「そろそろ時間ね。」
「時間だぜ。行くか。」
「ところで魔理沙、ちょっといいかしら。」
「ん、どうした?」
「元々の話では、私と貴方、そして霊夢の3人で食べるって話じゃなかった?」
「いやいや妖夢。」
「……悪いけど、どこぞの亡霊嬢には似てないわよ。」
「こういうものは大人数で食うともっと美味しいものだ。」
「まぁ、そういうことだと思って、お嬢様達も呼んでおいたけどね。」
「流石だなメイド長。」
「着いたぜ。」
「お嬢様達はまだみたいね…と、早速一人来てるわね。」
「こんにちわはー。」
「こいつは妖怪のルーミア、話を聞いたら速攻食いついてきたぜ。で、こいつが咲夜、紅
魔館のメイド長だ。」
「よろしくお願いするわ(宵闇の妖怪か、うちに連れて行けばいろいろ役に立ちそう
ね)。」
「よろしくー(美味しいかな?)。」
「さてそろそろ集合10分前なわけだが。」
「そろそろ続々押しかけてきそうな予感ね。」
「とか言ってたら早速紅魔館組が到着したようだぜ。」
「咲夜、準備できてるかしら?」
「割と完了してますわ。」
「どんどん来るな、こんどは幽霊お嬢達だぜ。」
「お呼ばれに来たわよ~。」
「こっちがお呼ばれされるのは嫌だからな。」
「あら、呼ばなくても来るじゃない。」
「お呼ばれされずに行ってるぜ。まだ死にたくないしな。」
「あら、賑やかな歓迎は嫌いかしら。」
「死人に歓迎されるのはとても嫌だぜ。」
「あれ、私は半分生きてますよ。」
「お前は例外。」
「咲夜~、あれは何~?」
「ああ、アレはアリスっていう魔法使いです。」
「ん、呼んだかしら。」
「誰ともくっついてないみたいね。」
「知っているのは貴方とそこの白黒だけよ。」
「こちらが家のお嬢様、レミリア様ですわ。」
「レミリア=スカーレットよ。」
「アリス=マーガトロイド、魔法使いよ。」
「まぁ今日これから来る連中には、知った顔も居ると思うけど。今はうちの館のとでも会
話してなさいな。」
「へぇ、随分大所帯で来ているのね。」
「あの華人っぽいのが門番の美鈴、それからあそこで本を抱えてるのがお嬢様の友人で図
書館にいるパチュリー様。あとはフラン様……あれ?」
「おい咲夜、こいつをなんとかして欲しいぜ。」
「ねぇ魔理沙ぁ~、遊ぼうよぉ~」
「今は準備とかでいろいろ忙しいから勘弁して欲しいぜ。」
「フラン様、この七色魔女が遊んでくれるそうで。」
「え、そんなこと言ってな……」
「わーい、それじゃあっちでクランベリートラップー」
「ああもう……白黒もメイドも覚えてらっしゃい~」
「夏と言えばアウトドア。そして焼肉。」
「貴方はホタルの妖怪じゃなかったかしら。」
「夏だ~海だ~沖縄だ~」
「だから貴方は秋の風物詩の妖怪じゃないのかと。」
「夏でも秋でも焼肉は美味しい。」
「いや確かに今日は焼肉だけど。」
「甘い水も大好き。」
「そこらへんはホタルっぽいわね。」
「それなんか馬鹿にしているように聞こえるんだけど。」
「多分気の所為よ。」
「そこに居る水と氷の妖精はチルノだけど。」
「ん、なんか馬鹿にされたように聞こえるんだけど。」
「割と気の所為よ。」
「気が合いそうだ。」
「気が合いそうね。」
「貴方達は確かに気が合いそうね。」
「「やっぱり馬鹿にされてるような気が。」」
「間違いなく気の所為よ。」
「不思議ね。」
「何が?」
「貴方とは始めて会った気がしないわ。」
「そーなのかー」
「同じ闇を操るもの同士だし。と言うわけで、早速1曲。」
「わはー」
「オイオイそこの二人っつーか二匹、盛り上がるのはいいが暗くするのはやめてくれ。」
「を、さっそくネギが来た?」
「お前らの食うネギとか肉とかを準備してる最中なんだっつーの。」
「目の前のが食べられる肉?」
