その雨の日、私は運命を操ったのではなく運命に出会った。
外はザーザーと雨が降っていた。勢いは決して衰える事がなくまるで滝のようだった。雨雲のせいでただでさえ暗い
夜空はさらに暗く、漆黒の世界へと姿をかえていた。ただ目的もなく・・・・いや、自然が齎す物なのだから目的はあ
るか。雨により海・森林・大地・畑・生き物・その他の物に大きな恵みをもたらしありがたみを与える。太陽を遮断、
空と大地を隔離する事によりまた別の恩恵が与えられる。それは漆黒の光、違った天の曙光。太陽の光が神の微笑みと
するなら、雨は女神の涙。その涙は人々が外出するのを妨げられた事への怒りからくる悲しみの涙なのか、人々が恵み
を齎してくれた事への感謝による嬉し涙なのかは定かではない。太陽の光によって蒸発した水分が上空に上がりそれが
溜まり雲になる。そして風に運ばれながら冷やされ雨が降る。それはこの世の不変の真理にして世界が記録したもの。
故にそれは必然行為でありあらかじめ答えの分かっている一つの運命。
まあ、私にとってははっきり言って雨とは邪魔な存在だ。太陽の光もそうだが、夜中に降られた時の苛々感はたまっ
たもんじゃない。ほんと、こんな時に吸血鬼とは不十分な存在だと思う。力もあれば威厳もあり、崇められれば恐怖を
与える。そんな存在のくせに弱点が多いとは如何なものか?今、私は小さい祠と言うより洞窟みたいな所に雨宿りして
いた。むしろ文字通り囚われていると言った方が正しいだろう。夜の散歩を楽しんでいたら突然降り出した雨。おかげ
でそんな気分が台無しになってしまい、命にかかわるので此処に逃げ込んだと言う訳だ。不幸中の幸いか、私がこの洞
窟をすぐに見つける事が出来たために、強く降り始める前に逃げ込む事が出来て被害はさほどない。少々肌が痛むが別
に問題はない。
ぴちゃ、ぴちゃ
雨のせいで何処からか溜まった雨水が流れてくる音が聞こえる。外の雨の音と一緒に聞いてると何かムカついた。ま
ったく、誰のせい・・・・・いや、そりゃ天気が危うい中、館のみんなの注意を無視して出かけた私が悪いんだろうけ
ど、いったい何のせいでこんな目にあってるんだか。おかげで家に帰れないし。館の皆は心配してるだろうか?まあ、
普通雇い主がピンチだと分かれば普通心配するか。だがきっとそこまで止まり。妹なら心配してくれるだろうが、彼女
も雨が駄目である以上探す事は無理。パチェも心配してるだろうが、彼女は喘息もちで彼女も探す事は出来ない。それ
に今日はさらに酷いので寝込んでいたはずだ。きっと今頃メイドたちが探しているだろうが、流石に何時もと違って一
度も言った事のない所に散歩に出掛けられては、探しようがない。きっと死んでしまったならそれだけの存在としてし
か扱われないだろう。死んだら妹やパチェには一生懸命探しましたが、と言い訳して終了。言い訳でもなんでもない。
私のかってな行動で命を落としたんだから救いようがない。主の自由行動まで責任はとれないだろう。
実際私が死んだところで本気が悲しんでくれるのは数えるほどしかいないと自負している。別にそれでいいと思う。
形だけの契約である以上、そこにあるのは主と従者のみ。主が死んだのなら別の働き口を見つけるまで。探して見つけ
られなかったのならしょうがない事。生きているならかってに帰ってくると言う考え方。人が持つ限界がある以上、や
るだけやったのならその先やれと言われても無理だ。別に本人たちが責任を感じる必要はない。それ以前に紅魔館の者
は私に本当に生きていてほしいと思うだろうか?
私は巨大な力を持つゆえに威厳があり、尊敬される。そしてその者たち全員が持つ物が恐怖だ。別にその事について
は必然だと思っているので気にしてないが、やはり寂しいと言うのにはかわりない。気にしてないと言ってもそれは限
りなく小さな粒だからこそ。塵も積もれば山となる、私はそれを身に持って体験した。明らかにみんな私に対して絶対
的な恐れを感じている。たとえ主がいようとも人は自分が一番可愛いのだ。それゆえ、私に身を預けても心まで預ける
、捧げる者はいない。
ぴちゃ、ぴちゃ
雨は止まない。私はゆっくり目を閉じる。
ぴちゃ、ぴちゃ
夜風が洞窟の冷たさと混ざりあってさらに冷やされる。それが私の頬を優しく撫でてくれる。その感触が気持ち良く
てさらなる嫌悪感を募らせる。
ぴちゃ、ぴちゃ
こんな時、私は独り本当にただの少女だと錯覚する。つまらない妄想染みた事だがかまわない。私はふと思ってしま
うのだ、もし普通の少女ならこんな時何を思うのかと。
ぴちゃ、ぴちゃ
つまらない主と従者関係なんてなかったりしたら、そして私に『運命を操る程度の能力』なんて物騒な能力を持って
いなかったらどんな運命を歩んだのか?
ぴちゃ、ぴちゃ
私は思う。運命を操れるのだったらなぜ私の運命を操る事が出来ないのか?それは結局、全ては自分の意思が反映さ
れる事の証明ではないのか。
ぴちゃ、ぴちゃ
・・・・いや、もう止めよう。疲れた。幾ら考えたって雨は止まないし、私のこの状況を変える事は出来ない。
ぴちゃ、ぺちゃ
私がみんなから恐れられ、他人からレミリア・スカーレットと言う一人の少女として心から受け止めてくれる人物な
んか居ないと言う事は・・・・・・・。
ぴちゃ、ぺちゃ
・・・・・気のせいか?先程から何か別の音が聞こえてくる。
ぺちゃ、ぺちゃ
いや、気のせいではない。この音は間違いなく誰かが近づいてくる音。
ぺちゃ、ぺちゃ
――――――――――――――――――あら、どうやら先約者が居たみたいね。
声が聞こえてきた。雨にも負けない透き通った声にナイフのような鋭い口調。
――――――――――――――――――もしもし?もしかして死んでるの?
