、いわば祝宴だった

主催者は妖怪の賢者、八雲紫

その旨は、守矢神社が外界から幻想郷へと移り住んでちょうど一年が経ったから、その記念というわけだ

数日前に守矢の神々に紫が話を持ちかけに訪れた際、二柱も初めはどう見ても胡散臭い紫の笑顔を警戒していたが

紫の「あの娘は労ってあげるべきではなくて?」という言葉を聞き、結局は了承した



この幻想郷での一年、早苗は表にこそ出さないが、辛いこともあったに違いないと

ならばこの一年を労うのは、我らの義務であると



二柱は早苗の身を彼女の両親から預かった

ならば早苗のために出来ることがあれば、二柱はなんでもするつもりでいる

紫はそんな神々の親心を重々理解した上で、幻想郷を統べる者として当然のことをしたまでであった









結果、片や神々は久しぶりの宴会でテンションは最高潮に達している

片や早苗はそんな信仰する神々に半ば無理やり酒を呑まされ、案の定気分を悪くしてしまっていた

なにせ早苗が酒を呑んだのは幻想郷に来てからが初めてなものだから、未だに耐性が付いていない

神社の裏の縁側で、早苗は少し横になっていた


「うう、くらくらする・・・」


せっかく目一杯楽しもうと思ってたのに、八坂様も洩矢様も飲みすぎですよ

早苗はぶぅと口をとがらせた

この早苗の気持ちを二柱をが知ったらどう思うだろう


「三番守矢の神様、脱ぎます」
「ヒューッ!!」


会場から聞こえてきた大歓声を聞く以上は、今は早苗がいないことにも恐らく気付いていない

早苗は色んな意味で少し泣いた

が、すぐにふふっと笑いが洩れる


「・・・二人とも、本当に楽しそうなんだから」


二柱が早苗のためにと思っているのと同じく

早苗は信仰する神のためにと、心からそう思っていた

しかしお互いになんとなくは理解していても、本当の気持ちとはなかなか伝わらないものである



親子とは、得てしてそんなものだ











「一年、かぁ」



90度傾いたぼやける庭を眺めながら、早苗はぽつりと呟いた



思えば一年前はずいぶん戸惑ったっけ

山には羽の生えた妖怪や寒い中スイスイ泳ぐ妖怪が普通にいたし

それが想像していた妖怪像とは全く違って、自分となんら変わらない姿をしていて驚いたなぁ

かと思えば人間も普通にいて、自分と同じように普通に空を飛んでる人もいるし

しかも、めちゃくちゃ強い



現人神である自分なら、違う世界でも特に問題はないと、初めはそう思った

だがここでは自分のような特別な存在が、まるで当たり前のように受け入れられた



それが早苗には嬉しくもあり、悲しくもあった



でも一年が過ぎた今では嬉しいとか悲しいとか、そんなものはなく

ただ純粋に、幻想郷での生活が楽しかった

それが当たり前になっていた




一年間、本当に楽しかった

これからも、ここでの楽しい日々がずっと続けばいいと

早苗は心からそう思う






八坂様、洩矢様、霊夢さんに魔理沙さん、山の妖怪さん達や麓の妖怪さん達、里の人達

一年間、本当にお世話になりました



たくさんの優しい人達のおかげで、私はこの一年を無事に過ごすことができたよ













―――――お父さん、お母さん















「わ、あ、あれ」


早苗は目と目の間につねられたようなくすぐったさを感じて、慌ててこする



だが違和感は消えない

こすっても、こすっても

早苗の目からは涙がぽろぽろと零れていた


「ど、どうしたんだろ急に。やっぱりお酒って慣れないな、私」


必死で笑おうとするが、口が上手く動かない


「・・・もう、なんで」





駄目だ、泣くんじゃない東風谷早苗

私は泣いちゃ駄目なんだ

なんのためにここへ来た

八坂様、洩矢様の信仰を集めるためだろう


あの時


八坂様は仰ったハズだ

無理をして来なくても良いと

強制はできないと

何度も念を押されたじゃないか



もうここへは帰れないと



家族には二度と会えないと




覚悟の上じゃなかったのか

泣いちゃ駄目なんだよ

そんなことで私が泣いたら



八坂様を、洩矢様を




お父さんを




お母さんを




悲しませてしまうじゃないか






風祝が

山の神の巫女が

現人神が

奇跡を起こす者が

そんな半端な覚悟で務まるものか




泣くな


泣くな


泣くな!!
















「お父さん・・・!お母さん・・・!!」




私は、弱いままだ






あれからどうしてる?

