Coolier - 新生・東方創想話

幻想アンダーザブリッジ

2008/10/08 07:46:03
最終更新
サイズ
24.52KB
ページ数
1
閲覧数
2431
評価数
33/136
POINT
7580
Rate
11.10
風が吹いていた。

清流と呼ぶには些か流れの強い川の淵。
丁度、架け渡された橋の下に位置する場所で、岩に腰掛けた小柄な少女が釣り糸を垂らしていた。
師走という時勢柄、身を切るかの如き冷たい風が吹き付ける中、少女は黙して水面を見つめ続ける。
寒さに顔をしかめるでもなく、釣り竿の引きに一喜一憂するでもなく、ただ平静な表情で。
一つの絵画の如くとでも呼べば、世の画家達は眉を潜めるであろう、どこか浮世離れした情景だった。



「釣果はどうですか?」



ふと、少女の背後から声がかかる。

「ん、見ての通り」

少女は、ちらと視線を向けると、傍らの魚籠を指差す。
水流に糸を垂らしてよりこの方、魚籠の内部質量が増大したという噂は流れていない。
質量保存の法則は、幻想郷においても依然、猛威を振るっていた。

「ふふっ。あの格言、さしたる確証はありませんものね」
「短気な奴ほど釣りには向いているってあれね。……ん? 何よ。私が短気だってこと?」
「そうですね。この程度で怒り出すようなら、短気と評せられても不思議ではでしょう」
「……ふん」

軽く鼻を鳴らし、再び視線を水面へと向ける。
呼びかけた者は更なる言葉を紡ぐことなく、ただその場に佇んでいた。
言葉は無くとも、二人の間に重苦しい雰囲気は感じられない。

世の画家達は、思いなおしたかのように頷くことだろう。
なるほど、これは絵になる光景かもしれない、と。

風がまた、強くなった。










「……って、おかしいわ!? 何故このレミリア・スカーレットが、こんな真昼間っから、河川敷で釣りに勤しんでるの!?」

自己認識の意味を込めてか、妙に説明的なレミリアの台詞は、すべてを台無しにしていた。
出来もしない情景描写中心の進行など試みるものではない、との教訓だろう。



「何故と仰られましても……ご自分から始められたのではありませんか」

これは困った。とばかりに小首を傾げる咲夜。
だが、その平静な姿勢は、更にレミリアの混乱を誘っていた。

「そ、そうだっけ? ……ああ、いえ、違う、違うわ。そういう事じゃない。根本からして変なのよ」
「何がでしょうか」
「私達、何でこんな所にいるの?」
「……改めてそれを問われるとは、流石に予測しておりませんでしたわ」
「え。私、そんなに変な事聞いた?」

憤りに大きく広がっていた羽根は、心情を表すかのように、しゅん、と縮こまる。
その時、一旦収まりかけていた風が、思い直したかのように猛威を振るった。
冬の風は当然ながら冷たく、ましてやここは、一切の遮蔽物の存在しない河川敷。
寒気に強い吸血鬼とは言え、寒いものは寒いし、別の意味でもサムい。

「うーさむ……とりあえず、話は帰ってからにしましょう」
「帰るって、何処にですか?」
「はあ? 紅魔館に決まってるでしょ」
「……」

最初はきょとんとした表情。次が怪訝な視線。更には哀れむかのような様子と、瞬に表情を変えてゆく咲夜。
そして最終的には、素直クール的無表情となって口を開いた。

「現実を見ましょう、お嬢様。もう幻想郷に、紅魔館なる屋敷は存在しないのです」
「……あ」
「見た筈です。その名に相応しき、紅蓮の炎に包まれる様を。
 そして仰られた筈です。これもまた運命か、と」
「……そう、ね」



洋館は炎上してこそ華。と手前勝手な理屈を捏ねたのは誰であったか。
しかし、現実に起こってしまえば、やはりそういうものなのかもしれない。と納得できてしまうファンタジー。
火属性魔法実験の失敗か、焚き火と強風の合わせ技よるものか、夜食にドーナツを求めたが故のミラクルか。
原因も自供も多すぎる為に犯人の特定が不可能という、ミダス王の如き贅沢な悩みは、
何れにせよもう手遅れですわ。との瀟洒な言葉により、今もこの先も追及しないという結論に達したのだ。

そんな中、人的被害が皆無であったのは奇跡だろう。
同時に、物的被害が甚大であったのもまた奇跡だろう。
建物に刻まれた思い出も、希少な調度品の数々も、幻想郷随一の蔵書も、ありとあらゆる無機物が灰へと還った。
それこそ燃えカスすら残らない天晴れな全焼っぷりは、被災者一同の悲しみを大いに誘ったという。

『大切なのは未来!』

やけっぱちな雰囲気全開で上げられた声は、不思議と皆の心を打った。
故に、紅魔館が誇るメイド達は、未来を大切にした。
具体的には、己の生活の糧を得る為に、一人を除いた全員がレミリアの元から去ったのである。

