人里離れた場所にひっそりと咲き誇る花畑。ここは、四季によってさまざまな顔を見せる幻想郷でも指折りの絶景ポイントでもある。
夏である今は、見渡せど見渡せど、それ以外が見当たらないほど向日葵が並び立っている。太陽の花畑と呼ばれる所以である。
そんな花畑の真ん中に、花傘を差している少女が一人。
紅葉を思わせるようなを鮮やかな朱を基準とした明るい服を着ている彼女は、一目で機嫌がよいとわかる笑みを浮かべ、傘をくるくると回しながら悠々と歩いている。
彼女の周りには、絶えず纏わり付くかのように花弁が舞っていた。この花畑――いや、幻想郷に咲いている花という花、全てが彼女のために身を差し出しているかの様な、目を奪われるほどに色とりどりの花びらで編まれたカーテンである。
――誰だか知らないけれど、中々粋な事をしてくれるものね。
四季のフラワーマスター、風見幽香は、今日も異変を謳歌していた。
風見鳥
だが、そんな彼女の幸せも長くは続かなかった。
「あー! いたー!」
彼女のテリトリーである花畑に、侵入者が現れたのである。
「あら……誰かしら」
その甲高い声の聞こえてきた方向に視線を向ける。
その場所にいたのは、鳥の羽の意匠を凝らした帽子を被った、大きな鳥の羽を持った少女。
「……夜雀?」
夜雀にして闇夜のコーラスマスター、ミスティア・ローレライである。
「やっと見つけたわ! 貴方に頼みたいことがあるの!」
確かに何度かこの妖怪の屋台に出向いた事はあるが、頼みごとをされるほどの仲になった覚えなど幽香にはない。
よって、今のミスティアは、最強の妖怪である自分のテリトリーへとやってきた侵入者にすぎない。
「なにやら言いたいことがあるようだけど……」
その様な者の言葉を聞く必要があるだろうか。いや、ない。
「まぁ、生きてたら聞いてあげるわ」
ならば、幽香のとる行動は一つである。
――ああ、なんて私って寛容なのかしら。侵入者の言う事をきいてあげるなんて。
「……へ?」
幽香が傘を動かすと、追随するように向日葵たちがその方向――つまり、ミスティアの元へと一斉に向き直る。
「な、なに? なんだかとっても覚えがある気がするわ……!」
そんなミスティアの戸惑いもなんのその。
気に留めることもなく、幽香は笑顔で宣言した。
「それじゃ皆、迎撃ね」
「ぴぎゃーーーー!」
花畑への侵入者を、容赦なく向日葵の種による弾幕で打ち落とす。
彼女自身が攻撃しなかったのは、元から殺すつもりはなく、驚かすそうとしただけだったのだろう。
「この程度で落ちちゃった、か。……雑魚ね」
……多分。
撃墜されたミスティアが気がつくと、花弁のベットに横なっていた。これは幽香の周りを舞っていた花びらが積もってできたものである。このクッションによって、彼女はかすり傷程度の怪我ですんだのである。
だが、それでも血が出ている箇所もある。辺りの向日葵を睨み付け、ミスティアが傷口を舐めて消毒をしようとした時、横合いからすっと小瓶が差し出された。
「なにこれ?」
ミスティアは小瓶の持ち主に視線を向ける。そこには、自分を撃墜した時と全く変わらない笑顔を浮かべた幽香が立っていた。
「傷薬よ」
「……傷薬?」
「強者は弱者に寛容なのよ。小鳥さん」
「ならあんな出迎えしないでよ」
「あら、あれは私なりの歓迎の仕方なんだけど」
なにせ暇と退屈と共に暮らしている自分に、何か刺激をもたらしてくれるかもしれないのだ。それ相応の持て成しはしなくては。
「あんな物騒な歓迎いらないわよ!」
ひったくるように小瓶を受け取られた。どうやらこの持て成しはお気に召してもらえなかったようだ。
……侵入者に対する対応なので、当たり前と言えば当たり前だが。
「それで、貴方は何をしに来たのかしら?」
「へ? えーっと……?」
