鬱蒼と茂りわたる木々の群れ。
昼でも日の光が届くところは少なく、どこからか発生している瘴気も合わさって、その空気はジメジメと重い。
力を持たぬ者は生きることすら叶わない土地、魔法の森。
どこまでも陰鬱なこの森は、夏場ともなればその暑さと湿度は尋常ではなく不快指数は連日、ストップ高を更新している。
そもそも爽やかさとは無縁の場所であり、風も吹き込んでくることはないこの森。
そこら中で魔法キノコがボコボコと生えている。
そんな森の一角に住んでいる普通の魔法使い、霧雨 魔理沙は今、お隣さんであるアリスの家でだらけていた。
「暑いぜ、熱いぜ、厚くて死ぬぜ!」
「日本語を話しなさい、ここは幻想郷よ」
「人のセリフを盗るのは良くないと思うぜ」
「死んだら返してあげる」
少し不満そうな顔をしたが、そのまま何も言わず、椅子の背もたれにふにゃりと顎を乗せる魔理沙。
椅子に跨った背もたれを前にした格好だ。
年頃の少女がするような座り方ではないが、魔理沙がやると、どことなく愛嬌があって可愛らしい。
なんとなく、猫が枕に顎を乗せて寝ている様をアリスは連想した。
まあ、猫は猫でも性質の悪いドラ猫ではあるが……
「ていうか、もう少し涼しくならないのか?」
帽子で顔を扇ぎながら魔理沙が訊く。
軽く汗ばんでいるのが見えた。
「あら、十分じゃない。これ以上やると逆に寒いわよ」
「いや、まだ絶対暑いって!」
「そんな格好してるからでしょ?」
黒と白のモノクロカラーな魔理沙の格好は、見てるだけで暑くなってきそうだ。
ふわふわとしたスカートに、黒が基調の厚めの布地、どう見ても夏にするような格好ではない。
それに対してアリスは普段と違い、ワンピースを着ているだけだ。
溶け出しそうなくらい淡い水色のワンピース。
それをゆったりと着こなしており、どこか柔らかさを感じさせている。
細かな花の刺繍が入っており、胸の部分に小さくリボンがあしらわれていた。
魔理沙とは正反対の、さっぱりとして涼しげな格好。
ワンピース一枚だけなのだが、細やかな刺繍と淡い色づかいのおかげで、どこか品良く見える。
アリスの落ち着いた雰囲気も合わさって、まるでどこかのお嬢様といったところだ。
木陰でゆっくりと本でも読んでいれば、さぞ絵になるだろう。
「これでも夏用の服なんだぜ! ほら見てみろ、きちんと半袖で布地も薄いやつだ」
そう言いながら魔理沙は袖のところを指差す。
なるほど。確かに魔理沙の細い腕が見えている。
だが、どこから見てもその布地は薄くない。
「どう見ても春か秋くらいの服装よ、それ」
「それじゃあ、私とお前の基準が違うんだな」
陽気に笑う魔理沙に軽く溜息を吐きながら、アリスはふと気付く。
普段よりも、魔理沙が暑そうにしているのだ。
いつもならこんな恰好をしていても汗一つ掻かないはずだが、今日に限っては汗ばみ、帽子を団扇の代わりにしている。
「魔理沙、いつもより暑そうだけど、どうしたの?」
「あー、ちょっとな。メンテナンスで八卦炉が使えなくてさ……」
「ああ、なるほど」
魔理沙が普段から頼りにしており、最早体の一部ともいえるマジックアイテム、ミニ八卦炉。
料理で魚を焼くことから、弾幕ごっこで山を吹き飛ばすこと、果ては体温調節まで出来る、まさに万能器具だ。
一家に一台あればさぞかし重宝するであろう。
普段であれば八卦炉での温度調節でもって、魔理沙は日々を快適に過ごしてはずなのだ。
「と、いう訳でだ、アリス。八卦炉が使えない可哀想な私の為に部屋の温度下げてくれ」
「どういう訳か原稿用紙五十枚に書いてきたらいいわよ」
「読書感想文でももっと少ないぞ!」
「ていうか、自分でやればいいじゃない。部屋の温度下げるくらいなら」
「部屋が凍り付いていいんならやってやるぜ」
「どうしてあんたの魔法は0か100しかないのよ!」
やるからには徹底的に。
そんなことを口走りながら魔理沙が笑った。
ふと、そんなに暑いのだったらその服を脱いだらどうだろうか、とアリスは思ったが、直ぐに脳内で却下する。
普段がさつに振る舞っているが、魔理沙は案外、というか相当な乙女である。
以前、どこぞの店主が着替えているところを二人して目撃してしまった時に、魔理沙は顔を真っ赤にして思いっきりパニくっていた。
店に入ってすぐの所で着替えていた店主も店主ではあるが……それ以上に、あわあわと顔を真っ赤にして目を回している魔理沙に、アリスは驚いたものだった。
たかが男の上半身くらいでそこまで取り乱せるのか、とある意味では関心したのものだ。
他にも、宴会の時に紫辺りが魔理沙へセクハラまがいのことをしたら、あり得ない位に初心な反応をしていたこともあった。
普段から想像もできないような可愛らしい声でいやぁ! と叫んでいた魔理沙はもう鼻血もので、しばらくそれをネタにからかっていたものである。
後は、魔理沙がアリスの家に泊まった時に、アリスの少し大人な下着を見つけて、真っ赤な顔で、伏し目がちにそれを見つめていたこともあった。
ピンクのレースくらいで恥ずかしがることもないだろうに……
そんなことを思い出しながら、アリスは魔理沙を見詰める。
「で、八卦炉はいつ出来上がるの?」
「そうだなぁ、あと三、四日は掛かるって香霖は言ってた。簡単な整備なら私でも出来るが、今回は徹底的にやってもらうつもりだからな」
「その間、どうやって暑さを凌ぐつもり? 雪女みたいに凍りついた部屋で寝る?」
「いいや、比較的涼しいアリスの家に泊めてもらう!」
椅子に跨ったまま力強く宣言する魔理沙。
アリスが思いっきり溜息を吐いた。
別に、魔理沙が泊まることは珍しいことでもない。
お喋りに花が咲いて、いつの間にか夜になってたから泊まっていくということも多々あるし、たまにお泊まり会みたいなこともやるからだ。
それに、アリスの家は確かに涼しい。
魔法によってある程度の温度調節はしているし、ごちゃごちゃと物も置いておらず清潔感もある。
ただ、快適さでいえば紅魔館の方が居心地は良いはずだ。だが、普段が普段なだけに泊めてくれとは言い辛いのであろう。
毎日、押し入り強盗の様な事をしてれば目も付けられる。
魔理沙なりの紅魔館への遠慮なのだろうが、その遠慮を自分にも向けてほしい。とアリスは思ってしまうのだった。
「道理でいつもより荷物が多いわけか」
「三日分の着替えと下着持ってきた。歯ブラシとかはお前の家に置いてあるしな」
「まったく……」
「おっと、タダで泊めてもらおうだなんて思っていないさ。お土産もあるぜ」
軽く眼を見開いて、アリスは驚いた。
珍しい事もあるものだ。明日はあたりには、空が落ちてきそうである。ああ、コロニーが阻止限界点を超えた……
「この一撃が……歴史を変える」
「あー、どうした?」
「いえ、なんでもないわ。で、お土産って?」
若干の期待を込めてアリスが言うと、小さな子供のような笑みを浮かべて、魔理沙は数冊の本を取り出した。
アリスがそれに目を通すと、中々に貴重な魔道書だということが分かる。
紅魔館の大図書館でも早々、お目にかかれるものではないだろう。
高い魔力と、高度な術式が書の中で世界を作り、渦巻いていることが見ただけで分かった。
ただ一つ、それらの書の難点を挙げるとすれば……
「私の本じゃない、これ!!」
「もう全部覚えたんでな。返す」
他にも魔理沙が盗んでいったマジックアイテムやら魔術書やらがぞろぞろと並べられた。
そのいずれもが、元々はアリスのものである。
お土産と言って出すのがそれかい!