真冬の風は、どこまでも冷たかった。



「思い出されましたか?」
「……ええ」

ただ一人残った侍従。咲夜の問いに、おもむろに頷くレミリア。
夢でも幻でもない、確かな現実が、そこにあった。

「にしても、何だってこんな河川敷なのよ」
「仕方ありませんわ。大概の者は受け入れる幻想郷とて、我慢の限度があるという事なのでしょう。
 一切の私財を持たない上に、今だ結構な大所帯の我々には、そうそう選べる場所などありません」
「幻想郷も世知辛くなったわねぇ」
「ええ。巷では、縄張り争いも激しいそうですから、このような新居を見つけられたことは、むしろ幸運かと」
「新居、ねぇ」

レミリアは咲夜の背後へと視線を送る。
砂利の灰色、冬枯れの草の黄土色、橋げたの濃茶色といった、暗い色彩が大勢を占める中、
目に鮮やかと呼ぶに相応しい、青一色の世界が浮かび上がっていた。
しかし、世間的にブルーシートと呼ばれるそれを新居と呼び称すのは如何なものだろうか。
雨風を凌げる場所というのが住居の最低条件であろうが、橋で雨は凌げるとは言え、風を防げるか言えば怪しいところだ。
今のところは、ブルーシートそのものと称するほうが懸命であろう。

「今、美鈴が段ボールを集めに回っていますので、今しばらく我慢の程を。
 あの万能資材さえ手に入れば、我々の生活レベルは一段階向上することでしょう」
「……」

一般の域に到達するまで、どれだけレベル上げに励めば良いのだろうか。
提唱者である咲夜が、先に現役引退する気がしてならなかった。

「ふっ……所詮世の中は金なのですよ。我々は、そこに気付くまでが遅すぎました」
「……本当、世知辛いわね」

レミリアは、深く嘆息した。



「では、お嬢様。そろそろお仕事にお戻り下さい。私も内職を再開しますので」
「……しごと?」

平仮名で返すレミリア。
今だかつて、自身に向けられた試しの無い言葉ゆえ、変換能力が追いつかなかったのだろう。

「ご自分で仰られたではありませんか。ルーマニアのサンペイガールとも称された私が、
 貴方達の胃袋を生臭い匂いで埋めてやりましょう、と」
「……言わない言わない。サンペイって誰だってーの」
「おほん……少々誇張がありましたが、魚でも釣る。と仰られていたのは本当ですよ?」
「……そうだっけ」
「そうでんがな」

似非関西弁で返す咲夜を無視すると、レミリアは己の思考を遡る。
元々、極めて容量の少ない記憶回路であったが、奇跡的にも該当すべき項目は見付かっていた。

「あー、確かに言った気がするわ。こんな昼間じゃ出歩く事も出来ないし、暇潰しする。って意味だけど」
「思い出されたようで何よりですわ。では、宜しくお願いします」
「……って、本当にこれが私の仕事なの?」
「はい。文化的な生活に必要な三大要素の一つ……食を担った、重要な仕事ですよ」

そも、衣や住が満たされているとは言い難い状況であるが、そこは突っ込まない。

「本気? 私、釣りなんてやったことないわよ?」
「今は冗談を言っていられる状況ではありません。我々全員が心を一つにしない限りは、
 世間の風や、生命の維持という強大な敵には立ち向かえないのです」
「で、でも……そ、そうよ、全員って言うけど、フランは何処に行ったのよ。 あの子も何か仕事してるって言うの?」
「さて……恐らくは、初めて味わう自由な世界を満喫されているのではないでしょうか」
「それは遊んでるって言うのよ!」
「お嬢様。五歳も年下の妹様に対して、大人気ありませんわ。子供は遊ぶのが仕事なのですから」
「言葉のマジック禁止! 500歳と495歳なんて殆ど同じようなもんじゃないの!」
「ですが、その差が詰まる事は永遠にありません。時間というものは不可逆なのですよ」
「お前が言うな!」

どれだけ突っ込もうとも、咲夜の強固な姿勢は、微塵も揺らぐ気配をも見せない。
働かざるもの食うべからず。
何処の庶民の戯言だ。と笑い飛ばす事が出来たのは、もはや過去のことだと実感される。

「……それともどこか働き口でも探されますか?」
「え」
「元々の立場もありますし、里での行動は難しいでしょうが……白玉楼や永遠亭辺りなら受け入れて貰えるかもしれませんわ」
「……釣ります。釣らせて頂きます」

咲夜の言葉は、レミリアに決心を促した。
そのような生き地獄を味わうくらいなら、他の誰とも顔を合わせる必要もなく、
橋の下という日傘不要のロケーションで専念できるこの仕事のほうが遥かにマシ。という結論である。
プライドを守る為にプライドを捨てる。
何とも皮肉な選択だった。