そして洞窟の冷たさを遥かに勝る重く儚く冷たい感情。なのに何処か温かく落ち着くのはなぜか?しかし会っていき
なり死んでるの?はないだろう。どうやら紅魔館の連中じゃないようだが、流石に会って第一声がそれなのには苛立ち
を通り越して興味を惹かれてしまった。一体どんな人物なのか見てみたい。そして私は薄っすら目を開ける。目の前に
はやはり誰かが居た。
そして私は初めて彼女に会った。
時刻は午後九時すぎ。本日は天候が悪い日だった。
紅魔館では夕飯も済まされその後片付けも済まされていた。メイドたちにとっては実質的にこれが一日の内の最後の
仕事になる。後は見回りの当番が数名程度。その他のメイドは呼び出しがないかぎり大抵は自由時間へと変貌する。だ
がそれは普通のメイドならの話。メイド長である十六夜 咲夜にその言葉は当てはまらない。
「異常ないかしら、美鈴?」
「はい、今日も以上はありません」
咲夜の一日はとにかくハード、いやルナティックスケジュールだ。朝の起床時間は五時半。それからメイド服に着替
えて大広間に行く。そこで他のメイドたちが起きてくるまで今日一日の仕事をリストアップ。六時半ごろに全メイドが
大広間に集まり、スケジュールの通知が済んだら仕事前のラジオ体操(音楽なし)。そして朝御飯の支度を始める。基
本的にメイドは早めに御飯を済ましてその後に門番部隊となり、最後にレミリアとその友人のパチュリーという順番に
なる。八時ごろにレミリアの食事が始まる。あまり起きるのが得意でないレミリアを起こすのは一苦労だが。パチュリ
ーにいたっては図書館にこもりっぱなしで一日で一食抜く事が多い。朝の食事で顔を会わすのは低確率だ。大抵は図書
館に咲夜が運んでいく。御飯がすんだら昼までメイドを指揮して掃除と洗濯。幻想郷には洗濯機と言った機械類がほと
んどないので、全て手洗いだ。只でさえ多い人数なのだからこれだけで朝は終わる。その後昼御飯を取ったら本格的に
掃除の始まり。その間咲夜はレミリアに呼び出されて遊び相手や話し相手や愚痴を聞く係など様々だ。それが何回にも
分割されるのだからたまったもんじゃない。日が沈みかけた頃に洗濯物を畳んで夕御飯の準備。
普通の人間なら間違いなく三日とたたず疲労で倒れているだろう。だが咲夜の並々ならぬ忍耐力と精神の強さがそれ
をカバーしている。そして何よりレミリアに対する絶対的忠誠心があるかぎり咲夜は顔色一つ変えはしない。だが今日
はちょっと違った。レミリアが博麗神社にかってに行ったりするせいで、心労がかなり募っている。ただでさえ時間が
ない咲夜はさらに時間を潰すはめになる。そんな事が二ヶ月が続いていた。いい加減疲労は頂点に達している。今日な
んて他のメイドにまで状態の異変がばれていた。凡ミスはやらかすし、今日は皿を二枚割ってしまった。
「今日はついてないわね・・・・」
「?どうかしたんですか、咲夜さん?」
「・・・いえ、別に何でもないわ」
疲労によるミスなんだからついてない、という表現は間違っているだろう。だがそろそろ対応策を考えるべきだ。今
日も簡単なミスをやらかしたメイドをきつく怒ってしまった。何時もならこんな事ないんだが、近頃レミリアのわがま
まっぷりと自己中な行動が日毎に増しているのでストレスが溜まっていた。
「今日は早めに休ませて貰おう」
それが一番だ。疲れた体には休息が一番。そうと決まればお嬢様の所に行こう、と考えた時だった。咲夜から見て前
方の廊下から誰かが歩いてきた。見間違うはずがない。あの姿は
「お嬢様、こんばんわ」
美鈴の挨拶をほどほどに流してレミリアが咲夜につめよる。
「咲夜、何であなたが此処にいるの?」
「見まわりです。それにお嬢様こそどうしたんですかこんな所で?何時もなら部屋かパチュリー様と談話室にいらっし
ゃる時間ですか」
何時ものレミリアらしからぬ行動だ。別に咲夜を探していたという感じもしない。
「これからちょっと博麗神社に行くつもりだから門前まできたの」
「こ、こんな時間にですか!?」
思わず声を出してしまった。基本的に吸血鬼は日の光が駄目だから夜に活動すると言うイメージがあるが、それは間
違いである。他の吸血鬼はそうなのかもしれないが、少なくてもレミリアはそんな事ない。人間と同じ時間帯に行動し
ている。
「いけませんお嬢様。こんな遅くに、霊夢だって迷惑しますよ」
「いいじゃない別に。それを楽しみにしてるんだから」
「で、でもお嬢様、今日は天候も怪しいですよ?止めておいた方がいいと思いますが」
美鈴が助け舟を出す。一番の反対する理由はそこにあった。もし道中で雨でも降ってきたら事態は深刻。雨一つが命
取りになる吸血鬼にとって、こんな天候に出かけるのは御法度だ。
「美鈴の言う通りです。万が一途中で雨でも降られたら命にかかわります」
「降らないから大丈夫だって」
「どこにそんな根拠があるんですか?」
「勘」
呆れた。勘一つで自分の命を危険な目にさらす何て。咲夜は常にレミリアの傍にいるから、レミリアの性格はよく知
っている。こうなった以上意地でも博麗神社に行くだろう。だからと言って、はいそうですか何て頷けない。主の命が
かかわっている以上こちらだって意地でも譲れない。
「駄目です。それでもし死なれたりでもしたらこちらが困ります」
「大丈夫だって言ってるでしょ?しつこいわよ咲夜」
しつこいのはどっちだか。今の一言はきいた。なぜ私の思いを考えてくれないのか。
何で・・・・何で!何でッ!!
「だったら私をお連れください。そうすれば少しは安全になります」
「嫌よ。私は一人で行きたいの。あなたがいると邪魔なのよ、咲夜」
「!!・・ッ・・だったら傘ぐらいお持ちください!こちらはお嬢様の命を心配しているのですよ!?」
「五月蝿いわね!それも却下。荷物になるだけでしょ。それに雨なんて降らないって言ってるでしょ!」
「お嬢様、咲夜はお嬢様の身を案じて言っているのです!何で分かってくださらないのですか!?」
「あ~~もうっ!咲夜だって私の気持ちを全然無視してるでしょうが!!」
確かにそうかもしれないがこの状況では仕方が無いだろう。日頃のストレスが助けになって口調も棘が入っている。
やばい・・・・きれそ
「だいたい咲夜は私が雇ったんだから私の気持ちを第一に考えるべきでしょ!?人間の犬だったら犬らしく飼い主の命
令を聞いていればいいのよ!!それとも今すぐ首にして上げましょうか!?人間界の異常者が!!!」
・・・・その一言が咲夜の中で何かを切った。正確には安全装置を見事なまでに外してくれた。銃がレミリアへの忠
誠心で出来ているなら安全装置はレミリアへの優しさだろう。それが外れてしまった以上、自分と仲間を守る物は何時
誤発があるか分からないただの凶器へと変えてしまった。
「・・・・そうですね。確かに私はお嬢様の犬でした。お嬢様の言葉を第一に遂行しなければなりませんでした。どう
ぞ言ってらっしゃいませ、お嬢様」
「ふん、最初っからそういう態度をとればよかったのよ。犬は犬らしく尻尾をふって主人に媚を売ってればいいの。美
鈴、門番しっかりやってね」
「えっ!?あ、はい・・・・分かりました」
「じゃあ行って来ます」
レミリアは夜空へと舞い上がってしまった。その姿が小指程の大きさになり、やがて美鈴の視界から消えた。その光
景をずっと美鈴は眺めていたが、咲夜はずっと下を向いたままだった。体中をわなわなと震わせ、歯と歯が力強く擦れ
合ってぎりぎりと嫌な音をたてる。
「・・・・本当によかったんですか、咲夜さん?もし雨が降れば・・・・」
「知らないわよそんなの!」
思わず体がビクッと竦めてしまった。怖い、それが純粋な感想だった。
「私たちはお嬢様の犬なんだから、お嬢様の言う事にしたがってればいいのよ。私、まだ仕事が残ってるから行くわ。
美鈴もがんばりなさい」
「あ、咲夜さん!」
美鈴の叫び声を無視して咲夜は廊下を歩いていった。手からを強く握り締めた為か、血がぽたぽたと垂れていた。紅
魔館と言う名にはまさに相応しい光景だ。
何処をどう歩いたかなんか覚えてない。途中誰かに会ったかもしれないが眼中にない。こんな気持になったのは初め
てだ。だからどう対処すればいいのか分からないし、自分がどうなっているのかもさっぱりだ。頭の中がぐちゃぐちゃ
で何も考えられない。ただイラついていた。それだけが答えだ。
・・・・・・・や
分からない分からない分からない!自分の中で何かが叫び訴え非難する。五月蝿くてたまらない。
・・・・・・・さ・・・き・・てる・・!
