ざっざっざっ
白玉楼の庭を掃除する。
それが今の私の仕事。
そういえば、最近何か忘れてるような気がするけど、まぁ、いいや。
忘れるって事は重要じゃないって事だろう。
ようやく眼も治ったことだし、気合を入れてやらなければ
ざっざっざっ
階段を掃いていると人影が見える。
「ん?」
ふぃ~っと飛んできたのは、いつぞやの妖怪兎だ。
何か荷物を背負っている。
「えっと、てゐさん?」
こくりとうなずく。
見た目は可愛らしいがこれで結構気性が荒いのだ。
口数が少ないので、おとなしく見えるが。
「・・・ん、これ」
と背負っていたものを渡される。
「あと、これも・・・」
「手紙?」
「じゃ、」
必要最低限の言葉を告げると、そのまま引き返す。
「・・・・なんだろ?」
とりあえず、幽々子様に届けよう。
「ん?知らないわよ」
「そうなのですか?」
「えぇ、でも、折角だから空けちゃいましょう」
「手紙から読んでくださいよぅ・・・」
荷物の正体は、大きな鏡だった。
そして、手紙には
「おめでとうございます、西行寺様、厳選なる抽選の結果、見事当選しました。
つきましては、商品をお送りしますので、壁に掛けて、幽気を注いでください。
それで起動します・永遠亭の薬師」
「幽々子様、何か応募したんですか?」
「そういえば、治療最後の日に永琳がくじを引かせてくれたわ」
「ぜんぜん厳選じゃないですね」
「まぁまぁ、そんな事より、妖夢、動かしましょう。」
「はい、幽々子様」
珍しいものがあると使いたくなるのは仕方が無い事だ。
早速幽気を流す。
ヴィィン・・・
鏡に映像が映し出される。
『はい、特別企画!永遠亭、3分クッキング―禁薬編―はじまり~』
「おぉ!?」
鏡に映し出された映像が動いて喋った。
「妖夢、メモ張用意して」
「苦手なものじゃなかったんですか?」
「いい、妖夢?3分クッキングはメモしなきゃ麺棒で磨り潰されるんだから」
「は、はい。(知らなかった・・・)」
『メモのご用意はいいですか?今日は輝夜、永琳、鈴仙の3人でお送りします。』
『永琳、今日は何を作るのかしら?』
『今日は、天竺ではアムリタとも言われる、不老不死の妙薬・蓬莱の薬です。
作り方は色々あるけど、今回は家庭で簡単に作れる方法を紹介します。』
『ちなみに、錬金術の賢者の石も似たような効果ですが、あれは万物変成の効果を利用して、
肉体を不老にしているのでちょっと別物ですね。』
「ふぅん、妖夢知ってた?」
「知るわけ無いですよぅ」
『まずは、食材の紹介です。助手の鈴仙、お願いね。』
『はい、
・ヒドラの心臓1個
・不死鳥の尾1本
・鴆の羽1枚
・扶桑の葉10枚
・仙桃4個
・魂魄の欠片1個
これで4人前です。』
「4人前の材料だなんてさすが3分クッキングね。」
「どこがさすがなんですか?」
といいながらもメモを取る妖夢。
『でも、なんで鴆の羽なんて入れたの?』
『不死鳥の効果は再活性の力、ヒドラは超再生、桃は若返り、扶桑は中和剤みたいな物
このままだと、命が暴走して、色々生えたりしちゃうので、鴆の毒で効果を弱めます。
毒は生きている間しか効果が無いので、死んだ瞬間に再活性と超再生で瞬時に蘇生できます。
魂魄は、増やす事で魂魄そのものを剥離させたり、
魂魄の損傷による死に対してこの欠片を復元、再生する事で不死にします。』
『そうなの。永琳、食材の入手法が聞きたいわ』
『はい、まずは、某英雄が焼き潰して退治したヒドラですが、
実は死んでなかったのです。
胴体を切り開いた所、今でも心臓が動いていたので切り取ってきました。』
『じゃあ、これで最後なの?』
『ご安心を、切り取ったその場で再生しました。』
『なら安心ね。』
『はい、でも、間違っても首は斬らないように。生えてきますから。』
『これをどう調理するの?』
『細切れになるまで斬り潰してください。
ただし、火に弱いので気を付けてください。それでは鈴仙、お願いね。』
『はい・・・ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!』