「見事な決断ですわ、お嬢様。この咲夜、陰ながら見守らせて頂きます」
「見守んなくていいから、内職とやら進めてなさい」

咲夜は微笑を浮かべると、今の住居……ブルーシートの一角へと戻っていった。
開始されたのは、小さな人形のようなものを手に取っては、そこに更に一回り大きな人形を被せるという作業の繰り返し。
本当にそれが効率的に賃金を得られる仕事なのか。と疑問に思わないでもなかったが、
そこは完全な従者のやる事。レミリアとて口出しする気は毛頭無かった。
そんな気力が残っていないとも言える。











「……」

再び釣り人としての運命を歩み始めたレミリアは、ただただ黙して糸を垂らす。
ウヒャヒャと笑い声を上げつつ釣る。ウォオオンと号泣しつつ釣る。といった選択肢も一応はあったが、
気付けば咲夜すら姿を消しているという事態だけは避けねばならぬ為、実行は差し控えられていた。

ここ幻想川は四季とりどりどころか、川と海の境界すら越えた、ありとあらゆる魚介類が釣れるという、知る人ぞ知る名所である。
幻想郷だから幻想川って、いくらなんだって安直すぎやしねぇかい? と、しばしば話題に上る事でも有名であったが、
紅い悪魔が住む館だから紅魔館。との過去を持つレミリアにとっては、むしろ馴染み易い名称であろう。

「紅い悪魔が釣りしてる川だから、紅魔川……」

馴染む前に、名称変更の申し立てが出た。
無論、申請対象が誰か分からないので、個人的願望の域から出てはいない。

「紅魔川に架かっている橋だから、紅魔橋……」

頭上を見上げつつ、更なる命名に走るレミリア。
こちらに関しては、元々名称など無いという理由から、個人的願望であろうと通ってしまう可能性が高い。
故に今後、この橋は紅魔橋である。
語呂も良くて何よりだ。

「……むっ」

そのとき、レミリアの表情が僅かに揺らぐ。
この日。そして恐らくは、500余年の生涯初となる、釣竿からの確かな手ごたえ。
だがそれと同時に、ここ最近……具体的には昨晩の火事以降、自身にツキが無いことが気にかかっていた。
ならば、その前はツいていたのか、と問われると微妙な所ではあるが。

「(長靴か、チャリンコか……いや、それにしては妙に重いわね)」

実のところ、現在の生活環境においては、その二つであっても有益な収穫なのだが、
極めて記憶容量の少ない彼女には、食という三大要素の一つを託されたという意識しか存在しない。
即ち、食材でなければ、何であろうと負けなのだ。

「(ポジティブ! ビーポジティブ! そう、これは間違いなく鯨! 幻想になりかけてる食材に愛の手を!)」

意味不明な思考と共に、レミリアは釣り竿を力任せに引く。
テクニックも何も無い、ただ吸血鬼の腕力に全てを託した戦い。
月どころか、まだ太陽が燦々と輝いている時分だが、それでも負ける訳には行かなかった。
カツも良い。刺身だって行ける。大和煮にすれば保存食にもなるのだから。

「ふん……がっ!」

気合一閃。
竿と糸が根を上げるよりも早く、決着は着いた。



「やーやー、ごきげんよう」
「妖怪かよチクショウ!」



川底からぷかりと浮かび上がり、小粋な挨拶を見せた少女に、レミリアは堪らず吼えた。
その気になれば食べられない事も無いだろうが、腹以外の何かが満たされても意味はないし、
そもそもにして創想話に投稿不可能だ。

「あーあ、強化カーボン製の鞄が破けちった。どういう腕力してんのさ?」
「服着て川底を泳いでるあんたのほうが、よっぽど疑問だっての……」

少女のあまりにもあっけらかんとした態度に、レミリアの憤りは消え失せ、代わりに脱力感が全身を支配していた。

「河童が川泳ぐのは当たり前よ。あ、私は河城にとり。
 そいで、新しくここに住み着いた住人ってのはあんたのこと?」
「……そう、だけど」

今だ自分が橋の下の住人となった事を認めたくないのか、一瞬言葉に詰まる。
紅魔館の長から、自然生活者への転進は、些か性急に過ぎる事態だったようだ。

「……今、何か言いかけたね?」
「は?」
「河童が緑じゃなくて何が悪い!」
「いや、突然切れられても」
「同情するくらいなら、技術よこせ! ISO9600所得級の!」
「……いや、もういいから、早く帰って医者に見てもらいなさい。主に脳を」

テンション急上昇のにとりとは対照的に、ただ淡々と受け答えては腰を下ろすレミリア。
今は既知の外に居る妖怪……即ち既知外に関わっているよりも、魚を釣り上げる事のほうが遥かに重要と気付いたのだ。

