ねえ、一緒に遊ぼうよ
うん
じゃあ、何して遊ぼうか
う~ん、あたしはなんでもいいや
君の好きなことをしようよ
ままごと?
あたしは体を動かすほうが好きなんだけど・・・
あ、ごめんごめん
ままごとだって好きだよ
うん、ままごとやろっか
じゃあ鬼ごっことかは後でやろうよ
私がお母さん役?
・・・可愛いから?
えへへ、やめてよ恥ずかしいよ
じゃあ・・・おほん
お帰りなさい、お父さん
ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・・・
あれ、誰か来たみたい
・・・そう、お父さんか
迎えに来たんだね
・・・またね
ねえ、一緒に遊ばない?
やった、ありがとう
なんでもいいよ
何して遊ぼうか
あやとり?
あたしはそういうの慣れすぎてて・・・・・
あ、違う違う
あやとりが上手いってわけじゃあないんだ
うん、あやとりしよう
まずはえ~と、橋・・・・・
お父さんと・・・誰?
ああ、近所のおじさんか
・・・じゃあね
あたしと遊んでくれるの?
ううん、なんでもない
ちょっと嬉しくて
なんでもいいの?
じゃあ、鬼ごっこ・・・・・
あれは誰?
・・・へぇ、村のおじさん達かぁ
『子供から離れろ』
『忌々しい土蜘蛛め。また子供を誑かしたのか』
『病気を伝染される、あまり近づくな』
『お前達、早く離れろ』
『うわぁあん。助けてぇ』
『お父さん、怖いよ』
『殺さないでぇ』
・・・さよなら
『逃げるぞ、追え』
『追え、殺せ』
『お父さん、妖怪を早く殺して』
『怖いよ』
『お前達、二度と近付くんじゃないぞ』
お帰りなさい、お父さん
橋が出来ましたよ
手の鳴るほうへ・・・
みんなで遊んだら
きっと
すっごく楽しいんだろうな
妖怪
人間
なんでもいいや
なんでもいいから
誰か
あたしと
「おや、こんな所で何して・・・・・ってなんだ、どうしたんだい」
「・・・見るからに弱そうな妖怪」
「こら、初対面で何言ってんだい。ほら、まずは顔を拭きなよ。せっかくの可愛い顔が台無しだ」
「ふん、本当に可愛い顔・・・妬ましいわ」
「おいおい・・・。悪いね、こういう奴なんだ。おや、ケガもしてるみたいだね・・・っと、これは刃物でやられたのか」
「どうやら私達と似た境遇のようね・・・。人間、あぁ妬ましい妬ましい・・・」
「・・・・・いや、そうでもないみたいだよ」
「妬ま・・・え?」
誰だろう
妖怪かな
まぁ、なんでもいいけど
私に近付いてきてくれてる
へへ、嬉しいな
何して遊ぼうかな
やっぱり鬼ごっこかな
「この子の目・・・どうやら特別人間を嫌ったり、恨んだりしてるわけじゃないらしい」
「目?まさか、だって現に傷付けられて泣いてるんじゃない。それに、この子もこれが初めてじゃない筈よ」
「そうかもね。・・・でも、澄んだ良い目をしてるじゃないか、なぁ?」
「・・・嫌味?ああ、なんて妬ましい」
「そうは言ってないよ。ただ・・・ねぇ、あんた」
なあに?
「私の名は星熊勇儀、鬼だ。あんたの名前はなんだい?」
・・・ヤマメ
黒谷ヤマメだよ、勇儀さん
「ありがとう。さてヤマメ、早速だがあんたに質問があるんだ」
質問?
「あんたは人間をどう思う」
どうって?
変なこと聞くんだな
う~ん・・・そうね
一緒に遊んでくれたら、嬉しい
「・・・妬ましい・・・・・」
「なるほどね。じゃあもう一つ、他の妖怪・・・・・ううん、そうだな・・・」
「ふん、優しいのね。・・・いいわ、私が聞く」
「あ、おい」
?