あー、思い出すだけで苛々する!なぜこんなにまで私は苦しまなきゃいけないんだ!何処に行けばいいのか分からい
、何をすればいいのか分からない、如何すればいいのか分からない、自分自身が分からない!誰に会いたいのか分から
ない!!・・・・・・私は何が分からないのか分からない・・・・・
「咲夜!聞こえてるの!!」
「いい加減気付きなさい、咲夜!!」
「!!!!」
そこでようやく初めて自分が呼ばれているのに気付いた。頭の中が色んな事を輪廻してさっきまで何を考えていたの
か一瞬忘れてしまった。突然の事が重なりすぎで頭が混乱している。駄目だ、いったん頭をクリアするんだ。今は声の
主の事を考えないと。この声は
「妹様、パチュリー様、どうしたんですか?」
「それはこっちのセリフよ!さっきから何度も近くで呼んでるのに振り向きもしないんだから!」
「本当よ、一体どうしたの咲夜?何かあったの?難しい顔をしながら頭を振ってイラついてたみたいだけど」
私はそんな事をしていたのか?考え事をしてはいたけど頭を振った覚えは一切ない。
「・・・・もうしわけございません」
「・・・ハア、何があったのか知らないけどあなたらしくないわよ」
「本当にもうしわけございません」
先程の怒りを忘れたわけじゃないが、こうも簡単に気持ちの切り替えができるのは流石と言うところか。いや、この
場合押し留めたと言った方が正しい。今だって身体は沸騰したお湯より熱いし、頭はこんがらがって吐き気がする。
「で、咲夜、お姉様どこ?さっきから探しているんだけど何処にも見当たらないの」
そしてそれを見事に復活させてくれる。そのおかげで頭の吐き気が治まり、変わりに怒りが足の指先から髪の毛の一
本にまで浸透してくる。それはまさに汚染だった。塗り替えたのではなく完璧に二人に会った時の事を消去してくれた
。おかげであの光景がまた頭をあっさりよぎる。
「・・・・どうしたの、咲夜?手が震えているわよ」
パチュリー様が何か喋ってる。内容は理解した。そして私がどんな状態かも。
「ねえ咲夜、知ってるなら早く教えてよ!」
これ以上逆撫でされるとこの場でナイフを投げそうだ。どうせ隠すのもめんどくさい。怒るかもしれないがこれはお
嬢様の意思だ。私には関係ない。そう、一切。
「お嬢様でしたら先程博麗神社に向かわれました」
「え、えぇぇぇ~~~!こんな時間に!?」
「それだけじゃないわ。今の天候は曇りよ。もし雨でも降ったらどうするの!傘かお供はついてるの?」
「いいえ、お嬢様は手ぶらで一人で行かれました」
その一言がパチュリーとフランドールの頭を急激に冷やした。本来ならそんな危険な事をさせた咲夜を怒るべきだろ
う。メイド長である咲夜は唯一レミリアの傍に仕えるもの。レミリアの命を最優先事項として行動しなければならない
はずだ。だが咲夜はそれを無視・・・・この場合放棄と言った方が正しい。だって咲夜の言葉は血一滴も凍らしその感
情を切断してくれたのだ。見事としか言いようがないほどに。だがこちらとて唖然としているわけにはいかない。
「ちょ、咲夜。それ冗談にしてはきつすぎるわよ。まさか咲夜がお姉様の命でギャグを言うとは思ってもみなかった」
「ギャグも何も私が言った事は全て本当です」
「冗談止めてよ咲夜。あなた本当にどうしたの!?あなたは注意しなかったの!?」
「しました。しかしお嬢様はそれら全てを無視したのです。幾ら注意しても聞いてくださらず、最後には命令と言う形
で私に注意するのを止めさせたくらいです」
何て冷めた声。咲夜とは対照にフランドールの怒りはピークに達しようとしていた。その無責任さと何かに。
「それでもお姉様の事を一番に考えるのが咲夜でしょ!例えどんな命令でもお姉様の命は危険に晒すような事はしない
はずでしょ!!」
限界だった。それは一番私が聞きたくない事。これ以上は耐え切れない。ならさっさとありのままの真実を言ってし
まおう。
「・・・・私はお嬢様の犬です。人間の犬だったら犬らしく飼い主の命令を聞いていればいい、お嬢様は私にそう言わ
れました。それは確かに真実だと思います。だから私は自分の意見よりお嬢様の意見を尊重したまでです。それは仕え
る者として当然の事ではないのですか?」
「!!」
言い返せない。咲夜の言っている事は間違っている。だがそれは正しい。その矛盾がどうしようもない遣る瀬無さを
生み出す。咲夜の言っている事は正しい、だからこそ間違っているのか、間違っているからこそ正しいのか。それが分
からない。
「私は気分が悪いのでこれで失礼させてもらいます。それでは」
逃げた。伝える事だけ伝えて私は逃げた。これ以上話していたらイラつきが抑えきれない。どうしようもない苛立ち
、どうすればいいのか分からない苛立ち。只私はイラついている。
それは誰に対してのイラつきなのか
咲夜は行ってしまった。その姿を呆然と眺めるしか出来ないフランドール。
「・・・一体何なのよ咲夜の態度!まるでお姉様なんて死んでもいいみたいじゃない!!」
「落ち着いてください、妹様」
最初の方だけ喋ってたパチュリーがようやく口を開いた。
「ちょっと、パチュリー!何でそんなに落ち着いていられるのよ!!まさかあなたも咲夜が正しいと思ってるの!?」
「別にそうは思ってません。ただ、咲夜が言った事が正しいのも真実です」
「何よそれ、矛盾してるじゃない!」
「分かってます。矛盾してるからこそ咲夜はあんな態度を取ったのです」
「・・・・・どう言う事よ?」
そこでようやくパチュリーが何かを伝えたい事に気が付いた。
「咲夜は決してレミィを見捨てたわけではありません。最後に言ったでしょ?気分が悪いって」
「それがどうしたのよ?」
「咲夜が最後に気分が悪いからと言ったのは、自分がレミィにどうしたらいいのか分からないからです。彼女が怒って
るのは事実です。ですが、最後にあんな逃げ方をしたのはこれ以上話されると自分がレミィに対してどうしたいのかで
パンクしそうになったからです。咲夜の今の状態は固定でも否定でもなく疑問なんです。これで良かったんだと固定も
できす、これでは駄目だと否定も出来ていない。だから疑問をしているんです。自分自身に対して」
フランドールはさっぱり理解出来ていなかった。ただ、今の言葉からして一つ分かった事がある。
「つまり咲夜にはまだお姉様に対する心があると?」
「簡単に言えばそう言う事です。気分が悪いと表現したのはそれが取っ掛かりになったからでしょう」