「ほっほう、そんな口を聞いて良いのかな?」
「あん?」
「私、この川に住んでるんだよ。ずーっと前からね。その意味が分かる?」
「え。ま、まさか……」
「これって一応不法占拠だよねぇ……場合によっちゃ、出るところ出る事も考慮しないと」
「民事!? 民事なの!?」

民事は拙い。
今のレミリアには裁判費用は愚か、裁判の日時まで生き永らえる補償すら無いのだ。
そもそも、文無し吸血鬼、河川敷の不法占拠で訴えられる。との経歴を残す事自体が拙い。



「まあ私も別に地主ってわけじゃないんだけどね」
「シャッ!」

刹那、座った体勢のままで放たれた神速の蹴りが、戯言を吐いた顔面へと叩き込まれる。
水切りの石の如く水面を数回バウンドした後、にとりは川底へと沈んだ。



「あー、アホらしい。また無駄な時間を過ごしてしまったわ」

一人ごちると、再び竿を手に取るレミリア。
今は、遊んでいる時ではない。
人数分とまでは言わずとも、せめて一匹でも釣り上げおかなければ、他の面々に合わせる顔が無いのだ。
このような思考を働かせている時点で、もう野良吸血鬼感バリバリなのだが、そこには気付かない振りをしておいた。



「まあ、そんな冗談は置いといてだ」
「……復活早いわね、あんた」

何事も無かったかのように、にとりが水面から顔を覗かせていた。
顔には痛々しい青タンが浮かんでいたが、まるで気にした風が無いあたり、中々の胆力の持ち主やも知れない。

「こんな橋の下での生活。何かと不便じゃない? 不便でしょ? 不便だよね?」
「まだ生活初めてすらいないんだけど」
「で、家はどうにもならないとしても、せめて生活レベルくらいは向上させたい……そんな思いは無い?」
「……む」

いみじくもそれは、つい先刻、咲夜との対話中において考えていた事だった。
例え貧しくとも、心くらいは豊かでありたい。
それは、文化人ならぬ文化妖としてのプライドか、はたまた過去への未練か。

「というわけで、そんな貴方にお勧めするこの商品。NITORI工房試作品、携帯原子力発電機バージョン1.02!」
「使えねー……」

僅かに湧き上がったにとりへの期待感は、瞬時に失望へと転換された。
一切合財の家財道具を失ったというのに、発電機など何に使用しろと言うのか。
せいぜいが、この目の前の駄目河童に電流を流し込んで、溜飲を下げる程度であろう。

「凄いよーこれ。何が凄いかって、これまで運用不可能とされていた核融合の力を用いることで、
 第二種永久機関とも等しいエネルギー効率を一割八分の確立で引き出すことに成功したんだから」
「いや、説明されたって困るから。大体それ、晩年の清原より率低いじゃないの。そんなの成功って言わないわよ。
 失敗したら幻想郷滅亡だっての、核の力を舐めるんじゃないわよ」
「という訳で私は、人身御供……は聞こえが悪いか。人体実験……もダメ、と。
 あー、そうそう、ロケテスト。うん、ロケテストの相手を探してたってわけ」
「……聞いちゃいないよ」

吸血鬼と河童。西洋妖怪と東洋妖怪。リセット前とリセット後。
二人の間には、永琳の胸の間よりも深い溝があった。

「で、どう、使ってみない?」
「いらないっつってるでしょ。何回言わせれば気が済むのよあんた」
「そっか……まあ、強制はしないけどね」

少し寂しげに微笑むと、にとりはくるりと踵を返す。
が、完全に水没する手前、僅かに顔を動かしつつ、呟いた。

「そういえばこの先、上流に化学工場を建てる計画が……」
「それは脅迫って言うのよ!」

冷静に考えるならば、この川に住んでいる筈のにとりが、そのような自滅行為を働く筈も無いのだが、
生活用水と食糧という二大ライフラインを盾にされたレミリアには気付けない。
生存本能なる理由があるとは言え、今や彼女にはエコロジストとしての使命感すら存在していたのだ。

「大体、そんなもん渡されたって、使う機会も機械も無いっての……」
「いやいや、全然問題ないよ。見たところ健康そうだし、結構な額が引き出せると思うし」
「前置き無しに、私の命を担保にするなっ!」
「むぅ……せっかく人が、色々と親切にしてやってるってのに、随分な態度じゃない?」
「どこに親切心があるってのよ! 私欲に満ち溢れてるわよ!」