「水橋パルスィ。黒谷ヤマメ・・・あなたも何らかの『他者に受け入れられない能力』を持つようね」
パルスィさん?
・・・うん
私の能力は、病気を・・・
「『忌み嫌われない他の妖怪達』を、どう思う?」
「・・・・・」
また変なこと聞かれちゃった
他の妖怪?
そうだなぁ
楽しそうで、いいなぁって思うよ
私も仲間に入りたいなぁって
そんで、一緒に遊んだりして
「・・・妬ましい?」
ううん、羨ましい
・・・あなたたちも仲が良さそうで、とっても楽しそう
「な、だ、誰がこんなのと・・・・・ああ妬ましいわ!!」
「あっはっは!こいつは参ったねぇ。そうかい、私達は仲良さそうに見えるかい。いやいや照れるねぇ」
「星熊!」
うふふ、本当に楽しそう
・・・ねぇ勇儀さん、パルスィさん
お願いがあるの
あたしと・・・・・
「待った」
え?
「ヤマメ、最後の質問だ」
・・・・・?
「ヤマメ、私達と友達になってくれないかい?」
え?
「私達は地底に楽園を創るんだ。あんたのように気のいい、面白い奴らを集めてね。決して退屈はさせない。だから私達と一緒に行こう」
「一応、鬼の言うことに嘘はないわ・・・。まぁどうするかは、あなたの自由」
あたしは・・・
だけど、そこには人間はいないんでしょ?
「うん?ああ、そうだな。何か不満かい?」
そうじゃないの
ただ・・・その
嫌われたまんまじゃ、イヤだなぁって
「・・・呆れた。妬ましいの音も出ないわ」
「あんたって子は・・・ほんと、イイ奴なんだねぇ」
イイ奴?
「ああそうさ。ここまでされて、まだ人間を信じるかい?鬼でさえ見切りを付けた人間を、こんな小さな妖怪が」
よくわかんない
でも人間だって、一緒に遊んだら楽しいよ
誰でも、楽しいのが一番だもん
「その通りだ。・・・だが、今の人間はダメだ。私達妖怪を殺すことしか考えていない。特に害があるとわかれば、奴らは手段を選ばない」
そう・・・なんだ
悲しいな
「だが・・・そうだね。待ってみるのもいいかもしれないな・・・」
「星熊?」
「ヤマメ、私は決めたよ。地下に篭って一生を終えるつもりだったが・・・そうじゃない。いつの日か変わり者の人間が
私達の下へ訪れる、その日までは篭っていよう。だが長い年月できっと、人間は変わるはずだ。もしそんな人間が訪れた
その時は地底を開放して、いつでも人間や外の妖怪が遊びに来れるようにしようじゃないか」
「・・・正気なの?」
「鬼に嘘はないって言っただろ?」
「はぁ・・・妬ましい。本当にそんなこと有り得るのかしら?人間がわざわざ忌み嫌われた妖怪の巣窟へ来るなんて」
「だからさ。そんな命知らずが悪い奴なわけないだろう?当然そいつの周りにも、悪い奴らはいなくなってるって寸法さ」
「馬鹿みたい」
・・・でも、すごく楽しそう
「だろう?」
「ぐ・・・妬ましい」
それが、地底の楽園?
「ああ、完成はまだまだ先かもしれないがね」
でも、鬼に嘘はないって
「もちろん。必ず完成するさ」
えへへ、楽しみだね
きっと楽しいだろうなぁ
・・・よろしくね、勇儀、パルスィ
・・・・・
「うぇ?ついに幻聴が?」
・・・・・
「知るか。大体、こんな暗くてサボりようのない洞窟に送り込んでおいて」
地底に遊びに来たのかい?
誰も拒みゃしないから楽しんでおいき
うん
じゃあ、何して遊ぼうか
う~ん、あたしはなんでもいいや
君の好きなことをしようよ
ままごと?