私がいなくても、幻想になった私のことは覚えてないんだよね

だから、寂しくはないんだよね



私も神様たちが賑やかだし、全然寂しくないよ








ああでも、やっぱり







ちょっとだけでもいいから


もう一度だけでもいいから


声だけでも


姿だけでも


気配だけでもいいから












「会いたいよ・・・・・」







大好きなお父さん



大好きなお母さん

























――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――































季節は秋

気温が下がるにつれ、山の木々はどんどんと紅や黄に染まりつつある

山の中腹に位置する守矢神社の木々もまた、見頃をすぐそこに控えていた

そんな境内には何やら妖しげな紋様がそこかしこに描かれていて、パチパチと何かを焼いているような音もしていた





「ん・・・・・。・・・え?私、なんで、え?空・・・??」


不可解な状況に、早苗は辺りを見回した



早苗は自分がすっかり寝てしまったのだと思い、慌てて飛び起きた筈だった

宴会を開いて貰っている者が、そう長々と席を外しているわけにもいかない

どれくらい寝たのかと、早苗は無意識に空を見て確認しようと思ったのだが




目を開けると、そこは空だった




「夢・・・・・?痛っ!夢じゃ、ない・・・?」


お約束とばかりに頬をつねってみたが、普通に痛い

むしろボーっとしていた気分が冴えてしまった

夢じゃないとすると、考えられるのは・・・・・


「わ、私もしかして、寝ぼけて飛んじゃったの!?」


これは非常にマズいことになったと、早苗は耳まで真っ赤にしながら両手を頬に押し付けた

それもそのはず、下にはかなり酒が入った客達が騒いでいる

そこで「寝ぼけて空飛んじゃいましたー♪」なんて言って神社の上空に現れたら爆笑は必至、一発芸大賞で神様を抜くのは確実だ

清楚なイメージの守矢の風祝が、それはマズすぎる

信仰が集まり難くなる・・・というかむしろ集まりやすくなるような気もしたが、早苗はその線は即却下した

今の守矢の信仰だけに留まらず、天狗によってその醜態が事細かに書き記され未来永劫その証拠が残り、後世にまで影響を及ぼしてしまう


『奇跡の無駄使い!守矢の現人神、宴会場上空で寝る!!』


早苗はバッと頭を抱え、沸き起こる笑いを聞かないよう涙を溜めながら必死に目を閉じた










「・・・あれ?」


笑いは一向に起こらない

ざわざわと、風に揺れる木々の音が空しく響くのみだ

もしや気付いていないのかと、早苗は恐る恐る顔を上げ、足元を見下ろした


「これは・・・・・?」


見ると、眼下に人の気配はない

宴会はもう終わってしまったのかとも思ったが、それにしても様子がおかしい

そこは紛れも無く守矢神社

しかし、何かが違う

いや、違わない・・・・・?