ならばまだ何とか修復する可能性はあるのかもしれない。
「その取っ掛かりを外す方法はあるの?」
「あります。ですが少々危険な賭けになります。コインは命。吉とでるか凶とでるかは私たちには予測不可能でしょう
。レミィの命を危険にさらしますが、これ以外にないと思います」
「・・・・それ大丈夫なの?」
「分かりません。成功するかは咲夜とレミィの間にある情が全てです。二人の絆が試される一世一代の大博打になるで
しょう」
「う~~ん・・・でもお姉様を危険に晒すのは・・・・・・」
「それ以外に有効な方法がありません。賭ける対象が大きければ大きいほど見返りも損も大きくなります。ですが命を
賭ける以外にこの関係を修復する方法はありません」
「・・・・・分かった。私もパチュリーに賭けてみるわ。私だって咲夜とお姉様は仲良くあって欲しいし、咲夜以外に
お姉様を任せられない」
「分かりました。ならさっそく実行にうつしましょう。博麗神社への道を行くならあそこを通るはず。そろそろ始めな
いと間に合いません」
言うより早くパチュリーは図書館に向かった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!あそこって何処!?」
「後で説明します。今は時間とタイミングが勝負になります。この状況なら早いに越した事はありません」
「ちょ、ちょっと~~~~!!」
フランドールは慌ててパチュリーの後を追いかけた。不安ではあるが私には残念な事に妙案は浮かんでいない。
今はパチュリーを信じるしかない。
私は博麗神社に向かいながら先程の事を考えていた。幾らなんでもちょっとマズッたかもしれない。外に出た時はム
カムカしていて暴れだしそだったのに、夜中の冷たい風に吹かれる事によって私は少しずつ熱が引き、冷静を取り戻し
た。そして先程の事を思い出してみたのだが・・・・
「やっぱり本気だったわよね、咲夜」
あんな咲夜見た事がなかった。常に私の命令には忠実で何時も笑っていたのに、あの時の咲夜は明らかに冷静な素振
りを見せていたが内心相当怒っていたに違いない。私にある咲夜の姿は常に温かく微笑んでくれ、おいしい紅茶や料理
を作ってくれる姿だ。そして何より私への忠誠心。・・・・・もしかしたら私だけなのかもしれない。他のメイドや門
番たちは咲夜の怒ったり拗ねたりといった姿を見ているのかもしれない。私だけが、そう言った咲夜の一面を知らない
。咲夜の、本来の姿を・・・・・・
「・・・・何を考えてるんだか」
そんな事知らない。興味もない。それに私は悪い事などしていない。あれは私のいう事を聞かないで反論し続ける咲
夜が悪いんだ。だから先程の発言はけっして言いすぎてない。あれは全て本当の事だろう。咲夜は私の物なんだから何
を心配する必要があると言うんだ。咲夜は人間界が嫌になって此方に来たんだ。だったら人間界では頼れる人物がいな
いのだから、咲夜は自然と幻想郷に居座るはずだ。それに咲夜は私以外に本当に身を預ける場所だってないはず。だっ
たら咲夜は必然と私のところに・・・・
――――――――――――――――――――だったら咲夜に見捨てられたとしたら?
その考えに私は動きが止まってしまった。今まで考えもしなかった事。常に私に従う咲夜からはけっして連想出来な
い考えだ。今まで通り紅魔館でメイド長を続ける。だがそれは生きる為であって私の事をまったく考えてくれなくなっ
たとしたらどうなるのか?笑みを浮かべてくれていた咲夜が常に難しい顔をし、私に付き添うだけの存在となってしま
ったら・・・・・・。ただ主としてしか見てくれずレミリア・スカーレットと言う一人として見てくれなくなってしま
ったら私はどうなる?いや、それ以前に
――――――――――――――――最初から私はそれだけの存在として見られていたのでは?
ただ私が舞い上がっているだけで、咲夜は最初から生きる為に必要な事だからやってたのかもしれない。あの笑みも
作り物で心から笑ってくれた事は一度もないんじゃ・・・・・・。好きでも嫌いでもなく±0の存在、つまりどうでも
いい存在。ただ何となく付き合っているだけ、と言う無感情ほど辛い物はない。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
何を考えている!だったらどうしたと言うのだ!別に咲夜の事なんてどうだっていいじゃないか。私だって咲夜はど
うでもいい存在。ただちょっと特別な力があって、他の妖怪より使えたりするから置いているだけだ。スタイルのよさ
に妬いていたり、もっと一緒にいたいとか、私だけを見て欲しいなんて思ってない。そうだ、そんな事私が考えるけ・
・・考えるわけ・・・・・ああもう五月蝿い!何で私がこんなに苦しんでるんだ!関係ない関係ない関係ない関係ない
!関係ない!!咲夜がどう考えていようとどうだっていい!!そもそも私が咲夜の事を気に留める事自体おかしいんだ
。そうだ、さっさと忘れて博麗神社に
ポタッ
「!!熱ッ!」
突然の痛みに先程までの考えが吹っ飛んだ。誰かに攻撃されたわけでもない。ただ何かがあたった左肩あたりが猛烈
に熱い。この痛みは知っている。これは
「うそ・・・雨!」
まだ小降りだがこの調子じゃじきに強くなる。はやく避難しないと危ない。
「でも何処に・・・・」
そうだ、此処は紅魔館と博麗神社のど真中だ。どちらに行くにせよ時間がかかる。着く前に雨がより強くなるだろう
。だったらこの辺りで雨宿りをする場所を探さなくてはならない。だが何処に行く?そこら辺に小さい木々はあるが強
い雨でも凌げるほどの大木はない。こんな所からすぐ行けて雨宿りには最適な場所など・・・・・・・・・
何を言っている、あるじゃないか
私にとってもっとも最適な場所が
忘れられない忘れたくないあの場所が
無意識だった。私は気付いたらその場所に向かっていた。なぜか、頭ではなく身体がその場所を覚えている。いや、
私だって考えれば思い出すはずだ。なのにこの状況下において最善な場所へ瞬時に行けるのはなぜか?そこで私はいっ
たい何を願うというのだろう。
もうしばらくして、雨は強くなってきた
ザアザアと強い雨音が私の耳に届く
こんな雨の日に私は何を思う?
いったいどうすればいいのか分からない
この時間がなぜか堪らない
これも運命だと言うのか?
この雨(時間)が私に何を訴える?