と鼓動する心臓をまな板に乗せ、腕が攣るんじゃないかってくらいの速度で斬り始めた。
が、負けじと心臓も再生する。
『・・・・・』
『おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!』
『・・・・・』
『し、師匠、つ、攣る、攣ります、無理、無理ですって!』
『それでは、出来上がったものが此処にあるのでこっちで進めましょうね。』
『・・・・ヒドィ』
「これなら妖夢できそうね。」
「いやいや幽々子様」
「うるさいわ」
「みょん・・・」
『次に、不死鳥と鴆ですが、これは弓矢で簡単に捕らえれます。
不死鳥は、孵化した瞬間が狙い目です。』
『気を付ける事はあるかしら?』
『鴆の羽は素手で触らないようにしてくださいね。死んじゃいますので。
あと、番組の最後に、このアルテミスの弓矢のレプリカをプレゼントしますので、お楽しみに。』
『この尾と羽は後で調理しますので、このまま置いときます。』
「妖夢、一セット欲しいわね」
「いや、レプリカですよ?」
そんな突っ込みを気にせず、食い入るように番組を見る幽々子。
『太古、遥か東方に、10の太陽が泊まって不死を得ていた大神木、扶桑。
このありがたい葉っぱ10枚と、仙桃園の若返りの桃、仙桃を4個は、産地直送なので新鮮です。』
『これらを絞って果汁を取ります。鈴仙』
『はい、これなら大丈夫です・・・って臭!!』
『言い忘れましたが、扶桑の葉っぱの汁は臭いです。付着しないように気を付けてくださいね。』
「この食材は、送ってもらえばいいから簡単ね」
「幽々子様、住所しってるんですか?」
「何言ってるの?貴女が調べるのよ」
・・・・なんか、無茶苦茶な食材しか無いような・・・
『その絞った汁に、不死鳥の尾、鴆の羽、ヒドラの心臓の順で入れて混ぜてください。』
『次に、魂魄の欠片ですが、魂魄1個まるまるだと、他の薬の作用で人格とか増えちゃうかもしれないので、欠片を使用してください。』
『なんか、混ぜにくそうね』
『いいところに気がつきましたね、そうです、元々魂魄が肉体に結びついているのは霊体があるおかげなんです。』
『でも、霊体なんてどこにあるのかしら?』
『ご安心を、ここに生きのいいのがあります。』
と出てきたのは大きな霊体
ビチビチと動いている。
「霊体ならここ、白玉楼にいっぱいいますね。」
「魂魄も霊体一緒にあるわね。」
『じゃあ、欠片を包める程度にちぎっちゃいましょう』
『はい、師匠。』
ぶち
『手早く包んで、すり鉢で混ぜちゃいましょう~これで1年熟成させれば完成です。』
パチパチパチパチ
『お疲れ様、永琳』
『ありがとうございます。でも、じつは、もっと簡単な方法があるんです。』
『えぇ、そうなの?』
『材料は、この薬を服用した人間1人』
『まぁ、お手軽ね』
『持ってきて、鈴仙』
と鈴仙が台車を引いてくる。
台の上には縛られた妹紅が
『むぐぅぅーーーーー!!んぐぐ、ぐぅ!!』
『後は、血液などの体液を抜いてそこから成分を抽出すればOKです。』
「あ、こっちの方が楽ですね、幽々子様」
『それで、抽出の方法ですが・・・』
番組の途中だが、幽々子は気になった事を告げた。
「そういえば妖夢」
「なんですか?」
「最近見てないんだけど?」
「何がです?」
「片方」
妖夢の動きが止まり、顔が引きつった。
そして立ち上がる。
「幽々子様、ちょっと出かけてきます。」
「妖夢」
「なんですか?」
「出かけるのなら、弓矢貰ってきてね」
白玉楼の庭を掃除する。
それが今の私の仕事。
そういえば、最近何か忘れてるような気がするけど、まぁ、いいや。
忘れるって事は重要じゃないって事だろう。
ようやく眼も治ったことだし、気合を入れてやらなければ
ざっざっざっ
階段を掃いていると人影が見える。
「ん?」
ふぃ~っと飛んできたのは、いつぞやの妖怪兎だ。
何か荷物を背負っている。
「えっと、てゐさん?」
こくりとうなずく。
見た目は可愛らしいがこれで結構気性が荒いのだ。
口数が少ないので、おとなしく見えるが。
「・・・ん、これ」
と背負っていたものを渡される。
「あと、これも・・・」