早苗は何か良からぬことが起こったのではないかと思った

同時に冷静になれと言い聞かせ、心冷静にもう一度辺りを見回した




そして、愕然とする




「・・・・・! そんな、嘘・・・!」





遠くには煙を吐く煙突が

そして周りには無数の屋根

足元には守矢神社があるが、少し離れた場所には一年ぶりに見る、車という乗り物

あの大きめな建物は、よく買い物に行ったデパート

あれは私の通った幼稚園、小学校、中学校、高校

友達の家

そして、私の家が一望できた





ここは幻想郷ではない





早苗は混乱し、早さを増す心臓の鼓動を抑えながら、もう一度ゆっくりと足元の神社を見た

そしてその異様な雰囲気と、異常なまでの霊力の活性を察知し、確信する





ここは一年前の

神社を幻想郷へと転移させた儀式の日であると




木々の騒ぐ音すらも、今は心臓の高鳴りでかき消されている

早苗は狼狽し、空を飛んでいるのも辛くなり、一先ず地上に降りることにした

林の中の少しだけ背の高い木の根元にもたれ掛かり、息を整える

はっと見上げると、この木に早苗は見覚えがあった




「・・・・・昔はよくここに隠れて、修行をサボったんだっけ」




無意識のうちに降り立った、思い出の木

鼓動が、徐々に落ち着いていく





この空気、幻想郷に比べるとかなり汚れてはいるが、とても懐かしい匂い

聞こえてくる水の音は、湖だろう


「・・・・・洩矢様のとこへサボりに行くと、普段怒らない八坂様もどうしてか怒ってたな」


辺りは幻想郷の神社周辺となにも変わらない

だが確実にここは一年前の、学校帰りに修行に励んでいた、あの頃の守矢神社だ




30分ほど経っただろうか

すっかり落ち着きを取り戻して、自分でも驚くほど冷静に懐かしさに浸っていた早苗だったが、同時にじわじわと不安を感じていた


「戻れる・・・のかな?」


無意識の内に時間と空間を超えてしまったのはとりあえず事実と受け止めるとして

今度は当然戻り方を考える

このまま幻想郷に戻れないというのは、これまた非常にマズい

八坂様達は心配してくれているだろうか


『三番守矢の神様、脱ぎます』


嫌なことを思い出して、早苗は泣きたくなった

いや、今はまだでも万が一長く戻れないようなことがあればそこはあの神様だ、きっとなんとか・・・・・






「・・・!」


人の気配

ざくざくと落ち葉を踏む音が聞こえる

それを聞き、三人だと早苗は判断した

茂みに身を隠し、その姿を確認する



だが確認する以前に、早苗はある程度の予想はしていた

神社の様子から、あの日であることはほぼ間違いない

何らかの要因が働いて、所謂タイムスリップと呼ばれるものを自分は体験している

ならばあの日・・・この日に神社を訪れるのは十中八九、自分の思い浮かべる人物だ







そして早苗は危うく「あっ」と声が洩れてしまうほど驚いて、口を抑える

いくら予想していても、こればかりは抑え切れなかった




(お父さん!お母さん!)





決して忘れることのない、優しい顔

早苗はじっと堪えていたが、今にも飛びついて行きたくて仕方なかった

だが現人神として、ここで接触してはいけないということはなんとなくだが本能で感じていた


「私も・・・・・いる」


両親に挟まれて歩く、あまり見慣れない自分の姿を確認して、早苗は変な気分になった





ああそういえば、あの日はお父さんとお母さんと一緒に寝たんだったなぁ




・・・最後だから




だけどお父さんもお母さんも、私も、不思議と全然泣かなかったんだよね

私が泣かないのは現人神だし当然だけど、お母さんなんかはわんわん泣くと思ってたから、ちょっと寂しいなんて思ったりしてたっけ

お父さんは相変わらず、あんまり喋んなかったし





三人は、境内へと入っていく

中ほどに進んだところで本殿から特徴的な人影が現れて、三人を出迎えた

八坂神奈子である

早苗は遠めに顔を確認して「少し若いかも?」と思ったが、恐らく気のせいだろう

三人が何か話しているのを見て、早苗はあの時の会話の内容を鮮明に思い出す







『こんにちは、八坂様』

『ご無沙汰致しております』

『ああご無沙汰。・・・早苗、昨日はよく眠れたかい』

『お父さんが一番だと思いますよ。お母さんも慣れてるから大丈夫だったみたいですし。でも、私は全然でした』

『うん?』

『お、おい早苗・・・!』

『ふふ、この人のいびきは八坂様でも耐えられないかと思います』

『ははぁ、そういうことか。まぁ旦那のいびきに耐えうるのは妻だけと言うからねぇ。娘と言えど、それは難しい』

『・・・お恥ずかしい限り』

『二人はラブラブですからね』

『あら』

『こ、こら早苗!調子に乗るな!』

『そうだよ早苗、お前の父は昔からその手の話になると顔に答えが出てしまうんだから、その辺で勘弁しておやり』

『八坂様こそ・・・勘弁してください』








向こうでお父さんが恥ずかしそうに頭を掻いている

今思うと、本当に信じられない

これから私達が幻想郷に行くって時に、こんな世間話してたなんて




もう会えなくなるっていうのに











神奈子がふわりと浮かび、湖の方へ飛んで行った

湖の転移式を確認しに行ったのだろう

「早苗」は神社の転移式を確認したり、灯篭などの備品に何やらまじないをかけている

転移時の衝撃で崩れたりしないよう、一つ一つ丁寧に結界を張っているのだ

その姿を、特に心配する様子もなく見つめている両親

あの時はわからなかった、そんな両親の表情を見つめる早苗

早苗は自分が行っているまじないをこうも真剣に見られていたと知り、なんだか恥ずかしくなった

「早苗」はお世辞にも美しいとは言えない、むしろどこか危ない感じの舞いを披露していた












やがて神奈子が戻ってくる

後から遅れて、洩矢諏訪子も眠そうな目をこすりながらやってきた








『これは洩矢様、ご無沙汰致しております』

『おはようございます』

『や、ほんとに久しぶり。私ったらあんたらが来た時はタイミング悪くいっつも寝てたからさ』

『全くだよ。私ですら久しぶりに会ったんだ』

『でも早苗とはよく遊んでたけどね~。先週も世間話したばっかだし』

『何?本当かい早苗』

『洩矢様があんまり呼ぶものですから・・・』

『喋るんなら、若い娘のほうが良いってね』

『娘をそこまで・・・有難き幸せ』

『ほら、こういう固いのがいけないんだよ。昔はあんな初々しいカップルだったのに、すっかり普通の大人になっちゃって』

『神様達のようにいつまでも若くはいられませんよ』

『ま、あんたのマイペースぶりは変わらないみたいだけどね』









みんなが楽しそうに笑ってる

私も笑ってる




どうしてそんなに楽しそうなの?