若干の期待をしていただけに、アリスのガッカリ度は大きい。
そのガッカリはやがてちょっとしたイライラに繋がり、そのイライラは怒りへと変わっていく。
机に盗品が並んでいく光景を眺めつつ、アリスが尋ねる。若干、その眼が座っている。しかも声音が結構怖い。
「で? これがお土産? お土産ね、分かったお土産なわけね……」
「まだまだ、こんなもんじゃないさ」
「まだ、何かありやがるわけね……」
お土産と言われて少しでも期待した自分を、アリスは心の中で〆る。
だから期待する方が悪いのよ
なによ!あなただって少しくらいはいいものが来るかもってはしゃいだくせに!
相手は魔理沙よ、これくらい想定しておかない方が悪いわ
あなたは想定してたわけ!?
あなたほどお人好しでないんでね
何を! この!!
ふん、甘いわぁ!!
「ああ、頑張れ私……負けるなもう片方の私……」
「お~い、大丈夫か?」
「……気にしないで、ちょっとね」
ニヒルな笑みを浮かべながらアリスが返事をする。
さようなら、お人良しな私……今まで楽しかったわ。
「こっちが本命だ。ほい、最近できた里の菓子屋のクッキーと、茸」
おかえり、お人良しな私……あなたって随分と現金ね。
「ああ、ありがとう。でも、その茸大丈夫なの?」
「ふふん、大丈夫に決まってるさ。何てったってこいつは椎茸だからな!!」
「……椎茸はそんなピンクじゃない」
「あれ? じゃあ、こっちの黄色い方か?」
「誰がそんな毒々しい色の椎茸食うのよ!」
「それじゃあ、せっかくだからこの赤い椎茸を選ぶぜ!」
「椎茸はそんな色しない!」
「じゃあ、この虹色に輝く椎茸に太陽石を合わせれば!!」
「名刀虹と虹の眼鏡がっ! これでラスボスも楽勝ね! って、それは虹の貝殻だぁ!!」
「ハイパーほしにくって美味そうだよな」
結局、魔理沙の持ってきたキノコは8割方得体の私えれないものだったので廃棄。
マタンゴとかどう食えと?
とりあえず、魔理沙の持ってきたクッキーでお茶を始めることと相成った。
「はい、アッサム。あなた、ミルクティーの方がよかったでしょ?」
「おー、サンキューだぜ」
ミルクと砂糖を入れ、ゆっくりと香りを楽しむアリス。
口に含むとミルクの甘みとアッサムの風味が口の中に広がる。
アッサムティーは風味が濃く出るため、ミルクと合わせても紅茶の味が潰れないのだ。
紅茶の甘さ、ミルクの濃厚さを味わいながら、ゆっくりと飲む。
魔理沙の持ってきたクッキーは、あっさりとした味わいのもので、少し濃いめのお茶によく合っていた。
「ふう……美味しい」
「フー! フゥゥゥー!」
アリスがお茶とクッキーの余韻を味わっていると、思いっきり息を吹いている音が聞こえる。
余韻台無し。
見てみると、魔理沙が凄い勢いで紅茶を冷ましていた。
汗をかきながら、精一杯湯気の立つ紅茶へ息を吹きかけている。
「ちょっと、冷めると美味しくないわよ?」
「暑いんだから仕様がないだろ?」
「だから、そんな暑そうな格好してるから暑いのよ」
「だったら、もっと部屋の温度下げてくれって!」
「だから、そうしたら寒いんだって!」
再び、溜息を吐いてアリスは紅茶を口にする。
そうして未だ息を吹いている魔理沙に目を向けた。
必死に息を吹いているせいか、顔が真っ赤になっていた。
額のあたりに汗が噴き出ていて、そこに前髪が張り付いている。小さな汗の筋が彼女の首元を下りていった。
要するに汗だくである。
「見てるだけで汗が出るわ……」
手で顔を扇ぎながら、一人呟くアリス。
涼しさが台無し、と少しウンザリする。
必死に息を吹きかけているの魔理沙を見ていると、アリスも軽く汗をかいてきた。
そこまで暑そうにしなくてもいいだろうに……と、汗だくの魔理沙に軽く同情心が湧いてくる。
「ねえ、そんなに暑いなら涼しい服、作ってあげようか?」
なんとなしにアリスが言うと、魔理沙が息を吹きつけるのを止めてアリスの顔を見る。
「あー? いいのか?」
「作ってあげてもいいわよ、ていうかむしろ作らせろ。見てるだけでこっちまで暑くなってちゃ敵わないのよ」
「珍しいなそんなこと言い出すなんて、どうかしたか?」
「別に。暑さってのいうのは気分でも変わってくるものなの。あなたを見てたら折角の涼しい雰囲気も台無しだわ」
「……後で何か請求するつもりじゃないだろうな? そんなんだったらお断りだぜ?」
「都会派は淑女ですのでそんなセコイことしませんわ。野良魔法使いとは違うの」
腕を組んでしばらく考え込む魔理沙。
額に軽く皺を寄せながら、口を尖らせて思案顔。
その表情はどこか子供染みていて、まるで親に何かを頼もうと言葉を選んでいる様に見える。
「分かった。じゃあ、お願いするかな」
「はい、了解。今着ているものより、マシな服を作ってあげるから待ってなさいね」
「さり気に酷いぜ。まあ期待せずに待っててやる」
にっ、と歯を見せながら魔理沙が笑う。
どこか悪戯っ子のような、魔理沙の一番似合う笑い方。
唯我独尊を絵にかいたような笑みだ。
「それじゃあ、サイズ測るから脱いで」
「……なんだって?」
裁縫箱をぶら下げた人形が飛んできて、そこからメジャーを取り出しながらアリスが言った。
魔理沙の、その笑顔が思いっきり引き攣る。
「サイズ測らないと服を作れないでしょ? だから脱いで」
「わざわざ脱がなくてもサイズぐらい測れるだろ」
「そんな服着たままでキチンと測れるわけないじゃない。私みたいに薄着ならともかく」
「……脱がなきゃ、駄目か?」
「色々と面倒だから脱いで」
「じ、自分で測るからさ、それでいいだろ?」
「なに頓珍漢なこと言ってるのよ。大体、身長測るのと訳が違うんだから、ほら分かったらとっとと脱ぐの」
「で、でもいきなり脱げって言われても……」
「女同士なのに何恥ずかしがってるのよ。いい加減にしないと服作らないわよ?」
「う、あう……分かったよ」
恥ずかしさで顔を真っ赤にして俯く魔理沙。
慎重とも言えるような手つきで、服を脱いでいく。
まるで焦らす様に繊細でゆっくりだ。
ぱさり、ぱさりと、その足元に服が落ちていく。
上着のところで、少しだけ躊躇をするものの、堪える様な表情で一気に脱ぎ去る。
申し訳ない程度のさらしが、膨らみのない未発達の胸を包んでいた。
その胸にはひたすらに平地が広がってる。
可哀相なくらいに小さな胸。
腹の所に可愛らしく臍の穴がぽつんと存在していた。
スカートを静かに下す。
その表情は、恥ずかしさで半分泣いているようだった。
そうして、魔理沙はさらしとドロワーズだけの姿となる。
恥かしさのせいか、顔どころかその体まで赤みを帯びていた。
目尻に軽く涙が溜まっている。
顔を真っ赤にして、潤んだような目で睨みつける魔理沙は、いぢめて下さいと言っているようなものだった。
そうして精一杯の抵抗なのか、もじもじと手でその体を隠そうとしている。
その華奢で細身の体はある程度の白さを帯びているが、それでも不健康という感じはなく、むしろ小動物のようにも見える。
とは言え、その肉付きは少なく、肋の影が僅かながら透けて見えた。
