ご注意。
この注意書きには嘘がありますが本当もあります。くれぐれも注意しれ。
・カップリング要素があります。
・違和感どころじゃないかもしれません。
・序文で駄目だと思ったらたぶん最後まで駄目だと思う。
・ほも要素あり。
・これで萌えるとすげぇ。
一応……一応注意はしたぞ、ジョジョ!
――――――――――ここまで注意書き。以下本文――――――――――
「……あー……あー……だっる」
博麗霊夢。やる気なかった。境内の掃除の途中に、箒に体重を乗せてだらりと休んでいる。
「……あのさ。掃除に使うのはまだいいぜ。でも、俺の箒に体重掛けて休まないでくれないか? 先っぽが悲しいくらい広がってるぜ。それで飛んで帰るのに」
一方、縁側に胡座をかいている黒い服の魔法使いは、酷く悲しい顔で箒を眺めている。到着早々霊夢に奪われた相棒の、あまりに乱暴な扱いっぷりに軽く涙が出そうだった。
「……減るもんじゃなし」
「減る減る。超減る。実害あるからな、その行動」
表情と声の高さでは判らないが、早口になっている当たり、結構真剣に箒の身を案じていることが判った。判った上で、霊夢はその体勢を変えない。
「ふーん」
「お前悪魔だよな!」
泣き伏せた。
「冗談だよ」
そう言って、霊夢はすくっと立ち上がる。
「その蛸のようになった箒をもって、何が冗談なんだよ」
「減るのは知ってるってこと」
「お前やっぱ悪魔だよな!」
突っ伏して悲しんでる魔理沙を見て、怠そうにしている霊夢。
それは、なんだか平和な場面であった。
ふと、霊夢が何かを思い出す。
「そういやさ」
「ん?」
赤い目を擦りつつ、魔理沙が顔を上げる。マジ泣きだったらしい。
「今日の夕飯はお前の好きな和食を作るつもりなんだけどさ、食ってくか?」
他意も媚びもない顔。そして、何気ない優しさ。
「……お」
「お?」
完全に不意打ちだったので、魔理沙は反応ができなかった。だが、しばらくして言葉の咀嚼が終わると、魔理沙は早口で答える。
「く、食ってく、食ってくぞ! 箒を駄目にされた弁償代わりだ! 一杯食べるぜ!」
霊夢の優しさが嬉しかったのだが、素直になれず、言葉が僅かに歪む。
「根に持つねぇ。はいはい、判ったよ」
こっちはそれを言葉通りに取って苦笑い。それを見て、魔理沙は少ししくじったという気持ちになったが、今更言い直すのもなんだったので、そのままにした。
暖かい風。涼しい風。交互に吹いて、髪を揺らす。
「……眠くなってきたぜ」
魔理沙は胡座のまま、左右にぐらりぐらりと揺れていた。
「寝れば? あとで起こしてやるよ」
「んー……じゃあそうする」
口にしたかと思うと、器用にそのまま九十度回転し、脚を開くとそのまま大の字になり、あっという間に寝息を立て始めた。
「おい、いくらなんでも早すぎるだろ」
呆れる霊夢。が、穏やかな寝息は止まない。
「……本当に寝たのか?」
どうせ演技だろうと思っていたのだが霊夢も、安定した寝息と穏やかな表情に、本当に魔理沙が眠ったのだと思えてきた。
「おーい、魔理沙ー」
近寄って声を掛ける。だが、返事はない。軽く揺らすが、同じく反応がない。
「……マジか」
驚きであった。
一応、どうせならもっと確認しておこうと、上から顔をのぞき込む。薄目を開けている用には見えない。
「……すごいな。こんな瞬時に眠れるもんなのか」
そう口にして、霊夢は魔理沙から顔を離そうとした。その途端、魔理沙の手が伸びて、霊夢の顔を捕らえる。
「えっ!」
思わずバランスを崩し、魔理沙の方へと倒れてしまった。そして魔理沙は目を閉じたまま、霊夢と唇を重ね合わせた。
「っ!」
驚き、飛び退くように距離を取る霊夢。
「へへへ……仕返し成功だぜ」
と、良い笑顔で起き上がる魔理沙。
二人は、真っ赤な顔で向かい合っていた。
「おー……」
「おー……」
二人の少女が、書き連なっていく文章に目を落とし、顔をやや赤らめつつ似たような音の息を吐く。
片方は稗田阿求、片方は蓬莱山輝夜。
「これ、なかなかいいわね」
目が爛々と輝く、書き手の阿求。
「そうね……思わぬ方向に進んだけど、これは面白いわ」
ゾクゾクと背を震わせる、阿求に横からあれこれいってこんな話を書かせた輝夜。