運命の糸、時間の針
これらの真の力は操る事など出来はしない
ぴちゃぴちゃ
雨は止みそうになかった
外はザーザーと雨が降っていた。勢いは決して衰える事がなくまるで滝のようだった。雨雲のせいでただでさえ暗い
夜空はさらに暗く、漆黒の世界へと姿をかえていた。ただ目的もなく・・・・いや、自然が齎す物なのだから目的はあ
るか。雨により海・森林・大地・畑・生き物・その他の物に大きな恵みをもたらしありがたみを与える。太陽を遮断、
空と大地を隔離する事によりまた別の恩恵が与えられる。それは漆黒の光、違った天の曙光。太陽の光が神の微笑みと
するなら、雨は女神の涙。その涙は人々が外出するのを妨げられた事への怒りからくる悲しみの涙なのか、人々が恵み
を齎してくれた事への感謝による嬉し涙なのかは定かではない。太陽の光によって蒸発した水分が上空に上がりそれが
溜まり雲になる。そして風に運ばれながら冷やされ雨が降る。それはこの世の不変の真理にして世界が記録したもの。
故にそれは必然行為でありあらかじめ答えの分かっている一つの運命。
まあ、私にとってははっきり言って雨とは邪魔な存在だ。太陽の光もそうだが、夜中に降られた時の苛々感はたまっ
たもんじゃない。ほんと、こんな時に吸血鬼とは不十分な存在だと思う。力もあれば威厳もあり、崇められれば恐怖を
与える。そんな存在のくせに弱点が多いとは如何なものか?今、私は小さい祠と言うより洞窟みたいな所に雨宿りして
いた。むしろ文字通り囚われていると言った方が正しいだろう。夜の散歩を楽しんでいたら突然降り出した雨。おかげ
でそんな気分が台無しになってしまい、命にかかわるので此処に逃げ込んだと言う訳だ。不幸中の幸いか、私がこの洞
窟をすぐに見つける事が出来たために、強く降り始める前に逃げ込む事が出来て被害はさほどない。少々肌が痛むが別
に問題はない。
ぴちゃ、ぴちゃ
雨のせいで何処からか溜まった雨水が流れてくる音が聞こえる。外の雨の音と一緒に聞いてると何かムカついた。ま
ったく、誰のせい・・・・・いや、そりゃ天気が危うい中、館のみんなの注意を無視して出かけた私が悪いんだろうけ
ど、いったい何のせいでこんな目にあってるんだか。おかげで家に帰れないし。館の皆は心配してるだろうか?まあ、
普通雇い主がピンチだと分かれば普通心配するか。だがきっとそこまで止まり。妹なら心配してくれるだろうが、彼女
も雨が駄目である以上探す事は無理。パチェも心配してるだろうが、彼女は喘息もちで彼女も探す事は出来ない。それ
に今日はさらに酷いので寝込んでいたはずだ。きっと今頃メイドたちが探しているだろうが、流石に何時もと違って一
度も言った事のない所に散歩に出掛けられては、探しようがない。きっと死んでしまったならそれだけの存在としてし
か扱われないだろう。死んだら妹やパチェには一生懸命探しましたが、と言い訳して終了。言い訳でもなんでもない。
私のかってな行動で命を落としたんだから救いようがない。主の自由行動まで責任はとれないだろう。
実際私が死んだところで本気が悲しんでくれるのは数えるほどしかいないと自負している。別にそれでいいと思う。
形だけの契約である以上、そこにあるのは主と従者のみ。主が死んだのなら別の働き口を見つけるまで。探して見つけ
られなかったのならしょうがない事。生きているならかってに帰ってくると言う考え方。人が持つ限界がある以上、や
るだけやったのならその先やれと言われても無理だ。別に本人たちが責任を感じる必要はない。それ以前に紅魔館の者
は私に本当に生きていてほしいと思うだろうか?
私は巨大な力を持つゆえに威厳があり、尊敬される。そしてその者たち全員が持つ物が恐怖だ。別にその事について
は必然だと思っているので気にしてないが、やはり寂しいと言うのにはかわりない。気にしてないと言ってもそれは限
りなく小さな粒だからこそ。塵も積もれば山となる、私はそれを身に持って体験した。明らかにみんな私に対して絶対
的な恐れを感じている。たとえ主がいようとも人は自分が一番可愛いのだ。それゆえ、私に身を預けても心まで預ける
、捧げる者はいない。
ぴちゃ、ぴちゃ
雨は止まない。私はゆっくり目を閉じる。
ぴちゃ、ぴちゃ
夜風が洞窟の冷たさと混ざりあってさらに冷やされる。それが私の頬を優しく撫でてくれる。その感触が気持ち良く
てさらなる嫌悪感を募らせる。
ぴちゃ、ぴちゃ
こんな時、私は独り本当にただの少女だと錯覚する。つまらない妄想染みた事だがかまわない。私はふと思ってしま
うのだ、もし普通の少女ならこんな時何を思うのかと。
ぴちゃ、ぴちゃ
つまらない主と従者関係なんてなかったりしたら、そして私に『運命を操る程度の能力』なんて物騒な能力を持って
いなかったらどんな運命を歩んだのか?
ぴちゃ、ぴちゃ
私は思う。運命を操れるのだったらなぜ私の運命を操る事が出来ないのか?それは結局、全ては自分の意思が反映さ
れる事の証明ではないのか。
ぴちゃ、ぴちゃ
・・・・いや、もう止めよう。疲れた。幾ら考えたって雨は止まないし、私のこの状況を変える事は出来ない。
ぴちゃ、ぺちゃ
私がみんなから恐れられ、他人からレミリア・スカーレットと言う一人の少女として心から受け止めてくれる人物な
んか居ないと言う事は・・・・・・・。
ぴちゃ、ぺちゃ
・・・・・気のせいか?先程から何か別の音が聞こえてくる。
ぺちゃ、ぺちゃ
いや、気のせいではない。この音は間違いなく誰かが近づいてくる音。
ぺちゃ、ぺちゃ
――――――――――――――――――あら、どうやら先約者が居たみたいね。
声が聞こえてきた。雨にも負けない透き通った声にナイフのような鋭い口調。
――――――――――――――――――もしもし?もしかして死んでるの?