女というにはまだまだ未発達な体、かといって幼児というほどでもない体付き。
しかしマシュマロのように柔らかそうなその体は、抱きしめたくなるほどに可愛らしい。
なんとも中途半端だが、どこか微笑ましいともいえる裸姿だった。
「相変わらずの幼児体型ね」
「う、うるさい! 測るんならとっとと測ってくれ!!」
「はいはい」
人形にも手伝わせながら着々と採寸していくアリス。
手足の長さ、胴の長さ、ウエスト、バスト、ヒップ、その他諸々をメジャーで測っていく。
「バストAA……っと」
「一々、口に出すなぁ!!」
魔理沙がマジで泣きだすような場面もちょくちょくとあったりする。
その反応が面白いのか、アリスの方もちょくちょくSっ気を出したりした。
「ほらドロワーズとパンツ脱いで」
「あううぅ……」
「あら、まだ生えてな」「それ以上言うなああああああああああああああ!!」
「他のところは肉ついてないのに、お尻は良い形してるわねぇ。安産型?」
「な、撫でるなぁぁ!! っあう!」
その日、きゃっきゃウフフな桃色幻想郷は確かにありました。
* * * * *
翌日、数着の服を作り上げたアリス。
人形に作業を分担させるその様は、正に一人マニファクチュア。アリスだからできる生産性だろう。
産業革命も真っ青である。
「とりあえず幾つか作ってみたわ」
「流石に早いな。というか、一晩でこんだけ作れるものなのか?」
「人形を使えばこのぐらい簡単よ」
「アリスが~夜なべをしてー、服を作ってくれたあ~」
「歌うな。まあ、試してみたいデザインとかもあったからね。アイデアは腐るげにあったわ」
「人形に試す前に私で確かめるのかよ」
軽く非難するように魔理沙が言うが、さも当然というようにアリスが鼻で笑った。
しかし魔理沙も、服を作ってもらった手前大きなことは言えない。
何だかんだで、新しい服が出来上がるのを楽しみにしていたし、ちょっとしたお洒落もしたいと思っていたのだ。
魔理沙も年頃の女の子なのである。
実際、昨日のアリスの服を見て、可愛くて羨ましいとちょっとだけ思っていたりする。
「はい、とりあえずこれだけ着替えてきて」
「ほい、サンキュー……って多いな、やっぱり」
「文句言わずにとっとと着替える。あ、下着もその中に入ってるから」
「……ドロワーズじゃだめ?」
「だめぇ」
渡された袋をもってすごすごと部屋に入る魔理沙。
その後ろ姿を眺めながら、アリスは優雅に紅茶をすすった。
途端、魔理沙の入った部屋から声が上がる。
「な、なんだこれえ!」
その声と共に、どたとたと慌ただしくドアが開けられる。
魔理沙が持っているのは、アリスが作った服と下着。
「な、なんだよ、これ!」
「なんだも何も、服と下着よ。私お手製の」
「じゃなくて。何でこんなにスカート短いんだよ! しかもこの下着っ……!」
何と言っていいのか分からない様に口をパクパクと動かしている魔理沙。
確かに、ちょっと派手だったかしら? とアリスはそんなことを考える、が着るのは自分ではないので、とりあえず、魔理沙を言い包めることにした。
「スカートなんて普段は気にしないじゃない」
「でもこれはないだろ! この短さはあれだ、月の兎のやつよりも短いぞ!!」
「大丈夫、捲り上がらないよう作ってあるし」
「じゃなくて、こんな短いのなんて履けるか! 太股が思いっきり見えてるじゃないか!!」
「普段、ドロワーズ見せびらかしている人が言うセリフかしら?」
「あれは不可抗力だ」
「なら太股も不可抗力よ」
「……それとこれとは話が違うぞ」
「そんなに着たくないのなら服返しなさい。採寸直して自分で着てもいいし」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
ばつが悪そうに言いよどみ、魔理沙が俯く。
実際のところ、服は着てみたいらしい。
しかし、どうにもその踏ん切りがつかないようだ。
アリスとしては服のデザインぐらいでそこまで悩むのがどうにもじれったい。
「だ、大体、この下着はなんだよ! 生地が薄すぎるぞ!」
「蒸れないように生地を薄くして、布の面積もちょっと頑張ってみました」
「いらん頑張りをするな。ほとんど当て布みたいじゃないかこれ!」
「あら、それくらい誰でも履いてるわよ?」
しれっと嘘を吐く。
そんな必要最低限以下の布地しかないパンツなんて誰が履いているのか……
いや、ひょっとしたらあのスキマ辺りだったら履いているかも。パンツだけみたら立派な痴女だ。
「……お、お前も履いているのか?」
「今は違うけど、履くときはあるわねぇ」
「れ、霊夢とかも?」
「ひょっとしたら履いているんじゃない? あの子の場合、褌かもしれないけど」
「さ、咲夜とかも……か?」
「このぐらい履いてるかもね。ひょっとしたらもっと過激なものだったりして……」
カルチャーショックを受けた人間はこんな表情をするのだろう。
口を開けたまま、呆然とする魔理沙。心なしかその顔が赤いような気がする。
ヤックデカルチャー。
「な、あ……わ、私って遅れてるのか? クマさんパンツ履くようなのは時代遅れなのか!?」
「なんでクマさんパンツ?」
「魅魔様、いつもクマさんパンツだったから……」
「……まあ、それなりの年になったらクマさんパンツはやめるべきじゃない?」
「分かった……分かったぜ、アリス」
「な、何が?」
「今日、私はクマさんパンツを脱ぐ!そして、今日こそ魅魔様を超えてやるんだ!!」
「あー、そう。まあ頑張って」
クマさんパンツを連呼する少女二人。
色々な意味でシュールな会話だが、なぜか突っ込みが入ることがなかった。
ひょっとしたら何かの精霊が降臨していたのかもしれない。クマさんパンツの精とか。
そして、なんだか知らないが、魔理沙の中で下着を変えることが師匠を倒すことになっている。
最後は東方が赤く燃えるのだろうか。
そんなやり取りがあって、ようやく魔理沙は着替えることとなった。
* * * * *
「着替え終わったぞ」
そう言って魔理沙が部屋から出てくる。
心なしか、言葉の最後が上ずっているようだった。
着替えた魔理沙を見て、アリスが楽しそうに言う。
「とても似合ってるわよ」
「そ、そうか? いつもと違うから、なんだか落ち着かないぜ……」
白のミニスカートと青いノースリーブを着た魔理沙がそこに立っていた。
まず目につくのが、細いながらも健康的に伸びたその足。
白く短いスカートから覗く足はすらりと可愛らしく、少女特有の瑞々しさを綻ばせている。
澄み渡るような青色のノースリーブは、魔理沙の金髪と共に良く映え、彼女の愛らしい顔を際立たせていた。
健康的に露出した肩や、腕がなんとも眩しい。
ノースリーブには白い花の刺繍が入っており、その中に一つだけ黄色い花が混じっている。それが小さいながらも存在感を放っていた。
どことなく動きやすそうな格好に、魔理沙の快活な雰囲気がとてもよく合っており、太陽の下、力一杯に夏を謳歌している様が簡単に思い浮かんだ。
元気良く咲いたアサガオ。そんな言葉がしっくりくるような、そんなイメージ。