ここは慧音宅。現在阿求は、慧音に頼まれて歴史の授業用に使う教材を書いていた。というか、書くつもりでいた。そこに、月見で里をうろついていた輝夜が月見団子の香りに惹かれて慧音宅に闖入。二人は出会ってしまった。
そうして雑談を経て、私は文章を書く、なら私がお話を考える、私は別に小説を書いているわけでは、巫女と魔法使いが男っていうのはどう、聞いてませんね……でも面白そうですね。というようなやりとりの末、こうなったわけである。
「もっと他にも男にしてみましょう、妹紅や永琳なんかを男にするのも格好良さそうね」
「そうですね。でも、ここで氷精やスカーレット姉妹なんかも面白そうですよ」
きゃっきゃきゃっきゃと、二人ははしゃぐ。そして、次々と物語が考えられていった。
……が、突然二人の言葉が止まる。
「……元気なのは良いことですね」
二人の背後に、猛烈な怒気を撒き散らす、シルエット的にはどう見ても鬼が立っていたからである。
二人は怒気の理由を理解した。今二人が物語を書いた物は、慧音の授業用教材であったのだ。
まさに、凍り付く。しかし、慧音は何も言わない。となれば、二人が何か言わなければならない。ここで二人は、どうにか口を開く。
「お、おかえりなさい」
「お、お邪魔してます」
口から強張った声が溢れた。
「そう……今際の言葉で、謝罪が聞けなかったのは残念だ」
鬼の口が、怒りすぎて笑顔になる。教材を何より大事にする慧音が、最も沸点の低いハクタク状態であったことが不幸である。
「「ひぃ!」」
血の気が一気に引いていく。
「面白い話を書いてたようだな……揃って男になってみるか!」
「「ごめんなさーい!!」」
満月の美しい、月夜の晩の出来事であった。
なお、慧音が再びハクタクになるまでの一ヶ月、阿求と輝夜が姿を消していた。そして、どうして姿を消していたのか、本人たちは絶対に口にしなかったのだという。
この注意書きには嘘がありますが本当もあります。くれぐれも注意しれ。
・カップリング要素があります。
・違和感どころじゃないかもしれません。
・序文で駄目だと思ったらたぶん最後まで駄目だと思う。
・ほも要素あり。
・これで萌えるとすげぇ。
一応……一応注意はしたぞ、ジョジョ!
――――――――――ここまで注意書き。以下本文――――――――――
「……あー……あー……だっる」
博麗霊夢。やる気なかった。境内の掃除の途中に、箒に体重を乗せてだらりと休んでいる。
「……あのさ。掃除に使うのはまだいいぜ。でも、俺の箒に体重掛けて休まないでくれないか? 先っぽが悲しいくらい広がってるぜ。それで飛んで帰るのに」
一方、縁側に胡座をかいている黒い服の魔法使いは、酷く悲しい顔で箒を眺めている。到着早々霊夢に奪われた相棒の、あまりに乱暴な扱いっぷりに軽く涙が出そうだった。
「……減るもんじゃなし」
「減る減る。超減る。実害あるからな、その行動」
表情と声の高さでは判らないが、早口になっている当たり、結構真剣に箒の身を案じていることが判った。判った上で、霊夢はその体勢を変えない。
「ふーん」
「お前悪魔だよな!」
泣き伏せた。
「冗談だよ」
そう言って、霊夢はすくっと立ち上がる。
「その蛸のようになった箒をもって、何が冗談なんだよ」
「減るのは知ってるってこと」
「お前やっぱ悪魔だよな!」
突っ伏して悲しんでる魔理沙を見て、怠そうにしている霊夢。
それは、なんだか平和な場面であった。
ふと、霊夢が何かを思い出す。
「そういやさ」
「ん?」
赤い目を擦りつつ、魔理沙が顔を上げる。マジ泣きだったらしい。
「今日の夕飯はお前の好きな和食を作るつもりなんだけどさ、食ってくか?」
他意も媚びもない顔。そして、何気ない優しさ。
「……お」
「お?」
完全に不意打ちだったので、魔理沙は反応ができなかった。だが、しばらくして言葉の咀嚼が終わると、魔理沙は早口で答える。
「く、食ってく、食ってくぞ! 箒を駄目にされた弁償代わりだ! 一杯食べるぜ!」
霊夢の優しさが嬉しかったのだが、素直になれず、言葉が僅かに歪む。
「根に持つねぇ。はいはい、判ったよ」
こっちはそれを言葉通りに取って苦笑い。それを見て、魔理沙は少ししくじったという気持ちになったが、今更言い直すのもなんだったので、そのままにした。