あたしは体を動かすほうが好きなんだけど・・・
あ、ごめんごめん
ままごとだって好きだよ
うん、ままごとやろっか
じゃあ鬼ごっことかは後でやろうよ
私がお母さん役?
・・・可愛いから?
えへへ、やめてよ恥ずかしいよ
じゃあ・・・おほん
お帰りなさい、お父さん
ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・・・
あれ、誰か来たみたい
・・・そう、お父さんか
迎えに来たんだね
・・・またね
ねえ、一緒に遊ばない?
やった、ありがとう
なんでもいいよ
何して遊ぼうか
あやとり?
あたしはそういうの慣れすぎてて・・・・・
あ、違う違う
あやとりが上手いってわけじゃあないんだ
うん、あやとりしよう
まずはえ~と、橋・・・・・
お父さんと・・・誰?
ああ、近所のおじさんか
・・・じゃあね
あたしと遊んでくれるの?
ううん、なんでもない
ちょっと嬉しくて
なんでもいいの?
じゃあ、鬼ごっこ・・・・・
あれは誰?
・・・へぇ、村のおじさん達かぁ
『子供から離れろ』
『忌々しい土蜘蛛め。また子供を誑かしたのか』
『病気を伝染される、あまり近づくな』
『お前達、早く離れろ』
『うわぁあん。助けてぇ』
『お父さん、怖いよ』
『殺さないでぇ』
・・・さよなら
『逃げるぞ、追え』
『追え、殺せ』
『お父さん、妖怪を早く殺して』
『怖いよ』
『お前達、二度と近付くんじゃないぞ』
お帰りなさい、お父さん
橋が出来ましたよ
手の鳴るほうへ・・・
みんなで遊んだら
きっと
すっごく楽しいんだろうな
妖怪
人間
なんでもいいや
なんでもいいから
誰か
あたしと
「おや、こんな所で何して・・・・・ってなんだ、どうしたんだい」
「・・・見るからに弱そうな妖怪」
「こら、初対面で何言ってんだい。ほら、まずは顔を拭きなよ。せっかくの可愛い顔が台無しだ」
「ふん、本当に可愛い顔・・・妬ましいわ」
「おいおい・・・。悪いね、こういう奴なんだ。おや、ケガもしてるみたいだね・・・っと、これは刃物でやられたのか」
「どうやら私達と似た境遇のようね・・・。人間、あぁ妬ましい妬ましい・・・」
「・・・・・いや、そうでもないみたいだよ」
「妬ま・・・え?」
誰だろう
妖怪かな
まぁ、なんでもいいけど
私に近付いてきてくれてる
へへ、嬉しいな
何して遊ぼうかな
やっぱり鬼ごっこかな
「この子の目・・・どうやら特別人間を嫌ったり、恨んだりしてるわけじゃないらしい」
「目?まさか、だって現に傷付けられて泣いてるんじゃない。それに、この子もこれが初めてじゃない筈よ」
「そうかもね。・・・でも、澄んだ良い目をしてるじゃないか、なぁ?」
「・・・嫌味?ああ、なんて妬ましい」
「そうは言ってないよ。ただ・・・ねぇ、あんた」
なあに?
「私の名は星熊勇儀、鬼だ。あんたの名前はなんだい?」
・・・ヤマメ
黒谷ヤマメだよ、勇儀さん
「ありがとう。さてヤマメ、早速だがあんたに質問があるんだ」
質問?
「あんたは人間をどう思う」
どうって?
変なこと聞くんだな
う~ん・・・そうね
一緒に遊んでくれたら、嬉しい
「・・・妬ましい・・・・・」
「なるほどね。じゃあもう一つ、他の妖怪・・・・・ううん、そうだな・・・」
「ふん、優しいのね。・・・いいわ、私が聞く」
「あ、おい」
?