もうほんの少しで

この時間は




終わっちゃうんだよ、私

















諏訪子が「それじゃ」と早苗の両親に手を振って、湖へと戻っていく

とうとう、転移が始まるのだ

神奈子は本殿、早苗は境内、諏訪子は湖と、それぞれが最も霊力を高められる位置へと付くのだ

諏訪子が先に去った後も、神奈子と「早苗」は両親と話していた






『・・・・・そろそろ時間だね』

『はい。八坂様、早苗をよろしくお願いします』

『八坂様、娘がご迷惑をお掛けするかと思いますが、どうか立派に育ててやってください』

『お母さん・・・お父さん』

『無論。神が命を預かった以上、守矢の二柱は全身全霊をもって早苗を護る。万が一の時は、神の命だろうと惜しみはしない』

『八坂様!私などにそんな・・・』

『早苗、神様のお言葉に背いてはいけないわ』

『母さんの言うとおりだ。だが早苗、くれぐれもお二方にご面倒を掛けるんじゃないぞ』

『うん、わかってる。じゃあお父さん、お母さん・・・・・・元気でね』

『体に気をつけるのよ』

『元気でな』

『うん、元気でね。・・・では、八坂様』

『・・・・・ああ、行こうか』








両親が神社から離れていき、「早苗」は両親に背を向けて祈祷を始める

早苗はもう、居ても立ってもいられなくなった




どうしてそんなに軽いの?

どうしてそんなに簡単に済ませたの?

私は一年後、こんなことを思ってるのに

どうしてもっと長く話さなかったの?





ありがとうって、なんで言わなかったの?