暖かい風。涼しい風。交互に吹いて、髪を揺らす。
「……眠くなってきたぜ」
魔理沙は胡座のまま、左右にぐらりぐらりと揺れていた。
「寝れば? あとで起こしてやるよ」
「んー……じゃあそうする」
口にしたかと思うと、器用にそのまま九十度回転し、脚を開くとそのまま大の字になり、あっという間に寝息を立て始めた。
「おい、いくらなんでも早すぎるだろ」
呆れる霊夢。が、穏やかな寝息は止まない。
「……本当に寝たのか?」
どうせ演技だろうと思っていたのだが霊夢も、安定した寝息と穏やかな表情に、本当に魔理沙が眠ったのだと思えてきた。
「おーい、魔理沙ー」
近寄って声を掛ける。だが、返事はない。軽く揺らすが、同じく反応がない。
「……マジか」
驚きであった。
一応、どうせならもっと確認しておこうと、上から顔をのぞき込む。薄目を開けている用には見えない。
「……すごいな。こんな瞬時に眠れるもんなのか」
そう口にして、霊夢は魔理沙から顔を離そうとした。その途端、魔理沙の手が伸びて、霊夢の顔を捕らえる。
「えっ!」
思わずバランスを崩し、魔理沙の方へと倒れてしまった。そして魔理沙は目を閉じたまま、霊夢と唇を重ね合わせた。
「っ!」
驚き、飛び退くように距離を取る霊夢。
「へへへ……仕返し成功だぜ」
と、良い笑顔で起き上がる魔理沙。
二人は、真っ赤な顔で向かい合っていた。
「おー……」
「おー……」
二人の少女が、書き連なっていく文章に目を落とし、顔をやや赤らめつつ似たような音の息を吐く。
片方は稗田阿求、片方は蓬莱山輝夜。
「これ、なかなかいいわね」
目が爛々と輝く、書き手の阿求。
「そうね……思わぬ方向に進んだけど、これは面白いわ」
ゾクゾクと背を震わせる、阿求に横からあれこれいってこんな話を書かせた輝夜。
ここは慧音宅。現在阿求は、慧音に頼まれて歴史の授業用に使う教材を書いていた。というか、書くつもりでいた。そこに、月見で里をうろついていた輝夜が月見団子の香りに惹かれて慧音宅に闖入。二人は出会ってしまった。
そうして雑談を経て、私は文章を書く、なら私がお話を考える、私は別に小説を書いているわけでは、巫女と魔法使いが男っていうのはどう、聞いてませんね……でも面白そうですね。というようなやりとりの末、こうなったわけである。
「もっと他にも男にしてみましょう、妹紅や永琳なんかを男にするのも格好良さそうね」
「そうですね。でも、ここで氷精やスカーレット姉妹なんかも面白そうですよ」
きゃっきゃきゃっきゃと、二人ははしゃぐ。そして、次々と物語が考えられていった。
……が、突然二人の言葉が止まる。
「……元気なのは良いことですね」
二人の背後に、猛烈な怒気を撒き散らす、シルエット的にはどう見ても鬼が立っていたからである。
二人は怒気の理由を理解した。今二人が物語を書いた物は、慧音の授業用教材であったのだ。
まさに、凍り付く。しかし、慧音は何も言わない。となれば、二人が何か言わなければならない。ここで二人は、どうにか口を開く。
「お、おかえりなさい」
「お、お邪魔してます」
口から強張った声が溢れた。
「そう……今際の言葉で、謝罪が聞けなかったのは残念だ」
鬼の口が、怒りすぎて笑顔になる。教材を何より大事にする慧音が、最も沸点の低いハクタク状態であったことが不幸である。
「「ひぃ!」」
血の気が一気に引いていく。
「面白い話を書いてたようだな……揃って男になってみるか!」
「「ごめんなさーい!!」」
満月の美しい、月夜の晩の出来事であった。
なお、慧音が再びハクタクになるまでの一ヶ月、阿求と輝夜が姿を消していた。そして、どうして姿を消していたのか、本人たちは絶対に口にしなかったのだという。
間違ってるとか思ってすいませんでした!!
魔
理
沙
名前からして男として想像するにはちょっと無理があるかと思いましたね。(苦笑)
内容的には悪くはなかったかと。
あ、あと氷霊って・・・氷精の間違いですか?
あら? と、思いつつも読み進めていくと、なるほどそうでしたか~、と。
うん、読み進めて良かったですw
仲の良い輝夜と阿求ってのもいいですね~、少女しょうじょ~
「いいぞ!もっとやれ!!」
みんな仲良さげで全体的な雰囲気がほのぼのしてていいですね