そして洞窟の冷たさを遥かに勝る重く儚く冷たい感情。なのに何処か温かく落ち着くのはなぜか?しかし会っていき
なり死んでるの?はないだろう。どうやら紅魔館の連中じゃないようだが、流石に会って第一声がそれなのには苛立ち
を通り越して興味を惹かれてしまった。一体どんな人物なのか見てみたい。そして私は薄っすら目を開ける。目の前に
はやはり誰かが居た。
そして私は初めて彼女に会った。
時刻は午後九時すぎ。本日は天候が悪い日だった。
紅魔館では夕飯も済まされその後片付けも済まされていた。メイドたちにとっては実質的にこれが一日の内の最後の
仕事になる。後は見回りの当番が数名程度。その他のメイドは呼び出しがないかぎり大抵は自由時間へと変貌する。だ
がそれは普通のメイドならの話。メイド長である十六夜 咲夜にその言葉は当てはまらない。
「異常ないかしら、美鈴?」
「はい、今日も以上はありません」
咲夜の一日はとにかくハード、いやルナティックスケジュールだ。朝の起床時間は五時半。それからメイド服に着替
えて大広間に行く。そこで他のメイドたちが起きてくるまで今日一日の仕事をリストアップ。六時半ごろに全メイドが
大広間に集まり、スケジュールの通知が済んだら仕事前のラジオ体操(音楽なし)。そして朝御飯の支度を始める。基
本的にメイドは早めに御飯を済ましてその後に門番部隊となり、最後にレミリアとその友人のパチュリーという順番に
なる。八時ごろにレミリアの食事が始まる。あまり起きるのが得意でないレミリアを起こすのは一苦労だが。パチュリ
ーにいたっては図書館にこもりっぱなしで一日で一食抜く事が多い。朝の食事で顔を会わすのは低確率だ。大抵は図書
館に咲夜が運んでいく。御飯がすんだら昼までメイドを指揮して掃除と洗濯。幻想郷には洗濯機と言った機械類がほと
んどないので、全て手洗いだ。只でさえ多い人数なのだからこれだけで朝は終わる。その後昼御飯を取ったら本格的に
掃除の始まり。その間咲夜はレミリアに呼び出されて遊び相手や話し相手や愚痴を聞く係など様々だ。それが何回にも
分割されるのだからたまったもんじゃない。日が沈みかけた頃に洗濯物を畳んで夕御飯の準備。
普通の人間なら間違いなく三日とたたず疲労で倒れているだろう。だが咲夜の並々ならぬ忍耐力と精神の強さがそれ
をカバーしている。そして何よりレミリアに対する絶対的忠誠心があるかぎり咲夜は顔色一つ変えはしない。だが今日
はちょっと違った。レミリアが博麗神社にかってに行ったりするせいで、心労がかなり募っている。ただでさえ時間が
ない咲夜はさらに時間を潰すはめになる。そんな事が二ヶ月が続いていた。いい加減疲労は頂点に達している。今日な
んて他のメイドにまで状態の異変がばれていた。凡ミスはやらかすし、今日は皿を二枚割ってしまった。
「今日はついてないわね・・・・」
「?どうかしたんですか、咲夜さん?」
「・・・いえ、別に何でもないわ」
疲労によるミスなんだからついてない、という表現は間違っているだろう。だがそろそろ対応策を考えるべきだ。今
日も簡単なミスをやらかしたメイドをきつく怒ってしまった。何時もならこんな事ないんだが、近頃レミリアのわがま
まっぷりと自己中な行動が日毎に増しているのでストレスが溜まっていた。
「今日は早めに休ませて貰おう」
それが一番だ。疲れた体には休息が一番。そうと決まればお嬢様の所に行こう、と考えた時だった。咲夜から見て前
方の廊下から誰かが歩いてきた。見間違うはずがない。あの姿は
「お嬢様、こんばんわ」
美鈴の挨拶をほどほどに流してレミリアが咲夜につめよる。
「咲夜、何であなたが此処にいるの?」
「見まわりです。それにお嬢様こそどうしたんですかこんな所で?何時もなら部屋かパチュリー様と談話室にいらっし
ゃる時間ですか」
何時ものレミリアらしからぬ行動だ。別に咲夜を探していたという感じもしない。
「これからちょっと博麗神社に行くつもりだから門前まできたの」
「こ、こんな時間にですか!?」
思わず声を出してしまった。基本的に吸血鬼は日の光が駄目だから夜に活動すると言うイメージがあるが、それは間
違いである。他の吸血鬼はそうなのかもしれないが、少なくてもレミリアはそんな事ない。人間と同じ時間帯に行動し
ている。
「いけませんお嬢様。こんな遅くに、霊夢だって迷惑しますよ」
「いいじゃない別に。それを楽しみにしてるんだから」
「で、でもお嬢様、今日は天候も怪しいですよ?止めておいた方がいいと思いますが」
美鈴が助け舟を出す。一番の反対する理由はそこにあった。もし道中で雨でも降ってきたら事態は深刻。雨一つが命
取りになる吸血鬼にとって、こんな天候に出かけるのは御法度だ。
「美鈴の言う通りです。万が一途中で雨でも降られたら命にかかわります」
「降らないから大丈夫だって」
「どこにそんな根拠があるんですか?」
「勘」
呆れた。勘一つで自分の命を危険な目にさらす何て。咲夜は常にレミリアの傍にいるから、レミリアの性格はよく知
っている。こうなった以上意地でも博麗神社に行くだろう。だからと言って、はいそうですか何て頷けない。主の命が
かかわっている以上こちらだって意地でも譲れない。
「駄目です。それでもし死なれたりでもしたらこちらが困ります」
「大丈夫だって言ってるでしょ?しつこいわよ咲夜」
しつこいのはどっちだか。今の一言はきいた。なぜ私の思いを考えてくれないのか。
何で・・・・何で!何でッ!!
「だったら私をお連れください。そうすれば少しは安全になります」
「嫌よ。私は一人で行きたいの。あなたがいると邪魔なのよ、咲夜」
「!!・・ッ・・だったら傘ぐらいお持ちください!こちらはお嬢様の命を心配しているのですよ!?」
「五月蝿いわね!それも却下。荷物になるだけでしょ。それに雨なんて降らないって言ってるでしょ!」
「お嬢様、咲夜はお嬢様の身を案じて言っているのです!何で分かってくださらないのですか!?」
「あ~~もうっ!咲夜だって私の気持ちを全然無視してるでしょうが!!」
確かにそうかもしれないがこの状況では仕方が無いだろう。日頃のストレスが助けになって口調も棘が入っている。
やばい・・・・きれそ
「だいたい咲夜は私が雇ったんだから私の気持ちを第一に考えるべきでしょ!?人間の犬だったら犬らしく飼い主の命
令を聞いていればいいのよ!!それとも今すぐ首にして上げましょうか!?人間界の異常者が!!!」
・・・・その一言が咲夜の中で何かを切った。正確には安全装置を見事なまでに外してくれた。銃がレミリアへの忠
誠心で出来ているなら安全装置はレミリアへの優しさだろう。それが外れてしまった以上、自分と仲間を守る物は何時
誤発があるか分からないただの凶器へと変えてしまった。
「・・・・そうですね。確かに私はお嬢様の犬でした。お嬢様の言葉を第一に遂行しなければなりませんでした。どう
ぞ言ってらっしゃいませ、お嬢様」
「ふん、最初っからそういう態度をとればよかったのよ。犬は犬らしく尻尾をふって主人に媚を売ってればいいの。美
鈴、門番しっかりやってね」
「えっ!?あ、はい・・・・分かりました」
「じゃあ行って来ます」
レミリアは夜空へと舞い上がってしまった。その姿が小指程の大きさになり、やがて美鈴の視界から消えた。その光
景をずっと美鈴は眺めていたが、咲夜はずっと下を向いたままだった。体中をわなわなと震わせ、歯と歯が力強く擦れ
合ってぎりぎりと嫌な音をたてる。
「・・・・本当によかったんですか、咲夜さん?もし雨が降れば・・・・」
「知らないわよそんなの!」
思わず体がビクッと竦めてしまった。怖い、それが純粋な感想だった。
「私たちはお嬢様の犬なんだから、お嬢様の言う事にしたがってればいいのよ。私、まだ仕事が残ってるから行くわ。
美鈴もがんばりなさい」
「あ、咲夜さん!」
美鈴の叫び声を無視して咲夜は廊下を歩いていった。手からを強く握り締めた為か、血がぽたぽたと垂れていた。紅
魔館と言う名にはまさに相応しい光景だ。
何処をどう歩いたかなんか覚えてない。途中誰かに会ったかもしれないが眼中にない。こんな気持になったのは初め
てだ。だからどう対処すればいいのか分からないし、自分がどうなっているのかもさっぱりだ。頭の中がぐちゃぐちゃ
で何も考えられない。ただイラついていた。それだけが答えだ。
・・・・・・・や
分からない分からない分からない!自分の中で何かが叫び訴え非難する。五月蝿くてたまらない。
・・・・・・・さ・・・き・・てる・・!