「着心地の方はどう?」
そう尋ねられ魔理沙はくるりと、その場で回る。
まるで体が重りが無くなった鳥のように、自由になった風船のように。どこまでも軽やかに、楽しげに。
その顔は笑顔に縁どられていた。
「最高だぜ。ちょっと足もとがスースーするけど」
「それはなにより。それじゃあ、次のに着がえて」
「せっかちだぜ」
そう言いながらも、次に魔理沙が着てきたのは純白のワンピース。
なんの刺繍もなく、色もない本当に無垢な白。
すっきりしていると言うより、むしろ簡素ともいえるが、その布地は日に当たると微かに光り輝いた。
つるつるとした手触りと光沢、絹製である。
真っ白なワンピースが日に透けて、きらきらと色を見せた。
どこまでも白のそれは光の色をまとって、自分の存在を厳かに主張する。
上品とも言える主張は、魔理沙の活発な生命力と混ざり合い、不思議な雰囲気を放っていた。
決してチグハグなわけでもなく、どちらかの雰囲気が勝ち過ぎるということも無い。
前からそれがあったと思えるような自然さと、無かったようにも思える不自然さ、そんなものが混ざり合っているようだった。
魔理沙の西洋的な容姿とそういった雰囲気が、まるで絵画の一場面のようにその場を切り取る。
金の髪と絹の白がきらきらと眩く輝いていた。
さっきと同じように、魔理沙がくるりと回る。
そうして、アリスに見せたその顔はどこまでも純粋で、どこまでも軽やかで、どこまでも嬉しそうだった。
ほんの一瞬、アリスにある情景が思い浮かぶ。
風渡る大草原に、純白のワンピースを着た魔理沙が立っていた。
そして、楽しそうにこちらに笑い掛けている。
光が丁度、逆光となって魔理沙を包み込んだ。
聖女のように、世界が彼女を祝福する。
一際強い風が、服の裾をはためかせていた。
「な、なあ、どうだ? 似合っているのか?」
不安そうな声が、アリスを現実に引き戻した。
見ると魔理沙が不安そうな顔で見つめている。
「十分似合ってるわよ。安心しなさい」
「そうか。よかったぁ……アリスが変な顔してるもんで不安になったじゃないか」
心底、ほっとしたといった感じで魔理沙が息を吐く。
「そんなに不安なら鏡見れば? そこにあるわよ」
「おお、気付かなかったぜ」
鏡の前で色々ポーズを取ったり、回ったりする魔理沙はとても生き生きとしていた。
そこにいるのは自分の服装を気にし、新しい服にときめいているただの少女だ。
年相応の可愛らしいただの女の子である。
普段、唯我独尊で不敵な笑みを浮かべている魔理沙からは想像できないくらい、純真で可愛らしい。
そんな魔理沙を見て、アリスがクスクスと笑う。
「……なに笑ってるんだ?」
「んー? 何だか可愛いなぁって、思ってね」
微笑みながらアリスが言う。
どこか茶化すような調子。しかし、母親が娘に掛けるようなそんな優しさを含んでいた言葉。
その言葉に、魔理沙が思わず赤くなった。
「わ、私は可愛いに決まってるだろ!」
「ええ、そうねぇ。可愛い可愛い」
優しく、子供をあやす様にアリスが言うと、魔理沙が更に赤くなった。
しどろもどろに何かを言おうとするが、結局うぅ、と可愛らしく呻いて終わる。
なおも、母親のように大らかに見つめるアリス。
「うー……次のやつに着替えるっ!!」
そんな視線に耐えられなくなったのか、喚く様に魔理沙が言った。
怒ったような、恥ずかしがるようなそんな感じで、魔理沙は小部屋に入っていく。
その後姿を見送って、普段と違う魔理沙が見れただけでも服を作った甲斐があった。と、アリスは一人微笑んだ。
「アリス、タノシイノ?」
「アリス、ウレシソウ」
「あら、上海、蓬莱」
机の横にチョコチョコと歩いてきたのは上海人形と蓬莱人形。
アリスの切り札であり、最愛の娘でもある人形達だ。
ある程度の自立思考が出来るので、言葉を掛ければ反応してくれたりする。
二体とも不思議そうな表情をしていた。
「うん、楽しいわよ。だってあの魔理沙があんな可愛い反応するんだもの」
「アリスガ、ウレシソウダッタカラ、ロクガシタヨ。ホメテホメテー」
「シャンハイトイッショニ、マリサヲロクガシタ」
「二人ともよくやったわ! うん、良い子良い子」
二体の頭を撫でるアリス。
上海も蓬莱も、くすぐったそうに表情を綻ばせた。
「まだまだ面白い顔が見れるかもしれないから、そのまま録画は続けなさい」
「ハーイ」
「ワカッター」
そうして、二体で楽しそうに飛んでく。
作った服はまだまだ沢山ある。
魔理沙の着せ替えもまだまだ終わらないだろう。
魔女達のオシャレはどこまでも続いていきそうだ。
「アリス~。着替えたぞお」
そう言って、魔理沙が着替えて出てきた。
今度の格好は。
昼でも日の光が届くところは少なく、どこからか発生している瘴気も合わさって、その空気はジメジメと重い。
力を持たぬ者は生きることすら叶わない土地、魔法の森。
どこまでも陰鬱なこの森は、夏場ともなればその暑さと湿度は尋常ではなく不快指数は連日、ストップ高を更新している。
そもそも爽やかさとは無縁の場所であり、風も吹き込んでくることはないこの森。
そこら中で魔法キノコがボコボコと生えている。
そんな森の一角に住んでいる普通の魔法使い、霧雨 魔理沙は今、お隣さんであるアリスの家でだらけていた。
「暑いぜ、熱いぜ、厚くて死ぬぜ!」
「日本語を話しなさい、ここは幻想郷よ」
「人のセリフを盗るのは良くないと思うぜ」
「死んだら返してあげる」
少し不満そうな顔をしたが、そのまま何も言わず、椅子の背もたれにふにゃりと顎を乗せる魔理沙。
椅子に跨った背もたれを前にした格好だ。
年頃の少女がするような座り方ではないが、魔理沙がやると、どことなく愛嬌があって可愛らしい。
なんとなく、猫が枕に顎を乗せて寝ている様をアリスは連想した。
まあ、猫は猫でも性質の悪いドラ猫ではあるが……
「ていうか、もう少し涼しくならないのか?」
帽子で顔を扇ぎながら魔理沙が訊く。
軽く汗ばんでいるのが見えた。
「あら、十分じゃない。これ以上やると逆に寒いわよ」
「いや、まだ絶対暑いって!」
「そんな格好してるからでしょ?」
黒と白のモノクロカラーな魔理沙の格好は、見てるだけで暑くなってきそうだ。
ふわふわとしたスカートに、黒が基調の厚めの布地、どう見ても夏にするような格好ではない。
それに対してアリスは普段と違い、ワンピースを着ているだけだ。
溶け出しそうなくらい淡い水色のワンピース。
それをゆったりと着こなしており、どこか柔らかさを感じさせている。
細かな花の刺繍が入っており、胸の部分に小さくリボンがあしらわれていた。
魔理沙とは正反対の、さっぱりとして涼しげな格好。
ワンピース一枚だけなのだが、細やかな刺繍と淡い色づかいのおかげで、どこか品良く見える。
アリスの落ち着いた雰囲気も合わさって、まるでどこかのお嬢様といったところだ。
木陰でゆっくりと本でも読んでいれば、さぞ絵になるだろう。
「これでも夏用の服なんだぜ! ほら見てみろ、きちんと半袖で布地も薄いやつだ」