早苗には分かっていた



自分が幻想となったその瞬間、この世界で関わりのあった者全てから、東風谷早苗という存在が消えることが

無論、親も例外ではない



だからこそ悲しむ必要はないと考えていた

親が無駄に悲しまずに済むのなら、それで良いと


だからきっと両親も、そんな娘を親の泣き顔で送り出す必要は無いと考えたのだろう

娘には、親の記憶は残るから

だから最後まで東風谷家は、特に打ち合わせることもなく互いにいつも通りを貫いたのだ



両親は早苗を忘れ、早苗のいない生活を当たり前のように送っていく

早苗は両親のいつも通りの笑顔を思い出に、これ以上なく心強い味方を付けて楽園での生活を送っていく



それで全く問題ないと、「早苗」は思っていた





















やがて神社と湖が淡く輝きだし、同時に膨大な霊力がはっきりと目に見える程に渦を巻いて神社を包んでいく

「早苗」の長い髪が強い風を受けて美しくなびくのを、両親は目をしっかりと開いて見つめていた



娘の最後の姿を目に焼き付けるように



「早苗」は背を向けて、完全に祈祷に集中している

早苗はあの時は見えなかった両親の表情を見た



二人は、いつものように優しく微笑んでいた

もう「早苗」は、両親を振り返らない

このまま消えていく

あの時の消える瞬間の記憶ははっきりと手に取るように残っているから

もう数秒で神社ごと消えるのも覚えている





だから、もう

お父さん、お母さん

無理しなくていいんだよ

私はもう、消えるから















刹那、突風が吹いたかと思うと

そこにはうっそうとした森がただただ広がっていた




この瞬間、守矢神社とそこに祀られる神


八坂神奈子

洩矢諏訪子


そして東風谷早苗は、驚くほどあっさりと、永遠の幻想となった








正直、神社の跡地がこうも何事もなかったかのようになっているとは知らず、早苗はぽかんと口を開けていた


「ほんとに消えちゃった・・・って、当たり前か」


早苗はこの異様な状況を目の当たりにして、本当に守矢神社が空間を移動したのだと、改めて実感した



ああこれで、お父さんもお母さんも

私のことを





「・・・・・早苗っ!!」



早苗は突如きーんと響く大声で名前を呼ばれ、ビクッと飛び上がった

だが、それは早苗を呼ぶ声ではなく

否、早苗を呼ぶ声ではあるのだが、それは決して届くことのない声



だが、おかしい

早苗は、目をぱちぱちと見開いた


そもそも届かない以前に、その名前が今『この世界』で響くはずはないのだ

早苗・・・・・東風谷早苗はたった今、確かに神社もろとも幻想となった

だがその声は、幻想の名を必死に呼び続ける

早苗は状況が全く理解できずにうろたえ、再び心臓が暴れだす

悲痛な声で早苗を、存在し得ない筈の娘の存在を呼ぶのは他ならぬ、早苗の母だった






「早苗ぇ・・・・!ぅえ・・・ぅう・・・うああぁああ・・・・・っ!!」

「・・・・・・・・・風を引くぞ。帰ろう」

「早苗っ・・・・!ごめん・・・!お母さん、素直じゃない、から・・・早苗に言いたいこと・・・・・・まだ、いっぱいっ・・・・・!!」

「・・・頑張ったな。これで早苗も、余計に辛い思いをしないで済んだろう」

「早苗・・・・・早苗ぇ・・・・っ!」

「・・・・・八坂様、約束を守って頂き感謝します。早苗をどうか、俺達の代わりに」









早苗には、全くワケがわからなかった

母は泣き崩れ自分の名を呼び

父も目頭を押さえながら天を仰ぎ、自分の名を呼んでいる



ワケがわからず、両親の姿を見る


が、視界がぼやけシルエット程度にしか確認できない


呼吸は乱れ、手足の震えが止まらず

鼻水も止まらず、口までもパクパクと震えだす

心臓の鼓動は胸の裏を渾身の力で叩き、今にも突き破れそうだ




ワケがわからず




早苗はほとんど力の入らない拳を握り締め



力の入らない足で必死に草を蹴り



それでも無我夢中で風を切り







「――――――お父さんっ!!お母さんっ!!!」






早苗は、大好きな大好きな両親に飛び付いていた








「っ!! さ、早苗!?お前・・・なんで・・・・・??」

「え・・・・・さな、え・・・・・?」

「おどうざん・・・おがあざん・・・・・!!」



涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を、同じくぐしゃぐしゃになった母の胸に押し付ける

早苗はただわんわんと泣いて

泣いて

ぽかんとする父を尻目に

ただただ、母の胸の中で小さな子供のようにわんわん泣いた

母は驚いてすっかり涙も止まり、今は理由も聞かず早苗の頭を撫でていた







「早苗、お前さっき・・・」


どれくらい経ったか

早苗が落ち着いたのを見計らい、父が口を開いた


「うん、私はあの時、確かに二柱神様と一緒に幻想郷に行った」

「じゃあ、どうしてここに・・・?」


母が早苗の手をさすりながら尋ねる

早苗は、少し困った顔をした


「う~ん・・・私にもよくわからないんだけど・・・・・私は、一年後の東風谷早苗みたい」

「一年・・・!?じゃあ、さっきの早苗とは違うのか?」


父が目を丸くしながら早苗の顔を覗き込む