「もしかしてとは思うけど……この異変は貴方の仕業かしら?」
「異変? なにそれ?」
きょとんとした顔で聞き返される。これが演技なら、きっと彼女は歴史に名を残す女優になれることだろう。……単純な彼女にできるはずも無いが。
「……そうね。貴方のような小物には気付けないような異変だもの。聞いた私が馬鹿だったわ」
要するに、彼女はこの異変とは全くの無関係ということだ。まぁ例え関係があったとしても、この花びらのカーテンを取り払う気にはなれないが。
「む、馬鹿にしてるわね?」
「いいえ? コケにしてるのよ」
貴方鳥だものね、とクスクス笑う。
「私は夜雀よ! あんな家禽と一緒にしないで!」
当然その発言に憤慨するミスティアだが、
「ふうん……そう?」
その怒りを受けた幽香は相も変わらず笑顔である。
……笑顔では、あるのだが……
「鳴かぬなら 鳴かしてみせよう 夜雀。……それも一興ね」
「あ、えっと……チンチン……。……くすん」
ミスティアは、全く変わらないはずのその笑顔の裏に感じた重圧によって、全面降伏を余儀なくされるのだった。
暫くの間、花畑にミスティアの鳴き声が響き渡る。
それを静止する声が掛かったのは、幽香が聞くのに飽きた一刻ほど後の事だった。
「それで、理由は?」
「チンチン……なに?」
「それは五月蝿いからもういいわ。此処に来た理由を言えと言ってるのよ。巣でも作りにきたのかしら?」
「えーっと…………ちょっと待って、思い出すから」
「思い出せるの? 鳥頭」
「出せるわよ! きっと。恐らく。……多分?」
ミスティアは、その場で目を瞑り頭を抱え込む。その口からは念仏でも唱えるかのように低く小さい声で、用事……用事……、と繰り返す呟きが漏れている。
その様子を傍から見ていた幽香は鬱陶しいと思い――そこでふと、違和感を感じた。
――なんだかしっくりこないわね。
それまでずっと浮かべていた笑みを消し、傘を回しながら遠くを睨みつけるように思案する。
何かがおかしい……が、それがなんなのか分からない。
この場所は向日葵の太陽畑。前後左右、どこを見渡そうとも自分の背よりも高くのびた向日葵が覆いつくす場所。今もその光景に変わりは無い。
そしてその場所に居るのは自分……と、ついでに夜雀。確かにこの花畑に自分以外の誰かが居るのは珍しいが、そういう類の違和感ではない気がする。
――うーん、これは違うし、ねぇ。
他に思い当たる事がなく、考えが行き詰まってしまったので空を見上げると、緋色の雲が太陽を遮っているところだった。
そう、あと思いつく事と言えばこの異変しかないのだが、これももう何日も前の事だし、なによりこの花びらのカーテンを気に入っているので問題はない。ちょっと風切り音が耳に障る程度の事だ。
「……ああ」
そこでようやく気がついた。
今日は、風切り音が耳に届く程度には静かなのだ。
それはようするに、あの騒がしい、一聴騒音と変わらないような歌を歌っていないと言う事。
あの、ミスティア・ローレライともあろうものが、だ。
「ねぇ、ちょっと」
「用事……用事……ってなによもう! あと少しで思い出せそうなんだからそっとしておいてよ!」
「貴方、今日は歌わないのね」
瞬間、ミスティアはぴたりと、体全ての動きを止めた。
「………………ああーーー!」
「~~!」
ついで羽を全開にして飛び上がり、花畑全体に響き渡るような絶叫を上げる。
なんの身構えも無く至近距離でその声を聞いてしまった幽香はというと……現在、耳を押さえて地面に伏せ悶絶している最中である。
「そうよ歌よそれなのよ! 貴方にお願いしたいことって!」
「……そう……よかったわね、思い出せて……」