そう言いながら魔理沙は袖のところを指差す。
なるほど。確かに魔理沙の細い腕が見えている。
だが、どこから見てもその布地は薄くない。
「どう見ても春か秋くらいの服装よ、それ」
「それじゃあ、私とお前の基準が違うんだな」
陽気に笑う魔理沙に軽く溜息を吐きながら、アリスはふと気付く。
普段よりも、魔理沙が暑そうにしているのだ。
いつもならこんな恰好をしていても汗一つ掻かないはずだが、今日に限っては汗ばみ、帽子を団扇の代わりにしている。
「魔理沙、いつもより暑そうだけど、どうしたの?」
「あー、ちょっとな。メンテナンスで八卦炉が使えなくてさ……」
「ああ、なるほど」
魔理沙が普段から頼りにしており、最早体の一部ともいえるマジックアイテム、ミニ八卦炉。
料理で魚を焼くことから、弾幕ごっこで山を吹き飛ばすこと、果ては体温調節まで出来る、まさに万能器具だ。
一家に一台あればさぞかし重宝するであろう。
普段であれば八卦炉での温度調節でもって、魔理沙は日々を快適に過ごしてはずなのだ。
「と、いう訳でだ、アリス。八卦炉が使えない可哀想な私の為に部屋の温度下げてくれ」
「どういう訳か原稿用紙五十枚に書いてきたらいいわよ」
「読書感想文でももっと少ないぞ!」
「ていうか、自分でやればいいじゃない。部屋の温度下げるくらいなら」
「部屋が凍り付いていいんならやってやるぜ」
「どうしてあんたの魔法は0か100しかないのよ!」
やるからには徹底的に。
そんなことを口走りながら魔理沙が笑った。
ふと、そんなに暑いのだったらその服を脱いだらどうだろうか、とアリスは思ったが、直ぐに脳内で却下する。
普段がさつに振る舞っているが、魔理沙は案外、というか相当な乙女である。
以前、どこぞの店主が着替えているところを二人して目撃してしまった時に、魔理沙は顔を真っ赤にして思いっきりパニくっていた。
店に入ってすぐの所で着替えていた店主も店主ではあるが……それ以上に、あわあわと顔を真っ赤にして目を回している魔理沙に、アリスは驚いたものだった。
たかが男の上半身くらいでそこまで取り乱せるのか、とある意味では関心したのものだ。
他にも、宴会の時に紫辺りが魔理沙へセクハラまがいのことをしたら、あり得ない位に初心な反応をしていたこともあった。
普段から想像もできないような可愛らしい声でいやぁ! と叫んでいた魔理沙はもう鼻血もので、しばらくそれをネタにからかっていたものである。
後は、魔理沙がアリスの家に泊まった時に、アリスの少し大人な下着を見つけて、真っ赤な顔で、伏し目がちにそれを見つめていたこともあった。
ピンクのレースくらいで恥ずかしがることもないだろうに……
そんなことを思い出しながら、アリスは魔理沙を見詰める。
「で、八卦炉はいつ出来上がるの?」
「そうだなぁ、あと三、四日は掛かるって香霖は言ってた。簡単な整備なら私でも出来るが、今回は徹底的にやってもらうつもりだからな」
「その間、どうやって暑さを凌ぐつもり? 雪女みたいに凍りついた部屋で寝る?」
「いいや、比較的涼しいアリスの家に泊めてもらう!」
椅子に跨ったまま力強く宣言する魔理沙。
アリスが思いっきり溜息を吐いた。
別に、魔理沙が泊まることは珍しいことでもない。
お喋りに花が咲いて、いつの間にか夜になってたから泊まっていくということも多々あるし、たまにお泊まり会みたいなこともやるからだ。
それに、アリスの家は確かに涼しい。
魔法によってある程度の温度調節はしているし、ごちゃごちゃと物も置いておらず清潔感もある。
ただ、快適さでいえば紅魔館の方が居心地は良いはずだ。だが、普段が普段なだけに泊めてくれとは言い辛いのであろう。
毎日、押し入り強盗の様な事をしてれば目も付けられる。
魔理沙なりの紅魔館への遠慮なのだろうが、その遠慮を自分にも向けてほしい。とアリスは思ってしまうのだった。
「道理でいつもより荷物が多いわけか」
「三日分の着替えと下着持ってきた。歯ブラシとかはお前の家に置いてあるしな」
「まったく……」
「おっと、タダで泊めてもらおうだなんて思っていないさ。お土産もあるぜ」
軽く眼を見開いて、アリスは驚いた。
珍しい事もあるものだ。明日はあたりには、空が落ちてきそうである。ああ、コロニーが阻止限界点を超えた……
「この一撃が……歴史を変える」
「あー、どうした?」
「いえ、なんでもないわ。で、お土産って?」
若干の期待を込めてアリスが言うと、小さな子供のような笑みを浮かべて、魔理沙は数冊の本を取り出した。
アリスがそれに目を通すと、中々に貴重な魔道書だということが分かる。
紅魔館の大図書館でも早々、お目にかかれるものではないだろう。
高い魔力と、高度な術式が書の中で世界を作り、渦巻いていることが見ただけで分かった。
ただ一つ、それらの書の難点を挙げるとすれば……
「私の本じゃない、これ!!」
「もう全部覚えたんでな。返す」
他にも魔理沙が盗んでいったマジックアイテムやら魔術書やらがぞろぞろと並べられた。
そのいずれもが、元々はアリスのものである。
お土産と言って出すのがそれかい!
若干の期待をしていただけに、アリスのガッカリ度は大きい。
そのガッカリはやがてちょっとしたイライラに繋がり、そのイライラは怒りへと変わっていく。
机に盗品が並んでいく光景を眺めつつ、アリスが尋ねる。若干、その眼が座っている。しかも声音が結構怖い。
「で? これがお土産? お土産ね、分かったお土産なわけね……」
「まだまだ、こんなもんじゃないさ」
「まだ、何かありやがるわけね……」
お土産と言われて少しでも期待した自分を、アリスは心の中で〆る。
だから期待する方が悪いのよ
なによ!あなただって少しくらいはいいものが来るかもってはしゃいだくせに!
相手は魔理沙よ、これくらい想定しておかない方が悪いわ
あなたは想定してたわけ!?
あなたほどお人好しでないんでね
何を! この!!
ふん、甘いわぁ!!
「ああ、頑張れ私……負けるなもう片方の私……」
「お~い、大丈夫か?」
「……気にしないで、ちょっとね」
ニヒルな笑みを浮かべながらアリスが返事をする。
さようなら、お人良しな私……今まで楽しかったわ。
「こっちが本命だ。ほい、最近できた里の菓子屋のクッキーと、茸」
おかえり、お人良しな私……あなたって随分と現金ね。
「ああ、ありがとう。でも、その茸大丈夫なの?」
「ふふん、大丈夫に決まってるさ。何てったってこいつは椎茸だからな!!」
「……椎茸はそんなピンクじゃない」
「あれ? じゃあ、こっちの黄色い方か?」
「誰がそんな毒々しい色の椎茸食うのよ!」
「それじゃあ、せっかくだからこの赤い椎茸を選ぶぜ!」
「椎茸はそんな色しない!」
「じゃあ、この虹色に輝く椎茸に太陽石を合わせれば!!」
「名刀虹と虹の眼鏡がっ! これでラスボスも楽勝ね! って、それは虹の貝殻だぁ!!」
「ハイパーほしにくって美味そうだよな」
結局、魔理沙の持ってきたキノコは8割方得体の私えれないものだったので廃棄。
マタンゴとかどう食えと?