この川はもう存分に電波汚染されているのではないか。
そんな思いが、レミリアを支配しつつあった。

「言うねぇ。今の内に、幻想川の主が誰であるかを、その身体に教えてやる必要があると見たわ」

ニヤリ、と凶悪な笑みを浮かべるにとり。
無論、レミリアのほうは、とうに到達している領域だ。

「フヒュー……寛大な私も、そろそろ限界よ。不本意だけど、あんたのその腐った肝で今晩の食卓を彩ってやろうじゃないの」

釣竿を投げ捨てては、一歩、川へと歩み寄るレミリア。
最初からこうしておくべきだった。
そんな思いが、今の彼女を支配していた。

「スモウすっか? コラ」
「ああ? やらいでか!」
「フシャー!」
「クケー!」

妖怪大戦争、勃発。











「うううううあああああううううう」
「本当にもう。何処の世界に、自ら流水に飛び込む吸血鬼が居るというのですか」
「あああああうううううあああああ」

言葉にならない呻きを漏らし続けるレミリア。
どのような戦いにおいても、地理的条件の影響は非常に大きい。
かのロビンマスクとてアトランティスに敗れるご時世。
日没前の川の中という吸血鬼には最悪のロケーションで、河童に勝てる道理などありはしなかったのだ。
もっとも、既にして人生の落伍者になりかけている現実からすれば、些細な問題なのかもしれないが。

「服も乾かさないと……ええと、熱源、熱源……」
「火は嫌!」

昨晩生まれたばかりのトラウマが、レミリアを容赦なく襲った。

「無茶を仰らないで下さい。そのような水浸しの格好のままでおられるつもりななのですか?」
「水も嫌っ!」

ついでに出来立てほやほやのトラウマにも襲われていた。
この少女、弱点の羅列のみで月刊少年ライバルを越えるのも、そう遠い日ではあるまい。


「……もう、五月蝿いわね。何事よ」


その時だった。
ブルーシートの片隅にあった奇妙な盛り上がり。
焼け残った私財でも置かれていたものと思っていたそこから、焼け残った友人が顔を覗かせていた。

「おはよう、レミィ」
「……いたのね」

レミリアから漏れたのは、率直に過ぎる感想だった。

「むぅ。その言い方は酷いんじゃないの?」
「この危機的状況で惰眠を貪ってた居候には、相応しい言葉だと思うけど」

紅魔館時代は禁句とされていた呼称を口する。
今のレミリアには、皆の為に身を粉にして働いているという自覚があった為だ。
依然として収穫がゼロであることは問題ではないらしい。

「仕方ないでしょう。今の私にはこれしか出来る事が無いんだから」
「はあ? 吸血鬼じゃあるまいに、そんな言い訳が通るとでも……」

その時、レミリアの中にある連立方程式が浮かび上がる。


  動かない大図書館-大図書館=動かない
  知識と日陰の少女-知識=日陰の少女
  動かない+日陰の少女=動かない日陰の少女


「誰も二つ名の話なんてしてないわよ! というか、それもう殆ど死人じゃないの!」
「よって死人は死人らしく、口を噤んでいたという訳であった」
「何で勝ち誇った顔してるのよ!? 全然オチてないわよ! 動け! 知識使え!」
「……練炭?」
「集団自殺の知識はいらん!」

まったく普段通りのパチュリーであった。



「只今戻りましたー」
「お姉さまーっ。お肉貰って来たよーっ。ほら、牛タン!」

更に二つの声が増える。
赤みがかってきた日の光を背景に、土手を降りる美鈴と、その肩の上で手を振るフランドール。
微笑ましい光景とも称したいシチュエーションであったが、土手の上に鎮座召されていた段ボールの山。
そして、フランドールが携えている生々しい代物は、それを許してくれそうになかった。
嗚呼、悲しいかな現実。

「ご苦労様、美鈴。首尾はどう?」
「見ての通りですよ。これで防備は完璧です」
「そう。これで住は整ったわね」
「え!? 整っちゃったの!?」

訳知り顔で頷きあう咲夜と美鈴を前に、素っ頓狂な声を上げるレミリア。

「はい。そうですが、何か?」
「いや、何か? じゃなくて……」
「安心してレミィ。段ボールは人類の英知の結晶とでも言うべきものなのよ。
 耐久性は元より、冬の寒気をも遠ざける耐寒性も持ち合わせながら、加工も自在という優れもの。
 これさえあれば、私達に恐れるものなど何もないわ」
「こ、恐い。今、パチェのことが恐くなったわ」
「……饅頭?」

昨晩までの紅魔館の生活は、実は昏睡状態の自分が見ていた夢だったのではないか。
そんな妄想を抱く程に、異口同音で段ボールを称える一同の姿を、レミリアは異様と感じていた。
ついでに、又一つ弱点が増えた。

「ふ、フラン! 貴方はどうなの!? 段ボールハウスで納得出来るの!?」
「……くー……」

救いを求めての妹への振りは、穏やかな寝息によって打ち消される。
しかもご丁寧に、段ボールを布団にしている始末だ。

「あらら、お疲れみたいですね」
「無理も無いわ。自由に遊びまわる経験なんて、初めてだった筈だもの」
「夕食までは寝かせておきましょう……丁度、食材も戻ってきたようだしね」