「……鉄板に火を入れる前にお前らを消し墨にしてやろうか。」
「「ごめんなさい」」
「あら素敵な歌、それじゃあわせて適当に1曲。」
「準備の邪魔だけはしないでね。」
「前菜まだ~?」
「狗肉、狗肉~」
「……肉を捌くついでにお前らも裁いてやろうか?」
「「「ごめんなさい」」」
「こんばんは、今日は月もいい頃合で。」
「来たな宇宙人とか宇宙兎とか。今日の月は本物だろうな?」
「本物よ。多分。」
「多分、ってねぇ。」
「あら、私達が嘘をついているとでも?」
「前科があるからな。」
「原住民、嘘つかない。」
「お前らは月から移住してきたんだろう。」
「私は地上の兎だけど。」
「お前は例外。」
「呼ばれたから来たわ。」
「あら、今日は人なのね。」
「満月は明後日、今日はまだ十三夜だ。」(*1)
「私の名前は覚えてるかしら。」
「十六夜 遡夜(*2)だろ。」
「へぇ、流石知識人。名乗った覚えもないのに知っているなんて。」
「で、家庭教師がどうこうって話はどうなったのだ。」
「それはまたどうでもいい話も覚えているのね。あっちよ。」
「あー咲夜、この魔法使い簡単にダウンしちゃった。つまんない。」
「そこで第二弾、上白沢 慧音先生が、弾幕で歴史を教えてくれますわ。」
「わぁ、避けるのは久しぶり~」
「ちょ、ちょっとまて、彼女は……?」
「お嬢様の妹のフランドール様よ。もちろん吸血鬼。と言うわけでお相手宜しく。」
「あーちょっと待ってくれ、そこのメイドー……しょうがない、義満クライシス!」
「を、肉好き人間が来たぜ。」
「誰が肉好きだ。」
「いや、肝好き人間の間違いだったかな。」
「それも微妙に違うぞ。」
「今日は地上の人間はお前合わせて4人と半分だから、貴重だぜ。」
「半分ってのは何だ。」
「半幽霊半人間っていうのが。」
「そいつの肝は?」
「半幽霊の癖に幽霊とか怪談が苦手。」
「それは不味そうだな。」
「……(どっちの意味だ?)」
「呼ばれて飛び出てー」
「あら、式の式。と言うことは、三人一緒ね。」
「こんばんは。集合時間の境界に参上したわ。」
「その境界は頼むからいじらないでくれ。」
「紫様、どう頑張って働いても私にはその境界は治せません。」
「時間は不可逆だぜ。」
「あら、でも私は操れるわよ。」
「お前は例外。」
「で、肝心の主犯の最後の一人はまだなのか?」
「さっきのスキマが境界をいじるまでもなく壊したのかしら。」
「割とありえるな、さわっただけで結界壊すような巫女だし。」
「全く遅いわね。何やってるのかしら、あの万年暇なはずの巫女は。」
「噂したら来たみたいだぜ。」
「ふぅふぅ、お待たせ……疲れた……」
「何で遅刻して走って来てるのよ。」
「多分食前運動で腹いっぱい肉を食うためだと思うぜ。」
「そんなにお賽銭はいってなくて生活が苦しいんだ。」
「いや、違うんだけど……」
「ともあれ、全員揃ったみたいだぜ。」
「食前運動でいい具合にお腹もすいたし、始めましょう。」
「やっぱりそれが目的だったのか。」
「いやまぁ、それはついでなんだけど……」
「私もスペル打って疲れた。そろそろ始めないか。」
「撃ったり避けたりで丁度いい腹具合~」
「あそこに一人、食べる気力も沸かないほどに疲れた馬鹿も居るみたいだぜ。」
「……。(魔理沙、覚えていらっしゃい)」
(前半戦終了。後編・焼肉争奪戦に続く。って争奪っつーのはオーバーだが)
(*1)今年(2004年)の8/28は旧暦の十三夜月。満月が30日。
(*2)朔(さく・さかのぼる)は新月のこと。読みは同じなので違和感は無いらしい。
「時間だぜ。行くか。」
「ところで魔理沙、ちょっといいかしら。」
「ん、どうした?」
「元々の話では、私と貴方、そして霊夢の3人で食べるって話じゃなかった?」
「いやいや妖夢。」