あー、思い出すだけで苛々する!なぜこんなにまで私は苦しまなきゃいけないんだ!何処に行けばいいのか分からい
、何をすればいいのか分からない、如何すればいいのか分からない、自分自身が分からない!誰に会いたいのか分から
ない!!・・・・・・私は何が分からないのか分からない・・・・・
「咲夜!聞こえてるの!!」
「いい加減気付きなさい、咲夜!!」
「!!!!」
そこでようやく初めて自分が呼ばれているのに気付いた。頭の中が色んな事を輪廻してさっきまで何を考えていたの
か一瞬忘れてしまった。突然の事が重なりすぎで頭が混乱している。駄目だ、いったん頭をクリアするんだ。今は声の
主の事を考えないと。この声は
「妹様、パチュリー様、どうしたんですか?」
「それはこっちのセリフよ!さっきから何度も近くで呼んでるのに振り向きもしないんだから!」
「本当よ、一体どうしたの咲夜?何かあったの?難しい顔をしながら頭を振ってイラついてたみたいだけど」
私はそんな事をしていたのか?考え事をしてはいたけど頭を振った覚えは一切ない。
「・・・・もうしわけございません」
「・・・ハア、何があったのか知らないけどあなたらしくないわよ」
「本当にもうしわけございません」
先程の怒りを忘れたわけじゃないが、こうも簡単に気持ちの切り替えができるのは流石と言うところか。いや、この
場合押し留めたと言った方が正しい。今だって身体は沸騰したお湯より熱いし、頭はこんがらがって吐き気がする。
「で、咲夜、お姉様どこ?さっきから探しているんだけど何処にも見当たらないの」
そしてそれを見事に復活させてくれる。そのおかげで頭の吐き気が治まり、変わりに怒りが足の指先から髪の毛の一
本にまで浸透してくる。それはまさに汚染だった。塗り替えたのではなく完璧に二人に会った時の事を消去してくれた
。おかげであの光景がまた頭をあっさりよぎる。
「・・・・どうしたの、咲夜?手が震えているわよ」
パチュリー様が何か喋ってる。内容は理解した。そして私がどんな状態かも。
「ねえ咲夜、知ってるなら早く教えてよ!」
これ以上逆撫でされるとこの場でナイフを投げそうだ。どうせ隠すのもめんどくさい。怒るかもしれないがこれはお
嬢様の意思だ。私には関係ない。そう、一切。
「お嬢様でしたら先程博麗神社に向かわれました」
「え、えぇぇぇ~~~!こんな時間に!?」
「それだけじゃないわ。今の天候は曇りよ。もし雨でも降ったらどうするの!傘かお供はついてるの?」
「いいえ、お嬢様は手ぶらで一人で行かれました」
その一言がパチュリーとフランドールの頭を急激に冷やした。本来ならそんな危険な事をさせた咲夜を怒るべきだろ
う。メイド長である咲夜は唯一レミリアの傍に仕えるもの。レミリアの命を最優先事項として行動しなければならない
はずだ。だが咲夜はそれを無視・・・・この場合放棄と言った方が正しい。だって咲夜の言葉は血一滴も凍らしその感
情を切断してくれたのだ。見事としか言いようがないほどに。だがこちらとて唖然としているわけにはいかない。
「ちょ、咲夜。それ冗談にしてはきつすぎるわよ。まさか咲夜がお姉様の命でギャグを言うとは思ってもみなかった」
「ギャグも何も私が言った事は全て本当です」
「冗談止めてよ咲夜。あなた本当にどうしたの!?あなたは注意しなかったの!?」
「しました。しかしお嬢様はそれら全てを無視したのです。幾ら注意しても聞いてくださらず、最後には命令と言う形
で私に注意するのを止めさせたくらいです」
何て冷めた声。咲夜とは対照にフランドールの怒りはピークに達しようとしていた。その無責任さと何かに。
「それでもお姉様の事を一番に考えるのが咲夜でしょ!例えどんな命令でもお姉様の命は危険に晒すような事はしない
はずでしょ!!」
限界だった。それは一番私が聞きたくない事。これ以上は耐え切れない。ならさっさとありのままの真実を言ってし
まおう。
「・・・・私はお嬢様の犬です。人間の犬だったら犬らしく飼い主の命令を聞いていればいい、お嬢様は私にそう言わ
れました。それは確かに真実だと思います。だから私は自分の意見よりお嬢様の意見を尊重したまでです。それは仕え
る者として当然の事ではないのですか?」
「!!」
言い返せない。咲夜の言っている事は間違っている。だがそれは正しい。その矛盾がどうしようもない遣る瀬無さを
生み出す。咲夜の言っている事は正しい、だからこそ間違っているのか、間違っているからこそ正しいのか。それが分
からない。
「私は気分が悪いのでこれで失礼させてもらいます。それでは」
逃げた。伝える事だけ伝えて私は逃げた。これ以上話していたらイラつきが抑えきれない。どうしようもない苛立ち
、どうすればいいのか分からない苛立ち。只私はイラついている。
それは誰に対してのイラつきなのか
咲夜は行ってしまった。その姿を呆然と眺めるしか出来ないフランドール。
「・・・一体何なのよ咲夜の態度!まるでお姉様なんて死んでもいいみたいじゃない!!」
「落ち着いてください、妹様」
最初の方だけ喋ってたパチュリーがようやく口を開いた。
「ちょっと、パチュリー!何でそんなに落ち着いていられるのよ!!まさかあなたも咲夜が正しいと思ってるの!?」
「別にそうは思ってません。ただ、咲夜が言った事が正しいのも真実です」
「何よそれ、矛盾してるじゃない!」
「分かってます。矛盾してるからこそ咲夜はあんな態度を取ったのです」
「・・・・・どう言う事よ?」
そこでようやくパチュリーが何かを伝えたい事に気が付いた。
「咲夜は決してレミィを見捨てたわけではありません。最後に言ったでしょ?気分が悪いって」
「それがどうしたのよ?」
「咲夜が最後に気分が悪いからと言ったのは、自分がレミィにどうしたらいいのか分からないからです。彼女が怒って
るのは事実です。ですが、最後にあんな逃げ方をしたのはこれ以上話されると自分がレミィに対してどうしたいのかで
パンクしそうになったからです。咲夜の今の状態は固定でも否定でもなく疑問なんです。これで良かったんだと固定も
できす、これでは駄目だと否定も出来ていない。だから疑問をしているんです。自分自身に対して」
フランドールはさっぱり理解出来ていなかった。ただ、今の言葉からして一つ分かった事がある。
「つまり咲夜にはまだお姉様に対する心があると?」
「簡単に言えばそう言う事です。気分が悪いと表現したのはそれが取っ掛かりになったからでしょう」
ならばまだ何とか修復する可能性はあるのかもしれない。
「その取っ掛かりを外す方法はあるの?」
「あります。ですが少々危険な賭けになります。コインは命。吉とでるか凶とでるかは私たちには予測不可能でしょう
。レミィの命を危険にさらしますが、これ以外にないと思います」
「・・・・それ大丈夫なの?」
「分かりません。成功するかは咲夜とレミィの間にある情が全てです。二人の絆が試される一世一代の大博打になるで
しょう」
「う~~ん・・・でもお姉様を危険に晒すのは・・・・・・」
「それ以外に有効な方法がありません。賭ける対象が大きければ大きいほど見返りも損も大きくなります。ですが命を
賭ける以外にこの関係を修復する方法はありません」
「・・・・・分かった。私もパチュリーに賭けてみるわ。私だって咲夜とお姉様は仲良くあって欲しいし、咲夜以外に
お姉様を任せられない」
「分かりました。ならさっそく実行にうつしましょう。博麗神社への道を行くならあそこを通るはず。そろそろ始めな
いと間に合いません」
言うより早くパチュリーは図書館に向かった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!あそこって何処!?」
「後で説明します。今は時間とタイミングが勝負になります。この状況なら早いに越した事はありません」
「ちょ、ちょっと~~~~!!」
フランドールは慌ててパチュリーの後を追いかけた。不安ではあるが私には残念な事に妙案は浮かんでいない。
今はパチュリーを信じるしかない。
私は博麗神社に向かいながら先程の事を考えていた。幾らなんでもちょっとマズッたかもしれない。外に出た時はム
カムカしていて暴れだしそだったのに、夜中の冷たい風に吹かれる事によって私は少しずつ熱が引き、冷静を取り戻し
た。そして先程の事を思い出してみたのだが・・・・
「やっぱり本気だったわよね、咲夜」
あんな咲夜見た事がなかった。常に私の命令には忠実で何時も笑っていたのに、あの時の咲夜は明らかに冷静な素振
りを見せていたが内心相当怒っていたに違いない。私にある咲夜の姿は常に温かく微笑んでくれ、おいしい紅茶や料理
を作ってくれる姿だ。そして何より私への忠誠心。・・・・・もしかしたら私だけなのかもしれない。他のメイドや門
番たちは咲夜の怒ったり拗ねたりといった姿を見ているのかもしれない。私だけが、そう言った咲夜の一面を知らない
。咲夜の、本来の姿を・・・・・・
「・・・・何を考えてるんだか」
そんな事知らない。興味もない。それに私は悪い事などしていない。あれは私のいう事を聞かないで反論し続ける咲
夜が悪いんだ。だから先程の発言はけっして言いすぎてない。あれは全て本当の事だろう。咲夜は私の物なんだから何
を心配する必要があると言うんだ。咲夜は人間界が嫌になって此方に来たんだ。だったら人間界では頼れる人物がいな
いのだから、咲夜は自然と幻想郷に居座るはずだ。それに咲夜は私以外に本当に身を預ける場所だってないはず。だっ
たら咲夜は必然と私のところに・・・・
――――――――――――――――――――だったら咲夜に見捨てられたとしたら?