絶句するレミリアを他所に、パチュリーが土手へと視線を向ける。
人間にしては異質なシルエットが、次第に大きくなってきたかと思うと、

「すみません、遅くなりま……あああああああ」

落ちた。

左程急ではないとは言え、一度加速のついた体はそうそう止まる事はない。
このまま川に転落するのではないか、との意見が出かかった辺りで、美鈴が素早くその身を受け止めていた。

「わっ。す、済みません美鈴さん」
「いいのいいの。私たちの食糧事情を救う救世主を川に叩き落したりしたら罰が当たるって」
「皮肉なものね。この子のファーマー精神が、最後の砦となっただなんて」

パチュリーの呟きに、落下少女こと小悪魔は、照れたような表情を浮かべつつ、手にしていた袋をブルーシートへと置いた。
そこから見え隠れしていたのは、赤、緑、白、黄、といった色彩。
野菜だった。

「(ああ、そういやこの娘。畑仕事が趣味だったわね)」

図書館司書というインドア派の極みのような職種の反動か、
小悪魔が紅魔館の空いた土地を使って野菜作りに励んでいた事は、レミリアも知っていた。
どうやら、あの悪夢の煙火も、畑の領域にまでは影響を及ぼさなかったらしい。
無論、幸福とするにはあまりにも微小かつ遠い事象であったが。



「よし! これで食もほぼ整ったわ!」
「マジかよ!?」

咲夜の力強い宣言に、思わずはしたない突っ込みを入れるレミリア。
この日、彼女が行った突っ込み数は、前妖未到の大記録であろう事は間違いない。

「マジですわ。明日以降は、お嬢様も協力されてくれる事でしょうからね」
「ぐ……」

瀟洒極まりない返しに、レミリアの口は閉ざされた。
レミリアだけに投げ槍なものが心情の大勢を占めていたとは言え、魚介類の調達に失敗したことは紛れもない事実だ。
今のところパチュリーと並んで役立たず……いや、むしろ、自称川の主との関係を悪化させてしまった件を踏まえれば、
脚を引っ張っていると言われても返す言葉が無い。

「細かい事は後にして、食事の支度と行きませんか? 皆様、昨晩から殆どなにも召し上がられてないでしょうし」

重苦しくなりかけた空気を、美鈴の言葉が断ち切った。
気を使う程度の能力は伊達ではない。といったところか。











肉(牛タン)と野菜が手に入ったといえば、やるべき事は唯一つ。
バーベキューである。
いや、タンシチューだろとかいう意見は却下する。
ロクな調理器具をも持ちえぬこの集団に、複雑な調理法の料理を求めるのは些か酷であろう。


「あふ、あふ、あふ……」
「うー……何か、自分の舌を食べてるみたい……」
「ああ、妹様ったら。まだ生焼けですよ」
「平気よ。新鮮なものなら、生食でも十分に……ぐむっ」
「パチュリー様……? わっ、喉に詰まらせるなんてお約束を!?」

和やかな空気だった。
大理石の床と上質な赤絨毯は、ごつごつしたブルーシートに。
ビロード張りの椅子と、豪奢なクロス敷きのテーブルは、万能資材こと段ボールに変わっていたが、
それでも食卓は、確かな活気に満ち溢れていた。

ただ一人を除いては。



「……」
「お嬢様? 召し上がられないのですか?」

ほぼ焼き係に専念していた咲夜が、訝しげに見やる。

「……あ、うん」
「好き嫌いはいけませんよ。今後、血が手に入る保障など何処にも無いのですから」
「いや、そうじゃなくて……」

元々、人間の食料品を通じて栄養補給することに、さしたる抵抗は無い。
が、それを差し置いても、今のレミリアには、箸の進まない事情があった。

「……どうして貴方達、そんなに元気なの? ですか」
「え」
「今のお嬢様の思考を推測させていただきました。どうですか?」
「……ええ。大体合ってるわ」

さとりもびっくりの読心術であったが、レミリアに驚きは無い。
むしろ、その後に続いた言葉のほうが衝撃的だった。

「……空元気ですよ」
「え?」
「それぞれ形こそ違えど、紅魔館が失われたという事実に衝撃を受けていない者などおりません。
 無論、私もです」
「いやいや、とてもそうは見えないんだけど」

むしろ、段ボール教に入信した。と返されるほうが納得出来たろう。
段ボールを崇め、段ボールを奉り、段ボール製の経典片手に、段ボール普及に努めるという、段ボールによる段ボールのための集団。
恐ろしい。世も末だ。

「それは……皆、一つの確信を持っている筈でしょうから」
「……何よそれ」

が、思いのほか、咲夜の表情は真剣だった。

「紅魔館というカタチが問題なのではない。お嬢様……レミリア様のいらっしゃる場所こそが、紅魔館なのだと。
 故に、河川敷であろうとも、段ボール製であろうとも、ここは紛れも無き紅魔館ですわ」
「……」
「そう思っているからこそ、我々はお嬢様と共にあり、こうして空意地を張り続ける事が出来るのです」
「それも、本気?」
「ガチンコですわ。伊達や酔狂ではこんな事出来ません」
「……ふん。自主性の無い連中ね」