とりあえず、魔理沙の持ってきたクッキーでお茶を始めることと相成った。
「はい、アッサム。あなた、ミルクティーの方がよかったでしょ?」
「おー、サンキューだぜ」
ミルクと砂糖を入れ、ゆっくりと香りを楽しむアリス。
口に含むとミルクの甘みとアッサムの風味が口の中に広がる。
アッサムティーは風味が濃く出るため、ミルクと合わせても紅茶の味が潰れないのだ。
紅茶の甘さ、ミルクの濃厚さを味わいながら、ゆっくりと飲む。
魔理沙の持ってきたクッキーは、あっさりとした味わいのもので、少し濃いめのお茶によく合っていた。
「ふう……美味しい」
「フー! フゥゥゥー!」
アリスがお茶とクッキーの余韻を味わっていると、思いっきり息を吹いている音が聞こえる。
余韻台無し。
見てみると、魔理沙が凄い勢いで紅茶を冷ましていた。
汗をかきながら、精一杯湯気の立つ紅茶へ息を吹きかけている。
「ちょっと、冷めると美味しくないわよ?」
「暑いんだから仕様がないだろ?」
「だから、そんな暑そうな格好してるから暑いのよ」
「だったら、もっと部屋の温度下げてくれって!」
「だから、そうしたら寒いんだって!」
再び、溜息を吐いてアリスは紅茶を口にする。
そうして未だ息を吹いている魔理沙に目を向けた。
必死に息を吹いているせいか、顔が真っ赤になっていた。
額のあたりに汗が噴き出ていて、そこに前髪が張り付いている。小さな汗の筋が彼女の首元を下りていった。
要するに汗だくである。
「見てるだけで汗が出るわ……」
手で顔を扇ぎながら、一人呟くアリス。
涼しさが台無し、と少しウンザリする。
必死に息を吹きかけているの魔理沙を見ていると、アリスも軽く汗をかいてきた。
そこまで暑そうにしなくてもいいだろうに……と、汗だくの魔理沙に軽く同情心が湧いてくる。
「ねえ、そんなに暑いなら涼しい服、作ってあげようか?」
なんとなしにアリスが言うと、魔理沙が息を吹きつけるのを止めてアリスの顔を見る。
「あー? いいのか?」
「作ってあげてもいいわよ、ていうかむしろ作らせろ。見てるだけでこっちまで暑くなってちゃ敵わないのよ」
「珍しいなそんなこと言い出すなんて、どうかしたか?」
「別に。暑さってのいうのは気分でも変わってくるものなの。あなたを見てたら折角の涼しい雰囲気も台無しだわ」
「……後で何か請求するつもりじゃないだろうな? そんなんだったらお断りだぜ?」
「都会派は淑女ですのでそんなセコイことしませんわ。野良魔法使いとは違うの」
腕を組んでしばらく考え込む魔理沙。
額に軽く皺を寄せながら、口を尖らせて思案顔。
その表情はどこか子供染みていて、まるで親に何かを頼もうと言葉を選んでいる様に見える。
「分かった。じゃあ、お願いするかな」
「はい、了解。今着ているものより、マシな服を作ってあげるから待ってなさいね」
「さり気に酷いぜ。まあ期待せずに待っててやる」
にっ、と歯を見せながら魔理沙が笑う。
どこか悪戯っ子のような、魔理沙の一番似合う笑い方。
唯我独尊を絵にかいたような笑みだ。
「それじゃあ、サイズ測るから脱いで」
「……なんだって?」
裁縫箱をぶら下げた人形が飛んできて、そこからメジャーを取り出しながらアリスが言った。
魔理沙の、その笑顔が思いっきり引き攣る。
「サイズ測らないと服を作れないでしょ? だから脱いで」
「わざわざ脱がなくてもサイズぐらい測れるだろ」
「そんな服着たままでキチンと測れるわけないじゃない。私みたいに薄着ならともかく」
「……脱がなきゃ、駄目か?」
「色々と面倒だから脱いで」
「じ、自分で測るからさ、それでいいだろ?」
「なに頓珍漢なこと言ってるのよ。大体、身長測るのと訳が違うんだから、ほら分かったらとっとと脱ぐの」
「で、でもいきなり脱げって言われても……」
「女同士なのに何恥ずかしがってるのよ。いい加減にしないと服作らないわよ?」
「う、あう……分かったよ」
恥ずかしさで顔を真っ赤にして俯く魔理沙。
慎重とも言えるような手つきで、服を脱いでいく。
まるで焦らす様に繊細でゆっくりだ。
ぱさり、ぱさりと、その足元に服が落ちていく。
上着のところで、少しだけ躊躇をするものの、堪える様な表情で一気に脱ぎ去る。
申し訳ない程度のさらしが、膨らみのない未発達の胸を包んでいた。
その胸にはひたすらに平地が広がってる。
可哀相なくらいに小さな胸。
腹の所に可愛らしく臍の穴がぽつんと存在していた。
スカートを静かに下す。
その表情は、恥ずかしさで半分泣いているようだった。
そうして、魔理沙はさらしとドロワーズだけの姿となる。
恥かしさのせいか、顔どころかその体まで赤みを帯びていた。
目尻に軽く涙が溜まっている。
顔を真っ赤にして、潤んだような目で睨みつける魔理沙は、いぢめて下さいと言っているようなものだった。
そうして精一杯の抵抗なのか、もじもじと手でその体を隠そうとしている。
その華奢で細身の体はある程度の白さを帯びているが、それでも不健康という感じはなく、むしろ小動物のようにも見える。
とは言え、その肉付きは少なく、肋の影が僅かながら透けて見えた。
女というにはまだまだ未発達な体、かといって幼児というほどでもない体付き。
しかしマシュマロのように柔らかそうなその体は、抱きしめたくなるほどに可愛らしい。
なんとも中途半端だが、どこか微笑ましいともいえる裸姿だった。
「相変わらずの幼児体型ね」
「う、うるさい! 測るんならとっとと測ってくれ!!」
「はいはい」
人形にも手伝わせながら着々と採寸していくアリス。
手足の長さ、胴の長さ、ウエスト、バスト、ヒップ、その他諸々をメジャーで測っていく。
「バストAA……っと」
「一々、口に出すなぁ!!」
魔理沙がマジで泣きだすような場面もちょくちょくとあったりする。
その反応が面白いのか、アリスの方もちょくちょくSっ気を出したりした。
「ほらドロワーズとパンツ脱いで」
「あううぅ……」
「あら、まだ生えてな」「それ以上言うなああああああああああああああ!!」
「他のところは肉ついてないのに、お尻は良い形してるわねぇ。安産型?」
「な、撫でるなぁぁ!! っあう!」
その日、きゃっきゃウフフな桃色幻想郷は確かにありました。
* * * * *
翌日、数着の服を作り上げたアリス。
人形に作業を分担させるその様は、正に一人マニファクチュア。アリスだからできる生産性だろう。
産業革命も真っ青である。
「とりあえず幾つか作ってみたわ」
「流石に早いな。というか、一晩でこんだけ作れるものなのか?」
「人形を使えばこのぐらい簡単よ」
「アリスが~夜なべをしてー、服を作ってくれたあ~」
「歌うな。まあ、試してみたいデザインとかもあったからね。アイデアは腐るげにあったわ」
「人形に試す前に私で確かめるのかよ」
軽く非難するように魔理沙が言うが、さも当然というようにアリスが鼻で笑った。
しかし魔理沙も、服を作ってもらった手前大きなことは言えない。
何だかんだで、新しい服が出来上がるのを楽しみにしていたし、ちょっとしたお洒落もしたいと思っていたのだ。
魔理沙も年頃の女の子なのである。
実際、昨日のアリスの服を見て、可愛くて羨ましいとちょっとだけ思っていたりする。
「はい、とりあえずこれだけ着替えてきて」
「ほい、サンキュー……って多いな、やっぱり」
「文句言わずにとっとと着替える。あ、下着もその中に入ってるから」
「……ドロワーズじゃだめ?」
「だめぇ」
渡された袋をもってすごすごと部屋に入る魔理沙。
その後ろ姿を眺めながら、アリスは優雅に紅茶をすすった。
途端、魔理沙の入った部屋から声が上がる。
「な、なんだこれえ!」
その声と共に、どたとたと慌ただしくドアが開けられる。
魔理沙が持っているのは、アリスが作った服と下着。
「な、なんだよ、これ!」
「なんだも何も、服と下着よ。私お手製の」
「じゃなくて。何でこんなにスカート短いんだよ! しかもこの下着っ……!」
何と言っていいのか分からない様に口をパクパクと動かしている魔理沙。
確かに、ちょっと派手だったかしら? とアリスはそんなことを考える、が着るのは自分ではないので、とりあえず、魔理沙を言い包めることにした。
「スカートなんて普段は気にしないじゃない」
「でもこれはないだろ! この短さはあれだ、月の兎のやつよりも短いぞ!!」
「大丈夫、捲り上がらないよう作ってあるし」
「じゃなくて、こんな短いのなんて履けるか! 太股が思いっきり見えてるじゃないか!!」