「違うと言ったら違うし、同じと言ったら同じ・・・みたいな」

「早苗、もしかしてタイムスリップってやつ?」


母がなんだか嬉しそうな顔をして言った

父も早苗も、そんな母に面食らった


「え、え~と、うん、多分そう」

「わぁ、すごいじゃない。ねぇお父さん」

「あ?ああ・・・うん、まぁ神社がこの通り消えたくらいだし、驚くことじゃない・・・か?え、そうなのか?」


父はかなり混乱しているようで、きょろきょろと改めて神社が無いことを確認した

母はもうそれなりに納得したようで、父の反応を見て笑っている

早苗はその父の言葉でふと、さっき感じた疑問を思い出し、両親に真剣な顔で尋ねた


「ねえお父さん、お母さん、どうして私のこと・・・」


そう聞くと、両親はぱっと顔を見合わせる


「だって、幻想郷は忘れられた者だけが行ける所なんだよ?だから私達は無理やり幻想になって、それで二人は私達のことを・・・・・」


両親はしばらく黙っていたが、やがて母が父の方をちらと見て、父はそれに応えるように頷き、口を開いた






「・・・八坂様のおかげだよ」

「八坂様の?」

「うん、八坂様は早苗が幻想郷に行くと決まった数日後、俺達を神社に呼んだんだ。早苗には隠してね」


母はこくこくと父に合わせ、頷いている


「それで八坂様は俺達に『宝を預かる代わりに、なんでも望みを叶えよう』と仰った」

「ええっ」

「お宝よ、早苗」


母が悪戯っぽく笑い、早苗の頭をつつく

早苗は顔を赤くしてうつむいた


知らなかった

八坂様が二人のことをそこまで考えてくれてたなんて



「最初は恐れ多いと断り続けたんだが、八坂様も頑として譲らなくてなぁ」

「だってそうよね?早苗はたしかに宝だけど、だからって代わりになる望みなんてないもんね。八坂様にも、そこはイマイチわからなかったのかも」


早苗はなんと言っていいのかわからず、ただ下を向いて二人の言葉を聞いていた

にわかに、目が熱くなる


「うん。で、あんまり俺達が断るもんだから、とうとう八坂様も語気を強められて言ったんだ」

「『自分の愛する娘が消えるのだぞ。そこに塵も遺さぬなど、それは神ならぬ悪魔の所業だ』ってね」


母が声を低くして、神奈子の真似をする

笑うところなのだろう、父はくっくっと笑っている

だが、早苗は笑わない

笑いたいのに、笑うことができない


「・・・・・だけど結局その一言で、俺達の望みは決まったんだ」

「ええ、二人で相談したわけじゃないのに、『ああ、これだっ!』て二人して顔を見合わせてね」


やめてよ二人とも

これ以上言われたら

私、また





「『俺達の東風谷家の思い出と守矢神社での思い出は、どうか消さないでほしい』ってな」

「それが八坂様も本当に予想外だったみたいでね、最後の最後で神様を出し抜けたって・・・・・さ、早苗?」




早苗はやはり、感情を抑えることができなかった

大粒の涙がぼろぼろと流れ、母の腕を濡らす

母はそんな早苗を黙って抱きしめ、父も穏やかな笑みを浮かべながら、少し照れくさそうに頭を撫でた


「お母さん、お父さん、ほんとに・・・ほんとに、ありがとう」


震える声を絞り出し、早苗はあの時言えなかった言葉を、一年の時を経てようやく伝えた


「なに言ってるの。大体ね、娘のこと忘れて大金持ち~なんて、有り得ないでしょう?」

「そうとも。早苗、俺達は当たり前のことを望んだまでさ」

「うん・・・うん・・・・・ありがと・・・・・!」


早苗の心から何かが外れ

想いは涙となり、次から次へと溢れ出す


「早苗、私はあなたのお母さんとして、早苗のしたことは全部覚えてますからね」

「うん、父さんも東風谷家の親父として、早苗のことは死んでも忘れないからな」

「うん、私もお母さんのこと、お父さんのこと、絶対に忘れないよ」


両親は目を潤ませながらも、笑っている

早苗もまだ涙は止まらないが、笑っていた


「早苗が高校に合格して泣いたこと、中学校でマコト君に振られて泣いたこと、初めて八坂様と会って怖くて泣いたこと、ぜ~んぶ忘れない」

「俺も早苗が高校のテスト難しすぎて泣いたこと、小学校で男の子達泣かせて怒られて泣いたこと、洩矢さまに湖に落とされて泣いたこと、覚えてるぞ」

「・・・私だって、お母さんが急に実家帰って泣いたお父さん、お父さんに誕生日忘れられて泣いたお母さん、忘れてあげないんだから」

「・・・・・」

「・・・ぷっ」

「・・・あはは、東風谷家って泣いてばっかりじゃん!」



懐かしく語るのは、涙の思い出

だが涙は、もう止まった

今はただ、笑いながら他愛ない家族の思い出話に華が咲く





そして、早苗はあれから一年間の出来事をごく普通の流れで、特に何か気にするそぶりも見せずに話した

両親も、話の流れに自然に乗っていく


妖怪が普通にいたこと

神奈子と諏訪子のおかげで、彼らと仲良くなれたこと

そこに一枚噛んでくれた、巫女と魔法使いのこと

弾幕ごっこのこと

普段の食事のこと

宴会が死ぬほど多いこと




「宴会!?早苗、お前まさか酒なんて飲んでるんじゃないだろうな」

「お父さん、早苗はそんなこと絶対にしないし、それに八坂様も付いてるのよ」

「あは、あはは・・・」


ごめんなさいお父さんお母さん、八坂様が(無理やり)お酒を飲ませてくれたかげで今の状況があるのかもしれません