ようやく平衡感覚が戻ってきたのか、顔を伏せた状態で、平静と変わらぬ声を出しながらのろのろと起き上がる。その顔には前髪が垂れかかり、顔の半分以上を隠している――が、かろうじて見えている口元は、まるで三日月の様に釣り上がっていた。
「ええ! でね! その内容なんだけど」
興奮してそんな幽香の様子に気がつかないミスティアは、更に言葉を続けようとするのだが、
「ああ、言わなくていいわ」
ピタリと傘の先端を自分に向けた幽香によって、中断せざる終えなくなるのだった。
「……へ?」
「消し飛べ」
「ぴ、ぴぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
哀れミスティアは、傘の先から出た極太ビームによって本日二度目の撃墜を味わう事となる。
「私と一緒に歌ってほしいの!」
「断るわ」
ミスティアの用事とは、その一言で事足りた。
「じゃあ今から合わせるわよ! せーの!」
「しないっつってんでしょうがこの鳥頭」
「ごめんなさい調子に乗りました嫌よ私は焼き鳥になりたくないの小骨も多いし美味しくないから食べないでー!」
幽香が傘の先端を向けただけで、ミスティアは小さく蹲りガタガタと震え錯乱し始める。
どうやら先程のスパークがトラウマとなってしまったらしい。頭にきていて手加減らしい手加減をしていなかったためだろうが、そんなことは幽香には関係ない。ミスティアの反応に呆れつつ、傘を元に戻し面倒くさそうに溜息を吐く。
「全く……なんでそんな頼みごとを私に持ってくるのよ」
「貴方に頼めって言われたのよう」
「今すぐそいつのところに案内しなさい。苛めてやるから」
無表情に、聞いている方が恐ろしくなるほど平坦な声で言い切る。背後には漏れた妖力によって、霧のようなもやが掛かっているようにも見えた。
その様子に気圧されながらも、ミスティアは気を落ち着けようと何とか口を開いた。
「あー……えっと。あはは、忘れちゃった」
「……ショック療法って、結構効果あるのよね」
逆効果だった。被害が自分に及んでしまっている。
「ごめんなさい前に貴方に歌の事で言われたの思い出しただけなの!」
なので素直に謝り倒した。今にも傘の先端が向けられそうだったのだ。
ちなみにその思い出した切っ掛けは、八目鰻の屋台を押している時に崖から落ち、そのショックで記憶がいい具合にシェイクされた結果なのだが、当の本人はそのことを忘れている。起きたらなんだか歌を一緒に歌える人が居た(正確には違うのだが、鳥頭でこれだけの情報が残っていた事が奇跡である)、ということだけが頭に残っており、そのまま勢いで此処までやってきたのだ。
「あのね……貴方の歌は、その地に満ちる幽かな霊の声を訊き入れているだけだって言ったでしょう」
「忘れたわよそんなこと」
そもそも言ってることをミスティアの頭で理解できるはずもない。
「なんでアドバイス貰ったらしい事だけは憶えてるのかしら……とにかく、そんな願いは忘れてさっさと帰りなさい。若しくは他を当たりなさい。私で無くとも、長く生きていれば貴方の歌の歌詞なんてわかるものなのよ」
「年増ってこと?」
「もう一片言ってみなさい?」
「私は鳥よ! 何言ったかなんて忘れたわ!」
口から滑った言葉が逆鱗に触れたらしい。中てられる迫力が今までと段違いで、冷や汗をかきながら全力で誤魔化す。
「それで結局、貴方はなんでだめなのよ!」
「……面倒くさいからよ」
その後もミスティアは諦め悪くぴーぴーと五月蝿く言い募ったのだが、最後には切れた幽香の、喧しい! という言葉と実力行使によって追い払われてしまった。
そして翌日。
「それじゃ歌いましょ!」
「あんであんたはまた此処に来てるのよ……」
天に拳を突き出しているミスティアの元気な声と、幽香が頭を抱えながら出した疲れた声が花畑に響き渡る。