強がりと一目瞭然である台詞を口にしつつ、紙皿を突き出すレミリア。
受け取る咲夜の表情は、笑顔だった。

「はいはい。それで、自主性の塊であるお嬢様は、何を召し上がられますか?」
「って、何処に選択の余地なんてあるのよ。タンに継ぐタンじゃないの」
「……では、野菜が八のタンが二、と」
「言ってない!」

紙皿の上は、たちまちのうちに、小悪魔の魂で埋め尽くされた。
些か響きの悪い表現だが、間違いでも何でもない故、訂正は無い。

「……レミリア様。お野菜苦手でしたか?」
「そうなの? 500歳にもなって恥ずかしいなぁ」
「あんただって495歳の癖にピーマン食べられないでしょうが! 食うわよ! 貪るわよ! ビタミン大切だもの!
 明日からはDHAだって補充するわよ! 覚悟なさい!」
「今日から、じゃない輩に限って、何もしないものなのよね」
「同意しますけど、本当に何もしてない方の言えた台詞じゃない気がしますよ。うん」

寒風吹き付ける冬空の下。
紅魔館一同は、元紅魔館一同となり、再び紅魔館一同へと戻った。



「はいはい、ご飯が炊けましたよ」

何時の間にか、食事の輪から離れていた咲夜が、湯気を上げる飯盒を手に声を上げた。
妙に早い出来上がりな気がしないでもなかったが、そこは咲夜のやる事。追求する愚を犯す者はない。

「……ん? お米なんて、何時の間に手に入れてきたの?」
「お嬢様が釣りをされている最中、何かと大変だろうという事で、分けに来てくれた方が居たのですよ」
「へぇ、殊勝な心がけね」

強気な言葉とは裏腹に、レミリアは内心、人情の有り難さをかみ締めていた。
米よりも家をくれ、と言い出すような傲慢さは、もう彼女には無い。

雌伏の時を乗り越え、再び威厳を取り戻すその日まで、レミリアは戦い続ける。
主に魚介類と。












「で、誰だったの、それ」
「霊夢です」



その夜。
川の字が二つ並ぶ珍妙な寝床で、レミリアは少し泣いた。
どうも、YDSです。

……やっべ、本当に燃やしちまった……。


おほん。
復帰させて頂いてから、幽冥、結界&詠唱と書いてきて、今回は紅魔組な訳ですが、実はただの偶然です。
私の中に計画性なんて言葉が存在する筈もありませんし。

……しかし、いいのかなぁ、マジで。
まあ、手遅れですね、はい。
YDS
[email protected]
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.4750簡易評価
6.80名前が無い程度の能力削除
面白かったのですが落ちが弱かったと思います
このあと彼女たちはどうなってしまうのでしょうか
気になってしまいます
7.90名前が無い程度の能力削除
小悪魔の魂とは、これぞ命の糧か!
12.60おやつ削除
オチはねぇわw
いいにとりん可愛いよ!
13.100名前が無い程度の能力削除
何だかんだで愛に溢れてるじゃない幻想郷。
霊夢に貰った炭水化物という至高の栄養を糧にして頑張ってお嬢様。
ただにとりんと水辺でガチるのにはびっくらこいた。
次回、あると期待。
16.90名前が無い程度の能力削除
いい話……かどうかいまいち確信が持てませんがいい話ということにしておきます。
22.80名前が無い程度の能力削除
泣いたww
23.90名前が無い程度の能力削除
皆の優しさに俺が泣いた
24.100名前が無い程度の能力削除
いやーバカバカしくて良いですね。こういうの大好きですよ。
25.70名前が無い程度の能力削除
良い紅魔組でした。
センス溢れる言葉遊びの数々がお見事です。
そしてオチを読んで「まさか霊夢が他者に食料を施すとは!」と驚愕。
でも、彼女の生活レベルが公式通りなら、何も不思議はないんですよね。
すっかり二次汚染されている自分に自己嫌悪……。
27.90名前が無い程度の能力削除
うーむ、またこんなノリの話が読める日が来るとは。
次回も期待しております。
28.70名前が無い程度の能力削除
にとりが地味に黒いぜ、そして霊夢が優しいぜ。
そして動かない日陰の少女でこれは新ジャンルなのかとかそんなことを
考え始める自分がいる。

あと多分誤字
短気と評せられても不思議ではでしょう→短気と評せられても不思議ではないでしょう
30.80名前が無い程度の能力削除
まさかこちらより先に天体戦士がメディアミックスされるとは……というのは置いといて
オチが弱いのは残念ですが、続き物の「起」としては申し分ないと思われます。
35.90kt-21削除
>レミリアは少し泣いた。
私も泣いた。霊夢……
36.80名前が無い程度の能力削除
とりあえず喘息持ちに野外生活は…魔理沙に引き取ってもらえ。
38.30名前が無い程度の能力削除
おぜうさまが住む家なくなって段ボールってネタ何度も見たのでこの点数で
41.90名前が無い程度の能力削除
雰囲気が独特すぎる
いいぞもっとやれ