とは、さすがに言えなかった




「・・・そうか。一年間、楽しくやれたみたいだな」


初めは早苗が一年後から来たということに疑いを持っていた父も、今は感慨深げに頷いている

表情は、この上なく満足げだ


「本物の魔法使いがいるのねぇ。しかも早苗の友達だなんて。ね、やっぱり星の付いたステッキとか持ってるの?変な呪文を唱える?」


母は早苗の話すことは最初から事実だと信じて疑っていなかった

それ故、早苗の話を聞いて今は単純に心を躍らせているようだった

早苗はそんな母の質問に、鼻水が吹き出そうになる

・・・いやでも、ステッキは使わないにしろ持ってはいるかも

などと頭を捻っていると突然、母が力強く抱き締めてきた

早苗は思わず「わっ」と声を漏らす



「お、お母さん?」



母は笑っていたが、どこか寂しそうに早苗の顔を黙って見つめる

父も笑顔を浮かべていたが神妙な顔つきで、早苗と母の肩をそっと抱く


「お父さん・・・?」


さっきまで照れくさそうに若干の距離を取っていた父の行動に早苗は驚き、父の手の置かれた自分の右肩を見る



そこで、はっとする



肩の向こうにある、自分の腕が透けていたのだ

「ああ、帰るんだ」と、早苗は部屋の時計を見るかのような確信を持った

現人神の力の所為か、はたまた東風谷早苗の勘か

もう数分と持たず自分はあの守矢神社へ帰るんだと、そこに何の疑いもない


父も母も早苗を引き留めるためとか、そういうことを思ったのではなく

ただ反射的に、そうしなければならないと思ったのだ




娘とこうするのは、もう本当に最後になるから

両親の中にもまた、確信があった







「・・・・・お父さん、お母さん」

「なに?早苗」

「なんだ」

「私、ここに来る前ね、皆にお祝いしてもらってたんだ。皆と会って一周年って」

「それは良かったわね」

「八坂様たちの信仰がちゃんと集まってるってことだな」

「うん、だけど、それだけじゃない」

「そうね、それだけじゃないみたい」

「・・・ああ、それだけじゃない」

「うん、皆、私の大切な友達なんだよ」

「ええ、皆さんには、あなたが必要なのね」

「妖怪にも好かれる娘を持ったなんて、俺達は幸せ者だ」

「やめてよもう。・・・でも、私は皆が大好き」

「そうね、顔にそう書いてある」

「・・・・・帰ったら皆さんに、ちゃんとありがとうと言うんだぞ」

「うん、そのつもり。・・・・・お父さん、お母さん。一つだけ、約束してほしいの」

「約束?」

「私、もうお父さんお母さんのこと思い出しても、絶対に絶対に泣かない」

「・・・・・」

「だから二人も私のことを思い出しても絶対に泣かないで。さっきみたいに、笑ってほしい」

「いい考え」

「わかった。確かに早苗は、悲しむ対象じゃないもんな」

「そういうこと。でね、私が二人のこと思い出す時は、いっぱい元気がほしい時だから・・・」





大好きなお父さん

大好きなお母さん




「今まで本当に、どうもありがとう」

「早苗も、ありがとうね」

「ありがとう、早苗」






涙は、もういらない

今度こそ正真正銘の笑顔で

本当に最後の思い出として

これから先の、永遠の思い出として

互いの生きる力として

精一杯、心から

笑って言ってほしい








「・・・頑張れよ、早苗!」


「悪い妖怪に、負けちゃダメよ!」


「八坂様でも洩矢様でも、辛いときにはちゃんと頼るんだぞ!」


「早苗!大好き!!」


「早苗はいつまでも、俺達の娘なんだからな!!」





ありがとう





「・・・・・行ってきます!!」


「「行ってらっしゃい!!」」















強い風が、親子の絆を乗せていく



行き先は、遠い楽園



もう二度と戻ることはないけれど



幻想を超えた言葉を確かに残し



東風谷早苗は、こうして再び幻想となった

























――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――















「ん・・・・・」

「早苗!?ぶ、無事か?私がわかる!?」

「・・・八坂・・・・・様・・・」

「早苗!よかった・・・心配したよぉ~」

「・・・洩矢様・・・・・私・・・?」


早苗が目を覚ますと、そこには見慣れたしめ縄と妖しい帽子が涙を浮かべ覗き込んでいた


「はぁ、一時はどうなることかと・・・・・。早苗は縁側で倒れてたんだよ。いくら呼んでも全く反応しないし、私はもう・・・・・痛っ!!」

「ななななに言ってんの!早苗がそんな、し、・・・し・・・・・う、うわぁぁああん早苗ぇ~~!!」

「も、洩矢様・・・息が・・・・・」


どうやら早苗は文字通り死ぬほど心配されていたようだ

さっき失礼なことを思い浮かべたことを、早苗はちょっと反省した


「早苗、もう二度と無理に酒は飲ませないからね。本当にごめんよ」

「うん・・・・・で、でも二十歳になったらやっぱり早苗とは・・・・・痛っ!!」

「あ、あの、それはあまり関係ない・・・かと」


かなり憔悴している二柱を見て、早苗は酷く戸惑った

それほどまでに自分の身を案じてくれるとは、信じていなかったわけではないが、早苗は複雑な心境だった