「手紙?」
「じゃ、」
必要最低限の言葉を告げると、そのまま引き返す。
「・・・・なんだろ?」
とりあえず、幽々子様に届けよう。
「ん?知らないわよ」
「そうなのですか?」
「えぇ、でも、折角だから空けちゃいましょう」
「手紙から読んでくださいよぅ・・・」
荷物の正体は、大きな鏡だった。
そして、手紙には
「おめでとうございます、西行寺様、厳選なる抽選の結果、見事当選しました。
つきましては、商品をお送りしますので、壁に掛けて、幽気を注いでください。
それで起動します・永遠亭の薬師」
「幽々子様、何か応募したんですか?」
「そういえば、治療最後の日に永琳がくじを引かせてくれたわ」
「ぜんぜん厳選じゃないですね」
「まぁまぁ、そんな事より、妖夢、動かしましょう。」
「はい、幽々子様」
珍しいものがあると使いたくなるのは仕方が無い事だ。
早速幽気を流す。
ヴィィン・・・
鏡に映像が映し出される。
『はい、特別企画!永遠亭、3分クッキング―禁薬編―はじまり~』
「おぉ!?」
鏡に映し出された映像が動いて喋った。
「妖夢、メモ張用意して」
「苦手なものじゃなかったんですか?」
「いい、妖夢?3分クッキングはメモしなきゃ麺棒で磨り潰されるんだから」
「は、はい。(知らなかった・・・)」
『メモのご用意はいいですか?今日は輝夜、永琳、鈴仙の3人でお送りします。』
『永琳、今日は何を作るのかしら?』
『今日は、天竺ではアムリタとも言われる、不老不死の妙薬・蓬莱の薬です。
作り方は色々あるけど、今回は家庭で簡単に作れる方法を紹介します。』
『ちなみに、錬金術の賢者の石も似たような効果ですが、あれは万物変成の効果を利用して、
肉体を不老にしているのでちょっと別物ですね。』
「ふぅん、妖夢知ってた?」
「知るわけ無いですよぅ」
『まずは、食材の紹介です。助手の鈴仙、お願いね。』
『はい、
・ヒドラの心臓1個
・不死鳥の尾1本
・鴆の羽1枚
・扶桑の葉10枚
・仙桃4個
・魂魄の欠片1個
これで4人前です。』
「4人前の材料だなんてさすが3分クッキングね。」
「どこがさすがなんですか?」
といいながらもメモを取る妖夢。
『でも、なんで鴆の羽なんて入れたの?』
『不死鳥の効果は再活性の力、ヒドラは超再生、桃は若返り、扶桑は中和剤みたいな物
このままだと、命が暴走して、色々生えたりしちゃうので、鴆の毒で効果を弱めます。
毒は生きている間しか効果が無いので、死んだ瞬間に再活性と超再生で瞬時に蘇生できます。
魂魄は、増やす事で魂魄そのものを剥離させたり、
魂魄の損傷による死に対してこの欠片を復元、再生する事で不死にします。』
『そうなの。永琳、食材の入手法が聞きたいわ』
『はい、まずは、某英雄が焼き潰して退治したヒドラですが、
実は死んでなかったのです。
胴体を切り開いた所、今でも心臓が動いていたので切り取ってきました。』
『じゃあ、これで最後なの?』
『ご安心を、切り取ったその場で再生しました。』
『なら安心ね。』
『はい、でも、間違っても首は斬らないように。生えてきますから。』
『これをどう調理するの?』
『細切れになるまで斬り潰してください。
ただし、火に弱いので気を付けてください。それでは鈴仙、お願いね。』
『はい・・・ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!』
と鼓動する心臓をまな板に乗せ、腕が攣るんじゃないかってくらいの速度で斬り始めた。
が、負けじと心臓も再生する。
『・・・・・』
『おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!』
『・・・・・』
『し、師匠、つ、攣る、攣ります、無理、無理ですって!』
『それでは、出来上がったものが此処にあるのでこっちで進めましょうね。』
『・・・・ヒドィ』
「これなら妖夢できそうね。」
「いやいや幽々子様」
「うるさいわ」
「みょん・・・」
『次に、不死鳥と鴆ですが、これは弓矢で簡単に捕らえれます。
不死鳥は、孵化した瞬間が狙い目です。』