「……悪いけど、どこぞの亡霊嬢には似てないわよ。」
「こういうものは大人数で食うともっと美味しいものだ。」
「まぁ、そういうことだと思って、お嬢様達も呼んでおいたけどね。」
「流石だなメイド長。」
「着いたぜ。」
「お嬢様達はまだみたいね…と、早速一人来てるわね。」
「こんにちわはー。」
「こいつは妖怪のルーミア、話を聞いたら速攻食いついてきたぜ。で、こいつが咲夜、紅
魔館のメイド長だ。」
「よろしくお願いするわ(宵闇の妖怪か、うちに連れて行けばいろいろ役に立ちそう
ね)。」
「よろしくー(美味しいかな?)。」
「さてそろそろ集合10分前なわけだが。」
「そろそろ続々押しかけてきそうな予感ね。」
「とか言ってたら早速紅魔館組が到着したようだぜ。」
「咲夜、準備できてるかしら?」
「割と完了してますわ。」
「どんどん来るな、こんどは幽霊お嬢達だぜ。」
「お呼ばれに来たわよ~。」
「こっちがお呼ばれされるのは嫌だからな。」
「あら、呼ばなくても来るじゃない。」
「お呼ばれされずに行ってるぜ。まだ死にたくないしな。」
「あら、賑やかな歓迎は嫌いかしら。」
「死人に歓迎されるのはとても嫌だぜ。」
「あれ、私は半分生きてますよ。」
「お前は例外。」
「咲夜~、あれは何~?」
「ああ、アレはアリスっていう魔法使いです。」
「ん、呼んだかしら。」
「誰ともくっついてないみたいね。」
「知っているのは貴方とそこの白黒だけよ。」
「こちらが家のお嬢様、レミリア様ですわ。」
「レミリア=スカーレットよ。」
「アリス=マーガトロイド、魔法使いよ。」
「まぁ今日これから来る連中には、知った顔も居ると思うけど。今はうちの館のとでも会
話してなさいな。」
「へぇ、随分大所帯で来ているのね。」
「あの華人っぽいのが門番の美鈴、それからあそこで本を抱えてるのがお嬢様の友人で図
書館にいるパチュリー様。あとはフラン様……あれ?」
「おい咲夜、こいつをなんとかして欲しいぜ。」
「ねぇ魔理沙ぁ~、遊ぼうよぉ~」
「今は準備とかでいろいろ忙しいから勘弁して欲しいぜ。」
「フラン様、この七色魔女が遊んでくれるそうで。」
「え、そんなこと言ってな……」
「わーい、それじゃあっちでクランベリートラップー」
「ああもう……白黒もメイドも覚えてらっしゃい~」
「夏と言えばアウトドア。そして焼肉。」
「貴方はホタルの妖怪じゃなかったかしら。」
「夏だ~海だ~沖縄だ~」
「だから貴方は秋の風物詩の妖怪じゃないのかと。」
「夏でも秋でも焼肉は美味しい。」
「いや確かに今日は焼肉だけど。」
「甘い水も大好き。」
「そこらへんはホタルっぽいわね。」
「それなんか馬鹿にしているように聞こえるんだけど。」
「多分気の所為よ。」
「そこに居る水と氷の妖精はチルノだけど。」
「ん、なんか馬鹿にされたように聞こえるんだけど。」
「割と気の所為よ。」
「気が合いそうだ。」
「気が合いそうね。」
「貴方達は確かに気が合いそうね。」
「「やっぱり馬鹿にされてるような気が。」」
「間違いなく気の所為よ。」
「不思議ね。」
「何が?」
「貴方とは始めて会った気がしないわ。」
「そーなのかー」
「同じ闇を操るもの同士だし。と言うわけで、早速1曲。」
「わはー」
「オイオイそこの二人っつーか二匹、盛り上がるのはいいが暗くするのはやめてくれ。」
「を、さっそくネギが来た?」
「お前らの食うネギとか肉とかを準備してる最中なんだっつーの。」
「目の前のが食べられる肉?」
「……鉄板に火を入れる前にお前らを消し墨にしてやろうか。」
「「ごめんなさい」」
「あら素敵な歌、それじゃあわせて適当に1曲。」
「準備の邪魔だけはしないでね。」
「前菜まだ~?」
「狗肉、狗肉~」
「……肉を捌くついでにお前らも裁いてやろうか?」