「水橋パルスィ。黒谷ヤマメ・・・あなたも何らかの『他者に受け入れられない能力』を持つようね」
パルスィさん?
・・・うん
私の能力は、病気を・・・
「『忌み嫌われない他の妖怪達』を、どう思う?」
「・・・・・」
また変なこと聞かれちゃった
他の妖怪?
そうだなぁ
楽しそうで、いいなぁって思うよ
私も仲間に入りたいなぁって
そんで、一緒に遊んだりして
「・・・妬ましい?」
ううん、羨ましい
・・・あなたたちも仲が良さそうで、とっても楽しそう
「な、だ、誰がこんなのと・・・・・ああ妬ましいわ!!」
「あっはっは!こいつは参ったねぇ。そうかい、私達は仲良さそうに見えるかい。いやいや照れるねぇ」
「星熊!」
うふふ、本当に楽しそう
・・・ねぇ勇儀さん、パルスィさん
お願いがあるの
あたしと・・・・・
「待った」
え?
「ヤマメ、最後の質問だ」
・・・・・?
「ヤマメ、私達と友達になってくれないかい?」
え?
「私達は地底に楽園を創るんだ。あんたのように気のいい、面白い奴らを集めてね。決して退屈はさせない。だから私達と一緒に行こう」
「一応、鬼の言うことに嘘はないわ・・・。まぁどうするかは、あなたの自由」
あたしは・・・
だけど、そこには人間はいないんでしょ?
「うん?ああ、そうだな。何か不満かい?」
そうじゃないの
ただ・・・その
嫌われたまんまじゃ、イヤだなぁって
「・・・呆れた。妬ましいの音も出ないわ」
「あんたって子は・・・ほんと、イイ奴なんだねぇ」
イイ奴?
「ああそうさ。ここまでされて、まだ人間を信じるかい?鬼でさえ見切りを付けた人間を、こんな小さな妖怪が」
よくわかんない
でも人間だって、一緒に遊んだら楽しいよ
誰でも、楽しいのが一番だもん
「その通りだ。・・・だが、今の人間はダメだ。私達妖怪を殺すことしか考えていない。特に害があるとわかれば、奴らは手段を選ばない」
そう・・・なんだ
悲しいな
「だが・・・そうだね。待ってみるのもいいかもしれないな・・・」
「星熊?」
「ヤマメ、私は決めたよ。地下に篭って一生を終えるつもりだったが・・・そうじゃない。いつの日か変わり者の人間が
私達の下へ訪れる、その日までは篭っていよう。だが長い年月できっと、人間は変わるはずだ。もしそんな人間が訪れた
その時は地底を開放して、いつでも人間や外の妖怪が遊びに来れるようにしようじゃないか」
「・・・正気なの?」
「鬼に嘘はないって言っただろ?」
「はぁ・・・妬ましい。本当にそんなこと有り得るのかしら?人間がわざわざ忌み嫌われた妖怪の巣窟へ来るなんて」
「だからさ。そんな命知らずが悪い奴なわけないだろう?当然そいつの周りにも、悪い奴らはいなくなってるって寸法さ」
「馬鹿みたい」
・・・でも、すごく楽しそう
「だろう?」
「ぐ・・・妬ましい」
それが、地底の楽園?
「ああ、完成はまだまだ先かもしれないがね」
でも、鬼に嘘はないって
「もちろん。必ず完成するさ」
えへへ、楽しみだね
きっと楽しいだろうなぁ
・・・よろしくね、勇儀、パルスィ
・・・・・
「うぇ?ついに幻聴が?」
・・・・・
「知るか。大体、こんな暗くてサボりようのない洞窟に送り込んでおいて」
地底に遊びに来たのかい?
誰も拒みゃしないから楽しんでおいき
次回策にも期待しています。
こういうお話大好きッス。読んでて元気になりました。そしてヤマメが好きになりました。
次も楽しみにしております。
優しいヤマメがすごくいじらしく感じました。