その考えに私は動きが止まってしまった。今まで考えもしなかった事。常に私に従う咲夜からはけっして連想出来な
い考えだ。今まで通り紅魔館でメイド長を続ける。だがそれは生きる為であって私の事をまったく考えてくれなくなっ
たとしたらどうなるのか?笑みを浮かべてくれていた咲夜が常に難しい顔をし、私に付き添うだけの存在となってしま
ったら・・・・・・。ただ主としてしか見てくれずレミリア・スカーレットと言う一人として見てくれなくなってしま
ったら私はどうなる?いや、それ以前に
――――――――――――――――最初から私はそれだけの存在として見られていたのでは?
ただ私が舞い上がっているだけで、咲夜は最初から生きる為に必要な事だからやってたのかもしれない。あの笑みも
作り物で心から笑ってくれた事は一度もないんじゃ・・・・・・。好きでも嫌いでもなく±0の存在、つまりどうでも
いい存在。ただ何となく付き合っているだけ、と言う無感情ほど辛い物はない。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
何を考えている!だったらどうしたと言うのだ!別に咲夜の事なんてどうだっていいじゃないか。私だって咲夜はど
うでもいい存在。ただちょっと特別な力があって、他の妖怪より使えたりするから置いているだけだ。スタイルのよさ
に妬いていたり、もっと一緒にいたいとか、私だけを見て欲しいなんて思ってない。そうだ、そんな事私が考えるけ・
・・考えるわけ・・・・・ああもう五月蝿い!何で私がこんなに苦しんでるんだ!関係ない関係ない関係ない関係ない
!関係ない!!咲夜がどう考えていようとどうだっていい!!そもそも私が咲夜の事を気に留める事自体おかしいんだ
。そうだ、さっさと忘れて博麗神社に
ポタッ
「!!熱ッ!」
突然の痛みに先程までの考えが吹っ飛んだ。誰かに攻撃されたわけでもない。ただ何かがあたった左肩あたりが猛烈
に熱い。この痛みは知っている。これは
「うそ・・・雨!」
まだ小降りだがこの調子じゃじきに強くなる。はやく避難しないと危ない。
「でも何処に・・・・」
そうだ、此処は紅魔館と博麗神社のど真中だ。どちらに行くにせよ時間がかかる。着く前に雨がより強くなるだろう
。だったらこの辺りで雨宿りをする場所を探さなくてはならない。だが何処に行く?そこら辺に小さい木々はあるが強
い雨でも凌げるほどの大木はない。こんな所からすぐ行けて雨宿りには最適な場所など・・・・・・・・・
何を言っている、あるじゃないか
私にとってもっとも最適な場所が
忘れられない忘れたくないあの場所が
無意識だった。私は気付いたらその場所に向かっていた。なぜか、頭ではなく身体がその場所を覚えている。いや、
私だって考えれば思い出すはずだ。なのにこの状況下において最善な場所へ瞬時に行けるのはなぜか?そこで私はいっ
たい何を願うというのだろう。
もうしばらくして、雨は強くなってきた
ザアザアと強い雨音が私の耳に届く
こんな雨の日に私は何を思う?
いったいどうすればいいのか分からない
この時間がなぜか堪らない
これも運命だと言うのか?
この雨(時間)が私に何を訴える?
運命の糸、時間の針
これらの真の力は操る事など出来はしない
ぴちゃぴちゃ
雨は止みそうになかった
>連絡事項の件
了解しました。
メール送っておきましたので、よろしくです。
で本題。
なんだか最近、「完全で瀟洒な」咲夜さんを見かけなくなった気がするのはどういうことでしょうw
でもまあ、これもまたヨシ(こんなんばっかか、自分の感想は
咲夜さんも人間、こういうこともある・・・んでしょうね、多分(ぉ
時を止めて八つ当たりしたりしないだけ、まだマシかもしれないとおもw(ry
話がシリアスでも、かっこいいかどうかはこの際かまわないように思います。
一応続き物のようなので、オチに期待w
>誤字ぽいもの
今回はちょいと多めでしょうか?
・以上ないかしら>「異状」もしくは「異常」ですね。
・「掃除と選択」>「掃除と洗濯」
・状態の異変にばれていた>しいて訂正するなら「状態の異変がばれていた」
でしょうか。うまい言い回しが見つからない(ぉ)ですが、「異変にばれていた」はおかしいかと。
・「性格には」>「正確には」
・「咲夜とは対象に」>「咲夜とは対照に」もしくは「対照的に」
・「気に留める事事態」>「気に留める事自体」
・「非難しないと」>「避難しないと」
え~、今回はわりと容赦なく偉そうに添削してみました(ぉ
誤字ですが
・「紅魔間」>「紅魔館」
・「見て」が「みて」とが混在している
といったところでしょうか
続き楽しみに待ってます
この2人はどのような出会いを果たしていたのか、パチュリーは何をしようとしているのか。
次回でそれが明らかになるであろうと期待しつつ、待ちます。
誤字脱字など。
>おなた本当にどうしたの!?
>「・・・・何を考えてるだか」
2つめのやつ、わざとではないですよね? 念のため、指摘しておきます。
咲夜さん可愛そう
続き楽しみにしています。。