ようするに、全く同じ状況が展開されていた。
「一緒に歌うためよ」
「それは断ったでしょう?」
「そうだっけ? 昨日の記憶って曖昧なのよね」
どうやら都合の悪い事のみ忘れ去ったらしい。また偉く都合のいい記憶力である。……最後に実力行使に出た際の衝撃のせいかもしれないが。
実は全部計算してやってるんじゃないかと勘繰る幽香だったが、ミスティアにそこまで考えが廻る訳がないという結論に至り、また今日も騒がしくなるのかと大きく溜息を吐いた。
「小鳥の我が侭に付き合っていられるほど、今の私は暇じゃないわ。さっさと去りなさい」
それに、ミスティアがいると周囲が薄暗くなってくるのだ。これでは花に太陽の光が届かない。
「暇じゃないって……さっきから見てたけど、唯散歩してるだけじゃない」
「唯の散歩じゃないわ。異変を満喫するための散歩よ」
「異変? なにそれ」
昨日も聞いた覚えの有る台詞。だが、ニュアンスは多少違っている。
「私の周辺に渦巻いているこの風。それが異変よ」
「へ? ああ! よく見ると大量の花びらが舞ってるわー!」
「気付いてるとは思ってなかったけど……鈍いわね」
夜雀の歌声を聞いたものは鳥目になる。このお馬鹿な鳥のことだから、歌いすぎてうっかり自分に対して能力を発動させていたとしても、不思議には思わない。
「でも、この風がなんなのよ。確かに綺麗だとは思うけどさ」
確かに花びらがこんなにも舞っているというのは珍しいが、特に霊力も感じないし、ミスティアにとっては少し強い風ぐらいにしか感じない。というか、大抵のものにはそのくらいにしか分からないだろう。
「貴方の周りにもなにがしら、天候に関する異変が起きているはずよ」
「へ? うーん……そういえば、チルノが何か言ってたような……?」
「……ああ、あの氷精ね」
幽香は、この異変が気質に関するものだと気付いている。
自然の顕現である妖精ならば、とても分かりやすい異変が起きていることだろう。
異変を起こしたであろう人物も大体の検討は付いているが、動く心算はない。
目の前に犯人が現れるのならば容赦なくいじめるつもりではあるが。
それというのも異変の解決は博霊の巫女の仕事であり、妖怪の自分が手を出すような事ではないからだ。それに、放っておいてもあの巫女の事だ。今回も勘で解決していくのだろう。
「と、いうわけで。私は暇つぶしに忙しいからさっさと消え去りなさい」
「なんだかそれおかしくない?」
「ふ……」
哀れみの嘲笑一つ投げかける。
「所詮小物である貴方には、この侘び寂は理解できない、か」
「む、馬鹿にしてるわね?」
「いいえ、コケに……って、これはもういいか。邪魔だから早くここから去りなさい」
告げると同時、傘を向け。
「それとも、消し飛んでみる?」
「う……きょ、今日のところは勘弁してあげるわ! 覚えてらっしゃい!」
笑顔で凄まれ転進撤退。捨て台詞を残し、全力で飛び去っていくミスティアの背を見つめ。
幽香は、ぽつりと疑問を漏らす。
「……遠吠えをするのって、犬じゃなかった?」
二度あることは三度ある。
その言葉の示すとおり、その次の日も花畑では、向日葵に囲まれた幽香とミスティアが、もはや馴染みとなりつつある光景を繰り広げていた。
「さぁ今日こそは歌うわよー!」
「……ねぇ、もうこの遣り取り飽きたんだけど」
「なら歌えばいいのよ! それでパターン脱却マンネリ脱出!」
「吹き飛ばすのは飽きてないからね?」
「なんでよー!」
「……はぁ」
もういっそ一回くらいなら……と、諦めて妥協した方がいいのかもしれないが、それはそれで癪に障る。なんで自分が歌を歌わなければならならないのだ。自分の意思でならともかくとして、半ば強制なところが気に入らない。
と、ここで幽香は首を傾げ、ようやく根本的な疑問に思い至る。