『気を付ける事はあるかしら?』
『鴆の羽は素手で触らないようにしてくださいね。死んじゃいますので。
あと、番組の最後に、このアルテミスの弓矢のレプリカをプレゼントしますので、お楽しみに。』
『この尾と羽は後で調理しますので、このまま置いときます。』
「妖夢、一セット欲しいわね」
「いや、レプリカですよ?」
そんな突っ込みを気にせず、食い入るように番組を見る幽々子。
『太古、遥か東方に、10の太陽が泊まって不死を得ていた大神木、扶桑。
このありがたい葉っぱ10枚と、仙桃園の若返りの桃、仙桃を4個は、産地直送なので新鮮です。』
『これらを絞って果汁を取ります。鈴仙』
『はい、これなら大丈夫です・・・って臭!!』
『言い忘れましたが、扶桑の葉っぱの汁は臭いです。付着しないように気を付けてくださいね。』
「この食材は、送ってもらえばいいから簡単ね」
「幽々子様、住所しってるんですか?」
「何言ってるの?貴女が調べるのよ」
・・・・なんか、無茶苦茶な食材しか無いような・・・
『その絞った汁に、不死鳥の尾、鴆の羽、ヒドラの心臓の順で入れて混ぜてください。』
『次に、魂魄の欠片ですが、魂魄1個まるまるだと、他の薬の作用で人格とか増えちゃうかもしれないので、欠片を使用してください。』
『なんか、混ぜにくそうね』
『いいところに気がつきましたね、そうです、元々魂魄が肉体に結びついているのは霊体があるおかげなんです。』
『でも、霊体なんてどこにあるのかしら?』
『ご安心を、ここに生きのいいのがあります。』
と出てきたのは大きな霊体
ビチビチと動いている。
「霊体ならここ、白玉楼にいっぱいいますね。」
「魂魄も霊体一緒にあるわね。」
『じゃあ、欠片を包める程度にちぎっちゃいましょう』
『はい、師匠。』
ぶち
『手早く包んで、すり鉢で混ぜちゃいましょう~これで1年熟成させれば完成です。』
パチパチパチパチ
『お疲れ様、永琳』
『ありがとうございます。でも、じつは、もっと簡単な方法があるんです。』
『えぇ、そうなの?』
『材料は、この薬を服用した人間1人』
『まぁ、お手軽ね』
『持ってきて、鈴仙』
と鈴仙が台車を引いてくる。
台の上には縛られた妹紅が
『むぐぅぅーーーーー!!んぐぐ、ぐぅ!!』
『後は、血液などの体液を抜いてそこから成分を抽出すればOKです。』
「あ、こっちの方が楽ですね、幽々子様」
『それで、抽出の方法ですが・・・』
番組の途中だが、幽々子は気になった事を告げた。
「そういえば妖夢」
「なんですか?」
「最近見てないんだけど?」
「何がです?」
「片方」
妖夢の動きが止まり、顔が引きつった。
そして立ち上がる。
「幽々子様、ちょっと出かけてきます。」
「妖夢」
「なんですか?」
「出かけるのなら、弓矢貰ってきてね」
オチもうまいと思いました。完全に予想外のオチなのではなく、途中でそれとなく匂わせておく加減が絶妙です。
後、永琳師匠の元ネタですけど。
これは思兼神ではないでしょうか? 理由は、スペルカードを見るに和製の神ではないかということ、「頭脳」、「天才」、それと師匠の名字「八意」。思兼神は別名、八意思兼神(ヤゴコロオモイカネ)と言うためです。
>元ネタ
>永琳の弓矢は~→アルテミスが元ネタかな?って事で。
と書いているので、師匠自身ではなく、弓矢の事です。
でも、師匠自身はスペカの名前にもあるとおり八意思兼神が元ネタみたいですね。
勉強になりました。
魂魄がちぎれるって事に激しい衝撃。妖夢よ、健闘を祈る(何)。
しかし妹紅は、中国、みょんに続いて弄られキャラになってしまうのだろうか。
そうなるのは絶対ウドンゲだと思ってたのに。う~ん。
古典とかそういうのに非常に疎い私には、永夜抄に隠されたモトネタとかが全然分からない_| ̄|○
竹取物語くらいは勉強し直してみるか。
正しくは霊体ですね。
魂魄ちぎったら消滅?しちゃいますよ
ウドンゲ(名前で読んでもらえない)も十分弄べるキャラですね。
もこは不死だから酷い事できるんで扱いやすそうですね
・・・輝夜?あの子にはそんな事させませんよ(マテ