「普段、ドロワーズ見せびらかしている人が言うセリフかしら?」
「あれは不可抗力だ」
「なら太股も不可抗力よ」
「……それとこれとは話が違うぞ」
「そんなに着たくないのなら服返しなさい。採寸直して自分で着てもいいし」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
ばつが悪そうに言いよどみ、魔理沙が俯く。
実際のところ、服は着てみたいらしい。
しかし、どうにもその踏ん切りがつかないようだ。
アリスとしては服のデザインぐらいでそこまで悩むのがどうにもじれったい。
「だ、大体、この下着はなんだよ! 生地が薄すぎるぞ!」
「蒸れないように生地を薄くして、布の面積もちょっと頑張ってみました」
「いらん頑張りをするな。ほとんど当て布みたいじゃないかこれ!」
「あら、それくらい誰でも履いてるわよ?」
しれっと嘘を吐く。
そんな必要最低限以下の布地しかないパンツなんて誰が履いているのか……
いや、ひょっとしたらあのスキマ辺りだったら履いているかも。パンツだけみたら立派な痴女だ。
「……お、お前も履いているのか?」
「今は違うけど、履くときはあるわねぇ」
「れ、霊夢とかも?」
「ひょっとしたら履いているんじゃない? あの子の場合、褌かもしれないけど」
「さ、咲夜とかも……か?」
「このぐらい履いてるかもね。ひょっとしたらもっと過激なものだったりして……」
カルチャーショックを受けた人間はこんな表情をするのだろう。
口を開けたまま、呆然とする魔理沙。心なしかその顔が赤いような気がする。
ヤックデカルチャー。
「な、あ……わ、私って遅れてるのか? クマさんパンツ履くようなのは時代遅れなのか!?」
「なんでクマさんパンツ?」
「魅魔様、いつもクマさんパンツだったから……」
「……まあ、それなりの年になったらクマさんパンツはやめるべきじゃない?」
「分かった……分かったぜ、アリス」
「な、何が?」
「今日、私はクマさんパンツを脱ぐ!そして、今日こそ魅魔様を超えてやるんだ!!」
「あー、そう。まあ頑張って」
クマさんパンツを連呼する少女二人。
色々な意味でシュールな会話だが、なぜか突っ込みが入ることがなかった。
ひょっとしたら何かの精霊が降臨していたのかもしれない。クマさんパンツの精とか。
そして、なんだか知らないが、魔理沙の中で下着を変えることが師匠を倒すことになっている。
最後は東方が赤く燃えるのだろうか。
そんなやり取りがあって、ようやく魔理沙は着替えることとなった。
* * * * *
「着替え終わったぞ」
そう言って魔理沙が部屋から出てくる。
心なしか、言葉の最後が上ずっているようだった。
着替えた魔理沙を見て、アリスが楽しそうに言う。
「とても似合ってるわよ」
「そ、そうか? いつもと違うから、なんだか落ち着かないぜ……」
白のミニスカートと青いノースリーブを着た魔理沙がそこに立っていた。
まず目につくのが、細いながらも健康的に伸びたその足。
白く短いスカートから覗く足はすらりと可愛らしく、少女特有の瑞々しさを綻ばせている。
澄み渡るような青色のノースリーブは、魔理沙の金髪と共に良く映え、彼女の愛らしい顔を際立たせていた。
健康的に露出した肩や、腕がなんとも眩しい。
ノースリーブには白い花の刺繍が入っており、その中に一つだけ黄色い花が混じっている。それが小さいながらも存在感を放っていた。
どことなく動きやすそうな格好に、魔理沙の快活な雰囲気がとてもよく合っており、太陽の下、力一杯に夏を謳歌している様が簡単に思い浮かんだ。
元気良く咲いたアサガオ。そんな言葉がしっくりくるような、そんなイメージ。
「着心地の方はどう?」
そう尋ねられ魔理沙はくるりと、その場で回る。
まるで体が重りが無くなった鳥のように、自由になった風船のように。どこまでも軽やかに、楽しげに。
その顔は笑顔に縁どられていた。
「最高だぜ。ちょっと足もとがスースーするけど」
「それはなにより。それじゃあ、次のに着がえて」
「せっかちだぜ」
そう言いながらも、次に魔理沙が着てきたのは純白のワンピース。
なんの刺繍もなく、色もない本当に無垢な白。
すっきりしていると言うより、むしろ簡素ともいえるが、その布地は日に当たると微かに光り輝いた。
つるつるとした手触りと光沢、絹製である。
真っ白なワンピースが日に透けて、きらきらと色を見せた。
どこまでも白のそれは光の色をまとって、自分の存在を厳かに主張する。
上品とも言える主張は、魔理沙の活発な生命力と混ざり合い、不思議な雰囲気を放っていた。
決してチグハグなわけでもなく、どちらかの雰囲気が勝ち過ぎるということも無い。
前からそれがあったと思えるような自然さと、無かったようにも思える不自然さ、そんなものが混ざり合っているようだった。
魔理沙の西洋的な容姿とそういった雰囲気が、まるで絵画の一場面のようにその場を切り取る。
金の髪と絹の白がきらきらと眩く輝いていた。
さっきと同じように、魔理沙がくるりと回る。
そうして、アリスに見せたその顔はどこまでも純粋で、どこまでも軽やかで、どこまでも嬉しそうだった。
ほんの一瞬、アリスにある情景が思い浮かぶ。
風渡る大草原に、純白のワンピースを着た魔理沙が立っていた。
そして、楽しそうにこちらに笑い掛けている。
光が丁度、逆光となって魔理沙を包み込んだ。
聖女のように、世界が彼女を祝福する。
一際強い風が、服の裾をはためかせていた。
「な、なあ、どうだ? 似合っているのか?」
不安そうな声が、アリスを現実に引き戻した。
見ると魔理沙が不安そうな顔で見つめている。
「十分似合ってるわよ。安心しなさい」
「そうか。よかったぁ……アリスが変な顔してるもんで不安になったじゃないか」
心底、ほっとしたといった感じで魔理沙が息を吐く。
「そんなに不安なら鏡見れば? そこにあるわよ」
「おお、気付かなかったぜ」
鏡の前で色々ポーズを取ったり、回ったりする魔理沙はとても生き生きとしていた。
そこにいるのは自分の服装を気にし、新しい服にときめいているただの少女だ。
年相応の可愛らしいただの女の子である。
普段、唯我独尊で不敵な笑みを浮かべている魔理沙からは想像できないくらい、純真で可愛らしい。
そんな魔理沙を見て、アリスがクスクスと笑う。
「……なに笑ってるんだ?」
「んー? 何だか可愛いなぁって、思ってね」
微笑みながらアリスが言う。
どこか茶化すような調子。しかし、母親が娘に掛けるようなそんな優しさを含んでいた言葉。
その言葉に、魔理沙が思わず赤くなった。
「わ、私は可愛いに決まってるだろ!」
「ええ、そうねぇ。可愛い可愛い」
優しく、子供をあやす様にアリスが言うと、魔理沙が更に赤くなった。
しどろもどろに何かを言おうとするが、結局うぅ、と可愛らしく呻いて終わる。
なおも、母親のように大らかに見つめるアリス。
「うー……次のやつに着替えるっ!!」
そんな視線に耐えられなくなったのか、喚く様に魔理沙が言った。
怒ったような、恥ずかしがるようなそんな感じで、魔理沙は小部屋に入っていく。
その後姿を見送って、普段と違う魔理沙が見れただけでも服を作った甲斐があった。と、アリスは一人微笑んだ。
「アリス、タノシイノ?」
「アリス、ウレシソウ」
「あら、上海、蓬莱」
机の横にチョコチョコと歩いてきたのは上海人形と蓬莱人形。
アリスの切り札であり、最愛の娘でもある人形達だ。
ある程度の自立思考が出来るので、言葉を掛ければ反応してくれたりする。
二体とも不思議そうな表情をしていた。
「うん、楽しいわよ。だってあの魔理沙があんな可愛い反応するんだもの」
「アリスガ、ウレシソウダッタカラ、ロクガシタヨ。ホメテホメテー」
「シャンハイトイッショニ、マリサヲロクガシタ」
「二人ともよくやったわ! うん、良い子良い子」
二体の頭を撫でるアリス。
上海も蓬莱も、くすぐったそうに表情を綻ばせた。
「まだまだ面白い顔が見れるかもしれないから、そのまま録画は続けなさい」
「ハーイ」
「ワカッター」
そうして、二体で楽しそうに飛んでく。
作った服はまだまだ沢山ある。
魔理沙の着せ替えもまだまだ終わらないだろう。
魔女達のオシャレはどこまでも続いていきそうだ。
「アリス~。着替えたぞお」
そう言って、魔理沙が着替えて出てきた。
今度の格好は。
なかなか乙女チックな魔理沙を見ることができました。
ところで、八卦炉って「温度を下げる」ことができるのですか?