「というか、なんで一緒に歌ってほしいのよ」
「ん? なんでって?」
「だって貴方、宴会とかでも『歌っていいのは自分だけ。他の奴らは黙って聞いていろ』って性格じゃなかった?」
「まぁそれは当然よね。だって私以上にうまく歌える人妖なんていないもの」
「傲慢……いえ驕りね。まぁでも、その考えは嫌いじゃないわ」
例えそれが過剰であろうとも、自分に自信も持てないような者が強い(上手い)訳がない。というのが幽香の持論だ。彼女が幻想郷で最強を自負する由縁である。
「でもねぇ、最近来た奴に言われたのよ」
溜息を一つ吐き、ミスティアが切り出した。
「なにを?」
「私の歌はうるさいだけで、騒音と変わりない。って。そう言われてちょっと気にしちゃったのよ。私は気儘に歌っているだけで、確かに意味なんてないわ。それじゃーいけないのかなー、ってね」
顔には笑みが浮かび口調も明るいが、歌に関しては唯我独尊を地でいく彼女が、そんな侮辱の言葉を覚えていることから、心の底では気にしていることがわかる。
だが幽香は不愉快気に鼻を鳴らすと、そんなミスティアの悩みを、
「脆弱ね」
その一言で切って捨てた。
「そんな外野の雑音なんて気にしている暇があるのなら歌ってなさい。……その方が、らしいわよ」
「……」
「なによその間抜け面。あ、分かりづらかったかしら。どうせその小さい容量の頭じゃ悩むだけ無駄だって言ってるの。馬鹿なんだから何時もみたいに陽気に我が物顔で歌っていれば言いのよ。騒音と変わらないって言われた? だから? 貴方の屋台にはその歌を聴きにきてくれてる人だって居るんでしょうが」
一気に捲くし立てられて、内容の半分もミスティアの頭には入ってこなかったが、一番重要な部分、その意味するところはわかった。
ようするに、
「……そうね。うん、なんでこんなことで悩んでたのかしら!」
何時も通り、騒がしいくらいにやかましい歌声で歌うミスティア・ローレライでいいということだ。
「忘れてしまいなさいな。得意でしょ?」
「自慢じゃないけどね!」
本当に自慢にならないことを、胸を張って言うミスティア。
向日葵たちの影が見えなくなる。見上げると、既に夕日が地平に沈もうとしていた。
「あ、屋台ださなきゃ。あなたも今度来てよね!」
「奢りなさいよ? 私にこれだけ迷惑かけたんだから」
覚えてたらねー! と言う台詞を残し去っていくミスティア。幽香にしてもその辺りは承知している。忘れていても思い出させる手段を用意しておくつもりだ。
今日夜雀の屋台に来る客は、幸か不幸か。店主の気合十分な歌に出迎えられることになるのだろう。
らしくもないことをしたとは思ったが、まぁこれも強者としての義務というものだ。強い力を持つものほど、普段は紳士的であるべきなのだから。ミスティアが飛び立っていった方向を見上げると、昼過ぎだというのに夕焼けの光によって染まったかのような緋色の雲が、薄く空を覆っていた。
気がつくと、意識しなければわからない程に風の音が小さくなっていた。それと共に、舞っている花びらも、もはやカーテンとは呼べないほどに疎らとなっている。
この異変ももうすぐ終わるのだと、幽香は悟った。そうしたらまた、暇つぶしを見つけなくてはならなくなる。
その時、もしまだミスティアがこのことを憶えていて、尚且つ気分が乗ったのなら、歌を歌うのも悪くはないのかもしれない。
向日葵と花弁によって作られた花道を歩く。
幽香は、残り少ない貴重な時間を満喫するのだった。
>――ああ、なんて私って寛容なのかしら。侵入者の言う事をきいてあげるなんて。
「聞」だと思います。
盛り上がりはないけど、気楽に読める作品でした
二人のやり取りが微笑ましったです。
しかし、タイトルがなかなかうまいwww