いや、霊夢はもう無茶するな
42.80名前が無い程度の能力削除
個人的には、十分なオチだと思う。
43.90名前が無い程度の能力削除
>分けに来てくれた方が居たのですよ」
>「で、誰だったの、それ」
>「霊夢です」
短冊に『お煎餅をお腹が一杯になるまで食べたい』と書いたり、カフェーで水を頼んだりしたのも昔の事。
今は温泉で儲かって、館が燃えたレミリアとは逆にセレブな生活をしているんでしょう、霊夢は。
52.100名前が無い程度の能力削除
小動物チックに一生懸命なレミリアが可愛い。小悪魔何気に救世主。
そして霊夢……貧乏の大変さが判っているからこその行動に泣いた。

>今のところは、ブルーシートそのものと称するほうが懸命であろう。
懸命→賢明かな? 或いは妥当?
53.無評価与作削除
YDS氏のレミリア様は苦労する常識人サイドですね。むしろ周りは強か過ぎるのか。
動かない日陰の少女ってあとはもう朽ちていくだけって感じなのに、絶対死にそうにないし。
まあ、考えてみれば妖怪連中の大半は野良暮らしなわけだし、強く生きて行ってくれることでしょう。
後書きの雰囲気からするに、続編とかあるのかしらん。あるのなら、ぜひ見たいです。

月刊少年ライバルは分厚いですよね。あと狙ってる年齢層がよく分からん。
54.80与作削除
点数入れ忘れです
55.90名前が無い程度の能力削除
いいお話でしたが、疑問点が一つ
館は焼けても、館跡地は依然レミリアのものなわけですよね(そうでなければ子悪魔が耕作できませんし)
ではなぜ一同は館跡地にほったて小屋を作らずにわざわざ河川敷まで出張したのでしょうか
瓦礫の山が処理しきれていない、橋の下が目下の避難所としては(日光や設営の点で)適している
などが理由として考えられますが、どれもいまいち腑に落ちないです
56.100名前が無い程度の能力削除
YDSさんの作品昔から読んでるけど紅魔館焼くとは思わなかったよw
 
きっとそのうち元通りだよね!
61.無評価名前が無い程度の能力削除
>>55
古式ゆかしい伝統美ですよ、きっと。
家を失ったものは橋の下に段ボールの家を建てるという習わしですから、この国。
62.80名前が無い程度の能力削除
にとり出たからキュウリでも持ってくると思いましたが相撲とはw
河童相手に相撲勝負じゃ勝てないって・・・

>一割八分の確立
ここは確率かと
63.100名前が無い程度の能力削除
>雌伏の時を乗り越え、再び威厳を取り戻すその日まで、レミリアは戦い続ける。
雌伏て。至福ね。すげぇ変換したねぇw
64.100名前が無い程度の能力削除
題名にアンダーザブリッジとあるので最初にお嬢様がガキ共にスカートを強奪される話かと思ってました。

>小さな人形のようなものを手に取っては、そこに更に一回り大きな人形を被せるという作業
そ、それはロシアの監獄で受刑者がやる作業……このあとヒヨコの雄雌判定をするに違いない……
65.100名前が無い程度の能力削除
まさかの紅魔館炎上w
相変わらず語彙選びが上手くて面白いです。
読んでいてこんな楽しい気持ちにさせてくれるのはありがたい。
霊夢の優しさに泣いた。
70.無評価名前が無い程度の能力削除
>>63
どう考えても「雌伏」であってる

「雌伏」しふく
力を養いながら、自分の活躍する機会をじっと待つこと。
goo辞書より
72.無評価63削除
レスにレスは禁止だけど恥ずかしいからコメント
前後の文章あんまり読まずに63書いてしまった_| ̄|○
70thx作者ゴメン
80.80名前が無い程度の能力削除
強く生きてください!!
84.100名前が無い程度の能力削除
まじで燃やしちゃったんすか!?
 
やっぱYDSさんの作品の雰囲気は大好きです。
続き、続きを・・・!
92.90名前が無い程度の能力削除
イイハナシダナー
94.90名前が無い程度の能力削除
面白かったw
いつも同じ服着てるから気にしてないけど、幻想郷だと衣の調達が一番きつそうだね
97.70名前が無い程度の能力削除
>大体それ、晩年の清原より率低いじゃないの。
何故あなたは毎度毎度野球ヲタの琴線に触れるネタを上手く使ってくるのかw
116.90名前が無い程度の能力削除
続き見たい!
122.100名前が無い程度の能力削除
貴方の作品が一番好きです。