巫女が神に心配をかけるなど、自覚が足りない・・・・・


「ああでも、二十歳になったらそりゃあ義務みたいなもんだしねぇ」

「でしょ!早苗もその頃には今よりもっともっと美人になってるだろうし、酔わせたところで・・・・・ケロケロ」

「は」


前言撤回

もう二度と酒は飲まん

少なくともあんたらとは飲まん


「・・・・・あの、ところで宴会は?」

「ああ、まだまだ続くよ。・・・だが早苗の体調が優れないなら、そろそろお開きにするかい?」

「いえそんな、せっかく八雲様が私達のために開いてくれたのに・・・そんなわけにもいかないですよ」

「でも早苗・・・無理しちゃダメだよ」

「何を仰います。私はまだほとんど何もしてないですし、むしろ楽しみたいんですよ。お酒は控えますけどね」


早苗は口の前で指で×を作る

その顔がいつにも増して良い笑顔だったので、二柱は驚いて顔を見合わせる

そしてすぐにニヤッと笑い、ぐいぐいと早苗の背中を押して行く


「わわ、な、なんですか?」

「いやいや、本心からみたいだったしね」

「うんうん。一発芸、私達守矢のトリとしてしっかり湧かせてよね」

「えええ!?」



「おお!早苗が来たぜ霊夢!!」

「あんたも脱げー!!」



早苗の眼前に広がるのは、酔っ払いどもの赤い顔


隣にも、顔を赤くした家族が二人


皆、幻想郷の二人目の巫女に視線を注ぐ





お父さん


お母さん


私、もう二人には会えないけど


私が思い出した時は、いつでも笑っててね


私はここの大好きな人達と生きていくけど


いつでも、側にいてね


大好きなお父さん


大好きなお母さん


私も、側にいるから


笑ってるから






「・・・・・ごほん、それでは皆さまお待たせいたしました!トリを務めさせて頂きます東風谷早苗、脱――――――」




































「ただいまー・・・お?なんだ、いい匂い」

「お帰りなさい。ふふ、すごいでしょ。今夜はご馳走ですよ」

「うわ、ほんとに豪華だな。今日なにか・・・・・・ああそうか。そういえば今日だったな」

「そ、今頃早苗も、おいしいもの食べてるんじゃないかしら」

「・・・・・やっぱり心配だ」

「お酒?」

「八坂様と洩矢様だからこそ、そういうところはかえって心配だよ」

「でもあなただって、同じ頃には・・・」

「と、とにかく酒、母さん。乾杯しよう乾杯」

「はいはいどうぞ。・・・・・早苗の可愛い笑顔に乾杯」

「ん、娘の無事に乾杯」

「ふふ・・・・・あら?そこのおつまみ、もう食べちゃったの?」

「ああ?いや、食べてないけど」

「・・・・・?」















幻想郷は全てを受け入れる


それはそれは恐ろしいこと


でも、あなた達の娘が受け入れられたことは


それはそれは素敵なことですわ


これから先、あの娘の奇跡とやらは幻想郷に、何を見せてくれるのかしら


時を越えるだけの力


私も興味が尽きません




・・・・・この燻製は餞別として、それとなく渡しておきますわ
「ところで早苗、冬は温泉に入りたくはないかい?」
「温泉ですか?ええ、それはもちろん、当てがあるのでしたら」
「ふふ・・・楽しみにしてな」


お父さん、お母さん

どうやら幻想郷にも温泉があるようです

八坂様も洩矢様も、とても楽しそうです

久しぶりにゆったりと過ごせそうで、楽しみだなぁ
漢字太郎
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コメント



0.1580簡易評価
14.無評価名前が無い程度の能力削除
う~ん
16.60名前が無い程度の能力削除
いい話だと思います、思いますが・・・。

少し薄く感じました。
構成は非常に上手いですし、雰囲気も出てますが、何故か薄い。
もう少しテーマを掘り下げてもいいと思います。

でも、以前の作品のような味もありますし、次回に期待してます。
24.100名前が無い程度の能力削除
切ないけれど爽やかで、でもやっぱり胸がきしむような…。
こういうのに弱いです。
しかし早苗、脱ぐなwww

あと、最後の紫がいい味出しているなぁ、と感じました。
25.20名前が無い程度の能力削除
神奈子と諏訪子の立場がないと思いました。
早苗のタイムスリップ(?)に一枚噛んでいたのが神奈子でも諏訪子でもなく、紫?
どうも釈然としません。
26.100名前が無い程度の能力削除
ご両親とお別れできてよかったねー。
奇跡を起こす程度の能力でよかった。
34.90名前が無い程度の能力削除
再会の瞬間あたりがちょいと軽く感じました
それ以外は本当に良かったです、感動です
35.20名前が無い程度の能力削除
なんというかいい話なんですが、物語としては平凡でありきたりでした。
39.100名前が無い程度の能力削除
泣きました。
平凡な東風谷一家だからこそ、奇跡のタイムスリップが輝くのでしょう。
劇中回想の神奈子さまが私の理想のオンバシラでした。
45.80名前が無い程度の能力削除
あー、時を越え云々ってのはまあ メリーさんも越えてましたし
「奇跡的に」境界を越え、ちょうどその時空にあらわれたのでしょうか
メリーさんと紫との関係もありますし

少々、両親にとっての再会が早すぎたきもしますが
この雰囲気は好きです