wwww
こーりん「やぁ魔理沙、どうしたんだい?その奇妙な格好は」
とか普通に言いそうだなww
幻想郷貧乳推奨派委員会の一人である自分としては魔理沙や霊夢は貧乳であるべきだと思うのです
貧乳は正義です
貧乳はいいものなのです
ところでドロワーズの下って何も着けないもんなんですかね
> 「分かった……分かったぜ、アリス。
→「分かった……分かったぜ、アリス」
乙女な魔理沙、ですか。
乙女。乙女ねぇ・・・。
自分勝手な理由で転がり込んで来て、メインのお土産は盗品。
その上、服を何着も作ってもらって。
随分と一方的に得してますね、乙女。
アリスが搾取されているとまでは思いませんけど、ロクガだけでなく
見合った何かがほしかったように思います。
おおっと、これ以上は紫もやしに許可を取ってからでござい。
どうですかパッチュさん? え?だめ?
からなくらな様
そもそも魔理沙を着替えさせたくて書いた作品ですしね。
どこまでも欲望に忠実な男なんで、自分。
八卦炉ですが、温度調節は独自設定です。風の魔理沙のオプションが八卦炉に見えたんで、冷気使ってるからいけるんじゃね?的なそんな感じ。
9番目の名前が無い程度の能力様
欲望の赴くままに書いた結果がこれだよ!
正直、お尻はやりすぎたかも……
10番目の名前が無い程度の能力様
11番目の方とのやり取りに吹いたw
コーリンにフラグぶち折られて、霊夢には誰か認識してもらえなかったってオチもあり。
そうして、アリスに慰めてもらうんですよ!
11番目の名前が無い程度の能力様
貧乳の素晴らしさは自分の腕程度では伝えられませんでした。
ちなみにえーき様もひんにゅ(ラストジャッジメント
12番目の名前が無い程度の能力様
ドロワのところを微修正しました。
ドロワだけ履いてるのって、なんだか涼しそうだなぁ……
着せ替え設定は正直、何人もの方が書いていると思います。
まあ、自分が書きたかったんで書いたんです。だって、魔理沙可愛いじゃんっ!!
16番目の名前が無い程度の能力様
う~ん、一方的に得してる……確かにそうですね。
魔理沙らしさを残しつつ、乙女な感じにしようとしたらこうなってしまいました。
アリスは世話焼きな子なので、気まぐれで服ぐらい作るんじゃないかなぁ?なんて考えてましたけど、そこらへんもきちんと書くべきでしたね。
まあ、そこらへんは俺の筆力が足らなかったとしかいいようがありません。
誤字指摘、感謝です。
ななななし様
バックベアード様、なにしてはるんですか。
パロネタがほとんど分かったあなたとは良い酒が飲めそうだ。
18番目の名前が無い程度の能力様
さあ、その光景を文章にする作業に戻るんだ!
しばらく間が開いての投稿ですので、正直、リハビリを兼ねた作品になっております。
色々と足らない作品ですけど、読んでくださった皆様に感謝。
後半に比べ、前半の展開は少し冗長かなと思いました。虹色の貝殻の下りとか。いや、クロトリは大好きなんですが。
服の描写がいちいち丁寧なのは、好印象です。アリスのワンピースに、魔理沙のノースリかわいいなぁ。ああ、二人ともかわいいなぁ。飴あげるからおじさんの家に来ない?
堪能させていただきました。
×そんな服着たままでキチン測れられるわけないじゃない
○そんな服着たままでキチンと測れるわけないじゃない
かな? 助詞抜けはともかく、ら抜き言葉かどうかは判別難しいのですが。
あ、オマワリさんちょうど良かった。あそこに不審者がですね……
前半の部分自分でもちょっと冗長だったかなと思います。
いや、でもクロトリネタをどうしても入れたかった……
服装と魔理沙の脱ぐシーンは一番頑張りましたwうん、気に入っていただけたなら嬉しいですよ。
26番目の前が無い程度の能力様
脱字してきどうもです。
ニホンゴムズカシイネ。
脳内魔理沙の乙女度やばい、まじやばい。やばいって言うもんじゃないくらいヤバイ。
具体的に言うと凄い顔真っ赤。おまえそれ赤すぎるんじゃね?ってくらい赤い。
以下こぴぺ
挿絵などなくとも俺の目には幻想郷がッ!
いやしかし、貴方の脳内は少し桃色すぎないか。
いいぞ!いいぞ!いいぞ!もっとやれ!全力で支持する!
夜は二人で下着姿でダブルベッドですね。わかりました。
何気に歯ブラシ常備な辺り既に同衾前提だと思うので、とっとと結婚しちゃって下さい。
なんともない行為なのに、書き手次第でギリギリになるんだなぁ。
面白かったです。もっと続きが読みたかったけど。
何はともあれ、予想以上の高評価ありがとうございます。
29番目の名前が無い程度の能力様
ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ(・∀・)
名前ガの兎様
寿命の半分やるからその目をよこせえぇ!!
俺の脳内が桃色過ぎる?バカ言っちゃあいけません。
桃色じゃなくてまっピンクです!俺の妄想力を甘く見ない方がいい……
36番目の名前が無い程度の能力様
いいえ、下着で寝ようとするアリスを魔理沙が恥ずかしそうに止めます。
女の子なら服ぐらい着ろ!と顔を真っ赤にしてたしなめるのがマイジャスティス。
歯ブラシ常備だとか、そういう何気ないところで仲が良いのが好きなんですよ。
38番目の名前が無い程度の能力様
いえいえ、ギリギリに関しては自分はまだまだ……
他のSS書きの方のほうがもっとアウアウなもの書きますしね、要精進です。
続きは皆様の想像力にお任せ。ここからどうなるかは皆様しだいでござい。
毒キノコはマタンゴじゃなくてママタンゴじゃないかい?
おおっと、フィルムを手に入れるんならまず、俺を倒してからにしてもらおうか!
ママタンゴが分からず、ググってみた。しかし、結局分からず……
うーん、気になる……
淡々と短く切りつつも、情感を抑えた詩的な文章。愛らしいイラスト絵葉書に添えると大変似合いそうです。最後まで滞りなく読めました。
ただ、読み易さを優先した結果でしょうか。言葉の選び方が若干新味に欠けるなぁと思いました。所々お芝居のト書きのようで、せっかくの小説なのに勿体無く感じました。
また、三文字様ご自身もご指摘のように、魔理沙の感情や描写が不安定で、時折首を傾げました。序盤の「やるからには徹底的に」で始まる段で性的な事柄に弱い魔理沙を描いた後で、「三日分の着替えと“下着”持ってきた」と発言させるのは如何なものでしょうか。
少々厳しい、出過ぎた指摘があったやもしれません。ご気分を悪くされたら御免なさい。
おお、細かな指摘ありがとうございます。
どうも自分は、動作を書くのが下手のようなんですよねぇ。それがト書きのように感じられる理由だと思います。
うん、まだまだ、勉強が足らない!
下着のところは、言われて初めて気付きましたね。そこらへんも気をつけないとなあ……
ちょっと関係のない話になりますが、実は自分、あなたの作品が大好きなんです。
文体とかもあなたのものを目指していたりします。
ですから、尊敬する方から批評をしていただけて、気分が悪くなるどころか、逆に嬉しいぐらいですよ!
厳しい意見は作家の良い薬ですからね。とにかく、評価ありがとうございます。