「「「ごめんなさい」」」
「こんばんは、今日は月もいい頃合で。」
「来たな宇宙人とか宇宙兎とか。今日の月は本物だろうな?」
「本物よ。多分。」
「多分、ってねぇ。」
「あら、私達が嘘をついているとでも?」
「前科があるからな。」
「原住民、嘘つかない。」
「お前らは月から移住してきたんだろう。」
「私は地上の兎だけど。」
「お前は例外。」
「呼ばれたから来たわ。」
「あら、今日は人なのね。」
「満月は明後日、今日はまだ十三夜だ。」(*1)
「私の名前は覚えてるかしら。」
「十六夜 遡夜(*2)だろ。」
「へぇ、流石知識人。名乗った覚えもないのに知っているなんて。」
「で、家庭教師がどうこうって話はどうなったのだ。」
「それはまたどうでもいい話も覚えているのね。あっちよ。」
「あー咲夜、この魔法使い簡単にダウンしちゃった。つまんない。」
「そこで第二弾、上白沢 慧音先生が、弾幕で歴史を教えてくれますわ。」
「わぁ、避けるのは久しぶり~」
「ちょ、ちょっとまて、彼女は……?」
「お嬢様の妹のフランドール様よ。もちろん吸血鬼。と言うわけでお相手宜しく。」
「あーちょっと待ってくれ、そこのメイドー……しょうがない、義満クライシス!」
「を、肉好き人間が来たぜ。」
「誰が肉好きだ。」
「いや、肝好き人間の間違いだったかな。」
「それも微妙に違うぞ。」
「今日は地上の人間はお前合わせて4人と半分だから、貴重だぜ。」
「半分ってのは何だ。」
「半幽霊半人間っていうのが。」
「そいつの肝は?」
「半幽霊の癖に幽霊とか怪談が苦手。」
「それは不味そうだな。」
「……(どっちの意味だ?)」
「呼ばれて飛び出てー」
「あら、式の式。と言うことは、三人一緒ね。」
「こんばんは。集合時間の境界に参上したわ。」
「その境界は頼むからいじらないでくれ。」
「紫様、どう頑張って働いても私にはその境界は治せません。」
「時間は不可逆だぜ。」
「あら、でも私は操れるわよ。」
「お前は例外。」
「で、肝心の主犯の最後の一人はまだなのか?」
「さっきのスキマが境界をいじるまでもなく壊したのかしら。」
「割とありえるな、さわっただけで結界壊すような巫女だし。」
「全く遅いわね。何やってるのかしら、あの万年暇なはずの巫女は。」
「噂したら来たみたいだぜ。」
「ふぅふぅ、お待たせ……疲れた……」
「何で遅刻して走って来てるのよ。」
「多分食前運動で腹いっぱい肉を食うためだと思うぜ。」
「そんなにお賽銭はいってなくて生活が苦しいんだ。」
「いや、違うんだけど……」
「ともあれ、全員揃ったみたいだぜ。」
「食前運動でいい具合にお腹もすいたし、始めましょう。」
「やっぱりそれが目的だったのか。」
「いやまぁ、それはついでなんだけど……」
「私もスペル打って疲れた。そろそろ始めないか。」
「撃ったり避けたりで丁度いい腹具合~」
「あそこに一人、食べる気力も沸かないほどに疲れた馬鹿も居るみたいだぜ。」
「……。(魔理沙、覚えていらっしゃい)」
(前半戦終了。後編・焼肉争奪戦に続く。って争奪っつーのはオーバーだが)
(*1)今年(2004年)の8/28は旧暦の十三夜月。満月が30日。
(*2)朔(さく・さかのぼる)は新月のこと。読みは同じなので違和感は無いらしい。
一見簡単そうに見えて、実は凄い難しい技術ですよねコレ……
台詞の主(喋ってる人・妖怪)が書かれていないのに
大体誰が喋っているのかが判るのも流石。
どのような状況が分るのが凄いです。
あと異なる登場人物(の組み合わせ)のやり取りが、
内容を少し変えて反復しているのも読んでて面白いです。
(↑技法の名前が思い出せませんでした)
内容面では、リグルとチルノの出る場面がなんか好きですw